第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度におけるわが国経済は、第2四半期までは円安傾向が続いた結果、国内大手輸出関連企業の業績は堅調に推移しておりましたが、原油安、株安等の目まぐるしい変化により、緩やかに回復すると見られていた景気は足踏み状態が続いております。また、企業の設備投資も業種や地域によって景況感に格差があり、厳しい状況が続いております。こうした状況の中、当事業年度は、国内IT関連投資に関しても、第2四半期までは設備投資需要の回復による新規需要も増加し、ストレージ業界を取り巻く環境は従前よりも回復基調で推移しました。
 このような環境の下、当社では先行き不透明な状況を見越して、従前より早めの営業活動に取り組み、OEM製品について、更なる新規納品先の開拓と客先に合わせた製品の開発を推進して、事業拡大に注力したこと、主力製品の機能強化、ストレージ製品の高付加価値化に寄与するソリューション販売(サーバ、ストレージ及びソフトウェアを組み合わせ、システムとして納入する販売形態)の販売強化及びサポート・サービスの充実に継続して取り組んだことが奏効し、すべての製品群において、当事業年度の業績に寄与することができました。

 また、OEM製品の出荷が順調に伸び、更に低迷していたストレージ製品のうち高付加価値化製品の販売が、プロミステクノロジー社との戦略的な協業化によるストレージ製品の拡販や大容量のCloudyシリーズの販売が好成績を挙げました。
 以上の結果、当事業年度の売上高は2,418,781千円(前事業年度比11.1%増)となりました。製品売上に関しては、OEM向けの製品(ミラー製品、小型NAS等)の出荷は979,291千円(前事業年度比18.8%増)と順調な伸びを示し、全体に大きく寄与しました。また、ストレージ製品のうちRAIDの販売は466,040千円(前事業年度比9.8%増)と良好で、また併せてNAS製品もCloudy関連並びに小形NASが好調で833,908千円(前事業年度比27.1%増)と大幅に増加したため、ストレージ本体及び周辺機器を含む製品売上高は1,833,073千円(前事業年度比12.4%増)と大きく伸びました。

  商品売上は、ソリューション販売による付随的他社商品の案件もあり、322,598千円(前事業年度比14.4%増)と順調に伸びました。

 また、サービス売上は263,110千円(前事業年度比0.8%減)と横這いでありました。これは新規の保守契約売上が前事業年度比18.4%増と大幅に伸びましたが、前受収益へ振替となった結果であります。

 一方、損益面につきましては、売上高が前事業年度を241,411千円上回りましたが、売上損益率は円安による海外からの部材調達コストが増加し、前事業年度を0.3ポイント下回りました。その結果、売上総利益は604,033千円(前事業年度比9.9%増)と増加しました。一方、販売管理費は485,954千円(前事業年度比1.3%減)と研究開発費の削減(前事業年度比31.6%減)が人件費増加(前事業年度比15.0%増)を吸収し、営業利益118,078千円(前事業年度比106.0%増)、経常利益104,588千円(前事業年度比142.4%増)となりました。また、今後の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産44,845千円を新たに計上することとしたことから、当事業年度の税金費用が44,845千円減少し、当期純利益は138,013千円(前事業年度比268.0%増)と大幅な増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ225,459千円増加し1,786,116千円となりました。

 なお、当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は336,514千円(前事業年度は78,595千円の支出)となりました。主な資金増加要因は、売上債権の減少294,187千円、たな卸資産の減少4,790千円、税引前当期純利益104,588千円、減価償却費11,810千円、その他負債の増加45,500千円等であり、主な資金減少要因は仕入債務の減少92,528千円、未払消費税の減少12,016千円、その他資産の増加16,806千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は27,351千円(前事業年度比875.8%増)となりました。これは主に、検査用測定器等の有形固定資産の取得があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は83,703千円(前事業年度は1,342千円の支出)となりました。主な資金減少要因は、長期借入金の返済額64,627千円、配当金の支払額19,076千円があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社は、ストレージ(外部記憶装置)本体及び周辺機器の開発、製造、販売及び保守サービスを行う単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましては、品目別に記載しております。

