(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では金融政策正常化へ踏み出す中、新政権による拡張的な財政政策への期待とともに今後の政策運営への疑念が高まりました。欧州では金融不安を抱える中、テロなどの地政学リスクや英国のEU離脱への動きが顕在化し、アジアでも中国経済の減速、国内消費の停滞など不透明な状況が続きましたが、全体として緩やかな回復基調が維持されました。
半導体業界におきましては、スマートフォンなどモバイル機器の高機能化・大容量化、データセンター投資の増加に伴う3D-NAND型フラッシュメモリなどの需要拡大、産業機械や自動車搭載用途のパワーデバイスの需要拡大などを背景として、ファウンドリや半導体メーカーに設備投資を積極化する動きが本格化したことから、半導体製造装置市場の回復が鮮明となりました。
このような状況の中、主力製品であるパワーデバイス用テスタやMAPハンドラ、新製品であるウェハパラレルテスタやウェハプローバ・テスタ一体型パワーデバイス測定システムなど、付加価値の高い戦略モデルを主体とした受注活動を展開するとともに、新たな顧客層である電子部品メーカーなどの新規開拓に注力しました。
以上の結果、受注高は44億25百万円(前期比34.0%増)、売上高は40億95百万円(同30.3%増)となりました。製品別売上高はハンドラ16億82百万円(同55.5%増)、テスタ13億96百万円(同56.4%増)、パーツ等10億16百万円(同12.9%減)となりました。
損益面は、高付加価値製品の受注増、生産効率化に伴う原価低減などにより、営業利益2億13百万円(前期は営業損失4億37百万円)、経常利益3億3百万円(同経常損失3億87百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益2億61百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失4億70百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、下記の各キャッシュ・フローによる増減により、前連結会計年度末に比べ1億2百万円減少し、24億4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億62百万円のマイナス(前期は2億53百万円のプラス)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上する一方で、売上債権が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億42百万円のプラス(同83百万円のプラス)となりました。これは主に、有価証券の売却及び償還によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、25百万円のマイナス(同81百万円のマイナス)となりました。これは主に、リース債務の返済によるものであります。
(1) 生産実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,627 |
52.9 |
|
テスタ(百万円) |
1,398 |
72.5 |
|
パーツ等(百万円) |
917 |
△4.3 |
|
合計(百万円) |
3,943 |
39.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
受注高 |
対前期増減率(%) |
受注残高 |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,536 |
30.5 |
386 |
△27.4 |
|
テスタ(百万円) |
1,748 |
67.1 |
678 |
107.8 |
|
パーツ等(百万円) |
1,140 |
5.6 |
198 |
167.3 |
|
合計(百万円) |
4,425 |
34.0 |
1,263 |
35.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
対前期増減率(%) |
|
ハンドラ(百万円) |
1,682 |
55.5 |
|
テスタ(百万円) |
1,396 |
56.4 |
|
パーツ等(百万円) |
1,016 |
△12.9 |
|
合計(百万円) |
4,095 |
30.3 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
TEXAS INSTRUMENTS SEMICONDUCTOR MANUFACTURING(CHENGDU)CO.,LTD. |
- |
- |
480 |
11.7 |
(注)総販売実績に対する割合が10%未満となる連結会計年度の販売実績及び総販売実績に対する割合
は、記載を省略しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の方針
当社グループは、半導体検査装置のリーディングカンパニーとして、世界各国のお客様に半導体の品質検査装置
を提供し、高性能化と量産技術の向上の一翼を担うことで、広く社会に貢献することを経営の基本方針としており
ます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、半導体を高速・高精度に測定するテスタと自動的に分類・選別するハンドラのトータルシステ
ムサプライヤーとして、「新製品のスピーディーな開発」「ローコスト化・短納期化に向けた生産体制の効率化」
「グローバルな販売・サービス体制の強化」を推進することで、マーケットシェアの拡大と収益力の強化を図り、
企業価値の長期的な向上に努めてまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
半導体市場は、高機能モバイル機器の普及や自動車の電装化に加え、IoT化の進展による産業機械向けの需要
増を背景に、引き続き活況に推移するものと予想されており、半導体製造装置市場も積極的な設備投資を追い風に
回復から拡大に向かうものと見込まれます。
このような事業環境下において、業容の拡大と収益力の向上を目指して社内体制の強化に取り組んでまいりま
す。
営業部門においては、戦略製品の拡販とセールスエンジニアによる提案型営業力の展開により新規顧客の開拓など
営業基盤の拡大を図ってまいります。技術部門においては、マーケティング機能を強化して市場動向に合致したタ
イムリーな製品開発を推進してまいります。製造部門においては、生産効率化の更なる推進と協力企業の開拓によ
り生産能力の増強に努めてまいります。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 半導体市況の変動などについて
当社グループは、半導体検査装置の製造・販売を行っておりますが、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向等に影響を受けます。当社グループでは市場環境の変化に対応するためコスト構造の改善を進めておりますが、急激な半導体市況の変動および半導体設備投資の抑制等は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 研究開発について
当社グループは、技術革新が激しい半導体業界にあって最先端の市場を見据えた新製品の開発を行っておりますが、新製品開発の遅れおよび新製品投入のタイミングのずれ込み等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 部品調達および外注について
当社グループは、部品の調達および組立・配線工程の外注に関して多数の仕入先・外注先と取引を行っておりますが、特定の部品調達および外注については一部の取引先に依存しております。取引先の事情により部品の調達および製造工程に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 品質について
当社グループは、国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質保証体制の強化を図っておりますが、予期せぬ不具合や瑕疵による製造物責任賠償により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 固定資産の減損について
当社グループは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、外部環境の変化等により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替の変動について
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は、平成28年3月期においては62.2%、当期においては60.4%となっております。為替リスクを回避するため円建の輸出取引を推進しておりますが、一部取引は外貨建となっております。急激な為替変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 保有有価証券の価格変動について
当社グループは、余裕資金の一部を有価証券にて運用しておりますが、時価または実質価額が著しく下落した場合には、有価証券評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 災害等の発生について
当社グループは、東京都東大和市の本社、長野県上伊那郡箕輪町の工場の他、海外を含む複数の事業拠点を有しておりますが、これらの地域で大地震や台風等の自然災害やテロ等の社会的混乱が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは技術革新の激しい半導体業界にあって、広汎な顧客ニーズに的確に応えた製品を開発し、迅速に提供することを基本方針としており、今後の事業の中心となる製品開発を進めております。
当連結会計年度の研究開発費総額は2億25百万円であり、主な研究開発成果および進行状況は次のとおりであります。
(1) 自重落下ハンドラ
ロータリー式マルチトラック採用の大容量チャンバにより大幅な生産性向上と環境試験のワイドレンジ対応を実現する次世代パワーデバイス用新型グラビティーハンドラのフィールドテストが完了し、量産化に向け準備中であります。
(2) パワーデバイス測定システム
多彩なオプションユニットの組合わせによる高品質で最適な測定環境の構築、プローバによるテスタのオペレーションと測定結果表示を可能としたパワーデバイス測定システムを株式会社東京精密と共同で開発し、販売を開始しました。
(3) ウェハパラレルテスタ
拡張性、汎用性、フレキシビリティをコンセプトに、プラットフォーム共通化を実現する次世代の高電圧・高電流ディスクリートおよびパワー半導体用テスタを開発中であります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ3億26百万円増加し、92億51百万円となりました。
負債は、買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1億77百万円増加し、7億78百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ1億49百万円増加し、84億73百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
「1.業績等の概要 (1)業績」をご参照願います。
(3) キャッシュ・フローの分析
「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照願います。