(経営方針・経営戦略等)
当社は、次の「スローガン」、「企業理念」及び「基本戦略」のもと、商品力・品質に優れた高付加価値な商品やサービスを企画・開発し、提供し続けることを目標として経営に取り組んでおります。
(経営方針)
当社グループでは、「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を経営方針に掲げ、中長期的な経営戦略として、以下の3点を推進しております。
① 情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造
② エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大
③ グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大
具体的には、ハードウエアとソフトウエアの両方の技術を持つエンジニア集団として、お客様の信頼を得つつ、売れる商品・サービスとは何かに徹底的にこだわり、企画、開発、販売戦略をもって、新たな価値を提供し、収益に貢献するビジネス展開を図ります。また、外部からの視点、外部ノウハウを積極的に活用し、変化はチャンスと考え、失敗を恐れず、更なる成長を目指してワールドワイドで取組んでまいります。
(目標とする経営指標)
当社グループでは、継続的・安定的に収益を確保し事業規模の拡大を図るためにも、売上高・経常利益・キャッシュ・フローの成長性を重要な経営指標と位置付けております。
(経営環境及び対処すべき課題)
今後の経済情勢としましては、雇用環境の改善等により我が国経済は緩やかな回復基調にある一方、国内における深刻な人手不足、米中の貿易摩擦の懸念等、不確実性が高い状況が継続しております。
このような経済情勢の中、当社グループでは、競争優位性を確保できると見込まれる複数の事業領域を持つことにより、事業の継続性を高めようと活動をしております。このような考えのもと、経営方針として「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を掲げ、中長期的な経営戦略として、以下の3点を推進しております。
① 情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造
② エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大
③ グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大
経営として対処すべき課題としては、以下の課題に取組んでおります。
1) 人材の強化(育成・獲得)
高度なノウハウを有した優秀な人材をいかに育成・獲得していくかが重要と考えており、継続的な募集、教育・研修制度、人事・処遇制度の拡充により採用・定着を図るとともに、各分野で蓄積してきたノウハウを相互に指導活用することで、社員の「人財化」を推進しております。
2) 高収益体質への改革
当社グループは、費用効率の最大化と収益構造モデルの見直しを緊急命題とし、高収益体質への改革を推進しております。具体的には、事業環境は一部の主力事業が属している市場が非常に厳しい状況であると認識しておりますが、その環境に適応した効率性を重視した事業体制を構築してまいります。また、市場が成長段階にあるモバイルデータソリューション事業については、長期的な成長持続のために投資を継続し、今後市場が大きく伸びることが予想されるM2M事業及びAR/VR等の新規事業は、差別化された製品・サービスの開発に注力することで、中長期的な高収益体質の実現を目指していきます。
3) 新規事業及び資本・業務提携等による事業領域の拡大・新たな顧客価値の創造
当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術・ノウハウを積極的に新規事業展開に応用し、更なる事業領域の拡大を図ります。また、それらの技術を軸として、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本提携等を積極的に行ってまいります。
現在、当社グループでは中長期の持続的な成長の実現を果たすため、新規IT関連事業として次なる主力事業と期待される事業確立に取り組んでいます。培った多様な事業分野におけるノウハウや営業網を利用しつつ、資本・業務提携等を通じたパートナー企業等からの協力を得ながら、当分野における開発期間の短縮化、マーケティング、お客様開拓を効率的に進めていき、早期の事業確立を実現することで、新たな顧客価値の創造へ取り組んでまいります。
=事業課題=
モバイルデータソリューション事業では、データの大容量化、スマートフォンのセキュリティの高度化、アプリの多様化などデータを抽出する難易度は継続的に高まっており、当社では研究開発費を売上高に対して20%を超える水準で継続的に投資を行うことで、他社にはできない技術を継続的に生み出すことに注力しております。
また犯罪捜査におけるモバイル端末に対するデータ解析の高度化も現場では求められるようになり、捜査官に向けたトレーニングを提供し、UFEDブランドの向上に努めております。
エンターテインメント関連事業では、レジャーの多様化などにより、継続的に市場が縮小している状況となっております。当社では、映像研究やゲームで得られたノウハウなどを通じ、常に新しい表現を追求し、遊技機の品質向上に努めております。
また、規則改正等、常に業界が変化していく中で、それに対応しながら、市場にマッチした遊技機の開発や、ホール店舗の効率化に貢献できる製品・サービスの開発に努めております。一方、今後も事業環境は厳しい状態が続くものと考えており、コストパフォーマンスの最大化に向けて開発、製造、販売などでプロジェクトを立ちあげ、効率的な事業運営を図れるように取組みを進めております。
新規IT関連事業のうち、M2M事業では、通信規格の変化などに対応するために、Roosterの継続的な開発を行っております。
また、企業がIoT化に取り組む姿勢は継続しており、その多様な需要に対して当社ではセンサーデバイス、通信ボックス、遠隔監視・制御システムなどの分野で開発を進めております。
AR事業では、日本企業の人手不足や技術承継などの課題に対して、スマートグラスを使ったソリューションの開発に努めております。O2O事業では、主に飲食店に向けて、キャッシュレスや、消費税の軽減税率の適用、中食市場への対応などの環境変化に対して、テイクアウト決済アプリの継続的な機能向上に取り組んでおります。
これら新規IT関連事業は、一部、既存のお客様への販売もありますが、事業の成長のためには、新規の顧客開拓の必要性も高く、現在、この点が大きな課題と認識しており、継続的に出展やWEBを通じたマーケティング、広報活動などの各種施策を用いて、事業拡大に取り組んでおります。
その他のうち、ゲームコンテンツ事業では、ゲームアプリの競争激化やプラットフォームの多様化により、ゲームがヒットしにくくなっております。当社では、効率的に開発を進められるように開発活動の見直しを行うとともに、お客様の声をしっかりと開発に活かせるように取組みを進めております。
