(1) 経営方針
当社グループは、「革新」により社業の発展を図り、「信頼」により顧客とパートナーとの共存を維持し、「創造」により社会に貢献し続ける存在でありたいという経営理念のもと、日本初のファブレスLSIメーカーの草分けとして1990年に創業し、研究開発に特化して独自技術を磨き、システムLSI開発をコア事業として発展してまいりました。
当社グループは、「LSIによるシステム(機器)のソリューションを提供することによって顧客と共に発展・成長すること」、「果たすべき責任は、会社を取りまく利害関係者から良い会社であるとの評価を獲得すること」をミッションとして掲げ、自主独立で発展し、継続的な成長を目指していく考えであります。
これを実現するために、成長機器市場である「車載・産業機器分野」、「通信インフラ分野」、「IoT分野」を中心に、競争力に優れた独自技術であるアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使した製品を積極的に投入し、事業基盤であるアミューズメント向け事業に加え、成長市場で高い競争力を持つ高速有線通信分野向け事業、通信インフラ向け事業、MEMSタイミングデバイス事業を事業の柱として育成し、国内外において事業の拡大を図ってまいります。
また、経営効率の改善を図り、業績の持続的向上により成長し、堅固な財務体質を維持しつつ、投資家の皆様に積極的な利益還元を行うことを基本方針といたします。
(2) 経営指標
具体的な目標数値を設定しておりませんが、収益力・資本効率に関する経営指標として連結株主資本利益率、連結営業利益率を向上させていくことが重要であると考えております。また、のれん等償却前営業利益(注)と連結キャッシュ・フローを重視しております。
(注) 連結決算において、企業買収によるのれん及び無形固定資産の償却費を除外して算出した営業利益を「のれん等償却前営業利益」としております。
参考:第29期のれん等償却前営業利益 31億5千2百万円(営業利益5億7千3百万円+企業買収によるのれん及び無形固定資産の償却費25億7千9百万円)
(3) 経営環境及び対処すべき課題
急速な情報通信技術の革新により産業と暮らしはますます変化し、豊かな情報化社会が目の前に実現しようとしており、我々を取り巻く機器のキーデバイスである半導体製品に求められることも大きく変わろうとしています。
当社を取り巻くエレクトロニクス産業においても、PCやモバイル機器などの民生用機器分野の成長は鈍化する一方で、今後の成長分野である車載分野、産業用機器分野の電子部品の高性能化や多機能化などのニーズが高まり、半導体製品においては高精度・多機能・小型・低消費電力などに貢献する製品を中心に需要の拡大が期待される状況となっております。
当社グループはこうした動きを更なる成長の機会と捉え、経営資源を集中する分野を明確にして、これまでにない新しい価値の創造と高い技術力により、独創性のある幅広いソリューションを顧客に提供し、顧客とともに発展・成長することで、豊かな未来社会作りに貢献したいと考えております。
① 今後の成長が見込める車載・産業機器、通信インフラ分野へ経営資源を集中し、新たな事業を育てることで事業ポートフォリオの適正化を図り、中長期の持続的な成長を目指します。そのために、アナログLSI技術の競争力強化及び海外アライアンス企業との協業により顧客の課題を解決するための差別化とソリューションの強化を図ります。
② ASIC事業においては、既存の主力分野であるアミューズメント向け事業の基盤をさらに強化・拡大することに加え、新規事業分野における国内外の有力顧客の開拓に取り組みます。具体的には、高速有線通信分野における当社独自のコア技術を用い、車載分野、産業機器分野向けに、事業拡大を図ります。
③ ASSP事業では、アナログ/デジタル技術とMEMS技術を核とし、5G通信インフラ、車載、IoT分野へビジネス展開を図ります。具体的には、MEMSタイミングデバイスを中心としてグローバル有力顧客とのビジネス拡大を図ります。
④ 人材育成及びダイバーシティ(多様性)推進により今後の成長を支える先進的で独創性のある人材を強化するとともに、事業活動における環境配慮や社会への貢献に取り組みます。また、コーポレートガバナンス及びリスクマネジメント体制の強化、自己資本比率の改善など、経営環境の変化に柔軟かつ迅速に適応できるよう経営基盤強化のための取り組みを推進いたします。
(4) 会社の支配に関する基本方針
当社は、会社の支配に関する基本方針は定めておりませんが、買収防衛策や濫用的買収者から株主の皆様の利益を守ることは会社の経営上重要な事項として認識しており、最近の企業買収動向につきまして常時情報を収集しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において当社が判断したものであります。
