文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「開発創造型企業」として、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めて頂ける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とした世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い製品を基に、市場や顧客に応じた最適な製品及びシステムソリューションを提案する、「Visual Technology Company」への展開を進めております。
(2) 目標とする経営指標
当社は、中長期的に持続的な成長による企業価値の増大を目指しております。経営指標としては、連結営業利益率2桁(10%)以上の実現を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画を策定しました。「撮影」、「記録」、「配信」、「表示」を包括した「Imaging Chain Innovation」によるトータルソリューションで、ヘルスケア、クリエイティブワーク、V&Sの事業領域の更なる拡大及び新市場の創出を目指します。
(最終年度の業績目標)
営業利益率2桁(10%)以上
最終年度となる2020年度の連結売上高目標970億円、営業利益目標110億円の達成を目指します。
(4) 会社の対処すべき課題
①将来に向けての成長エンジンの創出
・第6次中期経営計画では、将来に向けての成長エンジンの創出に取り組みます。「撮影」、「記録」、「配信」、「表示」を包括したトータルソリューションにより、重点市場であるヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&Sにおいてその事業領域を一層拡大するとともに、新たな市場を創出いたします。
②製品開発力の強化
・当社の培った映像技術をコアコンピタンスとし、最新・最適のデバイスを用いた高品位・高品質の映像機器を開発し、圧倒的な差別化を図るよう努めてまいります。引き続き商品企画のスピードアップ、新技術の開発、開発効率の一層の改善に取組むとともに、開発手法の見直しにより迅速なカスタマイズを実現するなど、市場ニーズに機動的に対応してまいります。
③企業体質の強化
・開発・生産・品質評価を含む全業務プロセスにおいて、「Work Style Innovation」をキーワードに、RPA※、AI及びIoTなどの技術の導入やITインフラを活用した業務プロセスの改革を推進いたします。この取組みにより、生産性を向上させることで、社員の充実感と会社の健全な成長を両立してまいります。
・当社は、当社のビジネスモデルに取り込むことで強いシナジー効果が見込まれるM&Aを実施してまいりました。今後も事業の拡大や競争力の強化、当社の持つ技術と強いシナジー効果を発揮するノウハウ、技術等を取得するため、必要に応じM&Aを検討いたします。
※RPA=Robotic Process Automation
(5)会社の支配に関する基本方針について
当社は、株主全体の利益を保護する観点から、当社株式に対する大規模買付が行われた際に、大規模買付行為に応じるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報と十分な時間を提供することを目的として、株式の大量取得行為への対応方針を導入しております。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社や株主の皆様の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者の大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、本来、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
一方で、製造業を営む当社グループの事業の運営には、企画・開発・製造・販売・サービス等のあらゆる場面で幅広いノウハウと豊富な経験が必要であり、国内外の顧客・取引先・社員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠です。そのため、当社の財務及び事業の方針を決定するに当たりこれらに関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を毀損してしまう可能性があります。
また、特定の者の大規模買付行為がなされた場合、当社株主の皆様が当該大規模買付行為の当否について適切な判断を行うためには、当該大規模買付行為の内容、当該大規模買付行為が当社企業価値に与える影響、当該大規模買付行為に代わる提案の有無等について、当社株主の皆様に必要十分な情報が提供される必要があると考えます。
そこで、当社取締役会は、議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為に際しては、当該買付行為を行う買付者から事前に、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報が提供されることを目的として、このような買付行為に関する一定の合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定することが、当社及び当社株主全体の利益を守るために必要であると考えます。
②当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、1968年の設立以来、強みである映像技術を活かし、高品位・高品質の映像機器の開発から生産・販売までを一貫して行ってまいりました。また、これにより培ってきた技術、情報、ノウハウ等を更に追求・発展させ「Visual Technology Company」として市場ニーズに最適な映像環境ソリューションを提案しております。
今後とも、これまで培ってきた技術力、開発力を活かし、映像のスペシャリストとして他社の追随を許さない魅力的な付加価値を提供してまいります。
また、当社グループの事業の拡大や競争力の強化、当社の持つ技術と強いシナジーを発揮するノウハウ、技術等を取得するため、必要に応じM&Aも実施します。
③会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、上記①で述べた基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式の大量取得行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」といいます。)を定めています。
