第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社は、「開発創造型企業」として、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めて頂ける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とした世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い製品を基に、市場や顧客に応じた最適な製品及びシステムソリューションを提案する「Visual Technology Company」としての展開を進めております。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社は、中長期的に持続的な成長による企業価値の増大を目指しております。経営指標としては、連結営業利益率2桁(10%以上)の実現を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社は、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画「Synergy Transformation ~成長エンジンの創出~」を策定し、推進しております。「撮影」「記録」「配信」「表示」を包括した「Imaging Chain Innovation」によるトータルソリューションで、ヘルスケア、クリエイティブワーク、V&Sの事業領域の更なる拡大及び新市場の創出を目指しております。

 

(最終年度の業績目標)

 連結営業利益率2桁(10%以上

 最終年度となる2020年度の連結売上高目標970億円、連結営業利益目標110億円の達成を目指します。

 

(4) 会社の対処すべき課題

①将来に向けての成長エンジンの創出

・第6次中期経営計画では、将来に向けての成長エンジンの創出に取組んでおります。「撮影」「記録」「配信」「表示」を包括したトータルソリューションにより、重点市場であるヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&Sにおいてその事業領域を一層拡大するとともに、新たな市場を創出いたします。

 

②製品開発力・ソリューション提案力の強化

・当社の培った映像技術を核に、最新・最適のデバイスを用いた高品位・高品質の映像機器を開発し、圧倒的な差別化を図るよう努めてまいります。国内外のグループ会社が持つ技術基盤、顧客基盤等のリソースのシナジーを最大限に発揮し、ハードウェアとソフトウェアの両面にて開発力を高め、顧客課題の解決、映像環境ソリューションの新しい価値の提案を推進してまいります。

 

③企業体質の強化

・開発・生産・品質評価を含む全業務プロセスにおいて、「Work Style Innovation」をキーワードに、AI等を活用した業務プロセスの改革を推進しております。この取組みにより、生産性を向上させることで、社員の充実感と会社の健全な成長を両立してまいります。

・当社は、当社のビジネスモデルに取り込むことで強いシナジー効果が見込まれるM&Aを実施してまいりました。今後も事業の拡大や競争力の強化、当社の持つ技術と強いシナジー効果を発揮するノウハウ、技術等を取得するため、必要に応じM&Aを検討いたします。

 

 

(5)会社の支配に関する基本方針について

 当社は、株主全体の利益を保護する観点から、当社株式に対する大規模買付が行われた際に、大規模買付行為に応じるか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報と十分な時間を提供することを目的として、株式の大量取得行為への対応方針を導入しております。

 

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の概要
 当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社や株主の皆様の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者による大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、本来、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 一方で、製造業を営む当社グループの事業の運営には、企画・開発・製造・販売・サービス等のあらゆる場面で幅広いノウハウと豊富な経験が必要であり、国内外の顧客・取引先・社員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠です。そのため、当社の財務及び事業の方針を決定するに当たりこれらに関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を毀損してしまう可能性があります。

 また、特定の者による大規模買付行為がなされた場合、当社株主の皆様が当該大規模買付行為の当否について適切な判断を行うためには、当該大規模買付行為の内容、当該大規模買付行為が当社企業価値に与える影響、当該大規模買付行為に代わる提案の有無等について、当社株主の皆様に必要十分な情報が提供される必要があると考えます。

 そこで、当社取締役会は、議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為に際しては、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な情報が提供されることを目的として、一定の合理的なルールを設定することが当社及び当社株主全体の利益を守るために必要であると考えます。

 このため、当社は、上記の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式の大量取得行為への対応方針(買収防衛策)」を定めています。

 本対応方針の詳細に関しましては、当社ウェブサイト(https://www.eizo.co.jp/ir/news/2019/DC19-005.pdf)に掲載しておりますので、そちらをご覧ください。

 

 

2【事業等のリスク】

 

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある重要な事項には、次のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループの事業等にはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクのすべてではありません。

 