=財務課題=
当社グループでは、まずサン電子単体では、継続的に損失の状態になっており、危険な状態ではないものの、自己資本比率などの安全性を示す指標が減少しており、この点、早期の利益化が必要と考えております。このため、上記各事業セグメントの課題に取り組むことで、収益化を果たせるように取組みを進めております。
またサン電子グループでは、年間20%を超える成長を果たしているモバイルデータソリューション事業について、従来取り組んでいるモバイルフォレンジックに加え、データ解析の分野などへ事業領域を広げるため、十分な投資余力を確保する必要があります。当社グループでは、社内の資金を最大限に活かすと共に柔軟な資金調達手法の検討などを通じ、モバイルデータソリューション事業の成長の最大化に向けた資金調達体制の構築に取り組んでおります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
① 基本方針の概要
当社は、企業価値の源泉を最大限に活用し、事業の継続的かつ持続的な成長の実現を通じて、企業価値を最大化することを基本方針として経営を進めてまいりました。従って、当社は当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社の株式は金融商品取引所に上場されていることから、資本市場において自由に取引されるべきものであると考えております。したがって株式の大量買付行為であっても、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の支配権の移転を伴う株式の大量買付行為の提案に応じるかどうかの判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものや、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付けの条件・方法等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。このような大量買付行為を行おうとする者に対して、必要かつ相当な対応措置を講じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
② 基本方針の実現のための取組みの概要
当社は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、多様な投資家の皆様からの投資に繋がり、結果的に上記の基本方針の実現に資すると考え、次の取組みを実施しています。
イ.財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
・中長期的な経営戦略による企業価値向上への取組み
当社グループは、社会の公器として法令順守はもちろん、責任ある企業活動を行うと同時に、チャレンジ精神が薄れないよう、斬新な発想そして次代の成長の原動力を大切にし、常に新たなビジネスに挑戦する精神を持ち続けております。この「挑戦する精神」こそ、当社企業価値の源泉と考えております。
「情報通信&エンターテインメント」分野において、「ナンバーワン戦略」と「新規事業への積極的な挑戦」により、安心や安全につながる便利な機能やたのしさなどの豊かな心を社会に提供することで、「企業価値の向上」を図ります。各分野で挑戦を通じ蓄積してまいりました経営資源を融合し、世界に通用する最先端技術を活用した新たな価値の創造に挑戦し続けます。
当社グループは、「情報通信とエンターテインメントへの集中」、「企業価値の向上を図る」、「ベンチャー精神で自ら行動する」を経営方針に掲げ、株主・取引先・従業員等すべてのステークホルダー(利害関係者)の期待に応えるべく、中長期的な経営戦略として以下の3点の取組みを推進しております。
(1) 情報通信(セキュリティ、コンテンツ、通信)関連分野での新たな顧客価値の創造
(2) エンターテインメント(遊技機)関連分野でのシェア拡大
(3) グローバル市場におけるビジネス構築及び拡大
・コーポレート・ガバナンスの強化に関する取組み
当社は、上場企業として、株主の皆様を始めとするステークホルダーの権利・利益を尊重し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させ、社会的責任を全うすることが求められております。当社は、コーポレート・ガバナンスを強化し、経営の健全性、透明性、効率性を高めることが、企業価値・株主共同の利益を向上させるために必要かつ有効な仕組みと認識し、その一環として、監査等委員会設置会社の機関設計を採用しております。
本機関設計を採用したことにより、監査等委員会は、取締役の職務執行の監督権限と監査権限を有し、モニタリング・モデルのコーポレート・ガバナンス体制を実現しております。監査等委員会は、独立役員である社外取締役2名を含む3名で構成されており、社外、株主としての視点からも監督、監査が行われております。
また、経営判断にあたっては、契約しております外部有識者、弁護士等の法律・会計専門家からの適宜意見を聴取しており、経営環境、事業環境の変化に合わせて経営の客観性、業務の適正、効率性の確保と向上に努めております。
当社は、絶えず上記取組みに見直しを掛けることによりコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図り、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指してまいります。
当有価証券報告書提出日現在におけるコーポレート・ガバナンスの状況につきましては、「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」の項目を参照願います。
ロ. 基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、基本方針に照らし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない株式の大量買付行為を行う者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断いただくために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令等の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社は、上記②.イに記載した財産の有効活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的な取組みであり、当社の基本方針に沿うものです。
また、上記②.ロに記載した基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについても企業価値ひいては株主共同の利益を確保する目的で、関係法令等の許容する範囲内で株主の皆様に適切に判断いただくための時間と情報の確保に努めるなどの取組みであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではありません。
