(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に弱さがみられますが、緩やかな回復基調が続いております。
先行きにつきましては、雇用、所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、アメリカの金融政策の正常化が進むなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、わが国の景気が下押しされるリスクがあります。こうしたなかで、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
当社グループの属する電子機器業界のIT、デジタル分野におきましては、テレビの市場については中国における設備投資の拡大に加え、スマートフォンやタブレット端末などは引き続き旺盛な需要を背景に市場が拡大することが期待されております。
このような環境下において、当社グループは市場動向を見極めながら積極的に営業展開を行い、顧客ニーズに応えるべく製品等の改良施策を推進してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は94億15百万円(前連結会計年度比38.8%増)となり、営業利益は7億39百万円(前連結会計年度比13.0%増)、経常利益は6億60百万円(前連結会計年度比16.6%増)、当期純利益は6億9百万円(前連結会計年度比36.1%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(電子機器部品製造装置)
プリント基板分野では、直接営業に重点をおいた受注活動を海外子会社の活用や代理店との連携を行いながら進め、当社装置の評価をユーザーから直接聞くことにより、今後の装置開発や改良につなげる取り組みを行ってまいりました。また、装置の消耗品であるセラミックバフにつきましては、顧客の要求に合わせた開発を継続して取り組んでおりますが、直接営業に切り替えを行った効果が出るまでには時間を要しており、売上は減少いたしました。
液晶関連分野では、インクジェットコーターの売上が予定どおりに計上され、また、部品修理売上が増加したことから、売上は増加いたしました。
その結果、売上高は36億9百万円(前連結会計年度比11.5%増)、営業利益は4億20百万円(前連結会計年度比49.8%増)となりました。
(ディスプレイおよび電子部品)
アミューズメント向け部品分野は堅調に推移しておりますが、前年に比較して若干の減少となりました。
工作機械および産業用機械分野については、横ばいで推移いたしましたが、製販体制の強化として人員配置の見直しおよび中途社員の採用を実施しており、引き続き取り組みを継続してまいります。
また、子会社であるJPN,INC.において、ラベル印刷、シルク印刷の売上高が増加しております。
加えて、前連結会計年度末に子会社となった、上海賽路客電子有限公司の業績が加算されております。
その結果、売上高は57億92百万円(前連結会計年度比63.6%増)、営業利益は3億19百万円(前連結会計年度比57.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億5百万円減少し、22億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億92百万円(前連結会計年度比47.7%減少)となりました。主な増加要因は破産更生債権等の減少額9億32百万円、税金等調整前当期純利益7億26百万円、減価償却費4億47百万円であり、主な減少要因は貸倒引当金の減少額9億68百万円、前受金の減少額2億58百万円、売上債権の増加額1億41百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4億2百万円(前連結会計年度は2億56百万円の獲得)となりました。主な増加要因は投資有価証券の売却による収入1億2百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出2億60百万円、定期預金の担保差入れによる支出1億48百万円、定期預金の預入による支出1億25百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11億9百万円(前連結会計年度比43.5%増加)となりました。主な減少要因は短期借入金の純減額5億24百万円、長期借入金の返済による支出2億60百万円であります。
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器部品製造装置 |
2,292,519 |
117.8 |
|
ディスプレイおよび電子部品 |
4,382,957 |
174.3 |
|
その他 |
2,555 |
45.3 |
|
合計 |
6,678,031 |
149.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器部品製造装置 |
2,690,463 |
74.5 |
957,400 |
51.0 |
|
ディスプレイおよび電子部品 |
5,757,846 |
161.4 |
556,494 |
94.1 |
|
その他 |
12,218 |
321.0 |
- |
- |
|
合計 |
8,460,527 |
117.8 |
1,513,894 |
61.3 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子機器部品製造装置 |
3,609,973 |
111.5 |
|
ディスプレイおよび電子部品 |
5,792,937 |
163.6 |
|
その他 |
12,218 |
