第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 2024年度に、より良き製品、より良きサービス、より良き会社、より良き社会を追求してきた当社グループが、成長の糧とする存在意義を示すものとして、パーパス「Better being」を制定いたしました。創業以来、ずっと追求してきた「Better」を、これからも追求し続けてまいります。

 パーパス「Better being」を企業価値創造の中心におき、グループの社員一人ひとりが自らの心に問い、自分なりに考え、自発的な行動に繋げていくことで自ら成長し、グループに新しい変革と進化をもたらし、より良き製品・サービス・ソリューションによる社会課題の解決と、より良い地球環境への貢献を目指すと共に、当社グループとしてこれからも持続的に成長してまいります。

 

(2)経営環境、経営戦略及び対処すべき課題

①経営環境

 世界経済は、各国政府が政策の優先事項を変える中、不確実性の高まり等により、成長が減速する見通しです。また、貿易摩擦の激化、サプライチェーンの分断、インフレの再燃、金融政策の変化による金融市場の急変、更なる地政学リスクなど、想定を超えた経営環境の変化による景気後退も懸念されます。わが国経済は、米国の関税引き上げなど、新たな外交政策による影響が不確実性をはらんでおり、景気の下振れリスクが懸念されますが、雇用・所得環境の改善による個人消費の緩やかな増加基調やインバウンド需要の継続、AI関連の投資拡大が期待され、緩やかな回復基調が想定されます。一方で、物価上昇を背景とした消費者マインドの悪化と原材料価格の高騰、人手不足による供給制約、人件費や物流コストの増加、特に急激な為替変動リスクといった懸念も多く、事業環境を楽観的に見通すことは困難な状況となっております。

 当社グループの事業領域である「パソコン及びデジタル機器関連製品」では、パソコン関連、スマートフォン・タブレット関連、TV・AV関連を中心に最終製品の市場で成熟化が進んでいることに加え、グローバル新興メーカーの台頭により、一層の競争環境の激化が想定されます。一方で、EC市場は更なる市場拡大が見込まれ、またAI(人工知能)を始めとした技術革新、企業の効率化ニーズ、政策需要(次世代GIGAスクール構想等)によりデジタル関連投資が拡大し、AI PC等の関連製品の領域も広がりつつあります。加えて、当社が進出した理美容・調理家電の領域を含め、お客様ニーズの高度化や多様化に応える製品・サービスが重視されるとともに、様々な社会課題を解決するソリューションに対する期待も高まっております。

 

②中期経営計画の概要

<ありたい姿>

 当社グループは、上記経営環境を踏まえて、2024年4月から2027年3月までの3ヵ年を中心に取り組む中期経営計画を策定しました。

 当社グループはこれまで、変化の速い情報周辺機器市場において、お客様の声を聴き、高速で開発し、効率の良いオペレーションでお客様にお届けするビジネスモデルを深化させることで事業成長を実現させてまいりました。今後は、この成長の源泉となるスピードを引き続き重視しながらも、国内・海外のお客様に真正面から向き合い、ニーズを理解し、更なる満足を得られる商品やサービスを企画、設計、構築、提案し、更なる高付加価値ビジネスモデルの構築や、グローバル展開によるスケールメリットの最大化を目指してまいります。

 本中期経営計画では、パーパス「Better being」を根底として、あるべき姿を「“お客様に愛される日本発・唯一無二のグローバルブランド”を創る」と定め、「お客様の満足度を高める商品と販売の新たな価値創造」と「持続可能な成長を実現するための人材育成と強い事業基盤構築」を重点戦略に、長期的・持続的成長を実現してまいります。

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<重点戦略>

(ⅰ)価値創造

(a)国内BtoC

・グローバル競合に対する対抗策を商品・サービス・売り方に至るまで徹底

・当社の強みを活かせる商品カテゴリーの強化・拡大(2023年度にグループ化したテスコム商品の強化と新規M&Aを含めた他戦略商品の拡大)

(b)国内BtoB

・既存販売店ビジネスの更なる拡大

・高付加価値ビジネスモデル構築(ソリューション×エンドユーザー販売、保守・サブスクリプション)

(c)海外

・北米市場とアジア市場を中心にグローバル事業の立上げと成長の礎を構築

 

(ⅱ)事業基盤構築

(a)開発力

・日本と中国(深圳技術開発センター)の二極開発体制の構築による高速開発の強化

(b)SCM

・事業拡大・BCP観点での物流機能の深化

・カントリーリスクを踏まえた調達バランスの最適化

(c)人材育成・確保

・高付加価値ビジネスモデル構築・グローバル展開に必要な人材の確保と育成

・CX(顧客体験)価値戦略の強化のためのAI・DX人材の強化

 

 これらの重点戦略を推進するにあたり、当社の強みの一つであるキャッシュ創出力・安定した財務基盤を活かし、成長分野や事業基盤強化への投資を積極的に行います。

・新製品カテゴリーの追加・開発力強化への投資(M&Aも含む)

・北米を中心とする海外展開への事業投資(広告宣伝・プラットフォーム・製品開発費用等)

・新高付加価値事業分野、CX価値戦略の強化のための人材投資

・更なるコスト体質強化に向けた投資(物流自動化、グローバルSCM体制構築など) 等

 

<経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>

(ⅰ)本中期経営計画における数値計画

・営業利益伸長率 年平均10%以上

・ROE        13%以上

(ⅱ)本中期経営計画における株主還元方針

・累進的配当(配当維持もしくは増配)の実施

・配当性向30%以上の維持

・機動的な自己株式の取得

 

③中期経営計画の進捗状況

<経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>

 中期経営計画初年度である2024年度実績は、下記の通りとなっております。

 概ね良好な進展を示しており、引き続き計画達成に向けた施策の実行を進めてまいります。

 

営業利益伸長率

9.3%

ROE

11.0%

累進的配当(配当維持もしくは増配)の実施

対前年度比4円の増配(予定)

※2025年6月25日開催予定の定時株主総会での決議事項

配当性向30%以上の維持

40.3%(予定)

機動的な自己株式の取得

70.0億円の自己株式取得を実施

 

