第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策等を背景とした円安、株高傾向の継続により企業収益や雇用情勢に改善が見られ緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外経済においては、米国経済の回復と欧州経済の持ち直しにより総じて回復基調で推移しましたが、中国をはじめとする新興国経済に鈍化傾向が見られました。

 当社グループにおいては、主力の部品セグメントで民生向けのコネクタ用部品はスマートフォンやタブレットPC向けの高需要が継続し好調に推移しました。また、自動車電装向け部品も引き続き堅調に推移しており、これに関連した金型セグメントも同様の傾向となりました。機械器具セグメントにおきましても医療器具、各種自動機ともに堅調に推移しました。

 このような環境のなか当社グループは、金型技術再構築、業界トップの部品量産技術構築を経営目標に掲げ、従来より取り組んできた各施策を強化推進してまいりました。また、国外への事業展開については、中国子会社の受注品目拡大を含めた再構築を進めてまいりました。インドネシアの子会社では、工場の完成及び機械設備の搬入等が完了し、稼働に向けての準備が整いました。

 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は223億5千5百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は11億3千3百万円(前年同期比42.1%増)、為替相場の変動により海外子会社への貸付金に対する為替差益等1億8千2百万円を営業外収益に計上したことなどにより経常利益は13億7千6百万円(前年同期比51.2%増)、当期純利益は5億8千4百万円(前年同期比139.7%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。
①金型

 自動車向け、電子機器向け金型を主軸として販売してまいりました。自動車向け金型は、引き続き市場の好調を背景に堅調な結果となりました。電子機器向け金型も市場を牽引しているスマートフォンやタブレットPC向けを中心に伸長しました。

 その結果、売上高は15億5千9百万円(前年同期比15.9%増)、セグメント利益は2億3千8百万円(前年同期比

69.1%増)となりました。
②部品

 電子機器向け部品、自動車電装向け部品を主軸として販売してまいりました。電子機器関連は、スマートフォンやタブレットPC向けが引き続き好調を維持しましたが、競争激化による価格下落が懸念材料です。自動車電装向け部品は一時的な調整はあったものの市場の高需要に支えられ堅調な結果となりました。

 中国の連結子会社は、円安による現地引合いの減少などで足元は厳しい状況ですが、商品構成の再構築を進めているなかで良化の過程にあります。

 インドネシアの連結子会社は、工場の完成と機械設備の搬入等が完了して稼働に向けての準備が整い、得意先の工場認定等の手続きを進めている段階です。

 その結果、売上高は175億8千1百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は12億3百万円(前年同期比16.3%増)となりました。

③機械器具

 各種自動機、医療器具を主軸として販売してまいりました。専用機は車載関連、医療関連、半導体関連ともに好調な結果となりました。

 医療器具は、得意先からのプライスダウン要請や一部製品の需要減少等があったものの内部改善等の効果により堅調な結果となりました。

 その結果、売上高は32億4百万円(前年同期比20.5%増)、セグメント利益は5億3千6百万円(前年同期比31.5%増)となりました。

④その他

 賃貸事業、売電事業を行っております。売上高は1千万円(前年同期比44.3%増)、セグメント利益は3千4百万円(前年同期比26.5%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ9億7千2百円減少し、当連結会計年度末には9億4千8百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、16億6千1百万円(前年同期比5.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億7千万円、減価償却費11億6千6百万円と資金が増加しましたが、売上債権の増加による資金の減少2億4千9百万円、たな卸資産の増加による資金の減少2億5千1百万円と資金が減少したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、21億4千1百万円(前年同期比103.6%増)となりました。これは主に、インドネシアの連結子会社における工場建設関連投資、部品事業の生産設備増設及び更新等の有形固定資産の取得による支出21億5百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、4億1千9百万円(前年同期比18.7%減)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1億7千万円により資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出2億1千6百万円、配当金の支払額1億6千7百万円、少数株主への配当金支払額2億5百万円と資金が減少したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当連結会計年度における生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。

 

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

金型(千円)

1,852,545

119.2

部品(千円)

18,167,763

113.0

機械器具(千円)

3,356,767

116.3

 報告セグメント計(千円)

23,377,076

113.9

その他(千円)

5,172

253.6

合計(千円)