従って、上記②の取組みは基本方針に沿うものであり、当社役員の地位維持を目的とするものではありません。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下に記載しました将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載は当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。
ア.当社グループの事業について
① モバイルデータソリューション事業
・最近の動向と当社グループの対応について
当社グループは、Cellebrite社において開発・製造されるモバイルデータトランスファー機器及び関連サービスの販売を行っております。また、競争力を保つべく、新規携帯電話の対応及び新製品・新サービスの継続的な開発を行っております。しかしながら、当社グループの計画通りに事業が展開しない場合は、開発投資等負担により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・海外市場動向の影響について
同事業における主要な顧客は米国を中心とした全世界の犯罪捜査機関等であり、同機器について更なる機能向上とワールドワイドな展開を推進し、当社グループの海外地域における業績は拡大基調にあります。今後も同事業については、販売地域の拡大など海外展開を継続する予定であることから、米国及び各国の経済環境や政治情勢の急激な悪化、為替相場の変動、予期しない法的規制や税制の変更等が生じた場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
② エンターテインメント関連事業
(法令規則の影響等について)
エンターテインメント関連事業の販売に係る製品の顧客は、パチンコ業界の遊技機メーカー及び全国のパチンコホールであります。パチンコ業界は、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」等の法令規則の規制を受けています。また、遊技機メーカーまたはパチンコホールの業界団体は、行政の指導により自主的な規制を行うことがあります。このため、法令規則の改正及び自主規制により遊技機メーカー及びパチンコホールの経営環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、エンターテインメント関連事業は、需要変動が比較的大きな傾向を有しております。当社グループでは、市場動向への適切な対応に努めるべく各種の施策を講じておりますが、これらの施策にもかかわらず当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。
・パチンコ制御基板
a) 最近の動向と当社グループの対応について
最近の市場動向としましては、遊技人口の減少や今後取り決められる「のめり込み防止策」等の影響により、パチンコホールの経営環境はより厳しく推移することが推測されます。このような状況の中、パチンコホールの新機種導入は、ゲーム性が高く集客が見込める機種に集中する傾向が高まっております。
当社グループでは、このような市場環境に対応すべく、パチンコ遊技機の開発及び生産面において、取引先に対する協力体制の構築に努めており、従来の取引関係、開発・販売実績等から、安定的な取引関係を有しているものと考えております。しかしながら、競合状況等によっては、現在の取引関係が今後も維持し得るかは明らかではありません。また、パチンコ遊技機の需要動向等により業績が大幅に変動する場合があります。
b) 法的規制について
当社グループの製造・販売する制御基板が組込まれるパチンコ遊技機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則第四号(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であります。そのため、機種毎に国家公安委員会の指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会(保通協)による型式試験及び各都道府県の公安委員会による型式検定を受けており、保通協の型式試験に合格した機種が販売を許可され、その後、各都道府県公安委員会による検定に適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。
今後、これらの法律、規制等に重大な変更が加えられた場合、パチンコ遊技機の開発・製造・販売のため新たな対応を余儀なくされる可能性があります。当社グループはこれらの要因に対し、適切な対応を図るよう努めておりますが、これらの対応にもかかわらず、当社グループの販売計画、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
c) 特定の取引先との取引関係について
当社グループが開発・製造するパチンコ制御基板の販売は、少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーに限定されております。なかでも、株式会社藤商事に対する販売実績比率が高く、当社グループの総販売実績に対する同社の割合は、2015年3月期26.2%、2016年3月期25.2%、2017年3月期22.9%、2018年3月期26.3%、2019年3月期14.1%となっております。
当社グループでは、これら少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーとは、安定的な取引関係にあり、企画提案力の向上を図るなど、より一層の関係強化に努めておりますが、これら販売先の販売状況、仕入方針、他のパチンコ制御基板メーカーとの競合の状況によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、これら販売先が、パチンコ制御基板の開発・製造を独自に行う可能性も否定できません。
d) 需要の大幅な変動について
パチンコ遊技機は、新機種の発売当初に急激に需要が増加し、ヒット機種以外ではその後の需要は急速に減少する傾向を有しております。また機種毎の需要動向は、遊技者の嗜好の変化、遊技機メーカーの競合の状況、さらにはパチスロ遊技機に対する需要動向等により、大幅に変動する傾向を有しております。このため、当社グループが開発・製造・販売を行っているパチンコ制御基板の需要動向も、大幅に変動する傾向を有しております。
当社グループでは、このような需要動向の変化に対応できる生産体制をとっておりますが、想定していない需要が生じた場合、又は当社グループ製品への需要が想定を大幅に下回った場合などには、新たな対応を余儀なくされ、そのような場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・ホールシステム