<重点戦略の主な取り組み>

(ⅰ)価値創造

(a)国内BtoC

・パワーデバイス、I/Oデバイスといったグローバル競合と対抗する重点カテゴリーにおいて、戦略的に新商品開発及び販売を強化しました。

・2023年度のM&Aでグループ入りしたテスコム電機グループとのシナジー効果を最大化すべく、理美容・調理家電分野におけるグループ全体での販売体制の強化と新商品の市場投入を推進しました。

(b)国内BtoB

・カメラ、ストレージ、PCなどのグループ会社商材を活用し、注力商材を明確化した上で、主要代理店との連携強化やエンドユーザー向けの販売を推進しました。

・グループ会社と一体となったソリューション提案体制を構築し、提案から受注の実現に向けて、営業体制強化とプロセスの整備に取り組みました。

(c)海外

・北米市場においては、主要ECサイトおよび自社直販サイトを通じて、オリジナルブランド商品(NESTOUT)

の販売強化を進めました。

・アジア市場においては、注力すべき地域を明確化し、中国・台湾を中心とする中華圏およびインドを含む

ASEAN市場への展開に向けた具体的な施策を策定し、事業開発および進出に向けた体制の強化を図りました。

(ⅱ)事業基盤構築

・開発力については、新商品投入加速に向けた深圳技術開発センター及び横浜技術開発センターを活用した商品開発マネジメントの立て直しを実施しました。

・人材育成・確保については、マネジメント人材の強化と成長市場に向けたBtoB及び海外での人材獲得、配置を強化しました。またDX人材(AI活用を含む)の育成と登用を進めました。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中には、当社グループが有価証券報告書提出日に入手している情報のほか、それに基づき当社グループで判断した将来に関する予測・計画などの不確実な要素を含んでおります。したがって、今後の各種要因により、将来の事業活動の結果や将来に発生する事象が、文中に記載する予測・計画などとは異なる可能性があります。

 

 当社グループは、創業時から「社会との共生」を当然のことと考え、2021年よりサステナビリティ経営にも取り組み、より良き製品、より良きサービス、より良き会社、より良き社会を追求してきました。

 より良き製品・サービス・ソリューションによる社会課題の解決、より良き地球環境への貢献、そして当社グループとしての成長、これを当社グループのサステナビリティと考え、その実現を目指しています。

 

(1)サステナビリティに関する考え方及び取組

 

①ガバナンス

 当社グループでは、グループ全体に効果的なサステナビリティ活動を推進するために、サステナビリティ委員会を設置しております。エレコム代表取締役社長を委員長として、社内取締役、社外取締役、外部有識者、および各社役員やサステナビリティの取り組みに関係の深い事業部門の執行役員で構成しています。サステナビリティ委員会は年数回開催され、マテリアリティの進捗確認、およびグループと社会の長期成長に向けて、事業機会・リスクの両面で経営および社会課題をより具体的に捉え、優先順位をつけ施策の立案・決定を行っております。この提案・決定内容を受け、各社事業組織は目標に向かって具体的に取り組みます。また、サステナビリティ委員会の主要活動については、取締役会へ年2回の定期報告のほか適宜、報告・相談し、トップダウンだけではなくボトムアップでも状況を理解し、経営判断ができるよう連携しております。

 また、2022年4月には専任部署としてサステナビリティ推進課を設置し、サステナビリティ観点でのグループ全体に係る施策立案や情報提供を行っています。2024年4月からは、経営企画の機能を擁する財務企画部内で財務・非財務で連携を密にし、企業価値向上に資する取り組み推進に努めております。

 

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2024年度のサステナビリティ関連の各会議体における報告・討議内容

会議体

実施回数

内容

取締役会

報告回数

5回/年

・サステナビリティ年次報告(TCFDを含む)

・CSR調達方針・サプライヤー行動規範策定

・社会貢献実施報告

サステナビリティ委員会

実施回数

6回/年

・マテリアリティ進捗確認

・外部評価からみる当社状況

・マテリアリティ見直し及びビジョンの議論

 

②戦略

 事業の継続的成長や社会課題解決への取り組みを熟慮した結果、当社グループのマテリアリティを大きく以下の3本柱に定めております。

(ⅰ)事業の継続性(経営体制の強化、人財・組織の育成)

(ⅱ)お客様の安全・満足

(ⅲ)環境対応

 今後サステナビリティ経営を深化させていくため、この3本柱に基礎マテリアリティを紐づけることで、まず我々が強化すべき、企業規模の変化に応じた土壌づくりに努めております。

 

(ⅰ)事業の継続性

(a)経営体制の強化

 プライム市場上場企業として成長し、当社グループは現在、多くのステークホルダーの方々に支えられています。当社グループがより成長するためには、リスクを検討し責務を果たす必要があります。適切な検討事項の欠落はリスクとなる一方、サステナビリティの取り組みでは、着目すべきテーマとポイントを知ることができる機会と考えています。当社グループとして安定した土壌づくりや長期成長を考え、我々の強みをより活かしながら、取り組みの強化を図ります。

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(b)人財・組織の育成

 強固な経営体制やそのもとで活躍する人財・組織力を高めることは、企業成長の要だと考えています。日本社会における労働人口減少を見据え、多種多様な方々が活躍でき、魅力ある人財を獲得できる労働環境の構築、資本である人財が育つ環境、そして効率的な組織運営を作ることでリスク対策を図り、成長への機会を創出します。

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(ⅱ)お客様の安全・満足

 当社グループは、技術革新の早い世界においても、私たちが成長の糧とする「Better being」を追求し、お客様に安全と満足をお届けできるよう、新技術の開発とサービス向上に取り組み続けます。マーケットの変化や社会からの期待を捉え、必要とされる企業であり続けなければ生き残ることができない危機意識を、常に忘れずに取り組みます。また、製品やサービスを通して社会課題解決に寄与できることはビジネスチャンスでもあることを踏まえ、皆様のお声に耳を傾け、事業の長期的成長を狙うとともに社会へ貢献していきます。

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(ⅲ)環境対応

 メーカーとして事業活動の中で環境負荷低減に努めること、当社グループの技術をもって環境問題に寄与することはもちろんのこと、自然が本来持つ力を回復することにも取り組み、「社会との共生」が不可欠だと考えています。気候変動の将来リスクを意識して、またその社会課題に生まれるビジネスチャンスを見極めて、サプライチェーンでの取り組みも含めて真摯に向き合っていきます。

