当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
なお、今後、新型コロナウイルス感染症の収束時期やその他の状況の経過により、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当期の経営成績の概況
<外部環境について>
モバイルデータソリューション事業が属するデジタルインテリジェンス市場につきましては、法執行機関の業務におけるデジタル化が世界的に進んでいる事に加え、より効果的な犯罪対策を築くための予算投入のプレッシャーが各政府において増大しております。その一例として、欧米の2023年度予算案における法執行機関に対する支援は大きく、2022年度以上の額が盛り込まれております。また、犯罪手法の高度化がますます進んでおり、英国等では、捜査活動やデバイスの解読活動が追い付かなくなっている状況も報告されております。
次に、エンターテインメント関連事業のうち、パチンコ市場につきましては、2022年1月末に新規則遊技機への入替が完了した後も、一部タイトルの稼働が好調なことにけん引され、新台需要も大きな落ち込みもなく推移しております。一方、コロナ禍や継続する世界的な半導体不足による供給難や原価高騰、パチンコホールの減少等、将来的な不透明感が依然として存在しております。
ゲームコンテンツ市場につきましては、コロナ禍において在宅で楽しめるエンターテインメントとしての地位を確立しており、今後も拡大傾向が続いていくと思われます。また、技術の進歩によりゲーム開発はパソコン一台、一人からできる時代となり、各プラットフォームでリリースされるゲームの数も拡大傾向にあるため、競争が激化している状態にあります。
上記のように、市場環境が不透明な主力事業も存在する中、当社グループの更なる業績向上を図るため、IoT、AR、AI等の最新技術を活用していく社会的な流れを汲み、新たな主力製品・サービスの構築に取り組んでおります。
新規IT関連事業のうち、M2M、IoT市場につきましては、各通信キャリアが2026年3月までに3G回線を順次停波するため、3GからLTE(4G)へのマイグレーションが本格的に進んでおります。産業機器などに遠隔地からアクセスする監視/制御システムの需要は増加している一方、多くの企業が市場に参入しているため、市場自体は拡大しつつも競争環境は厳しくなっております。また、コロナ禍や継続する世界的な半導体不足による供給難や原価高騰等により、当社製品の供給に影響が出る可能性はあるものの、現時点では不透明な状況にあります。スマートグラスを利用した遠隔支援市場につきましては、まだ市場が本格的に立ち上がっている状況ではないものの、コロナ禍によるオンライン業務や、人手不足による企業の遠隔支援に関する需要は、高まってきております。
<競争優位性>
モバイルデータソリューション事業につきましては、当社の連結子会社であるCellebrite DI Ltd.(以下、「Cellebrite社」という。)が、高度アクセス技術を用いた次世代ソリューション、民間向けの新しい遠隔モバイル収集システム、新しいSaaSベースの証拠管理ソリューション等の開発により、新技術、生産性、効率性における競争力を高水準で維持しております。また、暗号資産、仮想通貨のブロックチェーン分析のトップ企業であるChainalysis Inc.(以下、「Chainalysis社」という。)と提携したことにより、金融機関、政府機関、暗号資産事業者向けの競争力が更に高まっております。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、業界及び顧客を特化することで、強力な信頼関係の構築及び特定分野における表現力・技術力の蓄積をし、高い商品力を有したコンテンツ開発や高品質の制御基板開発を実現することで、競争優位性を図っております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、知名度の高い「上海」ブランドを使ったモバイルゲームを社内で開発から運営まで完結し、コスト効率の良い収益を長期にわたり維持することが可能となっております。また、当社が多くのIPを保有する「レトロゲーム」ジャンルは、欧米市場を中心に人気が再来しており、その有効活用により更なる収益の拡大が見込める状況にあります。
新規IT関連事業につきましては、各通信キャリア、パートナーと強力な信頼関係を構築しつつ、長年培ってきた技術をベースに3G回線からLTE(4G)回線へのマイグレーションに関連した特許を取得し、技術的競争優位性を維持しつつ、5GやエッジAIをキーワードに製品開発を進め更なる競争力強化を図っております。
また2021年11月にリリースしました「DRX5010」はデュアルSIM対応で、それぞれ異なる通信キャリア回線を冗長化することが可能となりました。これによりキャリア網障害発生時には主回線から副回線に自動切換えを行い、回線の通信断を防ぎ、遠隔監視・制御、データ収集を止めることなく運用することができるようになっております。
また、マルチスマートグラスデバイスに対応した遠隔支援に特化した「AceReal Assist」は、他社製スマートグラスに順次対応しております。今後は、M2M事業で培ったモバイル通信機器とのシナジーを図り、遠隔支援の視野を広げ、AR、AI技術をベースにDXを推進するすべての企業へ新たなソリューションを提供いたします。
<経営施策>
