第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(経営方針・経営戦略等)

当社は、次の「スローガン」、「企業理念」及び「基本戦略」のもと、商品力・品質に優れた高付加価値な商品やサービスを企画・開発し、提供し続けることを目標として経営に取り組んでおります。

スローガン:

「夢・挑戦・創造」

企業理念  :

「情報通信&エンターテインメントで人々を幸せにする」

基本戦略  :

① 目標は世界へ!

 

② ニッチでビッグを目指せ!

 

③ 挑戦こそが未来を創る!

 

④ 真の顧客第一主義!

 

⑤ 社員主導型経営!

 

 

(経営方針)

当社グループでは、「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を経営方針に掲げ、中長期的な経営戦略として、以下の3点を推進しております。

 ①  情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造

 ② エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大

 ③ グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大

具体的には、ハードウエアとソフトウエアの両方の技術を持つエンジニア集団として、お客様の信頼を得つつ、売れる商品・サービスとは何かに徹底的にこだわり、企画、開発、販売戦略をもって、新たな価値を提供し、収益に貢献するビジネス展開を図ります。また、外部からの視点、外部ノウハウを積極的に活用し、変化はチャンスと考え、失敗を恐れず、更なる成長を目指してワールドワイドで取組んでまいります。

 

(目標とする経営指標)

当社グループでは、継続的・安定的に収益を確保し事業規模の拡大を図るためにも、売上高・経常利益・キャッシュ・フローの成長性を重要な経営指標と位置付けております。

 

(経営環境及び対処すべき課題)

今後の経済情勢としましては、雇用環境の改善等により我が国経済は緩やかな回復基調にある一方、国内における深刻な人手不足、米国新政権の経済政策の変更等の影響、新興国や資源国の経済成長鈍化、英国のEU離脱問題、各国における保護主義の台頭等、不確実性が高い状況が継続しております。

このような状況のなか、当社グループは、社員主導型経営のもと、世界への更なる飛躍へ向け、グローバルな視点での事業展開を図るべく、次世代技術の開発投資を含め、新規事業・新製品・新サービスに対する研究開発を積極的に推進し、売上高及び収益の拡大を図ってまいります。

当面の対処すべき課題としては、以下の6つの課題に取組んでおります。

1) 人材の強化(育成・獲得)

高度なノウハウを有した優秀な人材をいかに育成・獲得していくかが重要と考えており、継続的な募集、教育・研修制度、人事・処遇制度の拡充により採用・定着を図るとともに、各分野で蓄積してきたノウハウを相互に指導活用することで、社員の「人財化」を推進しております。

 2) 高収益体質への改革

当社グループは、費用効率の最大化と収益構造モデルの見直しを緊急命題とし、高収益体質への改革を推進しております。具体的には、事業環境は一部の主力事業が属している市場が非常に厳しい状況であると認識しておりますが、その環境に適応した効率性を重視した事業体制を構築してまいります。また、市場が成長段階にあるモバイルデータソリューション事業については、長期的な成長持続のために投資を継続し、今後市場が大きく伸びることが予想されるM2M事業及びAR/VR等の新規事業は、差別化された製品・サービスの開発に注力することで、中長期的な高収益体質の実現を目指していきます。

 

 3) ブランドの確立

知名度・コーポレートイメージの向上に努め「サン電子グループ」のブランドを確立し、企業価値の向上を図ってまいります。

 4)  新規事業及び資本・業務提携等による事業領域の拡大・新たな顧客価値の創造

当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術・ノウハウを積極的に新規事業展開に応用し、更なる事業領域の拡大を図ります。また、それらの技術を軸として、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本提携等を積極的に行ってまいります。

現在、当社グループでは中長期の持続的な成長の実現を果たすため、新規IT関連事業として次なる主力事業と期待される事業確立に取り組んでいます。培った多様な事業分野におけるノウハウや営業網を利用しつつ、資本・業務提携等を通じたパートナー企業等からの協力を得ながら、当分野における開発期間の短縮化、マーケティング、お客様開拓を効率的に進めていき、早期の事業確立を実現することで、新たな顧客価値の創造へ取り組んでまいります。

 5) 情報資産の安全管理

当社は、平成17年5月に「プライバシーマーク」を取得しておりますが、情報資産の総合的な安全管理レベルの継続的改善を図り、当社グループの情報資産の安全性の向上に努めてまいります。

 6) インサイダー取引の再発防止

当社では、平成29年6月30日に発表しましたとおり、海外に居住する当社元契約締結者による金融商品取引法違反(インサイダー取引)が発生しました。当社では、従来から社内規程に従って役職員に対し、当社株式の売買等を厳格に管理し、金融商品取引法違反(インサイダー取引)の発生を防止する体制を整え、それを社員教育で周知するなどの取組みを行ってまいりました。しかし、そうした中で、今回の金融商品取引法違反(インサイダー取引)の発生を防ぐことが出来なかったことについて厳粛に受け止め、内部管理体制の一層の充実・強化に向けて、当社グループ一丸となって改めて再発防止に取り組んでまいります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