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③リスク管理

 当社グループは、「リスクの低減」と「事業機会の創出」をESG/CSR取り組みの2大視点として、当社グループやステークホルダーの皆様にとって重要かつ関心の高い課題をマテリアリティとして特定し、取り組みを推進しております。マテリアリティは、事業および社会環境の変化や社内外のステークホルダーからの評価やニーズを分析し、サステナビリティ委員会で事業組織とともにマテリアリティとKPIの見直しを行っております。見直し評価結果や優先度などをまとめ、取締役会への報告を経て確定し、マテリアリティ毎に担当執行役員を責任者として定め、確実な課題解決を図っております。見直し頻度については、従来は年に一度行っておりましたが、今後は年に一度見直しの必要性を確認しながら中期経営計画の見直しと連携してまいります。なお、具体的に想定されるリスクについては、その重要性に応じて当該リスクを軽減する物理的な予防措置を講じるほか、当該リスクの発生に係る損害保険契約を締結する等、リスク発生時の経営に及ぼす影響を最小限に留める措置を講じております。加えて、サステナビリティ委員会での評価など、新たに想定されるリスクが発生した場合は、直ちにそのリスク管理について取締役会において協議し、必要な措置を講じてまいります。

 

④指標及び目標

(ⅰ)事業の継続性

 (a)経営体制の強化

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 (b)人財・組織の育成

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(ⅱ)お客様の安全・満足

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(ⅲ)環境対応

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(2)気候変動に対する情報開示

 当社グループは2022年4月に、TCFD提言への賛同を表明致しました。気候変動が当社グループの持続的成長に大きな影響を及ぼす重要課題のひとつであると位置づけ、気候変動が事業に与えるリスク・機会を分析し、経営戦略やリスクマネジメントに反映することにより、脱炭素社会とともに持続的成長を目指して参ります。また、当社グループは2023年に「2030年度にCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2020年度対比50%削減する」及び「サプライチェーンでのCO₂削減に取り組むとともに事業活動を通じて、世界が目標とする2050年カーボンニュートラルの実現を目指す」の目標を掲げ、脱炭素社会の実現に向け取り組んでおります。

 

①ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。詳細については、「(1)サステナビリティに関する考え方及び取組①ガバナンス」を参照ください。

 

②リスク管理

 気候変動に伴うリスクには政策や規制の強化に伴う事業活動の制限やコストの増加、ステークホルダーの意識の変化、技術の進展などに起因するものと、気象災害の激甚化や気温上昇などにみられる異常気象の慢性化など気候変動に起因するものが考えられます。

 当社グループでは、気候変動に伴うさまざまなリスク要因についての情報を、部門を横断して収集し、対策へとつなげております。具体的には、サステナビリティ委員会が関連部門と議論のうえ、重要な気候変動関連リスクを特定し、それぞれの影響度を大・中・小の3段階で評価します。そして、それらが現れる時期を短期・中期・長期の視点で分析したうえで、取り組み方針や対応策を検討しております。取締役会は、半期に1回もしくは随時、サステナビリティ委員会より、課題提示や報告を受け、適宜議論し、グループ全体の経営リスクの1つとして執行状況を監督しております。

 

③戦略

 当社グループの強みは、市場の需要やトレンドに対して迅速に対応する製品開発力と調達能力、またその製品をタイムリーにお客様のもとに届ける営業機動力と物流能力を持った強固なサプライチェーンだといえます。同時に、エレコムグループは子会社の一部を除き自社で製造設備を持たないため、自社におけるCO₂排出は限定的です。その一方で、製造委託先や輸送時の排出が大きくなる傾向があり、気候変動関連課題がグループの中長期的な事業リスク・機会に与える影響は決して少なくないと認識しています。「環境方針」のもと気候変動関連課題への取り組みを進める中、TCFD提言に沿い、パリ協定に基づく気候変動シナリオを前提とし、2022年に公表されたIPCC第6次報告書、またIEAネットゼロシナリオをもとにシナリオを想定し、重要リスク・機会を特定し、その対応策について検討しました。

 結果、気候変動ならびにそれに対する規制強化対応は、永年培ったこれらの強みを損なう可能性があることがわかりました。一方、気候変動に対して積極的に緩和・適応することは、グループのレジリエンスを強化し、お客様の脱炭素化を支援する製品やソリューションの提供や、グループのコスト削減の機会を生み出すこともわかりました。

2024年に策定したパーパス“Better being”で掲げる「より良き地球環境や地域社会」を目指し、エレコムグループの戦略策定を進めてまいります。

 

(a)シナリオと世界観

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(b) リスクと機会、および取り組み・対応状況

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(c) リスクに基づいた財務影響

移行が予定通り進んだ場合とそうで無い場合の2つのケースについて、財務への影響を定量的に試算(2030年時点)

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④指標・目標

 当社グループは、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に抑える目標の達成に向け、管理指標として2023年3月期に中長期的なCO₂排出量削減目標を設定致しました。

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(ⅰ)進捗

 2024年度は前年度と比較してScope1・2のCO排出量は87t-CO減少し、エレコムグループ目標である2030年度に50%削減(2020年度比)に対して58%の進捗となりました。2024年は、継続的な温暖化の影響から、平均気温が観測史上最高を記録し、各事業施設では空調利用期間が例年よりも長期化しました。また、テスコム電機グループ並びにgroxi社が新たにグループ入りしたことに伴う人員および延床面積の増加により、電力使用量は前年度よりも増加しました。一方、兵庫物流センターが8月より使用電力を再生可能エネルギーへ変更し、神奈川物流センターでは7月より倉庫内照明のLED化、10月の人感センサー導入による省エネ効果がScope1・2のCO₂排出量削減に寄与しました。

 また、2023年度より算定を開始したScope3(エレコム単体)については、2024年度は新たに、カテゴリ11(販売した製品の使用)及び12(販売した製品の廃棄)を算定に加えました。結果、バリューチェーン全体でより俯瞰的に気候変動への影響を評価することが可能となり、これまでの購入した製品の素材や製造に伴うCO₂排出量に加え、自社が販売した製品の使用や使用後の廃棄に伴う排出量に課題が見えました。2030年のCO₂削減目標に基づき、Scope1・2の確実な取り組みとサプライヤーや委託業者との削減に向けた協働、将来的な製品のLCA対応も見据えながら、「THINK ECOLOGY」製品による、さらなる環境負荷軽減に向け取り組みます。

