(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかながらも個人消費が持ち直し、設備投資や輸出も増加したことから緩やかな回復基調で推移しました。また海外においては、米国では良好な雇用情勢を背景に景気拡大が持続しており、欧州でも企業収益の回復により経済成長が継続し、中国経済の成長鈍化や保護主義政策への懸念等はあるものの総じて堅調に推移しました。
このような環境の下で、当社グループは今期より2019年を目標年次とする中期経営戦略「J-SOAR」をスタートさせました。インターフェース技術を軸足としてお客様の課題を解決し、当社グループ独自の日本発ソリューションを世界市場に提供することにより、ビジネスの飛躍を目指してまいります。
当連結会計年度においては、産業機器市場向け製品の出荷が計画を上回り堅調に推移しました。同市場向けのビジネスは、前期比13%の増加となり、当連結会計年度の売上高の約7割を占めております。主に当社独自の高速情報伝送技術V-by-One®HSを搭載した高精細ゲーミングモニター向けの製品や、国内の事務機器市場向け製品のビジネスが前期を上回って推移しました。一方、アミューズメント機器市場向け製品のビジネスは概ね前期と同水準で推移しました。
車載市場向け製品のビジネスでは、純正品向けの製品出荷が前期比で倍増となり、特に車載フルHDパネル等での製品適用が拡大しました。同市場向けのビジネスは、前期比24%の増加となり、売上高全体の約1割を占めています。
また、携帯電話を中心としたモバイル機器市場向け製品ビジネスでは、国内顧客向けの高解像度モデル対応製品の出荷が堅調に推移し、前期比19%の増加となりましたが、民生市場向け製品のビジネスでは前期比32%の減少となりました。
これらの結果、売上高および売上総利益は全体で計画を上回る結果となり、当連結会計年度における売上高は31億65百万円(前期比9.0%増)、売上総利益は19億43百万円(前期比7.5%増)となりました。
当期は中期経営戦略「J-SOAR」初年度であり、研究開発投資を前倒して集中投入し、飛躍軌道への復帰に向けた基幹となる成長エンジンの確立に注力してまいりました。当連結会計年度においては、USBの次世代規格USB3.1 Gen2(伝送速度が10Gbps(1秒間に100億ビット))に対応したリドライバ新製品の量産化およびラインナップ拡充に向けた製品開発を行いました。さらに4Kテレビ機器内インターフェース技術のデファクトスタンダードであるV-by-One®HS規格に続く次世代高速インターフェース規格としてV-by-One®US技術の仕様を策定し、2020年東京オリンピックや高解像度カメラをはじめとする8K映像を強力にサポートするため同技術を搭載したASSP製品のリリースに向けての研究開発活動を加速させております。その他、高解像度カメラソリューションに対応した製品等の開発を行い、当連結会計年度において、研究開発費15億14百万円(前期比24.2%増)を投資しました。
これらの活動により、当連結会計年度における営業損失は4億90百万円(前期は営業損失1億81百万円)となりました。また前期末より円高が進行したこと等により、経常損失は5億24百万円(前期は経常損失2億75百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は5億23百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億3百万円)となりました。なお、当社グループは、当連結会計年度末日において約20百万米ドルのドル建て資産を保有しております。
※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純損失を5億20百万円計上した一方、法人税等の還付額を52百万円計上したこと等により1億62百万円のマイナスとなりました。(前期は1億円のマイナス)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、定期預金の預入による支出や定期預金の払戻による収入等により2億63百万円のマイナスとなりました。(前期は32百万円のマイナス)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払等により69百万円のマイナスとなりました。(前期は78百万円のマイナス)
これらの結果により、現金及び現金同等物は全体として5億34百万円減少して、当連結会計年度末残高は53億33百万円となりました。当社グループとしては、機動的な研究開発リソースの確保やM&Aの機会に迅速に対応できるよう内部留保を厚くする方針であり、資金運用に関しても流動性を重視した運用を行うこととしております。
当社グループは、LSI事業の単一セグメントであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前期比(%) |
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LSI事業(千円) |
790,826 |
103.4 |
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合計 |
790,826 |
103.4 |
(注)1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は、製造原価によっております。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前期比(%) |