① 基本方針の概要

当社は、企業価値の源泉を最大限に活用し、事業の継続的かつ持続的な成長の実現を通じて、企業価値を最大化することを基本方針として経営を進めてまいりました。従って、当社は当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
 当社の株式は金融商品取引所に上場されていることから、資本市場において自由に取引されるべきものであると考えております。したがって株式の大量買付行為であっても、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の支配権の移転を伴う株式の大量買付行為の提案に応じるかどうかの判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
 しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付けの条件・方法等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。このような大量買付行為を行おうとする者に対して、必要かつ相当な対応措置を講じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えています。

② 基本方針の実現のための取組みの概要

   当社は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、多様な投資家の皆様からの投資に繋がり、結果的に上記の基本方針の実現に資すると考え、次の取組みを実施しています。
 イ.財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
  ・中長期的な経営戦略による企業価値向上への取組み

当社グループは、社会の公器として法令順守はもちろん、責任ある企業活動を行うと同時に、チャレンジ精神が薄れないよう、斬新な発想そして次代の成長の原動力を大切にし、常に新たなビジネスに挑戦する精神を持ち続けております。この「挑戦する精神」こそ、当社企業価値の源泉と考えております。
 「情報通信&エンターテインメント」分野において、「ナンバーワン戦略」と「新規事業への積極的な挑戦」により、安心や安全につながる便利な機能やたのしさなどの豊かな心を社会に提供することで、「企業価値の向上」を図ります。各分野で挑戦を通じ蓄積してまいりました経営資源を融合し、世界に通用する最先端技術を活用した新たな価値の創造に挑戦し続けます。
 当社グループは、「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を経営方針に掲げ、株主・取引先・従業員等すべてのステークホルダー(利害関係者)の期待に応えるべく、中長期的な経営戦略として以下の3点の取組みを推進しております。

(1) 情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造

(2) エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大

(3) グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大

・コーポレート・ガバナンスの強化に関する取組み

当社は、上場企業として、株主の皆様を始めとするステークホルダーの権利・利益を尊重し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、社会的責任を全うすることが求められております。当社は、コーポレート・ガバナンスを強化し、経営の健全性、透明性、効率性を高めることが、企業価値・株主共同の利益を向上させるために必要かつ有効な仕組みと認識し、その一環として、監査等委員会設置会社の機関設計を採用しております。
 本機関設計を採用したことにより、監査等委員会は、取締役の職務執行の監督権限と監査権限を有し、モニタリング・モデルのコーポレート・ガバナンス体制を実現しております。監査等委員会は、独立役員である社外取締役2名を含む3名で構成されており、社外、株主としての視点からも監督、監査が行われております。
 また、経営判断にあたっては、契約しております外部有識者、弁護士等の法律・会計専門家からの適宜意見を聴取しており、経営環境、事業環境の変化に合わせて経営の客観性、業務の適正、効率性の確保と向上に努めております。
 当社は、絶えず上記取組みに見直しを掛けることによりコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指してまいります。

当有価証券報告書提出日現在におけるコーポレート・ガバナンスの状況につきましては、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」の項目を参照願います。

ロ. 基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、基本方針に照らし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない株式の大量買付行為を行う者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断いただくために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令等の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 

③ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社は、上記②.イに記載した財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的な取組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
 また、上記②.ロに記載した基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについても企業価値ひいては株主共同の利益を確保する目的で、関係法令等の許容する範囲内で株主の皆様に適切に判断いただくための時間と情報の確保に努めるなどの取組みであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではありません。
 従って、上記②の取組みは基本方針に沿うものであり、当社役員の地位維持を目的とするものではありません。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下に記載しました将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載は当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 

ア.当社グループの事業について

① モバイルデータソリューション事業

・最近の動向と当社グループの対応について

当社グループは、Cellebrite社において開発・製造されるモバイルデータトランスファー機器及び関連サービスの販売を行っております。また、競争力を保つべく、新規携帯電話の対応及び新製品・新サービスの継続的な開発を行っております。しかしながら、当社グループの計画通りに事業が展開しない場合は、開発投資等負担により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

・海外市場動向の影響について

同事業における主要な顧客は米国を中心とした全世界の犯罪捜査機関等であり、同機器について更なる機能向上とワールドワイドな展開を推進し、当社グループの海外地域における業績は拡大基調にあります。今後も同事業については、販売地域の拡大など海外展開を継続する予定であることから、米国及び各国の経済環境や政治情勢の急激な悪化、為替相場の変動、予期しない法的規制や税制の変更等が生じた場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

・季節変動要因

携帯電話機器販売店向け(モバイルライフサイクル)につきましては、クリスマス商戦に備えた機器の投資需要による季節変動要因があります。また、犯罪捜査機関等向け(デジタルインテリジェンス)につきましては、犯罪捜査機関等の予算執行が下期に集中する傾向があります。上記の要因により、モバイルデータソリューション事業においては、連結子会社における第3四半期(7~9月)及び第4四半期(10~12月)に売上が集中する傾向があります。