 

(ⅱ)エネルギーの消費量とCO₂排出量の推移

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(3)人的資本に関する戦略・指標及び目標

 当社グループは、新たに掲げたパーパスである「Better being」に基づき、社員一人ひとりが進取の心を持ち、自ら考え、自発的に行動することで、より良い価値を創造して、個人の成長とともに会社が成長し続けることを目指します。そのために社員一人ひとりが、より働きやすさややりがいを感じられるよう、環境の整備や仕組みの構築に取り組みます。

 

①人材育成方針

 当社グループは、社員の成果・実績を最大限評価し、昇級・昇格につなげる制度を導入しており、人財育成については、「研修制度」「職場での指導(OJT)」「人事諸制度の整備」を軸にして、包括的な人財育成を推進しております。

 具体的な施策としては、100名以上が個室宿泊可能な大規模研修所として2022年に開設した湘南研修所を活用し、業務から離れて効率的且つ集中した合宿型の研修を実施することで、チームビルディング能力を構築しています。特に、入社5年目までの社員に対する研修や、営業・開発部門の能力開発研修、管理職を対象としたマネージャー研修/管理職研修などを重点的に実施し、イノベーションの創出に貢献する人財の育成等を目指し、社員一人ひとりの成長を支援しています。

 2024年度からは一部評価制度を見直し、成果・実績だけでなく、目標達成に向けて取り組んだ業務内容やプロセスも評価する制度に変更いたしました。くわえて、成果に応じた報酬のメリハリを大きくすることで従業員のパフォーマンスを最大化し、会社としての更なる成果創出を一層促進するべく、業績連動賞与を導入いたしました。個人の成長を会社として後押しすることで、働きがいのある職場作りを目指しています。

 

 

 [当社グループ(※)における研修費用]                      (単位:千円)

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

年間研修費用

59,638

112,451

163,417

169,069

※国内連結グループ会社の合計(2024年3月期からテスコム電機グループ、groxi社を含む)

 

②社内環境整備方針

 当社グループは、多様な価値観を持つ社員が融合していく「多様な個を活かす働き方の実現」を通して、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう、働き方改革を進めております。

 具体的には、ドレスコードフリーの推進、大阪本社および東京支社のスマートオフィス化、テレワーク制度の整備、シフト勤務の柔軟化、育児・介護・病気等への支援、子育て支援を目的とした出産祝金の増額、副業の一部解禁、リスキリングの一助となる公的資格の取得支援制度により、働きやすい環境づくりを推進しました。さらに、全社共通のコミュニケーションツール(MS365)や、ペーパーレスなどをコンセプトとした経理システムにより、働く場所を限らずとも連携できる環境を作り、社員のワークライフバランスの実現をサポートしています。

 2024年度には、エレコムではノー残業デーを導入し、時間管理意識の改革を図り、オンオフのメリハリをつけ、社員のモチベーションアップ、ワークライフバランスの推進、生産性の向上、業務の効率化に繋げています。

 

③ダイバーシティに関する方針

 企業の成長の為には多様な視点を持つ多様な従業員の活躍が不可欠であると認識したうえで、特に女性活躍推進にターゲットを置き、エレコム単体にて2028年3月期までに、女性管理職(※1)比率10%、女性監督職(※2)比率20%の目標を掲げております。

 以下のとおり、女性管理職比率はまだ道半ばの状態ですが、管理職候補である女性監督職の比率については、目標達成を視野に入れた登用が進んでおり、2025年3月期には16.4%となりました。今後も女性を含む多様な人財が活躍できる環境を作り、2028年3月期には女性監督職比率20%を達成するように取り組み、女性管理職比率向上に繋げてまいります。

 上記のテレワーク制度やシフト勤務に加え、特に育児については、最長3歳年度末までの育児休業延長制度や、最長で小学校6年生修了までの育児の為の時間短縮勤務制度など、柔軟な働き方を可能にする支援策を講じることで、多様な社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織づくりに取り組んでおります。

※1:非営業部門においては課長以上、営業部門においては支店長以上で年俸制を導入している従業員

※2:非営業部門においてはチームリーダー等、営業部門においては営業課長

 

[提出会社における管理職の男女別推移]

性別

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2028年3月期

(目標)

男性

75

79

87

97

90

女性

0

0

2

2

3

合計

75

79

89

99

93

女性管理

職比率

0.0%

0.0%

2.2%

2.0%

3.2%

10.0%

 

[提出会社における監督職の男女別推移]

性別

2021年3月期

2022年3月期

2022年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2028年3月期

(目標)

男性

109

104

101

99

107

女性

5

7

13

19

21

合計

114

111

114

118

128

女性監督職比率

4.4%

6.3%

11.4%

16.1%

16.4%

20.0%

 

[当社グループにおける育児制度利用状況]

 

性別

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

育児休業制度

利用開始者数(名)

男性

2

3

12

16

24

女性

28

26

30

28

33

育児短時間勤務制度利用者数(名)

男性

0

1

1

1

2

女性

33

39

57

67

63

育児休業からの

復職率

男性

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

女性

88.2%

100.0%

93.9%

95.0%

86.7%

育児休業からの

定着率

男性

100.0%

100.0%

100.0%

90.9%

68.4%

女性

100.0%

100.0%

94.4%

85.7%

84.2%

※1 復職率=当連結会計年度の育児休業からの復職者数÷当連結会計年度の育児休業からの復職予定者数×100

※2 定着率=前連結会計年度の育児休業からの復職者のうち、当連結会計年度3月末時点で在籍している社員数÷前連結会計年度の育児休業からの復職者数×100

 

④従業員エンゲージメント向上に向けた取り組み

 当社グループは、従業員エンゲージメントの向上が企業の成長に繋がると考え、2023年3月期より、毎年、エンゲージメントサーベイを実施しております。同サーベイは、当社が抱える課題の洗い出しや、課題に対して講じた施策の効果測定を目的としております。また、2025年3月期には社長と社員が直接対話する機会を設け、意見や要望の把握に努めました。

