第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、「モノづくりを通してお客様に最高の製品とサービスを提供し社員と社会に幸福を」という経営理念のもと、企業価値の向上と持続的成長を実現する体制の構築を進めております。当社を取り巻く環境としては、自動車のEV化やCASEの進展に加え、通信分野では5Gの普及など社会環境の変化に伴い最先端の高品質プリント基板需要が高まっており、これを大量かつ安定的に供給することが求められております。このような状況の中、米中摩擦、新型コロナウイルス、自然災害、事故などによるサプライチェーンへの影響や銅などの資源価格の高騰などへの対処が当社グループにおける喫緊の経営課題として浮き彫りになりました。

こうした課題に対処するため、基板事業においては、今秋、最先端のモジュール基板の生産をベトナム第3工場において開始する予定でおります。また、ビルドアップ基板の需要が高まっており、従来のスマートフォン、AI家電、IoT、アミューズメント分野に加えて車載分野においても大幅に増加する見通しとなっており、既存工場の再整備及び増強を推進してまいります。EMS事業においては、基板生産から完成品までの一貫生産需要が高まっており生産体制の拡充を推進するとともに、当社オリジナル製品の自動化機器や医療機器などの開発・販売に注力してまいります。生産面においては、CO2削減の取り組みとして省エネ機器の導入や資源のリサイクルを積極的に推進すると共に、各工場の自動化を推進しており、こうした活動を通じて更なる収益性の向上を図ってまいります。

当社グループは、顧客のニーズに合った製品開発を積極的に推進するとともに、社内のリソースを最大限に活用した弛まぬ生産改善を全社一体となって推進し、経営基盤をより一層強固なものとして成長し続ける企業として事業に邁進してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 主要顧客とその業界動向等に関するリスク

当社グループは、車載・スマホ・タブレット・IoT・AI家電・アミューズメント・ストレージ等のセットメーカー等を主要な顧客とし、最終製品の中核機能を構成する部品として位置付けられる電子回路基板の製造及び販売を主要な事業としております。更に、モジュール基板・EMS事業を新たな柱として強化・推進し、影響の分散を図っておりますが、景気の動向・自然災害等により主要顧客又は顧客の属する業界の状況が悪化した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが実施する顧客とその業界の動向モニタリング及び影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化の時期・規模に応じた影響度をもって顕在化する可能性があると認識しております。

 

② 原材料の市況変動に関するリスク

当社グループは、コモディティデリバティブ等によるリスクの低減に努めておりますが、原油・銅・金等、素材価格の不測の高騰が原材料仕入価格に影響を与え取引先との価格に反映されなかった場合、また、仕入材料の調達に支障をきたしビジネスチャンスを逸した場合等には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、上記リスク低減施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

③ 技術開発及び価格競争に関するリスク

自動車の電装化の進展、電気自動車の普及、5G通信ベースとしたコネクテッドカーの登場、IoTの世界的普及などにより、様々なものがつながる時代が到来します。電子回路基板の需要は拡大していくものと考えておりますが、中国又は東南アジア等からの低価格攻勢等もあり、世界的な競合が激化していることから、技術的に差別化していく必要があります。当社グループは、配線の細線化や穴径の極小化などの要素技術をはじめ、コスト低減技術など様々な技術の開発を進めておりますが、新技術が市場ニーズと乖離して受け入れられず、価格競争に巻き込まれる事態となった場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、顧客ニーズ・他社の技術及び価格の動向等を緊密にモニタリングしておりますが、このようなリスクは、事業運営に内在するリスクであり、完全な排除は困難であることから、事業運営の過程で日常的に顕在化する可能性があります。顕在化した場合の影響度は、顕在化の時期、その態様により変動するため確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

④ 設備投資の時期等に関するリスク

当社グループは、需要動向に応じた生産能力の適正化や製品の競争力維持のために適切な設備投資を行っております。設備投資については、市場動向やセットメーカーの動向等を勘案しながら慎重に決定しておりますが、景気後退等により当社グループの設備投資が過大となった場合や、セットメーカーが戦略を変更した場合又は新規設備の稼働が想定より遅れた場合には、減価償却費の負担等により、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの個別の設備投資に起因する減損損失のリスク顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、業界市況の急変・自然災害・感染症等の外部要因を起因とするリスクについては、当社グループのリスク管理のみをもって軽減・排除できる性格のものではないことから、かかる事態が発生した場合には、顕在化の時期・規模に応じた影響を蒙る可能性があります。