321.0 |
|
合計 |
9,415,128 |
138.8 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年2月1日 至 平成27年1月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年2月1日 至 平成28年1月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
兼松㈱ |
1,015,847 |
15.0 |
1,042,603 |
11.1 |
当社グループを取り巻く環境は、常に技術の向上と低コストが求められており、高品質かつ低価格な製品をお客様に提供していくことが重要となっております。当社グループの顧客も、近年においては中国を中心としたアジア地域での生産比率が高まってきており、この状況は今後もますます進展するものと予想されます。
このような環境のなか、当社グループは中期的な経営戦略として、「高収益の技術集団を目指す」、「財務体質の強化」、「環境に配慮した企業であること」および「人を活かす経営」を掲げ、世界的な競争に勝ち抜くための基盤を構築してまいります。
(1) 継続企業の前提の疑義の解消
「4 事業等のリスク」の「(1) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社グループには継続企業の前提に関する重要な疑義が存在しており、収益性の改善および財務体質強化の各施策を推進することで、当該疑義の早期解消を重要な課題として取り組んでまいります。
(2) 高収益の技術集団を目指す
当社グループは創業以来、顧客ニーズに即した新製品の開発を行うとともに新規顧客の開拓に取り組んでまいりました。今後も顧客に対して、高い生産性の装置を提供すること、オンデマンドに製品提供を行うことが、当社グループの安定と成長に結びつくものであると考えております。そのために、成長見込みの高い分野に対しての開発力強化、不要な在庫の削減、着実なコストダウンの実現など、製造業の原点回帰に注力いたします。また、変化が速くグローバルな市場環境において成長するためには、ボーダレスな行動が重要であると考え、組織体制の改革を実施いたしました。今後もさらなる発展のため、適時・適材・適所をボーダレスに実現する人事制度の再構築を進める所存であります。
(3) 財務体質の強化
機動的な経営を実現するために、財務的基盤を安定させることが重要であると考え、連結キャッシュ・フロー改善を推進してまいります。業務効率改善推進による在庫の削減、債権回収の早期化、歩留りの向上による短納期・低コスト化に挑戦し続けてまいります。
(4) 環境への配慮
地球温暖化問題に伴う京都議定書の発効、欧州RoHS(ローズ)指令等の有害物質規制の強化、太陽光発電需要の増加にみられる環境意識の高まりなど、昨今の環境保護への要求は、企業の社会的責任としてますます重要になることを十分認識し、積極的に取り組んでまいります。当社グループでは、太陽光発電への切り替えなどエネルギー使用量削減および紙資源の削減、工場排水等の有害物質管理の徹底などにより、積極的に環境の負荷低減に努めてまいります。
(5) 人を活かす経営
当社グループの目指す企業体制の構築には、既存技術の向上と新技術に対応できる人材の育成が重要と認識し、社員教育の充実と人事制度の改革により、技術および生産性の向上、地域社会への貢献を果たせるよう人材育成、開発に努めてまいります。
当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下の事項がありますが、これらに限定されるものではありません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、未然の予防および発生した場合の対応に努める方針でありますが、投資判断は以下の事業等のリスクおよび本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、平成27年1月期におきまして営業利益654,116千円、経常利益567,030千円、当期純利益953,762千円を計上し、当連結会計年度におきましても、営業利益739,467千円、経常利益660,890千円、当期純利益609,225千円を計上しております。
しかしながら、当社グループが取引金融機関から返済条件の緩和(支払余力に応じたプロラタ返済、当連結会計年度末残高は借入金等5,735,329千円)を受けている状況に変わりはないことから、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものと認識しております。
今後も経営改善計画に従い、当社グループは事業再生を果たすべく、ディスプレイおよび電子部品、プリント基板製造装置分野での安定的な収益基盤の確保、インクジェットコーターの新規事業分野への拡販、直接費率の削減ならびに一層の経費の削減等を行い収益性の向上を進めてまいります。また、収益構造の安定化を図るため、平成26年11月7日付で上海賽路客電子有限公司を子会社化いたしました。
加えて当連結会計年度において、投資有価証券の売却を実施しております。今後も当社が所有する有価証券および遊休の土地、建物、設備の売却による現金化を進め、引き続き財務体質の強化を図る所存です。
取引金融機関との間の返済条件緩和の基本同意により、資金繰りの安定化についての不確実性の程度は低減しておりますが、経営改善計画については市況等の変化により計画どおりに推進できない可能性があります。また、経営改善計画の達成状況によっては取引金融機関との同意内容が見直され今後の資金繰りに影響する可能性があります。従って、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