当社グループは、ゲームカセットに使用されるゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)、ゲーム機本体・周辺機器向けのLSI、デジタルカメラ向け等画像処理用LSI並びに液晶パネル向けタイミングコントローラLSIを主に販売しておりますが、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)を主に供給している、任天堂株式会社への売上高の割合が高くなっております。
したがって、これらのLSI製品が使用されるゲーム機器やゲームソフトウェアの販売動向、また、同社におけるLSIの採用状況などにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。
なお、任天堂株式会社への売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (4) 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりであります。
当社グループは、創業より経営資源を研究開発に集中し、製品の生産を外部に委託するファブレスメーカーという事業形態を採用することにより、特徴のある技術力を核に顧客のニーズに最適な製品を開発し、多くの資金が必要となる生産設備投資に制約されることなく事業を拡大してまいりました。生産は国内外のファウンドリーまたは委託先メーカーに分散して委託しておりますが、主力取引先である任天堂株式会社へ供給するゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)及びゲーム機本体・周辺機器向けのLSIなどの製品を生産委託している、Macronix International Co.,Ltd.(以下「マクロニクス社」)からの仕入高の割合が高くなっております。
したがって、何らかの理由によりマクロニクス社で生産ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は任天堂株式会社及びマクロニクス社との間で製造委託契約を締結しており、両社と良好かつ緊密な関係を構築し、安定的な製品の供給に努めております。
当社グループは自社で生産設備は保有せず、生産は全て外部に委託するファブレスの事業形態をとっており、LSI製品を国内外の大手ファウンドリーに生産委託しております。
したがって、半導体市況の需給バランスにより調達数量と価格が影響を受け、当社グループの望む数量及び価格で製品が調達できない可能性があります。
また、当社グループのLSIは先端のデジタル機器に採用されておりますが、当該分野は技術革新のスピードが速く、これらの製品が継続して採用される保証はありません。当社グループのLSIが採用されている最終製品においても、激しい市場競争にさらされているため、その影響により需要が変動する可能性があります。
事業の成長を加速するための出資を含めた戦略的提携におきましては、事業上の補完関係の構築や業績の拡大等において、当社の予測どおりの効果が得られない可能性があります。
当社グループは、「革新」により社業の発展を図り、「信頼」により顧客との共存を維持し、「創造」により社会に貢献し続ける存在でありたいという経営理念のもと、技術開発力をベースとして事業を展開しております。その競争力の源泉は、成長分野である車載・産業機器、通信インフラ分野に係わる市場の特定顧客や応用分野向けに製品を「特化」し、顧客に最先端技術と製品を提供するために経営資源を研究開発活動に「集中」し、当社グループの「独自性」を発揮することにあります。
当社グループは、今後も継続して斬新で魅力のある製品を開発し、市場に提供できるものと考えておりますが、当社グループが属する業界は技術の進歩が目覚ましく、新しいと考えていた技術が突然陳腐化し、新たな技術やサービスが急速に普及するなど、市場に大きな変化が起こる可能性があります。変化が生じた場合には、必ずしも迅速に対応できるとは限らず、変化に対応するために多額の研究開発費用を投資する場合があります。このような場合、当社グループの業績は影響を受けます。
また、当社グループは最先端の技術を開発し、技術及び製品の競争優位性を維持する最善の努力を行っておりますが、技術開発競争において他社が優位に立った場合、当社グループのシェアは低下し、業績は影響を受けます。
当社グループは、独自のアナログ/デジタル/MEMS技術を活用し、技術開発力をベースとして事業を展開しており、その成長は「人財」に大きく依存しております。そのため、優れた技術者を獲得し維持することや、必要とする「人財」をどのように処遇し、どのように育成していくかは非常に重要な経営課題となっております。
また、当社グループは、主にモバイル、ウェアラブル機器を含む成長機器市場をターゲットに、企業買収や研究開発投資を行い、積極的なグローバル展開を進めた結果、海外の子会社に在籍する「人財」を維持しつつ、現地におけるマネージメント層へ育成することや、技術や経営に携わる「人財」のグローバル対応は非常に重要となっております。