当連結会計年度におけるモバイルデータソリューション事業の四半期会計期間別売上高は以下のとおりです。

(会計期間)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高

(対通期比率)

(千円)

(%)

2,944,327

(19.1)

3,822,579

(24.8)

3,946,268

(25.7)

4,670,305

(30.4)

15,383,481

(100.0)

 

② エンターテインメント関連事業

(法令規則の影響等について)

エンターテインメント関連事業の販売に係る製品の顧客は、パチンコ業界の遊技機メーカー及び全国のパチンコホールであります。パチンコ業界は、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」等の法令規則の規制を受けています。また、遊技機メーカーまたはパチンコホールの業界団体は、行政の指導により自主的な規制を行うことがあります。このため、法令規則の改正及び自主規制により遊技機メーカー及びパチンコホールの経営環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、エンターテインメント関連事業は、需要変動が比較的大きな傾向を有しております。当社グループでは、市場動向への適切な対応に努めるべく各種の施策を講じておりますが、これらの施策にもかかわらず当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。

・パチンコ制御基板

a) 最近の動向と当社グループの対応について

最近の市場動向としましては、遊技人口の減少や今後取り決められる「のめり込み防止策」等の影響により、パチンコホールの経営環境はより厳しく推移することが推測されます。このような状況の中、パチンコホールの新機種導入は、ゲーム性が高く集客が見込める機種に集中する傾向が高まっております。

 

当社グループでは、このような市場環境に対応すべく、パチンコ遊技機の開発及び生産面において、取引先に対する協力体制の構築に努めており、従来の取引関係、開発・販売実績等から、安定的な取引関係を有しているものと考えております。しかしながら、競合状況等によっては、現在の取引関係が今後も維持し得るかは明らかではありません。また、パチンコ遊技機の需要動向等により業績が大幅に変動する場合があります。

b) 法的規制について

当社グループの製造・販売する制御基板が組込まれるパチンコ遊技機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則第四号(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であります。そのため、機種毎に国家公安委員会の指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会(保通協)による型式試験及び各都道府県の公安委員会による型式検定を受けており、保通協の型式試験に合格した機種が販売を許可され、その後、各都道府県公安委員会による検定に適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。

今後、これらの法律、規制等に重大な変更が加えられた場合、パチンコ遊技機の開発・製造・販売のため新たな対応を余儀なくされる可能性があります。当社グループはこれらの要因に対し、適切な対応を図るよう努めておりますが、これらの対応にもかかわらず、当社グループの販売計画、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

c) 特定の取引先との取引関係について

当社グループが開発・製造するパチンコ制御基板の販売は、少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーに限定されております。なかでも、株式会社藤商事に対する販売実績比率が高く、当社グループの総販売実績に対する同社の割合は、平成26年3月期30.2%、平成27年3月期26.2%、平成28年3月期25.2%、平成29年3月期22.9%、平成30年3月期26.3%となっております。

当社グループでは、これら少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーとは、安定的な取引関係にあり、企画提案力の向上を図るなど、より一層の関係強化に努めておりますが、これら販売先の販売状況、仕入方針、他のパチンコ制御基板メーカーとの競合の状況によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

また、これら販売先が、パチンコ制御基板の開発・製造を独自に行う可能性も否定できません。

d) 需要の大幅な変動について

パチンコ遊技機は、新機種の発売当初に急激に需要が増加し、ヒット機種以外ではその後の需要は急速に減少する傾向を有しております。また機種毎の需要動向は、遊技者の嗜好の変化、遊技機メーカーの競合の状況、さらにはパチスロ遊技機に対する需要動向等により、大幅に変動する傾向を有しております。このため、当社グループが開発・製造・販売を行っているパチンコ制御基板の需要動向も、大幅に変動する傾向を有しております。

当社グループでは、このような需要動向の変化に対応できる生産体制をとっておりますが、想定していない需要が生じた場合、又は当社グループ製品への需要が想定を大幅に下回った場合などには、新たな対応を余儀なくされ、そのような場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

・ホールシステム

大手企業による店舗の大規模化やチェーン展開はあるものの、遊技人口の減少等により、パチンコホールの経営環境は厳しい状況にあります。このような状況の中、遊技者の獲得や経費削減等の必要性から、パチンコホールの情報化・ネットワーク化が進展しております。そのため、パチンコホール内の設備・システムに対する一定の投資需要はあるものの、店舗数の減少や激しい価格競争もあり、ホールシステム事業は厳しい状況で推移していくものと認識しております。

当社グループでは、ネットワーク化に対応したシステムの開発・販売、コストダウンによる低価格製品の投入等により競合企業との差別化を図っておりますが、競合企業の動向によっては新たな対応を余儀なくされる可能性があります。

また、パチンコ業界に対する行政指導等、当社グループが予想し得ない変化が発生した場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

