文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
モバイルデータソリューション事業のうち、犯罪捜査機関等向け(デジタル・インテリジェンス事業※)が属するデジタルフォレンジック市場につきましては、各国行政機関の安全保障に対する意識の高まり、デジタル化の進展及び犯罪捜査手法の進化等に伴い、需要の形を変えながら、引き続き成長が見込める市場環境にあります。
デジタルフォレンジック市場は堅調に成長を続けており、かつその需要が幅広くなっていくことに対応するため、製品・サービス等の販促・研究開発を強力に推進しており、将来成長投資の負担が収益を圧迫する傾向にあります。
また、携帯端末販売店向け(モバイルライフサイクル事業)が属するモバイルデバイスライフサイクル市場につきましては、携帯端末販売店の顧客満足度を高める動きが継続している市場環境にありますが、当社の技術的差別化による利益創出がしづらい環境となっており、成長が著しいデジタル・インテリジェンス事業に経営資源を集中させるために、2018年3月末に当事業をESW Holdings,Inc.に譲渡いたしました。
次に、エンターテインメント関連事業が属するパチンコ市場につきましては、2018年2月1日に施行された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」への対応等の影響から、パチンコホールの遊技機の入替減少、新規出店や店舗改装等の設備投資を先送りする傾向等が継続し、将来的な不透明感が増大している市場環境にあります。
上記のように、当社の主力事業の市場環境が厳しい状況にある中、当社グループの更なる成長を図るため、IoT、AR、ビッグデータ等の最新技術を活用していく社会的な流れを汲み、新たな主力事業の構築に取り組んでおります。
M2M、IoT市場につきましては、モノを繋げるという需要は増加している一方で、多くの企業が当市場に参入しており、市場は拡大しつつも、競争環境は厳しくなっております。
産業向けのスマートグラスを利用するAR関連市場につきましては、現在はまだ市場は本格的に立ち上がっている状況ではないと考えておりますが、ウェアラブルデバイスはスマートフォンの次の有力なデバイスとして考えられており、ARはその中心となる機能として活発な研究開発が行われ、徐々に製品・サービスがリリースされております。
飲食店向けO2O市場については、国内では人手不足が深刻な影響を与えるようになっており、特に飲食業についてはその影響が大きい業界となっております。その中で、O2Oなどの情報通信技術の活用は重要な取り組みの一つと考えられているものの、その活用は一部に留まっております。
各市場における具体的な取組みは下記の通り、進めております。
[M2M/IoT]
・ペルーにおいて「Bacsoft IoT Platform」による地方水道局と水力インフラ管理に関する実証実験を終え、その地方の各水道局に順次導入していく予定です。
・より簡単にIoT化を実現するセンサーデバイス「おくだけセンサー」の開発を行い、下期から販売を開始する予定です。
[AR]
・産業用向け業務支援システム「AceReal One」について数社と実証実験を行い、機能改善に取り組んでおり秋に開発者向けモデルを販売する予定のほか、一般販売に向けて製品・サービスの開発を進めております。
[O2O]
・O2Oアプリ「iToGo」について株式会社小僧寿しが運営するお持ち帰り寿し「小僧寿し」ブランドの公式アプリとして導入されるなど数社に導入が進んでおります。現在は導入後の効果測定の結果などのフィードバックを参考に、機能改善及び営業活動の取組みを進めております。また、営業活動の一環として、8月22日から東京ビッグサイトにて開催される「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に出展いたします。
[VR]
・PlayStationVR向けの対戦シミュレーションゲーム「DARK ECLIPSE」について、先行してサービスインする予定の一部地域にてオープンβ版の準備をしており、サービスリリースに向けて最終調整を行っております。
・ソニー・インタラクティブエンタテインメントヨーロッパ(SIEE)とパートナー契約を締結しており、SIEEの2ndパーティタイトルとして欧州圏を中心に、サービスリリースに向けてSIEEと協力しながら進めております。
これらの結果、2019年3月期第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高につきましては、前年同期と比較して主力事業のモバイルデータソリューション事業が上回ったものの、エンターテインメント関連事業が大きく下回ったことにより売上高は前年同期を下回り56億93百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
各利益につきましては、モバイルデータソリューション事業における販売人件費及び研究開発費の増加、及びエンターテインメント関連事業の減収があったものの、売上総利益率の高いモバイルデータソリューション事業の増収の効果もあり、営業損失2億71百万円(前年同期は3億65百万円の損失)、経常損失2億50百万円(前年同期は3億92百万円の損失)と損失額は縮小となりました。また、特別利益としてモバイルライフサイクル事業を譲渡したことによる事業譲渡益7億2百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億24百万円(前年同期は4億23百万円の損失)となりました。
当社グループでは、事業内容を3つのセグメント及びその他に区分しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①モバイルデータソリューション事業
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前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
対前年同四半期 |
対前年同四半期 |
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百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
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売上高 |
2,944 |
4,294 |
1,350 |
45.9 |
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セグメント利益又は損失(△) |
△450 |
300 |
751 |
― |
売上高は、モバイルライフサイクル事業が前年同期を下回ったものの、デジタル・インテリジェンス事業について、モバイルフォレンジック機器及びその関連サービスが好調に推移したことにより、前年同期を大きく上回ったため、45.9%の大幅増収となりました。
セグメント利益は、販売人件費や研究開発費が増加したものの、増収の効果により、セグメント利益となりました。
②エンターテインメント関連事業
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前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
対前年同四半期 |
対前年同四半期 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
3,581 |
1,063 |
△2,517 |
△70.3 |
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セグメント利益又は損失(△) |
558 |
△140 |
△699 |
― |
前年同期で好調だった遊技機メーカー向けの遊技機部品の販売が減少したことにより大きく減収となったこと及びパチンコホール向けの設備機器の販売も業界環境が厳しく減収となったため、前年同期を大幅に下回り、セグメント損失となりました。
③新規IT関連事業
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前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
対前年同四半期 |
対前年同四半期 |
|
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百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
