第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針及び経営環境

当社グループは、「モノづくりを通してお客様に最高の製品とサービスを提供し社員と社会に幸福を」という経営理念のもと、企業価値の向上と持続的成長を実現する体制の構築を進めております。当社グループを取り巻く環境としては、自動車のEV化、電装化や通信分野での5G/6Gなどへの対応など社会環境の変化に応じて最先端の高品質な電子回路基板を大量かつ安定的に供給することが求められております。こうした状況下において、資源価格の高騰による調達コストの高騰への対応や、新型コロナウイルス感染症対策によるロックダウンの実施などによる工場操業停止リスクへの対応力の向上が求められた年でもありました。

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

このような経営環境の中、当社グループは「エレクトロニクスの進化に挑戦し貢献する」を掲げ、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。優先的に対処すべき課題としては、最先端の高品質な電子回路基板を大量かつ安定的に供給する要望を受け、新工場建設による生産能力の拡大を推進してまいります。当社グループは貫通基板とビルドアップ基板を主力に車載向けやスマートフォン向けに電子回路基板を供給してまいりました。自動車のEV化、電装化による需要の拡大を受け、山形県天童市に新工場の建設に着手いたしました。また、新たな事業の柱として育成するべく、パッケージ基板とモジュール基板の生産拠点として、石巻第2工場とベトナム第3工場に生産設備の導入を開始しました。

財務上の課題としては、バランスのとれた財務体質の強化を行ってまいります。中期経営計画の最終年度である2027年3月期に、以下の目標を設定いたしました。

売上高営業利益率

11%

自己資本比率

50%

自己資本利益率(ROE)

17%

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、顧客のニーズにあった製品開発・生産体制の整備を積極的に推進するとともに、社内リソースを最大限活用した弛まぬ生産性改善を全社一体となって推進し、経営基盤をより強固なものとし成長し続ける企業として事業に邁進してまいります。

また、当社グループは、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治)に配慮した事業活動を通じて、社会への貢献、事業を展開するコミュニティへの貢献活動などに積極的に取り組んでまいります。ESGへの取り組みについては、以下のとおりであります。

E 環境への取り組み(国内事業)

地球温暖化対策

TCFDに基づく対応策実施
・2030年国内CO2排出量原単位50%削減(2013年比)
・省エネの推進(原単位:電力▲1.5%/年、燃料▲2.0%/年)
・自家消費型太陽光発電の導入

廃棄物削減

ゼロエミッション推進(2030年リサイクル率80%)
再資源化(銅、パラジウム、金の回収)

水資源の活用

再利用の推進(2030年水使用原単位10%削減)

S 社会への取り組み

従業員エンゲージメント

ダイバーシティの推進(女性活躍推進、海外人財登用推進)
安全で快適な職場づくりの推進(労災ゼロ)
従業員の健康づくりの推進(健康経営優良法人認定取得予定)

地域貢献・地域活性化

自然・環境保護への貢献(リサイクル活動)
地域活性化への貢献(スポーツ振興、地域ニーズに応じた貢献)
社会福祉への貢献

G ガバナンス

経営体制の強化

持続的成長支える経営体制構築

危機管理体制の強化

BCPの強化
山形の第2本社化

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 主要顧客とその業界動向等に関するリスク

当社グループは、車載、スマホ・タブレット、SSD・IoTモジュール、AI家電、アミューズメント、産業機器等のセットメーカー等を主要な顧客とし、最終製品の中核機能を構成する部品として位置付けられる電子回路基板の製造及び販売を主要な事業としております。更に、パッケージ基板・EMS事業を新たな柱として強化・推進し、影響の分散を図っておりますが、景気の動向・自然災害等により主要顧客又は顧客の属する業界の状況が悪化した場合、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが実施する顧客とその業界の動向モニタリング及び影響の分散施策等によって、当該リスクを完全に排除できる性格のものではないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化の時期・規模に応じた影響度をもって顕在化する可能性があると認識しております。

 

② 原材料の市況変動に関するリスク

当社グループは、コモディティデリバティブ等によるリスクの低減に努めておりますが、原油・銅・金等、素材価格の不測の高騰が原材料仕入価格に影響を与え取引先との価格に反映されなかった場合、また、仕入材料の調達に支障をきたしビジネスチャンスを逸した場合等には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、上記リスク低減施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

