第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「ライフスタイル・イノベーション」をスローガンとして掲げ、ビジネスライフやホームライフにおいて、より快適で豊かな新しい価値を創造し、お客様に喜びを届けることを基本方針としております。

 

(2)経営戦略及び経営環境

 当社グループの事業領域である「パソコン及びデジタル機器関連製品」においては、テレワークの普及に伴い関連製品市場の拡大が見込まれるほか、IoT(あらゆる機器をインターネットでつなぐ技術)及び、AI(人工知能)をはじめとした革新技術によりSociety5.0(デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会)の実現に向け、引き続き変貌を遂げ続けることが見込まれます。

 当社グループが一層の成長を果たすために、既存の事業領域である「パソコン及びデジタル機器関連」分野を引き続き強化しながら、既存の事業領域との関連が見込まれる新たな事業領域・製品分野への進出を図ってまいります。

 既存の事業領域である「パソコン及びデジタル機器関連」市場は、ハードウエア、ソフトウエアの両面で技術革新が速く、今後も多様なニーズに応じた製品開発が続き、テレワークやオンライン授業のように新たな需要の創造が続くものと考えられます。当社グループにおいては、これらの市場動向予測を大きなビジネスチャンスとして捉え、パソコン周辺商品・機器はもとより、パソコン及びデジタル機器の多機能化・多用途化に伴う関連製品について、メーカーとしてデザイン性・嗜好性を追求した商品開発を行うことにより競合他社との差別化を図ってまいります。

 新たな事業領域・製品分野の進出に当たっては、既存製品分野と新規製品分野または既存事業と新規事業との間で、マーケティング、商品開発、製品購買、販売チャネル、物流インフラ及びITインフラ等の当社グループが既に有する機能のうち、複数の機能で関連を持たせながら、リスクを最小限に抑えて事業領域の拡大を図る方針であります。

 市場別には、国内市場においてはパソコン関連製品、スマートフォン及びタブレット端末関連製品、周辺機器等の幅広い製品分野で製品ラインアップを強化し、またグループ会社各々の強みを活かし、放送と通信、監視カメラ、周辺機器・ソフトウエアなどを融合したIoTソリューションの展開を推進する一方、グローバルな視点から購買、在庫管理、物流及び販売面において継続的な改善活動に努め、利益率及び営業キャッシュ・フローの改善を図る方針であります。また、積極的な広告活動やEコマース市場を足がかりとした海外市場への展開等によりブランドの浸透を図る方針であります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響による経済へのマイナスの影響や半導体不足によるサプライチェーン上のリスクやコンテナ不足に起因する海上運賃の値上げによる物流リスク、日米の金利差による急激な円安に伴う為替リスクを抱えており、引き続き厳しい状況が続くと考えます。

 当社グループといたしましては、これら前述の業界動向に鑑み以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいる所存であります。

①新たな製品・サービス分野への進出

 既存製品分野と新規製品分野または既存事業と新規事業との間で、マーケティング、商品開発、製品購買、販売チャネル、物流インフラ及びITインフラ等の当社グループが既に有する機能のうち、複数の機能で関連を持たせながら、顧客ニーズに俊敏に対応し、新たな製品・サービス分野へ進出することで新たな需要を創造し、業績の向上を図る方針であります。

②新たな顧客層の獲得

 当社グループは、コンシューマ向けには主に家電量販店等、法人向けには主に専門商社等を通じて、製品の販売を行っておりますが、現在の販売チャネルで潜在的ニーズのある全ての顧客層をカバーしておらず、販売チャネルをより細分化したきめ細かいマーケティング機能の強化により新たな顧客層を獲得し、業績の向上を図る方針であります。

 また、当社グループは、主に北米及びヨーロッパ、アジア圏において海外販売子会社を通じた海外市場の開拓に努めておりますが、2022年3月期における連結売上高に占める海外売上高の割合は1.5%と、まだ十分な成果が挙がっているとは言えません。海外展開にあたっては、海外子会社のマーケティング機能の充実を図り、海外向け製品の開発を強化するとともにEコマース市場を足がかりとした海外市場への展開等により、引き続き海外市場の開拓を図る方針であります。

③利益率の改善

 当社グループの製品の多くはライフサイクルが短く、また競合他社との販売競争が激しいため、利益率を維持・向上することは、重要な経営課題の一つと認識しております。当社グループとしましては、グローバルな視点から購買、在庫管理、物流及び販売面において継続的な改善活動を行い、利益率の改善に努める方針であります。