 

⑤ 故障及び事故に関するリスク

当社グループの各生産拠点では、生産設備の定期的な点検や保守作業やIoT技術を活用した工場監視を実施し、ラインの稼働停止にいたる設備の故障、火災等の事故の発生を極力抑えるべく努力を行っておりますが、これらを完全に防止又は軽減できる保証はありません。これらの要因で、生産及び出荷が長期にわたって停止した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

⑥ 製品の欠陥に関するリスク

電子回路基板は、電子部品が実装された後に最終製品に組み込まれております。当社グループは、世界標準の品質管理基準に従って製造しており、また、セットメーカーにおいては、受入検査及び最終製品検査などを実施する等、製品の欠陥の発生を未然に防止する仕組みが確保されております。しかしながら、大規模なリコール及び製造物責任賠償等が発生する事態となった場合には、付保額でカバーできない多額のコスト負担が発生し、企業ブランドが低下するなどして、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

(2) 自然災害等に関するリスク

① 自然災害に関するリスク

当社グループは、地震・津波・洪水・暴風・豪雨等の自然災害があった場合、設備の一部又は全部の稼動が停止し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。当社グループは、過去の経験からリスク管理体制の見直しを適時に行い、従業員の安全確保と設備への対策の強化に努めておりまが、今後もこのような災害があった場合、設備復旧のための費用及び売上高の減少などにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 感染症に関するリスク

当社グループは、新型コロナウルス感染症に対して、お客様・取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、感染リスクが高い国や地域への渡航・出張の原則禁止・間接部門を中心としたテレワーク(在宅勤務)対応等を継続的に実施しております。しかしながら、感染の長期化、パンデミックにあたる状況の継続や新たな感染症の蔓延により、当社グループ工場の操業停止、国内・世界全体の景気悪化及び経済活動の低迷が、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

(3) コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、国内外の拠点で事業を展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっております。日本においては、会社法・金融商品取引法・独占禁止法・税法・労働法・環境法等を遵守する必要があり、同時に海外では、それぞれの国や地域の法令・規制に従う必要があります。当社グループは、リスク・コンプライアンス委員会を設け、法令・規制遵守を監督するとともに、固有のコンプライアンス施策の立案・実施により、コンプライアンス意識を高める努力を行っております。しかしながら、このような施策によってもコンプライアンスのリスクは完全に回避できない可能性があり、関連法令・規制上の義務を実行できない場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コンプライアンス等に起因するリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しておりますが、その顕在化の内容・時期等を当社グループが制御できるものではないことから、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(4) 財務等に関するリスク

① 財務リスク

当社グループは、車載基板やスマートフォン向け基板等に対する需要の増加及び技術革新による新製品への対応等に備え、設備投資を積極的に行っており、2021年3月期末現在の借入金の総資産に占める割合は47.4%までになっております。今後、事業戦略上必要な設備投資の新規借入や既往借入金の借り換えの実行が、金融環境の変化や取引銀行の事情により困難になった場合、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。加えて、借入金の金利上昇が業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。金融環境や取引銀行の固有の事情については、当社グループ独自の対策によって軽減・排除が難しいことから、顕在化した場合には、その時期・規模・態様等に応じて影響を受けるものと判断しておりますが、顕在化の影響を確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 信用リスク

当社グループは、営業取引を通じて、売掛金・前渡金などの取引与信の形態で取引先に対する信用供与を実施しており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失発生の信用リスクを負っております。当社グループでは、当該リスク管理のために、取引先ごとに与信限度額を定めた社内規程等に基づき、与信先の信用状態に応じた対応を行っておりますが、債権が回収不能となった場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、与信先のモニタリングとリスク分散を図っており、顕在化の頻度・影響度は通常の業績変動の範囲内にとどまり、その影響は限定的であると判断しております。予期せぬ大口与信先に対する当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。