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LSI事業(千円) |
473,240 |
156.6 |
|
合計 |
473,240 |
156.6 |
(注)1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は、仕入価格によっております。
(3)受注実績
当社グループは、一部、受注生産を行っておりますが、基本的には販売先から入手するフォーキャストに基づく見込生産を行っておりますので、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
前期比(%) |
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LSI事業(千円) |
3,165,207 |
109.0 |
|
合計 |
3,165,207 |
109.0 |
(注)1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社マクニカ |
786,538 |
27.1 |
898,198 |
28.4 |
|
緑屋電気株式会社 |
703,594 |
24.2 |
742,528 |
23.5 |
|
加賀電子株式会社 |
292,278 |
10.1 |
378,607 |
12.0 |
(注)金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、優れた人財が集い、資本・資源を有効に活用し、育ち、力の限り活躍し、豊かな自己実現と社会貢献ができる場を提供するという「人資豊燃」を理念として創業された研究開発型ファブレスメーカーであります。当社グループの競争力の源泉は研究開発活動にあり、独自のアナログ設計技術をもとに高付加価値な半導体技術を核としたソリューションを追求しております。研究開発型企業の性質上、内部留保を充実するほか、資本市場からのタイムリーなリスクマネーの調達が可能な体制を整備しております。積極的に研究開発活動を実施し、アライアンスを重視しながら事業展開を図り、企業価値を高めることにより、株主へ利益還元していくことを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは株主価値重視の観点から、営業利益等の指標の向上を通じて企業価値増大に努めていく所存であります。これを実現する観点から、当社グループの創業理念である「人資豊燃」に対応する経営指標として一人当たり利益の向上を目指してまいります。また一方で、キャッシュ・フローを意識した経営を行い、本業の営業活動より得たキャッシュ・フローを研究開発等に投下し、さらに将来のキャッシュ・フローにつなげることにより、企業価値増大を目指していきたいと考えております。
(3)経営環境および中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
激動する経済状況の中で、エレクトロニクス業界においては低消費電力や低コストなどの特性を兼ね備えた付加価値製品へのシフトが伸展しております。当社グループは中期経営戦略「J-SOAR」を掲げ、インターフェースを軸足としてお客様の課題を解決し、当社グループ独自の日本発ソリューションを世界市場に提供することにより、ビジネスの飛躍を目指すことといたしました。
これまで高速インターフェースや高解像度カメラ画像処理などの分野で培ってきた技術力と信頼性をより一層向上させることにより、お客様に満足いただける製品およびソリューションを提供し、事業の発展に全力を尽くしてまいります。
具体的には、以下の施策を講じてまいります。
① お客様の課題を解決するため、インターフェースを軸足として、当社グループ独自の日本発ソリューションを世界市場に提供を目指してまいります。
② アジアを核とした海外のマーケティング、営業の拠点を強化するとともに、北米とヨーロッパへの営業活動を拡大し、世界市場での事業展開に向けた活動体制整備を推し進めます。
③ 開発能力の更なる拡大および知的財産権の拡充を図ります。
④ ファブレスモデルを更に磨き、競争力のあるコスト構造の構築、高信頼性化、供給の安定化を進めます。
⑤ 他社とのアライアンス案件を積極的に探索し、機動的に新事業の開拓を進めます。
これらの施策により、中期経営戦略「J-SOAR」の達成を目指し、さらなる発展に向けた成長基盤を確立し、企業価値の拡大および社会貢献を達成したいと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループの財政状況、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクの一部を以下で取り上げていますが、全てのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在において未知のリスク、あるいは現時点で特筆すべき、または重要とみなされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 世界経済の動向
