第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.経営方針

 当社グループは経営理念として、“「独創的」な製品作りに情熱を持って「挑戦」し、会社と社員の永遠の幸福を目指す”を掲げ、1963年の創業以来、技術を原点としたハイテクに情熱を傾ける技術集団として、高い信頼性を得て社会の発展に努力してまいりました。今後も、高付加価値製品の技術開発に注力し、既存市場のみならず、新規市場の開拓を続けてまいる所存であります。この経営理念実現のために、以下のことを当社グループ一丸となって推進してまいります。

(1) 世界一の技術集団として永遠の成長を目指す。

(2) 「人」を大切にし、活躍の場を提供する。

(3) 地域に根ざした企業活動を通じ、経済社会に貢献する。

 

2.目標とする経営指標

 当社グループは本業に加え為替変動等、営業外のリスクも考慮した経営管理を行うことを目的に売上高経常利益率を経営指標としております。コア技術の深掘り、横展開による新製品開発、新市場の開拓および低コスト化の推進により、常に安定的な収益と永続的成長を目指してまいります。

 

3.経営環境

 当社グループの経営環境は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

 プリント基板分野では、当社グループはプリント基板の製造工程における研磨、表面処理を行う装置を販売しております。機械剛性が高く幅広い板厚で高精度研磨へ対応できることを強みとしております。当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動縮小を余儀なくされる状況になりましたが、次世代通信規格「5G」の市場拡大に伴い同分野での設備投資が増加し、前連結会計年度と比較して売上高は増加しました。今後も高精度研磨に対応する当社グループ製品への需要は堅調に推移するものと予想しています。

 液晶関連分野におきましては、当社グループは塗布のスピード・均一性に優れた液晶大型パネル向けのインクジェットコーターを販売しております。中国顧客の操業再開を受けて、同装置を計画通り売上計上したことや、消耗品の販売が増加したことなどから、前連結会計年度と比較して売上高は増加いたしましたが、液晶大型パネル向けの投資は一段落しており今後の需要減速が予想されます。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

 自動車向け印刷製品は、新規顧客向けの生産がスタートしたことにより前連結会計年度と比較して売上高が増加し、足もとの業績は堅調に推移する見込みですが今後の自動車需要には留意する必要があります。

 工作機械および産業用機械分野については、当社グループは機械の操作パネルを供給しております。内部基板、表示シートを一貫生産し顧客ニーズに的確に対応することを強みとしておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により顧客の需要が減少したことに加え、営業活動も制約を受け前連結会計年度と比較し売上高が減少いたしました。新型コロナウイルス感染症が終息に至らない場合引き続き同分野の需要は停滞することが想定されます。

 連結子会社であるJPN,INC.は、フィリピンでシルク・ラベル印刷製品を生産しておりますが、同国内の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い操業制限など事業活動に大きな影響を受け、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。プリント基板実装を主力とする連結子会社である上海賽路客電子有限公司については、中国経済の再開に伴う需要の増加から売上高が前連結会計年度を上回ったことや、新型コロナウイルス感染症に対する助成金を受給したことなどから前連結会計年度に比べ増収増益となりました。中国経済は堅調に推移しているものの、世界的な半導体不足の拡大による客先の生産計画変更や生産拠点の見直しなどによる減産リスクを想定する必要があります。

 

4.経営戦略及び対処すべき課題

 このような経営環境のもと、当社グループが認識している対処すべき課題及び対応策は次のとおりであります。

 

(1) 高収益の技術集団を目指す

 当社グループは創業以来、顧客ニーズに即した新製品の開発を行うとともに新規顧客の開拓に取り組んでまいりました。今後も顧客に対して、高い生産性の装置を提供すること、オンデマンドに製品提供を行うことが、当社グループの安定と成長に結びつくものであると考えております。そのために、成長見込みの高い分野に対しての開発力強化、不要な在庫の削減、着実なコストダウンの実現など、製造業の原点回帰に注力いたします。また、変化が速くグローバルな市場環境において成長するため、今後も適時・適材・適所をボーダレスに実現する人事制度の再構築を進める所存であります。