 

③ 為替変動に関するリスク

中国・ベトナムにおける工場の操業に際して、米ドル等の外貨建資産を保有する必要が生じるため、当社グループは、米ドル・人民元・円等の為替変動の影響を受けており、当該為替変動の影響により損失が生じることがあります。当社グループでは、通貨マリーや為替ヘッジ等による一定のリスク低減に努めておりますが、不測の為替変動が発生した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、為替変動に左右されるため、当社グループ独自で軽減・排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。

 

④ M&A・合弁・提携に関するリスク

当社グループは、事業の成長に必要な技術・製品・販売網・顧客基盤・人材を有する他社との資本提携や合弁事業を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化があった場合には、事業が計画通りに展開できず、当初想定した効果が得られない可能性又は追加的費用・減損損失が発生する可能性があります。そのような場合、予想通りの収益があがらず、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

(5) その他のリスク

① 中国、ベトナムにおける工場操業に関するリスク

当社グループは、生産能力の拡大と生産コストの引き下げを目的として、中国の香港・広州・武漢及びベトナムに現地法人を設立し、生産販売活動を行っております。これらの国においては、伝染病等の衛生問題の発生、環境規制・各種法令及び税制の変更もしくは導入、電力・水及び輸送等のインフラ障害発生、政情不安及び治安の問題発生、反日デモ及び労働争議の発生、資産の収用、戦争・紛争による設備の破壊及び資金移動に対する制限(送金制限)等の困難に直面する可能性があります。これらの政治又は法環境の変化・経済状況の変化・環境規制の変化など、予期せぬ事象が発生した場合、生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じることや、環境保全やその他の規制の遵守に伴う多額の債務・義務が発生することにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、事業活動において顧客情報等を入手することがあり、技術・営業・個人及び経営全般に関する機密情報を保有しており、サイバー攻撃及び人為的ミス等に起因した不正アクセス・改ざん・破壊・漏洩及び滅失等を防ぐために管理体制を構築して、合理的な技術的対策を実施するなどの適切な安全措置を講じるとともに、サイバーセキュリティリスクに備えた訓練を実施しております。しかしながら、漏洩・滅失等が起きた場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報の機密保持管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する蓋然性は低いと認識しております。

 

③ 知的財産権に関するリスク

当社グループにとって知的財産は、重要な経営資源であると認識しており、知的財産の保護を目的として、独自に開発した技術等について、特許等の知的財産権取得のための出願を行っております。しかしながら、出願案件すべてについて権利が認められるとは限らず、また第三者からの異議申し立て等により取得した権利が無効になる可能性があります。なお、取得した知的財産については、主管部門において管理を行い、外部からの侵害にも注意を払っておりますが、不正に使用される等の事態が起こった場合には、本来得られるべき利益が失われる可能性があります。一方、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を提起された場合には、製造差し止めによる顧客への補償や損害賠償金の発生、また製造を開始するための特許使用に関わるライセンス料等の支払いが、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における電子部品業界は、第1四半期に新型コロナウイルス感染症の影響をうけ需要が大きく減少しましたが、第2四半期後半以降は経済が回復基調に転じ、需要が拡大傾向で推移しました。一方で新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体等の供給不足など、不透明感も継続しております。

このような状況の中、当社グループでは、受注面は第2四半期に回復基調に転じて以降好調を維持しております。販売面では、第3四半期連結累計期間までは前年同期比で減収となっておりましたが、第4四半期の売上が好調に推移した結果、過去最大の売上を計上しました。商品別では、車載向け基板は、自動車生産の回復と電動化・電装化の流れを受け増加基調で推移しておりますが、当期前半の低迷の影響が残り前期比で若干の減収となりました。スマートフォン向け基板は、販売の回復と5G(第5世代移動通信システム)需要の立ち上がりを背景に前期比で大幅に増加しました。IoT/AI家電向け基板とEMS事業も好調を維持しました。収益面では、全社的なコスト削減策の推進や好調な受注を背景に工場の高稼働が継続し収益が拡大する一方、銅や金などの資源価格の高騰による材料調達コスト高騰など厳しい状況も継続しております。また、為替がドル円相場においては期末に円安で着地するなど増益要因が拡大しました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高119,257百万円(前期比3.3%増)となり、営業利益6,657百万円(前期比28.3%増)、経常利益5,697百万円(前期比19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,640百万円(前期比79.4%増)となりました。

