第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1)会社の経営の方針

    当社グループは、半導体検査装置のリーディングカンパニーとして、世界各国のお客様に半導体の品質検査装置

   を提供し、高性能化と量産技術の向上の一翼を担うことで、広く社会に貢献することを経営の基本方針としており

   ます。

 

  (2)中長期的な会社の経営戦略

    当社グループは、半導体を高速・高精度に測定するテスタと自動的に分類・選別するハンドラのトータルシステ

   ムサプライヤーとして、「新製品のスピーディーな開発」「ローコスト化・短納期化に向けた生産体制の効率化」

   「グローバルな販売・サービス体制の強化」を推進することで、マーケットシェアの拡大と収益力の強化を図り、

   企業価値の長期的な向上に努めてまいります。

 

  (3)経営環境及び対処すべき課題等

    半導体市場は、データセンターの大容量化、データ送信速度の高速化等の影響によるクラウド関連の好調さに加

   え、端末をはじめとする電気機器の高機能化、自動車の電装化増進など、幅広い業界での半導体需要を背景に、引

   き続き好調に推移するものと予想されており、半導体製造装置業界においても、設備投資に関する積極姿勢は変わ

   らず、好調をキープするものと見込まれます。

    このような環境下において、更なる業容の拡大と収益の向上を図ることを目指し、付加価値の高い製品の開発・

   拡販に注力し、営業基盤の拡大を図ってまいります。社内体制につきましては、営業部門においては、セールスエ

   ンジニア配置による提案型営業展開が軌道に乗ったこと、需要が好調に推移していることなどから、利益率の高い

   製品の受注獲得に向け選択的受注を推進していきます。技術部門においては、引き続き市場ニーズにマッチしたタ

   イムリーな製品の開発を図ってまいります。また、製造部門においては、生産効率化の推進を図っておりますが、

   生産量の増加、働き方改革の影響に伴う生産能力不足、また一部購入部品の長納期化に伴う製品納期の長期化が懸

   念されますが、更なる生産能力の確保、購入部品の早期手配に努め、滞りない製品出荷を目指すことにより、業容

   の拡大と収益力の向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 半導体市況の変動などについて

 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売を行っておりますが、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向等に影響を受けます。当社グループでは市場環境の変化に対応するためコスト構造の改善を進めておりますが、急激な半導体市況の変動および半導体設備投資の抑制等は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 研究開発について

当社グループは、技術革新が激しい半導体業界にあって最先端の市場を見据えた新製品の開発を行っておりますが、新製品開発の遅れおよび新製品投入のタイミングのずれ込み等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 部品調達および外注について

 当社グループは、部品の調達および組立・配線工程の外注に関して多数の仕入先・外注先と取引を行っておりますが、特定の部品調達および外注については一部の取引先に依存しております。取引先の事情により部品の調達および製造工程に支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 品質について

当社グループは、国際的品質管理基準であるISO9001などに基づいて品質保証体制の強化を図っておりますが、予期せぬ不具合や瑕疵による製造物責任賠償により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 固定資産の減損について

当社グループは、所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、外部環境の変化等により収益性が著しく低下した場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 為替の変動について

当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は、平成29年3月期においては60.4%、当期においては67.9%となっております。為替リスクを回避するため円建の輸出取引を推進しておりますが、一部取引は外貨建となっております。急激な為替変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 保有有価証券の価格変動について

当社グループは、余裕資金の一部を有価証券にて運用しておりますが、時価または実質価額が著しく下落した場合には、有価証券評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 災害等の発生について

当社グループは、東京都東大和市の本社、長野県上伊那郡箕輪町の工場の他、海外を含む複数の事業拠点を有しておりますが、これらの地域で大地震や台風等の自然災害やテロ等の社会的混乱が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況
 当連結会計年度における世界経済は、米国では金融政策が正常化へ向かうなか、堅調な企業業績や雇用情勢の改善により景気の拡大が維持され、欧州でも緩やかな成長が続きました。アジアでは、中国経済は政策効果による持ち直しが見られ、日本でも企業収益の改善を背景に設備投資が改善するなど、地政学リスクや保護主義による貿易摩擦への懸念を抱えながらも、全体として回復基調で推移しました。
 半導体業界におきましては、一部に調整が見られたものの、スマートフォンの高機能化・大容量化に伴うチップ積載量の増加、データセンター投資の増加に伴うフラッシュメモリの需要拡大、産業機械や自動車搭載用途のパワーデバイスの需要拡大など、半導体需要の裾野の広がりを背景に、2017年の半導体製造装置の市場規模は、17年ぶりに史上最高を更新しました。
 このような状況のなか、主力製品である車載向けパワーデバイス用テスタやMAPハンドラに加え、新製品であるウェハパラレルテスタやMEMS(微小機械電子システム)ハンドラなど、付加価値の高い戦略モデルを中心に、主要市場において積極的な受注活動を展開しました。また、引合および受注が増加するなか、納期短縮に対応するため、計画生産や外注化を促進するなど、生産能力向上に注力しました。
 以上の結果、受注高は73億4百万円(前期比65.1%増)、売上高は58億69百万円(同43.3%増)となりました。製品別売上高はハンドラ26億82百万円(同59.5%増)、テスタ19億48百万円(同39.5%増)、パーツ等12億37百万円(同21.8%増)となりました。
 損益面は、売上増に伴う売上総利益の増加により、営業利益9億4百万円(前期比322.7%増)、経常利益8億90百万円(同193.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産計上に伴う法人税等調整額△2億75百万円により、10億23百万円(同291.1%増)となりました。