(2) 特定企業への依存について
兼松㈱(電子機器部品製造装置事業)に対する当社グループの売上高の連結売上高に占める割合は平成28年1月期に11.1%であります。同社とは、継続かつ安定的な取引関係にあり、今後も継続して取引を行っていきますが、同社の販売動向等によっては、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新製品開発について
当社グループは、新製品開発にあたっては顧客要求・市場分野・開発製品を慎重に選択した上で、効率的な研究開発活動に努めておりますが、必ずしも投入した資源に見合うだけの新製品を継続的に開発できる保証はありません。したがって、将来の当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動について
当社グループは、アジアを中心とした世界の複数の国に製品を輸出しており、今後その比重は高まるものと予想されます。取引においては外貨建てで行う場合もあり、為替レートの変動によっては、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資材調達について
当社グループは、生産活動にあたり、資材、部品その他サービス等の供給を適宜に調達しております。そのなかには、業界の需要増加や原材料価格の高騰により生産コストが増加する可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 投資有価証券の評価損について
当社グループは、主として営業上の取引関係維持のための取引先の株式保有と余資運用の一環として有価証券投資を行っております。
投資および運用銘柄につきましては、安全性と収益性を総合的に勘案しておりますが、有価証券市場の動向によっては、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付債務および費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合には、退職給付債務および費用が増加し、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 固定資産の減損処理について
事業の業績動向如何によっては、保有資産の将来キャッシュ・フロー等の算定見直しを行い、固定資産減損損失が発生し、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自然災害等について
当社グループは、開発・製造効率を高めるため、製造能力の大部分および研究開発の大部分を広島県の本社工場周辺に集中させております。地震や台風などの自然災害によって、当社グループの生産・開発拠点等に甚大な被害を被る可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 輸出製品に係る入金条件について
当社グループでは、機械装置の輸出に関して、売上代金の一部は機械装置据付検収後に入金される場合があり、据付検収が長引けば、売上代金の入金が遅延することがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 製品保証について
当社グループでは、電子機器部品製造装置については、品質不良あるいは製品不具合に対して、検収後一定期間の無償保証期間を設けております。製品保証に伴い発生する費用に対しては、過去の実績等に基づき期末時点で見積金額を計上しておりますが、新製品など従来とは異なる仕様の製品については、当該見積金額以上の保証費用が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 販売に関する契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱石井表記 (当社) |
㈱アマダ |
日本 |
湿式バリ取り機 |
販売権の許与 |
自 平成8年12月11日 至 平成10年12月10日 契約期間延長継続中 |
(2) 金融支援の要請
当社グループは、取引金融機関と協議中であった新たな経営改善計画について、平成26年5月に基本的な同意を得ました。
(金融支援の概要)
|
・返済条件 |
一部債務の一括返済を除き、支払余力に応じたプロラタ返済 |
|
・借入先 |
取引先14金融機関 |
|
・債務の内容および金額 |
借入金等 7,657,869千円 (当連結会計年度末残高は5,735,329千円) |
当社グループは、技術革新の著しい経営環境において、企業の成長に研究開発活動が不可欠であることを認識し、既存市場における技術の深掘りを行うとともに、将来成長が期待できる新規分野への参入を目指し、半導体関連分野、自動車関連部品分野などの幅広い視野に立って研究開発活動を行ってまいりました。
当連結会計年度における試験研究費の総額は2億53百万円(電子機器部品製造装置事業2億26百万円、ディスプレイおよび電子部品事業26百万円)であり、セグメント別の主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1) 電子機器部品製造装置
新規市場分野、既存市場分野の双方向での新製品投入を目指し、当社の主力製品である、インクジェットコーター、プリント基板および自動車関連部品研磨装置における機能・価格共に競争力のある装置の開発に取り組んでまいりました。
① インクジェットコーター
FPDの生産拠点となっている中国・韓国・台湾向けに導入実績のあるインクジェットコーターの基礎技術であるインクジェット塗布技術を、FPD以外の市場においても展開すべく研究開発活動を行ってまいりました。