④仕入先の多様化

 当社グループの製品の多くは中国を中心に製造されておりますが、カントリーリスクの観点・過度な集中解消の観点からも仕入先の多様化を図ることは重要な経営課題の一つと認識しております。そのため、2022年4月に設立したELECOM Asia Pacific IPO Pte. Ltd.を活用し、アジア諸国を中心に仕入先を分散させ、新たな仕入先と連携を図り品質の維持、コスト管理、仕入の安定化を重視し、持続可能な商品の仕入環境を整えてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて、記載が適当であると判断したものであります。

(1)市場動向について

 当社グループは主にパソコン及びデジタル関連製品の市場を主要な事業活動の領域としているため、当該市場の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)仕入形態等について

 当社グループは、子会社の一部を除き自社で製造設備を保有しないファブレスメーカーであり、仕入先の選定に当たっては、仕入コスト、品質及び供給体制等を総合的に勘案して選定しておりますが、現状これら仕入品については多品種・少ロットの生産形態をとっております。当社グループは、品質管理の専門部署が当社で定めた品質管理基準に基づいた品質管理を行っており、安全かつ安心頂ける製品の供給に努めておりますが、生産委託先の受入れ環境によって自社製造設備では想定しがたい品質不良や時間的ロスが発生し、その後の再検査等で市場に製品をタイムリーに供給できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社としては仕入先の多様化に努めておりますが、特定の商品の売上動向によっては、一部の製品または製品部材等について、特定の仕入先に依存する結果となることがあり、これらの仕入先が何らかの要因で当社グループへの供給量を制限または停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当社グループ製品の原材料仕入先及び生産委託先は中国、台湾などのアジア諸国等に所在しているため、これら各国の国情の変化や各国における今後の法改正及び新たな法令の制定等により、当社グループ製品の生産等に何らかの支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替相場変動について

 当社グループが取扱う製品は、中国、台湾などのアジア諸国等から完成品等を仕入れる割合が多く、大半が米ドル決済となっており、日本円と米ドル間の為替相場が円安傾向となった場合、円換算した仕入価格が上昇することになります。当社グループは為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約及び通貨オプションを行っておりますが、当該リスクヘッジにより為替相場の変動の影響を緩和することは可能であっても、間接的な影響も含め、すべての影響を排除することは不可能です。このため当社グループの想定以上に円安が進んだ場合、パソコン及びデジタル機器関連製品市場等の環境いかんでは、かかる仕入価格の上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁することが出来ず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国からの完成品仕入に関し、米ドル決済としておりますが、人民元が切上げられた場合、仕入価格が上昇する可能性があります。当該上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁出来ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)保有在庫の陳腐化及び製品投入のスピードについて

 当社グループが事業活動の領域とするパソコン及びデジタル機器関連製品市場は、技術革新が急速であるため製品のライフサイクルを短いものとしており、特に大きな技術革新は最終消費者の需要動向を大きく変化させ、その時点で保有する在庫品の陳腐化を招く可能性があります。当社グループは経験則と実勢をもとに、毎月廃棄処分及び四半期毎に所定の評価減を行うことでこのリスクに備えておりますが、想定以上に在庫品の陳腐化が進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、生産委託先等の関係各社の協力のもと、エンドユーザーが実際に使用する最終製品を開発しておりますが、外部環境の変化等により、市場の変化に対応した新商品の投入ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)市場における価格競争等について

 当社グループが取扱う製品は、競合他社との間で日常的に厳しい価格競争が行われております。したがって、当社グループの思惑とは別に販売価格の引下げを余儀なくされる可能性があります。また、原材料価格の高騰等により仕入価格が上昇した場合等であっても、かかる仕入価格の上昇分を適正に販売価格に転嫁することが出来ない可能性があります。当社グループは、収益確保のため部材の調達コスト及び製造コスト等の削減に継続して取組んでおりますが、当社グループの想定以上に価格競争が厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法的規制について

