第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「FA技術とIT技術の融合分野であるインテリジェントFAシステム市場を対象に開発型ビジネスを通じて豊かな未来社会に貢献し、株主・顧客・社員及びその家族、そして関連する全ての会社や人々と将来の希望を共有し心豊かで風通しの良い企業風土を形成する」という経営理念のもとに、主として製造業における製造現場及び研究開発部門を対象に、ITとFA技術により開発・生産の省力化・能力向上・コストダウンの実現等トータルシステムの効率化に貢献してまいりました。

今後とも最先端の技術開発を心掛け、インテリジェントFAシステムの定着と普及に不断の努力を続け、現在の日本及び海外諸国の直面する諸問題に正面から向き合いながら、省エネ製品の普及促進、少子高齢化による労働力不足への対応を急ぐ企業への省力化・生産効率化への支援、海外進出企業をサポートし海外生産を実現させることによる海外諸国民の生活水準向上へのお手伝い等、様々な形でインテリジェントFAシステムビジネスを通じた豊かで公正、安全な社会の実現に向けた貢献を推進していく所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、技術進歩に伴いインテリジェントFAシステムビジネス環境が目まぐるしく変化していくこと及び中長期的に国内マーケットが縮小していくことが予想される状況下、さらに一層企業価値を高めていくためには、利益率の向上と新規事業分野や成長地域への投資を含めた成長分野への的確な選択投資が最も重要なポイントと考えております。

従って、最も重視している経営指標としては、利益率向上のモノサシとして連結売上高経常利益率、成長分野への選択投資のモノサシとして連結ROEであり、連結売上高経常利益率は8%、連結ROEは15%を当面の目標としておりますが、当連結会計年度ではそれぞれ5.1%、6.6%で終わりました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの基本的考え方として、FA業界における「One Stop Shopping」の実現を目指すことを旗印に、ソリューションプロバイダーとしての提案力、製造者としてのソフトウェア・ハードウェア作成能力、技術商社としての調達力、エンジニアリング会社としての工事遂行力、さらには保守・メンテナンス能力等も加え、顧客が求める全ての要求に当社グループ単独で応えられる体制を整えることを目標としております。

① グループ事業戦略

人口減少が続く我が国に比べ、新興国を中心とした海外マーケットが高い潜在成長力を有しているのは自明の理であり、従って当社グループの最重要顧客である国内主要製造業はその生産現場を海外へ移転し、今後さらに生産品目を増大させながら、進出する国、地域も拡大していくことは確実と考えております。この状況下、当社グループにとって海外での事業強化は将来の成長を左右する最重要テーマの一つであり、従来海外ビジネスの中心であった半導体基板検査装置ビジネスに加えて当社の得意とするシステムビジネス、メカトロ機器、計測装置や試験装置等、国内の主力ビジネスと同様の範囲へさらに広げながら海外展開すべく、海外営業本部を中心にこの分野での業容拡大に引き続き注力していく所存であります。

一方、マクロ的に大きく拡大が見込めない国内マーケットに関しては、IoT等の技術革新によって新たに生まれ、成長している市場を重点的に開拓し、選択と集中により高い成長が見込める分野への経営資源のシフトを推し進めて参りました。併せて当社グループの経営基本方針の一つである「One Stop Shopping」施策に基づき、顧客情報をグループ会社全体で共有し、顧客ニーズをより幅広く取り込むこと、顧客とのWin-Winの関係をさらに深耕することでグループ全体の競争力底上げを図ることを経営計画の柱としております。

 

② インテリジェントFAシステムの充実と販売拡大

昨今のIoTに代表されるIT技術の革新的な進歩は大変めざましく、FA技術とIoTの融合領域であるインテリジェントFAシステムビジネスにおいてもさらに高い次元での融合が進んでおり、当社グループにとっても次々に新たなビジネスチャンスが生まれています。こうした状況下で当社グループに求められることは、最新技術を駆使した製品を提供することにより、顧客ニーズを満たす製品開発と事業展開がタイムリーに図られることであり、そのためには自社による技術開発力とエンジニアリング遂行力を強化していくことが重要と考えております。2017年6月に新設したR&Dセンターを起点として、グループ総合力、技術開発力を強化する体制が整い、これらの集積された高度な技術情報を水平展開することで、さらなる技術レベルの底上げ並びに平準化に引き続き取り組んで参ります。