本対応方針は大規模買付行為に際して株主の皆様が適切な状況判断を行えるようにするため、大規模買付者に対して、その目的や内容、買付対価の算定根拠等の十分な情報提供と、適切な評価期間の確保を要請し、さらに、当社取締役会による当該大規模買付行為に対する意見の公表や、代替案の提示等を行う機会を確保することを目的として導入されたものです。
本対応方針の詳細に関しましては、当社ウェブサイト(http://www.eizo.co.jp/ir/news/2016/DC16-004.pdf)に掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
④本対応方針が会社支配に関する基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと、当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
イ.本対応方針が会社支配に関する基本方針に沿うものであること
本対応方針は、大規模買付ルールの内容、大規模買付行為がなされた場合の対応方針、独立委員会の設置、株主及び投資家の皆様に与える影響等を規定するものです。本対応方針は、大規模買付者に大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を開示していただいた後に、十分な評価期間を経た上で大規模買付行為が開始されるものとしており、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断される際に必要な情報及び期間を確保することを目的としております。また、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合でも、当該買付行為が当社の企業価値ひいては株主価値を著しく損なうと判断される場合には、大規模買付行為に対する対抗措置を発動し、株主全体の利益が毀損されることを防止します。このように本対応方針は、上記①で述べた基本方針に沿うものであると考えられます。
ロ.本対応方針が株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと
本対応方針は、当社株主に対して大規模買付行為に応じて当社株式を売却するか否かの判断のために必要な情報を提供することを目的としており、本対応方針によって株主の皆様は必要な情報に基づく適切な判断ができることとなるため、本対応方針は当社の株主価値を損なうものではなく、むしろ、その利益に資するものであると考えます。
さらに、本対応方針の発効・継続が当社株主の皆様の承認を条件としており、当社株主が望めば本対応方針の廃止も可能であることは、本対応方針が当社株主の共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。
ハ.本対応方針が当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
本対応方針は、大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、本来、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、当社の企業価値ひいては株主価値を守るために必要な範囲で大規模買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本対応方針は、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前にかつ具体的に規定しており、対抗措置の発動はかかる規定に従って行われます。さらに、対抗措置の発動などに際して取締役会に勧告を行う独立委員会の設置など、取締役会の恣意的な判断を防止する仕組みを有しております。
以上から、本対応方針は当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある重要な事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループの事業等にはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクのすべてではありません。
(1)映像機器について
①競争の激化によるリスク
当社グループは、販売数量の増加のみでなく、先進性のある技術を積極的に開発し、多様化する市場ニーズを満足させ、常に他社の一歩先を見据えた製品づくりを進めることで、付加価値を追求する方針をとっております。製品の開発に当たっては、画像品質や信頼性、機能等を重視するヘルスケア市場、クリエイティブワーク市場、V&S市場向けの製品開発に力を入れており、価格競争の影響を受けにくい事業構造の構築を図っております。しかしながら、市場における競合状況等の変化により、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現や新規企業の参入による競争の激化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②欧州における市場リスク
当社グループの連結売上高に占める欧州向けの売上割合は、当連結会計年度は35.8%(前期は32.8%)となっております。そのため、EU圏内の景気低迷や新たな関税及びその他の輸出障壁により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、欧州地域の取引においては主にユーロ建て取引を行っており、為替相場の変動の影響を直接的に受け易くなっております。為替変動リスクについては軽減及び回避に努めておりますが、為替変動により取引価格や売上高等が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③カントリーリスク
当社グループは、世界各国に開発、製造及び販売拠点を有し、海外事業の拡大を進めております。これらの国又は地域での事業活動に当たっては、政治的・社会的な混乱、紛争やテロ等の地政学的リスク、経済不安等のカントリーリスクが常に内在しております。当社グループは、当該国又は地域におけるリスクの特性を十分に把握したうえで適切な拠点を選択し、有事の際の損害を最小限に抑えるべくリスクマネジメントの強化に努めております。しかしながら、上記リスクの程度によっては当社グループの事業活動が中止又は制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)アミューズメント市場用モニターについて
