第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、AV機器やコンピュータ関連機器の品質規格の規準となるテストメディア(テストBD・DVD・CD等)を提供することで、各メディアの互換性を確保し、ひいては消費者の利便性に貢献することに努めています。

現在は、これらの既存事業の基盤強化を図るとともに、更なる発展を目指し、消耗副資材分野など新たな事業育成に係る取組みを強化しています。

当社は、『技術集積企業として産業社会を支える高付加価値ビジネスに特化する』を基本コンセプトに、社会に役立つ事業の推進に努めてまいります。

経営理念

技術とチャレンジ

当社成長の源泉です

企業コンセプト

技術集積企業として産業社会を支える高付加価値ビジネスに特化する

1. 技術集積力を高め、高付加価値化する

2. 企業の発展を支えるビジネスに特化する

3. 企業向け事業に重点指向する

目指すべき社風

アカウンタビリティー(説明責任)を徹底する

「計画の根拠、実績の分析、予測の前提」についてアカウンタビリティーを徹底することで、経営の透明性を高め、社内の活性化をはかる

 

(2)目標とする経営指標

経営指標としては、1株当たり当期純利益(EPS)、株主資本利益率(ROE)を重視しており、継続的にこれら指標の向上を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」をローリングし、「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」を策定し、実施いたします。計画の見直しにあたっては、直近の経済状況及び事業環境の変化を踏まえ、また事業計画の進捗を評価及び修正し、事業構造改革をより進めることによって、当社の企業価値向上に向け「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」に取り組んでまいります。これにより、事業ポートフォリオの最適化を図りながら、徐々に事業構造をシフトし、継続的な安定収益を上げる企業に変わります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは、「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」を策定し、本計画に基づき、次の施策を実施することで、「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」を図りました。

断熱材事業

国内市場で認知度も高まり、ビジネスチャンスも増え、高級高温耐火材付加価値製品の販売活動を展開しましたが、工事案件の受注の時期ずれ等により前年同期の売上を下回りました。

連結子会社(阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司)において、積極的な設備投資による生産能力・製品品質向上への取り組み、工業炉等の受注が堅調に推移しました。

結果、売上高が前年同期比5.1%増加しました。

アーカイブ事業及びインダストリアルソリューション事業

効率的な事業運営に努めましたが低調に推移しました。

ナノマテリアル事業

有償でのサンプル出荷や引合いは増加し、量産用の販売には至らなかったものの、顧客での評価や検証プロセスは進展しました。

 

これらの取組みを通じて、当社グループは、事業ポートフォリオの最適化を図り、今後成長の見込まれる事業への積極的投資(研究開発活動を含む)を行い、収益事業の早期立上げを目指しました。

こうした状況の中、当社グループは、ナノマテリアルの研究開発、販売に引き続き注力してまいります。当該事業においては、分野を問わず裾野が広いため、将来的に当社事業の柱となるポテンシャルを有しており、有償サンプルの出荷だけでなく、量産化を目標とし、収益力向上を目指します。

また、全世界において、新型コロナウイルスの影響による企業活動の停滞が続いており、経済面での影響が甚大化しております。当社グループも台湾に支店(台北)、中国に連結子会社(蘇州)を有しております。当社グループとしては、在宅勤務や時差通勤、ローテーション勤務体制を整え、Web会議システムも導入し、業務運営の維持に努めております。その結果、現時点で大きな支障は発生しておりません。

この結果を受け、当社グループは、直近の経済状況及び事業環境の変化に対応するべく「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」をローリングし、「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」として以下の施策を実施することにより、会社の利益確保及び経営基盤の安定化に資する取り組みを邁進していく所存であります。

ナノマテリアル事業

ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行います。アプリケーション(応用製品)や標準品の拡充、受託業務の拡張、サンプル品の採用から量産化への展開も行い、早期の収益拡大を目指します。

断熱材事業

「材料メーカー」から「高付加価値商品・サービスを提供する総合断熱材企業」へ転換を図ります。

① 断熱材の販売は、高級高温耐火材料の付加価値製品に重点をおき、断熱材だけでなく、築炉・工業炉の拡販に取り組み、また鉄鋼メーカーの定期修理工事・材料の受注拡大を目指します。

② 中国子会社(阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司)で、研究開発・設備投資を行い、生産能力・製品品質の向上を目指し、また新製品の棚板・窯道具の更なる拡販を行います。