③ 技術開発及び価格競争に関するリスク

自動車の電装化の進展、電気自動車の普及、5G通信ベースとしたコネクテッドカーの登場、IoTの世界的普及などにより、様々なものがつながる時代が到来します。電子回路基板の需要は拡大していくものと考えておりますが、中国又は東南アジア等からの低価格攻勢等もあり、世界的な競合が激化していることから、技術的に差別化していく必要があります。当社グループは、配線の細線化や穴径の極小化などの要素技術をはじめ、コスト低減技術など様々な技術の開発を進めておりますが、新技術が市場ニーズと乖離して受け入れられず、価格競争に巻き込まれる事態となった場合や、歩留まりが悪化した場合等、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、顧客ニーズ・他社の技術及び価格の動向等を緊密にモニタリングしておりますが、このようなリスクは、事業運営に内在するリスクであり、完全な排除は困難であることから、事業運営の過程で日常的に顕在化する可能性があります。顕在化した場合の影響度は、顕在化の時期、その態様により変動するため確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

④ 設備投資の時期等に関するリスク

当社グループは、需要動向に応じた生産能力の適正化や製品の競争力維持のために適切な設備投資を行っております。設備投資については、市場動向やセットメーカーの動向等を勘案しながら慎重に決定しておりますが、景気後退等により当社グループの設備投資が過大となった場合や、セットメーカーが戦略を変更した場合又は新規設備の稼働が想定より遅れた場合には、減価償却費の負担等により、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、資産価値が下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損損失が発生し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの個別の設備投資に起因する減損損失のリスク顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、業界市況の急変・自然災害・感染症等の外部要因を起因とするリスクについては、当社グループのリスク管理のみをもって軽減・排除できる性格のものではないことから、かかる事態が発生した場合には、顕在化の時期・規模に応じた影響を蒙る可能性があります。

 

⑤ 故障及び事故に関するリスク

当社グループの各生産拠点では、生産設備の定期的な点検や保守作業やIoT技術を活用した工場監視を実施し、ラインの稼働停止にいたる設備の故障、火災等の事故の発生を極力抑えるべく努力を行っておりますが、これらを完全に防止又は軽減できる保証はありません。これらの要因で、生産及び出荷が長期にわたって停止した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

⑥ 製品の欠陥に関するリスク

電子回路基板は、電子部品が実装された後に最終製品に組み込まれております。当社グループは、世界標準の品質管理基準に従って製造しており、また、セットメーカーにおいては、受入検査及び最終製品検査などを実施する等、製品の欠陥の発生を未然に防止する仕組みが確保されております。しかしながら、大規模なリコール及び製造物責任賠償等が発生する事態となった場合には、付保額でカバーできない多額のコスト負担が発生し、企業ブランドが低下するなどして、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

(2) 自然災害等に関するリスク

① 自然災害に関するリスク

当社グループは、地震・津波・洪水・暴風・豪雨等の自然災害があった場合、設備の一部又は全部の稼動が停止し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。当社グループは、過去の経験からリスク管理体制の見直しを適時に行い、従業員の安全確保と設備への対策の強化に努めておりますが、今後もこのような災害があった場合、設備復旧のための費用及び売上高の減少などにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 感染症に関するリスク

当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して、お客様・取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、各国保健行政の指針に従った感染防止策を継続的に実施しております。しかしながら、感染の長期化、パンデミックにあたる状況の継続や新たな感染症の蔓延により、当社グループ工場の操業停止、国内・世界全体の景気悪化及び経済活動の低迷が、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

(3) コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、国内外の拠点で事業を展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっております。日本においては、会社法・金融商品取引法・独占禁止法・税法・労働法・環境法等を遵守する必要があり、同時に海外では、それぞれの国や地域の法令・規制に従う必要があります。当社グループは、リスク・コンプライアンス委員会を設け、法令・規制遵守を監督するとともに、固有のコンプライアンス施策の立案・実施により、コンプライアンス意識を高める努力を行っております。しかしながら、このような施策によってもコンプライアンスのリスクは完全に回避できない可能性があり、関連法令・規制上の義務を実行できない場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コンプライアンス等に起因するリスクの顕在化の可能性は高くないと認識しておりますが、その顕在化の内容・時期等を当社グループが制御できるものではないことから、その影響度を事前に見積もることは困難であると認識しております。