・樹脂成形品及び金型

当社グループは、イードリーム株式会社において射出成形による樹脂成形品及び金型の製造・販売を行っております。射出成形・金型加工技術は、当社グループのパチンコ関連事業、情報通信関連事業の製品製造に不可欠であり、同社の射出成形・金型加工技術の維持向上を図り、パチンコ業界への企画提案営業を推進しております。しかしながら、主要な販売先はパチンコ遊技機メーカーでありますことから、パチンコ遊技機の需要動向等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

③ 新規IT関連事業

・M2M通信機器

a) 最近の動向と当社グループの対応について

M2M通信機器市場は、モバイル通信インフラの急速な高速・大容量化と通信料金の固定化・低価格化、またクラウド環境のインフラを利用し、あらゆる機器がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)への関心の高まりとあいまって、その規模は急速に拡大しておりますが、他業種からの新規参入も相次ぎ、M2M通信機器関連製品及び関連サービスの競争は激しさを増しております。

当社グループでは、特にM2M(マシン to マシン)市場に焦点をあて、そのニーズを的確に捉えた新製品の開発をいち早く行うことで、価格競争に巻き込まれない事業展開を図りますが、対応が遅れたり、予想し得ない新技術が普及し新たな対応を余儀なくされた場合、更には、他社との競合状況等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

b) 法的規制について

当社グループが開発・製造・販売を行っているM2M通信機器は、電気通信事業法に基づき、総務省が定める技術基準に適合することが必要であり、このため機種毎に指定試験機関(一般財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)及び一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC))による審査・認定を適宜受けております。

今後、これらの法律・規格等の改廃が行われた場合、当社グループにおいて新たな対応を余儀なくされる可能性があり、経営成績に影響を与える可能性があります。

   ・B2B向け業務支援システム

当社では、企業が効率性を高める動きの中で、その業務の効率化を高めるスマートグラスを利用した業務支援システム「AceReal」を開発しております。競合製品と表示機能やユーザビリティなどで差別化を図って開発しておりますが、開発の進捗やパートナー企業の当社製品の新たな技術に対する検証スピード、予期せぬ競合製品の登場などにより新たな対応を余儀なくされる場合などには当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

④ その他

・コンテンツ配信サービス

当社は、人気ゲームソフト「上海」、女性向け恋愛シミュレーションゲーム「俺!シリーズ」及びアドベンチャーゲーム「オズの国の歩き方」等の各シリーズを、成長しているiPhone・Android等のスマートフォン向けマーケットやソーシャルプラットフォームに対して展開を行い、モバイルコンテンツサービスを積極的に推進しております。しかしながら、当社グループの計画通りに当該事業が展開するとは限らず、そのような場合には開発投資負担等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

イ.当社グループの財政状態及び経営成績の変動について

当社グループは、連結財務諸表作成時において、在外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、米ドルやイスラエル・シェケル等の為替の変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

ウ.その他事業遂行上のリスクについて

① 新株予約権の付与について

・当社

当社は、インセンティブを目的として当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に対し新株予約権を付与しております。

平成21年7月10日に第3回新株予約権、平成24年7月13日に第4回新株予約権、平成26年8月29日に第5回新株予約権、平成27年2月5日に第6回及び第7回新株予約権並びに第1回株式報酬型新株予約権を発行し、当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に付与しております。

上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。

区 分

平成30年3月31日現在

第3回新株予約権 (平成21年7月10日発行)

194,000株

第4回新株予約権 (平成24年7月13日発行)

175,200株

第5回新株予約権 (平成26年8月29日発行)

261,000株

第6回新株予約権 (平成27年2月5日発行)

25,000株

第7回新株予約権 (平成27年2月5日発行)

20,000株

第1回株式報酬型新株予約権 (平成27年2月5日発行)

7,500株

潜在株式数合計

682,700株

 

(注) 潜在株式数合計682,700株は、平成30年3月31日現在の発行済株式総数22,575,300株の3.0%に相当しております。

 

・Cellebrite Mobile Synchronization Ltd.

当社の連結子会社であるCellebrite社は平成20年9月24日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は40,579千株)を決議し、段階的に発行及び同社従業員に付与しております。

なお、当連結会計年度において当該ストック・オプションの一部が行使されたため、平成29年12月31日現在の同社に対する当社持分は96.4%となっております。

上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。

区 分

平成29年12月31日現在

2008年ストック・オプション

12,304千株

潜在株式数合計

12,304千株

 

 (注)1 当連結会計年度において、1株を1,000株に株式分割を行ったことに伴い潜在株式数の残高は、分割後の株式数に換算して記載しております。

   2 潜在株式数合計12,304千株は、平成29年12月31日現在の発行済株式総数134,597千株の9.1%に相当しております。

3 当該発行枠の内、平成29年12月31日現在未発行のストックオプションの目的となる株式数は13,494千株であります。

 