(1)生産実績

 当社の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当事業年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前期比(%)

ストレージ本体(千円)

1,780,904

118.2

周辺機器(千円)

54,969

58.1

合計(千円)

1,835,873

114.6

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)商品仕入実績

 当社の商品仕入実績は、次のとおりであります。

品目別

当事業年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前期比(%)

商品(千円)

264,905

118.9

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注状況

 当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当社の販売実績を品目別に区分して示すと、次のとおりであります。

品目別

当事業年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

前期比(%)

ストレージ本体(千円)

1,778,402

115.8

周辺機器(千円)

54,670

57.8

製品計(千円)

1,833,073

112.4

商品(千円)

322,598

114.4

サービス(千円)

263,110

99.2

合計(千円)

2,418,781

111.1

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりとなっております。

相手先

前事業年度

(自 平成26年3月1日

 至 平成27年2月28日)

当事業年度

(自 平成27年3月1日

 至 平成28年2月29日)

 金額(千円)

 割合(%)

 金額(千円)

 割合(%)

サクサ株式会社

290,515

13.3

437,453

18.1

株式会社リョーサン

310,751

14.3

375,232

15.5

都築電気株式会社

302,814

13.9

        2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 国内のIT市場は回復基調にありますが、IT部門の設備予算は未だ先行き不安がぬぐえず、従来よりも低コストで同じ機能を実現できるソリューションに一層の注目が集まるものと認識しております。

 ストレージとしては、ビッグデータ対応などを始めとしてデジタルデータの増加傾向及び企業の内部統制強化に伴うデータの増大などの背景は変わらず、非ITの組込み系市場でもIoTの取り組みが加速して、安定した成長を遂げつつあります。更に2020年に開催される東京オリンピックに向けた設備投資などが徐々に始まり底堅い需要が継続するものと予想されております。

 以上のような流れを受け、当社としましては、低コスト、高機能で高品質、また、多様化する市場の要求に応じてストレージ・ソリューションの提供を行うため、製品ラインナップの拡充及び開発・生産・保守体制の強化に引き続き努めてまいります。非IT系市場に対しては、現状のOEM製品のラインナップを一層充実し、ミラー、RAID及びそれらを組み込んだサーバ製品の継続供給及び東京オリンピックへ向けて整備されていくであろう監視カメラやデジタルサイネージ用に特化したストレージ製品など水平展開に努め、開発及び評価に必要な技術力を強化してまいります。

 これらの戦略を通し、当社事業の安定した成長と利益率の改善を図ってまいります。

(1) 営業活動の強化

[顧客セグメントと製品ラインナップ]

 一般企業のIT部門においては大容量のファイルサーバの需要が多く、引き続き主力製品であるCloudyシリーズをご提供してまいります。監視カメラ、医療系、映像系のシステムインテグレータに対しても製品群の認知度か高まり、今期においてCloudyシリーズやVessシリーズを標準採用していただけるパートナーを複数社獲得できました。製品販売だけでなくサポート・サービスも提供できるという点を高く評価いただけているので今後も横展開してまいります。データセンター向けには安価でしかも高品質、また、短期間に大量にご提供できるような仕組みが確立し今後も継続してまいります。

 また、今まで大学、研究機関向けでは容量重視のバックアップ用途の案件に多数採用していただいておりましたが、今後InfiniBandや広帯域のEthernetのインターフェースを持ち、SSDを搭載した高速なストレージ製品も提案してまいります。

 

[OEM製品供給の推進]

 引き続き、OEM製品(相手先ブランドで販売される製品)の供給を推進しビジネスを拡大してまいります。第35期は、ミラーリング製品「HAWK」シリーズの後継機種「EAGLE」への切り替えが進み、引き続き既存顧客、新規顧客へアプローチするとともに、市場シェアの更なる拡大を目指してまいります。また、SSDや検査済みHDDについても既に数社とビジネスが進んでおりますが、更なる拡販をしてまいります。