 

(4) 財務等に関するリスク

① 財務リスク

当社グループは、車載基板やスマートフォン向け基板等に対する需要の増加及び技術革新による新製品への対応等に備え、設備投資を積極的に行っており、2022年3月期末現在の借入金の総資産に占める割合は39.4%なっております。今後、事業戦略上必要な設備投資の新規借入や既往借入金の借り換えの実行が、金融環境の変化や取引銀行の事情により困難になった場合、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。加えて、借入金の金利上昇が業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。金融環境や取引銀行の固有の事情については、当社グループ独自の対策によって軽減・排除が難しいことから、顕在化した場合には、その時期・規模・態様等に応じて影響を受けるものと判断しておりますが、顕在化の影響を確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 信用リスク

当社グループは、営業取引を通じて、売掛金・前渡金などの取引与信の形態で取引先に対する信用供与を実施しており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失発生の信用リスクを負っております。当社グループでは、当該リスク管理のために、取引先ごとに与信限度額を定めた社内規程等に基づき、与信先の信用状態に応じた対応を行っておりますが、債権が回収不能となった場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、与信先のモニタリングとリスク分散を図っており、顕在化の頻度・影響度は通常の業績変動の範囲内にとどまり、その影響は限定的であると判断しております。予期せぬ大口与信先に対する当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。

 

③ 為替変動に関するリスク

中国・ベトナムにおける工場の操業に際して、米ドル等の外貨建資産を保有する必要が生じるため、当社グループは、米ドル・人民元・円等の為替変動の影響を受けており、当該為替変動の影響により損失が生じることがあります。当社グループでは、通貨マリーや為替ヘッジ等による一定のリスク低減に努めておりますが、不測の為替変動が発生した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは、為替変動に左右されるため、当社グループ独自で軽減・排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。

 

④ M&A・合弁・提携に関するリスク

当社グループは、事業の成長に必要な技術・製品・販売網・顧客基盤・人材を有する他社との資本提携や合弁事業を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化があった場合には、事業が計画通りに展開できず、当初想定した効果が得られない可能性又は追加的費用・減損損失が発生する可能性があります。そのような場合、予想通りの収益があがらず、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には、一定程度の影響を蒙ることは不可避であると認識しております。

 

(5) その他のリスク

① 中国、ベトナムにおける工場操業に関するリスク

当社グループは、生産能力の拡大と生産コストの引き下げを目的として、中国の香港・広州・武漢及びベトナムに現地法人を設立し、生産販売活動を行っております。これらの国においては、伝染病等の衛生問題の発生、環境規制・各種法令及び税制の変更もしくは導入、電力・水及び輸送等のインフラ障害発生、政情不安及び治安の問題発生、反日デモ及び労働争議の発生、資産の収用、戦争・紛争による設備の破壊及び資金移動に対する制限(送金制限)等の困難に直面する可能性があります。これらの政治又は法環境の変化・経済状況の変化・環境規制の変化など、予期せぬ事象が発生した場合、生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じることや、環境保全やその他の規制の遵守に伴う多額の債務・義務が発生することにより、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは当社グループ独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度・顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、当該リスクの態様に照らし、その影響度について確定的な見積もりを行うことは困難であると認識しております。

 

② 情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、事業活動において顧客情報等を入手することがあり、技術・営業・個人及び経営全般に関する機密情報を保有しており、サイバー攻撃及び人為的ミス等に起因した不正アクセス・改ざん・破壊・漏洩及び滅失等を防ぐために管理体制を構築して、合理的な技術的対策を実施するなどの適切な安全措置を講じるとともに、サイバーセキュリティリスクに備えた訓練を実施しております。しかしながら、漏洩・滅失等が起きた場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報の機密保持管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する蓋然性は低いと認識しております。

 

 

