第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、「パチンコファンが喜ぶこと」を発想の原点としており、アミューズメントの世界において誰もが楽しめる新しいシステムやサービスの開発にチャレンジしてきました。今後も独自の発想と技術力でコンピュータを中心に時代の変化を読みとり、ニーズを先取りする市場創造型の製品を提案し続けることによって、社会へ貢献していくことを基本方針としております。また、ブランド力の向上により、顧客からの支持を強めることが、企業として継続的な業績発展につながるとの考えから、『顧客からの支持は、継続的業績発展につながる』を当社グループの企業品質方針として掲げ、企業活動を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営の効率化、高付加価値化を推し進めることにより収益力を高めることが、企業価値・株主価値を向上させることであると考え、売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、業界の新しい成長を生み出す、どこよりも優れた情報インフラを提案していくことが当社グループの使命と考えております。

そして、ファン層の拡大(集客)こそが業界全体の発展につながるとの信念を持ち、パチンコホール、遊技機メーカーとパチンコファンを信頼で結び、三者が共に利益と満足を得るビジネスを構築してまいります。

そのために、全国のパチンコホールに対しては、遊技機の有効活用、パチンコファン集客のためのホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の提供やネットワークサービスにより、企業経営・店舗運営を支援する一方、遊技機メーカーに対しては、より魅力のある表示ユニットや制御ユニットを提案し続けてまいります。また、パチンコファンに対しては、スマートフォン及びインターネット向け情報サービスをさらに強化し、より一層有用なホール情報を提供してまいります。

 

(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題

パチンコ業界におきましては、遊技人口の減少等による右肩下がりの流れを示し、市場規模の縮小が続いている状況です。遊技機においては、法改正による規制強化が進み、先の見通しが困難な中で、パチンコホールの設備投資が抑制され、遊技機メーカーの経営状況も厳しさに見舞われております。

当社はこうした閉塞を打開すべく、経費の削減の徹底を図り、厳しい市場環境において利益の捻出を可能とする筋肉質な企業体質を作り上げながら、次世代の事業基盤を準備し、遊技業界の大きな転換を捉えた成長戦略を実行してまいります。

このような経営環境のもと、当連結会計年度末現在における対処すべき課題は次のとおりであります。

 

情報システム事業

① ホール経営の効率化、省力化を実現する製品の普及と進化を目指します。

② 新規則遊技機に対応した新たな管理方法を提案します。

③ 情報公開端末での、設定付きパチンコ機に対応したデータ表示の機能強化に取り組みます。

 

制御システム事業

① 企画提案領域をパチンコ遊技機全体に拡げ、販売製品の領域の拡大を目指します。

② 市場環境の変化を的確に掴み、迅速な戦略立案とタイムリーな提案でハードウェアの案件の獲得に努めます。

③ 開発の更なる業務効率を行い、品質向上と開発コスト削減の両立を目指します。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

情報システム事業の顧客であるパチンコホールは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、「風営法」という。)に定める基準に従って営業することが義務づけられており、パチンコホールが当社グループの製品を含めて店内の設備投資を行う場合、「風営法」に基づいて、あらかじめ各都道府県公安委員会に届出書を提出して、承認を受けなければなりません。また、パチンコホールの営業上、「風営法」のほか、「各都道府県条例」による規制を受けるとともに、過度な射幸性を抑制する目的等から、パチンコホールの業界団体が自主規制を行うことがあります。このような法的規制や新たな自主規制の実施により、パチンコホールの営業に制限が課せられた場合、パチンコホールの設備投資動向に急激な変化を生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 遊技機の型式試験について

当社グループ及び当社グループの取引先が製造販売するパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、「風営法」第20条第5項に基づき、国家公安委員会の指定試験機関である一般財団法人保安通信協会(保通協)の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されます。その後、各都道府県公安委員会による検定に適合することが必要となり、適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。

型式試験は、各パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機メーカーから持ち込まれた遊技機が国家公安委員会の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」の規格に適合するかどうかを判断(遊技機を制御するプログラムの審査及び10時間に及ぶ試射等)するものです。

