文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「開発創造型企業」として、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めて頂ける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とした世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い製品をもとに、市場や顧客のニーズに応じた最適な製品及びシステムソリューションを提案する「Visual Technology Company」としての展開を進めております。
(2)経営戦略
当社は、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画「Synergy Transformation ~成長エンジンの創出~」を策定し、推進しております。「撮影」「記録」「配信」「表示」を包括した「Imaging Chain Innovation」によるトータルソリューションで、ヘルスケア、クリエイティブワーク、V&Sの事業領域の一層の拡大及び新市場の創出を目指しております。
(3)経営環境
当社の属する電子機器業界は、絶え間ない技術の進化、液晶パネルに代表される電子デバイス業界の変容等、激しく変化しております。その環境下において、社会や経済の情報化に伴いソリューションビジネスが拡大するとともに、新たな価値創造に向けた取組みが進展しております。
そうした中、当社はB&P(Business & Plus)で培った要素技術・品質・ノウハウを核に、ヘルスケア等の特定市場に深く根差した製品を開発し、相互にシナジーを生む事業を展開し、強いビジネスモデルを構築してきました。
当社が認識する各市場の経営環境は次のとおりです。
B&P(Business & Plus)
ビジネス用途では作業効率の向上を図るための表示画面の大型化が進んでおります。また、国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)に強く関心を持つ公共法人・一般法人において、環境に配慮した製品への需要が高まると見込んでおります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、テレワークへの移行によるモニター需要が一時的に高まりました。今後、人々の働き方が変化することで、ユーザーのニーズが変容していく可能性があります。
ヘルスケア
診断用途については、欧州・米国・日本といった先進国では読影環境の改善を目的とした高解像度モニターの需要が高まることに加え、中国や新興国では人口増加による医療需要に応じた医療機関の増設により、診断用モニターの需要が伸びる見込みです。また、欧米での導入が進んできた遠隔診断向けには、新型コロナウイルス感染症の拡大によりモニターの需要が見込まれます。
内視鏡及び手術室用途については、低侵襲手術などの先端医療への需要が高まっており、高解像度手術用モニターや術野カメラ、映像記録・配信システムなどの映像関連機器の需要が高まる見込みです。新興国においても人口増加による医療需要増を背景に、新規設備の導入が拡大する見込みです。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、医療施設への入場が制限される事象、あるいは設備導入が延期になる事象が国内外で発生しており、そうした状況の改善には時間を要する可能性があります。
クリエイティブワーク
静止画分野については、4Kの撮影環境の導入が進んだことにより、編集用のモニターへの需要が高まっております。動画分野については、4K・HDR制作環境の導入が徐々に浸透しており、特に映画制作や動画配信サービス事業における需要が高まっております。ただし、静止画・動画の両分野ともに、新型コロナウイルス感染症の拡大により、足元は需要が停滞する可能性があります。
V&S(Vertical & Specific)
様々な環境下で使用可能なモニター等を提供しており、多種多様な業種・分野を対象とし、幅広い分野での需要を見込みます。ATC向けについては、米国での販売が伸張し、全世界における市場シェアNo.1(※2020年4月時点。当社調べ)を達成し、当社のポジションが高まりました。米国のみならず全世界の更新需要に加え、空港新設による需要や付加価値の高い高解像度モニターの需要についても高まることが見込まれます。監視向けについては、全世界でセキュリティ意識の高まりを背景に市場の拡大が続いております。
一般的にV&S市場向けは、ユーザーにおける長期計画に基づいた導入が行われる案件が多く、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は他の市場向けより比較的小さいと予想しております。
アミューズメント
遊技人口の減少や規則改正等により、アミューズメントの市場は年々縮小しております。2018年2月に施行された遊技機についての規則改正により、当期は遊技機の旧規則機から新規則機への入替えが進み始めました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、旧規則機設置の経過措置期間は最大2021年1月末迄であったところ、本規則の改正により特定機種を除いて1年間延長となりました。この延長措置を受けた業界団体の取扱要領により、旧規則機の多くは2021年11月末迄に撤去され、新規則機への入替えもその期間に沿うこととなります。