大手企業による店舗の大規模化やチェーン展開はあるものの、遊技人口の減少等により、パチンコホールの経営環境は厳しい状況にあります。このような状況の中、遊技者の獲得や経費削減等の必要性から、パチンコホールの情報化・ネットワーク化が進展しております。そのため、パチンコホール内の設備・システムに対する一定の投資需要はあるものの、店舗数の減少や激しい価格競争もあり、ホールシステム事業は厳しい状況で推移していくものと認識しております。
当社グループでは、ネットワーク化に対応したシステムの開発・販売、コストダウンによる低価格製品の投入等により競合企業との差別化を図っておりますが、競合企業の動向によっては新たな対応を余儀なくされる可能性があります。
また、パチンコ業界に対する行政指導等、当社グループが予想し得ない変化が発生した場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・樹脂成形品及び金型
当社グループは、イードリーム株式会社において射出成形による樹脂成形品及び金型の製造・販売を行っております。射出成形・金型加工技術は、当社グループのパチンコ関連事業、情報通信関連事業の製品製造に不可欠であり、同社の射出成形・金型加工技術の維持向上を図り、パチンコ業界への企画提案営業を推進しております。しかしながら、主要な販売先はパチンコ遊技機メーカーでありますことから、パチンコ遊技機の需要動向等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
③ 新規IT関連事業
・M2M通信機器
a) 最近の動向と当社グループの対応について
M2M通信機器市場は、モバイル通信インフラの急速な高速・大容量化と通信料金の固定化・低価格化、またクラウド環境のインフラを利用し、あらゆる機器がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)への関心の高まりとあいまって、その規模は急速に拡大しておりますが、他業種からの新規参入も相次ぎ、M2M通信機器関連製品及び関連サービスの競争は激しさを増しております。
当社グループでは、特にM2M(マシン to マシン)市場に焦点をあて、そのニーズを的確に捉えた新製品の開発をいち早く行うことで、価格競争に巻き込まれない事業展開を図りますが、対応が遅れたり、予想し得ない新技術が普及し新たな対応を余儀なくされた場合、更には、他社との競合状況等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
b) 法的規制について
当社グループが開発・製造・販売を行っているM2M通信機器は、電気通信事業法に基づき、総務省が定める技術基準に適合することが必要であり、このため機種毎に指定試験機関(一般財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)及び一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC))による審査・認定を適宜受けております。
今後、これらの法律・規格等の改廃が行われた場合、当社グループにおいて新たな対応を余儀なくされる可能性があり、経営成績に影響を与える可能性があります。
・B2B向け業務支援システム
当社では、企業が効率性を高める動きの中で、その業務の効率化を高めるスマートグラスを利用した業務支援システム「AceReal」を開発しております。競合製品と表示機能やユーザビリティなどで差別化を図って開発しておりますが、開発の進捗やパートナー企業の当社製品の新たな技術に対する検証スピード、予期せぬ競合製品の登場などにより新たな対応を余儀なくされる場合などには当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
④ その他
・コンテンツ配信サービス
当社は、人気ゲームソフト「上海」、女性向け恋愛シミュレーションゲーム「俺!シリーズ」及びアドベンチャーゲーム「オズの国の歩き方」等の各シリーズを、成長しているiPhone・Android等のスマートフォン向けマーケットやソーシャルプラットフォームに対して展開を行い、モバイルコンテンツサービスを積極的に推進しております。しかしながら、当社グループの計画通りに当該事業が展開するとは限らず、そのような場合には開発投資負担等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
イ.当社グループの財政状態及び経営成績の変動について
当社グループは、連結財務諸表作成時において、在外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、米ドルやイスラエル・シェケル等の為替の変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
ウ.その他事業遂行上のリスクについて
① 新株予約権の付与について
・当社
当社は、インセンティブを目的として当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に対し新株予約権を付与しております。
2009年7月10日に第3回新株予約権、2012年7月13日に第4回新株予約権、2014年8月29日に第5回新株予約権、2015年2月5日に第6回及び第7回新株予約権並びに第1回株式報酬型新株予約権を発行し、当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に付与しております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
(注) 潜在株式数合計606,800株は、2019年3月31日現在の発行済株式総数22,585,300株の2.7%に相当しております。
・Cellebrite Mobile Synchronization Ltd.
当社の連結子会社であるCellebrite社は2008年9月24日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は40,579千株)を決議し、段階的に発行及び同社従業員に付与しております。
なお、当連結会計年度において当該ストック・オプションの一部が行使されたため、2018年12月31日現在の同社に対する当社持分は97.2%となっております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
(注)1 潜在株式数合計13,485千株は、2018年12月31日現在の発行済株式総数136,695千株の9.9%に相当しております。
2 当該発行枠の内、2018年12月31日現在未発行のストックオプションの目的となる株式数は10,398千株であります。
② 事業投資等について