 

(2) 財務体質の強化

 機動的な経営を実現するために、財務的基盤を安定させることが重要であると考え、連結キャッシュ・フロー改善を推進してまいります。業務効率改善推進による在庫の削減、債権回収の早期化、歩留りの向上による短納期・低コスト化に挑戦し続けてまいります。また、シンジケートローン契約は、2022年5月期日であります。

 

(3) 環境への配慮

 地球環境問題は、企業の社会的責任として益々重要になることを十分認識し、積極的に取り組んでまいります。当社グループでは、太陽光発電やLED照明への切り替えなどエネルギー使用量削減および紙資源の削減、工場排水等の有害物質管理の徹底などにより、積極的に環境の負荷低減に努めております。

 

(4) 人を活かす経営

 当社グループの目指す企業体制の構築には、既存技術の向上と新技術に対応できる人材の育成が重要と認識し、社員教育の充実と人事制度の改革により、技術および生産性の向上、地域社会への貢献を果たせるよう人材育成、開発に努めてまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上の課題

① さらなる事業の安定化と特定事業領域への依存からの転換

 自動車向け印刷製品においては、当連結会計年度に新規顧客向けの生産がスタートしました。今後同事業を安定的に拡張していくため当社の印刷技術を応用し意匠性の高い特徴的な車載部品を提案し続けることができるよう取り組みを続けてまいります。

 液晶関連分野におきましても中国顧客向けの販売が増加し当連結会計年度の業績は堅調に推移しました。一方で長期的視野に立てば、液晶テレビやパソコンの液晶モニターの普及率が先進国ではすでに飽和しハイエンドのスマートフォンに搭載されるディスプレイパネルにおいて、有機ELパネルの搭載が増加していることなどから今後液晶パネルの需要の減速が予想されます。このような環境変化に対応するため当社グループの持つインクジェット塗布技術を液晶関連分野以外の半導体、電子デバイス、エレクトロニクス関連分野など有望な分野へ展開できるように開拓を推進します。

 

② 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症の終息時期や影響の程度が見通せない中、当社グループでは感染対策として、マスクの着用、アルコール消毒の奨励、定期的な換気の実施などを周知徹底し、従業員の意識を高めております。また、様々な行動制約を受ける中で、Web会議等オンラインシステムを有効に活用し効率的な事業活動を行っております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 特定事業への依存について

 当連結会計年度においては中国経済の再開を受けて液晶関連分野のインクジェットコーターの販売が増加し、同分野への依存が売上、利益ともに高くなっております。今後有機ELパネルなど他のディスプレイパネルへの搭載動向が拡大し、液晶パネル関連需要が減速した場合、同分野の製品販売が減少し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、特定事業への依存から脱却するため、インクジェット塗布技術を液晶関連分野以外の市場においても展開すべく、エレクトロニクス関連、電子デバイスなどの有望な展開先の開拓を推進しております。

(2) 新型コロナウイルス感染症の影響

 当連結会計年度において当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により国内外の移動制限に伴う営業活動の停滞など、事業活動に大きな影響を受けました。今後も、本感染症の事業活動への影響が継続した場合は当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組むとともに、マスクの着用、アルコール消毒の奨励、定期的な換気の実施、Web会議等のオンラインシステムの有効活用等引き続き感染症対策を徹底してまいります。

(3) 新製品開発について

 当社グループは、新製品開発にあたっては顧客要求・市場分野・開発製品を慎重に選択した上で、効率的な研究開発活動に努めておりますが、将来のニーズに見合った新製品をタイムリーに開発することは容易ではありません。市場動向が当社の開発内容と異なる方向に向かった場合、当社の新製品の開発が遅れた場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは開発部門を有し、同部門が市場環境の把握、技術的課題解決、新製品開発を効率的に行なうことでリスク低減に努めております。