(4)優先的に対処すべき事業上の課題
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により当社グループを取り巻く経済環境の悪化が見込まれます。当社グループでは事業活動への影響が最小限となるよう対応を進めております。調達・生産面ではサプライチェーンが厳しい状況にある中、安定した資材調達に努め、かつ国内外の全ての工場の稼働を継続しております(2020年6月11日現在)。
販売面では各市場向け製品において販売時期の延期が予想されることに加え、B&Pやクリエイティブワーク市場向けを中心に消費の落ち込みが見込まれます。またアミューズメント市場向けにおいては、緊急事態宣言による営業自粛や旧規則機の設置期限の延長など、市場環境は著しく変化しております。
当社はこのような環境下においても、強い財務基盤を活かして将来の成長のための積極的な投資を継続し、「Visual Technology Company」としての展開を着実に進めてまいります。
① 将来に向けての成長エンジンの創出
・第6次中期経営計画では、将来に向けての成長エンジンの創出に取組んでおります。「撮影」「記録」「配信」「表示」を包括したトータルソリューションでヘルスケア、クリエイティブワーク及びV&Sの事業領域を一層拡大するとともに、新たな市場を創出いたします。
② 製品開発力・ソリューション提案力の強化及びビジネスモデルの進化
・当社の培った映像技術を核に、最新・最適のデバイスを用いた高性能・高品位の映像機器を開発し、圧倒的差別化を図るよう努めております。加えて国内外のグループ会社とのシナジーを最大限に発揮させ、エッジコンピューティング技術にAIや当社独自の画像処理技術を組み合わせた新しい製品とシステムの開発をハードウェアとソフトウェアの両面から行ってまいります。また、それらの組合せによって生み出す新しい映像環境ソリューションを提案することで更なる圧倒的差別化を図り、当社のビジネスモデルそのものをより一層強く進化させてまいります。
③ 安定した資材調達への取組み
・取引先と当社の間では相互繁栄を基本とした信頼関係を構築し、互いが長期に発展できるパートナーシップを築くことを方針としております。調達取引先に対しましても当社の資材調達方針に加え、市場環境や当社の取組みを共有しパートナーシップを強化しております。市場や社会環境の変化により資材調達が困難な時においても安定した取引を維持できるのはこれらの取組みによるものです。今後とも取引先との強固なパートナーシップの下、より強い信頼関係を構築し、安定した資材調達に取組んでまいります。
④ 企業体質の強化
・開発・生産・品質保証を含む全業務プロセスにおいて、AIやRPA等のITインフラの活用を推進しております。この取組みにより生産性を向上させることで、社員の充実感と会社の健全な成長を両立してまいります。
・当社は、当社のビジネスモデルに取り込むことで強いシナジーが見込まれるM&Aを実施してまいりました。今後も事業の拡大や競争力の強化、当社の持つ技術と強いシナジーを発揮するノウハウ、技術等を取得するため、必要に応じM&Aを検討いたします。
⑤ 持続可能な価値創造の推進
・自社ブランドモニターの開発・製造を開始した当初から、エルゴノミクスや環境に配慮した高品質な製品づくりに努め、これらへの要求が厳しい欧州を中心に高い評価を得てまいりました。現在においても欧米の厳しい省エネ及び環境規制にいち早く適合した製品づくりを通じて社会課題の解決に取組んでおります。また、RBA(※)に加盟し、グローバル企業としてのCSR活動を着実に進めております。今後とも持続可能な社会の実現に向けた事業活動を推進し、企業理念である「豊かな未来社会の実現」に向け取組んでまいります。
(※)RBA:Responsible Business Alliance
電子機器業界のグローバルサプライチェーンにおけるCSRに取組む企業連合。当社は2020年1月に加盟。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、当社グループの事業等にはこれら以外にも様々なリスクを伴っており、以下に記載したものがリスクのすべてではありません。
<市場および事業活動に関するリスク>
(1) 急激な市場の変化
当社グループは、先進性のある技術を積極的に開発し、多様化する市場ニーズを満足させ、常に他社の一歩先を見据えた製品づくりを進めております。これにより製品の付加価値を高め、市場における圧倒的な差別化を図っております。しかしながら、競争力のある他社製品の出現や新規企業の参入による競争の激化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 欧州における市場変動
当社グループの連結売上高に占める欧州向けの売上割合は、当連結会計年度は35.4%(前期は41.5%)となっております。そのため、欧州の景気低迷や新たな関税及びその他の輸出障壁により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、欧州の取引においては主にユーロを中心とした現地通貨建て取引を行っており、為替相場の変動の影響を直接的に受け易くなっております。為替変動リスクについては米ドル建てでの部品調達の拡大などにより間接的なリスクの軽減又は回避に努めておりますが、為替変動により取引価格や売上高等が影響を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 使用部品の調達