 ② 事業投資等について

当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術・ノウハウを積極的に新規事業展開に応用し、更なる事業領域の拡大を図ります。また、それらの技術を軸として、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本提携等を積極的に行ってまいります。

しかしながら、当初想定していた相乗効果が得られない場合、また、投資金額の回収が困難である場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

③ 情報セキュリティについて

当社及び国内連結子会社は、経営に関する情報・取引先に関する情報・個人に関する情報の保護の観点から、情報システムセキュリティに関する社内規程を整備し、個人情報保護方針の策定、ITセキュリティの強化、従業員教育等を実施しております 。また、Cellebrite社は、情報セキュリティに関する国際規格「ISO27001」の認証を取得しており、同規格に基づいた情報セキュリティ管理体制を構築、継続的に運用しております。

しかしながら、過失や外部からの攻撃等により情報漏洩・改ざん等の問題が発生した場合には、損害賠償金等の費用発生、信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 知的財産権について

当社グループでは、製品・サービスの企画・開発過程で創造される発明案件につきましては、法務・知的財産部が管理を行い、顧問弁護士・弁理士と連携の上、速やかに特許申請等を行える体制を構築しております。また、特許申請を行わない方が競争優位に立てると判断した発明案件については、意図的に特許申請を行わない場合もあります。しかしながら、他社による類似製品及びサービス等の製造・販売を効果的に防止できない可能性があります。

一方、他社の知的財産権の侵害を回避するため、法務・知的財産部において事前調査を実施しておりますが、当社グループが他社の知的財産権を侵害していると司法判断され、知的財産権の使用料・損害賠償金等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 海外事業展開について

当社グループは海外への事業展開を積極的に進めておりますため、当社グループが事業展開する国・地域における政治、社会、経済状況、関連法規制等につきましては、現地の動向を随時把握し、適切に対応していくよう努めております。

しかしながら、当該国・地域における紛争・自然災害・疾病流行等の発生、社会環境の変化、関連法規制の変更等、不測の事態が発生し、計画通りの事業展開が見込めない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績

当連結会計年度の連結業績は、売上高につきましては、主力事業のモバイルデータソリューション事業とエンターテインメント関連事業の売上高が前期を上回り262億97百万円(前期比6.5%増)となりました。各利益につきましては、モバイルデータソリューション事業における販売人件費及び研究開発費の増加並びにAR等の新たな主力事業創出の取組みに関連する研究開発費の増加等により、営業損失は10億74百万円(前期は1億41百万円の利益)となりました。また、営業外収益として受取利息1億9百万円、営業外費用として持分法投資損失2億39百万円等を計上したことにより、経常損失は11億2百万円(前期は2億21百万円の損失)となりました。また、特別利益として受取補償金2億48百万円、保有していたIPアドレスの売却による権利譲渡収入1億4百万円をそれぞれ計上した一方で、特別損失として計画進捗度の低い連結子会社に係るのれん及び国内の土地等に対する減損損失7億58百万円、投資有価証券評価損1億67百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は12億93百万円(前期は5億81百万円の損失)となりました。

 

※なお、当社グループは、当連結会計年度より、報告セグメント区分を一部変更しております。また前連結会計年度との比較にあたっては、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えて行っております。

※デジタル・インテリジェンス事業は従来の裁判等の証拠に用いられるデータ抽出を基礎としたフォレンジック分野に加え、モバイルのデータ解析という分析の分野も含まれます。事業のフォーカスする範囲を拡大したため、名称を変更しております。

 

a.モバイルデータソリューション事業

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前期増減額

対前期増減率

 

百万円

百万円

百万円

売上高

14,395

15,383

988

6.9

セグメント利益

903

25

△878

△97.2

 

売上高は、モバイルライフサイクル事業が前期を下回ったものの、デジタル・インテリジェンス事業が前期を上回ったため、増収となりましたが、販売人件費や研究開発費の増加により、セグメント利益は減少となりました。

b.エンターテインメント関連事業

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前期増減額

対前期増減率

 

百万円

百万円

百万円

売上高

8,334

8,941

607

7.3

セグメント利益

652

725

73

11.2

 

遊技機メーカー向けの遊技機部品の販売が好調に推移したことにより、前期を上回り増収増益となりました。

 

c.新規IT関連事業

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前期増減額

対前期増減率

 

百万円

百万円

百万円

売上高

1,449

1,504

55

3.8

セグメント損失(△)

△573

△875

△302

 

M2M事業は自販機、監視カメラ等の産業用向けのM2M/IoT通信機器の販売が好調に推移したことにより、前期を上回り増収となり、損失額も縮小しました。

AceReal事業は産業向けの現場業務に最適化した「AceReal One」の開発及びマーケティング等の費用が増加したことにより、前期比で損失が拡大しました。
 O2Oソリューション事業は当社アプリの導入店舗数は増えたものの、「iToGo」の開発等の費用が増加したことにより、前期比で損失幅が拡大しました。

d.その他事業

 