(1)映像機器について

①競争の激化によるリスク

 当社グループは、販売数量の増加のみでなく、先進性のある技術を積極的に開発し、多様化する市場ニーズを満足させ、常に他社の一歩先を見据えた製品づくりを進めることで、付加価値を追求する方針をとっております。製品の開発に当たっては、画像品質や信頼性、機能等を重視するヘルスケア市場、クリエイティブワーク市場、V&S市場向けの製品開発に力を入れており、価格競争の影響を受けにくい事業構造の構築を図っております。しかしながら、市場における競合状況等の変化により、代替性もしくは競争力のある他社製品の出現や新規企業の参入による競争の激化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②欧州における市場リスク

 当社グループの連結売上高に占める欧州向けの売上割合は、当連結会計年度は41.5%(前期は35.8%)となっております。そのため、EU圏内の景気低迷や新たな関税及びその他の輸出障壁により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、欧州地域の取引においては主にユーロを中心に現地通貨建て取引を行っており、為替相場の変動の影響を直接的に受け易くなっております。為替変動リスクについては軽減及び回避に努めておりますが、為替変動により取引価格や売上高等が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③カントリーリスク

 当社グループは、海外においても開発、製造及び販売拠点を有し、グローバルに事業の拡大を進めております。これらの国又は地域での事業活動に当たっては、政治的・社会的な混乱、紛争やテロ等の地政学的リスク、経済不安等のカントリーリスクが常に内在しております。当社グループは、当該国又は地域におけるリスクの特性を十分に把握したうえで適切な拠点を選択し、有事の際の損害を最小限に抑えるべくリスクマネジメントの強化に努めております。しかしながら、上記リスクの程度によっては当社グループの事業活動が中止又は制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)アミューズメント市場用モニターについて

①法的規制に係るリスク

 当社の主力製品のひとつであるアミューズメント市場用モニターは、パチンコ・パチスロ遊技機(以下「遊技機」といいます。)に組み込まれ使用されます。この遊技機の開発・販売にあたっては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等様々な法規制・基準を遵守する必要があります。これらの法規制等に重大な改正がなされた場合、改正内容へ適合するための対応を要します。特に、昨年の規則改正に伴い、遊技機の旧規則機から新規則機への入替え需要が発生することが見込まれています。この需要が発生するタイミングにより遊技機の販売等へ影響を及ぼす可能性があります。

 また、法規制の一つとして、遊技機は一般財団法人保安通信協会の型式試験を受けることが義務づけられており、法律や関係規則の改正等や試験結果の状況によっては、新機種の開発、市場投入等に準備期間が必要となります。一度合格した機種に使用している部品を変更する場合にも再度型式試験を受ける必要があり、不測の事態等によって部品が調達不能となった場合、代替部品を使用した機種を販売するまで一定の期間を要します。これらにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②製品のライフサイクル、販売数量等の変動リスク

 アミューズメント市場用モニターが組み込まれている遊技機の売上動向は、市場での利用者の嗜好及び他社から販売される機種との競合により左右されます。当社グループは市場情報の収集、調査及び分析に努め、市場のニーズを取り入れた新機種の企画・開発を積極的に推進しております。しかし、当社のアミューズメント市場用モニターが搭載される遊技機が人気機種になるとは限らず、また、パチンコホール数や遊技人口の減少により市場の総販売台数が減少していることも相まって、結果として販売数量が当初の予定数量を下回り当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③特定の取引先に依存することによるリスク

 当社のアミューズメント市場用モニターは、遊技機メーカーである三洋物産グループ向けであります。三洋物産グループの遊技機の販売、開発、製造状況等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)使用部品の市場変動リスク

 当社グループは、液晶パネルや半導体等すべての部品を外部供給者から調達しており、安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により、採用する部品や仕入先を決定しております。また、仕入先との長期的な信頼関係を構築するとともに、一定量以上の在庫を確保し、部品選定において複数種類を選定する等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、予想を上回って需給バランスが崩れることや、部品の市場需要の急な高まりにより供給が逼迫状態となった場合、調達先の事業の統合や売却等、業界再編等に伴う事業方針の変更があった場合、また、自然災害等により仕入先からの部品供給が中断された場合には、一定期間において生産の停止、販売の遅延、受注のキャンセル等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)人材の確保・育成に係るリスク

