文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針および経営環境
当社グループは、多様化する情報社会を支える電子部品の生産を通じて、常に人々の暮らしと深くかかわっていることを認識し、「熱意」「誠意」「創意」をキーワードに信頼性の高い製品を安定的に供給することを使命と考えております。
当社グループを取り巻く経営環境は、今後とも大幅な変動が予想されております。そのような状況にあって、市場環境の変化、顧客ニーズの多様化に対応するため、意思決定の迅速化、効率的な設備投資・研究開発投資の継続実施、人材の育成および組織間の連携など内部体制の強化を強力に推進してまいります。
また、将来の経営基盤の安定のため、新製品および高付加価値製品の開発により、収益力の向上、財務体質の充実を図ってまいる所存です。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の拡大を図るため、収益力の向上、財務体質の充実を目指しており、ROA(総資本経常利益率)15%以上、ROE(株主資本当期純利益率)10%以上を中長期的な目標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題
当社グループは、「革新と創造」を続け、常に前進する企業グループを目指して、以下の経営戦略により取り組んでまいります。
① 変化する世界経済に対応し、確実な成長を成す。
② イノベーションに取り組む、新しいビジネス分野と新商品を創造する。
③ 顧客密着度を深める、ニーズを先取りし、営業戦略を構築する。
④ 現場力の強化、あらゆる手段で更なる生産性の向上を図る。
⑤ 主導性をとれる品質を「求明」する。
⑥ 人財の価値を高める、管理力を強化する。
⑦ 地球と人にやさしい企業となる。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社製品について
当社グループの売上高はIC、モジュール、LED等の集積回路部門が約8割を占めており、その大部分がアセンブリ(組立、測定検査)事業であります。
アセンブリ事業は顧客との委託加工契約に基づいて当社グループがIC等の組立、測定検査を行うものであり、大手系列に属さない独立系のアセンブリ工場として、その供給先は約50数社に及んでおりますが、顧客の販売状況等により当社グループの受注が左右される可能性があります。
また、サーマルプリントヘッド、センサー等の機能部品部門の製品の大半は、顧客が販売する搭載機器(最終製品)の企画段階からプロジェクトに参画し、その搭載機器向けに当社グループが開発・設計したカスタム部品を納入するものであり、顧客の販売状況等により当社グループの受注が左右される可能性があります。
(2) 当業界を取り巻く状況
当社グループの属する電子部品業界は、技術革新による製品の陳腐化が激しいため、製品の世代交代が頻繁に発生します。この時期には需要に対して供給が追いつかず、逆にシェア獲得を目指して大型の設備投資が実行された後には供給過剰に陥る、ということが周期的に繰り返されてまいりました。このような半導体市況の変動が当社グループの業績に与える影響は顕著であります。
(3) 価格競争および為替の変動
当業界は生産拠点の海外進展および国際間競争の影響による価格競争がますます激しくなっており、今後も販売価格の下落傾向は続くものと思われます。また、当社グループの売上高に占める輸出比率は10.5%(2019年3月期)と低いものの、当社グループ製品が搭載されるセット製品の輸出比率が年々増加していることもあり、海外市況および為替相場の変動が当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の変動
原材料価格の変動は全産業に影響を及ぼしておりますが、とりわけ当社グループの属する電子部品業界にあっては、金、銀、銅、すず、ニッケル、ルテニウム他、希少金属を含め金属類の価格上昇による影響が顕著であります。これらの価格変動が生産コストに影響を与え、その結果当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質問題
当社グループは品質マネジメントシステムの国際基準ISOに基づき、「お客様を満足させる品質を提供することで信頼を確保する」という基本方針のもと、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。しかしながら、すべての製品において欠陥がなく、将来に製品の欠陥に起因する損害賠償請求等が発生しないという保証はなく、大規模な製品回収や損害賠償請求につながる欠陥の場合には、多額の費用発生や社会的信用の低下により、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権