(4) 固定資産の減損処理について

 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や経営環境の変化に伴う経営成績の動向如何によっては、保有資産の将来キャッシュ・フロー等の算定見直しを行い、固定資産減損損失が発生し、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資材調達について

 当社グループは、生産活動にあたり、資材、部品その他サービス等の供給を適宜に調達しております。そのなかには、業界の需要増加や原材料価格の高騰により生産コストが増加する可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、複数社を利用する購買先の多様化、事前のまとめ買いによる在庫の確保等を行いリスク分散に努めております。

(6) 退職給付債務について

 当社グループの従業員退職給付債務および費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と相違した場合には、退職給付債務および費用が増加し、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害等について

 当社グループは、開発・製造効率を高めるため、製造能力の大部分および研究開発の大部分を広島県の本社工場周辺に集中させております。地震や台風などの自然災害によって、当社グループの生産・開発拠点等に甚大な被害を被る可能性があり、その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、可能かつ妥当な範囲で保険を付保し損害軽減を図るとともに、定期的な設備点検、従業員の衛生管理等可能な範囲で予防措置を行っております。

(8) 輸出製品に係る入金条件について

 当社グループでは、機械装置の輸出に関して、売上代金の一部は機械装置の据付検収後に入金される場合があり、据付検収が長引けば、売上代金の入金が遅延することがあります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、機械装置の据付工事の進捗管理を慎重に行い、早期に検収が完了するように努めております。

(9) 製品保証について

 当社グループでは、電子機器部品製造装置については、品質不良あるいは製品不具合に対して、検収後一定期間の無償保証期間を設けております。製品保証に伴い発生する費用に対しては、過去の実績等に基づき期末時点で見積金額を計上しておりますが、新製品など従来とは異なる仕様の製品については、当該見積金額以上の保証費用が発生する可能性があります。その場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、顧客とのコミュニケーションを密に行い、製品の瑕疵が発生しないよう徹底した品質管理に努めております。

(10) 有利子負債について

 当社グループの、総資産に対する有利子負債残高の割合は下表のとおりとなっております。

 

前連結会計年度

(2020年1月31日)

当連結会計年度

(2021年1月31日)

有利子負債残高(千円)

5,171,292

5,001,551

総資産残高(千円)

12,257,259

12,388,300

有利子負債依存度(%)

42.2

40.4

(注)1.有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)、リース債務の合計であります。

2.有利子負債依存度は、有利子負債残高を総資産残高で除した数値を記載しております。

 当社グループの有利子負債依存度は相対的に高い水準で推移しております。

 このような状況のなか、金融政策の変化、当社の信用力の低下等により資金調達に制約を受けた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、主要取引金融機関とのコミットメントライン契約およびタームローン契約に「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりの財務維持要件が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、今後も安定的な資金調達ができるよう取引金融機関と良好な関係を維持するとともに、更なる関係強化に努めてまいります。

 

(11) 法規制リスク

 当社グループは事業活動を行う上で環境関連、労務関連、会計基準や税法等の様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制を遵守し従業員のコンプライアンス意識の向上にも努めておりますが、管理体制上の問題が発生する可能性は皆無ではなく、法令に反する場合は罰則が科されたり、当社グループの事業活動が制限されるなど、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社のリスク管理体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。また、社内体制も適時必要に応じて見直しをしております。

(12) 製造物責任について

 当社グループは、厳格な品質管理のもとに製品の製造を行っておりますが、製品に重大な欠陥が発生しないという絶対的な保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが大規模な製造物責任賠償につながる事故が発生した場合、当社グループの製品の信頼性に重大な影響を与え、当該保険で十分にカバーできず多額の費用が発生することとなり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは今後も品質向上に注力することでリスク低減に努めてまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け2020年4月に緊急事態宣言が発出されるなど、経済活動が制限され景気は急速に後退しました。