前連結会計年度

当連結会計年度

対前期増減額

対前期増減率

 

百万円

百万円

百万円

売上高

519

467

△51

△9.9

セグメント損失(△)

△66

△51

15

 

売上高は、スマートフォン向けゲームコンテンツの販売が低調に推移し、前期を下回りましたが、セグメント損失は縮小しました。

 

(財政状態) 

 

資 産

負 債

純資産

自己資本比率

平成30年3月期

25,857

13,708

12,149

42.3%

平成29年3月期

27,316

12,513

14,802

49.8%

増 減

△1,458

1,194

△2,653

 △7.5ポイント

 

(資産の部)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ14億58百万円減少し258億57百万円(前期比5.3%減)となりました。

流動資産は、6億88百万円減少し206億91百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9億90百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、7億70百万円減少し51億65百万円となりました。これは主に、のれんが5億82百万円減少したことによるものであります。

(負債の部)

負債は、11億94百万円増加し137億8百万円(前期比9.5%増)となりました。

流動負債は、14億30百万円増加し134億47百万円となりました。これは主に、前受収益が12億67百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、2億35百万円減少し2億60万円となりました。これは主に繰延税金負債が1億61百万円減少したことによるものであります。

(純資産の部)

純資産は、前連結会計年度末に比べ26億53百万円減少し121億49百万円(前期比17.9%減)となりました。これは主に、利益剰余金が20億27百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ7.5ポイント減少し42.3%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により15億10百万円、投資活動により1億26百万円増加したことに対し、財務活動により14億87百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ10百万円減少し90億47百万円となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります

  <営業活動によるキャッシュ・フロー>

  営業活動の結果獲得した資金は、15億10百万円(前期は24億64百万円の獲得)となりました。

  これは主に、その他の負債の増加が15億82百万円であったことによるものであります。

   <投資活動によるキャッシュ・フロー>

  投資活動の結果獲得した資金は、1億26百万円(前期は6億61百万円の使用)となりました。

これは主に、定期預金の純減少額が8億55百万円、有形固定資産の取得による支出が7億36百万円であったことに よるものであります。

  <財務活動によるキャッシュ・フロー>

  財務活動の結果使用した資金は、14億87百万円(前期は5億21百万円の使用)となりました。

これは主に、配当金の支払額が4億49百万円、子会社の自己株式の取得による支出が9億41百万円であったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

モバイルデータソリューション事業

15,306,734

106.3

エンターテインメント関連事業

6,148,347

99.2

合計

21,455,082

104.2

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当社グループは、エンターテインメント関連事業の一部において受注生産を行っております。当連結会計年度における受注状況を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

エンターテインメント関連事業

7,279,526

90.2

1,031,297

44.8

 

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

モバイルデータソリューション事業

15,383,481

106.9

エンターテインメント関連事業

8,941,494

107.3

新規IT関連事業

1,504,895

103.8

その他

467,714

90.1

合計

26,297,585

106.5

 

(注) 1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社藤商事

5,661,674

22.9

6,909,449

26.3

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積り及び予測を必要とします。経営者は、これらの見積りや予測について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載の通りです。

 

  ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

モバイルデータソリューション事業のうち、犯罪捜査機関等向け(デジタル・インテリジェンス事業)が属するデジタルフォレンジック市場につきましては、各国行政機関の安全保障に対する意識の高まり、デジタル化の進展及び犯罪捜査手法の進化等に伴い、需要の形を変えながら、引き続き成長が見込める市場環境にあります。
 また、携帯端末販売店向け(モバイルライフサイクル事業)が属するモバイルデバイスライフサイクル市場につきましては、携帯端末販売店の役割は多様化・複雑化しており、顧客に対する広範なコミュニケーションが求められています。さらに、MVNO等の登場により通信事業者間の競争環境も変化しており、携帯端末販売店の顧客満足度を高める動きが継続している市場環境にあります。

このような変化の激しい市場環境に対応するため、引き続き製品・サービスへの販促・研究開発等の成長投資を推進しているため、収益を圧迫する傾向にあります。

次に、エンターテインメント関連事業が属するパチンコ市場につきましては、平成29年9月4日に公布された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」(施行期日 平成30年2月1日)への対応等の影響から、パチンコホールの遊技機の入替減少、新規出店や店舗改装等の設備投資を先送りする傾向等が継続し、将来的な不透明感が増大しております。

上記のように、当社の主力事業の市場環境が厳しい状況にある中、当社グループの更なる成長を図るため、IoT、AR等の最新技術やビッグデータ等を活用していく社会的な流れを汲み、M2M/IoT市場及びAR/VR関連市場において、新たな主力事業の構築に取り組んでおります。

M2M/IoT市場につきましては、モノを繋げるという需要は増加し、多くの企業が当該市場に参入しており、市場は拡大しつつも、競争環境は厳しさを増しております。

 

AR関連市場につきましては、現在の市場は初期の成長段階と考えておりますが、各社スマートフォンの次の有力なデバイスとその中心となる機能として位置づけ、活発な研究開発が行われ、徐々に製品が発売されております。