当社グループは独自技術について、必要に応じて特許を出願しておりますが、出願した技術内容について権利を得られずに保護が受けられない場合があります。また、知的財産権の保護が十分でなく、第三者が類似した製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。一方、新製品の開発にあたっては、第三者特許等の調査を実施しておりますが、当社グループが認識し得ない知的財産権が存在し、権利を侵害しているとして第三者が申し立てをすることが発生しないという保証はなく、当該知的財産権の使用禁止もしくはロイヤリティーの支払発生、訴訟の提起がなされることによる費用負担の発生等により、製品の製造、販売に制約が生じるなど、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の経営成績や所得環境の改善などを背景に、上半期は、設備投資や個人消費が底堅く推移した一方で、下期以降は、米中貿易摩擦の激化など海外の政治・経済の先行き不透明感が高まり、製造業を中心に企業マインドが低下し、景気の減速傾向が見られました。海外においては、米国では良好な雇用・所得環境を背景に個人消費の拡大が続き堅調を維持いたしましたが、欧州や中国をはじめとするアジア新興国では設備投資や個人消費の落ち込みにより、終盤にかけて大きく後退いたしました。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、車載向け部品やIoTの進展にともなう産業機器向け部品の需要は比較的堅調に推移いたしましたが、携帯情報端末向け部品は、普及の一巡や買い替えサイクルの長期化などにより在庫調整の動きが加速し、急激な落ち込みとなりました。
このような情勢の中で、当社グループの当連結会計年度の連結売上高は42,777百万円(前年同期比2,898百万円減、6.3%減)、営業利益は、自動化等生産の効率化に向けての先行投資による償却負担が増加したことから3,289百万円(前年同期比2,359百万円減、41.8%減)、経常利益は4,038百万円(前年同期比2,126百万円減、34.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,277百万円(前年同期比2,289百万円減、50.1%減)となりました。
当社グループの製品の種類別区分ごとの売上高でありますが、集積回路は、携帯情報端末向け部品の受注が大幅に落ち込んだことから36,593百万円(前年同期比3,454百万円減、8.6%減)となりました。機能部品は、海外向けサーマルプリントヘッドの受注が増加したことにより、6,055百万円(前年同期比584百万円増、10.7%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産の部につきましては、現金及び預金など流動資産の増加により、前連結会計年度末比408百万円の増加となりました。負債の部につきましては、支払手形及び買掛金など流動負債の減少により、前連結会計年度末比1,242百万円の減少となりました。これらの結果、純資産は47,227百万円で前連結会計年度末比1,650百万円の増加となり、自己資本比率は82.3%と2.3ポイントの増加となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費の増加等により当連結会計年度末には27,922百万円となり、前連結会計年度末より3,749百万円の増加(15.5%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は7,480百万円(前年同期の増加した資金は8,167百万円)となりました。主な資金増加の要因は、税金等調整前当期純利益3,592百万円、減価償却費3,336百万円、売上債権の減少額2,415百万円等によるものであり、主な資金減少の要因は、法人税等の支払額1,688百万円、仕入債務の減少額566百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,981百万円(前年同期の減少した資金は4,875百万円)となりました。主な資金増加の要因は、定期預金の払戻による収入1,128百万円等であり、主な資金減少の要因は、有形固定資産の取得による支出4,037百万円、無形固定資産の取得による支出44百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は782百万円(前年同期の減少した資金は1,036百万円)となりました。資金増加の要因は、長期および短期借入れによる収入1,770百万円であり、主な資金減少の要因は、長期および短期借入金の返済による支出1,527百万円、配当金の支払額671百万円等によるものであります。
④ 生産、受注および販売の実績
イ.生産実績
|
事業部門 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
集積回路 |
36,477,366 |
91.4 |
|
機能部品 |
6,090,596 |
111.5 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
42,567,963 |
93.8 |
(注)1.金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
|
事業部門 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
集積回路 |
36,417,982 |
91.2 |
600,724 |
81.4 |
|
機能部品 |
5,786,000 |
96.2 |
1,078,027 |
80.0 |
|
その他 |
198,652 |
88.9 |
- |
- |
|
合計 |
42,402,635 |
91.8 |
1,678,752 |
80.5 |
(注)1.金額は、販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ.販売実績
|
事業部門 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
集積回路 |
36,593,514 |
91.4 |
|
機能部品 |
6,055,534 |
110.7 |
|
その他 |
128,102 |
82.0 |
|
合計 |
42,777,150 |