パチンコファンのニーズの多様化や電子技術の進歩により遊技機の技術構造は飛躍的に進化しており、それに伴い試験の準備手続きや技術的仕様は複雑化に拍車がかかっています。そのため、型式試験の通過に予想を超える時間を要したり、試験に不適合となったりした場合には、制御システム事業の顧客である遊技機メーカーの販売計画に大きな狂いが生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品開発について

コンピュータシステムにおけるソフトウエアについては、プログラムの不具合であるバグを無くすことが重要な経営課題でありますが、一般的に今日のように高度なソフトウエア上でバグを皆無にすることは困難といわれております。当社グループでは自社開発のソフトウエアプログラムを入念にテストすることで対処しておりますが、顧客であるパチンコホール等に製品を納入した後にバグが発見されたケースが過去において発生しております。このようなバグが発見された場合には、その規模や内容によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 需要の大幅な変動について

遊技機の市場動向は、特定の人気機種が大きく販売を伸ばす一方、数千台で終息してしまう機種も増加し、機種ごとの優勝劣敗の傾向が強くなっております。大幅に需要変動する傾向のある遊技機市場環境のなか、当初計画した各メーカーへの納入台数が達成できなくなる、あるいは受注がキャンセルされること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産権の保護について

当社グループは、知的財産権の重要性が高まるなか、特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、その創出と保護に努めるとともに、他社の特許権を侵害しない製品づくりに努めております。

しかしながら、当社グループの知的財産権に対する侵害行為は、その全てを把握することは困難であり、当社グループの権利を完全に防護することは不可能です。また昨今、知的財産権はその量、内容共に膨大であり、調査分析を徹底しておりますが、当社グループが他社の特許権を侵害しているとして、何らかの請求を受ける可能性があります。

また、映像や音声の制作において、版権や楽曲を使用しないオリジナル作品の場合、類似や模倣という観点が明確でないため、細心の注意を払っていても、意図せず著作権や不正競争防止法に抵触しているとして何らかの請求を受ける可能性があります。

さらに、著作権の許諾を受けていても著作者もしくは権利元の意向により影響を受ける可能性があります。

 

(6) 検定型式の均一性に関して

パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、検定機関の検査に適合後、検定型式と同一の製造均一性を担保するため、その製品に使われている部品の互換が認められておりません。当社が遊技機メーカーに納入するユニット製品に使用している電子部品が生産中止となった場合、もしくは何らかの理由(企業の倒産、災害)により電子部品の供給が受けられなくなった場合は、当社製品の製造及び供給ができず業績に影響を受ける可能性があります。

 

(7) 創業者との取引

提出会社と創業者との2019年3月期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)における取引は次のとおりであります。

氏名

住所

資本金又は
出資金

事業の内容
又は職業

議決権の所有
(被所有)割合(%)

関係内容

取引の内容

取引金額
(千円)

科目

期末残高
(千円)

役員の
兼任等

事業上
の関係

栢森新治

当社常勤顧問
(相談役)

(被所有)
直接 2.99

給与支払

13,374

 

 

(注) 1 上記金額のうち、取引金額には消費税等は含まれておりません。

2 取引条件及び取引条件の決定方針等

給与については、常勤顧問規程に基づいて金額を決定しております。

3 栢森新治は代表取締役会長 栢森雅勝及び代表取締役専務 栢森健の実父であります。

 

なお、栢森新治は、1996年6月代表取締役を退任、取締役相談役に就任。1997年3月取締役相談役を退任後、常勤顧問規程により常勤顧問(相談役)に就任。多方面に渡る親交により、財界を中心とした渉外活動を通じて、当社事業展開が円滑に行われるよう、日々注力いたしております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に引き続き、緩やかな回復基調で推移いたしました。

一方で、米中貿易摩擦が世界経済に与える影響や金融資本市場の変動による影響の懸念など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。

当社グループが携わるパチンコ業界におきましては、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則」(以下「新規則」という。)の施行から1年以上が経過しておりますが、市場には依然として旧規則遊技機と新規則遊技機が混在するなか、新規則に適した魅力的な遊技性を創出することにより、新規則遊技機への移行を加速させることが求められています。

また、2019年3月6日に「ギャンブル等依存症対策推進基本計画(案)」が公表され、パチンコ業界が取り組むべき具体的な施策、課題が示されました。

警察庁生活安全局「平成30年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」によると遊技機設置台数はパチンコ遊技機が112,223台、パチスロ遊技機が21,841台各々減少し、合計4,302,731台となりました。しかし、1店舗当たりの遊技機設置台数は9.0台増加し、427.7台となりました。

