当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国の経済環境は、雇用・所得環境の改善がみられ緩やかな回復基調で推移した一方、資源価格の高騰、物価上昇への懸念、中国経済の減速、米国の関税政策等の不安定な世界情勢により先行きの不透明感が継続しております。このような環境の下で、当社グループは2027年度を目標年次とする新中期経営戦略「Innovate100」を当期よりスタートいたしました。半導体、AI/IoTソリューション等から成る事業ポートフォリオを活かしつつ、今後の経済社会において、AI活用ユースケースの適用加速に寄与する革新的なソリューションを提供し、経済社会の生産性向上に取り組み、2027年度に連結売上高100億円超の実現を目指します。
当中間連結会計期間の売上高は、LSI事業では、国内市場においてOA機器市場向けで需要の回復傾向がみられた一方、アミューズメント市場向け等で在庫調整等の影響が継続し、また海外市場においても米国市場向けは順調に推移しましたが、中国市場向けは関税懸念の影響等により受注が減少し、全体として前期比12%の減少となりました。AIOT事業では、自動体外式除細動器(AED)、エレベータ遠隔監視用途向け等の通信モジュール製品の出荷は順調に推移しましたが、ドライブレコーダ向けおよび自動販売機向け等において顧客需要の減少による納期調整や受注減少の影響等により前期比47%の減少となりました。これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は、15億14百万円(前期比26.0%減)となり、売上総利益は8億69百万円(前期比19.9%減)となりました。販売費および一般管理費については、新中期経営戦略「Innovate100」目標の達成に向けた戦略的な研究開発投資(6億9百万円、前期比8.0%増)を行った結果、販売費および一般管理費全体として、12億39百万円(前期比4.3%増)となりました。これらの結果、当中間連結会計期間の営業損失は3億69百万円(前期は営業損失1億2百万円)、減価償却費等を考慮しない営業利益(EBITDA※)はマイナス3億32百万円(前期はマイナス54百万円)となりました。また、前期末比で為替が大幅に円高進行した影響により為替差損2億17百万円を計上する等した結果、経常損失は5億85百万円(前期は経常利益1億56百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は4億56百万円(前期は親会社株主に帰属する中間純利益1億59百万円)となりました。
※EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)
当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。
セグメント別の状況
当社グループは、LSI事業とAIOT事業を軸として事業活動を推進しており、これらを事業セグメント区分としております。
(単位:百万円)
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2025年12月期 中間期 |
2024年12月期 中間期 |
増減率(%) |
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LSI事業 |
売上高 |
1,084 |
1,233 |
△12.1 |
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営業利益 |
△290 |
△152 |
― |
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EBITDA |
△255 |
△107 |
― |
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AIOT事業 |
売上高 |
430 |
813 |
△47.1 |
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営業利益 |
△78 |
50 |
― |
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EBITDA |
△76 |
52 |
― |
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合計 |
売上高 |
1,514 |
2,047 |
△26.0 |
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営業利益 |
△369 |
△102 |
― |
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EBITDA |
△332 |
△54 |
― |
※セグメント間の取引を相殺消去後の金額で記載しております。
(LSI事業)
当中間連結会計期間のLSI事業の売上高は、日本市場では一部において需要の回復傾向がみられましたが、引き続き顧客の在庫調整等の影響が継続し、また海外市場においても米国市場向けは順調に推移しましたが、中国市場等において関税懸念の影響等もあり、全体として前期比12%の減少となりました。
産業機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の69%を占めております。OA機器市場向けでは顧客需要が順調に回復し、製品出荷が増加いたしましたが、アミューズメント機器市場向けにおいては依然として顧客の在庫調整等の影響が解消されず、産業機器市場向け全体としては前期比8%の減少となりました。
