第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
第31期
|
第32期
|
第33期
|
第34期
|
第35期
|
決算年月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
2025年3月
|
売上高(千円)
|
83,814,786
|
75,256,424
|
70,722,656
|
57,942,966
|
42,326,428
|
経常利益(千円)
|
3,912,972
|
7,857,606
|
7,311,611
|
3,456,428
|
2,608,368
|
親会社株主に帰属する当期純利益(千円)
|
20,920,279
|
27,544,382
|
7,086,161
|
4,486,913
|
5,371,919
|
包括利益(千円)
|
22,032,648
|
30,120,253
|
8,775,845
|
41,737,245
|
22,905,114
|
純資産額(千円)
|
50,043,484
|
67,428,618
|
74,535,052
|
102,673,736
|
118,241,401
|
総資産額(千円)
|
74,627,287
|
89,842,406
|
89,021,044
|
126,610,936
|
149,940,875
|
1株当たり純資産額(円)
|
2,299.49
|
3,517.30
|
3,883.46
|
5,639.82
|
6,901.20
|
1株当たり当期純利益(円)
|
961.28
|
1,349.01
|
369.40
|
242.30
|
306.27
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益(円)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
自己資本比率(%)
|
67.1
|
75.1
|
83.7
|
80.9
|
78.6
|
自己資本利益率(%)
|
53.6
|
46.9
|
10.0
|
5.1
|
4.9
|
株価収益率(倍)
|
3.67
|
2.80
|
8.85
|
15.99
|
14.32
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)
|
5,513,991
|
△195,283
|
1,241,438
|
8,160,970
|
△3,726,615
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)
|
17,022,431
|
20,018,801
|
△5,520,446
|
214,063
|
3,590,589
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)
|
△18,807,546
|
△16,534,657
|
△1,738,167
|
△5,392,739
|
△7,511,825
|
現金及び現金同等物の期末残高(千円)
|
21,407,837
|
25,769,446
|
20,717,240
|
25,160,064
|
17,547,875
|
従業員数
|
379
|
343
|
327
|
339
|
337
|
[外、平均臨時雇用者数](人)
|
[4]
|
[6]
|
[8]
|
[9]
|
[7]
|
(注)1.第31期から第34期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。第35期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第32期の期首から適用しており、第32期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第31期
|
第32期
|
第33期
|
第34期
|
第35期
|
決算年月
|
2021年3月
|
2022年3月
|
2023年3月
|
2024年3月
|
2025年3月
|
売上高(千円)
|
81,149,771
|
75,256,424
|
70,722,656
|
57,942,966
|
42,326,428
|
経常利益(千円)
|
5,372,437
|
7,441,842
|
7,241,062
|
6,023,595
|
2,509,272
|
当期純利益(千円)
|
13,514,784
|
19,773,073
|
7,108,901
|
7,480,545
|
6,052,850
|
資本金(千円)
|
4,840,313
|
4,840,313
|
4,840,313
|
4,840,313
|
4,840,313
|
発行済株式総数(株)
|
23,038,400
|
21,967,700
|
21,967,700
|
21,132,400
|
20,652,400
|
純資産額(千円)
|
48,153,848
|
55,208,615
|
59,928,370
|
97,419,538
|
114,683,839
|
総資産額(千円)
|
72,674,169
|
77,175,836
|
74,154,298
|
121,214,725