 

[ストレージ・ソリューション販売の拡充と推進]

 当事業年度においてNAS製品のベストセラー「Cloudy Ⅱ」シリーズを後継機種「Cloudy Ⅲ」シリーズに完全移行しました。「Cloudy Ⅲ」シリーズは、当社が長年OEM先向けに販売していたミラーリング製品を搭載したモデルやSMB3.0の機能とInfiniBand、10/40Gイーサネット及びSSDを組み合わせたモデルなどラインナップの幅をより広げ、様々なお客様のニーズに合ったご提案ができるようになりました。また、マイナンバー導入による情報セキュリティ強化対応としてアクセスログの記録を可能にする「VVAULT AUDIT」を標準で搭載しました。災害対策向けソリューションである筺体間レプリケーションや「Smart NAS」のバックアップオプションである「Cloudy Backup」も継続して販売してまいります。新たな製品群としてUSB I/Fのストレージ「QBOX」シリーズ、JBODストレージ「JBOX」シリーズのそれぞれをラインナップします。当初はQBOX-mini(デスクトップHDD2台入り)、JBOX-Pro(デスクトップ、HDD12台入り)を販売開始しますが、今後ラインナップを増やし新たな需要を取り込めるようにします。

 

  (2) 製品開発の強化

 当社のフラグシップモデル「Supremacy Ⅲ」の容量拡張を可能にしたJBODを販売開始しました。JBODは1筺体に44台のHDDを搭載でき、また、「Supremacy Ⅲ」にこのJBODを最大2台まで接続できるので、「Supremacy Ⅲ」一式で500TB超のストレージ容量をご提供できることになりました。

 また、開発に取り掛かっていたミラーリングコントローラ「HAWK」シリーズの後継機種「EAGLE」の開発は終了し、性能改善・HostⅠ/Fを強化した上位機種「KITE」の開発に着手しております。

 なお、既に企業向けUSB I/Fのストレージの開発に着手しておりますが、今後「QBOX」シリーズとして企業向け、組み込み系市場向けに投入してまいります。

 

   (3) 生産体制の強化

[品質管理体制の強化]

 ストレージ製品には、お客様の貴重なデータが保存されております。安価な製品でもHDDが大容量化することに伴い膨大なデータが保存されています。当社の使命は、いかなる製品の場合においてもお客様データを喪失することなく確実に保存することと考えております。また、OEMビジネスの拡大により大手メーカーの品質保証部門の監査にも耐え得る品質管理体制を敷き、当社独自のHDDの検査装置を設置したことにより、製品品質の向上に一層注力してまいります。

[生産の効率化とコストダウン]

 当社の特徴であるファブレス生産体制を強化し、生産委託先との緊密な連携を行うことで、自社開発製品の生産の効率化とコスト及び在庫の削減を図ります。また、海外メーカーとの連携を深め、なお一層の調達コスト削減を図り、価格競争力強化を目指します。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に判断した上で行われる必要があると考えております。

 また、以下の記載は、将来に関する事項も含め入手可能な情報に基づき当社が判断したものであり、当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

① 製造を外部委託していることについて

 当社は、製品の開発、設計、品質管理及び販売に経営資源を集中し、製造については大部分を外部に委託するファブレス型のモデルを採用しております。RAIDの主要構成部材(コンポーネンツ)は、ハードディスク・コントローラ・メモリー・電源装置等いずれも高度に規格化・標準化された部品であり、当社は、これらの部材をそれぞれの専業メーカーからの供給に依存しております。当社は、これら部材の調達を特定の会社に集中しないよう国内外のメーカーとの間で資材調達ネットワークを構築しておりますが、将来、部材市況価格の急激な上昇や調達先の経営悪化、供給能力ダウン及び品質問題の発生等により当社の部材調達に支障が発生し、当社が適切な時期に製品出荷ができなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社は、現在、筐体の製作や製品組み立て等の加工作業を外注先に委託しております。当該加工作業については、作業の性格上代替先の確保に格別の困難は生じないと考えられますが、将来当社の外注先の経営悪化、製造能力及び品質問題の発生等により当社製品の出荷遅延又は停止等の事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 主力製品への依存度が高いことについて