当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術・ノウハウを積極的に新規事業展開に応用し、更なる事業領域の拡大を図ります。また、それらの技術を軸として、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本提携等を積極的に行ってまいります。
しかしながら、当初想定していた相乗効果が得られない場合、また、投資金額の回収が困難である場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 情報セキュリティについて
当社及び国内連結子会社は、経営に関する情報・取引先に関する情報・個人に関する情報の保護の観点から、情報システムセキュリティに関する社内規程を整備し、個人情報保護方針の策定、ITセキュリティの強化、従業員教育等を実施しております 。また、Cellebrite社は、情報セキュリティに関する国際規格「ISO27001」の認証を取得しており、同規格に基づいた情報セキュリティ管理体制を構築、継続的に運用しております。
しかしながら、過失や外部からの攻撃等により情報漏洩・改ざん等の問題が発生した場合には、損害賠償金等の費用発生、信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 知的財産権について
当社グループでは、製品・サービスの企画・開発過程で創造される発明案件につきましては、法務・知的財産部が管理を行い、顧問弁護士・弁理士と連携の上、速やかに特許申請等を行える体制を構築しております。また、特許申請を行わない方が競争優位に立てると判断した発明案件については、意図的に特許申請を行わない場合もあります。しかしながら、他社による類似製品及びサービス等の製造・販売を効果的に防止できない可能性があります。
一方、他社の知的財産権の侵害を回避するため、法務・知的財産部において事前調査を実施しておりますが、当社グループが他社の知的財産権を侵害していると司法判断され、知的財産権の使用料・損害賠償金等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 海外事業展開について
当社グループは海外への事業展開を積極的に進めておりますため、当社グループが事業展開する国・地域における政治、社会、経済状況、関連法規制等につきましては、現地の動向を随時把握し、適切に対応していくよう努めております。
しかしながら、当該国・地域における紛争・自然災害・疾病流行等の発生、社会環境の変化、関連法規制の変更等、不測の事態が発生し、計画通りの事業展開が見込めない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高につきましては、前期と比較して主力事業のモバイルデータソリューション事業が上回ったものの、主にエンターテインメント関連事業が大きく下回ったことにより売上高は前期を下回り、252億43百万円(前期比4.0%減)となりました。一方、当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましては、高利益率でもあるモバイルデータソリューション事業の成長が寄与することで前期を上回り、169億93百万円(前期比9.3%増)となり、売上総利益率は67.3%(前期比8.2pt増)となりました。
各利益につきましては、モバイルデータソリューション事業において、モバイルライフサイクル事業の売却により費用が減少した一方で、継続的に成長しているデジタル・インテリジェンス事業に予算を集中することにより、販売拠点を拡充するなど拡大する各国市場により対応できるよう全世界的に事業拡大に取り組んだこと等により販売費及び一般管理費は増加し、営業損失は2億円(前期は10億74百万円の損失)となりました。また、営業外収益として受取利息2億37百万円、営業外費用としてInfinity Augmented Reality,Inc.に対する持分法投資損失4億6百万円等を計上したことにより、経常損失は3億52百万円(前期11億2百万円の損失)となりました。また、特別利益として事業譲渡益7億58百万円を計上した一方で、繰延税金資産の取崩に伴う法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は9億85百万円(前期は12億93百万円の損失)となりました。
a.モバイルデータソリューション事業
売上高は、モバイルフォレンジック機器及びその関連サービスが好調に推移したことにより、デジタル・インテリジェンス事業が前期を大きく上回ったため、19.6%の大幅増収となりました。
セグメント利益は、不採算部門であったモバイルライフサイクル事業の売却及びデジタル・インテリジェンス事業での売上高の増加が販売費、人件費及び研究開発費の増加を上回ったことにより、セグメント利益も増益となりました。
b.エンターテインメント関連事業
売上高は、前期で好調だった遊技機メーカー向けの遊技機部品の販売が大きく減少となったこと及び設備需要が低調に推移するパチンコホール向けの設備機器の販売も減少となったため、前期を大きく下回り、セグメント利益も減益となりました。
c.新規IT関連事業
M2M事業については、売上高は自販機向け等のM2M通信機器の販売が低調に推移し、前期を下回りましたが、費用の効率化を図り、損失幅は縮小しました。
AR事業については、産業向けの現場業務に最適化したスマートグラス「AceReal One」のマーケティング等の活動を続けているものの、「AceReal One」に関する開発費はピークアウトしたことで、前期よりも損失は縮小しました。
O2O事業については、売上高は新規店舗の開拓が進み、前期よりも増収となったものの、研究開発等の費用も増加しており、損失は拡大しました。
この結果、セグメント全体では、売上高は前期を下回り、損失は縮小となりました。
d.その他事業
売上高は、スマートフォン向け、VR向けゲームコンテンツ共に販売が低調に推移し、前期を下回りました。
セグメント利益は、売上高の減少に加え、PlaystationVR向けゲームコンテンツ「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」「OP8♪(オーピーエイト)」の開発費の増加もあり、損失が拡大しました。
(財政状態)
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ9億5百万円増加し267億61百万円(前期比3.5%増)となりました。
流動資産は、21億45百万円増加し225億95百万円となりました。これは主に、現金及び預金が43億22百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が16億73百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、12億40百万円減少し41億65百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が7億84百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