このような市場環境のもと、情報システム事業におきましては、新MIRAIGATEサービスとして、周辺エリアの集客状況を表示する商圏分析サービス「Market-SIS」をリリースし、その普及に努めました。また、引き続き「設定付きパチンコ機」にも対応したデータ表示と多彩なコンテンツを搭載した「BiGMO PREMIUMⅡ」をはじめとした情報公開製品の拡販に努めるとともに、CRユニット「VEGASIAⅢ」では、ファン動向データ公開サービス「Fan-SIS」による顧客分析の提案及びセキュリティ機能を強化した新機能の提案に努めました。

制御システム事業におきましては、新規則施行後の市場環境を予測するとともに、各遊技機メーカーから市場投入された「設定付きパチンコ機」の評価・分析を行い、新規則に適した魅力的な遊技性の創出に取り組みました。また、新規顧客の獲得に向け、コンテンツ及び新技術を活用した企画提案活動を推進しました。

この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高311億66百万円前期比8.6%減)、連結営業利益15億27百万円同28.1%増)、連結経常利益17億48百万円同25.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億63百万円同60.9%増)となりました。

 

セグメント業績は次のとおりであります。

 

情報システム事業

当連結会計年度は、大手企業へ導入が進んだことによりホールコンピュータの販売は前連結会計年度を上回りましたが、「BiGMO PREMIUMⅡ」、「REVOLA」などのファン向け情報端末、及び当社独自のセキュリティ提案が高い評価を受けた「VEGASIAⅢ」などのCRユニットの販売は前連結会計年度並みとなりました。また、新規出店や大規模改装が大幅に減少する厳しい市場環境下において、景品顧客システムなどその他主力製品の販売は前連結会計年度を下回りました。

販売費及び一般管理費においては、主に研究開発費が前連結会計年度より減少しました。

この結果、当事業の売上高は244億74百万円前期比1.4%減)、セグメント利益27億25百万円同11.9%増)となりました。

 

制御システム事業

当連結会計年度は、遊技機市場全体の新台販売台数が低調に推移するなか、パチンコ遊技機向け表示ユニットの販売は好調に推移し、前連結会計年度を上回りましたが、新規則の影響による遊技機メーカーの販売計画の見直しやリユース率の上昇などもあり、制御ユニット及び部品販売においては前連結会計年度を下回る結果となりました。

また、前連結会計年度は約5,500台のパチスロ遊技機を市場投入しましたが、当連結会計年度での販売はありませんでした。

この結果、当事業の売上高は67億40百万円前期比27.7%減)、セグメント利益4億88百万円同12.7%増)となりました。

 

(注) セグメント業績の金額には、セグメント間取引が含まれております。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

4,014,705

96.7

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 情報システム事業においては製品の製造はOEM先で行っており、当社内で製造作業は行っておりません。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

6,777,372

97.7

964,792

133.4

 

(注) 1 情報システム事業については見込み生産をしており、また工事は製品販売に伴う付帯工事のため受注扱いしておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報システム事業

24,474,683

98.6

制御システム事業

6,691,524

72.2

合計

31,166,208

91.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

3 総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が10%未満のため、主要な販売先については記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度に比べ開発回収による未収入金や売上債権などの増加がありましたが、現金及び預金、たな卸資産などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1億59百万円減少263億97百万円となりました。

当連結会計年度末の固定資産は、工具、器具及び備品において情報システム事業での社内システム構築による建設仮勘定からの振替や当連結会計年度に追加取得したことにより増加し、またソフトウエアにおいても社内システム構築、及び製品用ソフトウエアが増加したことにより、前連結会計年度末に比べ3億24百万円増加173億31百万円となりました。

その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億65百万円増加437億29百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度に比べ当連結会計年度末における研究開発費の計上が多かったことによる未払金や仕入債務は増加しましたが、ソフトウエア制作などの受託案件における進捗率が高くなったことにより前受金が大きく減少し、前連結会計年度末に比べ4億81百万円減少138億31百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上額が大きかったことにより利益剰余金が増加し、前連結会計年度末に比べ6億46百万円増加298億98百万円となりました。

