当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
<外部環境について>
モバイルデータソリューション事業が属するデジタルインテリジェンス市場につきましては、法執行機関の業務におけるデジタル化が世界的に進んでいる事に加え、最大市場となる米国では、より効果的な犯罪対策を築くための予算投入のプレッシャーが増大しております。欧米での2023年度予算案における法執行機関に対する支援は大きく、2022年度以上の予算が盛り込まれております。また、犯罪手法の高度化がますます進んでおり、英国等では、捜査活動やデバイスの解読活動が追い付かなくなっている状況も報告されております。
次に、エンターテインメント関連事業のうち、パチンコ市場につきましては、2022年11月からスマート遊技機が導入され始め、稼働が好調なことも影響し、スマート遊技機を中心に新台需要も高まりつつあります。一方、コロナ禍や継続する世界的な半導体不足による供給難や原価高騰、パチンコホールの減少等、将来的な不透明感が依然として存在しております。
ゲームコンテンツ市場につきましては、コロナ禍において在宅で楽しめるエンターテインメントとしての地位を確立しており、今後も拡大傾向が続いていくと思われます。また、技術の進歩によりゲーム開発はパソコン一台、一人からできる時代となり、各プラットフォームでリリースされるゲームの数も拡大傾向にあるため、競争が激化している状態にあります。
上記のように、市場環境が不透明な主力事業も存在する中、当社グループの更なる業績向上を図るため、IoT、AR、AI等の最新技術を活用していく社会的な流れを汲み、新たな主力製品・サービスの構築に取り組んでおります。
新規IT関連事業のうち、M2M、IoT市場につきましては、各通信キャリアが2026年3月までに3G回線を順次停波するため、3GからLTE(4G)へのマイグレーションが本格的に進んでおります。産業機器などに遠隔地からアクセスする監視/制御システムの需要は増加している一方、多くの企業が市場に参入しているため、市場自体は拡大しつつも競争環境は厳しくなっております。また、コロナ禍や継続する世界的な半導体不足による供給難や原価高騰等により、当社製品の供給に影響が出る可能性もあり、現時点では不透明な状況にあります。スマートグラスを利用した遠隔支援市場につきましては、まだ市場が本格的に立ち上がっている状況ではないものの、コロナ禍によるオンライン業務や、人手不足による企業の遠隔支援に関する需要は、高まってきております。
<競争優位性>
モバイルデータソリューション事業につきましては、Cellebrite社が、高度アクセス技術を用いた次世代ソリューション、民間向けの新しい遠隔モバイル収集システム、新しいSaaSベースの証拠管理ソリューション等の開発により、新技術、生産性、効率性における競争力を高水準で維持しております。また、暗号資産、仮想通貨のブロックチェーン分析のトップ企業であるChainalysis Inc.と提携したことにより、金融機関、政府機関、暗号資産事業者向けの競争力が更に高まっております。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、業界及び顧客を特化することで、強力な信頼関係の構築及び特定分野における表現力・技術力の蓄積により、高い商品力を有したコンテンツ開発や高品質の制御基板開発を実現することで、競争優位性を図っております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、知名度の高い「上海」ブランドを使ったモバイルゲームを社内で開発から運営まで完結することで、コスト効率の高い収益を長期にわたり維持することが可能となっております。また、当社が多くのIPを保有する「レトロゲーム」ジャンルは、欧米市場を中心に人気が再来しており、その有効活用により更なる収益の拡大が見込める状況にあります。
新規IT関連事業につきましては、各通信キャリア、パートナーと強力な信頼関係を構築しつつ、長年培ってきた技術をベースに3G回線からLTE(4G)回線へのマイグレーションに関連した特許を取得し、技術的競争優位性を維持しつつ、5GやエッジAIをキーワードに製品開発を進め、更なる競争力強化を図っております。
また2021年11月にリリースしました「DRX5010」はデュアルSIM対応で、それぞれ異なる通信キャリア回線を冗長化することが可能となりました。これによりキャリア網障害発生時には主回線から副回線に自動切換えを行い、回線の通信断を防ぎ、遠隔監視・制御、データ収集を止めることなく運用することが可能になっております。
また、遠隔支援に特化した「AceReal Assist」は、マルチスマートグラスデバイスに対応しており、順次他社製のスマートグラスにも対応してまいります。今後は、M2M事業で培ったモバイル通信機器とのシナジーを図り、遠隔支援の視野を広げ、AR、AI技術をベースにDXを推進するすべての企業へ新たなソリューションを提供してまいります。
<経営施策>
モバイルデータソリューション事業につきましては、データ分析分野を中心とした事業拡大を図っております。資金調達を通じた更なる事業拡大を図るため、Cellebrite社は、2021年8月に米国ナスダック市場に上場を果たし、サブスクリプション型ビジネスを推進する等、新たな収益モデルを拡充しております。直近では、次世代レビューソリューションであるPhysical Analyzer Ultraがリリースされ、これは業界におけるデジタルデータ調査の事実上のスタンダードとなると考えております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、既存のモバイルタイトル、ライセンス事業を収益基盤としつつ、新たな収益の柱として当社レトロゲームIPを活用した、新規タイトルの開発に着手しております。