 

 企業の持続的な成長のためには、社員がパーパスに共感し、その実現に向けて主体的に業務に取り組み、自己の能力を十分に発揮することが不可欠です。

 今後も人材投資を行い、社員が成長実感を得ることができ、それを企業としての持続的な成長につなげることを優先課題としていきます。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において入手した情報に基づいて、記載が適当であると判断したものであります。

(1)市場動向について

 当社グループは主にパソコン・デジタル機器・家電関連製品の市場を主要な事業活動の領域としているため、当該市場の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)仕入形態等について

 当社グループは、子会社の一部を除き自社で製造設備を保有しないファブレスメーカーであり、仕入先の選定に当たっては、仕入コスト、品質及び供給体制等を総合的に勘案して選定しておりますが、現状これら仕入品については多品種・少ロットの生産形態をとっております。当社グループは、品質管理の専門部署が当社で定めた品質管理基準に基づいた品質管理を行っており、安全かつ安心頂ける製品の供給に努めておりますが、生産委託先の受入れ環境によって自社製造設備では想定しがたい品質不良や時間的ロスが発生し、その後の再検査等で市場に製品をタイムリーに供給できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社としては仕入先の多様化に努めておりますが、特定の商品の売上動向によっては、一部の製品または製品部材等について、特定の仕入先に依存する結果となることがあり、これらの仕入先が何らかの要因で当社グループへの供給量を制限または停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)カントリーリスク、国際情勢に関わるリスクについて

 当社グループ製品の原材料仕入先及び生産委託先は中国、台湾などのアジア諸国等に所在しております。その為、これら各国における政治・経済情勢の変動、テロ・紛争などにおける治安状態の悪化や社会的混乱、法制度・租税制度の変動などにより、当社グループ製品の生産等に何らかの支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なおこれらの対策として、個々の製品部材の生産地の把握やストック対策、生産国の分散化などの対策を進めております。

(4)為替相場変動について

 当社グループが取扱う製品は、中国、台湾などのアジア諸国等から完成品等を仕入れる割合が多く、大半が米ドル決済となっており、日本円と米ドル間の為替相場が円安傾向となった場合、円換算した仕入価格が上昇することになります。当社グループは為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約を行っておりますが、当該リスクヘッジにより為替相場の変動の影響を緩和することは可能であっても、間接的な影響も含め、すべての影響を排除することは不可能です。このため当社グループの想定以上に円安が進んだ場合、パソコン・デジタル機器・家電関連製品市場等の環境いかんでは、かかる仕入価格の上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁することが出来ず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国からの完成品仕入に関し、米ドル決済としておりますが、人民元が切上げられた場合、仕入価格が上昇する可能性があります。当該上昇分を適正に製品の販売価格に転嫁出来ない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)保有在庫の陳腐化及び製品投入のスピードについて

 当社グループが事業活動の領域とするパソコン・デジタル機器・家電関連製品市場は、技術革新が急速であるため製品のライフサイクルを短いものとしており、特に大きな技術革新は最終消費者の需要動向を大きく変化させ、その時点で保有する在庫品の陳腐化を招く可能性があります。当社グループは経験則と実勢をもとに、毎月廃棄処分及び四半期毎に所定の評価減を行うことでこのリスクに備えておりますが、想定以上に在庫品の陳腐化が進んだ場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、生産委託先等の関係各社の協力のもと、エンドユーザーが実際に使用する最終製品を開発しておりますが、外部環境の変化等により、市場の変化に対応した新商品の投入ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)市場における価格競争等について

 当社グループが取扱う製品は、競合他社との間で日常的に厳しい価格競争が行われております。したがって、当社グループの思惑とは別に販売価格の引下げを余儀なくされる可能性があります。また、原材料価格の高騰等により仕入価格が上昇した場合等であっても、かかる仕入価格の上昇分を適正に販売価格に転嫁することが出来ない可能性があります。当社グループは、収益確保のため部材の調達コスト及び製造コスト等の削減に継続して取組んでおりますが、当社グループの想定以上に価格競争が厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)法的規制について

 当社グループが取扱う製品は、製造物責任法の適用はもちろんのこと、一部の製品は、電波法や電気用品安全法の規制を受けております。また同製品の一部は、輸出する際にワッセナー・アレンジメント(※1)の規制を受ける可能性があり、その場合は経済産業省の許可が必要になります。また、当社グループは子会社または代理店を通じて欧州及びアジアを中心とした海外で製品を販売しておりますが、欧州においてはRoHS指令(※2)、中国においては中国版RoHS指令(※3)等の規制を受けております。当社グループはこれらの法令を遵守するための法令に適合した品質管理基準に基づいた品質管理を実施し、事業活動を行っておりますが、予測できない事態によりこれらの規制を遵守できなかった場合や、今後法的規則等が改正され、その対応のための費用負担などが増大したり、あるいはこれらの法改正等に充分に対応出来ない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(※1)通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の供給能力を有し、かつ不拡散のために努力する意志を有する参加国により1996年に発足。我が国においては、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令、外国為替管理令等に基づき、輸出管理を実施。

(※2)電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令。

(※3)中国における特定条件を満たす電器電子製品への有害物質の使用(含有)を制限する法律。

 

(8)取引先との取引条件について

 当社グループは、当社グループが取扱う製品を家電量販店や法人代理店等(以下「取引先」という。)と継続的取引契約を締結し、当該取引先を通じて最終消費者に販売しております。これら取引先との取引契約が解消されることは、現状では想定しがたいものと認識しておりますが、今後不測の要因により主要な取引先との取引契約が解消された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、主要な取引先との取引に当たっては、業界の商慣習や取引高等に応じて交渉の上その条件を決定しておりますが、これらの取引条件が不測の理由によって悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)在庫補償について

 当社グループの属するパソコン・デジタル機器・家電関連製品業界の商慣習として、既に出荷し取引先の在庫となっている製品に対して同製品の価格改定(値下げ)を実施した場合、当該値下げ金額に取引先在庫数量を乗じた金額を取引先に対して補填する「在庫補償」というものがあります。当社グループは取引先ごとに先方の在庫内容を常時把握するとともに、価格改定を実施する場合、流通在庫量の調整を行うなどの対策を打ち、「在庫補償」の金額が少なくなるよう努めておりますが、当社グループの施策が奏効しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)個人情報漏洩について