299 |
234 |
△64 |
△21.6 |
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セグメント損失(△) |
△207 |
△195 |
12 |
― |
M2M事業については、自販機向け等のM2M通信機器の販売が低調に推移し、前年同期で減収となったものの、のれん償却費等の費用が減少となったこともあり、損失は横這いとなりました。
AR事業については、産業向けの現場業務に最適化したスマートグラス「AceReal One」の開発及びマーケティング等の活動を続けており、前年同期で損失は横這いとなりました。
O2O事業については、売上は増加したものの、研究開発等の費用も増加しており、損失は横這いとなりました。
この結果、セグメント全体としては、売上高は前年同期を下回ったものの、損失は横這いとなりました。
④その他事業
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前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
対前年同四半期 |
対前年同四半期 |
|
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百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
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売上高 |
121 |
100 |
△21 |
△17.6 |
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セグメント損失(△) |
△11 |
△43 |
△32 |
― |
売上高は、スマートフォン向けゲームコンテンツの販売が低調に推移し、前年同期を下回りました。
セグメント利益は、売上高の減少に加え、PlaystationVR向けゲームコンテンツ「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」等の開発費の増加もあり、損失が拡大しました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
(当社グループの対処すべき課題)
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(株式会社の支配に関する基本方針)
① 基本方針の概要
当社は、企業価値の源泉を最大限に活用し、事業の継続的かつ持続的な成長の実現を通じて、企業価値を最大化することを基本方針として経営を進めてまいりました。従って、当社は当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社の株式は金融商品取引所に上場されていることから、資本市場において自由に取引されるべきものであると考えております。したがって株式の大量買付行為であっても、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の支配権の移転を伴う株式の大量買付行為の提案に応じるかどうかの判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付けの条件・方法等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。このような大量買付行為を行おうとする者に対して、必要かつ相当な対応措置を講じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
② 基本方針の実現のための取組みの概要
当社は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、多様な投資家の皆様からの投資に繋がり、結果的に上記の基本方針の実現に資すると考え、次の取組みを実施しています。
イ.財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
・中長期的な経営戦略による企業価値向上への取組み
当社グループは、社会の公器として法令順守はもちろん、責任ある企業活動を行うと同時に、チャレンジ精神が薄れないよう、斬新な発想そして次代の成長の原動力を大切にし、常に新たなビジネスに挑戦する精神を持ち続けております。この「挑戦する精神」こそ、当社企業価値の源泉と考えております。
「情報通信&エンターテインメント」分野において、「ナンバーワン戦略」と「新規事業への積極的な挑戦」により、安心や安全につながる便利な機能やたのしさなどの豊かな心を社会に提供することで、「企業価値の向上」を図ります。各分野で挑戦を通じ蓄積してまいりました経営資源を融合し、世界に通用する最先端技術を活用した新たな価値の創造に挑戦し続けます。
当社グループは、「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を経営方針に掲げ、株主・取引先・従業員等すべてのステークホルダー(利害関係者)の期待に応えるべく、中長期的な経営戦略として以下の3点の取組みを推進しております。
(1) 情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造
(2) エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大
(3) グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大
・コーポレート・ガバナンスの強化に関する取組み
当社は、上場企業として、株主の皆様を始めとするステークホルダーの権利・利益を尊重し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、社会的責任を全うすることが求められております。当社は、コーポレート・ガバナンスを強化し、経営の健全性、透明性、効率性を高めることが、企業価値・株主共同の利益を向上させるために必要かつ有効な仕組みと認識し、その一環として、監査等委員会設置会社の機関設計を採用しております。
本機関設計を採用したことにより、監査等委員会は、取締役の職務執行の監督権限と監査権限を有し、モニタリング・モデルのコーポレート・ガバナンス体制を実現しております。監査等委員会は、独立役員である社外取締役2名を含む3名で構成されており、社外、株主としての視点からも監督、監査が行われております。
また、経営判断にあたっては、契約しております外部有識者、弁護士等の法律・会計専門家からの適宜意見を聴取しており、経営環境、事業環境の変化に合わせて経営の客観性、業務の適正、効率性の確保と向上に努めております。
当社は、絶えず上記取組みに見直しを掛けることによりコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指してまいります。
ロ. 基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、基本方針に照らし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない株式の大量買付行為を行う者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断いただくために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令等の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社は、上記②.イに記載した財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的な取組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、上記②.ロに記載した基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについても企業価値ひいては株主共同の利益を確保する目的で、関係法令等の許容する範囲内で株主の皆様に適切に判断いただくための時間と情報の確保に努めるなどの取組みであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではありません。
従って、上記②の取組みは基本方針に沿うものであり、当社役員の地位維持を目的とするものではありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、16億50百万円であります。