23,382,248

113.9

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

金型

1,520,547

101.7

373,983

90.6

部品

17,781,100

113.6

1,194,372

120.1

機械器具

3,003,214

96.3

493,453

71.0

 報告セグメント計

22,304,861

110.1

2,061,810

98.1

その他

10,212

144.3

合計

22,315,074

110.1

2,061,810

98.1

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

金型(千円)

1,559,465

115.9

部品(千円)

17,581,662

113.9

機械器具(千円)

3,204,327

120.5

 報告セグメント計(千円)

22,345,455

114.9

その他(千円)

10,212

144.3

合計(千円)

22,355,667

114.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年7月1日

  至 平成26年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年7月1日

  至 平成27年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

住友電装㈱

8,537,387

43.9

9,381,104

42.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 当社グループが属する電子部品業界においては、引き続きスマートフォンやダブレットPC向け部品の需要が高まるものと予測されますが、同時に価格競争はさらに激化するものと予測されます。また、納期の集中や大量受注に対応できる量産体制の構築が課題となります。

 このような状況のなか、当社グループは引き続き金型技術再構築、業界トップの部品量産技術構築を経営目標に掲げ、従来より取り組んできた各施策をさらに強化推進し、改革、挑戦、追求を最後まで貫ける企業となり、利益の向上、技術の向上を確実に達成できる企業を目指します。また、研究開発投資を従来以上に積極的に行い、将来の柱となる新事業の確立を目指します。

 国外への事業展開については、中国子会社の受注品目拡大を含めた再構築を継続し、インドネシア子会社の工場立ち上げを早急に進めるなかで、グループ全体の総合力を結集し業績の維持、向上に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(平成27年9月25日)において当社グループが判断したものであります。

①電子部品業界について
 当社グループの属する電子部品業界は、シリコンサイクル(半導体業界の景気サイクル)と連動して好不況の変動が多い業界と言われております。当社グループは業界の動向に細心の注意を払って経営を行うよう努めておりますが、かつての半導体不況などのような想定外の変動や、各市場における景気後退などは、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
②知的財産権
 平成27年9月25日現在において、当社グループは知的財産権に関する訴訟等を起こされたことはありません。また、当社グループが開発に取り組んでおります新製品につきまして、第三者の知的財産権を侵害しないよう特許調査を慎重に行っておりますが、調査範囲が十分かつ妥当であるとは保証できません。今後当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、訴えを提起される可能性がないとは言えず、当社グループの事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③技術者等の人材の確保育成について
 当社グループの事業継続及び拡大のためには、優秀な技術者を始めとする人材を確保、育成する必要があります。しかしながらこれらが計画どおり進まない場合には、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
④原材料価格及び調達について
 部品事業の主な原材料である伸銅製品の価格は、銅の国際市況に連動しており、市場環境・需給状況などによっては、調達不足が生じたり、原材料価格の上昇による利益率の低下など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤製品の欠陥について
 当社グループでは所定の品質管理基準に従って製造を行い、製品の品質確保に努めておりますが、将来にわたって全ての製品に欠陥がなく、製造物賠償責任請求に伴う費用が発生しないという保証はありません。
 また、当社グループは製造物賠償責任保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額全てを賄えるという保証はなく、製造物賠償責任につながるような製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥特定地域(長野県須坂市)に生産設備が集中していることについて
 当社グループの生産拠点は長野県須坂市に集中しているため、当該地域において大規模災害が発生した場合には、当社グループの生産設備に深刻な被害が生じ、そのことが当社グループの業績及び事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑦競合等について

 当社グループの金型事業及び部品事業が属する電子部品業界は、国内外の競合他社との価格競争、販売先における内製化の拡大や生産及び調達の海外シフト等により厳しい事業環境にあります。また、半導体関連装置(リフロー炉等)等の市場においても、技術面、価格面において競合他社との激しい競争にさらされております。

 当社グループは、コスト競争力の維持強化に向けて、効率的かつ合理的な物造り体制の推進や、新たな事業への展開、研究開発に積極的に取り組んでおりますが、上記の競合の激化等による製品価格の低下圧力が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧海外活動に伴うリスク
 当社グループは、中国、インドネシアにおいて合弁で事業を行っておりますが、今後、予期しない法令または規則の変更、政治及び社会情勢の変化、テロ・紛争等による社会的混乱などが発生した場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑨特定の販売先への依存について