以上により自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末比1.3ポイント上昇)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億80百万円減少127億51百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、18億75百万円前年同期は29億21百万円の収入)となりました。その主な要因は、支出として売上債権の増加11億41百万円や仕入債務の減少4億1百万円がありましたが、収入として税金等調整前当期純利益16億82百万円、減価償却費17億42百万円などがあったことによります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、23億64百万円前年同期は24億11百万円の支出)となりました。その主な内訳は固定資産の取得による支出があったことによります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、5億92百万円前年同期は7億39百万円の支出)となりました。その主な内訳は、配当金の支払によります。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、連結財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価、投資有価証券及び会員権の評価、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っております。

当社グループの行っている会計上の見積りのうち、たな卸資産においては将来の使用見込みを鑑み必要に応じて評価減や廃棄処分を実施しております。投資有価証券及び会員権においては時価が簿価の30%以上下落した場合や業績不振等により回収可能性がきわめて低いと判断された場合に減損処理を行っております。繰延税金資産においては回収可能性が将来の課税所得の見積りに対するものであるため、見積り額が減少した場合には繰延税金資産の減額及び税金費用の追加計上の可能性があります。また、解消が見込まれる一時差異の見積りにおいては、厳密に回収可能時期を検討した額を計上しております。減損損失においては、当社グループの保有する資産において、事業用資産については管理会計上の区分でグルーピングしており、投資不動産及び事業の用に供していない遊休資産においては個々の物件単位でグルーピングしております。このグルーピング資産ごとに時価又は将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った資産については、帳簿価額を回収可能価額まで直接減額しております。資産除去債務においては、当社グループの重要な事業拠点等の賃貸借契約に伴う原状回復義務について、過去の実績等から合理的に見積った額を計上しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高においては前連結会計年度を下回る結果となりましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度を上回る結果となりました。

当社グループが携わるパチンコ業界は、業界固有の法規制等が業績動向や経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。

2018年2月1日に施行された新規則により、2021年1月末までに順次、旧規則遊技機から新規則遊技機へと置き換えていく必要がありますが、新規則遊技機の普及は低調な推移となっております。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、29億26百万円減少し、311億66百万円前期比8.6%減)となりました。

情報システム事業では、設備投資に対する慎重姿勢が継続しており、新規店舗や改装店舗数の減少傾向が継続するなか、製品販売は伸び悩みましたが、ストック型収益モデルであるMIRAIGATEサービスは堅調に推移しました。

制御システム事業では、遊技機市場全体の新台販売台数が低調に推移するなか、新規則の影響による遊技機メーカーの販売計画の見直しやりユース率の上昇など、厳しい市場環境で推移しました。

また、パチスロ遊技機においては、市場の状況を注視し、リスクに対して慎重な姿勢で対応しており、当連結会計年度の販売はありませんでした。

 

(営業利益)

売上原価は、情報システム事業、制御システム事業とも、製品の販売が減少したことにより、前連結会計年度に比べ、27億62百万円減少し、194億92百万円前期比12.4%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、情報システム事業において研究開発費が減少したこと、及び制御システム事業において、主にパチスロ遊技機販売に関する販促活動の費用が減少したことにより、前連結会計年度に比べ4億99百万円減少し、101億45百万円前期比4.7%減)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ3億35百万円増加し、15億27百万円同28.1%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

営業外損益においては、版権への協賛に対する受取分配金が減少したものの、生命保険の分配金などの収入があったことにより、営業外収益が22百万円増加しました。また、営業利益が前連結会計年度に比べ増益となったことから、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ3億58百万円増加し、17億48百万円前期比25.8%増)となりました。

当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ、45百万円減少しました。これは、制御システム事業の連結子会社の有する事業用資産について、今後のキャッシュ・フローの回収可能性を鑑みて、帳簿価額を回収可能価額まで減額した減損損失が減少したこと、及び固定資産の除却損が減少したことが主な要因です。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ4億78百万円増加し、12億63百万円同60.9%増)となりました。

 

(情報システム事業)