緊急事態宣言解除後は、段階的な経済活動再開とともに一部の業種では回復の兆しが見られますが本格的な回復には及ばず、さらには感染の再拡大に伴い2021年1月に緊急事態宣言が再発出されるなど、新型コロナウイルス感染症の終息時期が未だ見通せない中、更なる下振れリスクの高まりに十分注意する必要があります。

当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の移動制限に伴う営業活動の停滞など、事業活動に影響を受けましたが、中国関連事業では現地経済活動の再開により一部で回復が見られました。

その結果、当連結会計年度の売上高は115億88百万円(前連結会計年度比11.8%増)となり、営業利益は10億78百万円(前連結会計年度比235.9%増)、経常利益は10億69百万円(前連結会計年度比403.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億26百万円(前連結会計年度比590.4%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

プリント基板分野では、新型コロナウイルス感染症の影響により、営業活動縮小を余儀なくされる状況になりましたが、次世代通信規格「5G」の市場拡大に伴い同分野での設備投資が増加したことなどから、前連結会計年度と比較し売上高は増加いたしました。

液晶関連分野におきましても、中国顧客の操業再開を受けてインクジェットコーターを計画通り売上計上したことや、消耗品の販売が増加したことなどから、前連結会計年度と比較し売上高は増加いたしました。

その結果、売上高は45億54百万円(前連結会計年度比42.9%増)、営業利益は8億43百万円(前連結会計年度は38百万円の営業損失)となりました。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

アミューズメント向け部品分野は、当社得意先の生産増加の影響により、前連結会計年度と比較して売上高が増加いたしました。

自動車向け印刷製品は、新規顧客向けの生産がスタートしたことにより前連結会計年度と比較して売上高が増加いたしました。

工作機械および産業用機械分野については、新型コロナウイルス感染症の影響により顧客の需要が減少したことに加え、営業活動も制約を受け前連結会計年度と比較し売上高が減少いたしました。

連結子会社のJPN,INC.では、フィリピン国内の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い操業制限など事業活動に大きな影響を受け、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。一方で連結子会社の上海賽路客電子有限公司では、中国経済の再開に伴う需要の増加から売上高が前連結会計年度を上回ったことや、新型コロナウイルス感染症に対する助成金を受給したことなどから前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

その結果、売上高は70億25百万円(前連結会計年度比2.0%減)、営業利益は2億36百万円(前連結会計年度比34.1%減)となりました。

 

b.財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1億31百万円増加の123億88百万円となりました。

流動資産は、70億45百万円となり前連結会計年度末と比べ1億8百万円増加いたしました。これはたな卸資産が3億93百万円、受取手形及び売掛金が2億37百万円それぞれ減少しましたが、現金及び預金が8億72百万円増加したことなどによるものであります。

固定資産は、53億43百万円となり前連結会計年度末と比べ22百万円増加いたしました。これは有形固定資産が49百万円、無形固定資産が22百万円それぞれ減少しましたが、投資その他の資産が95百万円増加したことなどによるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比べて4億85百万円減少の87億15百万円となりました。

流動負債は、50億7百万円となり前連結会計年度末と比べ5億91百万円減少いたしました。これは、支払手形及び買掛金が2億64百万円、短期借入金が3億円それぞれ減少したことなどによるものであります。

固定負債は、37億8百万円となり前連結会計年度末と比べ1億6百万円増加いたしました。これは長期借入金が4億9百万円減少しましたが、リース債務が4億82百万円増加したことなどによるものであります。