 当社グループは、将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るためには、国内外で優れた人材を確保し、育成する必要があります。そのために、人材育成が重要であると考え、進化・成長を目指す自由闊達な企業文化の醸成に力を入れております。また「Work Style Innovation」をキーワードに、AIなどの技術導入やITインフラを活用した業務プロセスの改革を推進し、仕事の無駄や長時間労働を無くし、効率良く働く環境を整えることで、社員のモチベーションと充実感を高めるよう努めております。しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優秀な人材が多数離職した場合や優秀な人材の獲得や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)品質問題に係るリスク

 当社グループは、品質に不具合のある製品の市場流出を確実に防止するため、製品の開発・設計から製造に至るまで一貫した品質管理システムを構築し、更に改善を進めております。また、5年間の製品保証期間を主要な映像機器に適用し、顧客満足度を高めるよう努力しております。しかしながら、当社グループの製品で品質問題が発生した場合には、ブランドの失墜、信頼性の毀損、損害賠償の発生、市場の喪失、製品販売の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権に係るリスク

 当社グループが属する映像機器関連業界は、技術革新が著しく、同業他社も含め、各社が特許権、実用新案権、商標権、意匠権等を積極的に出願しております。

 当社グループは、独自の技術等について積極的に出願を行うとともに、他社の特許等の情報収集を図り、知的財産権の管理を強化しております。また、当社グループの特許権や商標権等の知的財産権に対する他社の侵害状況についても監視や警告体制を強化しております。しかしながら、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求、ライセンス契約申し入れ等を受けることがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)環境規制に係るリスク

 当社グループは、従来から製品への有害物質や紛争鉱物の使用を排除し、リサイクル性や分解容易性に優れた機構・デザインの採用や製品使用時の消費電力削減に取組む等、一貫して環境に配慮した製品づくりを経営方針としております。また、環境に対する社会動向についても、関連する業界団体に積極的に参画し、情報の収集に努めております。しかしながら、今後新しい環境規制等が施行されることにより、規制に対応する追加コストが発生する場合や適合製品の開発又は市場投入が遅れる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報システムの障害に対するリスク

 当社グループは、情報システム・通信ネットワークを使用して事業を行っております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、システム及びセキュリティ対策の評価及び強化を実施し、データの分散保存等を行うとともに、従業員へのシステム及びセキュリティに関する社内教育に努めています。しかしながら、予測の範囲を超える停電、災害、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報漏洩リスク

 当社グループは、事業活動を通じて、顧客やその他関係者に関する機密情報を入手する場合があります。当社グループは、このような情報の外部流出防止のために、情報保護プログラムに基づき社内の組織体制を整備し、役員及び従業員への情報管理に対する重要性の啓蒙・教育に努めております。しかしながら、不測の事態等により、情報が外部に漏洩した場合、影響を受けた顧客やその他関係者に対する損害賠償の発生、関連法令等に基づく罰則の適用及び当社グループに対する社会的信用の毀損など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)コンプライアンスに係るリスク

 当社グループは、事業を遂行するに当たっては世界各国において様々な法令規則の適用を受けているため、コンプライアンス体制の整備等、法令順守には細心の注意を払うとともに内部統制やリスク管理体制の充実・強化を図っております。しかしながら、万一法令違反行為が発生した場合や、新たな法規制の制定や改廃に対応できない事態が生じた場合、当社の事業活動が制限されることはもとより、社会的信頼が損なわれ、罰金・課徴金を課されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)自然災害等に係るリスク

 当社グループは、国内外に製造工場や研究開発施設を有しております。当社グループでは、地震や台風、洪水等の自然災害への防災対策を進め、それに伴う影響を最小限に抑えるよう、災害対応の事業継続計画(BCP)を策定し、体制の整備に努めております。しかしながら、想定をはるかに超えた大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの開発や生産設備に影響を及ぼす可能性があり、一定期間の操業の中断、被害を被った設備の修理や交換等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

a. 財政状態

 当連結会計年度における資産合計は1,926百万円増加し、121,423百万円となりました。これは、ドイツでの新工場建設等による有形固定資産の増加、カリーナシステム㈱のM&Aによる無形固定資産の増加、及び投資有価証券の評価差額金の増加による投資その他の資産が増加したこと等によります。負債合計は1,476百万円減少し26,499百万円、純資産合計は3,402百万円増加94,924百万円となり、自己資本比率は78.2%となりました。