負債は、29億99百万円増加し167億6百万円(前期比21.9%増)となりました。
流動負債は、28億27百万円増加し162億75百万円となりました。これは主に、短期借入金が18億69百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、1億72百万円増加し4億31万円となりました。これは主に繰延税金負債が1億79百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べ20億94百万円減少し100億54百万円(前期比17.2%減)となりました。これは主に、利益剰余金が20億92百万円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ10.1ポイント減少し32.2%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により32億26百万円、財務活動により5億92百万円増加したことに対し、投資活動により58億93百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ21億59百万円減少し68億87百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果獲得した資金は、32億26百万円(前期は15億10百万円の獲得)となりました。
これは主に、その他の負債の増加が24億73百万円であったことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は、58億93百万円(前期は1億26百万円の獲得)となりました。
これは主に、定期預金の純増加額が65億31百万円であったことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果獲得した資金は、5億92百万円(前期は14億87百万円の使用)となりました。
これは主に、短期借入金の純増加額が18億69百万円、子会社の自己株式の取得による支出が7億91百万円であったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、エンターテインメント関連事業の一部において受注生産を行っております。当連結会計年度における受注状況を示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積り及び予測を必要とします。経営者は、これらの見積りや予測について、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実績はこれらと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載の通りです。
=外部環境について=
モバイルデータソリューション事業のうち、犯罪捜査機関等向け(デジタル・インテリジェンス事業)が属するデジタルフォレンジック市場につきましては、各国行政機関の安全保障に対する意識の高まり、デジタル化の進展及び犯罪捜査手法の進化等に伴い、需要の形を変えながら、引き続き成長が見込める市場環境にあります。デジタルフォレンジック市場は堅調に成長を続けており、かつその需要が幅広くなっていくことに対応するため、製品・サービス等の販促・研究開発を強力に推進しており、将来成長投資の負担が収益を圧迫する傾向にあります。また、携帯端末販売店向け(モバイルライフサイクル事業)は、当社の技術的差別化による利益創出がしづらい環境となってきたため、成長が著しいデジタル・インテリジェンス事業に経営資源を集中させるために、2019年3月期第1四半期末に当事業をESW Holdings,Inc.に譲渡いたしました。
次に、エンターテインメント関連事業が属するパチンコ市場につきましては、2018年2月1日に施行された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」への対応等の影響から、パチンコホールの遊技機の入替減少、新規出店や店舗改装等の設備投資を先送りする傾向等が強まり、将来的に不透明感が増大している市場環境にあります。
上記のように、当社の主力事業の市場環境が厳しい状況にある中、当社グループの更なる成長を図るため、IoT、AR、AI等の最新技術を活用していく社会的な流れを汲み、新たな主力事業の構築に取り組んでおります。M2M、IoT市場につきましては、モノを繋げるという需要は増加している一方で、多くの企業が当市場に参入しており、市場は拡大しつつも、競争環境は厳しくなっております。スマートグラスを利用するAR関連市場につきましては、現在はまだ本格的に市場が立ち上がっている状況ではないと考えておりますが、スマートグラスはスマートフォンの次の有力なデバイスとして考えられており、ARはその中心となる機能として活発な研究開発が行われ、徐々に製品・サービスがリリースされております。
飲食店向けソリューションを展開するO2O市場においては、国内で深刻化する人手不足が課題となっております。その中で、情報通信技術を活用したO2Oは、利用客がスマートに注文する利便性を提供することで、機会損失を解消し、飲食店の集客・収益を向上させるとともに、店舗オペレーションの軽減にも貢献しています。現在、このようなアプリの利用は限定的ですが、今後は政府による電子決済を促進する流れのなかで、税優遇などの具体的な支援策の効果もあり、情報技術を活用した取組みが飲食店でも広がるものと考えられます。
=競争優位性=
主力事業につきましては、独自の競争優位性を図ることで、収益性の確保に努めております。成長しているモバイルデータソリューション事業につきましては、当社製品・サービスが、犯罪捜査や裁判における有力な証拠を発見する一連の活動の中で利用されており、業界最多の対応機種・アプリ数を実現することで、捜査の迅速化・高度化に貢献しております。これは個人情報保護のためにセキュリティを高めていく携帯端末に対するソフトウエア及びハードウエア双方での高い理解力を背景としており、当社は多額の研究開発費を投じることで、技術的競争優位性を維持し、結果として高い売上総利益率を達成しております。またお客様を法執行機関に限定することで、個人情報を高い精度で抽出する機器の不測の流出を避け、信頼性を高めております。
エンターテインメント関連事業における遊技機部品事業につきましては、業界を特定するだけではなく、お客様も特化することで、強力な信頼関係の構築及び特定分野における表現力・技術力の蓄積により、高い商品力を有したコンテンツ開発や高品質の制御基板開発を実現し、競争優位性の強化を図っております。
=経営施策=
当期は、モバイルデータソリューション事業は、成長事業でもあるデジタル・インテリジェンス事業に注力するとともに、今後、犯罪捜査において重要となるデータの活用に貢献する分析システムの機能強化を図りました。また、新規IT関連事業では過去から引き続き取り組んできた取組みを市場へ製品・サービスとしてリリースする期として、特にM2M事業、AR事業への研究開発投資を行いました。また、その他セグメントにつきましては、VR向けのタイトルを当社として初めて市場へリリースしたほか、スマートフォン向けについても、新たな顧客開拓を図るゲームをリリースしております。