モバイルデータソリューション事業につきましては、2020年1月にApple,Inc.向けのPCフォレンジックに特徴を持つBlackBag Technologies Inc.(以下、「BlackBag社」という。)を買収し、データ分析分野を中心とした事業拡大を図っております。また、資金調達を通じた更なる事業拡大を図るため、Cellebrite社は、2021年8月に米国ナスダック市場に上場いたしました。更に、2021年11月に、Digital Clues AG(以下、「Digital Clues社」という。)の事業を買収する等、オープンソースインテリジェンス領域の強化を図るとともに、無期限ライセンス型のビジネス業態からサブスクリプション型への移行を推進しております。また、Cellebrite社が前期に立ち上げた倫理公正委員会が軌道に乗り、以前指摘を受けていた企業倫理に則した顧客選定が実施されております。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、業界環境が厳しくなる中、開発・製造両面での業務効率化を徹底し、その経営資源を受託開発案件での商品力強化及び技術力を活かした新商品企画に注力することで、顧客とともに業界でのシェア拡大を目指してまいります。
ゲームコンテンツ事業につきましては、既存のモバイルタイトル、ライセンス事業を収益基盤としつつ、新たな収益の柱として当社レトロゲームIPを活用した、新規タイトルの開発に着手しております。
新規IT関連事業のうち、「おくだけセンサー」等戦略商品について、マーケティングを行いながら、機能開発、新規顧客の開拓に努めております。飲料自販機は日本国内で約228万台設置されており、その多くが在庫管理等に3G回線を使用しています。M2M事業では、3GからLTE(4G)へマイグレーションするための戦略製品である「A330」、「A900」を開発、販売開始しており、在庫管理システムを展開している大手通信キャリア、パートナーと連携をしながら、複数の大手飲料オペレータに採用され、順調に事業が拡大しております。また、今後デバイスマネジメント「SunDMS」の機能強化をすることにより付加価値を高め、ストックビジネスの拡大を図っております。「AceReal Assist」についてはスマートグラスに対応した遠隔支援の機能にフォーカスをして、ソリューションビジネスを中心に、事業展開を進めております。大手通信キャリアとは5Gをキーワードに戦略的パートナーシップを形成しており、今後も多様なソリューション案件で更なる拡販を図ってまいります。
<商品・サービスの概況>
モバイルデータソリューション事業につきましては、2021年7月に次世代ソリューションである「Premium Enterprise」(各端末へ広がる高度アクセス技術により、遠隔からのUFEDへの接続が可能となりました。)を発表、2021年9月には、民間向けの新しい遠隔モバイル収集システムを発表しました。これらは各前線部隊からの迅速な情報収集が必要となる企業捜査、電子情報開示、サイバー不正対応において非常に有効なサービスとなります。更に、2021年10月には新しいSaaSベースの証拠管理ソリューションである「Guardian」(情報や証拠の管理、保管、共有、報告まで全てをクラウド上で完結させる事ができます。)を発表しました。また、Digital Clues社の事業買収、Chainalysis社との提携に伴い、Cellebrite社のソリューションポートフォリオが拡充されています。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、パチンコ・パチスロの企画から設計、映像制作、プログラムまでのトータルのコンテンツ開発と、制御基板の設計から製造までを一貫して受託しております。また、コンテンツ開発のノウハウを活かし、スマートフォン向けのパチンコ・パチスロの実機シミュレーションアプリを展開しており、実機の市場での稼働貢献、コンテンツの知名度向上を図っております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、「上海」を中心とする既存サービスで安定した収益を維持しつつ、グローバルマーケットでの販売強化のため、モバイル分野ではハイパーカジュアルゲームに注力し、PC/コンソール分野においては有望な海外インディーゲームとの協業によるゲーム配信を進めております。
新規IT関連事業につきましては、飲料自販機向けLTE(4G)マイグレーション戦略製品「A330」、「A900」が複数の大手飲料オペレータに採用され、既に導入開始しております。Rooster等のルータ・ゲートウェイ製品においては回線冗長化およびデバイスマネジメントサービス「SunDMS」との連携で他社との差別化を打ち出し、売上高も堅調に推移しており、5G、エッジAIの開発を進め更なる事業拡大を進めております。また、センサーデバイス「おくだけセンサー」については実証実験から本格導入フェーズとなりました。更なる強化のため自社製センサーに限らず、他社製センサーも容易に対応可能なマルチセンサーソリューション開発を進めております。遠隔支援に特化した「AceReal Assist」は、クラウド型であることから、複数メーカーの最新スマートグラスに迅速に対応することができます。簡易な操作で遠隔支援が開始できるため、すぐに円滑な双方向のコミュニケーションが実現できます。今後、この「AceReal Assist」を手始めに、お客様のDXを解決すべく、新たなソリューションを広く展開していきます。
<損益計算書(連結)について>