当社グループは、液晶パネルや半導体等すべての部品を外部供給者から調達しており、安定供給能力や事業継続計画の有無等の総合的な評価により、採用する部品や仕入先を決定しております。また、仕入先との長期的な信頼関係の構築、一定量以上の在庫の確保、部品選定において仕入先を複数にすることにより置換え可能とする等、部品の調達問題に起因する影響を最小限に抑える管理体制を構築しております。しかしながら、部品の市場需給の急な変動、調達先の事業の統合や売却等による業界再編や生産撤退、または自然災害等の影響により供給が逼迫した場合、一定期間において当社グループにおける生産の停止、販売の遅延等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 品質問題
当社グループは、品質に不具合のある製品の市場流出を確実に防止するため、製品の開発・設計から製造に至るまで当社独自の基準に基づく一貫した品質管理システムを構築し、更なる改善を進めております。また、主要な映像機器に5年間の製品保証期間を適用し、顧客満足度を高めるよう努力しております。しかしながら、当社グループの製品に品質問題が発生した場合には、ブランドの失墜、信頼性の毀損、損害賠償の発生、市場の喪失、製品販売の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保・育成
当社グループが、将来にわたって継続的に企業価値の向上を図るためには、国内外で優れた人材を確保し、育成する必要があります。そのために、人材育成が重要であると考え、進化・成長を目指す自由闊達な企業文化の醸成に力を入れております。また、AIなどの技術の導入やITインフラを活用した業務プロセスの改革を推進し、仕事の無駄や長時間労働を無くし、効率良く働く環境を整えることで、社員のモチベーションと充実感を高めるよう努めております。しかしながら、常に優秀な人材を安定的に採用・確保できる保証はなく、優秀な人材が多数離職した場合や優秀な人材の獲得や育成が計画通りに進まない場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 濫用的買収に伴う企業価値の毀損
当社グループでは、強みである映像技術を活かし、高品質かつ高信頼性の映像製品を開発、生産、販売し、市場や顧客ニーズに応じた最適な映像環境ソリュ-ションを提供しております。これらの取組みにより業績向上と財務体質の強化に努め企業価値の向上を図っております。しかしながら、当社グループの企業価値を毀損する濫用的な買収が行われた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) アミューズメント市場向けモニター固有のリスク
①法的規制による変動
当社の主力製品のひとつであるアミューズメント市場向けモニターは、遊技機に組み込まれて使用されます。この遊技機の開発・販売にあたっては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等様々な法規制・基準を遵守する必要があります。当社はこの法規制・基準の動向について注視し、改正・変更がある場合には速やかに対応しておりますが、法規制等に重大な改正がなされた場合、その影響を受ける可能性があります。
特に、2018年2月施行の規則改正に伴い、遊技機の旧規則機から新規則機への入替需要が発生することが見込まれています。この需要が発生するタイミングにより遊技機の販売等へ影響を及ぼす可能性があります。なお、本規則改正による旧規則機設置の経過措置期間は最大2021年1月末であったところ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により特定機種を除いて1年間延長となりました。この延長措置を受けた業界団体の取扱要領により、旧規則機の多くは2021年11月末までに撤去されることとなります。
②製品のライフサイクル、販売数量等の変動
アミューズメント市場向けモニターが組み込まれている遊技機の売上動向は、市場でのユーザーの嗜好及び当社の販売先遊技機メーカーである三洋物産グループの遊技機の販売、開発、製造状況により左右されます。また、近年パチンコホール数や遊技人口の減少により市場における総販売台数が縮小傾向にあります。このような中、当社グループは市場情報の収集、調査及び分析に努め、市場のニーズを取り入れた新機種の企画・開発を積極的に推進しております。しかしながら、当社のアミューズメント市場向けモニターが搭載される遊技機が人気機種になるとは限らず、また、今後さらに市場が縮小した場合には販売数量が当初の予定数量を下回り当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
<公的規制・コンプライアンス、税務に関するリスク>
(1) カントリーリスク
当社グループは、海外においても開発、製造及び販売拠点を有し、グローバルに事業の拡大を進めております。これらの国又は地域での事業活動に当たっては、政治的・社会的な混乱、紛争やテロ等の地政学的リスク、経済不安等のカントリーリスクが常に内在しております。当社グループは、当該国又は地域におけるリスクの特性を十分に把握した上で適切な拠点を選択し、有事の際の損害を最小限に抑えるべくリスクマネジメントの強化に努めております。しかしながら、上記リスクの程度によっては当社グループの事業活動が中止又は制限される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 環境規制