当事業では、新規店舗や改装店舗の減少傾向が継続するなか、パチンコホールの運営支援、分析支援による経営のサポート等を行なうMIRAIGATEサービスにおいては、売上高44億55百万円(前期43億12百万円)と堅調に推移しており、継続的に収益が得られるストック型ビジネスである当サービスを成長させ続けることが重要と認識しております。新たに市場投入したホールコンピュータ「X(カイ)」(2019年6月販売開始)を普及することで、パチンコホール経営の効率化・省力化を実現するとともに、MIRAIGATEサービスの一層の拡充を図ります。

 

(制御システム事業)

当事業では、遊技機市場全体の新台販売台数の減少やリユース率の上昇等など、事業環境が厳しさを増すなか、変化に対応することで成長性を確保すべく、事業領域の拡大が重要と認識しています。

企画提案の範囲をパチンコ遊技台全体に拡げ、機構製品の販売を強化することで、従来の基板偏重からの脱却を目指します。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

[第2 事業の状況 2 事業等のリスク]に記載されておりますように、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や一般財団法人保安通信協会による遊技機の型式試験の改正や許認可方針の変更等が行われた場合に、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 経営戦略の現状と見通し

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、どこよりも優れた情報インフラを提供していくことが当社の使命と考え、全国のパチンコホールに対しては、「DK-SIS」による遊技機の有効活用や、ファン動向データサービス「Fan-SIS」の提案、新MIRAIGATEサービス「Market-SIS」の普及など、MIRAIGATEサービスの拡充を推進し、堅調に推移しております。

遊技機メーカーに対しては、市場環境の変化に対応した迅速な戦略の立案により、魅力のあるユニット及び遊技機の新たな企画提案に取り組み、徐々に実績を上げております。

また、パチンコファンに対しては、スマートフォン向けのパチンコ情報アプリ「パチロボ」での設定付きパチンコ機に対応したデータ表示など、機能強化に取り組みます。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独自の発想と技術力で市場創造型の製品を提案し、経営の効率化と高付加価値化を推し進め、収益力を高めることが、競争力を維持強化し、企業価値の増大に繋がるものと考え、「売上高営業利益率」を重要な経営指標としており、前連結会計年度に比べ1.4ポイント増加し、4.9%となりました。

 

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

(財政状態の分析)

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度と比べ制御システム事業において開発回収金による未収入金や情報システム事業において間接販売による売上債権などの増加がありましたが、現金及び預金やたな卸資産が減少したことにより前連結会計年度末に比べ1億59百万円減少263億97百万円となりました。

当連結会計年度末の有形固定資産は、情報システム事業において社内システムの構築による建設仮勘定から主に工具、器具及び備品への振替や追加取得はありましたが減価償却費などの計上により前連結会計年度末に比べ88百万円減少96億36百万円となりました。

当連結会計年度末の無形固定資産は、情報システム事業において社内システムの構築、及び製品用のソフトウエアが増加したことにより前連結会計年度末に比べ5億55百万円増加38億48百万円となりました。

当連結会計年度末の投資その他の資産は、情報システム事業における貯玉保証基金に対する供託金の増加がありましたが、繰延税金資産などの減少により前連結会計年度末に比べ1億42百万円減少38億47百万円となりました。

その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億65百万円増加437億29百万円となりました。

当連結会計年度末の流動負債は、支払手形及び買掛金や未払金が増加しましたが、制御システム事業におけるソフトウエア制作などの受託案件の進捗率が高くなったことによる前受金や電子記録債務が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ8億56百万円減少123億39百万円となりました。

当連結会計年度末の固定負債は、主に長期借入金の調達により前連結会計年度末に比べ3億75百万円増加14億91百万円となりました。

その結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ4億81百万円減少138億31百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が増加したことにより前連結会計年度末に比べ6億46百万円増加298億98百万円となりました。

以上により自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末比1.3ポイント上昇)となりました。

 

(キャッシュ・フローの状況の分析)

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億80百万円減少127億51百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度と比べ10億45百万円減少の18億75百万円となりました。減少した主な要因は、売上債権の増減などであり、これは情報システム事業における各年度の下期の営業戦略に連動した売上計上額が大きく影響したことにより22億14百万円減少しました。在庫増減におきましては、前連結会計年度は制御システム事業において、当連結会計年度は情報システム事業において製品の販売時期が影響したことにより5億4百万円減少となりました。また制御システム事業における開発回収金による未収入金が増加したことも要因となっております。