飲食店向けO2Oソリューション事業につきましては、飲食店の人手不足や人々のライフスタイルの変化による中食市場の伸び、スマートフォンの普及を背景に各飲食店のO2Oアプリの利用が伸びつつあります。

各市場における具体的な取組みは下記の通り、進めております。

[M2M/IoT]

 ・ペルーにおけるサトウキビ畑の水がめやポンプ等の灌漑設備等をIoT化し実証実験を行っております。

 ・センサーデバイス「おくだけセンサー」を開発し、より簡単にIoT化を実現するデバイスの提供を始めます。

[AR]

 ・平成29年7月に、藤田保健衛生大学とARスマートグラス「AceReal One」を用いた実際の教育現場での環境を模した実証テストを行いながら、医学教育現場に貢献できるソリューションの開発を進めております。

 ・「Health2.0 Asia – Japan 2017」、「ウェアラブルEXPO」などに出展し、多くのお客様に「AceReal One」をご体験いただいております。多様なお客様の声から新たなニーズを発掘し、新たなソリューション開発に努めております。

[O2O]

 ・スマートフォン向けのO2Oアプリを開発しており、「どんどん庵」アプリを平成30年1月9日にリリース、テイクアウト予約決済等の新機能を追加した公式アプリ「小僧寿し」を平成30年2月22日にリリースしました。今後も、飲食チェーン店を中心に販促活動をしていきます。

[VR]

 ・PlayStationVR向けに開発しているゲームコンテンツ「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」が、“PlayStationVR”ラインナップ紹介トレーラーに採用され、東京ゲームショウにおいてSONYブースにて映像出展されるなど、発売に向けた開発及び販促活動をしております。

 ・ソニー・インタラクティブエンタテインメントヨーロッパ(SIEE)とパートナー契約を締結しました。これにより「DARK ECLIPSE」は、SIEEの2nd Partyタイトルとして欧州圏のマーケティング、ローカライズ、プロモーション、販売をSIEEが行います。

 

当連結会計年度の経営成績について、中長期的な企業価値向上の実現のため、現在は、情報通信関連分野における売上高の増加を重視しております。

情報通信関連分野のうち、主力のモバイルデータソリューション事業は、世界的な安全保障関連予算の増加に伴って犯罪捜査機関向けの製品・サービスの販売が好調に推移し、売上高は153億83百万円となり、前期比で6.9%の増収となりました。

この結果、新規IT関連事業、その他事業を合計し、情報通信関連分野合計は173億56百万円となり、前期比で6.1%の増収となりました。

加えてエンターテインメント関連事業は規則改正等の駆け込み需要などもあり売上高は89億41百万円となり、前期比で7.3%の増収となり、全体としても売上高は262億97百万円となり、前期比で6.5%の増収となりました。

今後は事業環境を考慮しつつ、犯罪捜査機関向けの販売を中心に、新規IT関連の販売・サービスを伸ばすことで、売上高の増加に取組んでまいります。

利益の面では、経常利益の増加を重視しており、情報通信関連分野の新たな顧客価値創出による増収とエンターテインメント関連分野の付加価値、効率性の向上により、増益となるように取り組みを進めております。

現在は、中長期的に新たな情報通信関連分野における新たな事業の柱を構築するため、新規IT関連事業を中心に投資が先行している状況です。

そのため、当連結会計年度は11億2百万円の経常損失となり、その損失幅は8億8百万円の拡大となっております。現在は、新規IT関連分野の投資が先行しており、まずは新規IT関連分野について開発を完了させ、新たな製品・サービスを販売することで、売上高の増加を実現し、8億75百万円のセグメント損失を減少させるよう取組んでまいります。

 

キャッシュフローの成長性については、特にフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローの合計)の増加を重視しており、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローはモバイルデータソリューション事業により獲得した資金等により16億36百万円の増加となりました。今後も安全性を高められるようにビジネスモデルなども活かしながら、フリー・キャッシュ・フローの増大に取組んでまいります。

当社グループの経営陣は、事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営計画及び経営戦略を立案するように努めております。

当社グループの情報通信事業を取り巻く環境は、技術進化の著しい分野であり、市場の変化や多様化が大きく、予断を許さない状況ではありますが、高付加価値製品やソリューションをいち早く投入し、従来のフロー型ビジネスに加え、ストック型ビジネスの展開を加速していきます。更なる成長を目指し、グローバルな事業展開を図るとともに、情報通信市場への経営資源を集中し、高い収益力を確保する企業体質の確立を図っていきます。

当社グループのエンターテインメント関連事業を取り巻く環境は、市場環境の低迷、顧客ニーズの変化が大きく、製品の優劣も大きいため、先行きは不透明な状況が続くと予想されますが、エンターテインメント性を追求した製品創りと、ノウハウを持つ通信ネットワーク技術を活かした新たな事業展開も推進していきます。