=商品・サービスの概況=
モバイルデータソリューション事業につきましては、第5世代の「UFED Touch2」及び「UFED 4PC」の販売が引き続き好調に推移したほか、科学捜査の高度化に伴い、捜査官向けトレーニング需要及びテクニカルサービスについても順調に売上高を伸ばしました。
エンターテインメント関連事業における遊技機部品事業は、業界環境が厳しくなる中、品質を維持しながら開発・製造共にコスト削減のためにプロジェクトを立ち上げ、それぞれ効率化を進め、大幅な減収とはなりましたが、一定の利益を維持することができました。
新規IT関連事業のうち、M2M事業は企業のIoT化をトータルで支援できるように、データ化のキーになるセンサーデバイス「おくだけセンサー」の販売を11月から開始いたしました。現在は、多様なお客様のニーズを伺っている段階で、すでにいくつかの実証実験が開始されております。AR事業は、産業用向け業務支援システム「AceReal One」について数社と実証実験を行い、機能改善に取り組みながら、2018年9月に開発者向け限定モデルの販売、2019年2月には正式販売を開始いたしました。現在は、5社の販売パートナーと共にフィールド作業を必要とする企業を中心に、提案活動に努めております。
その他セグメントのゲームコンテンツ事業は、PlayStationVR向け「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」を欧米でリリースしたほか、新たな顧客開拓に向けた女性向けの新タイトル「Op8♪(オーピーエイト)」をリリースいたしました。現在は、ゲーム運営を行いながら、新規顧客の開拓に努めておりますが、厳しい状況が続いております。
=損益計算書(連結)について=
連結売上高につきましては、前期と比較して主力事業のモバイルデータソリューション事業が上回ったものの、主にエンターテインメント関連事業が大きく下回ったことにより売上高は前期を下回り、252億43百万円(前期比4.0%減)となりました。一方、当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましては、高利益率でもあるモバイルデータソリューション事業の成長が寄与することで前期を上回り、169億93百万円(前期比9.3%増)となり、売上総利益率は67.3%(前期比8.2pt増)となりました。
=販売費及び一般管理費について=
連結の販売費及び一般管理費は、171億94百万円(前期比3.4%増)となりました。これは、モバイルデータソリューション事業において、モバイルライフサイクル事業の売却により費用が減少した一方で、継続的に成長しているデジタル・インテリジェンス事業に予算を集中することにより、販売拠点を拡充するなど拡大する各国市場により対応できるよう全世界的に事業拡大に取り組み、前期比で増加したことが主な要因となります。
エンターテインメント関連事業につきましては、厳しい事業環境に備えるため、費用の効率化を中心に取り組みました。
新規IT関連事業につきましてもAR事業などで開発費用などが前期で一部ピークアウトしたこと、M2M事業はのれん償却費がなくなったこともあり、減少しております。
その他セグメントのゲームコンテンツ事業につきましては、新規タイトルの開発などもあり、費用は微増しました。
当社グループでは、研究開発活動を重視しており、成長しているモバイルデータソリューション事業を中心に研究開発を積極的に行っております。
モバイルデータソリューション事業では、継続的に新規機種・アプリなどに対応するための研究開発活動のほかに、分析システムの機能追加・改善などを重点的に取り組んでおります。エンターテインメント関連事業では、厳しい業界環境を踏まえ、研究開発活動については、収益性を確認したうえで研究開発対象を厳選し、映像研究やハード開発、ホール関連の新製品・新サービスの研究開発を行っております。
新規IT関連事業では、M2M事業では主力製品である「Rooster」や「おくだけセンサー」の開発を進め、トータルソリューション提供に向けた取り組みを進めております。AR事業では、前期に比べ研究開発費は減少となったものの、「AceReal One」の発売に向けた最終の開発及び実証実験などを通じた製品力の強化のために開発を行いました。O2O事業では、「iToGo」の機能・UI改善などお客様の立場に立った研究開発活動を行いました。
その他セグメントのゲームコンテンツ事業については、「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」及び「Op8♪(オーピーエイト)」の発売に向けた開発を行い、当社グループとして初めてPlayStation VRゲームをリリースいたしました。
=営業利益について=
連結の営業損失は、2億円(前期は10億74百万円の損失)となり、損益は改善となりました。これは、モバイルデータソリューション事業のうち、不採算事業であったモバイルライフサイクル事業を売却したことに加え、デジタル・インテリジェンス事業の成長が大きく寄与したことによるものです。また、規則改正など厳しい業界環境であったエンターテインメント関連事業も利益を維持し、主力2事業が利益を維持したことで、新規事業の投資で全体としては損失となったものの、主力2事業が生み出す利益から全社費用を差し引いた数字については、利益を確保できる水準に回復いたしました。
=経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益について=
連結の経常損失は、3億52百万円(前期は11億2百万円の損失)となり、損益は改善となりました。これは営業損益の改善が主たる要因ですが、Infinity Augmented Reality,Inc.に対する持分法による投資損失を計上したことで改善幅は小さくなっております。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、9億85百万円(前期は12億93百万円の損失)と同じく損益は改善しておりますが、事業譲渡益の計上があったものの、繰延税金資産の取崩しに伴う法人税等調整額の計上により、その損益の改善幅は小さくなっております。
キャッシュフローの成長性については、特にフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローの合計)の増加を重視しており、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは投資活動に使用した資金等により26億67百万円の減少となりました。今後も安全性を高められるようにビジネスモデルなども活かしながら、フリー・キャッシュ・フローの増大に取組んでまいります。