 当社のストレージ関連製品売上高は、平成28年2月期の当社売上高の73.5%を占めており、同製品への依存度が高い収益構造となっております。

 当社の主力とする中規模ストレージ機器は、主に企業の情報処理システムの中枢を担うサーバーコンピュータに接続する専用の外部記憶装置であることから、当社の業績は国内サーバー市場の動向に影響を受けます。従って、不況の長期化等により企業の情報関連投資意欲が減退して国内サーバー需要が減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、ストレージ機器は技術革新が激しいため、製品のライフサイクルが1~1.5年程度と比較的短い傾向にあります。当社は、機動的な資材調達ネットワークの構築と需要予測に基づいたきめ細かな発注ロット管理により在庫を必要最小限にとどめるための諸施策を講じておりますが、需要予測の見誤り、他社新製品の投入等により当社製品在庫の陳腐化が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 ストレージ関連機器は、デジタル社会の発展に伴うデータ量の増大と企業の情報処理システムが複数のサーバーを使用した分散処理型に移行していくことを主要因として、今後の成長が期待される分野であります。現在のところ中規模のストレージ機器を専業とするメーカーは少数でありますが、将来大手メーカー等多数の競合会社が当市場に参入してきた場合には、その参入状況によっては当社の製品競争力・価格競争力が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 為替変動の影響について

 当社の仕入額のうち、輸入仕入が占める割合は低いものの、輸入仕入額の多くは外貨建てであります。

 今後輸入仕入の比率が高まった際は、外国為替相場の変動による外貨決済の影響を回避するため、仕入決済を実需に基づく為替予約等により為替リスクヘッジを行う予定ではありますが、すべての影響を回避することができず、当社の業績がその影響を受ける可能性があります。また、為替変動による輸入価格上昇により、価格競争力が低下し、販売活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社は、RAID製品の心臓部、「RAIDコントローラ」を自社内で開発しておりますが、ソフトウエア開発に軸足を置き、限られた人的資源の中で当社の個性が出せる製品をタイムリーに開発/出荷できるような組織にシフトしております。今後も「RAIDコントローラ」のソフトウエアを自社開発することにより、日本市場のニーズに合った仕様を盛り込んだり、お客様のご要望に沿った、特徴のある製品にすることが可能と考えています。また、お客様に対しては、メーカーだからこそ可能となる技術的に深く掘下げた技術サポートを提供し、長期に亘ってお客様のご愛顧を頂くことを可能とします。また、開発した「RAIDコントローラ」を応用した派生製品や製品カスタマイズによるOEM製品の提供などのビジネスチャンス拡大にも寄与するものです。

   今後当社が取り組む研究テーマは、次のとおりであります。

  (1) 新規ミラーリングカード

 ミラーリングカード「EAGLE」を当期開発し市場投入しましたが、性能改善・HostI/Fを強化した上位機種「KITE」の開発を着手しております。

  (2) USBストレージ

 既に企業向けUSB I/Fのストレージの開発に着手しておりますが、今後「QBOX」シリーズとして企業向け、組み込み系市場向けに製品投入します。

  (3) オープンプラットフォームへの対応

 「Supremacy Ⅲ」は、Linuxをベースとして開発しておりますが、このプログラムをオープンプラットフォームへ移植して製品化する検討を継続的に行います。

 

 当社は、今後も研究開発活動に積極的に取り組み、更なる差別化と競争力の強化を行ってまいります。なお、当事業年度における研究開発費の総額は90,621千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 以下の記載は、将来に関する事項も含め有価証券報告書提出日現在入手可能な情報に基づき当社が判断したものであります。