③ 海外での調達先の開拓に取り組み、材料の受注拡大を目指します。

アーカイブ事業

運営の効率化やリソースの再配置を行い、利益の最大化を図ります。

インダストリアルソリューション事業

市場規模に対応した効率的な事業運営を進め、利益最大化に注力します。

その他(新規事業)

ナノマテリアルから派生する事業及び新たな事業領域での研究開発を推進します。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、本記載内容のうち、将来に関する事項を記載している場合には、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)インダストリアルソリューション事業に関するリスク

CD、DVD、BD、カセットテープ等のメディアには、世界的な互換性を保つ為にそれぞれ国際規格が規定されております。

テストメディアとは、この国際規格に準拠した特性で管理・製造され、AV機器・各種コンピュータ関連機器等の設計・開発・生産・検査等を行う場合の規準として使用されるメディアの総称であります。ハード機器メーカーはテストメディアを使用して機器の設計・開発・生産・検査等を行うことにより、規格に準拠した、互換性のある安定した品質に保つことができます。テストメディアはAV機器・各種コンピュータ周辺機器等を生産する種々の工程において使用するため、その需要はこれらを生産する情報家電メーカーの生産動向の影響を受ける可能性があります。また、各情報家電メーカーの開発工程や製造工程により、テストメディアの使用量は異なり、テストメディアを自社生産している情報家電メーカーもあることから、市場規模の把握は困難でありますが、対象となる市場規模は大きいものではないと推測しております。

① 市場環境に関するリスク

当社グループの主要製品であるテストメディアは、情報家電メーカーにおける光ディスク関連製品の開発・製造工程で使用されるものであることから、これらの機器市場の需要減少により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② テストディスクに関するリスク

当社グループは、各情報家電メーカーからの品質・精度に対する信頼と、高度なプレス技術や加工ノウハウを持っており、テストCD・DVDともに当社グループのシェアは高いものと推測しております。しかし、情報家電メーカー側のコストダウンニーズに伴う単価引下げ要請により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、情報家電メーカー側の技術革新や工程の見直しによる使用量の減少により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 記録型テストディスクに関するリスク

記録型テストメディアの原盤となる各種記録メディア(CD-R/RW、DVD±R/RW、RAM、BD-R/RE等)は、記録型テストメディア用途として記録特性を管理したメディアを使用する必要があります。記録メディアの生産設備は、投資費用が高額であり、記録型テストメディア用途の原盤生産だけでは投資費用回収が困難であること、市販用の記録メディアの販売に対して生産性・生産規模の観点から競争力を持つことができないことから、当社グループは生産設備を保有せず、外部に生産を委託しております。

現在、当社グループは記録型テストメディアの品質を安定させるために、記録特性を管理し生産を行うことができる外部メーカーに生産を委託しておりますが、記録メディア市場においては競争激化が進み業界再編成の動きが高まっていることから、このような環境下で当社が生産委託している外部メーカーが記録型メディアの生産・販売から撤退した場合、品質の安定した記録型テストメディアの入手が一時的に困難になる可能性があります。

 

(2)光ディスク関連事業への依存に関するリスク

当社グループの主力事業であるインダストリアルソリューション事業、アーカイブ事業における主力製品は、マーケットは異なるもののいずれも光ディスクであります。光ディスクの市場はCDからDVDへ移行しながら成長を続け、次世代メディアとして登場したBDは、主要な媒体になりつつあります。一方で、半導体メディアや大容量ハードディスクといったテストメディアを必要としない記憶媒体も市場を拡大しております。

今後、半導体メディア等の技術革新や音楽または映像のネット配信が急進し光ディスクの市場が激減した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(注)半導体メディア・・・USBメモリー・SDメモリーカード等の各種AV・PC機器、
             携帯電話等用の小型記憶媒体

 

(3)子会社 阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司に関するリスク

当社グループの連結子会社である阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司の事業活動は、中国で行われております。中国における事業活動には、以下のようなリスクが内在しております。

① 予期しない法律または規制の変更

② 人材の採用と確保の難しさ

③ ストライキ等の労働争議

④ テロ・戦争その他の要因による社会的・政治的または経済的な混乱

同国における政治または法環境の変化、経済状況の変化、雇用環境・反日感情問題その他の社会環境変化など、予期せぬ事象の発生が生産・販売活動に大きな問題を生じさせ、これが当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)アーカイブ事業に関するリスク