純資産は、36億72百万円となり前連結会計年度末と比べ6億16百万円増加いたしました。これは剰余金の配当を81百万円実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を7億26百万円計上し、利益剰余金が6億45百万円増加したことなどによるものであります。この結果自己資本比率は29.6%になりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9億35百万円増加し、23億46百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は21億23百万円(前連結会計年度比475.4%増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益10億26百万円、減価償却費4億75百万円、たな卸資産の減少額3億90百万円であり、主な減少要因は仕入債務の減少額2億71百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5億5百万円(前連結会計年度比33.5%減少)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出3億21百万円、無形固定資産の取得による支出1億53百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は6億85百万円(前連結会計年度は31百万円の獲得)となりました。主な増加要因はセール・アンド・リースバックによる収入1億57百万円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出4億22百万円、短期借入金の純減額3億1百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

2,952,681

125.4

ディスプレイおよび電子部品

5,619,625

102.0

その他

1,979

76.4

合計

8,574,285

109.0

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

3,759,479

108.0

2,620,839

76.7

ディスプレイおよび電子部品

7,235,176

102.4

898,817

130.5

その他

9,191

81.9

合計

11,003,846

104.2

3,519,656

85.8

 (注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

4,554,127

142.9

ディスプレイおよび電子部品

7,025,171

98.0

その他

9,191

81.9

合計

11,588,490

111.8

 (注)1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年2月1日

至 2020年1月31日)

当連結会計年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

兼松㈱

2,336,908

20.2

(注) 前連結会計年度の兼松㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は115億88百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。当社において工作機械および産業用機械向けの操作パネルが新型コロナウイルス感染症の影響により顧客の需要が減少したことに加え、営業活動も制約を受けたこと、連結子会社のJPN,INC.においても、フィリピン国内の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い操業制限など事業活動に大きな影響を受けたことからともに前連結会計年度と比較し売上高が減少したものの、当社のプリント基板分野では、次世代通信規格「5G」の市場拡大に伴い同分野での設備投資が増加したこと、液晶関連分野におきましても、中国顧客の操業再開を受けて液晶大型パネル向けのインクジェットコーター、および関連の消耗品の販売が増加し、連結子会社の上海賽路客電子有限公司でも、中国経済の再開に伴う需要の増加がありグループ全体では前連結会計年度の実績を上回りました。

営業利益は10億78百万円(前連結会計年度比235.9%増)となりました。これは売上高が増加したことに加え、プリント基板分野、液晶関連分野の高付加価値製品の販売比率が高まったことなどが要因であります。

経常利益は10億69百万円(前連結会計年度比403.5%増)となりました。これは営業利益が増加したことに加え、当社においてシンジケートローン手数料が当連結会計年度は発生しなかったこと、連結子会社上海賽路客電子有限公司で新型コロナウイルス感染症に対する助成金を66百万円受給したことなどによるものであります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、本業に加え為替変動等、営業外のリスクも考慮した経営管理を行うことを目的に売上高経常利益率を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。

当連結会計年度における売上高経常利益率は9.2%となり、前連結会計年度比7.2ポイント増加しました。当社グループは、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の削減など引き続き当該指標の向上に努めてまいります。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

当セグメントの経営環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営環境」に記載のとおりであります。

売上高は前連結会計年度比42.9%増の45億54百万円となりました。プリント基板分野で次世代通信規格「5G」の市場拡大に伴い同分野での設備投資が増加したこと、液晶関連分野におきましても、中国顧客の操業再開を受けてインクジェットコーターを計画通り売上計上したことなどからセグメント全体で売上高が増加しました。

業利益は8億43百万円(前連結会計年度は38百万円の営業損失)となりました。売上高が増加したことに加え、プリント基板分野、液晶関連分野の高付加価値製品の販売比率が高まったことなどが要因であります。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

当セグメントの経営環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営環境」に記載のとおりであります。

売上高は前連結会計年度比2.0%減の70億25百万円となりました。当社において新規顧客向けの生産がスタートしたことにより自動車向け印刷製品は売上高が増加し、連結子会社上海賽路客電子有限公司でも、中国経済の再開に伴う需要の増加により売上高が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により顧客の需要が減少したことに加え、営業活動も制約を受けたことで当社の工作機械および産業用機械分野向け操作パネルの販売が減少したことなどからセグメント全体では売上高が減少しました。