(1)財政状態の分析

 当事業年度末における資産・負債及び純資産の主な増減要因は、次のとおりであります。

① 流動資産

 当事業年度末における流動資産の残高は2,617,225千円となり、前事業年度末に比べ13,522千円減少しました。

  主な増減要因は、次のとおりであります。

 現金及び預金の残高は、前事業年度末に比べ225,459千円増加し1,786,116千円となりました。これは、主に売上債権の減少が、仕入債務等の減少を上回ったことによるものであります。

 売上債権(受取手形及び売掛金の合計額)は、前事業年度末に比べ294,187千円減少し452,675千円となりました。なお、当事業年度の売上債権回転率は年5.8回転であり、前事業年度3.1回転に比べ向上しました。前事業年度は期末に売上が集中したことと、期末が休日で手形決済が翌期にずれ込んだこと等により回転率が低下したたことによるものであります。

 たな卸資産(商品及び製品、原材料及び仕掛品の合計額)は、前事業年度末に比べ5,957千円減少の239,952千円でありました。

 その他の流動資産の残高は、前事業年度末に比べ61,636千円増加し138,479千円となりました。これは、繰延税金資産が前事業年度末に比べ44,845千円増加したことによるものであります。

   ② 固定資産

 当事業年度末における固定資産の残高は119,269千円となり、前事業年度末に比べ16,324千円増加しました。

  主な増減要因は、次のとおりであります。

 有形固定資産の残高は、前事業年度末に比べ17,645千円増加し42,652千円となりました。これは、新規の有形固定資産の取得額が減価償却費を上回ったことによるものであります。

 無形固定資産の残高は、前事業年度末に比べ363千円減少し2,256千円となりました。これは、新規のソフトウエアの取得額を減価償却費が上回ったことによるものであります。

 投資その他の資産の残高は、前事業年度末に比べ956千円減少し74,360千円となりました。これは、投資有価証券の時価評価による評価益543千円等の減少があったことによるものであります。

③ 流動負債

 当事業年度末における流動負債の残高は1,029,102千円となり、前事業年度末に比べ121,813千円減少しました。主な増減要因は、次のとおりであります。

 買掛金の残高は、前事業年度に比べ92,528千円減少し137,932千円となりました。短期有利子負債(1年内返済予定の長期借入金の額)の残高は、前事業年度末に比べ71,346千円減少し431,821千円となりました。

 前受収益の残高は、前事業年度に比べ39,547千円増加し323,386千円となりました。これは、保守契約売上が増加したことによるものであります。

 その他の流動負債の残高は、前事業年度末に比べ2,514千円増加し135,962千円となりました。これは主に、未払費用が25,705千円増加しその他の未払金等が23,191千円減少したことによるものであります。

④ 固定負債

 当事業年度末における固定負債の残高は561,599千円となり、前事業年度末に比べ6,313千円増加しました。

これは、長期借入金の純調達6,719千円等によるものであります。

⑤ 純資産

 当事業年度末における純資産合計の残高は1,145,792千円となり、前事業年度末に比べ118,302千円増加しました。これは主に、当期純利益138,013千円の計上に対し未払配当金の計上19,168千円があったことによる利益剰余金等の増加によるものであります。

 

(2)経営成績の分析

 国内のIT関連投資に関しては、第2四半期までは設備投資需要の回復による新規需要も増加し、先行き不透明な状況を見越して従前より早めの営業活動に取り組むとともに、OEM製品について、更なる新規納品先の開拓と客先に合わせた製品の開発を推進して、事業拡大に注力するとともに、ストレージ製品の主力モデルであるプロミステクノロジー社の製品群や大容量のCloudyシリーズの販売が好調に推移しました。

 また、OEM向けの小型ストレージサーバの安定した受注により業績の拡大に寄与し、売上目標を達成することができました。

 その結果、当事業年度の売上高は2,418,781千円(前事業年度比11.1%増)、経常利益104,588千円(前事業年度比142.4%増)、当期純利益138,013千円(前事業年度比268.0%増)の増収、増益となりました。