① 長期保存用光ドライブ及び光ディスクの販売

重要情報デジタル化の動きはあるものの、需要拡大に時間がかかり、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。

また、長期保存用光ドライブ及び光ディスクは、業務提携先の外部メーカーから高性能・高品質製品の供給を受けており、提携先の外部メーカーが事業再編成等で供給をやめた場合、高性能・高品質な長期保存用光ドライブ及び光ディスクの入手が一時的に難しくなる可能性があります。

 

② 産業用及びAV機器用光ドライブの販売

産業機器及びAV機器の市場需要が減少した場合、或いは、技術発展が進み、データ保存の機能が他の記録媒体に置き換えられた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社光ドライブのOEM先の外部メーカーが事業再編成等で供給をやめた場合、高性能・高品質の光ドライブの入手が一時的に難しくなる可能性があります。

 

 

(5)カップ式自動販売機のオペレーション事業に関するリスク

① 消費者嗜好の変化に関するリスク

カップ式自動販売機飲料においては、収益を確保するために、中国消費者の嗜好にあった商品を適時に提供することが必要となります。中国でのコーヒー等の嗜好品が認知され始め、今後普及することを見込んでおりますが、当社グループの予測の範囲を超える消費者嗜好の変化を的確に捉えられず、対応することが出来ない場合には、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 安全性に関するリスク

カップ式自動販売機のオペレーション事業の商品は飲料であります。当社グループにおいては、安心、安全な商品を提供するため、他社生産材料の品質及び自動販売機のメンテナンスに対する社員の教育や、品質管理に取り組んでおりますが、万一、当社グループの取り組みの範囲を超えて、予期しない品質に関する問題が発生した場合には、その発生が当社グループに起因するものであるか否かを問わず、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)新規事業に関するリスク

当社グループは安定的な収益の確保と企業の持続的な発展を目指し、新規事業への取組みを行ってまいりますが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があり、かつ新規事業は事業を開始してから安定的な収益を得るまでに一定期間が必要であるため、結果としてその期間の当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、開始した新規事業が市場環境や顧客動向の変化等によって計画通りに推移できなかった場合、投資した資金の回収が見込めなくなる可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)海外での事業活動に関するリスク

当社グループは、諸外国で営業活動を行っております。諸外国での予期しない法律または規制の変更、テロ・戦争等の要因による社会的混乱等が起きた場合や、伝染性疾病の蔓延による営業活動の停止や当該地域への渡航禁止による新製品開発の遅延等が発生した場合、一時的に業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、中国に生産拠点があることや、欧米を始めとする諸外国へ販売を行っていることから、為替変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)災害や感染症等に関するリスク

当社グループの本社及び製造、研究開発等の拠点は日本及び中国に展開していますが、地震、火災、洪水等の災害や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が発生した場合や、情報システム及び通信ネットワークの停止または誤動作等が発生した場合、当社グループの拠点の設備が大きな損害を被り、その一部の操業が中断したり生産及び出荷が遅延し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、損害を被った設備の修復のために費用が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、感染症の全世界的な大流行により、顧客企業の事業活動や配送網の中断等による営業活動の停滞や、当社グループの拠点及び生産委託先並びに世界各地に広がる部品や材料の調達先の操業停止等により生産及び出荷が遅延し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)供給体制に関するリスク

当社グループは一部の重要部品について、当社グループ外の企業から供給を受けています。従って、これらの供給元企業が災害等の事由により当社グループの必要とする数量の部品を予定通り供給できない場合、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの想定を上回る大型受注に対して、生産遅延等が発生することにより顧客が必要とする数量が予定通りに供給できず、販売機会損失等が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)原材料市場の高騰に関するリスク

当社グループの製品は、石油化学製品を主原材料としています。原油価格のさらなる高騰や投機的な取引等による原材料価格の上昇が続いた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)技術革新に関するリスク

当社グループが事業を展開する市場は技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12)法規制に関するリスク