 

また、財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は142,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,802百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は101,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,673百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は40,610百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,128百万円増加しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,121百万円となり、前連結会計年度に比べ1,524百万円減少しました。
 なお、上記金額のうち、非連結子会社でありました広州市斯皮徳貿易有限公司を連結の範囲に含めたことにより増加した資金は、229百万円であります。
  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、7,853百万円で、前連結会計年度に比べ3,387百万円減少しました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,059百万円、減価償却費7,448百万円、仕入債務の増加1,770百万円であり、減少の主な内訳は、売上債権の増加4,642百万円、たな卸資産の増加2,430百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、9,489百万円で、前連結会計年度に比べ5,447百万円支出が減少しました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出9,737百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、618百万円(前連結会計年度は6,249百万円の収入)となりました。収入の内訳は、短期借入金の純増額10,574百万円、長期借入れによる収入42,597百万円であり、支出の内訳は、長期借入金の返済による支出52,484百万円、リース債務の返済による支出563百万円、自己株式の取得による支出348百万円、配当金の支払額393百万円であります。

 

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

自己資本比率(%)

27.8

25.0

28.5

時価ベースの自己資本比率(%)

37.6

27.1

49.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.2

6.1

8.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

14.0

16.3

12.4

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※  各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※  株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しており、普通株式を対象としております。

※  営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、電子回路基板等の設計、製造販売及びこれらの付随業務の電子関連事業を主としております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

120,030

4.8

合計

120,030

4.8

 

(注) 1  生産実績は、販売価格によっております。

2  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

124,837

4.7

24,932

29.7

合計

124,837

4.7

24,932

29.7

 

(注)  金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

119,126

3.3

その他

130

10.5

合計

119,257

3.3

 

(注) 1  金額には、消費税等は含まれておりません。

2  「その他」区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、売電事業であります。

3  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Samsung Electronics Co., Ltd.

13,563

11.4

 

4 販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。

5  前連結会計年度のSamsung Electronics Co., Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当社グループの主要な取引先であります自動車業界においては、自動車生産の回復と電動化・電装化の流れを受け回復傾向にあるものの、年度前半の需要減少の影響により車載向け基板の販売は減収となりましたが、スマートフォン市場において5G需要の立ち上がりを背景にスマートフォン向け基板の販売が好調に推移したことなどにより、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,777百万円増加し、119,257百万円(前期比3.3%増)となりました。

(売上総利益)

売上原価は、原材料価格の高騰等の影響を受け2,999百万円増加し、101,732百万円(前期比3.0%増)となり、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ778百万円増加し、17,524百万円(前期比4.7%増)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント上昇し、14.7%となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、販売手数料の削減や旅費交通費の減少等により689百万円減少し、10,866百万円(前期比6.0%減)となり、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,468百万円増加し、6,657百万円(前期比28.3%増)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度に比べ1.1ポイント上昇し、5.6%となりました。

(経常利益)

営業外収益は、助成金収入の増加、受取保険金の減少等により34百万円増加し、795百万円となりました。営業外費用は、シンジケートローン手数料の増加等により594百万円増加し、1,755百万円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ908百万円増加し、5,697百万円(前期比19.0%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、特別利益は、固定資産売却益を計上したことにより、3百万円となりました。特別損失は、固定資産除売却損198百万円、事業構造改善費用310百万円を計上したことなどにより、641百万円となりました。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は294百万円減少し422百万円、非支配株主に帰属する当期純損失は4百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,640百万円(前期比79.4%増)となりました。

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産は、142,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,802百万円増加しました。流動資産において、現金及び預金が1,519百万円減少、受取手形及び売掛金が5,055百万円増加、たな卸資産が3,203百万円増加、固定資産において、有形固定資産が5,789百万円増加が主な要因であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、101,429百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,673百万円増加しました。流動負債において、支払手形及び買掛金が2,733百万円増加、短期借入金が11,147百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が7,240百万円減少、固定負債において、長期借入金が2,252百万円減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、40,610百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,128百万円増加しました。利益剰余金が4,488百万円増加、為替換算調整勘定が3,752百万円増加が主な要因であります。