営業利益は2億36百万円(前連結会計年度比34.1%減)となりました。当社において付加価値の高い操作パネルの販売が減少したことなどが要因であります。

 

財政状態の分析は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.ャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。

運転資金は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、設備資金は、生産設備の能力増強、合理化、更新のための必要資金であります。

これらの資金需要については自己資金および金融機関からの借入金により資金調達しております。このうち、借入金による資金調達は当社において、極度額2,500,000千円のコミットメントラインを含む総額5,904,000千円のシンジケートローンを組成して調達しております。資金の流動性については現金及び現金同等物に加え、コミットメントラインを締結することで十分な流動性を確保しております。

なお、当連結会計年度末の借入金を含む有利子負債の残高は5,001,551千円であります。

また、新型コロナウイルス感染症等により先行きが不透明な中、不測の事態に対しては、コミットメントラインから追加資金を確保できる体制(当連結会計年度末未実行残高1,000,000千円)を整えており、当面安定的な経営が可能な状態にあります。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり当社グループは、貸倒引当金等の偶発事象、税効果会計、退職給付に係る負債などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、その結果を資産、負債の帳簿価額および収益、費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります

連結財務諸表で採用する重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、減損会計の適用にあたっては、原則として、事業用資産については事業の種類を考慮してグルーピングを行い、遊休資産等については個別資産ごとにグルーピングを行っております。減損の兆候が認められる資産グループについては、当該グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

減損損失の認識及び測定にあたり、その時点における合理的で信頼性のある情報に基づき将来キャッシュ・フローの見積りを行っておりますが、事業計画や経営環境の変化などにより当該見積りや仮定の見直しが必要となった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 販売に関する契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

㈱石井表記

(当社)

 ㈱アマダ

日本

湿式バリ取り機

販売権の許与

自 1996年12月11日

至 1998年12月10日

契約期間延長継続中

 

(2) シンジケートローン契約

 当社は、2019年5月24日開催の取締役会決議に基づき、既存のシンジケートローンのリファイナンスを行い、当社グループの財政状態を安定化させ、運転資金を安定的かつ効率的に調達するために、以下のシンジケートローン契約を締結しております。

 

① シンジケートローン契約(タームローン契約)

a.貸付A

1) 借入金額        1,200,000千円

2) アレンジャー      株式会社もみじ銀行

3) ジョイントアレンジャー 株式会社三菱UFJ銀行

4) 借入先         株式会社もみじ銀行・株式会社三菱UFJ銀行・株式会社広島銀行

             株式会社三井住友銀行

5) 契約締結日       2019年5月28日

6) 契約期間        2019年5月31日から2022年5月31日の3年間

7) 返済方法        2019年8月31日を初回とする3ヵ月毎の元金均等返済

8) 担保の有無       有:所有不動産に第一順位で根抵当権3,456,000千円を設定

9) 財務維持要件      イ)各事業年度の末日における借入人の、連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日における借入人の連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上にそれぞれ維持すること。

ロ)各事業年度にかかる連結および単体の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失としないこと。

10)借入残高        600,000千円(当連結会計年度末現在)

 

b.貸付B

1) 借入金額        2,204,000千円

2) アレンジャー      株式会社もみじ銀行

3) ジョイントアレンジャー 株式会社三菱UFJ銀行

4) 借入先         株式会社もみじ銀行・株式会社三菱UFJ銀行・株式会社広島銀行

             株式会社三井住友銀行

5) 契約締結日       2019年5月28日

6) 契約期間        2019年5月31日から2022年5月31日の3年間

7) 返済方法        期日一括返済

8) 担保の有無       有:所有不動産に第一順位で根抵当権3,456,000千円を設定

9) 財務維持要件      イ)各事業年度の末日における借入人の、連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日における借入人の連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上にそれぞれ維持すること。