当社グループでは、これらに必要な人事処遇体系を再構築し、「人財」の育成計画を策定し、実行してまいりますが、将来において、当社グループの国内外の優秀な技術者が多数離職したり、新規採用や「人財」の育成・グローバル化が計画どおりにできなかった場合、当社グループの競争力が弱まり、企業価値そのものに重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの事業取引には、米ドルを主とする外貨建取引が一定割合含まれております。このため外国為替相場、殊に日本円・米ドル間の為替相場の変動により、当社グループの業績が変動する可能性があります。
なお、当社グループは必要に応じて為替予約取引を利用し、為替リスクの低減に努めております。
当社は、会社の支配に関する基本方針は定めておりませんが、買収防衛策や濫用的買収者から株主の皆様の利益を守ることは会社の経営上重要な事項として認識しており、最近の企業買収動向について常時情報を収集しております。
当社グループは、法令遵守の重視、コーポレート・ガバナンス体制の確立を重要な経営課題のひとつとしてその強化に努め、リスク管理の充実を図っております。
また、当社グループは、当社取締役会において会社法の規定に基づく内部統制に関する基本方針を定め、これに基づき、金融商品取引法による財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムの整備、ルールに基づいた運用とその評価に取り組んでおり、適法かつ適正な会社運営を行っております。
しかしながら、当社グループが構築した内部統制システムで想定する範囲外の事態が発生した場合は、財務報告並びに情報開示の信頼性、網羅性等を確保できない可能性があります。このような場合、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループの財政状態、経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、研究開発を主体としたファブレスメーカーであり、知的財産権の保護は事業展開上の重要課題と認識しております。
そのため、当社グループは、知的財産に係わる社内体制及び特許事務所との連携を強化し、当社グループが提供する製品・サービスを保護するための特許や商標などの出願・登録を積極的に行うと同時に、他社権利の調査を徹底することにより他社権利侵害の防止に努めております。
しかしながら、当社グループが出願する特許や商標などがすべて登録されるとは限らないこと、また、公開前の他社技術など、他社権利を調査しても把握できないものもあることから、他社の知的財産権を侵害し、訴えを提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの独創的な技術が、特定の国・地域においては、法整備等の理由により充分な保護を受けることができない可能性があります。このような状況下で、他社が当社グループの知的財産を無断で使用し、類似の製品を市場に販売した場合、これを効果的に阻止することができない可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と言う)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における電子機器業界においては、産業用電子機器の需要が前年同期と同水準となったものの、電子部品・デバイスの需要が減少し、電子機器業界全体の市場は前年同期比減という状況で推移いたしました。
ASIC事業においては、これまでの主力分野であるゲーム機器、デジタルカメラ、事務機器分野に加え、産業機器分野における国内外の有力顧客に向け、顧客の機器・サービスのアプリケーションに最適なソリューションを提供しております。その競争力は、顧客のアプリケーションに関する深い理解と独自のコア技術を基に、アルゴリズム・アーキテクチャの開発から性能・コスト競争力に優れたシステムLSIの開発・供給を、上流の論理設計から下流の物理設計、製造オペレーション、品質保証に至るまで一貫したサポート体制で提供できることにあります。
ASSP事業においては、国内外の競合企業や市場環境の変化に適応しつつ、急速な情報通信技術の革新が進展する中で更なる成長を図るため、成長機器市場の有力グローバル企業に向けたビジネスを展開いたしました。また、それを担うグローバルに通用する人材の育成や体制強化を図ってまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が増加したことにより、売上高は951億4千5百万円(前年同期比6.9%増)となりました。また、企業買収によるのれん及び無形固定資産の償却費が25億7千9百万円発生したこと、将来に向けた開発投資のため研究開発費が78億4千3百万円(同25.4%増)となったことに加え、第1四半期においてMEMSタイミングデバイスの一部の特定製品の在庫評価の見直しにより8億6千9百万円を売上原価に計上したこと等が利益の押し下げ要因となり、のれん等償却前の営業利益は31億5千2百万円、のれん等償却後の営業利益は5億7千3百万円(同78.8%減)、経常利益は5億2百万円(同77.2%減)となりました。また、事業構造改革の一環として行った経営資源の配分の見直しに伴うものを主として、ソフトウェア等の除却による固定資産除却損を15億2千7百万円、固定費削減を目的とする人員減のための特別退職金を3億7千1百万円それぞれ特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は17億2千7百万円(前年同期は19億4千8百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