当社グループは、従来から製品への有害物質や紛争鉱物の使用を排除し、リサイクル性や分解容易性に優れた機構・デザインの採用や製品使用時の消費電力削減に取組む等、一貫して環境に配慮した製品づくりを経営方針としております。また、環境に関する社会動向についても、関連する業界団体に積極的に参画し、情報の収集に努めております。しかしながら、今後新しい環境規制等が施行されることにより、規制に対応する追加コストが発生する場合や適合製品の開発又は市場投入が遅れる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コンプライアンス
当社グループは、事業を遂行するに当たって世界各国において様々な法令、規則を遵守するため、EIZOグループ行動指針をグループ内に周知しております。また、社内規程の制定によるコンプライアンス体制の整備等、法令遵守には細心の注意を払うとともに内部統制やリスク管理体制の充実・強化を図っております。しかしながら、法規制が複雑化、グローバル化する中、万一法令違反行為が発生した場合や、新たな法規制の制定や改廃に対応できない事態が生じた場合、当社グループの事業活動の制限、社会的信頼の毀損、罰金・課徴金の賦課により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報セキュリティ
当社グループは、事業活動を通じて、機密情報や個人情報を取扱っております。当社グループは、このような重要情報の外部流出防止のために、システム及びセキュリティ対策の評価及び強化、社内規程の整備による社内管理体制の強化、役員及び従業員への情報管理に対する重要性の啓蒙・教育に努めております。しかしながら、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 知的財産権
当社グループが属する映像機器関連業界は、技術革新が著しく、同業他社も含め、各社が特許権、実用新案権、商標権、意匠権等を積極的に出願しております。
当社グループは、独自の技術等について積極的に出願を行うとともに、他社の特許等の情報収集を図り、知的財産権の管理を強化しております。また、当社グループの特許権や商標権等の知的財産権に対する他社の侵害状況についても監視や警告体制を強化しております。しかしながら、予期しない特許侵害警告、訴訟、損害賠償請求、ライセンス契約等による多額の弁護士費用等の負担、和解費用、ライセンス費用の支払いが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 税務
当社グループを構成する各法人においては、各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。なお、適用される各国の移転価格税制などの国際税務リスクについて細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
<気候変動、自然災害、感染症に係るリスク>
(1) 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に対して、当社グループは事業活動への影響が最小限になるよう対応を進めております。しかしながら、今後の状況、収束の時期についての見通しは立っておらず、長期にわたり影響を及ぼす可能性があります。調達面においては、中国や東南アジア地域を中心としたサプライチェーンの混乱により当社グループへの部品供給に影響を及ぼす可能性があります。また、販売面においては、顧客における設備投資の後ろ倒しによる需要の落ち込みと、当社製品の販売時期の延期、顧客訪問の制約に伴う新規顧客・案件開拓の遅れにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 自然災害、新たな感染症等
当社グループは、国内外に製造工場や研究開発施設を有しております。そのため、地震や台風、洪水等の自然災害や感染症の流行への防災・防疫対策を進め、それらに伴う影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)を策定し、体制の整備に努めております。しかしながら、近年の気候変動により、自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。不測の大規模な自然災害や新たな感染症が発生した場合には、当社グループの開発や生産設備、資材調達、物流等事業に重大な影響を及ぼす可能性があり、一定期間の操業の中断、被害を被った設備の修理や交換等の損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度における資産合計は3,860百万円増加し、125,284百万円となりました。これは、ドイツの子会社の新開発・工場棟及びイギリスの販売子会社の新社屋の取得、国内の生産ラインの増強及び生産設備の更新等による有形固定資産の増加、顧客への当社製品の長期安定供給のために戦略的に材料を手厚く保有したことによる棚卸資産の増加等によります。負債合計は2,805百万円増加し29,305百万円、純資産合計は1,055百万円増加し95,979百万円となり、自己資本比率は76.6%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の世界経済は、第3四半期までは、欧州、米国、日本いずれも景気は回復基調にありましたが、年明け以降、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、感染拡大防止のため各国では行動が制限され、経済活動の停滞が深刻化しております。その影響により、今後の景気は大きく下振れする懸念があります。