①法的規制に係るリスク
当社の主力製品のひとつであるアミューズメント市場用モニターは、パチンコ・パチスロ遊技機(以下「遊技機」といいます。)に組み込まれて使用されます。この遊技機は、一般財団法人保安通信協会の型式試験を受けることが義務づけられており、法律や関係規則の改正等がある場合や試験結果の状況によっては、新機種の開発、市場投入等に準備期間が必要となります。また、一度合格した機種に使用している部品を変更するためには再度型式試験を受ける必要があり、不測の事態等によって部品が調達不能となった場合、代替部品を使用した機種を販売するまで一定の期間を要します。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②製品のライフサイクル、販売数量等の変動リスク
アミューズメント市場用モニターが組み込まれている遊技機の売上動向は、市場での利用者の嗜好及び他社から販売される機種との競合により左右されます。当社グループは市場情報の収集、調査及び分析に努め、市場のニーズを取り入れた新機種の企画・開発を積極的に推進しております。しかし、当社のアミューズメント市場用モニターが搭載される遊技機が人気機種になるとは限らず、また、パチンコホール数や遊技人口の減少により市場の総販売台数が減少していることも相まって、結果として販売数量が当初の予定数量を下回り、専用部品等の廃棄が発生する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先に依存することによるリスク
当社のアミューズメント市場用モニターは、遊技機メーカーである三洋物産グループ向けであります。三洋物産グループの遊技機の販売、開発、製造状況等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)使用部品の市場変動リスク
当社グループは、液晶パネルや半導体等すべての部品を外部供給者に依存しており、その調達に当たっては、調達先の安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により、採用する部品や仕入先を決定しております。また、仕入先との長期的な信頼関係を構築するとともに、一定量以上の在庫を確保し、部品選定において複数種類を選定する等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、予想を上回って需給バランスが崩れることや、部品の市場需要の急な高まりにより当社の調達が逼迫状態となった場合、調達先の事業の統合や売却等、業界再編等に伴う事業方針の変更があった場合、また、自然災害等により仕入先からの部品供給が中断された場合には、一定期間において生産の停止、販売の遅延、受注のキャンセル等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)人材の確保・育成に係るリスク
当社グループは、将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るためには、国内外で優れた人材を確保する必要があります。そのために、人材育成も重要であると考え、自由闊達で進化・成長を目指す企業文化の醸成に力を入れております。また「Work Style Innovation」をキーワードに、RPA、AI及びIoTなどの技術導入やITインフラを活用した業務プロセスの改革を推進し、仕事の無駄や長時間労働を無くし、効率良く働く環境を整えることで、社員のモチベーションと充実感を高めるよう努めております。しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優秀な人材が多数離職した場合及び優秀な人材の獲得や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5)品質問題に係るリスク
当社グループは、品質に不具合のある製品の市場流出を確実に防止するため、製品の開発・設計から製造に至るまで一貫した品質管理システムを構築し、更に改善を進めております。また、5年間の製品保証期間を主要な映像機器で採用し、顧客満足度を高めるよう努力しております。しかしながら、当社グループの製品で品質問題が発生した場合には、ブランドの失墜、信頼性の毀損、損害賠償の発生、市場の喪失、製品販売の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権に係るリスク
当社グループが属する映像機器関連業界は、技術革新が著しく、同業他社も含め、各社が特許権、実用新案権、商標権、意匠権等を積極的に出願しております。
当社グループは、独自の技術等について積極的に出願を行うとともに、他社の特許等の情報収集を図り、知的財産権の管理を強化しております。また、当社グループの特許権や商標権等の知的財産権に対する他社の侵害状況についても監視や警告体制を強化しております。しかしながら、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求、ライセンス契約申入等を受けることがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)環境規制に係るリスク
当社グループは、従来から製品への有害物質や紛争鉱物の使用を排除し、リサイクル性や分解容易性に優れた機構・デザインの採用や製品使用時の消費電力削減に取り組む等、一貫して環境に配慮した製品づくりを経営方針としております。また、環境に対する社会動向についても、関連する業界団体に積極的に参画し、情報の収集に努めております。しかしながら、今後新しい環境規制等が施行されることにより、規制に対応する追加コストが発生する場合や適合製品の開発又は市場投入が遅れる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報システムの障害に対するリスク
当社グループは、情報システム・通信ネットワークを使用して事業を行っております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム及びセキュリティ対策の評価及び強化を実施し、データの分散保存等を行うとともに、従業員へのシステム及びセキュリティに関する社内教育に努めています。しかしながら、予測の範囲を超える停電、災害、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報漏洩リスク