ロ)各事業年度にかかる連結および単体の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失としないこと。

10)借入残高        2,167,000千円(当連結会計年度末現在)

 

② シンジケートローン契約(コミットメントライン契約)

1) 極度額         2,500,000千円

2) アレンジャー      株式会社もみじ銀行

3) ジョイントアレンジャー 株式会社三菱UFJ銀行

4) 借入先         株式会社もみじ銀行・株式会社三菱UFJ銀行・株式会社広島銀行

             株式会社三井住友銀行

5) 契約締結日       2019年5月28日

6) 借入期間        2020年5月29日から2021年5月28日の1年間

7) 返済方法        各基準貸付期間後の応答日に一括返済

8) 担保の有無       有:所有不動産に第一順位で根抵当権3,456,000千円を設定

9) 財務維持要件      イ)各事業年度の末日における借入人の、連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日における借入人の連結および単体の貸借対照表における純資産の部の金額の75%以上にそれぞれ維持すること。

ロ)各事業年度にかかる連結および単体の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失としないこと。

10)借入残高        1,500,000千円(当連結会計年度末現在)

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、技術革新の著しい経営環境において、企業の成長に研究開発活動が不可欠であることを認識し、既存市場における技術の深掘りを行うとともに、将来成長が期待できる新規分野への参入を目指し、半導体関連分野、自動車関連部品分野などの幅広い視野に立って研究開発活動を行ってまいりました。

 当連結会計年度における試験研究費の総額は177百万円(電子機器部品製造装置事業128百万円、ディスプレイおよび電子部品事業48百万円)であり、セグメント別の主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1) 電子機器部品製造装置

 新規市場分野、既存市場分野の双方向での新製品投入を目指し、当社の主力製品である、インクジェットコーター、プリント基板および自動車関連部品研磨装置における機能・価格共に競争力のある装置の開発に取組んでまいりました。

① インクジェットコーター

 FPDの生産拠点となっている中国・韓国・台湾向けに導入実績のあるインクジェットコーターの基礎技術であるインクジェット塗布技術を、FPD以外の市場においても展開すべく研究開発活動を行っております。

 半導体分野をはじめとして、エレクトロニクス関連、電子デバイス、二次電池分野など視野を広げつつ、有望な展開先の開拓を推進しております。

 

② プリント基板および自動車関連部品研磨装置

 プリント基板業界におきまして高評価を得ております研磨装置を、細線化、薄膜化、高スループット化など、さらなる顧客ニーズに対応すべく研究開発活動を行っております。

 パッケージ関連などの高精度プリント基板市場向けに、要素技術や研磨材の開発を進め、次世代研磨機の製品化を進めております。

 また、当社の持つ高い研磨技術を、プリント基板以外の市場においても展開すべく自動車部品などを有望な展開先として開発を進めております。

 メッキ関連については、次世代通信規格「5G」の需要拡大を見据え、高機能材料へのメッキ処理技術開発を行い、製品ラインナップの拡充を進めております。

 

(2) ディスプレイおよび電子部品

 さらなる事業の安定化を図るべく車載部品分野への展開を目標に置き、当社の印刷技術を活かした部品開発に取組んでまいりました。

① 車載部品分野

 車載部品分野におきましては、当社の印刷技術を応用した自動車内装部品の開発を行い、加飾部品、ナビレンズなど意匠性の高い特徴的な車載部品を提案することが可能となりました。

 同技術に関しましては、車載部品に限らず応用展開可能なものであり、今後の既存市場分野における展開を進めております。

 

② 表示器分野

 社会における表示のニーズの高まりとともに、顧客ニーズの多様化が顕著になりつつあります。当社と致しましては顧客ニーズに応えるべく、機能の強化および価格ラインナップの拡充を行い、新製品の開発を推進しております。