当社グループの製品は、日本、韓国、台湾および中国を中心とする顧客メーカーに販売された後、日本、北米、欧州、東南アジアをはじめとする世界の各地で最終製品として販売されます。世界的な金融危機の深刻化等により経済環境の激変が見込まれる中、これら地域における景気の変動、それに伴う需要の拡大、縮小は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 価格競争
当社グループが取り扱う半導体製品の市場は競争が激しく、かつ技術革新や顧客ニーズの変化および頻繁な新製品の参入がある点で特徴付けられます。当社グループは、激化する低価格競争や新規参入業者の増加を想定しつつ、新技術に根ざした顧客ニーズに対応できる製品の開発を行うとともに、競争力のある価格提示を行うことにより、これらの競争に対処しておりますが、これによっても対抗し難い事態が生じる場合には、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製造委託
当社グループは、半導体製品の製造にあたり、半導体の製造受託を専門に行うファウンドリー企業への製造委託を行っております。当社の製品仕様に適合する商品を適時、確実に、優れたコストパフォーマンスで製造できる複数パートナーとの連携関係を維持し、半導体市場の様々な業況に対しても安定的な製品供給が可能な体制を構築するよう努めておりますが、適切な製造キャパシティ、納期、コストパフォーマンス等が製造委託先から得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当連結会計年度においては、Advanced Semiconductor Engineering,Inc.およびAlchip Technologies Ltd.の2社への製造委託割合が36.3%と高い状況にあります。当社グループの製品の製造を委託しているファウンドリーは複数ありますが、何らかの理由により当該企業からの製品供給が安定的に受けられない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 特定顧客への販売割合
当連結会計年度においては、直接販売および商社経由での販売を行いましたが、そのうち株式会社マクニカおよび緑屋電気株式会社の2社への売上高が全体の51.8%を占めております。現時点において当該2社向けの販売割合が高いことから、何らかの理由により当該2社を通じた製品提供が困難になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ たな卸資産
当社グループは、客先フォーキャストを考慮しつつ、月次によりたな卸資産の管理を行っており、平成29年12月期末におけるたな卸資産の総額は3億39百万円であります。たな卸資産は、新規事業の立ち上げ時、または客先フォーキャストが安定しない場合等により、増加する可能性があります。また、当社グループは、長期間の在庫等、収益性の低下により評価減もしくは廃棄を必要とすべき在庫に関して適切に会計処理を行っております。たな卸資産の評価減または廃棄が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 研究開発プロジェクトの収益性
当社グループは、ミックスドシグナルLSI技術に基づき、8Kテレビ、スマートフォン等モバイル機器、事務機器、アミューズメント、自動車等の情報利用技術において今後のニーズの変化に対応できる新技術と新製品の開発を行っております。このための各研究開発プロジェクトは、成長する市場が必要とする機能を想定しながら実施しておりますが、投下した研究開発費の全てを回収できるとは限らず、この場合、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 製造物責任
当社グループは、顧客に信頼される製品の供給とブランド価値の創造に努めており、このような観点からも、品質マネジメント体制の強化を行い、厳正な品質管理を行っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、販売先からの損害賠償請求が発生しないという保証はありません。万一損害賠償請求があった場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 知的財産権
当社グループは、独自に開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得するなど知的財産の確保・保護に努めていますが、第三者による当社グループの知的財産の不正流用を防止できない可能性があります。また、当社グループが使用している技術やノウハウは、他社が保有する特許権等、知的財産権を侵害しないように専門の部署を組織し厳重に管理していますが、万一見解の相違等により他社から特許権侵害等で提訴された場合には当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 情報管理体制
当社グループは、研究開発をはじめとする事業活動に際して、情報管理が重要であり、このため、コンピューター・ウィルスの検知、ファイアウォールの構築等の外部からの侵入に対する予防策を採用するとともに、ハード面での障害時に業務への支障が生じないようデータ管理の多重化を行うと共に情報へのアクセス可能な管理者の制限を行うなど、情報管理に関するシステムと社内体制の構築を行っておりますが、これらの対策にもかかわらず情報漏洩や改ざん・消去等が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 経営リソース