半導体分野につきましては、その市場規模の大きさから有望な展開先として期待しておりましたが、要求される技術水準が高く、また、市場への新規参入が難しい業界であることから具体化に苦戦しております。したがいまして、今後は半導体分野に限らず、エレクトロニクス関連分野全体に視野を広げつつ、有望な展開先の開拓を推進してまいります。
インクジェット製法による全固体型セラミックス二次電池の研究開発につきましては、FPD分野におきまして培ったインクジェット塗布技術を応用し、既存インクジェット装置の改良を施すことに加え、共同開発先とのインクジェット向け電池材料の改良につきましても推進してまいりました。今後とも、競合技術等の動向を見極めつつ、開発を推進してまいります。
② プリント基板および自動車関連部品研磨装置
プリント基板業界におきまして高評価を得ております研磨装置を、細線化、薄膜化、高スループット化など、更なる顧客ニーズに対応すべく研究開発活動を行ってまいりました。
また、顧客のランニングコスト削減および研磨品質向上と、当関連事業における安定的な売上の確保を目的として、プリント基板研磨装置の消耗品である研磨バフの研究開発を進めてまいりました。
今後も、研磨装置および研磨バフの両面の開発を行うことで、顧客ニーズに応えるべく開発をおこなってまいります。
(2) ディスプレイおよび電子部品
さらなる事業の安定化を図るべく車載部品分野への展開を目標に置き、当社の印刷技術を活かした部品開発に取り組んでまいりました。
① 車載部品分野
車載部品分野におきましては、当社の印刷技術を応用した車載部品の開発を行っております。
メッキ処理を行った車載部品を当社の印刷技術を用いた製品で代替を行うことで、一体形成による部品点数削減や環境負荷の低減のみならず、特徴的な意匠の車載部品を提案することが可能となりました。
また、同技術に関しましては、車載部品に限らず応用展開可能なものであり、今後の既存市場分野における展開を進めてまいります。
② 表示機分野
社会における表示機のニーズの高まりとともに、顧客ニーズの多様化が顕著になりつつあります。当社と致しましては顧客ニーズに応えるべく、サイズおよび価格ラインナップの拡充を行うべく、新製品の開発を推進してまいります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金等の偶発事象、税効果会計、退職給付に係る負債などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額および収益、費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当社グループの属する電子機器業界のIT、デジタル分野におきましては、テレビの市場については中国における設備投資の拡大に加え、スマートフォンやタブレット端末などは引き続き旺盛な需要を背景に市場が拡大することが期待されております。
このような環境下において、当社グループは、市場動向を見極めながら積極的に営業展開を行い、顧客ニーズに応えるべく製品等の改良施策を推進してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は94億15百万円(前連結会計年度比38.8%増)となりました。
セグメントの売上高は、次のとおりであります。
(電子機器部品製造装置)
プリント基板分野では、直接営業に重点をおいた受注活動を海外子会社の活用や代理店との連携を行いながら進め、当社装置の評価をユーザーから直接聞くことにより、今後の装置開発や改良につなげる取り組みを行ってまいりました。また、装置の消耗品であるセラミックバフにつきましては、顧客の要求に合わせた開発を継続して取り組んでおりますが、直接営業に切り替えを行った効果が出るまでには時間を要しており、売上は減少いたしました。
液晶関連分野では、インクジェットコーターの売上が予定通りに計上され、また、部品修理売上が増加したことから、売上は増加いたしました。
その結果、売上高は36億9百万円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。
(ディスプレイおよび電子部品)
アミューズメント向け部品分野は堅調に推移しておりますが、前年に比較して若干の減少となりました。
工作機械および産業用機械分野については、横ばいで推移いたしましたが、製販体制の強化として人員配置の見直しおよび中途社員の採用を実施しており、引き続き取り組みを継続してまいります。
また、子会社であるJPN,INC.において、ラベル印刷、シルク印刷の売上高が増加しております。
加えて、前連結会計年度末に子会社となった、上海賽路客電子有限公司の業績が加算されております。
その結果、売上高は57億92百万円(前連結会計年度比63.6%増)となりました。
② 売上原価
電子機器部品製造装置においては、原価率は前連結会計年度と同水準で推移いたしました。また、ディスプレイおよび電子部品においては、上海賽路客電子有限公司の原価の影響で原価率は上昇いたしました。
その結果、売上原価は66億99百万円(前連結会計年度比46.4%増)、売上原価率は71.2%となりました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費および一般管理費は19億76百万円(前連結会計年度比27.4%増)となりました。
これは、上海賽路客電子有限公司が当連結会計年度より連結業績に加算されたことが主要因であります。
④ 営業利益
売上高の増加、売上原価率の増加、販売費及び一般管理費の増加を主要因として、営業利益は7億39百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。
セグメントの営業損益は、次のとおりであります。