当社グループの経営陣は、事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営計画及び経営戦略を立案するように努めております。
当社グループの情報通信事業を取り巻く環境は、技術進化の著しい分野であり、市場の変化や多様化が大きく、予断を許さない状況ではありますが、高付加価値製品やソリューションをいち早く投入し、従来のフロー型ビジネスに加え、ストック型ビジネスの展開を加速していきます。更なる成長を目指し、グローバルな事業展開を図るとともに、情報通信市場への経営資源を集中し、高い収益力を確保する企業体質の確立を図っていきます。
当社グループのエンターテインメント関連事業を取り巻く環境は、市場環境の低迷、顧客ニーズの変化が大きく、製品の優劣も大きいため、先行きは不透明な状況が続くと予想されますが、エンターテインメント性を追求した製品創りと、ノウハウを持つ通信ネットワーク技術を活かした新たな事業展開も推進していきます。
また、新市場の開拓及び新規事業の育成にも注力し、シナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの提携を積極的に行う等、将来の成長に向けたチャレンジを継続します。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
a.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、販売及び一般管理活動、研究開発活動のための人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。当社は特に大きく設備投資を必要とするビジネスモデルではありませんが、一方で技術変化の早い事業分野に属しており最新技術の研究開発や複数年度にまたがる受託開発、ソフトウェアの更新等のための研究開発活動に係る資金需要が生じております。
b.財務政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、短期借入金により調達することとしております。また内部資金の一部には、複数年度にわたってソフトウェアを更新するための研究開発活動のために事前に受け取る前受収益が含まれております。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、当連結会計年度の末日も含め、以前から流動資産が上回っています。
当社は、2019年6月17日開催の当社取締役会において、連結子会社であるイスラエル国Cellebrite Mobile Synchronization Ltd.(以下、「Cellebrite社」という。)に関して、イスラエル国のベンチャーキャピタルであるIsrael Growth Partners Capitalの投資ビークルであるIGP SAFERWORLD, LIMITED PARTNERSHIP(以下、「IGP社」という。)を共同投資家として迎え入れるために、Cellebrite社がIGP社を引受先とする第三者割当により優先株式の発行を行うこと(以下、「本件」という。)、及び当社とIGP社との間で株主間契約を締結することを決議し、同日付で株主間契約を締結しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは経営理念の1つとして「フレキシビリティとオリジナリティを武器に、ハードとソフトを融合させた、価値ある製品を研究開発し提供する」を掲げております。「顧客第一主義」の考えに則り、顧客ニーズを的確に捉え最高の満足を与えられる製品の研究・開発・提供を基本方針とし、①顧客ニーズに合致した製品の開発、②高品質製品の開発、③高付加価値製品の開発を目指しております。
研究開発活動は、「コミュニケーション&エンターテインメント分野におけるオンリーワンビジネス」を創造すべく、各事業部門においてテーマごとにグループを編成し推進しております。
開発スタッフは、グループ全員で457名、研究開発費の総額は
セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1) モバイルデータソリューション事業
当事業部門につきましては、モバイルデータトランスファー機器及び関連サービスの企画・開発を主要な課題としております。
捜査時におけるモバイル端末の重要性が増大しているため、対応機種やアプリの拡大、データ分析やデータ管理機能の強化に重点を置いた開発を推進しております。
開発スタッフはグループ全員で227名、研究開発費の総額は
(2) エンターテインメント関連事業
遊技機部品の開発では、パチンコ遊技機の液晶表示・演出制御基板の企画開発を主要な開発課題としております。
当連結会計年度の主要な成果としましては、パチンコ制御基板の開発では、企画提案力の強化と共にデザイン性の高い図柄・演出の開発に主眼を置き、高度なコンピュータグラフィック技術を活かし市場ニーズに合致した制御基板及び液晶表示ソフトを企画開発いたしました。パチンコ業界を取り巻く環境は、遊技人口の減少、ニーズの多様化、ホールの減少・大型化、遊技機メーカーの二極化など大きな変革期を迎えており、エンターテインメント性あふれるパチンコ機づくりを推進しております。
ホールシステムの開発では、パチンコホール内の設備、システムの開発を主要な開発課題としております。
パチンコホール内の設備、システムの開発では、「店舗経営の効率化」、「店舗の集客力向上」、「プレイヤーの利便性及び満足度の向上」、「プレイヤーをひきつける演出」に重点を置いた製品開発を推進しております。
開発スタッフはグループ全員で146名、研究開発費の総額は
(3) 新規IT関連事業
M2M通信機器の開発では、当連結会計年度におきましては、モバイルルータ「Rooster」シリーズの端末開発、様々な情報をデジタル化し、より簡単にIoTとして利活用するためのセンサーデバイス「おくだけセンサー」を開発しており、トータルソリューションの提供に向けた開発を推進しております。当連結会計年度に「おくだけセンサー」の販売を開始しております。
B2B向け業務支援システムの開発では、産業向けの現場業務に最適化したARスマートグラス「AceReal One」の開発を強力に推進しており、当連結会計年度に「AceReal One」の販売を開始しました。実証実験等を通じて、製品・ソリューションの強化に向けた開発を推進しております。
飲食店向けソリューションの開発では、テイクアウト事前予約決済等の新機能を搭載したアプリ「iToGo」の開発を強力に推進しており、機能やUIの強化に向けた開発を推進しております。
開発スタッフはグループ全員で38名、研究開発費の総額は
(4) その他事業
当連結会計年度におきましては、コンテンツ配信サービスの開発では、女性向け新サービス「Op8♪(オーピーエイト)」、PlayStation VR向けコンテンツ「DARK ECLIPSE(ダークエクリプス)」の開発を推進しており、当社グループとして初めてPlayStation VRゲームをリリースいたしました。
開発スタッフはグループ全員で46名、研究開発費の総額は