 

b. 経営成績

 当連結会計年度の世界経済は、欧州では輸出の低迷が要因となり景気は減速しつつも、個人消費を中心に底堅さを維持しました。米国では良好な雇用環境を背景に個人消費は増加し、景気は堅調に推移しました。

 日本経済は、設備投資の拡大や雇用・所得環境の改善が続く中で、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方で、通商問題や英国のEU離脱をめぐる動向などの世界経済への影響が徐々に顕在化しており、日本経済への影響も懸念されております。

 このような環境の下、当連結会計年度における全体の売上高は、72,944百万円前期比13.2%減)となりました。

ヘルスケア市場向けでは海外での販売が好調に推移し、クリエイティブワーク市場向けでは映像制作向けのHDR対応モニターのラインナップ拡充により海外・国内ともに販売が増加しました。一方で、国内のアミューズメント市場向けの売上高が規則改正の影響を受け前期比43.7%減となったことにより、全体としては減収となりました。

 売上総利益は、前述のアミューズメント市場向けの減収により2,330百万円減少しました。売上高総利益率は、ヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&S市場向けで付加価値の高い商品の比率が高くなったことにより、32.6%と前期比で1.5ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費は、内視鏡用モニター等に係る先行的な研究開発については一巡しましたが、カリーナシステム㈱に係る費用及びのれん償却等の要因により853百万円増加しました。

 

 以上の結果、営業利益は5,370百万円前期比37.2%減)、経常利益は5,710百万円同39.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,308百万円同39.6%減)となりました。

 

 市場別の売上高の分析は、次のとおりです。

 

[B&P]

 売上高は、17,787百万円(前期比1.8%減)となりました。海外においては、最重要市場であるドイツを中心に堅調に推移しました。国内においては、当第4四半期において販売が伸張、特に27型及び32型の大型モニターの販売が伸びました。

 

[ヘルスケア]

 売上高は、30,408百万円(前期比2.1%増)となりました。海外においては、戦略市場である北米や東南アジア地域等で診断用途の販売が好調に推移しました。また、手術室向けの販売が欧州地域で伸張したことにより、海外全体では前期を上回る売上高となりました。国内においては、ヘルスケア事業の再編成にあたり、システムインテグレーション事業における収益性の低い他社商品のディストリビューション販売を中止したこと等により、当第3四半期までは前年同期を下回る状況で推移しました。当第4四半期は、前期末にM&Aを通じてグループに加えたカリーナシステム㈱の販売を含む国内の販売が好調に推移し、通期としては前期並みの売上高となりました。

 

[クリエイティブワーク]

 売上高は、5,971百万円(前期比3.9%増)となりました海外においては、欧州及び北米で販売が好調であったことにより前期を上回る売上高となりました。特に北米では4Kモニターの販売が好調に推移しました。国内においては、4K・HDR対応モニターの販売が好調に推移したことで売上高が増加しました。これに加え、2018年11月に製品ラインナップに追加した27型のHDR対応モニターも売上に寄与しました。これらの結果、クリエイティブワーク全体では前期を上回る売上高となりました。

 

 

[V&S]

 売上高は、7,419百万円(前期比5.9%減)となりました。海外においては、ATC向け及び監視向けの販売が好調に推移しました。特にATC向けでは、北米での販売が好調であったことに加え、欧州及び中国での販売が伸びました。国内においては、船舶向け等の販売は堅調に推移したものの、前期に金融システム向けモニターの大型案件があったことにより、V&S全体では前期を下回る結果となりました。

 

[アミューズメント]

 売上高は、8,583百万円(前期比43.7%減)となりました。遊技人口の減少や規則改正等により、アミューズメントの市場環境は厳しい状況が続いております。当初予定していた機種の発売が後ろ倒しになったこと、及び旧規則機の設置期限が残っているため想定以上に新規則機の導入が進まなかったことから、売上高は前期を大きく下回りました。

 

[その他]

 売上高は、2,772百万円(前期比62.0%減)となりました。主に、アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が減少したことによります。

 

c. キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ4,295百万円減少し、16,099百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動で獲得した資金は、5,348百万円前連結会計年度は4,829百万円の獲得)となりました。