当社グループは、日本その他当社グループが事業を行う各国において、当該国の法的規制を受けており、当社グループによる商品の製造、安全、表示、輸送、販売、事業や投資の許可、輸出入規制、関税などの事業活動の様々な側面に適用されます。当社グループが法的規制に違反した場合、当社グループの信用が失われるとともに、罰則や多額の損害を伴う規制上の処分又は民事上の訴訟提起が行われる可能性があります。更に、当該法的規制の内容が改正された場合、これらに対応するために、当社グループの予測の範囲を超えた費用及び時間を要し、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。これらの事由が生じた場合には、当社グループの業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)重要事象等について

当社は、2017年3月期から2020年3月期までの個別業績において、4期連続の営業損失を計上しております。

これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。

しかしながら、2020年3月期の当社グループの連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、当面の十分な自己資金も確保しております。

また、当該重要事象等を改善するための対応策として、「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」を策定し、これを実行することにより、継続企業の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

具体的な対応策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題」に記載しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境は底堅く、景気は緩やかな回復基調で推移してきたものの、消費税増税前の駆け込み需要の反動減の影響、中国景気の後退に伴う輸出の低迷やインバウンド消費の減少等により、マイナス成長となりました。

また、世界経済は、米中の貿易摩擦解消へ向けた第1段階の合意や英国のEUからの離脱が合意されるなど、回復への期待感があったものの、昨年末に発生した新型コロナウイルスの感染拡大により、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念され、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

このような環境のもと、当社グループは、2019年5月14日付「中期経営計画2019(Fly for the bright future)の実施について」を公表し、引き続き「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」に取り組んでまいりました。特に新たな収益事業の早期立ち上げを目指し、会社の柱となるライフサイクルの長い事業として、ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行う「ナノマテリアル事業」を開始しております。ナノマテリアル事業については、有償でのサンプル出荷や引合いは引き続き増加しました。量産用の販売には至らなかったものの、顧客での評価や検証プロセスは進展しました。断熱材事業については、国内は継続的に認知度が高まってきており新規顧客は引き続き増加しているものの、工事案件の受注の時期ずれ等により、前年同期の売上を下回りました。連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司においては、積極的な設備投資による生産能力・製品品質向上への取り組み等により受注が引き続き堅調に推移し、前年同期の売上を上回り、断熱材事業の売上高が前年同期比5.1%の増加という結果となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、2,751百万円(前年同期比11.5%減)となりました。利益面は、営業利益55百万円(前年同期は営業損失62百万円)、経常利益48百万円(前年同期は経常損失50百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失13百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失506百万円)となりました。

 

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、ナノマテリアル事業を開始しており、当該事業の経営成績は「その他事業」セグメントに含めております。

 

  アーカイブ事業

当事業は、重要な情報を長期に亘って保存及び利用するための長期保存用光ドライブと長期保存用光ディスクの販売を行う「アーカイブ」と、産業用及びAV機器用光ドライブの開発・製造・販売を行う「ストレージソリューション」が含まれます。

アーカイブは、企業活動によって得られた過去の蓄積データの長期保存と、保管コスト削減を目的とした需要に対し、長期保存用光ドライブ及び長期保存用光ディスクを起点としたソリューション提案を行い、放送局等を中心としたプロフェッショナルディスクの販売が増加しました。また、カメラ人気の高まりを背景とした、写真プリント店の端末向け保存用光ドライブ及び光ディスクの受注が増加しました。

ストレージソリューションは、産業機器用光ドライブ搭載率の低下スピードは速まる徴候が見られ、国内及び北米需要が減少し、前年同期の売上を下回りました。

以上により、アーカイブ事業の売上高は1,109百万円(前年同期比16.6%減)となりました。

 

  断熱材事業

当事業は、連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、電子部品用副資材、耐火材料及び関連製品の開発・製造・販売を行っております。また、当社でも同社製品を中心とした輸入販売を行っております。

国内では、新規顧客は引き続き増加しているものの、工事案件の受注の時期ずれ等により、前年同期の売上を下回りました。

阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司は、主力製品や工業炉等の受注が引き続き堅調に推移し、前年同期の売上を上回りました。

以上により、断熱材事業の売上高は1,559百万円(前年同期比5.1%増)となりました。

 

  インダストリアルソリューション事業

当事業は、オーディオ・ビデオ機器やコンピュータ周辺機器等の規準及び調整用テストディスク等の開発・製造・販売を行う「テストメディア」と、各種ディスクの特性テスト受託等を行う「テスティング」が含まれます。