当連結会計年度末における総資産は919億7千7百万円(前連結会計年度比26億5千5百万円の減少)となりました。主要な項目を前連結会計年度と比較すると、受取手形及び売掛金が129億5千9百万円増加した一方で、現金及び預金が94億3千4百万円、のれんが19億5千万円、投資有価証券が16億8千4百万円、ソフトウエアが12億2百万円それぞれ減少しております。
負債合計は657億5千3百万円(同23億4百万円の増加)となりました。主要な項目を前連結会計年度と比較すると、短期借入金が32億6千6百万円、1年内返済予定の長期借入金が55億円それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が51億4千8百万円、長期借入金が10億円それぞれ減少しております。
純資産は262億2千3百万円(同49億6千万円の減少)となりました。この結果、自己資本比率は28.5%(同4.5ポイントの下降)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、101億8千2百万円となり、前連結会計年度に比べ92億6千6百万円の減少(前年同期は74億9千4百万円の増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、137億円の資金の使用(前年同期は47億1千5百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が10億5千4百万円(前年同期は23億7千7百万円の税金等調整前当期純利益)となったこと、また、減価償却費が33億5千万円、のれん償却額が17億9千4百万円、固定資産除却損が15億2千7百万円発生した一方で、売上債権が131億1千2百万円の増加、仕入債務が49億7千2百万円の減少となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億9千9百万円の資金の使用(前年同期は50億7百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が10億1千7百万円、無形固定資産の取得による支出が7億9千6百万円、長期前払費用の取得による支出が6億1千8百万円それぞれあった一方で、事業譲渡による収入が7億5千9百万円あったことによるものであります。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、162億円の資金の使用(前年同期は2億9千2百万円の資金の使用)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、70億4千万円の資金の獲得(前年同期は79億5千4百万円の資金の獲得)となりました。これは短期借入金が32億7千8百万円の純増となり、長期借入による収入が110億円あった一方で、長期借入金の返済による支出が65億円あったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績はありません。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積もりに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
貸倒引当金に関して、過去の貸倒実績率により算定した額のほか、個別に債権の回収可能性を見積って計上いたします。
たな卸資産に関して、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合に評価の切り下げを行います。
有価証券に関して、時価が著しく低下した場合には、当該有価証券は時価で連結貸借対照表に計上し、時価と簿価との差額はその期間の損失として認識いたします。適正な時価が容易に入手できない場合で、当該有価証券の実質価額が著しく低下している場合は、実質価額まで評価の切り下げを行います。
長期前払費用に関して、回収見込額が取得価額よりも下落した場合に評価の切り下げを行います。
工事契約に関して、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その超過すると見込まれる額を計上いたします。
のれんに関して、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却いたします。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行います。
主にゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が増加したことにより、951億4千5百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
当連結会計年度の売上原価は、755億9百万円となりました。原価率は、第1四半期においてMEMSタイミングデバイスの一部の特定製品の在庫評価の見直しにより8億6千9百万円を費用計上したこと等により、前連結会計年度から3.4ポイント悪化の79.4%となり、売上総利益は196億3千6百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、今後の成長が見込める分野へ積極的な研究開発投資を行ったこと等により、190億6千2百万円となり、前連結会計年度と比較して3億4千5百万円増加いたしました。この主な内訳は、給料、賞与引当金繰入額等の人件費が54億1千2百万円(同20.7%減)、研究開発費が78億4千3百万円(同25.4%増)、海外企業の買収に伴うのれん償却額が17億9千4百万円(同1.2%減)となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は5億7千3百万円(同78.8%減)となりました。
為替差益が3億1千6百万円発生したこと、営業外費用として金融機関からの借入金に対する支払利息5億8百万円を計上したこと等により、営業外収益及び営業外費用の差引額は7千1百万円の費用となりました。
また、特別利益としてシステム事業部門の吸収分割による譲渡に伴う事業譲渡益3億2千9百万円を計上し、事業構造改革の一環として行った経営資源の配分の見直しに伴うものを主として、ソフトウェア等の除却による固定資産除却損を15億2千7百万円、固定費削減を目的とする人員減のための特別退職金を3億7千1百万円それぞれ特別損失に計上したこと等により、特別利益及び特別損失の差引額は15億5千7百万円の損失となりました。以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は10億5千4百万円(前年同期は23億7千7百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額が7億1千8百万円(前年同期比7.1%減)、法人税等調整額がマイナス4千5百万円(前年同期はマイナス3億6千5百万円)となった結果、親会社株主に帰属する当期純損失は17億2千7百万円(前年同期は19億4千8百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
次期の社会環境においては、2020年代の社会を支える超高速通信ネットワークが急速に拡大し、ますます豊かな情報化社会の実現が目の前となり、さらには、地球環境維持を目的とした自然共生社会、低炭素社会、循環型社会の実現へ向けた取り組みは、継続されていくものと思われます。
当社を取り巻くエレクトロニクス産業においても、PCやモバイル機器などの民生用機器分野の成長は鈍化する一方で、今後の成長分野である車載分野、産業用機器分野の電子部品の高性能化や多機能化などのニーズが高まり、半導体製品においても高精度・多機能・小型・低消費電力などに貢献する製品を中心に需要の拡大が期待される状況となっております。
このような状況の下、当社グループは、ASIC事業を再成長路線に乗せ収益基盤を強化し、最終利益の黒字化を図る一方で、今後の成長が見込める車載・産業機器、通信インフラ分野へ経営資源を集中し、中長期の成長を加速させる考えです。
ASIC事業においては、アミューズメント向け事業の基盤強化を図るとともに、高速有線通信分野のコア技術を活用し、車載分野、産業機器分野向けに応用分野の拡大と国内外の有力顧客の獲得を図ります。
ASSP事業においては、MEMSタイミングデバイスを核として、グローバル有力顧客とのビジネス拡大を図るとともに、通信インフラ分野、高速有線通信分野を中心に新たなビジネスの育成を積極的に推進いたします。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は919億7千7百万円(前連結会計年度末比26億5千5百万円の減少)となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、たな卸資産を中心に610億5百万円(同41億3千1百万円の増加)となりました。主な項目を前連結会計年度と比較すると、現金及び預金が94億3千4百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が129億5千9百万円増加しております。固定資産では、のれんが19億5千万円、ソフトウエアが12億2百万円、投資有価証券が16億8千4百万円それぞれ減少しております。