また、新市場の開拓及び新規事業の育成にも注力し、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの提携を積極的に行う等、将来の成長に向けたチャレンジを継続します。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

 

a.資金需要

当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、販売及び一般管理活動、研究開発活動のための人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。当社は特に大きく設備投資を必要とするビジネスモデルではありませんが、一方で技術変化の早い事業分野に属しており最新技術の研究開発や複数年度にまたがる受託開発、ソフトウェアの更新等のための研究開発活動に係る資金需要が生じております。

 

    b.財務政策

当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、短期借入金により調達することとしております。また内部資金の一部には、複数年度にわたってソフトウェアを更新するための研究開発活動のために事前に受け取る前受収益が含まれております。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、当連結会計年度の末日も含め、以前から流動資産が上回っています。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成30年3月25日開催の取締役会において、連結子会社であるCellebrite Mobile Synchronization Ltd.及びその子会社における企業集団にて手掛ける事業のうち、携帯電話販売店向け(モバイルライフサイクル事業)をESW Holdings, Inc.に対して事業譲渡することを決議いたしました。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは経営理念の1つとして「フレキシビリティとオリジナリティを武器に、ハードとソフトを融合させた、価値ある製品を研究開発し提供する」を掲げております。「顧客第一主義」の考えに則り、顧客ニーズを的確に捉え最高の満足を与えられる製品の研究・開発・提供を基本方針とし、①顧客ニーズに合致した製品の開発、②高品質製品の開発、③高付加価値製品の開発を目指しております。

研究開発活動は、「コミュニケーション&エンターテインメント分野におけるオンリーワンビジネス」を創造すべく、各事業部門においてテーマごとにグループを編成し推進しております。

開発スタッフは、グループ全員で476名、研究開発費の総額は65億51百万円であります。

セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

(1) モバイルデータソリューション事業

当事業部門につきましては、モバイルデータトランスファー機器及び関連サービスの企画・開発を主要な課題としております。

捜査時におけるモバイル端末の重要性が増大しているため、データ分析やデータ管理機能の強化に重点を置いた開発を推進しております。

開発スタッフはグループ全員で243名、研究開発費の総額は42億3百万円であります。

(2) エンターテインメント関連事業

遊技機部品の開発では、パチンコ遊技機の液晶表示・演出制御基板の企画開発を主要な開発課題としております。

当連結会計年度の主要な成果としましては、パチンコ制御基板の開発では、企画提案力の強化と共にデザイン性の高い図柄・演出の開発に主眼を置き、高度なコンピュータグラフィック技術を活かし市場ニーズに合致した制御基板及び液晶表示ソフトを企画開発いたしました。パチンコ業界を取り巻く環境は、遊技人口の減少、ニーズの多様化、ホールの減少・大型化、遊技機メーカーの二極化など大きな変革期を迎えており、エンターテインメント性あふれるパチンコ機づくりを推進しております。

ホールシステムの開発では、パチンコホール内の設備、システムの開発を主要な開発課題としております。
パチンコホール内の設備、システムの開発では、「店舗経営の効率化」、「店舗の集客力向上」、「プレイヤーの利便性及び満足度の向上」、「プレイヤーをひきつける演出」に重点を置いた製品開発を推進しております。

開発スタッフはグループ全員で129名、研究開発費の総額は10億56百万円であります。

(3) 新規IT関連事業

M2M通信機器の開発では、モバイルルータ「Rooster」シリーズの開発で培った技術で、IoT/M2M市場に参入し、継続してモバイル通信端末の開発を推進し、国内サードパーティ通信Boxマーケットにおいて2017年度まで5年連続シェアNo.1(2018年度データなし。)を実現しております。当連結会計年度におきましては、様々な情報をデジタル化し、より簡単にIoTとして利活用するためのセンサーデバイス「おくだけセンサー」を開発し、平成30年度に販売を開始する見込みであります。継続して、搭載できるセンサーの数を増やし、様々な需要に応じられるように開発を推進しております。

B2B向け業務支援システムの開発では、産業向けの現場業務に最適化したARスマートグラス「AceReal One」の開発を強力に推進しており、「過酷な環境下での使用」、「現場作業の効率化」を重点に置いた製品・ソリューション開発を推進しております。

飲食店向けソリューションの開発では、当連結会計年度の主要な成果としましては、スマートフォン向けO2Oアプリ「どんどん庵」アプリ、テイクアウト予約決済等の新機能を追加した公式アプリ「小僧寿し」を開発しリリースしました。

開発スタッフはグループ全員で37名、研究開発費の総額は9億56百万円であります。

(4) その他事業

当連結会計年度におきましては、コンテンツ配信サービスの開発では、女性向け恋愛シミュレーションゲーム「俺!シリーズ」の開発を推進しております。また、PlayStation VR向けコンテンツ「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」の開発を推進しており、平成30年度上期に販売を開始する見込みであります。

開発スタッフはグループ全員で39名、研究開発費の総額は3億34百万円であります。