93.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日亜化学工業㈱ |
16,063,765 |
35.2 |
16,454,905 |
38.5 |
|
ミツミ電機㈱ |
5,604,345 |
12.2 |
5,169,800 |
12.1 |
|
合計 |
21,668,110 |
47.4 |
21,624,705 |
50.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって「重要な会計方針および見積り」につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
イ.経営成績の分析・検討
1) 売上高
「 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
2) 売上原価
当連結会計年度における売上原価率は82.8%となり、前連結会計年度に比べ3.6ポイント悪化いたしました。これは主に、売上原価率の高い製品群の売上高が増加したことや新規投資による減価償却費の増加により固定費負担率が増加したことによるものであります。
3) 販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,060百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%の増加となりました。これは主に、研究開発費および減価償却費の増加によるものであります。
4) 営業外収益
当連結会計年度における営業外収益は812百万円となり、前連結会計年度に比べ10.8%の増加となりました。これは主に、為替差益162百万円、助成金収入251百万円によるものであります。
5) 営業外費用
当連結会計年度における営業外費用は64百万円となり、前連結会計年度に比べ70.5%の減少となりました。これは主に、円安により為替差損が計上されなかったことによるものであります。
6) 特別利益
当連結会計年度における特別利益は1百万円となりました。これは、固定資産売却益1百万円によるものであります。
7) 特別損失
当連結会計年度における特別損失は447百万円となりました。これは主に、減損損失438百万円によるものであります。
なお、当社グループはROA(総資本経常利益率)15%以上、ROE(株主資本当期純利益率)10%以上を中長期的な目標としております。実績値といたしまして、ROAは7.1%(前年同期比4.2ポイント減)、ROEは4.9%(前年同期比5.6ポイント減)とそれぞれ低下いたしましたが、今後も、収益力の向上、財務体質の充実を目指してまいります。
ロ.資本の財源および資金の流動性
1) 資本の財源
当社グループでは、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することを原則としております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
なお、借入金の増減の内訳は次のとおりであります。
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
増減額 |
|||
|
短期借入金 |
190,000 |
千円 |
190,000 |
千円 |
- |
千円 |
|
1年内返済予定の長期借入金 |
322,248 |
|
264,612 |
|
△57,636 |
|
|
長期借入金 |
403,065 |
|
702,953 |
|
299,888 |
|
|
計 |
915,313 |
|
1,157,565 |
|
242,252 |
|
2) 資本の流動性
手元流動性(現金及び現金同等物〔期首・期末平均〕/売上高〔月平均〕)は、将来の業績変動に対応するため、連結売上高の3ヶ月分以上の確保が望ましいと考えており、当連結会計年度末においては、現金及び現金同等物〔期首・期末平均〕は26,048百万円であり、売上高〔月平均〕3,564百万円の約7.3ヶ月分を確保しております。
特記すべき事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、新製品の開発を行う製品開発部門と生産システムの開発・改善を行う設備開発部門が担当し、専門的な活動を行う一方、必要に応じてプロジェクトチームを編成し活動いたしております。
多様化するエレクトロニクス業界において、技術革新と市場環境の変化に対応した製品開発、顧客の要求する品質、数量をタイムリーに低コストで提供するための新技術・新設備の開発を行うべく研究開発体制の強化を図り、また、研究開発の効率的推進による高水準技術の維持を重要課題として取り組んでおります。
当連結会計年度における主要な研究開発活動といたしましては、集積回路における小型・薄型・軽量パッケージ、センサー、光学関連部品などの主力製品の開発、さらに次世代製品の開発に取り組み、機能部品における高速・省電力印字対応タイプのプリントヘッド等の製品化および新機種の開発に取り組み、さらに、最新の生産技術を用いた高性能設備の開発および既存生産設備の高効率化等に取り組んでおります。
また、MEMS(微小電気機械システム)分野においては既にリリースしたナノピンセット(極小ピンセット)をはじめとするナノハンドリング装置(極小の操作装置)に加えて、それらの開発で取得した高度な微細化技術と新たに取得した光学技術の融合により、光の利用効率が高い2次元タイプの赤外分光イメージング装置(ハイパースペクトルカメラ)の開発に着手し、さらにそれらの技術を応用した製品の開発に取り組んでおります。
その結果、当連結会計年度における研究開発費の金額は、