 当社グループが取扱う製品は、製造物責任法の規制を受けており、一部の製品は、電波法や電気安全法の規制を受けております。また同製品の一部は、輸出する際にワッセナー・アレンジメント(※1)の規制を受ける可能性があり、その場合は経済産業省の許可が必要になります。また、当社グループは子会社または代理店を通じて欧州及びアジアを中心とした海外で製品を販売しておりますが、欧州においてはRoHS指令(※2)、中国においては中国版RoHS指令(※3)等の規制を受けております。当社グループはこれらの法令を遵守するための法令に適合した品質管理基準に基づいた品質管理を実施し、事業活動を行っておりますが、予測できない事態によりこれらの規制を遵守できなかった場合や、今後法的規則等が改正され、その対応のための費用負担などが増大したり、あるいはこれらの法改正等に充分に対応出来ない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(※1)大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある貨物や技術が特定国へ輸出されないよう、輸出を管理する目的で1996年に発足した輸出管理機構。

(※2)電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令。

(※3)電気・電子情報製品の使用による環境汚染及びその他の公害の発生を低減することを目的とした法律。

(7)取引先との取引条件について

 当社グループは、当社グループが取扱う製品を家電量販店や法人代理店等(以下「取引先」という。)と継続的取引契約を締結し、当該取引先を通じて最終消費者に販売しております。これら取引先との取引契約が解消されることは、現状では想定しがたいものと認識しておりますが、今後不測の要因により主要な取引先との取引契約が解消された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要な取引先との取引に当たっては、業界の商慣習や取引高等に応じて交渉の上その条件を決定しておりますが、これらの取引条件が不測の理由によって悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)在庫補償について

 当社グループの属するパソコン及びデジタル機器関連製品業界の商慣習として、既に出荷し取引先の在庫となっている製品に対して同製品の価格改定(値下げ)を実施した場合、当該値下げ金額に取引先在庫数量を乗じた金額を取引先に対して補填する「在庫補償」というものがあります。当社グループは取引先ごとに先方の在庫内容を常時把握するとともに、価格改定を実施する場合、流通在庫量の調整を行うなどの対策を打ち、「在庫補償」の金額が少なくなるよう努めておりますが、当社グループの施策が奏効しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報漏洩について

 当社グループではEコマースサイトにおける製品の販売や、取引先からの依頼により当社製品を顧客へ直送する際など、様々な業務において個人情報を取得しており、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)に定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社グループでは、法令に従い個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を制定し、社内外へ周知するとともに、社内においては個人情報の取扱い及び管理に関する規程を整備し、個人情報保護に努めております。しかしながら、これらの個人情報が、不測の事態により外部へ漏洩した場合、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)知的財産権について

 当社グループでは多数の品種の製品を取り扱っており、これら製品に係る多数の知的財産権を取得し、所有しております。当社グループが所有する知的財産権が、無断で使用された場合、当社グループ及び当社グループが取扱う製品のブランドが損なわれることにより、係争へ発展した場合を含め損害が発生する可能性があります。

 また、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来当該ライセンスが取り消されたり、当社グループにとって不利な条件に変更されたりする可能性があります。さらに当社が現在ライセンスの必要がないと判断している製品についても、第三者により新たにライセンスが必要と主張される可能性があります。これらの場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは知的財産権管理専門の担当者を置き、グループ内で企画・考案された製品が第三者に対する知的財産権を侵害することがないように留意するとともに、必要に応じて特許事務所に調査を依頼して他社の知的財産権に抵触しないよう努めておりますが、万が一当社グループの認識の範囲外で第三者による係争に巻き込まれた場合や特許侵害に係る警告を受けた場合には、その解決に係る時間及び費用、更には当社グループの信用低下や損害賠償請求及びライセンス料の支払い等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)製品の不具合発生について

 当社グループにおいて開発・製造された製品については、品質管理の専門部署が当社で定めた品質管理基準に基づいた品質管理を行っており、安全かつ安心頂ける製品の供給に努めておりますが、欠陥が生じる可能性は否定できません。万が一、自主回収を要するような製品の不具合が生じた場合や当該不具合により第三者に損害を与えた場合は、当社グループの信用低下や当社及び製品のブランドの低下、または損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)自然災害等外的要因(紛争、テロ、自然災害、感染症の流行を含む。)について

 地震、津波及び台風等の自然災害、紛争(深刻な政情不安を含む。)、テロ、大規模停電、新型コロナウイルス感染症などを含む感染症の流行等の外的要因により、社会インフラに重大な障害が発生し、または当社グループの事業拠点や物流拠点、販売先拠点、生産委託先及び仕入先等が被災すること等により、当社グループの業務の一部または全部が停止せざるをえない可能性があります。当社グループでは、事業拠点を全国に設置し、物流拠点を分散させ、データセンターをセキュリティ及び耐震強度の高い施設に設置するなど、対策は講じておりますが、万が一、自然災害等の重大な外的要因が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)株式会社フォースメディアの株式の取得(子会社化)について