一方、我が国の少子高齢化による労働力不足と、製造業における単位労働コストの安いアジア諸国との競争力の維持という二つの命題に対応していくためには、徹底的な省力化が必要であることから、ロボットビジネスは将来的にも大変有望な市場と考えており、AI技術を取り入れたロボットに組み込むソフトウェアの開発等、当社グループの技術力を生かしたイノベーションの発掘にも力をいれていく所存であります。また、ロボットに限らず、製造業における省力化、自動化の範囲は技術の向上とともに益々広範囲となり、特に自動化システムや各種試験機等の省力化関連投資需要は今後も引き続き大きく伸張していく市場であると考えており、この分野でのビジネス推進体制もさらに強化していく所存であります。

また、従来から当社グループが得意としてきた省エネ製品や水の汚染対策となる水質監視装置等の環境関連製品の分野でも新製品の開発・拡販に注力していく所存であります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 海外展開を拡大させるための人材の充実

今後の海外展開の課題として、海外子会社と国内子会社、当社の営業及び技術部門がより一体となったフォロー体制を構築することが必要であると認識しております。この上で、顧客からの多種多様な海外投資に関連するニーズに対して包括的且つきめ細かな対応を求められております。その期待に応えるために関連部局担当者に海外ビジネスの習得と経験、語学力、海外固有の事情に対する適応力等が求められるのとともに、海外駐在員も高度化するインテリジェントFAシステムを幅広く理解する知識が求められております。引き続き、これらのニーズに対応できるグローバル人材を拡充させるため、今後も様々な施策を打っていく所存であります。
 また、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、人の往来が著しく制限されており、特に海外案件では従来対面で実施していた作業工程に大きく支障が出ております。当社グループとしても、社員及び顧客企業をはじめとするあらゆるステークホルダーの安全と健康を守り、安定的に事業運営を継続していくための対策を講じることが最重要課題の一つと捉えております。これら課題についてもリモートによる新たな手法を確立して参りましたが、更なるブラッシュアップを目指し、ロケーションに囚われない顧客の安全・安心、高品質への期待に応えて参ります。

 

② 新製品開発力の強化

研究開発型企業である当社グループにとって、新製品の開発は最も優先すべき課題の一つと認識しております。この課題に対し変化する時代に即したニーズの中からビジネスチャンスを探し求め、小さな環境の変化にも意識を傾け情報を収集していく必要があります。過去と比べ時間軸が大きく短縮されている現代では、IoTに代表される社会構造の変化を伴った技術革新の大きなうねりが短時間で起きております。

 

しかし、これこそ当社グループの活動領域の中に新たな需要が次々と作り出されているということであり、当社グループにとって強い追い風が吹いていると言えます。また、換言すれば、この追い風をいかにビジネス拡大に繋げていくかが、将来にわたり大きく飛躍できるかの分岐点であると考えております。従って、新製品開発力の強化と時代の要請に即した新製品開発を執り行うことが極めて重要であり、当社グループ全ての部門で問題点と開発の方向性を共有し、グループの総力を結集する必要があります。

 

③ 国内マーケット対策

コロナ禍の中、CASE等に代表される新たな技術、イノベーションによる新規投資需要が確実に発生しております。これらは当社グループのビジネスチャンスであり、且つ無限と言っていいほど存在しております。これらのビジネスチャンスへのアプローチが地域によって差があり、この差を埋めていくことが一つの課題であると認識しております。長い歴史と細かな拠点網が構築されている静岡県及びその近隣では、その捕捉率は比較的高いものがあります。しかし、新設拠点が多い地域ではまだまだ遅れをとっており、その改善のため現在の進出先を中心に市場拡大を狙える地域への積極的な投資を行っていく必要があります。

 

④ グループ総合力の向上

IoTを始めとするインテリジェントFAシステム市場に次々と登場する新技術に対応しうるためには分野別に細分化された各子会社と当社が力を合わせてより強力なシナジー効果を発揮し、グループトータルの技術力、提案力を強化する必要があります。また、当社グループの重要施策の一つである「One Stop Shopping」の更なる拡充・拡大のためにもグループ内の相互理解を深めるための人的交流やグループ展示会の開催等にも前向きに取り組み、グループ内で展開している事業に対する正確な知識と情報をグループ全員が共有できるような環境作りが肝要と考えております。この点においても引き続き積極的に取り組んで参ります。

 

 