 当社グループではEコマースサイトにおける製品の販売や、取引先からの依頼により当社製品を顧客へ直送する際など、様々な業務において個人情報を取得しており、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)に定める個人情報取扱事業者に該当しております。当社グループでは、法令に従い個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を制定し、社内外へ周知するとともに、社内においては個人情報の取扱い及び管理に関する規程を整備し、個人情報保護に努めております。しかしながら、これらの個人情報が、不測の事態により外部へ漏洩した場合、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)知的財産権について

 当社グループでは多数の品種の製品を取り扱っており、これら製品に係る多数の知的財産権を取得し、所有しております。当社グループが所有する知的財産権が、無断で使用された場合、当社グループ及び当社グループが取扱う製品のブランドが損なわれることにより、係争へ発展した場合を含め損害が発生する可能性があります。

 また、当社グループの製品のなかには、第三者からのライセンスを受けて第三者の特許その他の知的財産権を使用しているものがありますが、将来当該ライセンスが取り消されたり、当社グループにとって不利な条件に変更されたりする可能性があります。さらに当社が現在ライセンスの必要がないと判断している製品についても、第三者により新たにライセンスが必要と主張される可能性があります。これらの場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは知的財産権管理専門の担当者を置き、グループ内で企画・考案された製品が第三者に対する知的財産権を侵害することがないように留意するとともに、必要に応じて特許事務所に調査を依頼して他社の知的財産権に抵触しないよう努めておりますが、万が一当社グループの認識の範囲外で第三者による係争に巻き込まれた場合や特許侵害に係る警告を受けた場合には、その解決に係る時間及び費用、更には当社グループの信用低下や損害賠償請求及びライセンス料の支払い等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)製品の不具合発生について

 当社グループにおいて開発・製造された製品については、品質管理の専門部署が当社で定めた品質管理基準に基づいた品質管理を行っており、安全かつ安心頂ける製品の供給に努めておりますが、欠陥が生じる可能性は否定できません。万が一、自主回収を要するような製品の不具合が生じた場合や当該不具合により第三者に損害を与えた場合は、当社グループの信用低下や当社及び製品のブランドの低下、または損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)自然災害等外的要因(自然災害、感染症の流行を含む。)について

 地震、津波及び台風等の自然災害、大規模停電、新型コロナウイルス感染症などを含む感染症の流行等の外的要因により、社会インフラに重大な障害が発生し、または当社グループの事業拠点や物流拠点、販売先拠点、生産委託先及び仕入先等が被災すること等により、当社グループの業務の一部または全部が停止せざるをえない可能性があります。当社グループでは、事業拠点を全国に設置し、物流拠点を分散させ、データセンターをセキュリティ及び耐震強度の高い施設に設置するなど、対策は講じておりますが、万が一、自然災害等の重大な外的要因が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)海外の事業展開強化について

 当社グループは、企業として一層の成長を図るため、当社単独または現地法人と合弁で子会社等を設立する等して、当社グループ製品の販売拡大に取組む方針であります。しかし、何らかの要因で当社グループの方針が奏功せず、子会社等の業績が悪化することがあった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)M&A及び資本・業務提携について

 当社グループは、成長戦略の一環として、自社による新しい製品分野への進出及び新しい販売チャネルの開拓等のほか、M&A及び資本・業務提携等により、当社グループの事業規模を拡大しております。これらの実施にあたりましては、当社グループにおける既存事業との間で、マーケティング、商品開発、製品購買、販売チャネル、物流インフラ及びITインフラ等の既に当社グループが有する機能のうち、複数の機能で関連性を持たせることができ、その事業の将来性等を勘案して、慎重に検討することを基本方針としております。しかしながら、M&A及び資本・業務提携の後に、何らかの理由により当社グループの想定通りの成果が得られない可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、米国経済が堅調に推移し、世界的なインフレ圧力が緩和するなど、全体としては底堅さを維持しましたが、中国の景気減速や地政学リスクの高まりなど、地域毎に濃淡がある不安定な状況が続きました。わが国経済は、雇用・所得環境の改善、企業の設備投資意欲、インバウンド需要の回復等により、緩やかに回復しました。一方で、米ドル建ての仕入取引が多い当社のような企業にとって、急激な為替変動が引き続き懸念材料となり、加えて米国での新政権発足以降は、政策動向等により、国内外で先行き不透明感が高まる状況となっております。

 エレコムグループは、より良き製品・サービス・ソリューション、より良き社会、より良き会社を追求しつづけ、パーパス「Better being」を実践しておりますが、このような環境の中、2027年3月までの中期経営計画の初年度として、あるべき姿“お客様に愛される日本発・唯一無二のグローバルブランド”を創るため、市場の変化を捉えて俊敏に対応し、お客様満足度を高める商品・サービスによる新たな価値創造と、持続可能な成長を実現するための人材育成と強い事業基盤構築を重点戦略とし、長期的・持続的成長と企業価値向上を実現するための取り組みを進めてまいりました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は118,007百万円(前連結会計年度比7.1%増)、売上総利益は46,189百万円(前連結会計年度比8.5%増)、営業利益は13,531百万円(前連結会計年度比9.3%増)、経常利益は13,190百万円(前連結会計年度比1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,300百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりました。

 売上高は、法人向け事業で、前年度下期から半導体関連の投資需要減速の影響を受け、産業機器向けメモリの販売が落ち込み、受信関連機器などでも顧客の在庫調整等により苦戦しました。一方で、監視カメラ・クラウド・周辺機器・ネットワーク工事等を融合したセキュリティ関連事業が防犯意識の高まりなどから拡大し、また、夏場からの防災関連商品のニーズを含め、需要が堅調なモバイルバッテリーや高速充電対応のAC充電器といったパワーサプライ、マウスやキーボードといったI/Oデバイスでは、競合をターゲティングしながら新商品投入を戦略的に継続・強化していることで、販売が伸長しました。加えて、前年度のM&Aで、テスコム電機グループの新規連結効果により理美容家電が販売・利益の両面で大きく成長し、下期にかけて競争環境が改善してきたストレージ機器も増販に寄与しました。これらの結果、売上高全体は増収となりました。

