当中間連結会計期間において、当社グループの事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は緩やかに回復しているものの、当社の主要市場であるドイツではエネルギー価格の高止まりや人件費高騰を背景とした製造業の不振を背景に景気は低迷しています。中国においても景気は弱含んでいるため依然として先行きが不透明となっております。
当社グループは、映像技術を核とした顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提供する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い映像製品の提供、システムソリューションの提案を行っております。
2024年度を初年度とする第8次中期経営計画では、「Visual Technology Evolution ~EIZOにしかできない映像価値を~」の方針の下、ハードウェアとソフトウェアの両面からEIZOにしかできない「映像」の価値をさらに高め、持続可能な社会の実現に向けた取組みをさらに推進するとともに、事業領域の拡大を目指してまいります。
当中間連結会計期間における業績は、売上高は36,817百万円(前年同期比1.0%減)となりました。B&P
(Business & Plus)市場向けは、欧州でのIT投資の先送りやPC販売の減少の影響により引き続き低調な販売となりましたが、新規案件の獲得等もあり前年同期比では売上高は増加しました。ヘルスケア市場向けは市場における在庫調整の影響や下期以降へ販売後ろ倒しがあったことにより、欧州、北米、中国で販売が減少しました。V&S(Vertical & Specific)市場向けは航空管制用途やディフェンス用途向け等で販売が増加しました。アミューズメント市場向けは、人気機種の販売があった前年同期を下回る売上高となりました。
利益面は、前述の通り売上高が減少したため、売上総利益は11,969百万円(前年同期比2.6%減)、売上総利益率は32.5%(同0.5ポイント低下)となりました。販売費及び一般管理費は、賃上げ等による人件費の増加、研究開発活動の強化等により11,139百万円(同4.6%増)となりました。その結果、営業利益は830百万円(同49.3%減)、経常利益は前年同期に為替差益を計上した一方で当期は為替差損を計上したこと等により前年同期比で減少し1,070百万円(同66.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は709百万円(同67.1%減)となりました。
資産、負債及び純資産の状況は、前連結会計年度末と比較し、資産の部は棚卸資産が減少したことなどにより2,804百万円減少し162,015百万円、負債の部は480百万円減少し34,915百万円、純資産の部は主に剰余金の配当等により2,323百万円減少し127,100百万円となりました。
市場別の売上は次のとおりです。
[B&P(Business & Plus)]
売上高は、7,231百万円(前年同期比8.6%増)となりました。主要市場である欧州においてIT投資の先送りやPC販売の減少の影響が続いており販売の水準は依然として低いものの、新規案件の獲得等もあり欧州での売上高は前年同期を上回りました。また日本においては前年同期並みとなりました。
[ヘルスケア]
売上高は、15,481百万円(前年同期比9.4%減)となりました。日本では堅調な販売で推移しましたが、北米や欧州で設備導入の先送りや在庫調整があったことに加え、中国での景気弱含みの影響を受け販売が減少し売上高は前年同期を下回りました。
[クリエイティブワーク]
売上高は、2,554百万円(前年同期比4.6%減)となりました。米ハリウッドのストライキ終結後に投資回復の兆しがあるものの販売は低調に推移しました。
[V&S(Vertical & Specific)]
売上高は、5,749百万円(前年同期比36.9%増)となりました。航空管制用途向けは、コロナ禍の影響で後ろ倒しとなっていた需要が回復し主に中国で販売が伸張しました。船舶用途向けは、日本で新規造船向けでの需要等により販売は好調に推移しました。監視用途向けでは、IP(インターネットプロトコル)を利用した監視・セキュリティ業務を効率化するIPソリューション販売が堅調に推移しましたが、日本で前年同期にEVS(EIZO Visual Systems)での大型案件があった反動から前年同期を下回りました。ディフェンス用途向けは、北米で販売が増加しました。その他産業用途向けは、需要の回復とともに欧州、日本で販売が増加しました。
[アミューズメント]
売上高は、3,108百万円(前年同期比23.6%減)となりました。人気機種の販売があった前年同期を下回る売上高となりました。当業界を取り巻く市場環境は、遊技人口の減少と店舗数の減少等により業界全体の規模縮小が進んでおり、厳しい状況が継続しております。
[その他]
売上高は、2,693百万円(前年同期比8.2%増)となりました。アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が増加したことによるものです。
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区分 |
使用用途・場所 |
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B&P (Business & Plus) |
金融機関、公共機関、文教施設、CAD、商業施設、一般オフィス、ホームオフィス |
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ヘルスケア |
診断・検査、治療・手術、医療IT |
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クリエイティブワーク |
映像制作、3DCG、プロフォト、ハイアマチュアフォト、イラスト、デザイン、 出版・印刷 |
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V&S (Vertical & Specific) |
社会インフラや産業機器で求められる多種多様な用途 航空管制、船舶、監視、ディフェンス、その他産業用途(タッチモニター含む) |
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アミューズメント |
パチンコ・パチスロ遊技機に搭載される液晶モニター |
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その他 |
保守サービス及びソフトウェアの受託開発 |
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動で獲得した資金は5,792百万円(前年同期は1,470百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の回収が進んだことや棚卸資産が減少したことによります。投資活動で使用した資金は1,005百万円(前年同期は2,403百万円の使用)となりました。また、財務活動で使用した資金は2,291百万円(前年同期は4,927百万円の獲得)となりました。主に、配当金の支払い2,056百万円があったことによります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、3,347百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)流動性及び資金の源泉について
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、生産能力の増強や生産性の向上、新しい市場で要求される規格への対応等を目的とした設備投資を予定しております。また、ヘルスケアやV&S市場向けでの長期安定供給を実現するための在庫資金や、新しい分野への先行的な研究開発資金等、事業を成長・拡大させるための資金需要がある他、必要に応じてM&A等を行う可能性もあります。
当該資金は、基本的には営業活動で生み出された内部資金で賄うこととしておりますが、資金需要の大きさや時期、為替相場の状況に応じ、自己資金以外での資金調達を実施しております。また、資金調達の状況によっては、必要な資金を確保するために投資有価証券の売却を検討いたします。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。