 主に、収入として税金等調整前当期純利益5,710百万円、売上債権の減少額5,092百万円や減価償却費及びのれん償却費2,751百万円等、また支出として棚卸資産の増加額4,014百万円、法人税等の支払額2,545百万円、仕入債務の減少額682百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動で使用した資金は、8,713百万円前連結会計年度は6,567百万円の使用)となりました。これは、固定資産の取得による支出3,840百万円があり、主にドイツの子会社2社における新工場及び開発・管理棟建設及び建物用地取得のための支出によります。これに加え、投資有価証券の取得への支出4,155百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動で使用した資金は、796百万円前連結会計年度は2,772百万円の使用)となります。これは主に、ドイツ新工場建設資金として外部からの借入れによる収入1,284百万円及び配当金の支出額が2,025百万円あったことによるものです。

 

②生産、受注及び販売の実績

 

 当社グループは、映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売が主であり、実質的に単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。以下は、品目別の状況を記載しております。

 

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりです。

市場

金額(百万円)

前期比(%)

映像機器(アミューズメント除く)

57,518

108.0

アミューズメント

7,662

62.5

合計

65,181

99.5

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績及び受注残高は、次のとおりです。なお、映像機器及びその他の一部製品は見込生産を行っております。

品目

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

アミューズメント

9,630

77.4

1,308

608.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりです。

市場

金額(百万円)

前期比(%)

B&P (Business & Plus)

17,787

98.2

ヘルスケア

30,408

102.1

クリエイティブワーク

5,971

103.9

V&S (Vertical & Specific)

7,419

94.1

アミューズメント

8,583

56.3

その他

2,772

38.0

合計

72,944

86.8

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月 1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月 1日

至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社ジェイ・ティ

21,019

25.0

9,760

13.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示、並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。このため、会計上の見積りはその性質上不確実であり、実際の結果と異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 当社グループ当連結会計年度の経営成績等について

当連結会計年度の売上高は、前期比13.2%減の72,944百万円、営業利益は同37.2%減の5,370百万円、経常利益は同39.9%減の5,710百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同39.6%減の4,308百万円となりました。

 

 詳細につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 b.経営成績」に記載のとおりです。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、生産能力の増強や生産性の向上、生産・物流の整備、研究開発拠点への投資を計画しております。また、ヘルスケア市場やV&S市場向けでの長期安定供給に応えるための在庫資金や、新しい分野への先行的な研究開発資金等、事業を成長・拡大させるための資金需要があるほか、必要に応じてM&A等を行う可能性もあります。

 当該資金は、営業活動で生み出された内部資金で賄うこととしておりますが、資金需要の大きさや時期、為替相場の状況によっては、自己資金以外の資金調達の方法を検討する場合もあります。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

 当社グループは、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画を遂行しており、最終年度の連結売上高目標97,000百万円、連結営業利益目標11,000百万円、連結営業利益率10%以上を目指しております。

 

 当連結会計年度は中期経営計画の初年度にあたり、目標数値を連結売上高84,000百万円、連結営業利益8,100百万円、連結営業利益率9.6%としておりましたが、当連結会計年度においては、いずれも目標値より下回る結果となりました。

 売上高につきましては、国内ではヘルスケア事業の再編成にあたり、システムインテグレーション事業における収益性の低い他社商品のディストリビューション販売を中止したこと等から減収となりました。また、アミューズメント市場向けについては規則改正の影響を受け、新規則機の導入が想定以上に進まなかったことから減収となり、連結売上高は72,944百万円前期比13.2%減)となりました。一方で中期経営計画において成長分野と位置付けるヘルスケア、クリエイティブワーク、V&Sの各市場向けについては海外を中心に堅調に推移しております。

 利益面につきましては、ヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&S市場向けで付加価値の高い商品の比率が高くなったことが増益要因となった一方で、アミューズメント市場における販売が減少したことにより、連結営業利益5,370百万円前期比37.2%減)連結営業利益率は7.4%となりました。

 

 今後につきましても、「撮影」「記録」「配信」「表示」を包括したトータルソリューションでヘルスケア、クリエイティブワーク、V&Sの事業領域を更に拡大し新市場を創出することで、第6次中期経営計画における最終年度の連結売上高目標97,000百万円、連結営業利益目標11,000百万円、連結営業利益率10%以上の達成を目指してまいります。