新規IT関連事業のうち、「おくだけセンサー」等戦略商品について、マーケティング活動と並行して、機能開発、新規顧客の開拓に努めております。飲料自販機は日本国内で約228万台設置されており、その多くが在庫管理等に3G回線を使用しています。M2M事業では、3GからLTE(4G)へマイグレーションするための戦略製品である「A330」、「A900」を開発、販売開始しており、在庫管理システムを展開している大手通信キャリア、パートナーと連携をしながら、複数の大手飲料オペレータに採用され、順調に事業が拡大しております。また、今後デバイスマネジメント「SunDMS」の機能強化をすることにより付加価値を高め、ストックビジネスの拡大を図っております。「AceReal Assist」についてはスマートグラスに対応した遠隔支援の機能にフォーカスをして、ソリューションビジネスを中心に、事業展開を進めております。大手通信キャリアとは5Gをキーワードに戦略的パートナーシップを形成しており、今後も多様なソリューション案件で更なる拡販を図ってまいります。
<商品・サービスの概況>
モバイルデータソリューション事業につきましては、新しいSaaSベースの証拠管理ソリューションとして「Cellebrite Guardian」をリリースし、導入が進んでおります。「Cellebrite Guardian」では、証拠データの保存、管理、共有など、デジタル証拠を一元管理するフローを支援します。また、関連する法執行機関の権限により、証拠データの共有、複製、転送、過去データの閲覧等を可能とし、捜査フローの効率化を図ります。
また、Forensic Focus4:cast awardにて、DFIR Commercial Tool of the Yearや、Investigator of the Yearを3年連続で受賞するなど、デジタルフォレンジックにおける高い技術力が証明されております。
エンターテインメント関連事業のうち、遊技機関連事業につきましては、パチンコ・パチスロの企画から設計、映像制作、プログラムまでのトータルのコンテンツ開発と、制御基板の設計から製造までを一貫して受託しております。また、コンテンツ開発のノウハウを活かし、スマートフォン向けのパチンコ・パチスロの実機シミュレーションアプリを展開しており、実機の市場での稼働貢献、コンテンツの知名度向上を図っております。
ゲームコンテンツ事業につきましては、レトロゲームIPを利用した「いっき団結」がsteamプラットフォームで2月15日にリリースされる予定となっております。
新規IT関連事業につきましては、飲料自販機向けLTE(4G)マイグレーション戦略製品「A330」、「A900」が複数の大手飲料オペレータに採用され、既に導入開始しております。Rooster等のルータ・ゲートウェイ製品においては回線冗長化およびデバイスマネジメントサービス「SunDMS」との連携で他社との差別化を打ち出し、売上高も堅調に推移しており、5G、エッジAIの開発を進め更なる事業拡大を進めております。また、センサーデバイス「おくだけセンサー」については実証実験から本格導入フェーズとなりました。更なる強化のため、自社製センサーに限らず、多種多様な他社製センサーも容易に対応可能なマルチセンサーソリューション「BlueXtender」も2022年11月24日にリリースいたしました。遠隔支援に特化した「AceReal Assist」は、クラウド型であることから、複数メーカーの最新スマートグラスに迅速に対応することができます。簡易な操作で遠隔支援が開始できるため、すぐに円滑な双方向のコミュニケーションが実現できます。今後、この「AceReal Assist」を手始めに、お客様のDXを解決すべく、新たなソリューションを広く展開していきます。
=損益計算書(連結)について=
連結売上高につきましては、前期と比較してモバイルデータソリューション事業において受注が堅調に推移したことにより、全体の売上高は、344億97百万円(前期比31.1%増)となりました。当社グループが生み出す付加価値を示す売上総利益につきましては、上記増収の影響もあり246億23百万円(前期比32.2%増)となり、売上総利益率は71.4%(前期比0.6pt増)となりました。
連結売上高
売上総利益
売上総利益率
<販売費及び一般管理費について>
連結の販売費及び一般管理費は、264億97百万円(前期比48.9%増)となりました。これはモバイルデータソリューション事業において、人件費等が増加したことが主な要因です。
当社グループでは、将来成長に向けた先行投資としての研究開発活動を重視しており、成長しているモバイルデータソリューション事業を中心に研究開発を積極的に行っております。
モバイルデータソリューション事業につきましては、継続的に新規機種・アプリ等に対応するための研究開発活動のほかに、分析システムの機能追加・改善等を重点的に取り組んでおります。またBlackBag社のPCフォレンジックとの連携等も注力しております。
エンターテインメント関連事業につきましては、厳しい業界環境を踏まえ、研究開発活動については、収益性を確認したうえで研究開発対象を厳選し、映像研究やハード開発を行っております。
新規IT関連事業のうち、M2M事業につきましては、次世代通信機器の開発や「おくだけセンサー」の特定用途向けのカスタマイズ開発等を進めております。AR事業につきましては、連携できるサービスの拡張等に注力しております。