 当事業年度の経営成績に影響を与えた主な要因は、次のとおりであります。

① 売上高

 ストレージ本体を中心とした製品売上高は、大容量主力モデルの需要が研究機関向けに増加し、更にOEM製品の拡充と取引先の拡大による増加と合わせて、前事業年度比12.4%増加の1,833,073千円となりました。

 商品売上高は、他社商品と合わせた付随的な案件が多く、当事業年度の売上高は、前事業年度比14.4%増加の322,598千円でありました。

 サービス売上高は、新規保守契約が増加しましたが、長期契約が多く前受収益への振替により、当事業年度の売上高は、前事業年度比0.8%減少の263,110千円と横這いでありました。

 その結果、当事業年度の売上高は、前事業年度比11.1%増加の2,418,781千円となりました。

② 売上原価

 売上高は、前事業年度比11.1%増加でありましたが、売上原価は、前事業年度比11.5%増加の1,814,748千円となり、売上原価率は、前事業年度比0.3ポイント増加の75.0%となりました。これは、原価率の高いOEM製品の増加によるものでありました。

③ 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、前事業年度比1.3%減少の485,954千円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前事業年度並の20.1%でありました。6,530千円減少の要因は主に、人件費の増加35,652千円を研究開発費の削減41,807千円により吸収した結果であります。

④ 営業利益

 営業利益は、売上高は増収により、売上原価率が0.3ポイントの上昇したものの、売上総利益額が54,231千円増加し更に、販売費及び一般管理費の削減6,530千円もあり、前事業年度比60,761千円増加の118,078千円となりました。

⑤ 営業外収益及び費用

 営業外収益及び費用は、前事業年度の14,175千円の費用(純額)から685千円減少の13,490千円の費用(純額)となりました。これは主に、前事業年度に比し為替差益は3,468千円増加したものの、その他費用が2,841千円増加したことによるものであります。

⑥ 経常利益、法人税等、当期純利益

 上記の結果、経常利益は104,588千円(前事業年度比142.4%増)となり、更に、繰延税金資産44,845千円を新たに計上したため、税金費用(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計)は△33,425千円となり、当期純利益は138,013千円(前事業年度比268.0%増)となりました。

 

(3)流動性及び資金の源泉

① キャッシュ・フローの分析

 第2[事業の状況]1[業績等の概要]の(2)キャッシュ・フローをご参照ください。

 キャッシュ・フローに関する各指標は、次のとおりであります。

決算期

第32期

第33期

第34期

自己資本比率(%)

38.6

37.6

41.9

時価ベースの自己資本比率(%)

29.6

36.9

32.9

債務償還年数(年)

5.5

2.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

13.3

20.7

 (注)1.各指標の算出式は、次のとおりであります。

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2.各指標は、財務数値に基づき算出しております。

3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

4.有利子負債は、貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

② 財務政策

 当社では、運転資金及び決済資金を銀行からの借入により賄うことを基本方針としており、具体的には、期間3~5年程度の中長期固定金利による調達方法をとっております。また、当社が製造を外部に委託するファブレス型モデルを採用することで設備投資を検査測定器・金型等に絞っていることから、基本的に多額の設備資金需要はありません。さらに、研究開発資金は、増資又は長期の借入金により賄うことを基本方針としております。

 当社の現金及び預金の保有残高の適正水準は、当社の売掛金の回収サイト(平均約60日)をベースとして毎月の経費及び金利支払・海外からのスポット仕入れ等への対応などを考慮の上で手元資金の安定性を勘案いたしますと、金額にして10億円程度(概ね平均月商の4ヶ月分)であると考えております。当社の当事業年度末の現金及び預金残高は1,786,116千円であり、1年以内返済予定の長期借入金の残高が431,821千円であること及び新事業年度の業務計画等を考慮すれば、当事業年度末の現金及び預金残高は、今後の業務計画遂行に特段の支障はないものと判断しております。