|
146,200,985
|
1株当たり純資産額(円)
|
2,212.66
|
2,879.86
|
3,122.42
|
5,365.04
|
6,718.33
|
1株当たり配当額(円)
|
80.00
|
90.00
|
90.00
|
110.00
|
140.00
|
(うち1株当たり中間配当額)
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
(-)
|
1株当たり当期純利益(円)
|
621.00
|
968.40
|
370.58
|
403.96
|
345.09
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益(円)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
自己資本比率(%)
|
66.3
|
71.5
|
80.8
|
80.4
|
78.4
|
自己資本利益率(%)
|
32.5
|
38.3
|
12.3
|
9.5
|
5.7
|
株価収益率(倍)
|
5.68
|
3.90
|
8.82
|
9.59
|
12.71
|
配当性向(%)
|
12.9
|
9.3
|
24.3
|
27.2
|
40.6
|
従業員数
|
355
|
331
|
318
|
329
|
327
|
[外、平均臨時雇用者数](人)
|
[4]
|
[6]
|
[8]
|
[9]
|
[7]
|
株主総利回り
|
234.3
|
256.2
|
229.2
|
275.2
|
317.0
|
[参考指標:配当込みTOPIX](%)
|
[142.1]
|
[145.0]
|
[153.4]
|
[216.8]
|
[213.4]
|
最高株価(円)
|
3,785
|
5,330
|
3,875
|
5,250
|
6,500
|
最低株価(円)
|
1,323
|
2,952
|
2,370
|
3,105
|
3,255
|
(注)1.第31期、第32期、第33期、第34期及び第35期の1株当たり配当額には、創立30周年の記念配当45円、特別配当50円、特別配当40円、特別配当60円、特別配当80円をそれぞれ含んでおります。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第32期の期首から適用しており、第32期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
当社は、1996年4月1日を合併期日とし、大阪市淀川区所在の株式会社メガチップス(実質上の存続会社・株式の額面金額50,000円)の株式の額面金額を変更(1株の額面金額を500円に変更)するために同社の資産、負債及び権利義務の一切を引継ぎ吸収合併いたしました。
なお、この「有価証券報告書」では別に記載のない限り実質上の存続会社について記載しており、事業年度の期数は実質上の存続会社である株式会社メガチップスの期数を継承し、1996年4月1日より始まる事業年度を第7期としております。
以上の内容を図示しますと次のとおりであります。
年月
|
事項
|
1990年4月
|
大阪府吹田市南金田において、資本金10,000千円で株式会社メガチップス(実質上の存続会社)を設立 受託開発事業を開始
|
1990年12月
|
本店を大阪府吹田市江坂町へ移転
|
1991年8月
|
顧客専用LSI事業を開始
|
1994年3月
|
Macronix International Co.,Ltd.との間で販売代理店契約締結
|
1994年7月
|
Macronix International Co.,Ltd.との間で任天堂向けゲームソフトウェア格納用LSIに関する共同開発契約締結
|
1995年3月
|
任天堂株式会社、Macronix International Co.,Ltd.との三者間で任天堂製ゲーム機に使用するゲームソフトウェア格納用LSIに関する製造委託契約締結
|
1995年9月
|
自社ブランドLSI事業を開始
|
1995年10月
|
システム製品事業を開始
|
1996年1月
|
本店を大阪市淀川区宮原へ移転
|
1996年4月
|
株式の額面金額50,000円を500円に変更するため、1996年4月1日株式会社メガチップス(形式上の存続会社)と合併
|
1998年2月
|
東日本の営業拠点として、東京営業所を設置
|
1998年8月
|
日本証券業協会に株式を店頭登録
|
1998年12月
|
システム製品の販社として、株式会社ビジュアルコミュニケーションを三井物産株式会社と合弁にて設立
|
2000年4月
|
株式会社ビジュアルコミュニケーションと株式会社カメオインタラクティブが合併し、商号を株式会社メガフュージョンに変更
|
2000年12月
|
東京証券取引所市場第一部に上場
|
2001年8月
|
株式会社メガフュージョンが日本証券業協会に株式を店頭登録
|
2003年10月
|
株式会社メガフュージョン(後の株式会社メガチップスシステムソリューションズ)との間で同社を完全子会社とする株式交換を実施
|
2004年2月
|
国際的な環境マネジメントシステムである「ISO14001」の認証を取得
|
年月
|
事項
|
2004年4月
|