テストメディアは、主要顧客であるカーオーディオ・カーナビ等の車載機器メーカー向けの販売が、テストメディア使用量の減少等により、計画を大幅に下回りました。また、AV機器市場及びPC市場においても、光ディスク以外の媒体への移行が引き続き進んでいることから、需要は減少しました。

テスティングは、光ディスクの市場縮小により受託件数は減少しました。

以上により、インダストリアルソリューション事業の売上高は78百万円(前年同期比40.1%減)となりました。

 

  その他事業

当事業は、ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行う「ナノマテリアル事業」と、中国市場でカップ式飲料の販売を行う「カップ式自動販売機のオペレーション事業」が含まれます。

ナノマテリアル事業は、粉末状の炭素繊維を製品化しております。有償でのサンプル出荷や引き合いは引き続き増加しました。量産用の販売には至らなかったものの、顧客での評価や検証プロセスは進展しました。

以上により、その他事業の売上高は4百万円(前年同期比1,180.8%増)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態については、以下のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて4.3%増加し、2,917百万円となりました。これは、主として新株予約権の行使による株式の発行による預金の増加等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて51.4%減少し、495百万円となりました。これは、主として事業用資産の売却による、土地及び、建物及び構築物の減少等によるものであります。

 

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて53.8%減少し、649百万円となりました。これは、主として借入金を期限前弁済したことによる短期借入金の減少等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて28.9%減少し、144百万円となりました。これは、主として長期借入金の減少等によるものであります。

 

(純 資 産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて18.5%増加し、2,619百万円となりました。これは、主として新株予約権の行使による株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは182百万円(前連結会計年度は△105百万円)となりました。これは、主として売上債権の減少等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは422百万円(前連結会計年度は△228百万円)となりました。これは、主として事業用資産である有形固定資産の売却による収入によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは△181百万円(前連結会計年度は311百万円)となりました。これは、主として借入金を期限前弁済したことによる短期借入金の純減及び新株予約権の行使による株式の発行による収入によるものであります。

 

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は1,514百万円(前連結会計年度は1,079百万円)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

アーカイブ事業

断熱材事業

1,823,926

122.6

インダストリアルソリューション事業

24,564

67.8

その他事業

合計

1,848,491

121.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

アーカイブ事業

1,022,778

72.9

28,459

24.6

断熱材事業

1,164,397

69.2

21,406

5.1

インダストリアルソリューション事業

79,762

62.3

1,299

2,054.3

その他事業

4,086

1,280.8

合計

2,271,024

67.2

51,166

9.6

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

アーカイブ事業

1,109,813

83.4

断熱材事業

1,559,258

105.1

インダストリアルソリューション事業

78,525

59.9

その他事業

4,086

1,280.8

合計

2,751,684

88.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

TEAC AMERICA, INC.

447,803

14.4

389,100

14.1

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

その他、固定資産の減損処理についても会計基準に従って見積りを行っておりますが、経済状況に大きな変化が生じた場合には、財政状態や経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,751百万円(前年同期比11.5%減)、利益面は、営業利益55百万円(前年同期は営業損失62百万円)、経常利益48百万円(前年同期は経常損失50百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失13百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失506百万円)となりました。

当社グループは、「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」を策定し、本計画に基づき、「経営体制の強化」「新成長ドライバーの確立」を図りました。

 

その結果、特に新たな収益事業の早期立ち上げを目指し、会社の柱となるライフサイクルの長い事業として、ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行う「ナノマテリアル事業」を開始しております。ナノマテリアル事業については、量産用の販売には至らなかったものの、引合いは引き続き増加しました。断熱材事業については、国内は継続的に認知度が高まってきており新規顧客は引き続き増加しているものの、工事案件の受注の時期ずれ等により、前年同期の売上を下回りました。連結子会社・阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司においては、積極的な設備投資による生産能力・製品品質向上への取り組み等により受注が引き続き堅調に推移し、前年同期の売上を上回り、断熱材事業の売上高が前年同期比5.1%増加しました。アーカイブ事業及びインダストリアルソリューション事業は、効率的な事業運営に努めましたが低調に推移しました。

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下のようなものがあります。

アーカイブ事業は、重要情報デジタル化の動き、産業機器及びAV機器の需要に大きく影響を受けるため、需要が減少した場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルスの影響による企業活動の停滞が続き、世界経済に大きな悪影響を及ぼす場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