 当社グループの売上高の多くは電子部品業界に依存しております。当社グループ製品の販売先は広範囲にわたっておりますが、このうち、平成27年6月期における住友電装株式会社に対する売上高は、総売上高の42.0%を占め、その依存度は高い状況にあります。

 当社グループは引き続き、その他の既存販売先との取引拡大、新規販売先の開拓に努める方針でありますが、今後、住友電装株式会社において、取り扱う部品構成の変更や購買方針の変更等により、当社グループの部品供給が大きく減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、電子部品の高精度・微細・低コスト化、製造装置の操作性向上など、多様化するお客様ニーズに対応した金型及び装置の研究開発に取り組んでまいりました。

 金型では、主に複合金型の開発、メンテナンスフリーを目指した金型部品の開発を行ってまいりました。その結果、金型に係る研究開発費は32,879千円となりました。

 機械器具では、主に新製品開発に向けた実験機の開発、お客様のニーズに基づくディスペンサー、リフロー炉等の改良、開発を行ってまいりました。その結果、機械器具に係る研究開発費は23,132千円となりました。

 上記のほか、基礎技術の研究を行い、これらの活動の結果、当連結会計年度の研究開発費は、113,932千円となっております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、当社グループが採用している重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
 この連結財務諸表の作成にあたりまして、繰延税金資産、引当金等の計上に関しては見積りによる判断を行っております。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。

 当社グループにおいては、主力の部品セグメントで民生向けのコネクタ用部品はスマートフォンやタブレットPC向けの高需要が継続し好調に推移しました。また、自動車電装向け部品も引き続き堅調に推移しており、これに関連した金型セグメントも同様の傾向となりました。機械器具セグメントにおきましても医療器具、各種自動機ともに堅調に推移しました。また、国外への事業展開については、中国の連結子会社は、円安による現地引合いの減少などで足元は厳しい状況ですが、商品構成の再構築を進めているなかで良化の過程にあります。インドネシアの連結子会社は、工場の完成と機械設備の搬入等が完了して稼働に向けての準備が整い、得意先の工場認定等の手続きを進めている段階です。

 この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は223億5千5百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は11億3千3百万円(前年同期比42.1%増)、為替相場の変動により海外子会社への貸付金に対する為替差益等1億8千2百万円を営業外収益に計上したことなどにより経常利益は13億7千6百万円(前年同期比51.2%増)、当期純利益は5億8千4百万円(前年同期比139.7%増)となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、永続的な成長・発展を目指して企業体質の強化に取組んでまいります。そのために、平成28年度から平成30年度の中期経営計画を策定いたしました。本計画に基づき、引き続き一貫生産品を大きな柱として成長させていくとともに、既存市場の深耕を図ってまいります。また、既存技術の深堀と新技術の開発により、新商品の開発、新市場の開拓に積極的に取組んでまいります。併せて、更なる経営改革活動への取組みによるコスト低減、強固な経営体質の確立に取組んでまいります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ①キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 ②資金の流動性

 当連結会計年度における流動比率は178.2%(前期201.9%)と23.7ポイント減少しております。これは主にインドネシアの連結子会社PT.SUGINDO INTERNATIONALの工場建設及び関連投資により現金及び預金が減少したことによるものであります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは創業以来、徹底的な精度追求を理念とし、高精度な金型の製造に邁進してまいりました。現在の主力製品である各種コネクタ用部品、半導体関連装置等は、いずれも金型製造技術を基礎として事業展開を行ってきた分野であります。
 現在の製造業を取り巻く環境は、海外に製造拠点が移転され、日本における製造技術の低下が懸念される状況となっております。今後もこの傾向は続き、製造が海外へ流出する製品と、日本でしか製造できないような高精度を要求される製品の二極化が更に進行していくものと認識いたしております。
 このような環境下で当社グループとしては、あくまでも日本での製造にこだわり、当社グループでしかできない微細加工に挑戦し続ける事、そして、一貫生産の成長発展のための技術革新が最善の経営戦略であると考えております。その体制作りのための計画的な研究開発・設備投資・人材育成を継続して実行し、製造技術力を高めることで企業体質を強化していく方針であります。