 当社は、2021年6月16日付において、株式会社フォースメディアの株式を取得し、連結子会社化しております。当社グループは、取得事業であるBtoBチャネルにおけるネットワークストレージ及び監視カメラなどを当社既存事業と融合して展開することで、当社グループの一層の事業拡大に努める方針であります。しかし、何らかの要因で当社グループの方針が奏功せず、株式会社フォースメディアの業績が悪化することがあった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)海外の事業展開強化について

 当社グループは、企業として一層の成長を図るため、当社単独または現地法人と合弁で子会社等を設立する等して、当社グループ製品の販売拡大に取組む方針であります。しかし、何らかの要因で当社グループの方針が奏功せず、子会社等の業績が悪化することがあった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)M&A及び資本・業務提携について

 当社グループは、成長戦略の一環として、自社による新しい製品分野への進出及び新しい販売チャネルの開拓等のほか、M&A及び資本・業務提携等により、当社グループの事業規模を拡大しております。これらの実施にあたりましては、当社グループにおける既存事業との間で、マーケティング、商品開発、製品購買、販売チャネル、物流インフラ及びITインフラ等の既に当社グループが有する機能のうち、複数の機能で関連性を持たせることができ、その事業の将来性等を勘案して、慎重に検討することを基本方針としております。しかしながら、M&A及び資本・業務提携の後に、何らかの理由により当社グループの想定通りの成果が得られない可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの新規感染者の大幅な減少と、ワクチン接種率の上昇により、一度は落ち着きを取り戻したものの、新たな変異株の出現により、依然として先行き不透明な状況にありました。

 世界経済に目を向けると、世界的な半導体不足に端を発したサプライチェーンの乱れ、コンテナ不足やロックダウンに伴う労働力不足に起因する海上運賃の高騰、原油価格をはじめとした資源価格高騰など、市場環境はめまぐるしく変化しております。また、米ドル建てでの仕入が多い弊社にとっては、米ドルの為替変動の影響も拡大しております。

 このような環境の中、当社グループは、「“ライフスタイル・イノベーション”-ビジネスライフやホームライフにおいて、より快適で豊かな新しい価値を創造し、お客様に喜びを届ける」というスローガンを掲げ、パソコン・デジタル関連製品をテレワーク、巣ごもり需要、抗菌・抗ウイルスなどをキーワードに調理家電やアウトドアといった新たな分野にも新製品を投入し、積極的な需要の喚起を図るとともに、販売チャンネルの特性に合わせた商品調達・販売戦略の推進に取り組みました。

 これらの結果、売上高は107,358百万円(前連結会計年度比0.1%増)となり、12期連続で過去最高売上高を更新しました。また利益面においては、営業利益は13,945百万円(前連結会計年度比7.9%減)、経常利益は14,398百万円(前連結会計年度比5.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,398百万円(前連結会計年度比3.3%減)となり、各段階利益ともに過去最高利益だった前連結会計年度を下回りました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、対前期増減率は前連結会計年度に当該会計基準等を遡って適用した数値に基づいて算定しております。

 

 品目別の概況は、次のとおりであります。なお、当社グループはパソコン及びデジタル機器関連製品の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、商品区分である品目別で概況を記載しております。

 

(パソコン関連)

 テレワークの環境改善に向けた新商品やGIGAスクール構想に伴うパソコン需要が拡大した学校向けのアクセサリの拡充を行いましたが、想定していた需要が継続しなかったことから、パソコン関連に係る当連結会計年度の売上高は、30,952百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。

 

(スマートフォン・タブレット関連)

 スマートフォン向けの急速充電器やタッチペン、Apple Watch関連製品等、戦略的に投入した商品が好調であり、スマートフォン・タブレット関連に係る当連結会計年度の売上高は、19,263百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。

 

(TV・AV関連)

 住宅着工件数が昨年に対して回復したことに伴い、連結子会社であるDXアンテナ株式会社の受信機器関連の売上は堅調に推移したものの、AV関連の需要が一服した影響が大きく、TV・AV関連に係る当連結会計年度の売上高は、19,259百万円(前連結会計年度比10.0%減)となりました。

 