②財政状態の状況
 当連結会計年度末における総資産は、受注、売上増に伴い、受取手形及び売掛金、仕掛品が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ14億67百万円増加し、107億19百万円となりました。
 負債は、買掛金、賞与引当金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ4億74百万円増加し、12億53百万円となりました。
 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ9億92百万円増加し、94億66百万円となりました。

キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、下記の各キャッシュ・フローによる増減により、前連結会計年度末に比べ6億60百万円減少し、17億43百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億74百万円のマイナス(前期は3億62百万円のマイナス)となりました。これは主に、売上債権の増加およびたな卸資産の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、53百万円のマイナス(同3億42百万円のプラス)となりました。これは主に、投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、1億36百万円のマイナス(同25百万円のマイナス)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

対前期増減率(%)

ハンドラ(百万円)

2,650

62.9

テスタ(百万円)

1,952

39.6

パーツ等(百万円)

1,130

23.2

合計(百万円)

5,733

45.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

受注高

対前期増減率(%)

受注残高

対前期増減率(%)

ハンドラ(百万円)

4,027

162.2

1,731

347.8

テスタ(百万円)

2,076

18.8

805

18.8

パーツ等(百万円)

1,200

5.2

161

△18.8

    合計(百万円)

7,304

65.1

2,698

113.6

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。その内容等については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照願います。

 

c.販売実績

 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

対前期増減率(%)

ハンドラ(百万円)

2,682

59.5

テスタ(百万円)

1,948

39.5

パーツ等(百万円)

1,237

21.8

合計(百万円)

5,869

43.3

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

  至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

  TEXAS INSTRUMENTS SEMICONDUCTOR

MANUFACTURING(CHENGDU)CO.,LTD.

     480

  11.7

     -

    -

      (注)総販売実績に対する割合が10%未満となる連結会計年度の販売実績及び総販売実績に対する割合

          は、記載を省略しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、作成にあたり必要な見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

②経営成績に重要な影響を与える要因
 当社グループは、半導体検査装置の製造・販売を行っておりますが、検査装置の需要は半導体市況の変動および半導体メーカーの設備投資動向等に影響を受けます。当社グループでは市場環境の変化に対応するためコスト構造の改善を進めておりますが、急激な半導体市況の変動および半導体設備投資の抑制等は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 半導体製造装置市場が拡大するなか、当連結会計年度における売上は前期比43.3%の増加となりました。台湾市場および中国市場においてハンドラ需要が拡大したことにより、製品別ではハンドラが同59.5%の増加となり、地域別では台湾、中国、マレーシアが主要海外市場となりました。また、売上増に伴い売上総利益が増加する一方、研究開発費の減少により販管費は微増にとどまったことから、営業利益は同4.2倍の9億4百万円となりました。

③資本の財源及び資金の流動性
 当社グループは、運転資金及び設備資金とも基本的には内部資金により賄っておりますが、資金需要が急増した場合等は銀行借入により調達しております。当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引金融機関と10億円の貸出コミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります

4【経営上の重要な契約等】

     該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループは技術革新の激しい半導体業界にあって、広汎な顧客ニーズに的確に応えた製品を開発し、迅速に提供することを基本方針としており、今後の事業の中心となる製品開発を進めております。

当連結会計年度の研究開発費総額は1億56百万円であり、主な研究開発成果および進行状況は次のとおりであります。

(1) 高低温ハンドラ
 自動車の電装化進展に伴い車載向けデバイスの需要増加が見込まれるなか、温度ソリューションにおいて蓄積された高精度の測定環境技術を主力機種に展開し、高低温機能を付加することより、後継機として競争力のある新型モデルを開発中であります。

(2) パワーデバイス用テスタ
 省エネ、高効率化志向の高まりを背景にパワーデバイスの需要増加が見込まれるなか、拡張性、汎用性、フレキシビリティをコンセプトに、プラットフォーム共通化を実現する次世代の高電圧・高電流ディスクリートデバイスおよびパワーモジュール用テスタを開発中であります。