当連結会計年度における全体の売上高は、76,480百万円(前期比4.8%増)となりました。
ヘルスケア市場において診断用途向けの販売が堅調に推移したことや、V&S市場においてATC向けを中心に販売が伸びたことによります。特にATC市場においては北米を中心に販売が増加したことにより、市場シェアは世界No.1となりました。当第4四半期においては新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、B&P及びヘルスケア市場においてテレワークや遠隔診断用途の需要が増加したことも寄与しました。一方、アミューズメント市場は遊技人口の減少や規則改正の影響により縮小傾向にあります。前期においては当社の売上高が過去最高であった2006年度に比べ80%以上落ち込み、上場来で最低となりました。当期は新規則機の導入が進み始めたことにより、前期と比較して販売は持ち直したものの、依然として低い販売水準となっております。
売上総利益は、ユーロ安による影響を受けながらも、付加価値の高いヘルスケアやV&S市場向けの販売が堅調に推移したことで25,515百万円(前期比7.4%増)となり、売上総利益率は33.4%と前期比で0.8ポイント上昇しました。販売費及び一般管理費は、経常的な費用を適切にコントロールする中、研究開発投資やITシステム基盤の更新に係る費用が増加したことで、19,073百万円(前期比3.7%増)となりました。
この結果、営業利益は6,441百万円(前期比19.9%増)、経常利益は6,597百万円(同15.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,671百万円(同8.4%増)となりました。
市場別の売上高の分析は、次のとおりです。
[B&P]
売上高は16,409百万円(前期比7.7%減)となりました。
海外ではユーロ安の影響を受けたことにより、売上高は前期を下回りました。一方、当第4四半期においては外出制限によるテレワークへの移行が進み、モニターの需要が一時的に高まりました。国内ではWindows10への入替需要等により、売上高は前期を上回りました。
[ヘルスケア]
売上高は29,390百万円(前期比3.4%減)となりました。
診断用途向けにおいて、海外では北米や中東及びアジア地域での販売が堅調に推移しました。特に当第4四半期においては新型コロナウイルス感染症の拡大により、遠隔診断用途の需要が高まりました。また国内では年間を通しての設備投資の需要が高く、堅調に推移しました。
内視鏡用途向けにおいては、市場の在庫の調整もあり一時的に需要が落ち込んだことで、売上高は前期を下回りました。
手術室用途向けにおいては国内における映像記録・配信システムソリューションの販売が堅調に推移しました。
一方で、前期の第3四半期より国内向けの他社製商品のディストリビューション販売を中止した影響により、ヘルスケア全体の売上高は前期を下回りました。当該影響を除いた場合、ヘルスケア全体の売上高は前期に比べ増加しており、当市場における成長を維持しております。
[クリエイティブワーク]
売上高は、5,345百万円(前期比10.5%減)となりました。
海外においては欧州での販売が振るわず、前期を下回りました。国内においては映像制作向けのHDR対応モニターやエントリーモデルの新機種の販売により堅調に推移しました。
[V&S]
売上高は、10,403百万円(前期比40.2%増)となりました。
海外においては北米でのATCモニターの販売が大きく伸びました。なお、ATC市場における市場シェアは世界No.1となりました。国内においては顧客の多様なニーズに対応したカスタマイズ製品の販売が増加しました。
[アミューズメント]
売上高は、9,607百万円(前期比11.9%増)となりました。
遊技人口の減少や規則改正の影響により市場は縮小傾向にあります。前期においては当社の売上高が過去最高であった2006年度に比べ80%以上落ち込み、上場来で最低となりました。当期は新規則機の導入が進み始めたことにより、前期と比較して販売は持ち直したものの、依然として低い販売水準となっております。
[その他]
売上高は、5,324百万円(前期比92.0%増)となりました。
主に、アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が増加したことによります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,842百万円増加し、17,942百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で獲得した資金は、8,157百万円(前連結会計年度は5,348百万円の獲得)となりました。