LSI事業及びシステム事業を分割し、LSI事業については新設の株式会社メガチップスLSIソリューションズに、システム事業については株式会社メガチップスシステムソリューションズに承継させると共に、持株会社へ移行 株式会社メガチップスシステムソリューションズのオーディオ・オーサリング事業を分割し、新設の株式会社カメオインタラクティブに承継
|
2004年10月
|
オーディオ・オーサリング事業を行う株式会社カメオインタラクティブの発行済株式全部をイーフロンティアグループへ売却
|
2005年5月
|
順盈投資有限公司(英文名「Shun Yin Investment Ltd.」、現・連結子会社)の株式取得
|
2005年5月
|
Macronix International Co.,Ltd.との間で業務提携を締結
|
2006年3月
|
国際的な品質マネジメントシステムである「ISO9001」の認証を取得
|
2007年4月
|
株式会社メガチップスLSIソリューションズ及び株式会社メガチップスシステムソリューションズを吸収合併
|
2012年7月
|
ジェイ エフ イー ホールディングス株式会社から川崎マイクロエレクトロニクス株式会社の発行済株式の全部を取得し、同社を完全子会社化
|
2013年3月
|
Kawasaki Microelectronics America, Inc.が、米国持株会社のKawasaki Microelectronics Holdings (USA), Inc.を吸収合併し、MegaChips Technology America Corporationに商号変更
|
2013年4月
|
川崎マイクロエレクトロニクス株式会社を吸収合併
|
2013年9月
|
台湾にアジア地域の統括拠点として、信芯股份有限公司(英文名「MegaChips Taiwan Corporation」、現・連結子会社)を設立
|
2014年9月
|
MegaChips Technology America Corporationが、STMicroelectronicsからSmart Connectivity (DisplayPort)事業を譲受
|
2014年11月
|
MEMSタイミングデバイス事業を営むSiTime Corporationを買収し、同社を完全子会社化
|
2019年1月
|
システム事業を分割し、株式会社豆蔵ホールディングスの子会社であるセンスシングスジャパン株式会社に承継
|
2019年11月
|
SiTime CorporationがNASDAQ Global Marketに上場
|
2019年12月
|
MegaChips Technology America Corporationが、Smart Connectivity (DisplayPort)事業をKinetic Technologiesへ譲渡
|
2020年3月
|
MegaChips Technology America CorporationのLSI事業をMegaChips LSI USA Corporation(現・連結子会社)に営業譲渡により移管
|
2020年6月
|
連結子会社のSiTime Corporation株式の一部を売却し、同社を関連会社化
|
2021年6月
|
MegaChips LSI USA Corporationの出資により、コーポレートベンチャーキャピタルファンドのMegaChips VC USA LLC(現・連結子会社)を設立
|
2022年4月
|
東京証券取引所の市場区分変更に伴い、市場第一部からプライム市場に移行
|
2022年4月
|
MegaChips LSI USA Corporationの出資により、コーポレートベンチャーキャピタルファンドのMegaChips VC2 USA LLC(現・連結子会社)を設立
|
2023年1月
|
LDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.(現・連結子会社)に、当社及びMegaChips LSI USA Corporationが出資し、同ファンドを子会社化
|
2024年3月
|
関連会社のSiTime Corporationを持分法適用の関連会社から除外
|
2025年1月
|
LDVP MCC Co-Investment Fund II, L.P.及びLDV Partners Fund III, L.P.に当社が出資し、同ファンドを子会社化
|
3 【事業の内容】
当社グループは、当社(株式会社メガチップス)及び子会社8社、関連会社1社により構成されており、独自のアナログ・デジタル技術をベースとしたLSIの設計、開発から生産までトータルソリューションを提供しております。当社及び当社の子会社において製品の設計・開発を行い、主に海外の大手ファウンドリーに製造委託し、当社及び当社の子会社から販売しております。
当社と主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりです。なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
4 【関係会社の状況】
名称
|
住所
|
資本金 又は 出資総額
|
主要な事業 の内容
|
議決権の 所有割合 (%)
|
関係内容
|
(連結子会社)
|
|
|
|
|
|
順盈投資有限公司 (Shun Yin Investment Ltd.)