 売上総利益は、海外から商品を米ドルで仕入れる当社にとって、円安の進行により円換算額の原価が上昇し、また一部商品では上期を中心に厳しい競争環境の影響を受けましたが、新商品の販売拡大、継続して取り組んでいる価格改定やコストダウンといった利益重視の取り組み、及び増収効果により、増益となりました。結果として、売上総利益率も改善しました。

 営業利益は、販売費及び一般管理費の増加はありましたが、売上総利益の良化が上回り、増益となりました。販売費及び一般管理費の増加要因として、強い事業基盤構築に向けた人材採用や給与のベースアップ、M&Aによる人員増加により人件費が増加し、また販売活動の強化に伴い販売促進費が増えました。管理費も、のれん償却費を含めM&A等により増加しております。

 経常利益は、営業利益の増益はありましたが、為替相場が急変する環境が継続する中、前連結会計年度で生じた為替差益が当連結会計年度では為替差損に転じたことにより、全体では減益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、上記に加え、拠点統廃合に伴う固定資産除却損やグループ会社整理に伴う損失、前期の関係会社株式売却による一時的な法人税等の減少の反動等で、減益となりました。

 

 品目別の概況は、次のとおりであります。なお、当社グループは、パソコン・デジタル機器・家電関連製品の開発・製造・販売及び関連サービスの提供を事業とする単一セグメントであるため、商品・サービス区分である品目別で概況を記載しております。

 

(パワー&I/Oデバイス関連)

 上期を中心にパソコン本体の需要が回復途上であったことや価格改定によりケーブル類の販売が苦戦し、またヘッドセットマイクでの需要減少の影響等はありましたが、マウスやキーボードといったI/Oデバイス、加えて夏場からの防災関連商品のニーズを含め、需要が堅調なモバイルバッテリーや高速充電対応のAC充電器といったパワーサプライでも、競合をターゲティングした新商品投入など、戦略的な拡販を継続・強化しており、販売が伸長しました。

 これらの結果、パワー&I/Oデバイス関連に係る当連結会計年度の売上高は、39,886百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。

 

(家電)

 前年度のM&Aで、理美容・調理家電を主たる事業とするテスコム電機グループの新規連結効果により、販売が大きく伸長した結果、家電に係る当連結会計年度の売上高は、13,105百万円(前連結会計年度比78.7%増)となりました。

(BtoBソリューション)

 昨今の窃盗・強盗事件などの影響による防犯意識の高まりから、セキュリティ関連事業の販売が伸長し、加えて前年度のM&Aによるgroxi社の新規連結効果もありましたが、前年度下期から半導体関連の投資需要が減速したことで、グループ会社の産業機器向けメモリの販売が大きく落ち込みました。また、受信関連機器や関連工事でも顧客の在庫調整や地方での新築着工件数の低迷等の影響により苦戦しました。

 これらの結果、BtoBソリューションに係る当連結会計年度の売上高は、33,106百万円(前連結会計年度比3.6%減)となりました。

(周辺機器・アクセサリ)

 周辺機器では、ストレージ機器等が厳しかった競争環境の改善により増収となりました。利益も、価格改定等の取り組みにより、下期には回復に転じております。アクセサリは、価格改定等によるプリンタ関連の伸長と、iPhone新機種発売に伴うスマートフォン関連の拡販により、増収となりました。

 これらの結果、周辺機器・アクセサリに係る当連結会計年度の売上高は、31,240百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。

 

b.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,628百万円減少し、114,740百万円となりました。これは主に、自己株式の取得や配当の支払を上回るフリー・キャッシュフローの創出により現金及び預金の増加はありましたが、前連結会計年度末から当連結会計年度末にかけての円高進行などにより為替予約が減少したことによるものです。

 負債は1,128百万円増加し、32,048百万円となりました。これは未払金の増加などによるものです。

純資産は3,756百万円減少し、82,692百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加はありましたが、自己株式の取得による株主資本の減少と、前連結会計年度末から当連結会計年度末にかけての円高進行などによるその他の包括利益累計額の減少によるものです。

 以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の73.6%から微減の71.9%となりましたが、引き続き強固な財務基盤が維持されています。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は43,718百万円を保有しており、高い手元流動性を確保しております。不透明な事業環境下においても、事業の継続性を第一義とし、引き続きM&Aなど当社の成長に繋がる投資を行ってまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は、営業活動の結果増加した資金が17,354百万円、投資活動の結果減少した資金が4,419百万円、財務活動の結果減少した資金が10,642百万円となったこと等により、前連結会計年度末に比べ2,234百万円増加し43,718百万円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は17,354百万円(前連結会計年度は9,669百万円の資金の増加)となりました。主な要因は、法人税等の支払額3,007百万円といった資金減少項目があった一方で、税金等調整前当期純利益12,965百万円、減価償却費3,415百万円といった資金増加項目があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は4,419百万円(前連結会計年度は2,428百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,254百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は10,642百万円(前連結会計年度は8,169百万円の資金の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払3,629百万円と、自己株式の取得による支出7,005百万円といった資金減少項目によるものです。

 

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比増減率(%)

パワー&I/Oデバイス関連  (百万円)

1,060

△7.5

家電             (百万円)

685

184.9

BtoBソリューション     (百万円)

7,335

△13.0

周辺機器・アクセサリ     (百万円)

4,725

△9.6

その他            (百万円)

7

△89.6

合 計            (百万円)

13,814

△8.6

 

b.製品・商品仕入実績

 当連結会計年度の製品・商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比増減率(%)

パワー&I/Oデバイス関連  (百万円)

20,016

6.7

家電             (百万円)

4,902

△2.9

BtoBソリューション     (百万円)

13,249

△6.1

周辺機器・アクセサリ     (百万円)

18,545

18.4

その他            (百万円)

449

△66.0

合 計            (百万円)

57,163

4.1

 

c.受注実績

 当社グループは、見込生産・仕入を主体としており、総販売高に占める受注生産・仕入の割合は極めて僅少のため、受注実績の記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目の名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比増減率(%)

パワー&I/0デバイス関連   (百万円)