当社グループが競争力のある事業展開により企業価値を高めていくためには、将来のキャッシュ・フローを生み出す原動力となる新技術と新製品を生み出し、事業を発展させていくことが必要であり、このような方針に適合する研究開発活動をはじめとする各業務において優秀な人材を積極的に拡充することが必要です。このため、優秀な人材の確保に注力しておりますが、仮に十分な人材の確保ができない場合や流出がある場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、アジア市場を核とする成長を遂げるべく、日本はもとより韓国、台湾、中国の各グループ会社を中心に優れた人材を獲得していく方針です。
⑪ 為替レートの変動
当社グループの事業には海外における製品の販売、製造が含まれており、各地域における資産、売上、費用を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表上、円換算されております。平成29年12月末日において保有しているドル建て資産は約20百万米ドルあります。これらドル建て資産は、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、為替変動の影響により円換算後の資産価値が変動し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社における研究開発活動は、高速インターフェース技術、表示制御技術、ドライバ技術、画像処理技術などの分野に的を絞ったミックスドシグナルLSIの開発および次世代製品のための要素技術開発を行っております。重要な研究開発成果については特許等知的財産権の取得を図っております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は15億14百万円で、内容は以下の通りであります。
(1) 超高速インターフェース技術
当社は、新たな超高速インターフェース規格としてV-by-One®USの技術仕様を策定しました。V-by-One®US技術は、従来のV-by-One®HS技術で培ってきた当社独自の高速伝送技術を革新的に発展させ、1レーンあたり最高16Gbps(1秒当たり160億ビットの信号)の超高速伝送速度を可能とすることにより、現在の4K映像を支えるV-by-One®HSと比較して4倍の高速化を実現します。V-by-One®US規格の導入により、4K映像の伝送時と比較して、ケーブル本数を増加させず、既存の情報伝送技術の中で最も少ないケーブル本数で8K映像システムを実現することが可能となります。2018年度中にV-by-One®US技術を搭載したASSP製品をリリースする予定で製品開発を進めており、2020年東京オリンピックや高解像度カメラを始めとする8K映像を強力にサポートする付加価値を提供してまいります。
(2) V-by-One®HS等高速インターフェース技術
当社は、独自技術を活かしてV-by-One®HSに代表される高速インターフェース技術を開発しています。V-by-One®HS技術は、当社が蓄積してきた高速情報伝送技術とCDR技術の優れた長所を融合させ、デジタル信号を僅かな本数の情報伝送用ケーブルでリアルタイムの長距離伝送を可能としています。
V-by-One®HS技術は、民生機器、産業機器、車載機器など広範囲の市場において、情報伝送部を持つ様々な機器内で適用できます。ケーブル、コネクタ、EMI対策部品を削減し、また、安価な部品の使用時にも同等の信号伝送品質を達成可能であるなど、機器内の情報伝送システムのトータルコストの削減を図ることが可能となります。
当連結会計年度においては、車載機器や産業機器での適用に対応するV-by-One®HS製品をラインアップ追加するための開発を実施しました。
また、当社が蓄積している多くの回路設計資産とノウハウを活かし、次世代USB規格(USB3.1 Gen2)に対応した10Gpbsの高速インターフェース技術を活用したリドライバ製品の開発を行いました。今後の普及が期待されるUSB3.1Gen2とUSB Type-C™に対して、当社のシグナル・コンディショニング技術をUSB規格へ応用発展させ、1チップで両規格の伝送距離等の課題を解決するソリューションとして顧客製品の付加価値向上に貢献することが可能となります。今後も高速信号対応のリドライバ製品ラインナップを拡充し、市場のニーズに応える製品開発をしていく方針です。
(3) カメラ用画像処理技術
拡大する高解像カメラ市場に向けて、1600万画素対応の画像処理用LSI技術を活用し、ドライブレコーダ市場、スマートフォン市場、産業機器市場に向けたソリューションを開発しております。当社の画像処理技術は、手振れ補正等のために通常必要とされるフレームメモリを不要とする技術を搭載したことにより、高速性能と大幅な低消費電力・低コストを両立させました。また、可視光に加えて赤外光センサにも対応した画像処理も同時に行うことができる特長を持っております。
※「V-by-One」は当社の登録商標です。その他の本文中における製品名等は、それぞれの所有者の商標あるいは登録商標です。