主に、収入として税金等調整前当期純利益6,443百万円、減価償却費及びのれん償却費2,986百万円及び仕入債務の増加1,771百万円等、また支出として棚卸資産の増加1,310百万円、売掛債権の増加1,511百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、3,717百万円(前連結会計年度は8,713百万円の使用)となりました。これは固定資産の取得により4,041百万円の支出があり、主に海外子会社でドイツの新開発・工場棟及びイギリスの新社屋を取得したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は、2,433百万円(前連結会計年度は796百万円の使用)となります。これは主に、配当金の支出2,238百万円があったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売が主であり、実質的に単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。以下は、品目別の状況を記載しております。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりです。
|
市場 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
映像機器(アミューズメント除く) |
53,811 |
93.6 |
|
アミューズメント |
9,199 |
120.0 |
|
合計 |
63,010 |
96.7 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績及び受注残高は、次のとおりです。なお、映像機器及びその他の一部製品は見込生産を行っております。
|
品目 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
アミューズメント |
9,834 |
102.1 |
1,574 |
120.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりです。
|
市場 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
B&P (Business & Plus) |
16,409 |
92.3 |
|
ヘルスケア |
29,390 |
96.6 |
|
クリエイティブワーク |
5,345 |
89.5 |
|
V&S (Vertical & Specific) |
10,403 |
140.2 |
|
アミューズメント |
9,607 |
111.9 |
|
その他 |
5,324 |
192.0 |
|
合計 |
76,480 |
104.8 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ジェイ・ティ |
9,760 |
13.4 |
13,453 |
17.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ当連結会計年度の経営成績等について
当連結会計年度の売上高は、前期比4.8%増の76,480百万円、営業利益は同19.9%増の6,441百万円、経常利益は同15.5%増の6,597百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.4%増の4,671百万円となりました。
詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、2018年度を初年度とし、2020年度を最終年度とする第6次中期経営計画にて策定した事業戦略を遂行しております。最終年度である2020年度の連結業績目標は売上高97,000百万円、営業利益11,000百万円、営業利益率10%以上としております。ただし、今般の新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を合理的に算定することは困難であることから、2020年度の連結業績予想は未定としております。
当連結会計年度は中期経営計画の2年目にあたり、連結業績目標を売上高91,000百万円、営業利益9,800百万円、営業利益率10.8%としておりました。当連結会計年度の業績は、中期経営計画の前提よりもユーロ安が進んだことによる為替のマイナス影響やアミューズメントの販売時期の後ろ倒し等により目標数値を下回りました。
なお、前連結会計年度との比較においては次のとおり増収増益となりました。
売上高については、ヘルスケア市場において診断用途向けの販売が堅調に推移したことや、V&S市場においてATC向けを中心に販売が伸びたことから前期比で増収となりました。また、アミューズメント市場向けについては上場来で最低となった前連結会計年度と比較して販売は持ち直したものの、依然として低い販売水準となっております。その結果、売上高は76,480百万円(前期比4.8%増)となりました。
利益面については、ユーロ安による影響を受けながらも、付加価値の高いヘルスケアやV&S市場向けの販売が堅調に推移し、売上総利益は25,515百万円(前期比7.4%増)となりました。また、研究開発投資やITシステム基盤の更新に係る費用が増加したことにより販売費及び一般管理費が増加しました。その結果、営業利益は6,441百万円(前期比19.9%増)、営業利益率は8.4%となりました。