③ 知的財産権に関するリスク

当社グループにとって知的財産は、重要な経営資源であると認識しており、知的財産の保護を目的として、独自に開発した技術等について、特許等の知的財産権取得のための出願を行っております。しかしながら、出願案件すべてについて権利が認められるとは限らず、また第三者からの異議申し立て等により取得した権利が無効になる可能性があります。なお、取得した知的財産については、主管部門において管理を行い、外部からの侵害にも注意を払っておりますが、不正に使用される等の事態が起こった場合には、本来得られるべき利益が失われる可能性があります。一方、当社グループが第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を提起された場合には、製造差し止めによる顧客への補償や損害賠償金の発生、また製造を開始するための特許使用に関わるライセンス料等の支払いが、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが突発的に顕在化する可能性は皆無ではないものの、その蓋然性は極めて低いと認識しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における電子部品業界は、半導体不足や世界的なサプライチェーンの混乱により、自動車をはじめとする最終製品の減産につながるなど混乱が見られました。今後も新型コロナウイルス感染症対策のロックダウンに起因する生産調整や、ウクライナ情勢等による資源価格やエネルギー価格の上昇等による生産コストの高騰など不透明感は継続しております。

このような状況の中当社グループでは、受注面は自動車の減産や中国ロックダウンによるスマートフォンの減産の影響が年後半に見られました。販売面では、車載向け基板は顧客内のシェアが拡大していることに加え、電装化による需要拡大が継続しました。スマートフォン向け基板においても顧客内シェアが拡大し、これ以外の商品においても全般的に販売が増加しました。収益面では、各工場の高稼働が継続する中、全社的なコスト削減策や歩留まり改善等の施策により好調に推移しました。これに加え、為替が円安で推移したことにより当連結会計年度の売上高と利益は過去最高を更新しました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高151,275百万円(前期比26.8%増)となり、営業利益13,255百万円(前期比99.1%増)、経常利益14,294百万円(前期比150.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,451百万円(前期比146.7%増)となりました。

 

また、財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は168,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,288百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は109,642百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,213百万円増加しました。当連結会計年度末の純資産合計は58,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,075百万円増加しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10,450百万円となり、前連結会計年度に比べ1,671百万円減少しました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は、13,975百万円で、前連結会計年度に比べ6,121百万円増加しました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,612百万円、減価償却費7,994百万円、仕入債務の増加1,567百万円であり、減少の主な内訳は、売上債権の増加3,617百万円、棚卸資産の増加5,384百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は、11,785百万円で、前連結会計年度に比べ2,295百万円支出が増加しました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出11,834百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は、4,730百万円で、前連結会計年度に比べ4,111百万円支出が増加しました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額6,195百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出8,304百万円、自己株式の取得による支出1,222百万円、配当金の支払額1,038百万円であります。

 

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

25.0

28.5

34.7

時価ベースの自己資本比率(%)

27.1

49.3

61.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

6.1

8.9

4.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

16.3

12.4

22.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※  各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※  株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しており、普通株式を対象としております。

※  営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、電子回路基板等の設計、製造販売及びこれらの付随業務の電子関連事業を主としております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

154,999

29.1

合計

154,999

29.1

 

(注)  生産実績は、販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

159,186

27.5

32,975

32.3

合計

159,186

27.5

32,975

32.3

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電子関連事業

151,142

26.9

その他

132

1.6

合計

151,275

26.8

 

(注) 1  「その他」区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、売電事業であります。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Samsung Electronics Co., Ltd.

13,563

11.4

15,563

10.3

 

3  販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当社グループが属する電子部品業界においては、半導体不足等による顧客の生産調整の影響があったものの、自動車の電装化の進展による需要拡大が継続し、車載向け基板の販売が好調に推移したことなどから、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ32,018百万円増加し、151,275百万円(前期比26.8%増)となりました。

(売上総利益)

売上原価は、原材料価格の高騰の影響があったものの、売上高の増加に加え、全社的なコスト削減等を推進したことから22,147百万円増加し、123,880百万円(前期比21.8%増)となり、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ9,870百万円増加し、27,394百万円(前期比56.3%増)となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度に比べ3.4ポイント上昇し、18.1%となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費は、研究開発費及び人件費の増加等により3,272百万円増加し、14,139百万円(前期比30.1%増)となり、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ6,597百万円増加し、13,255百万円(前期比99.1%増)となりました。また、営業利益率は前連結会計年度に比べ3.2ポイント上昇し、8.8%となりました。

(経常利益)