当社グループは、事業活動を通じて、顧客やその他関係者に関する機密情報を入手する場合があります。当社グループは、このような情報の外部流出防止のために、情報保護プログラムに基づき社内の組織体制を整備し、役員及び従業員への情報管理に対する重要性の啓蒙・教育に努めております。しかしながら、不測の事態等により、情報が外部に漏洩した場合、影響を受けた顧客やその他関係者に対する損害賠償の発生、関連法令等に基づく罰則の適用及び当社グループに対する社会的信用が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コンプライアンスに係るリスク
当社グループは、事業を遂行するに当たっては世界各国において様々な法令規則の適用を受けているため、コンプライアンス体制の整備等、法令順守には細心の注意を払うとともに内部統制やリスク管理体制の充実・強化を図っております。しかしながら、万一法令違反行為が発生した場合や、新たな法規制の制定や改廃に対応できない事態が生じた場合、当社の事業活動が制限されることはもとより、社会的信頼が損なわれ、罰金・課徴金を課されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害等に係るリスク
当社グループは、国内外に製造工場や研究開発施設を有しております。当社グループでは、地震や台風、洪水等の自然災害への防災対策を進め、それに伴う影響を最小限に抑えるよう、災害対応の事業継続計画(BCP)を策定し、体制の整備に努めております。また、日本、ドイツ及び中国の工場間の連携を高め、生産体制の最適化を図るとともに、災害等に対するリスクの分散を進めております。しかしながら、想定をはるかに超えた大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの開発や生産設備に影響を及ぼす可能性があり、一定期間の操業の中断、被害を被った設備の修理や交換等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結年度における当社グループの財政状態、経営成績及び、キャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度の世界経済は、欧州では雇用環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。米国では雇用は回復基調を維持し、個人消費が底堅く推移したことで、景気は着実に回復しました。日本では、堅調な雇用環境や所得情勢の改善を背景に個人消費は持ち直しつつあり、設備投資は緩やかに増加し、景気は緩やかに回復基調で推移しました。
当社グループは、映像技術を核として顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提供する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高性能・高信頼性の製品開発とモニターソリューションの提案を通して、ヘルスケアやクリエイティブワーク、V&S市場向けを中心に事業領域を拡大してきました。
ヘルスケア市場では、買収した手術室及び内視鏡用モニター事業において、当社が培ってきた技術を融合することにより3D高輝度2Dモデルや4Kに対応したモデルを開発し、EIZOブランドのモニターをリリースしました。
クリエイティブワーク市場では、液晶モニターとしては世界初(※)となる100万:1のコントラスト比を実現したモニターをリリースする等、映像制作市場への取り組みを強化しております。
※製品としての液晶モニターにおいて。2017年4月時点、当社調べ。
また、2018年3月に手術室向けの映像記録・配信・編集・画像解析も含めたハードウェアやソフトウェアを自社開発・販売するカリーナシステム㈱の全株式を取得しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度における資産合計は6,046百万円増加し、121,207百万円となりました。これは、ドイツでの新工場建設等により有形固定資産が増加、カリーナシステム㈱の買収による無形固定資産の増加、及び投資有価証券の評価差額金の増加による投資その他の資産が増加したこと等によります。負債合計は194百万円減少の29,685百万円、純資産合計は6,241百万円増加し91,521百万円となり、自己資本比率は75.5%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における全体の売上高は、84,057百万円(前期比7.4%増)となりました。市場別の売上高は、次のとおりです。
[B&P]
売上高は、18,111百万円(前期比7.7%増)となりました。海外では、欧州においてフレームレスモニターの販売が引き続き堅調に推移し、前期を上回る売上高となりました。特にドイツ市場の販売が好調を維持し、売上高増加に大きく貢献しました。
[ヘルスケア]
売上高は、29,780百万円(前期比14.1%増)となりました。海外では、診断用途向けモニター及び内視鏡用モニターの販売が好調に推移し、欧州、北米、中国の各地域で増加したことにより、売上高は前期を上回りました。また国内では、インテグレーション事業及び診断用途向けモニターの販売が伸びたこと等により売上高は前期を上回りました。
[クリエイティブワーク]
売上高は、5,749百万円(前期比5.1%増)となりました。海外では、北米における映像制作分野での販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回りました。
[V&S]
売上高は、7,885百万円(前期比13.3%増)となりました。国内では、船舶市場向け、監視(Security & Surveillance)市場向け及び金融システム向けモニターの販売が伸びたことで売上高は前期を上回りました。
[アミューズメント]
売上高は、15,233百万円(前期比17.2%減)となりました。アミューズメント市場を巡る環境は厳しい状況が続いておりますが、開発・生産体制において柔軟に対応したことにより、売上高の減少幅は最小限にとどまりました。
[その他]
売上高は、7,297百万円(前期比61.2%増)となりました。主に、アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が増加したことによります。
売上総利益は、B&Pやヘルスケア市場向け等での増収効果に加え、対ユーロでの円安効果及び原価低減努力による増益効果があったことで1,722百万円増加し、売上高総利益率は、前期並みの31.0%となりました。販売費及び一般管理費は、内視鏡及びMIL規格関連投資の先行投資を行ったこと等により201百万円増加しました。