(周辺機器)

 SSDやHDDが好調に推移したこと及び株式会社フォースメディアのグループ化や連結子会社であるハギワラソリューションズ株式会社の受注がコロナ禍からの回復に伴い、周辺機器に係る当連結会計年度の売上高は、30,266百万円(前連結会計年度比16.5%増)となりました。

 

(その他)

 連結子会社であるロジテックINAソリューションズ株式会社のカスタムPCや堅牢タブレットなどの需要が回復傾向にあった一方で、GIGAスクールの保管庫の需要減及びヘルスケア関連の需要が一服した影響により、その他に係る当連結会計年度の売上高は、7,615百万円(前連結会計年度比12.6%減)となりました。

 

b.財政状態

 当期末の資産の部は、兵庫の新物流センターやロジテックINAソリューションズ株式会社の工場への投資や自社株購入にかかる預け金などの影響で4,612百万円増加して110,621百万円となりました。

 また、負債の部は、未払法人税等が減少した一方で、物流センターの投資に係る設備関係未払金が増加し、前期末に比べ24百万円増加して29,220百万円になりました。

 純資産の部は親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、前期末に比べ4,588百万円増加して81,401百万円となりました。

 以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の72.2%から73.4%となり、強固な財務基盤が維持されています。

 当期末現在の手元現預金は42,082百万円を保有しており、高い手元流動性を確保しております。また、新型コロナウイルス感染症及び不安定な国際情勢による不透明な事業環境下においても、事業の継続性を第一義とし、引き続きM&Aや物流機能強化など弊社の成長に繋がる投資を行ってまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は、営業活動の結果増加した資金が9,665百万円、投資活動の結果減少した資金が5,664百万円、財務活動の結果減少した資金が14,127百万円あったこと等により、前連結会計年度末に比べ9,790百万円減少し42,082百万円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は9,665百万円(前連結会計年度は14,797百万円の資金の増加)となりました。主な要因は、法人税等の支払額4,012百万円、棚卸資産の増加額1,535百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益を14,030百万円計上し、売上債権の減少額2,054百万円、減価償却費2,001百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は5,664百万円(前連結会計年度は5,107百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,935百万円、有価証券の取得による支出2,849百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は14,127百万円(前連結会計年度は4,731百万円の資金の増加)となりました。主な要因は、自己株式の取得のための預け金の増加額5,240百万円、自己株式の取得による支出4,760百万円、配当金の支払額3,370百万円があったことによるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

パソコン関連         (百万円)

747

3.9

スマートフォン・タブレット関連(百万円)

1,095

△27.7

TV・AV関連        (百万円)

2,793

△13.1

周辺機器           (百万円)

8,290

30.6

その他            (百万円)

3,670

27.1

合 計            (百万円)

16,598

13.1

 

b.製品・商品仕入実績

 当連結会計年度の製品・商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

パソコン関連         (百万円)

17,926

△9.4

スマートフォン・タブレット関連(百万円)

10,740

20.4

TV・AV関連        (百万円)

7,993

△0.8

周辺機器           (百万円)

13,915

3.1

その他            (百万円)

1,602

△45.4

合 計            (百万円)

52,178

△1.9

 

c.受注実績

 当社グループは、見込生産・仕入を主体としており、総販売高に占める受注生産・仕入の割合は極めて僅少のため、受注実績の記載を省略しております。

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

パソコン関連         (百万円)

30,952

△7.5

スマートフォン・タブレット関連(百万円)

19,263

9.1

TV・AV関連        (百万円)

19,259

△10.0

周辺機器           (百万円)

30,266

16.5

その他            (百万円)

7,615

△12.6

合 計            (百万円)

107,358

0.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱ヤマダデンキ

13,761

12.7

13,259

12.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績等の状況に関する認識及び検討内容

 当社グループはパソコン及びデジタル機器関連製品を事業領域としておりますが、これら製品に関わる分野は技術革新の進歩が早く、商品サイクルが非常に短い傾向にあります。また、競合他社との競争環境も厳しく、原材料価格の高騰等により仕入価格が上昇した場合であっても、販売価格に転嫁することが困難な可能性があります。当社グループは継続的な新製品開発と調達コストの削減に取組んでおりますが、関連分野製品の新製品開発の遅れ、為替相場の変動、原油価格や原材料価格の動向等による売上原価の上昇が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響や、半導体不足によるコスト増加、商品仕入環境の悪化、世界的な海上運賃の値上げ、国際情勢の変動に伴う急激な円安は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、基幹事業分野の開発人材の採用による開発力の強化及び継続的な調達コストの削減ならびに調達先の多様化等に取り組み、当社グループの永続的な発展を図ってまいります。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