中長期的な成長を図るため、当社はM&Aを通じて2018年3月にグループに加えたカリーナシステム㈱との間で開発・営業・生産等におけるシナジーを深化させ、事業の展開をさらに加速しております。
設備投資については、ドイツでヘルスケア市場向けの製品を開発・製造するEIZO GmbHにおいて、当期に賃借物件から新開発・工場棟へ移転し、別々になっていた部門を集約することで品質や生産性の向上を図りました。同じくドイツでV&S市場向けの製品を開発・製造するEIZO Technologies GmbHにおいて、賃借物件から新たに取得する開発・工場棟に移転することで生産性の向上や将来の需要増に対応します(2020年6月移転予定)。国内では、映像機器及び電子回路基板を製造するEIZOエムエス㈱において、ヘルスケア及びV&S市場向け等の生産増に対応するために、新工場棟を建設します(2021年1月完成予定)。これらの設備投資により、生産能力の増強や生産性の向上を図り、事業の一層の拡大を目指します。
また、ビジネスモデルの進化を企図し、エッジコンピューティング技術にAIや当社独自の画像処理技術を組み合わせた新しい製品とシステムの開発をハードウェアとソフトウェアの両面から行ってまいります。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大、またその収束には時間を要するとみられることから、当社グループを取り巻く経済環境は今後も不透明な状況が続くと見込まれます。当社は、このような環境下でも強い財務基盤を活かして将来の成長のために積極的な投資を継続し、「Visual Technology Company」としての展開を着実に進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
財務戦略の基本方針
当社グループは、変化の激しい電子機器業界において強固な財務基盤を堅持し、企業価値向上のために戦略的かつ機動的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、イベントリスクへの十分な備えを持ちつつ、長期にわたり持続的な成長を図るため、必要な資金を確保することが重要と考えております。
具体的な資金需要は、次のとおりです。
(事業の成長・競争力向上)
・開発創造型企業として、新たな価値を絶えず追求するための研究開発資金
・100%自社生産による優位性をさらに高めるべく、生産性の向上や生産能力の増強に係る設備投資資金
・世界90か国以上にて、顧客の要望にタイムリーな供給を可能にするための製品や材料の在庫資金
・ビジネスモデルをより強くするための戦略的なM&Aを実施する資金
(事業の安定)
・部品の調達リスクを吸収し、顧客への長期安定供給を実現するための資材調達・在庫資金
・経済環境の急激な変化や自然災害等により一時的な操業停止を余儀なくされるような場合の運転資金
以上の手許資金を確保し将来の見通しを立てた上で株主還元を行います。株主還元は、会社の成長に応じて安定的に株主配当を行うことを基本方針としており、その還元率は連結当期純利益40~50%を目標水準としております。具体的な配当政策については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載のとおりです。
資金調達の方法
当社グループは、事業活動の維持及び拡大に必要な資金について、基本的には営業活動で生み出された内部資金で賄うこととしておりますが、資金需要の大きさや時期、為替相場の状況に応じ、自己資金以外での資金調達を実施しております。調達方法のひとつとして、為替の変動リスクを軽減するために外貨建て借入金を利用してリスクヘッジをしております。また、資金調達の状況によっては、必要な資金を確保するために投資有価証券の売却を検討いたします。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示、並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。このため、会計上の見積りはその性質上不確実であり、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの経営成績等に対して重要な影響を及ぼす会計上の見積り及び判断が必要となる項目は次のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は当連結会計年度末時点において軽微であると判断の上、これらの見積りに反映しております。
売上債権の貸倒引当金
当社グループは、売上債権の貸倒損失に備え回収不能となる可能性のある金額を合理的に見積り、その額を貸倒引当金として計上しております。将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
たな卸資産の評価減
当社グループは、たな卸資産の市場需要に基づく将来の販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、たな卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における需要又は時価が当社の見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。
有形固定資産及び無形固定資産の減損