連結売上高につきましては、前期と比較してモバイルデータソリューション事業において受注が堅調に推移したことにより、全体の売上高は、95億52百万円(前年同期比32.1%増)となりました。当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましても、上記増収の影響もあり、68億40百万円(前年同期比22.7%増)となり、売上総利益率は71.6%(前年同期比5.5pt減)となりました。
連結売上高
売上総利益
売上総利益率
<販売費及び一般管理費について>
連結の販売費及び一般管理費は、73億53百万円(前年同期比42.8%増)となりました。
当社グループでは、将来成長に向けた先行投資としての研究開発活動を重視しており、成長しているモバイルデータソリューション事業を中心に研究開発を積極的に行っております。
モバイルデータソリューション事業につきましては、継続的に新規機種・アプリ等に対応するための研究開発活動のほかに、分析システムの機能追加・改善等を重点的に取り組んでおります。またBlackBag社のPCフォレンジックとの連携等も注力しております。
エンターテインメント関連事業につきましては、厳しい業界環境を踏まえ、研究開発活動については、収益性を確認したうえで研究開発対象を厳選し、映像研究やハード開発を行っております。
新規IT関連事業のうち、M2M事業につきましては、次世代通信機器の開発や「おくだけセンサー」の特定用途向けのカスタマイズ開発等を進めております。
AR事業につきましては、連携できるサービスの拡張等に注力しております。
販売費及び一般管理費
研究開発費
<営業利益について>
連結の営業損益は、5億12百万円の損失(前年同期は4億25百万円の利益)となりました。これは主に、モバイルデータソリューション事業において研究開発費や販売費及び一般管理費等が増加したことが主な要因です。
営業利益
<経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益について>
連結の経常利益は、76億68百万円(前期は4億41百万円の利益)となりました。これはデリバティブ評価益46億93百万円の発生及び為替差益34億83百万円の増加が主たる要因です。また親会社株主に帰属する四半期純利益は、39億96百万円(前期は2億2百万円の利益)となり、同じく損益は改善しております。
<各セグメントの概況>
[モバイルデータソリューション事業]
売上高は、モバイルフォレンジック機器及びその関連サービスの受注が堅調に推移し、デジタルフォレンジック製品の販売が前期に比べ大幅に増加したことにより、29.7%の増収となりました。セグメント利益は、研究開発費や販売費及び一般管理費などが増加したことにより、7億78百万円の減益となりました。
[エンターテインメント関連事業]
遊技機関連事業につきましては、売上高は、受託開発が増加したことと、新製品が好調により受注が増加したことにより前期を上回りましたが、部品の高騰によりコスト増となり、減益となりました。ゲームコンテンツ事業につきましては、販売費及び一般管理費が増加したことにより減益となりました。
この結果、セグメント全体では、売上高は前期を上回りましたが、24百万円の減益となりました。
[新規IT関連事業]
M2M事業につきましては、売上高は、部品調達難により出荷数量が減少し、減収となりました。加えて、原材料高騰の影響を受け、減益となりました。
この結果、セグメント利益は、37百万円の減益となりました。
(2)財政状態に関する説明
(資産、負債及び純資産の状況)
(資産)
総資産は790億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億88百万円の減少となりました。
流動資産は681億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億68百万円の減少となりました。主な減少要因としては、現金及び預金98億88百万円の減少であります。主な増加要因としては、有価証券29億6百万円の増加であります。
固定資産は109億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億79百万円の増加となりました。主な増加要因としては、投資その他の資産その他7億67百万円の増加であります。
(負債)
負債は456億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ94億23百万円の減少となりました。
流動負債は333億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億26百万円の減少となりました。主な減少要因としては、未払法人税等69億49百万円の減少であります。
固定負債は122億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億96百万円の減少となりました。主な減少要因としては、デリバティブ債務37億71百万円の減少であります。
(純資産)
純資産は334億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億34百万円の増加となりました。主な増加の要因としては、資本剰余金34億45百万円、利益剰余金35億17百万円の増加であります。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、26億35百万円であります。
該当事項は、ありません。