当社グループの資産構成の特徴はその流動性の高さにあります。企業買収等による無形固定資産が一定割合を占めるものの、総資産の66.3%を流動資産が占めております。その一方で、主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加により流動負債は406億8千3百万円(同35億9千4百万円の増加)となりましたが、流動比率は150.0%(同3.3ポイントの悪化)となりました。流動資産から、たな卸資産76億8百万円を控除した資産の額は533億9千6百万円となっており、総資産の58.1%を占めております。このような資産構成は、当社グループが資金を長期に亘り固定化する生産設備等の資産を持たないファブレスメーカーとして事業を展開してきた結果であります。当社グループは、今後も流動性の向上と健全な資産構成のバランスシートの維持に努めてまいります。
当連結会計年度末の負債合計は657億5千3百万円(同23億4百万円の増加)となりました。負債の主な内容は、短期借入金203億2千7百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)325億円、LSI製品の製造委託先からの仕入等に対する仕入債務64億8百万円となっております。主な項目を前連結会計年度と比較すると、支払手形及び買掛金が51億4千8百万円の減少、また、運転資金の旺盛な資金需要に備えた結果、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)は45億円、短期借入金は32億6千6百万円の増加となっております。
純資産は262億2千3百万円(同49億6千万円の減少)となりました。主な項目を前連結会計年度と比較すると、親会社株主に帰属する当期純損失が17億2千7百万円、剰余金の配当が7億3千8百万円となり、その他有価証券評価差額が21億9千9百万円、為替換算調整勘定が3億4千2百万円の減少となっております。
以上の結果、有利子負債の増加が主な要因となり、自己資本比率は28.5%と(同4.5ポイントの悪化)となりました。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが137億円の資金の使用(前年同期は47億1千5百万円の資金の獲得)、投資活動によるキャッシュ・フローが、24億9千9百万円の資金の使用(前年同期は50億7百万円の資金の使用)、財務活動によるキャッシュ・フローが70億4千万円の資金の獲得(前年同期は79億5千4百万円の資金の獲得)となった結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ92億6千6百万円減少し、101億8千2百万円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.第29期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループは、主に営業運転資金に充当するため、必要に応じて金融機関から資金を調達することとしております。営業運転資金は、新技術・新製品の研究開発費、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものはLSI製品の製造委託費用であります。
当連結会計年度の資金調達について特記すべき事項はありません。当連結会計年度末における金融機関からの借入金残高は、運転資金目的の借入金の増加に伴い、総額528億2千7百万円となっております。
当社グループは、その健全な資産構成と財務状況をベースに、当社グループの成長に必要な資金を、保有する売掛債権の売却、銀行借入れ又は増資などにより、必要な時期に必要な金額を調達できるものと考えております。
(注) 当契約により、Macronix International Co.,Ltd.からの仕入高の割合が大きくなっており、同社からの仕入高が当社の仕入高全体に占める割合は、前連結会計年度は46.4%、当連結会計年度は53.7%であります。
当社は、2018年11月16日開催の取締役会において、2019年1月1日を効力発生日として、セキュリティ・モニタリング用途向けに展開している当社のシステム事業部門を、株式会社豆蔵ホールディングスの連結子会社であるセンスシングスジャパン株式会社に、吸収分割の方法により承継することについて決定し、同日付で吸収分割契約書を締結いたしました。
なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、「独自のアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使したシステムLSI及び当該製品を利用したソリューションを提供すること」を方針として掲げ、積極的に研究開発活動を進めております。
技術革新の著しい成長機器市場において、競争優位性を確保し維持するため、この分野におけるLSI開発の知識とアプリケーションの知識を併せ持つ技術者が顧客やマーケットの要求をいち早く的確に把握し、独創的なアルゴリズム(データの処理手順あるいは手続きや処理方法)やアーキテクチャ(アルゴリズムを実現するためのソフトウェアやハードウェア構成)を開発することにより、製品の競争力と独自性の確保を図っております。