以上の結果、営業利益は8,554百万円(前期比21.6%増)、為替差益の計上等により、経常利益は9,505百万円(同33.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,138百万円(同26.1%増)となりました。
② キャッシュ・フロー
営業活動で獲得した資金は、4,829百万円(前連結会計年度は10,533百万円の獲得)であった一方で、投資活動で使用した資金は、6,567百万円(前連結会計年度は4,157百万円の使用)となりました。これは主に、新試験評価棟などの設備投資や、新規連結子会社を取得したことによります。また財務活動で使用した資金は、2,772百万円(前連結会計年度は1,598百万円の使用)となりましたが、これは主に、配当金の支出が1,812百万円あったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4,399百万円減少し、20,394百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売が主であり、実質的に単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。以下は、品目別の状況を記載しております。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりです。
|
市場 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
映像機器(アミューズメント除く) |
53,257 |
111.8 |
|
アミューズメント |
12,256 |
71.5 |
|
合計 |
65,513 |
101.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績及び受注残高は、次のとおりです。なお、映像機器及びその他の一部製品は見込生産を行っております。
|
品目 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
アミューズメント |
12,440 |
59.6 |
215 |
7.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりです。
|
市場 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
B&P (Business & Plus) |
18,111 |
107.7 |
|
ヘルスケア |
29,780 |
114.1 |
|
クリエイティブワーク |
5,749 |
105.1 |
|
V&S (Vertical & Specific) |
7,885 |
113.3 |
|
アミューズメント |
15,233 |
82.8 |
|
その他 |
7,297 |
161.2 |
|
合計 |
84,057 |
107.4 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月 1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ジェイ・ティ |
21,841 |
27.9 |
21,019 |
25.0 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示、並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。このため、会計上の見積りはその性質上不確実であり、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ当連結会計年度の経営成績等について
当連結会計年度の売上高は、前期比7.4%増の84,057百万円、営業利益は同21.6%増の8,554百万円、経常利益は同33.8%増の9,505百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同26.1%増の7,138百万円となりました。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、生産能力の増強や生産性の向上、生産・物流の整備、研究開発拠点への投資を計画しております。また、ヘルスケア市場やV&S市場向けでの長期安定供給に応えるための在庫資金や、新しい分野への先行的な研究開発資金等、事業を成長・拡大させるための資金需要があるほか、必要に応じてM&A等を行う可能性もあります。
当該資金は、営業活動で生み出された内部資金で賄うこととしておりますが、資金需要の大きさや時期、為替相場の状況によっては、自己資金以外の資金調達の方法を検討する場合もあります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画を遂行しており、最終年度の連結売上高目標970億円、営業利益目標110億円、営業利益率10%以上を目指します。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、手術室及び内視鏡用モニターやMIL規格対応製品などへの先行的な研究開発を積極的に行い、前連結会計年度と比べ282百万円増加し、5,908百万円となりました。
具体的な例としては、ヘルスケア市場向けでは世界初となる低温ポリシリコン液晶パネルを用いることで、低消費電力かつ高輝度を実現し、また同一画面内でモノクロとカラー画像を最適に表示できるHybrid Gamma PXL(ハイブリッド・ガンマ・ピクセル)機能を搭載した5メガピクセルモニター「RadiForce RX560」を開発しました。また手術室及び内視鏡用モニターでは、オプティカルボンディング加工技術を開発対応し、従来以上の視認性や信頼性を確保した3Dモデルや広い表示色域に対応した4Kモデルを開発しました。また、内視鏡や顕微鏡手術カメラで撮影するFHDの映像も遅延なく高精細に表示する当社独自の映像鮮鋭化技術「Smart Resolution with Sparse Coding (S.R.S.C)」を開発し、製品に搭載しました。
クリエイティブワーク市場向けでは、製品の液晶モニターとしては世界初(※)となる100万:1という高コントラスト比と最大1000cd/m2の高輝度を実現したHDRリファレンスモニター「ColorEdge PROMINENCE CG3145」を開発しました。
※2017年4月時点、当社調べ。