2 【事業等のリスク】

我が国では生産年齢人口の減少が将来に亘って予見され、経済規模の拡大が期待できない一方、我が国を取り巻くアジア諸国は人口の増大と一人当たりGDPの上昇により引き続き経済規模を拡大していくことが予想されることから、今後もASEAN諸国を中心とした製造業の海外投資の拡大が予想されます。こうした中、客先製造業の海外生産が地理的側面及び生産品目的側面で今後益々多様化、複雑化されることが予想され、それに当社グループが対応するためにはより多くの経営資源を海外事業に投入する必要がありますが、主として人材面で海外事業に投入できる経営資源には制約があり、客先製造業の展開スピードに追いつかなくなるリスクがあります。

当社グループでは海外事業等における優秀な人材の確保並びに社内教育を継続的に行い、海外子会社等を通じて海外の情報収集及び海外事業の拡大に取り組んで参ります。

また、昨今のIT技術の進歩は目覚しく、顧客ニーズも日々激しく変化を遂げている環境下、研究開発型の当社グループとしてもこの激しく変化する顧客ニーズの中長期的な方向性を的確に見定めることは極めて重要であり、この方向感を読み間違い、当社グループの技術及び製品が時代の要請に応えられなくなることも当社の抱えるリスクの一つであります。

当社グループでは常に顧客ニーズを把握し、最新の技術動向に目を向け、付加価値の高いソリューションを提供できるように継続的に努めているほか、さらなる業容拡大に向け、取扱製品の拡大も図っております。
 新型コロナウイルス感染症に関し、社員に対して徹底した衛生管理を呼びかけ、在宅勤務の推進や出張・イベントの中止等、柔軟且つ迅速に対応しながら事業活動を継続しておりますが、従業員が感染した場合、国または地方公共団体から自粛要請があった場合等には、感染拡大防止のために事業活動が制限されるリスクがあります。当社は引き続き状況を積極的に監視し、社員及び顧客企業をはじめとするあらゆるステークホルダーの安全と健康を守ることを念頭に、必要と判断した場合において事業運営の変更等、さらなる措置を講じる可能性があります。
 また、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化した場合には、景気が減退し、当社グループの事業に影響を及ぼすリスクがあります。具体的には、顧客の経営状況の悪化によるIT投資の抑制及び先送りによる新規案件の減少及び既存案件の規模縮小並びに顧客の代金支払遅滞による当社グループキャッシュ・フローの悪化等のリスクが想定されます。

これらのリスクを正確に見通すことは困難でありますが、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクがあるものと認識しています。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末における当社グループが判断したものであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により国内外での経済活動が依然として大きく制限を受け、これに加え米中貿易摩擦による影響や英国のEU離脱問題、世界的な半導体の供給不足が各国経済に大きな影響を与えており、より多くの不確実性を抱えたまま景気の先行きは不透明な状況で推移しました。

当社グループとしましては、経営基本方針としている「One Stop Shopping」施策を継続して推し進め、受注範囲の拡大及び収益性の向上を目指し、新たなビジネスモデル構築に尽力して参りました。人手不足が深刻化する環境下での省力化投資によるロボット需要の拡大、さらにはロボットの作業範囲を広げるAIの進展等、当社グループには強い追い風が吹いております。当連結会計年度後半では大手企業の設備投資に復調の兆しが見えて参りましたが、これに北米を襲った寒波に起因する樹脂不足と半導体の供給不足が水を差し、設備投資需要に供給が追いついていけないといった状況に陥っております。

国内外のお客様におかれましては、生産量そのものはコロナ前の水準まで回復しており、今後中長期的には新規の設備投資・研究開発投資が順調に拡大していくものと思われます。設備・研究開発投資依存型のビジネスモデルである当社グループの業績は、短期的な変動要因はあるものの多少の時差を伴って拡大期を迎えるものと予想しております。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は272億94百万円(前期比14.9%の減)となり、損益面としましては営業利益が12億47百万円(同37.4%の減)、経常利益が13億81百万円(同32.7%の減)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億64百万円(同32.4%の減)となりました。

 

なお、当社グループのセグメント別概況は次のとおりです。

(インテリジェントFAシステム事業)

インテリジェントFAシステム事業では、引き続き各種検査装置が好調だったこと、ロボット関連事業の拡大もあり中盤から比較的順調に推移し利益率の改善も見られておりましたが、上半期の低調な推移と合わせ、終盤の半導体の供給不足等が影響し、売上高は99億74百万円(前期比13.8%の減)、営業利益は6億78百万円(同41.4%の減)と減収・減益になりました。

 

(IT制御・科学測定事業)