営業外収益は、為替差益の増加、助成金収入の減少等により1,294百万円増加し、2,090百万円となりました。営業外費用は、シンジケートローン手数料及び為替差損の減少等により704百万円減少し、1,050百万円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ8,597百万円増加し、14,294百万円(前期比150.9%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、特別利益は、投資有価証券売却益9百万円を計上したことなどにより、12百万円となりました。特別損失は、固定資産除売却損524百万円、事業構造改善費用226百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失646百万円を計上したことなどにより、1,694百万円となりました。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は752百万円増加し1,175百万円、非支配株主に帰属する当期純損失は14百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、11,451百万円(前期比146.7%増)となりました。 

 

財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の資産は、168,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,288百万円増加しました。流動資産において、現金及び預金が1,671百万円減少、受取手形及び売掛金が6,245百万円増加、棚卸資産が7,610百万円増加、固定資産において、有形固定資産が13,775百万円増加が主な要因であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債は、109,642百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,213百万円増加しました。流動負債において、支払手形及び買掛金が3,853百万円増加、短期借入金が7,332百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が2,342百万円減少、流動負債のその他が4,021百万円増加、固定負債において、長期借入金が5,959百万円減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、58,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,075百万円増加しました。利益剰余金が10,413百万円増加、自己株式の取得等による1,441百万円減少、為替換算調整勘定が9,046百万円増加が主な要因であります。

 

 

経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、資本を効率的に活用して収益性を高める観点から、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における売上高営業利益率は8.8%(前期比3.2ポイント増)、自己資本利益率(ROE)は23.2%(前期比10.4ポイント増)となりました。引き続きこれらの指標について、改善できるよう取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要の主なものは、生産能力の適正化や製品の競争力維持のための生産設備等の取得であります。

(財務政策)

当社グループの運転資金につきましては、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達を行うこととしております。国内外の生産設備取得等の投融資資金及び設備資金につきましては、金融機関からの長期の借入により資金調達を行う方針であります。調達時期、条件については、最も有利なものを選択するべく検討することとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。経営者は、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

その他の経営上の重要な契約

 

①提出会社は、取引銀行11行との間でコミット型シンジケートローン契約を締結しております。

契約年月日

2020年9月25日

契約金額

400億円

アレンジャー

株式会社三井住友銀行

コ・アレンジャー
 
 

株式会社みずほ銀行
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三菱UFJ銀行

エージェント

株式会社三井住友銀行

資金使途

既存借入金の借換資金

 

 

②提出会社は、取引銀行4行との間でコミットメントライン契約を締結しております。

契約年月日

2020年10月15日

契約金額

300億円

アレンジャー

株式会社三井住友銀行

コ・アレンジャー
 
 

株式会社みずほ銀行
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三菱UFJ銀行

エージェント

株式会社三井住友銀行

資金使途

運転資金(借入金の借換資金及び子会社等宛転貸資金を含む。)

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、電子回路基板の多様化、高度化する市場ニーズに応えるため、幅広い分野において要素技術開発、プロセス開発を行い、新商品の提案や事業化に向けた研究開発活動を積極的に進めております。

当連結会計年度の研究開発活動としては、自動車の自動化など次世代車載に向けた高精度ビルドアップ基板、高速伝送化に対応する5G通信機器向け高周波基板、ミリ波レーダ基板、高放熱化、大電流化に対応するメタルベース基板、銅インレイ基板、メガスルホール基板、厚銅基板、高機能化、小型化に対応する部品内蔵基板、M-VIA Flex基板などの研究開発を推進しております。また、新たな事業化に向けたモジュール、パッケージ製品をターゲットにした極薄コアレス構造や、MSAP、SAP工法による細線化などの要素技術開発、商品開発を推進しております。

これらの市場への提案につきましては、展示会への出展及び以下の対外発表を行っております。

2021年7月 JPCA 最新プリント配線板技術ロードマップセミナー

「リジッドプリント配線技術ロードマップ」

2021年10月 JPCAショー セミナー

「リジッドプリント配線技術ロードマップ」

2022年1月 ネプコンジャパン

「E/Eアーキテクチャーの進化に向けた車載プリント配線板の開発動向」

2022年1月 WBG半導体実装コンソーシアム(大阪大学産業科学研究所フレキシブル3D実装協働研究所)

「有機樹脂基板によるパワーモジュール用基板開発の取組み」

2022年1月 エレクトロニクス実装学会誌(1月号)

「電子部品と実装技術における現状および今後の展望」

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、グループ全体で3,074百万円であります。