断熱材事業は、産業炉業界の設備投資需要に大きく影響を受けるため、景気動向により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国経済の成長鈍化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

インダストリアルソリューション事業は、AV機器やコンピュータ周辺機器の規準及び調整用テストメディアの開発・製造・販売を行っており、主要な取引先はAV機器やコンピュータ周辺機器等の情報家電メーカーであるため、これらの情報家電業界の動向により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

情報家電業界は、世界的なデジタル放送化の動きに合わせた地上デジタル放送対応の薄型テレビ市場が拡大を続け、先進国を中心にBDの主要な媒体になりつつあります。とりわけ光ディスク関連市場においては、中期的には需要が急激に縮小することはないと考えていますが、長期的には光ディスクに替わる半導体メディア等や音楽または映像のネット配信の市場が拡大した場合、または、BDの普及が進まず、情報家電メーカー各社の生産動向が大きな影響を受けた場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。

当社グループは、財務基盤の強化については、収益力及び資産効率の向上によることを基本としております。当連結会計年度の運転資金及び設備投資資金等につきましては、内部資金及び銀行等からの借入による間接金融並びに新株予約権の発行による直接金融の手段により調達しております。

資金の流動性については、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしており、当社においては、資金の流動性の確保を目的として、主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結しております。

 

当社のキャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりとなっております。

 

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

自己資本比率

71.0

70.5

58.0

57.8

76.5

時価ベースの自己資本比率

32.4

35.7

42.3

53.4

52.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

204.8

△929.5

2,050.4

△950.1

211.9

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

30.0

△6.8

5.4

△13.3

46.3

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレストカバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

当連結会計年度におけるセグメントごとの、当社グループが置かれている市場環境及び売上高等の変動要因に対する具体的な説明については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりとなります。

この結果を受け、当社グループは、この状況から早期に脱するために、直近の経済状況及び事業環境の変化に対応するべく「中期経営計画2019(Fly for the bright future)」をローリングし、「中期経営計画2020(Fly for the bright future)」として以下の施策を実施することにより、会社の利益確保及び経営基盤の安定化に資する取り組みを邁進していく所存であります。

ナノマテリアル事業

ナノマテリアルの研究開発・製造及び販売を行います。アプリケーション(応用製品)や標準品の拡充、受託業務の拡張、サンプル品の採用から量産化への展開も行い、早期の収益拡大を目指します。

断熱材事業

「材料メーカー」から「高付加価値商品・サービスを提供する総合断熱材企業」へ転換を図ります。

断熱材の販売は、高級高温耐火材料の付加価値製品に重点をおき、断熱材だけでなく、築炉・工業炉の拡販に取り組み、また鉄鋼メーカーの定期修理工事・材料の受注拡大を目指します。
中国子会社(阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司)で、研究開発・設備投資を行い、生産能力・製品品質の向上を目指し、また新製品の棚板・窯道具の更なる拡販を行います。

③ 海外での調達先の開拓に取り組み、材料の受注拡大を目指します。

アーカイブ事業

運営の効率化やリソースの再配置を行い、利益の最大化を図ります。

インダストリアルソリューション事業

市場規模に対応した効率的な事業運営を進め、利益最大化に注力します。

その他事業(新規事業)

ナノマテリアルから派生する事業及び新たな事業領域での研究開発を推進します。

 

財政状態の状況に関しましては、たな卸資産の削減、固定資産の効率化及び営業債権の早期回収が各セグメントに共通する課題であると認識しており、資産効率の改善に向け、注力してまいります。

 

また、当社は、2017年3月期から2020年3月期までの個別業績において、4期連続の営業損失を計上しております。

これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しており、「2 事業等のリスク」において、重要事象等が存在する旨及びその内容を記載しております。

しかしながら、2020年3月期の当社グループの連結キャッシュ・フロー計算書における営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、当面の十分な自己資金も確保しております。

また、当該重要事象等を改善するための対応策として、2020年5月14日付で公表しました「中期経営計画2020(Fly for the bright future)の実施について」を策定し、これを実行することにより、継続企業の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は78,793千円であります。

各セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(1)断熱材事業

連結子会社である阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司において、各種耐火材料及び関連製品の研究開発を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は58,240千円であります。

 

(2)ナノマテリアル事業

カーボンナノ材料及び応用用途の研究開発を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は20,553千円であります。