39,886

6.6

家電             (百万円)

13,105

78.7

BtoBソリューション     (百万円)

33,106

△3.6

周辺機器・アクセサリ     (百万円)

31,240

2.4

その他            (百万円)

667

14.2

合 計            (百万円)

118,007

7.1

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アマゾンジャパン(同)

10,892

9.9

12,882

10.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績等の状況に関する認識及び検討内容

 当社グループはパソコン・デジタル機器・家電関連製品及び関連サービスを事業領域としておりますが、これら製品・サービスに関わる分野は技術革新の進歩が早く、商品サイクルが非常に短い傾向にあります。また、競合他社との競争環境も厳しく、原材料価格の高騰等により仕入価格が上昇した場合であっても、販売価格に転嫁することが困難となる可能性があります。当社グループは継続的な新製品開発と調達コストの削減に取組んでおりますが、関連分野製品の新製品開発の遅れ、為替相場の変動、原油価格や原材料価格の動向等による売上原価の上昇が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、貿易摩擦の激化、サプライチェーンの分断、インフレの再燃と消費者マインドの悪化、金融政策の変化による金融市場の急変、地政学リスク、景気の下振れリスク、人手不足による供給制約や人件費・物流コストの増加、特に急激な為替変動リスクといった懸念も多く、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、パーパス「Better being」を根底として、中期経営計画の重点戦略である、お客様満足度を高める商品・サービスによる新たな価値創造と、持続可能な成長を実現するための人材育成と強い事業基盤構築の取り組みを推進し、長期的・持続的成長を実現してまいります。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

(棚卸資産評価損)

 棚卸資産評価損については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

(返金負債に含まれる売上値引見込相当額)

 主要な販売先である家電量販店や代理店に対して支払うリベートや値引等について、期末時点において支払が確定していないものについて、顧客に返金すると見込んでいる対価を収益から控除して返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績に基づく最頻値法を用いております。

 

③経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比7.1%増の118,007百万円となりました。これは主に、グループ会社を中心に「BtoBソリューション」の販売は減少しましたが、「パワー&I/Oデバイス関連」の販売が増加し、加えてM&Aの新規連結効果により「家電」の販売が大きく伸長したことによるものです。

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比6.2%増の71,817百万円となりました。これは主に売上高の増加によりますが、新商品の販売拡大、継続して取り組んでいる価格改定やコストダウンといった利益重視の取り組みにより、売上原価率は改善しております。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比8.2%増の32,657百万円となりました。これは主に、強い事業基盤構築に向けた人材採用や給与のベースアップ、M&Aによる人員増加により人件費が増加したこと、販売活動の強化に伴い販売促進費が増加したこと、また管理費がのれん償却費を含めM&A等により増加したことによるものです。

(営業外収益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比16.1%減の865百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に計上していた為替差益68百万円とデリバティブ評価益36百万円が、当連結会計年度は発生しなかったことによるものです。

(営業外費用)

 当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度比2,246.8%増の1,206百万円となりました。これは主に為替差損を1,119百万円計上したことによるものです。

(特別利益)

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比90.1%減の23百万円となりました。これは主に、新株予約権戻入益の89百万円減少や、前連結会計年度に計上していた関係会社株式売却益65百万円が当連結会計年度は発生しなかったことによるものです。

(特別損失)

 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度比166.9%増の248百万円となりました。これは主に、固定資産除却損の86百万円増加や、事業整理損88百万円を計上したことによるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 前述の結果、及び前連結会計年度に計上していた関係会社株式の売却による一時的な法人税等の減少が当連結会計年度は発生しなかったことなどにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比6.9%減の9,300百万円となりました。

 

④ 財政状態の分析

 財政状態の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」に記載のとおりです。

⑤ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金の主なものはパソコン・デジタル機器・家電関連製品に関わる仕入代金及び販売費及び一般管理費があります。また、設備投資需要としては新製品の金型投資や情報処理のための無形固定資産投資等があります。

 当社グループはそれらの資金需要に対応するため、内部留保を蓄積することで流動性を確保することとしております。また、重要な資本的支出やM&A等により多額の資金需要が生じた場合の財源としては、金融機関からの借入や新株及び社債の発行等により資金の調達を行うこととしております。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループでは、人々により良い暮らしを提供するための製品の開発、及びデザイン性の高い製品の開発に注力しております。

 潜在的なニーズをウォンツに変えるためのマーケティング技術を駆使して調査し、その課題を研究開発テーマとして発掘、実現のためのデザイン性の追求及び製品開発に取組んでおります。

 当社グループの研究開発機能の中核は横浜技術開発センターが担っておりますが、2022年4月に、解析や検証、技術研究に用いる設備増強やエンジニアの人員増加に向けた採用力強化を目的として、従来の拠点よりもアクセスが良く専有面積が倍以上となるオフィスへ移転をいたしました。また、当連結会計年度においては、開発対応件数の増加及び業務効率化、技術トレンドの情報収集力強化を目的として、中国ベンダーが密集する深圳に深圳技術開発センターを起ち上げ、横浜技術開発センターを含め、新商品投入加速に向けた商品開発マネジメントの立て直しを実施いたしました。今後もさらなる製品開発の効率化を図り、より高品質で高機能な製品開発に向けた取り組みに尽力してまいります。

 当連結会計年度の各品目における研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、当社グループはパソコン・デジタル機器・家電関連製品の開発・製造・販売及び関連サービスの単一セグメントであるため、商品区分である品目別で内容を記載しております。

 なお、弊社ではiF product design award 2025にて1シリーズ、2024年度グッドデザイン賞を13シリーズが受賞いたしました。

 

(1) パワー&I/Oデバイス関連

 当品目では、高出力のモバイルバッテリー及びAC充電器、ハイエンドのマウス及びキーボード製品などに注力致しました。

(2)家電

 当品目では、テスコム電機グループでの理美容家電及び調理家電などに注力致しました。

(3)BtoBソリューション

 当品目では、セキュリティカメラ、法人向けPC、受信・映像関連機器などに注力致しました。

(4)周辺機器・アクセサリ

 当品目では、Wi-Fi7製品やストレージ機器、スマホ・タブレット関連製品などに注力致しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,572百万円となっております。