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は67億9百万円で、前連結会計年度末に比べ2億61百万円減少しております。現金及び預金が2億5百万円減少したこと等が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は23億42百万円で、前連結会計年度末に比べ1億43百万円減少しております。投資有価証券が1億71百万円減少したこと等が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は4億50百万円で、前連結会計年度末に比べ1億68百万円増加しております。買掛金が24百万円増加したこと等が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は47百万円で、前連結会計年度末に比べ4百万円増加しております。繰延税金負債が3百万円増加したこと等が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は85億54百万円で、前連結会計年度末に比べ5億78百万円減少しております。親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が6億54百万円減少したこと等が主な要因であります。
(2)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は5億34百万円減少し、53億33百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1億62百万円のマイナスとなりました。その主な内訳は税金等調整前当期純損失5億20百万円、法人税等の還付額52百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2億63百万円のマイナスとなりました。その主な内訳は定期預金の預入による支出6億78百万円、定期預金の払戻による収入3億36百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは69百万円のマイナスとなりました。その主な内訳は配当金の支払額95百万円であります。
(3)経営成績の分析
(売上高および売上総利益)
当連結会計年度においては、産業機器市場向け製品の出荷が計画を上回り堅調に推移しました。同市場向けのビジネスは、前期比13%の増加となり、当連結会計年度の売上高の約7割を占めております。主に当社独自の高速情報伝送技術V-by-One®HSを搭載した高精細ゲーミングモニター向けの製品や、国内の事務機器市場向け製品のビジネスが前期を上回って推移しました。一方、アミューズメント機器市場向け製品のビジネスは概ね前期と同水準で推移しました。車載市場向け製品のビジネスでは、純正品向けの製品出荷が前期比で倍増となり、特に車載フルHDパネル等での製品適用が拡大しました。同市場向けのビジネスは、前期比24%の増加となり、売上高全体の約1割を占めています。また、携帯電話を中心としたモバイル機器市場向け製品ビジネスでは、国内顧客向けの高解像度モデル対応製品の出荷が堅調に推移し、前期比19%の増加となりましたが、民生市場向け製品のビジネスでは前期比32%の減少となりました。
これらの結果、売上および売上総利益は全体で計画を上回る結果となり、当連結会計年度における売上高は31億65百万円(前期比9.0%増)、売上総利益は19億43百万円(前期比7.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費および営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の合計は、24億33百万円(前期比22.3%増)となりました。
当連結会計年度においては、USBの次世代規格USB3.1 Gen2(伝送速度が10Gbps(1秒間に100億ビット))に対応したリドライバ新製品の量産化およびラインナップ拡充に向けた製品開発を行いました。さらに4Kテレビ機器内インターフェース技術のデファクトスタンダードであるV-by-One®HS規格に続く次世代高速インターフェース規格としてV-by-One®US技術の仕様を策定し、2020年東京オリンピックや高解像度カメラをはじめとする8K映像を強力にサポートするため同技術を搭載したASSP製品のリリースに向けての研究開発活動を加速させております。その他、高解像度カメラソリューションに対応した製品等の開発を行い、当連結会計年度において、研究開発費15億14百万円(前期比24.2%増)を投資しました。これらの活動により、当連結会計年度における営業損失は4億90百万円(前期は営業損失1億81百万円)となりました。
(経常損失)
当連結会計年度における経常損失は5億24百万円(前期は経常損失2億75百万円)となりました。
当連結会計年度においては、受取配当金を36百万円計上するなど営業外収益は59百万円となった一方、為替差損を74百万円計上するなど営業外費用は93百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は5億20百万円(前期は税金等調整前当期純損失2億75百万円)となりました。
法人税等の当連結会計年度の負担額は2百万円(前期比90.2%減)となり、その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は5億23百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億3百万円)となりました。
※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。