また、経営戦略上、特許権等の工業所有権による知的所有権の保護を重視しております。当連結会計年度末における工業所有権の所有状況並びに工業所有権のうち特許権の国別の所有状況は、次のとおりであります。
当社グループでは従業員の過半数が研究開発に従事しており、当社及び子会社の開発部門において、他社製品との差別化を実現するアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使したシステムLSI、システムLSI向けIP(設計資産)、タイミングデバイスなどに関連する以下の課題を中心に研究開発を進めております。
・基礎研究 :画像圧縮伸張、画像処理・通信に関するアルゴリズム、アーキテクチャ開発、各プロセス世代におけるLSI製品のデジタル設計プラットフォーム、ミックスド・シグナルIPの開発
・LSI製品の開発 :ゲーム機等エンターテインメント機器向けLSI、オーディオ・ビジュアル機器向けLSI、デジタルカメラ向け等画像処理用LSI、画像処理システムLSI用IP、光通信向けデータ処理LSI、有線通信向けLSI、アナログフロントエンドLSI、Smart Connectivity LSI(DisplayPort)、MEMSタイミングデバイスの開発
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
なお、当社は単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
任天堂㈱製ゲーム機向けゲームソフトウェア格納用LSI
任天堂㈱製ゲーム機向けの、大容量、低消費電力を実現したゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)を、引き続き多品種開発いたしました。
光通信向けIP、LSIの開発
光通信ネットワークのアクセス方式で、5G等次世代無線網でも重要な役割が期待されているPON(Passive Optical Network)の次世代システムに向け、最新の低消費電力16nmプロセスを採用した10Gbps(毎秒100億ビット)超高速SerDes(Serializer/Deserializer)IPを開発し、評価中です。今後、本IPを集積した次世代高性能PONシステム向けASIC製品の受注に向け取り組んでまいります。
アナログフロントエンドLSIの開発
ホーム・ネットワーク及びアクセス・ネットワーク分野において、1Gbps(毎秒10億ビット)以上のデータ転送を実現する次世代国際標準規格向けLSI製品の量産を開始いたしました。今後、さらに低消費電力、高性能および低価格化を進め、世界トップクラスのアナログフロントエンド製品として、有線通信分野でのシェア拡大を目指してまいります。
有線(撚り対線、同軸線、電源線)マルチホップ通信向けLSIの開発
スマートメーターや街灯制御等、スマートシティを実現するために必要な広範囲をカバーする安定した通信を実現するソリューションとして、本マルチホップ通信向けLSIの採用が進んでおります。さらに多くの分野への適用を目指し、顧客サポートの強化・性能改善に取り組んでまいります。
Smart Connectivity LSI(DisplayPort)の開発
当社独自のプロトコル変換、A/Vレンダリング、色忠実度の最適化、低消費電力設計、高度なセキュリティ機能、不正改ざん防止機能、高性能な高速信号処理のためのミックスド・シグナル技術などを駆使し、最新のDisplayPort/USB/HDMIに対応した多種多様な製品を、パソコン、モバイル端末、モニター製品、AV機器、コンピュータアクセサリなど様々な機器向けに開発しております。
今年度においては、USB 10Gbps、最新のDisplayPort規格に準拠した信号補正IC製品の注文の受付を開始いたしました。また、USB Type-CのPower Delivery 3.0に準拠した製品のサンプル提供を開始いたしました。USB Type-Cから、DisplayPortまたはHDMIとUSBにブリッジするための製品開発にも取り組み、製品の評価を開始いたしました。
MEMSタイミングデバイスの開発
SiTime Corporation独自のMEMS振動子と周波数逓倍回路や位相同期(PLL)回路、温度補正回路を集積したCMOSチップを一体化パッケージすることで、水晶製品を凌駕する性能・小型化と信頼性、大幅なリードタイムの短縮を実現したタイミングデバイスを開発しております。
今年度においては、5G通信インフラ機器向けに、あらゆる環境下でも5G機器の配置を可能にする、SiTime社現行製品の最高水準の性能を持つMEMSタイミングソリューション「Emerald Platform」のサンプル提供を開始しております。引き続き、拡大が予想される5G通信インフラ市場をメインターゲットに、より性能向上を目指した、次世代タイミングデバイス製品の開発に取り組んでおります。