 

 

経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、資本を効率的に活用して収益性を高める観点から、売上高営業利益率、総資産経常利益率(ROA)を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は5.6%(前期比1.1ポイント増)、総資産経常利益率(ROA)は4.2%(前期比0.4ポイント増)となりました。引き続きこれらの指標について、改善できるよう取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要の主なものは、生産能力の適正化や製品の競争力維持のための生産設備等の取得であります。

(財務政策)

当社グループの運転資金につきましては、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達を行うこととしております。国内外の生産設備取得等の投融資資金及び設備資金につきましては、金融機関からの長期の借入により資金調達を行う方針であります。調達時期、条件については、最も有利なものを選択するべく検討することとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。経営者は、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異の解消時期をスケジューリングし、繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

その他の経営上の重要な契約

 

①提出会社は、取引銀行11行との間でコミット型シンジケートローン契約を締結しております。

契約年月日

2020年9月25日

契約金額

400億円

アレンジャー

株式会社三井住友銀行

コ・アレンジャー
 
 

株式会社みずほ銀行
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三菱UFJ銀行

エージェント

株式会社三井住友銀行

資金使途

既存借入金の借換資金

 

 

②提出会社は、取引銀行4行との間でコミットメントライン契約を締結しております。

契約年月日

2020年10月15日

契約金額

300億円

アレンジャー

株式会社三井住友銀行

コ・アレンジャー
 
 

株式会社みずほ銀行
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三菱UFJ銀行

エージェント

株式会社三井住友銀行

資金使途

運転資金(借入金の借換資金及び子会社等宛転貸資金を含む。)

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、電子回路基板の高速伝送化、高放熱化、大電流化、更なる小型化、高密度化、及び高機能化など多様な市場要求に応えるため、幅広い分野に対して要素技術開発、プロセス技術開発を行い、新商品の提案や市場投入に向けた研究開発活動を積極的に進めております。

当連結会計年度の研究開発活動として、高速伝送化に対しては5G通信インフラ向け高周波基板、自動車向けミリ波レーダ基板、高放熱化・大電流化に対しては銅インレイ基板、メタルベース基板、厚銅基板及びメガスルホール®基板、小型化、高密度化及び高機能化に対しては部品内蔵基板、高機能モバイル機器向けエニーレイヤー基板、屈曲性対応のフレックスリジット基板、フレキシブル基板、M-VIA Flex基板などの研究開発を推進しております。また、今後市場拡大が見込めるモジュール製品及びパッケージ(PKG)製品をターゲットとした極薄コアレス構造やMSAP工法による細線化などの要素技術開発も推進しております。

これらの研究開発の成果につきましては、以下の対外発表を行っております。

2020年8月 エレクトロニクス実装技術(8月号)

「“手直し不要”を実現するはんだ付け専用ロボット[メイコー“真”理論2.0]」

2020年11月 エレクトロニクス実装学会誌(11月号)

「部品内蔵基板の開発動向」

2021年1月 エレクトロニクス実装技術(1月号)

「“手直し不要”を実現するはんだ付け専用ロボット[メイコー“真”理論3.0]」

なお、2020年6月に発表された第16回JPCA賞(アワード)にて当社が開発したメガスルホール®が、大電流・高放熱を求める理想的なプリント配線板加工法として期待できる技術との評価をいただき、JPCA賞を受賞いたしました。

一方、電子回路基板事業以外では、海外拠点の優位性を活かしワンストップでの製造受託サービスを提供するEMS事業、はんだ付けロボット等の自動化設備の設計開発を担うメカトロニクス事業、マルチビジョンシステムを活用した防災監視システム等を手掛ける映像機器事業など、幅広い分野でのサービスと研究開発を進めております。

これらの研究開発活動による成果を通じて、今後新たに発展が予想される有望な市場に向けた当社独自製品を投入し、事業拡大と安定した収益確保を目指してまいります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、グループ全体で1,427百万円であります。