(電子機器部品製造装置)
電子機器部品製造装置においては、主にインクジェットコーターに関する売上が増加し、営業利益は4億20百万円(前連結会計年度比49.8%増)となりました。
(ディスプレイおよび電子部品)
ディスプレイおよび電子部品においては、売上高の増加を主要因として、営業利益は3億19百万円(前連結会計年度比57.5%増)となりました。
⑤ 当期純利益
当社は前連結会計年度において、上海賽路客電子有限公司の持分を取得し子会社といたしました。持分取得により発生する負ののれん発生益2億42百万円を特別利益として計上いたしましたが、当連結会計年度におきましてはそのような事象は存在しておりません。
その結果、当期純利益は6億9百万円(前連結会計年度比36.1%減)となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 流動資産
流動資産は、59億85百万円となり前連結会計年度末と比べ8億3百万円減少いたしました。これは現金及び預金が6億55百万円、たな卸資産が2億52百万円減少したことなどによるものであります。
② 固定資産
固定資産は、53億88百万円となり前連結会計年度末と比べ86百万円減少いたしました。これは投資その他の資産が98百万円増加したものの、有形固定資産が1億85百万円減少したことなどによるものであります。
③ 流動負債
流動負債は、75億64百万円となり前連結会計年度末と比べ1億49百万円増加いたしました。これは支払手形及び買掛金が1億42百万円、短期借入金が5億29百万円、前受金が2億58百万円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が11億17百万円増加したことなどによるものであります。
④ 固定負債
固定負債は、14億70百万円となり前連結会計年度末と比べ16億62百万円減少いたしました。これは長期借入金が13億77百万円減少したことなどによるものであります。
⑤ 純資産
純資産は、23億39百万円となり前連結会計年度末と比べ6億23百万円増加いたしました。これは当期純利益を6億9百万円計上したことを主要因として、利益剰余金が7億50百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は19.9%になりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は6億92百万円(前連結会計年度比47.7%減少)となりました。主な増加要因は破産更生債権等の減少額9億32百万円、税金等調整前当期純利益7億26百万円、減価償却費4億47百万円であり、主な減少要因は貸倒引当金の減少額9億68百万円、前受金の減少額2億58百万円、売上債権の増加額1億41百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は4億2百万円(前連結会計年度は2億56百万円の獲得)となりました。主な増加要因は投資有価証券の売却による収入1億2百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出2億60百万円、定期預金の担保差入れによる支出1億48百万円、定期預金の預入による支出1億25百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は11億9百万円(前連結会計年度比43.5%増加)となりました。主な減少要因は短期借入金の純減額5億24百万円、長期借入金の返済による支出2億60百万円であります。
これらの活動の結果、当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8億5百万円減少し、22億8百万円となりました。
(5) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、平成27年1月期におきまして営業利益654,116千円、経常利益567,030千円、当期純利益953,762千円を計上し、当連結会計年度におきましても、営業利益739,467千円、経常利益660,890千円、当期純利益609,225千円を計上しております。
しかしながら、当社グループが取引金融機関から返済条件の緩和(支払余力に応じたプロラタ返済、当連結会計年度末残高は借入金等5,735,329千円)を受けている状況に変わりはないことから、依然として継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものと認識しております。
今後も経営改善計画に従い、当社グループは事業再生を果たすべく、ディスプレイおよび電子部品、プリント基板製造装置分野での安定的な収益基盤の確保、インクジェットコーターの新規事業分野への拡販、直接費率の削減ならびに一層の経費の削減等を行い収益性の向上を進めてまいります。また、収益構造の安定化を図るため、平成26年11月7日付で上海賽路客電子有限公司を子会社化いたしました。
加えて当連結会計年度において、投資有価証券の売却を実施しております。今後も当社が所有する有価証券および遊休の土地、建物、設備の売却による現金化を進め、引き続き財務体質の強化を図る所存です。
取引金融機関との間の返済条件緩和の基本同意により、資金繰りの安定化についての不確実性の程度は低減しておりますが、経営改善計画については市況等の変化により計画どおりに推進できない可能性があります。また、経営改善計画の達成状況によっては取引金融機関との同意内容が見直され今後の資金繰りに影響する可能性があります。従って、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表には反映しておりません。