販売費及び一般管理費
研究開発費
<営業利益について>
連結の営業損失は、18億74百万円(前年同期は8億30百万円の利益)となりました。これは主に、モバイルデータソリューション事業において研究開発費や販売費及び一般管理費等が増加したことが主な要因です。
営業利益
<経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益について>
連結の経常利益は、135億66百万円(前期比322.3%増)となりました。これはデリバティブ評価益121億7百万円及び為替差益30億69百万円が主な要因です。また親会社株主に帰属する四半期純利益は、63億5百万円(前期比321.2%増)となり、同じく損益は改善しております。
<各セグメントの概況>
[モバイルデータソリューション事業]
売上高は、モバイルフォレンジック機器及びその関連サービスの受注が堅調に推移し、デジタルフォレンジック製品の販売が前期に比べ大幅に増加したことにより、37.5%の増収となりました。セグメント利益は、研究開発費や販売費及び一般管理費等が増加したことにより、27億39百万円の減益となりました。
[エンターテインメント関連事業]
遊技機関連事業につきましては、半導体不足などによる部品・部材の高騰により原価高となりましたが、売上高は受託開発が増加したことと、新製品の受注が増加したことにより、増収増益となりました。
ゲームコンテンツ事業につきましては、既存タイトルの成長鈍化、新規タイトルへの開発投資のため、減収減益となりました。
この結果、セグメント全体では、増収減益となりました。
[新規IT関連事業]
M2M事業につきましては、売上高は、部品調達難により出荷数量が減少し、24.8%の減収となりました。セグメント利益は、出荷数量の減少に加えて原材料高騰の影響により、79百万円の減益となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
総資産は429億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ391億13百万円の減少となりました。
流動資産は347億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ377億36百万円の減少となりました。
主な減少要因としては、未収入金217億13百万円、受取手形及び売掛金84億9百万円、現金及び預金53億48百万円及び有価証券11億2百万円の減少であります。
固定資産は82億45百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億77百万円の減少となりました。
主な減少要因としては、のれん27億53百万円、有形固定資産その他19億67百万円、無形固定資産その他12億33百万円及び繰延税金資産11億26百万円の減少であります。一方、主な増加要因としては投資その他資産その他57億21百万円の増加であります。
なお、上記の主な増加要因及び減少要因は、当社の連結子会社であったCellebrite社及びその子会社13社を持分法適用関連会社へ移行することに伴う影響であります。
(負債)
負債は81億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ469億12百万円の減少となりました。
流動負債は59億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ329億93百万円の減少となりました。主な減少要因としては、契約負債177億47百万円、未払法人税等85億17百万円及び未払費用37億70百万円の減少であります。
固定負債は21億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ139億18百万円の減少となりました。
主な減少要因としては、デリバティブ債務143億88百万円の減少であります。
なお、上記の主な減少要因は、当社の連結子会社であったCellebrite社及びその子会社13社を持分法適用関連会社へ移行することに伴う影響であります。
(純資産)
純資産は348億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ77億98百万円の増加となりました。主な増加要因としては、利益剰余金242億22百万円の増加であります。一方、主な減少要因としては、資本剰余金125億46百万円、新株予約権25億91百万円及び自己株式13億10百万円の減少であります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
(当社グループの対処すべき課題)
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、95億25百万円であります。
(5)従業員数
当第3四半期連結会計期間において、当社の連結子会社であったCellebrite社及びその子会社13社を連結の範囲から除外し、持分法適用関連会社へ移行することに伴い、モバイルデータソリューション事業において従業員数が898名減少しております。
当社は2022年12月23日開催の取締役会において、EKTech Holdings Sdn. Bhd.の株式を取得し、連結子会社化することについて決議し、2023年2月2日に全株式を取得いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。