当事業のうちIT制御は主として製造業の合理化・研究開発の自動化等を目的とした設備投資の対象であるため、比較的景況の影響を受け易い傾向があります。一方、当事業の中でも科学測定分野は科学分析・計測機器等に代表される企業の新製品開発を目的とする部門や品質管理部門を対象とするため、景気の動向に左右されにくく安定的な分野であります。当連結会計年度においては、顧客の研究開発投資は依然として旺盛であり大きく復調が見られたものの、当事業に占める割合の大きい生産設備への投資については、復調傾向ではあるものの、この回復が当初の予測より時期的に遅かったことや経済環境によって規模的にも予想を下回る水準での推移となりました。これらの結果、売上高は172億88百万円(前期比15.5%の減)、営業利益は8億6百万円(同28.9%の減)と減収・減益になりました。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度におけるインテリジェントFAシステム事業の生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

7,307,371

86.1

合計

7,307,371

86.1

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度におけるIT制御・科学測定事業の商品仕入実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

IT制御・科学測定事業

14,945,008

84.9

合計

14,945,008

84.9

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

10,580,151

100.3

4,460,660

115.8

IT制御・科学測定事業

17,749,256

91.1

3,176,320

116.9

合計

28,329,407

94.3

7,636,980

116.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

9,974,073

86.2

IT制御・科学測定事業

17,288,967

84.5

その他

31,170

76.1

合計

27,294,211

85.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は165億40百万円となり、前期と比較して1億27百万円減少しました。この減少の主な要因は、現金及び預金が16億74百万円増加した一方、受取手形及び売掛金と電子記録債権を合わせた売上債権が19億70百万円減少したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は75億8百万円となり、前期と比較して1百万円減少しました。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は75億24百万円となり、前期と比較して10億74百万円減少しました。この減少の主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が7億86百万円、未払法人税等が1億48百万円、未払消費税等が1億30百万円減少したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は24億12百万円となり、前期と比較して2億8百万円増加しました。この増加の主な要因は、長期借入金が1億80百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は141億11百万円となり、前期と比較して7億37百万円増加しました。この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が6億43百万円増加したこと等によるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により得られた資金の合計額が投資活動及び財務活動により支出された資金を上回ったため、前連結会計年度末に比べ16億74百万円増加し、62億87百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、18億75百万円(前期は22億83百万円の収入)となりました。これは主として仕入債務の減少額が7億86百万円と法人税等の支払額が6億58百万円あった一方、売上債権の減少額が19億70百万円と税金等調整前当期純利益が13億38百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、1億55百万円(前期は1億39百万円の支出)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出が1億1百万円と無形固定資産の取得による支出が50百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、47百万円(前期は2億45百万円の支出)となりました。これは主として長期借入れによる収入が1億80百万円あった一方、配当金の支払額が2億19百万円あったこと等によるものであります。

 

 

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要な会計方針等は「第5 経理の状況1.連結財務諸表等注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断のもと、一定の前提条件に基づく見積りが必要な場合があり、これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況1.連結財務諸表等注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、会計上の見積りを行う上での、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 イ 売上高

当連結会計年度の売上高は272億94百万円(前期比14.9%の減)となりました。

インテリジェントFAシステム事業では、各種検査装置が好調だったこと、ロボット関連事業の拡大もあり中盤から比較的順調に推移しましたが、上半期の低調な推移と合わせ、終盤の半導体の供給不足等が影響し、売上高は99億74百万円(前期比13.8%の減)となりました。

IT制御・科学測定事業では、顧客の研究開発投資は依然として旺盛であり大きく復調が見られたものの、当事業に占める割合の大きい生産設備への投資については、復調傾向ではあるものの、この回復が当初の予測より時期的に遅かったことや経済環境によって規模的にも予想を下回る水準で推移したこと等により、売上高は172億88百万円(前期比15.5%の減)となりました。

 

 ロ 営業利益

当連結会計年度の営業利益は12億47百万円(前期比37.4%の減)となりました。

インテリジェントFAシステム事業では、利益率の改善も見られておりましたが、売上高の低調な推移に合わせて営業利益は6億78百万円(同41.4%の減)となりました。

IT制御・科学測定事業では、売上高自体が予想を下回る水準で推移したこと等により営業利益は8億6百万円(同28.9%の減)となりました。

 

 ハ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は13億81百万円(前期比32.7%の減)となりました。

これは主として、受取配当金28百万円、仕入割引27百万円等の営業外収益を1億43百万円計上したこと等によるものであります。

 

 二 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は8億64百万円(前期比32.4%の減)となりました。