 本計画遂行のための具体的な取組みとして、当社はM&Aを通じて2018年3月にグループに加えたカリーナシステム㈱との間で開発・営業・生産等におけるシナジー効果を実現させることで、事業の展開を加速しております。これにより、低侵襲治療の拡大にともなって進化を続ける手術室向けに一貫した映像環境の提供が可能となりました。

 加えて、ヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&Sの事業領域拡大を目的とした設備投資を積極的に行なっております。

 ヘルスケア市場向け、ATC向け及び産業用途向けの製品を開発・製造するドイツ子会社2社では、賃借物件である現在の開発・製造拠点から新たに取得した開発・工場棟に移転することで、これらの事業を一層拡大してまいります。

 また映像機器及び電子回路基板を製造するEIZOエムエス㈱については、ヘルスケア及びV&S市場向け等の生産増に対応するために、新工場棟を建設します(2020年完成予定)。これにより、生産能力の増強、生産ラインの省人化及び効率化を実現します。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 

 開発体制としましては、日本、ドイツ、米国及び中国に有する開発拠点各々が企画・製造・販売部門と連携しており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに投入できる体制を構築しております。

 

 当連結会計年度の主な研究開発活動は、次の通りです。

 ヘルスケア市場向けにおいては、5メガピクセル・モノクロモニター「RadiForce GX560」及び3メガピクセル・カラーモニター「RadiForce RX360」を開発しました。画像の関心領域をハイライト表示することで読影しやすくする「Point-and-Focus(ポイント・アンド・フォーカス)」や、1組のモニター・キーボード・マウスで2台のPCを自在に操作できる「Switch-and-Go(スイッチ・アンド・ゴー)」機能などを新たに搭載しました。

 またEIZOモニターの表示精度を管理・補正するソフトウェア「RadiCS」と、複数のEIZOモニターをネットワーク経由で一元管理するソフトウェア「RadiNET Pro」のメジャーバージョンアップを行ないました。これにより、直感的で分かりやすい操作が可能となるため、モニターの点検及び補正にかかる時間を従来バージョンと比較して、44%の短縮を実現しました(当社測定値)。

 

 次に手術・内視鏡用モニターとして、27型FHDの「CuratOR EX2721」、32型4K UHD解像度かつ高輝度の「CuratOR EX3241」、及び当社としては初となる高解像度4K UHD表示を立体視できる4K/3Dモデル「CuratOR EX3141-3D」を開発しました。「CuratOR EX3141-3D」においては、発光効率の優れたLEDバックライト搭載パネルを採用することで3Dモニターとして高輝度450cd/m2を実現し、加えてオプティカルボンディング加工を施すことで、目障りとなる画面の映り込みを和らげることが可能となりました。また、UHDモデルについては毎秒60フレームの4K映像の伝送がケーブル1本で可能となる12G-SDI端子を搭載しています。

 また開腹・開胸手術における手術部位を撮影する、4K/60p術野カメラシステム「MEC-7000-UHD」を開発しました。従来機種がフレーム周波数29.97Hz(ヘルツ)であったのに対し、60Hz対応に対応し自然でなめらかに撮影することが可能となりました。加えて、光学30倍ズームレンズを内蔵することで、目的のエリアをよりスムーズに拡大し、鮮明な撮影が可能となっています。

 

 クリエイティブワーク市場向けにおいては、27型「ColorEdge CG279X」を開発しました。このモデルでは、新機能として映像制作用のHDR表示に対応しました。更に、AIを活用した表示安定化機能を搭載することにより、正確な表示を維持することが可能となりました。

 

 V&S市場向けにおいては、鉄道ホームにおける監視用途向けとして、アナログハイビジョン規格のAHDに対応、1300cd/m2の高輝度表示が可能な広視野角IPSパネルを搭載した21.5型FHD「DuraVision FDF2123W」を開発しました。

 

 当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は、内視鏡用モニター等に係る先行的な研究開発については一巡しましたが、カリーナシステム㈱に係る費用により、前連結会計年度と比べ24百万円増加し、5,932百万円となりました。