当社グループは減損会計を適用しており、当連結会計年度末時点で減損損失を認識する有形固定資産及び無形固定資産は存在しておりません。当社グループでは、固定資産の種類別、所在地別又は目的別に、物理的及び経済的な価値並びに耐用年数を見積り、償却手続きを実施するとともに、必要に応じて有姿除却等の措置をとっております。また、当該資産の除却に関して法令又は契約にて要求される法律上の義務及びそれに準じるものを資産除去債務として見積り、負債として認識しております。しかしながら、固定資産の価値、耐用年数の見積り、その評価又は除却に係る算定等で使用した前提条件と大きく異なる状況が生じた場合には、償却や損失の追加が必要となる可能性があります。
また、のれんについては、買収した事業の超過収益力に応じて評価し、10年以内に償却しております。重要性のないのれんについては取得時に一括して償却しております。当初見込んだ回収期間の中途において、買収事業の収益力が低下した場合、買収事業を撤退する場合、あるいは適正価値より低い価額での売却を行った場合には、臨時の損失が発生する可能性があります。
投資有価証券の減損
当社グループは、取引金融機関、販売又は仕入に係る取引先等の株式を保有しております。これらの株式のうち、上場株式では株式市場の価格変動リスクを負っているため、連結決算日の時価が取得価額から50%以上下落した場合には減損損失を認識いたします。また、連結決算日の時価が取得価額から30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性の判定を合理的な基準に基づき行い、回復する見込みがあると判断したものを除き、減損損失を認識いたします。非上場株式では投資先の純資産額における当社持分額が取得価額より50%以上下落した場合には、減損損失を認識いたします。そのため、保有株式の時価評価額が下落した場合は、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少する場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
また、繰延税金資産は当連結会計年度末における法定実効税率に基づき計上しておりますが、将来において税制改正により税率が変更された場合には繰延税金資産の残高が減少し、それに伴い税金費用が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
開発体制としましては、日本、ドイツ、米国及び中国に有する開発拠点各々が企画・製造・販売部門と連携しており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに投入できる体制を構築しております。
当連結会計年度の主な研究開発活動は、次のとおりです。
ヘルスケア市場向けにおいては、当社医用画像表示モニターとして最も高い解像度である12メガピクセル(横4,200×縦2,800ピクセル)のカラーマルチモダリティモニター「RadiForce RX1270」を開発しました。従来の当社医用画像表示モニターとして最高解像度であった8メガピクセルと比較して解像度は約1.3倍となり、より多種多量の医用画像を一度に表示することが可能となりました。また、照度の低い部屋で行われることが多い読影作業をサポートするために間接照明を本体に内蔵し、さらに手元照明を付属する新しいデザインを採用しました。他にも作業の効率化を支援する当社独自の機能を搭載しました。
クリエイティブワーク市場向けにおいては、「ColorEdge PROMINENCE CG3145-BS」の後継機種として、HDRリファレンスモニターでは世界で初めて(※2020年2月時点、当社調べ)キャリブレーションセンサーを筐体に内蔵した「ColorEdge PROMINENCE CG3146」を開発しました。高速伝送フォーマットであるSDI信号の12G/6G/3G-SDI入出力に対応し、同出力端子を備えた撮影カメラと直接接続できるなど、映像制作者の使いやすさに配慮した機能の拡充を行いました。
V&S市場向けにおいては、IPカメラにLANケーブル・ハブを介して直接接続し、ライブ映像を表示しながら簡単に操作できる機能を備えたIPモニターの新機種として、27型「DuraVision FDF2711W-IP」、BOXタイプのIPデコーディングボックス「DuraVision DX0211-IP」を開発しました。4K映像信号入出力・マルチモニター表示への対応といった性能向上に加え、BOXタイプにおいてはIPモニターの機能を箱型の形状に集約し、ユーザーの使用場所や用途に合わせて、接続するモニターのサイズを自由に選択することが可能となっております。また、IPカメラの映像を管理するシステムであるVMS(ビデオマネジメント・システム)との連携を深めるため、セキュリティ市場を牽引するメーカーと協力してプラグインソフトウェアの開発を行い、VMS連携を実現しております。
他にも、当社ブランド初となる有機ELパネル(OLED)を採用した21.6型モニター「FORIS NOVA」を開発しました。黒の表現力に優れるOLEDの採用、リアルな映像表示が可能なHDRへの対応といった表示性能に加え、アルミダイカストを用いた高精度な造形で、プライベートな空間になじむ質感ある筐体デザインをコンパクトなサイズで実現しております。
当連結会計年度の研究開発活動に要した費用は、各市場向けに投入する機種開発への投資が増えたことから、前連結会計年度と比べ61百万円増加し、