車載機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の18%を占めております。EVパネル向け新製品等の出荷が増加し、中国市場等において前期比で出荷が増加しましたが、車載機器市場向け全体としては前期比14%の減少となりました。
民生機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の13%を占めております。2023年度より提供を開始した次世代高速インターフェース標準技術「V-by-One®HS plus Standard」の提供は順調に進行しておりますが、民生機器市場向け全体としては前期比21%の減少となりました。
これらの結果、LSI事業全体の売上高は10億84百万円(前期比12.1%減)、売上総利益は7億44百万円(前期比11.5%減)となりました。
当中間連結会計期間においては、中期経営戦略「Innovate100」目標の達成に向けた戦略的な研究開発および次期中期経営戦略を含む中長期的な成長に向けた新規技術開発等を積極的に実施しました。EVパネル向け高速インターフェースV-by-One®HS新製品のラインアップ拡充、新規電源製品の開発、世界初のAIサーバー次世代コンピューティング向け低消費電力・低遅延光半導体技術の開発、スマートモジュール活用ソリューションの開発、5Gを遥かに超える次世代高速無線通信技術の開発等を行い、これらの活動により、当中間連結会計期間において研究開発費5億99百万円を計上しました。
これらの結果、LSI事業の当中間連結会計期間における営業損失は2億90百万円(前期は営業損失1億52百万円)、EBITDAはマイナス2億55百万円(前期はマイナス1億7百万円)となりました。
(AIOT事業)
当中間連結会計期間のAIOT事業の売上高は、自動体外式除細動器(AED)・エレベータ等の遠隔監視等向けの製品出荷が順調に推移した一方、ドライブレコーダ向けおよび自動販売機向け等の一部顧客需要の減少による受注減少や納期調整等により、前期比で47%の減少となりました。また、当第2四半期連結会計期間よりスマートメーター用無線通信モジュールの量産出荷を開始いたしました。当期第3四半期以降での出荷数量の増加が期待されています。これらの結果、AIOT事業の売上高は4億30百万円(前期比47.1%減)、売上総利益は1億25百万円(前期比48.9%減)となりました。
当中間連結会計期間においては、AI・IoTを活用する新ニーズの拡大による新しいアプリケーション市場の拡大を見据えたソリューションの開発に取り組み、エッジAI処理用モジュール製品の開発、音声通話機能付きゲートウェイ新製品の開発、スマートIoTルーターの開発等を行い、全体として研究開発費10百万円を計上いたしました。
これらの結果、AIOT事業の当中間連結会計期間における営業損失は78百万円(前期は営業利益50百万円)、EBITDAはマイナス76百万円(前期はEBITDA 52百万円)となりました。
当社グループは半導体、AI/IoTソリューション等の事業間でのシナジーを一層高めるため、2025年7月1日付で、当社グループのAIOT事業の中核企業であるキャセイ・トライテック株式会社を「ザイン・モバイルテック株式会社」に社名変更いたしました。当社グループにおいてザイン(THine)ブランドのシナジーを活かした革新的ソリューション提供と社会貢献を目指して参ります。また、当社グループはAIOT事業の一環として、2024年度にサーバー事業を立ち上げ、連結子会社ザイン・ハイパーデータ株式会社を中国企業と合弁にて設立致しましたが、昨今の米中問題に起因する当社事業環境の変化に鑑み、日本市場に対応した事業を進めるため合弁契約を解消し、当社の100%子会社化して事業を推進していくこととしました。
※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末における資産合計は、棚卸資産が増加した一方、現金及び預金および売掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末と比較し5億32百万円の減少となりました。また、負債合計は、未払法人税等が減少等した一方、買掛金が増加したこと等により26百万円の増加となりました。純資産合計は、その他有価証券評価差額金が増加した一方、親会社株主に帰属する中間純損失を計上および非支配株主持分が減少したこと等により5億58百万円の減少となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における、営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前中間純損失を4億36百万円計上し、棚卸資産が2億36百万円増加した一方、売上債権が6億27百万円減少し、為替差損を1億79百万円計上したこと等により37百万円のマイナスとなりました。(前年同期は1億11百万円のプラス)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、投資有価証券の売却2億91百万円等により1億77百万円のプラスとなりました。(前年同期は68百万円のマイナス)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払1億60百万円等により1億50百万円のマイナスとなりました。(前年同期は1億61百万円のマイナス)
これらの結果により、現金及び現金同等物は全体として1億69百万円減少して当中間連結会計期間末残高は71億36百万円となりました。
当社グループとしては、機動的な研究開発リソースの確保やM&Aの機会に迅速に対応できるよう内部留保を厚くする方針であり、資金運用に関しても流動性を重視した運用を行うこととしております。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費の金額は6億9百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。