|
台湾 台北市
|
309,040千台湾ドル
|
投資事業
|
100.0
|
業務提携先であるMacronix International Co.,Ltd.等の 株式を保有する。
|
信芯股份有限公司 (MegaChips Taiwan Corporation)
|
台湾 台北市
|
400,000千台湾ドル
|
半導体の開発及び技術サポート
|
100.0 (41.0)
|
東アジアの営業拠点として、開発、営業・技術サポートを行う。 役員の兼任あり。
|
MegaChips LSI USA Corporation
|
米国 カリフォルニア州キャンベル
|
3,000千米ドル
|
半導体の開発、マーケティング及び販売
|
100.0
|
北米の営業拠点として、開発、営業・マーケティング活動を行う。 役員の兼任あり。
|
MegaChips VC USA LLC
|
米国 カリフォルニア州キャンベル
|
7,000千米ドル
|
コーポレートベンチャーキャピタルファンド
|
100.0 (100.0)
|
米国を中心としたスタートアップ企業との戦略的提携や事業投資を行う。 当社取締役が代表者を兼任。
|
MegaChips VC2 USA LLC
|
米国 カリフォルニア州キャンベル
|
7,299千米ドル
|
コーポレートベンチャーキャピタルファンド
|
100.0 (100.0)
|
米国を中心としたスタートアップ企業との戦略的提携や事業投資を行う。 当社取締役が代表者を兼任。
|
LDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.
|
ケイマン諸島
|
15,636千米ドル
|
投資ファンド
|
82.5 (27.5)
|
ディープテック分野のアーリーステージ企業への投資を行う。
|
LDVP MCC Co-Investment Fund II, L.P.
|
ケイマン諸島
|
2,000千米ドル
|
投資ファンド
|
100.0
|
ディープテック分野のアーリーステージ企業への投資を行う。
|
LDV Partners Fund III, L.P.
|
ケイマン諸島
|
7,194千米ドル
|
投資ファンド
|
83.3
|
ディープテック分野のアーリーステージ企業への投資を行う。
|
(注)1.議決権の所有割合の( )内の数値は、間接所有割合であり内数で記載しております。
2.順盈投資有限公司、信芯股份有限公司、MegaChips VC USA LLC、MegaChips VC2 USA LLC、LDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.及びLDV Partners Fund III, L.P.は、特定子会社に該当しております。
3.MegaChips VC USA LLC、MegaChips VC2 USA LLC、LDVP MCC Co-Investment Fund, L.P.、LDVP MCC Co-Investment Fund II, L.P.及びLDV Partners Fund III, L.P.はファンドであるため、資本金に代えて出資総額、議決権比率に代えて出資比率をそれぞれ記載しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
|
2025年3月31日現在
|
従業員数(人)
|
337
|
[7]
|
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)については、[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
|
|
|
2025年3月31日現在
|
従業員数(人)
|
平均年齢(歳)
|
平均勤続年数(年)
|
平均年間給与(千円)
|
327
|
[7]
|
42.9
|
10.4
|
8,849
|
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であり、臨時雇用者数(人材会社からの派遣社員)については、[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与(税込み)は、2024年1月から2024年12月までの期間の平均であり、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
3.満60歳定年制を採用しております。但し、期限を定めて再雇用することがあります。
(3) 労働組合の状況
当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 提出会社の管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
当事業年度
|
管理職に占める女性従業員の 割合(%)
|
男性従業員の 育児休業取得率(%)
|
従業員の男女の賃金の差異(%)
|
全従業員
|
うち正規雇用労働者
|
うちパート・ 有期労働者
|
管理職
|
非管理職
|
10.0
|
100.0
|
73.5
|
81.8
|
81.8
|
-
|
(注)1.上記の数値は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づいて算出したものであります。
2.管理職に占める女性従業員の割合について、エレクトロニクス分野においては女性技術者の割合が低い傾向にあり、当社においても従業員全体に占める女性の割合は20.5%となっております。
3.従業員の男女の賃金の差異の計算方法は下記のとおりであります。
女性の平均年間給与÷男性の平均年間給与(平均年間給与は2024年1月から2024年12月までの期間の平均)