(棚卸資産評価損)

 棚卸資産評価損については第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

(返金負債に含まれる売上値引見込相当額)

 主要な販売先である家電量販店や代理店に対して支払うリベートや値引等について、期末時点において支払が確定していないものについて、顧客に返金すると見込んでいる対価を収益から控除して返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績に基づく最頻値法を用いております。

 

③経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.1%増の107,358百万円となりました。これは主にスマートフォン・タブレット関連や周辺機器の販売を伸ばしたことによるものです。

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比1.8%増の67,652百万円となりました。これは主に国際的な半導体不足や資源高騰、前連結会計年度に対して円安になったことによる仕入コスト上昇によるものです。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比0.5%増の25,761百万円となりました。これは主に展示会などの再開に伴う販売費の増加によるものです。

(営業外収益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比286.3%増の478百万円となりました。これは主に為替差益が364百万円増加したことによるものです。

(営業外費用)

 当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度比55.6%減の25百万円となりました。これは主に前連結会計年度は株式交付費29百万円及び為替差損を15百万円計上しておりましたが、当期は発生しなかったことによるものです。

(特別利益)

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比2,306.1%増の15百万円となりました。これは主に固定資産売却益を13百万円計上したことによるものです。

(特別損失)

 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度比741.6%増の383百万円となりました。これは主に減損損失229百万円及び関係会社株式売却損116百万円を計上したことによるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 前述の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比3.3%減の10,398百万円となりました。

④ 財政状態の分析

 財政状態の分析に関する情報については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」に記載のとおりです。

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金の主なものはパソコン及びデジタル機器関連製品に関わる仕入代金及び販売費及び一般管理費があります。また、設備投資需要としては新製品の金型投資や情報処理のための無形固定資産投資等があります。

 当社グループはそれらの資金需要に対応するため、内部留保を蓄積することで流動性を確保することとしております。また、重要な資本的支出やM&A等により多額の資金需要が生じた場合の財源としては、金融機関からの借入や新株及び社債の発行等により資金の調達を行うこととしております。

 

⑦ 新型コロナウイルス感染症の影響についての分析

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大があったもののテレワーク需要の拡大などがあり、当社グループに与える影響は限定的なものとなりました。また、新型コロナウイルスの新規感染者の大幅な減少と、ワクチン接種率の上昇により、経済活動の再開が徐々に進み、当社グループの業績は堅調に推移するものと予測され、その前提に基づき会計上の見積り(主として、繰延税金資産の回収可能性等)を実施しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループでは、より快適で豊かな新しい価値を創造し、お客様の生活に喜びを届ける“ライフスタイル・イノベーション”を重視した製品の開発、及びデザイン性の高い製品の開発に注力しております。

潜在的なニーズをウォンツに変えるためのマーケティング技術を駆使して調査し、その課題を研究開発テーマとして発掘、実現のためのデザイン性の追求及び製品開発に取組んでおります。また、近年は横浜技術開発センターを中心に技術トレンド情報の収集や研究開発にも力を入れております。

 当連結会計年度の各品目における研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、当社グループはパソコン及びデジタル機器関連製品の開発・製造・販売の単一セグメントであるため、商品区分である品目別で内容を記載しております。

 なお、弊社ではiF product design award 2022にて9シリーズ、2021年度グッドデザイン賞を10シリーズが受賞いたしました。

 

(1)パソコン関連

 当品目では、テレワーク向けのアクセサリや高機能電源タップ、コロナ禍での使用を見越して抗菌製品に注力致しました。

(2)スマートフォン・タブレット関連

 当品目では、急速充電可能な小型AC充電器や高付加価値のタッチペン、アウトドア向けのモバイルバッテリーなどに注力致しました。

(3)TV・AV関連

 当品目では、テレワーク向けのヘッドセットやスピーカー、アフターGIGAに向けた子供用のヘッドセットなどに注力致しました。

(4)周辺機器

 当品目では、小型のSSDやWi-Fi6に対応したルーターの開発などを行っております。

(5)その他

 当品目では、調理家電やヘルスケア関連の製品に注力致しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,423百万円となっております。