これは主として、投資有価証券評価損43百万円、法人税、住民税及び事業税4億69百万円を計上したこと等によるものであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、顧客である製造業の設備投資意欲、とりわけ当社グループが得意とするFA技術とIoTの融合分野であるインテリジェントFAシステムに対する購買意欲であり、さらにこの購買意欲に影響を与える最大の要因としては景気変動による設備投資動向の変化、当社製品がIoTを含む最先端のIT技術を駆使したFAシステムを常に提供できる体制を整え、顧客ニーズの変化を的確に捉えているかということが考えられます。加えて製造業各社が海外での生産を拡大させており、これに伴って発生する新たな需要を的確にフォローし、当社グループの海外ビジネス推進体制を整備して海外ビジネスの強化・拡大にどこまで取り組めるかということも重要な要素と考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 特筆すべき事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは経営基本方針として、FA業界における「One Stop Shopping」を目指しております。お客様が抱えている多方面の要望(提案、設計、製造、設置、工事、保守)をまとめて対応出来るよう当社グループの連携を強化し取り組んでおります。

研究開発型企業である当社グループにとって「提案」できることが最大の付加価値であり、そのため新製品の開発と新技術の取り込みは常に最優先課題として日々時代のニーズに即したテーマを開拓・探求しております。

当社グループの主たる顧客である製造業に対しては、自動化、省力化・ロボット化、見える化、AIの組み込みといったニーズに対応する数々のソリューション開発をはじめ、IoT関連技術や通信技術を広い範囲に適用する各種システム製品の充実で顧客要望に応えて参りました。

従来の自動車産業に加えて他の産業にも生産設備へのロボット導入が加速しています。3Dカメラ、画層認識技術及びロボットハンドの要素ラインナップが揃ってきたこともあり、導入までの開発期間の短縮が実現できるようになってきました。人が物を掴むようにピックアップし、決まった位置にセットする、以前はこの動作を行うには複雑な構造をした搬送機が必要でしたが、それに取って代わろうとしています。また、対象の形が変わってもプログラムとハンドを変えることで難なく対応できるようになり、少量多品種の製造現場には有効です。

見える化、IoTの関連では新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークへの対応要求が急速に高まってまいりました。IoTのデバイス、通信インフラも充実してきたため、システム構築が容易に実現できるようになっております。それに伴い社内ネットワークが外部とつながる事によるセキュリティ面に関しても重要視されることとなり、単にIoTのシステムを導入するだけではなく、セキュリティ面の見直しも含めトータルソリューションを提供させていただいております。また、モバイル通信の5Gが整ってきたこともあり、今後遅延・切断の心配がなくなれば今まで専用回線でしか出来ていなかった「遠隔制御」「リモートメンテナンス」などが発展すると考えられます。

AIの分野は成長が著しく顔認証技術がセキュリティ分野へ、行動パターン解析から顧客ニーズを求め、物体検出技術が自動運転へと採用されております。FA業界では入退室管理や検査の判定に応用する事が考えられています。AIを使う事で今まで熟練の人間が判断していた事が機械的に出来るようになります。しかしながら、AIの判断仕様を明確に資料として残せないと将来的に判断基準がわからなくなってしまい、技術が埋もれてしまう可能性が懸念されており、製品仕様書の書ける技術者を育てることが重要です。

EV(Electric Vehicle)の業界では、水素をエネルギーとする燃料電池が増えてきましたが、リチウムイオン電池もまだ残っております。生産設備関連ではリチウムイオン電池のセパレータ(絶縁材)異物検査装置「Milvus(ミルバス)」の開発が進み、フィールドテストを行っております。リチウムイオン電池市場では、未だ不良品による事故もあり、高感度の検査装置のニーズは留まることはありません。市場投入を急ぐべく研究開発を進めております。

当社の研究開発体制は、研究開発本部でエレクトロニクス分野の基礎研究と応用製品開発、ロボット本部でメカトロニクスシステム設計、第一エンジニアリング本部でソフトウェアテクノロジーに基づいた要素技術やネットワークアプリケーション開発を行っております。そして顧客満足度の向上にトータルソリューションが必要であると考え、品質面を強化すべく品質保証部を充実しマネジメントと製品品質向上を目指します。それに加えグループの経営戦略として、カナダの研究開発機関であるKyoritsu Electric Corporation (Canada)には引き続き組み込みシステムに特化した基礎研究開発に専念させ、市場対応の強化を図っていく方針であります。

当社グループでは引き続きインテリジェントFA・IoT関連技術の開発に注力し、FA業界における「One Stop Shopping」を進め、今後とも競争力の高い新製品の開発に邁進いたします。

なお、インテリジェントFAシステム事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は286百万円となっております。