投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ46百万円減少の23億64百万円となりました。減少した主な要因は、当連結会計年度において情報システム事業におけるソフトウエアの取得が増加しましたが有形固定資産の取得が減少したことによります。

財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億47百万円減少の5億92百万円となりました。減少した主な要因は、一株当たりの配当を50円から40円にしたことによります。

 

(財務政策)

当社グループは運転資金及び設備資金において、営業収益による内部資金及び金融機関からの調達を基本方針としております。子会社の資金需要は当社において調達をいたします。当社は、取引先金融機関と当座借越の枠を設けていただいており、使用用途及び金利情勢等を鑑みて短期借入金及び長期借入金を決定いたします。

中期的な方向性としましては、当社グループは営業活動による収益力の向上により営業キャッシュフローを増加させ、健全な財政状態を維持した上で、適宜適切な設備投資を既存事業及び新規事業に積極的に投下することにより、事業の持続的成長に繋がると考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

オムロンアミューズメント株式会社OAM特約店基本契約

 

契約会社

相手方の名称

契約内容

契約期間

ダイコク電機株式会社
(当 社)

オムロンアミューズメント株式会社

パチンコ遊技機の構成部品(ソレノイド、センサ等)に関する販売特約店契約

2006年4月1日から

2020年3月31日まで

(期間満了の1カ月前までに両社いずれからも何等の申し入れもない場合は、さらに1年間自動的に延長されるものとし、以後も同様となっております。)

 

(注) 提出日現在において契約期間を延長しております。

 

 

5 【研究開発活動】

(1) 研究開発体制と開発内容

開発スタッフ217名により「情報システム事業」及び「制御システム事業」各々の研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,206百万円であり、セグメントの研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりとなっております。

 

(情報システム事業)

当連結会計年度における情報システム事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ35名、研究開発費は1,124百万円であります。

① ホールコンピューティングシステムの主な開発活動

・AIによる「オートコンサルティング」機能を搭載したホールコンピューティングシステム「Χ(カイ)」を開発しました。また、ホール様が所有するパソコンから「Χ」のデータを直接参照して分析できる遊技台分析ソフト「Χai-TACT(カイ-タクト)」を開発しました。

・「設定付きパチンコ機」に完全対応した営業シミュレーションソフトを含む遊技台分析サービス「Χai-SIS(カイ-エスアイエス)」を開発しました。

・モニタ、プリンタ等、POS端末の構成機器を本体から分離できる構造にすることで、設置の自由度を実現したスタイリッシュな新POS端末「SP-01」を開発しました。

・ファンが所有するスマートフォン等で事前に会員申込情報を入力することで、簡単に会員登録できる「スマート会員登録」機能を開発しました。

・全国から収集した「客入数データ」をパチンコホール向けに公開する商圏分析サービス「Market-SIS」を開発しました。

・当社が提供するホール様向けWEBサービスを1つのWEBサイトに集約させたポータルサイト「MIRAIGATEWeb」を開設しました。また、モバイル端末向けサービスとして「MIRAIGATE モバイル」を開発しました。

 

② 情報公開製品の主な開発活動

・設定毎のスペック(大当り確率)表示や、確率変動中確率など設定により差が出やすい実績データの表示を強化する等、「設定付きパチンコ機」をパチンコファンにより楽しくご遊技頂く為の機能を開発しました。

・当社ホールコンピューティングシステムを導入していない非ユーザー様でも台毎情報公開端末を導入頂けるよう、スタンドアロンシステムを開発しました。また、スタンドアロンシステムに対応した台毎情報公開端末「BiGMO PREMIUMⅡdash」を開発しました。

 

③ プリペイドシステムの主な開発活動

・CRユニット「VEGASIAⅢ」及び精算機に搭載されたカメラにより、遊技者操作時の顔画像を撮像し比較することで、遊技場内で発生する発見し辛かった不正に対しても顔画像という新たな切り口で発見できる「FACEセキュリティ」機能を開発しました。

 

 

(制御システム事業)

当連結会計年度における制御システム事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ182名、研究開発費は82百万円であります。

・規則改正後の遊技機市場の変化に柔軟に対応すべく、企画面・ソフト開発面における開発プロセスの見直しを図り、グループ会社との連携強化並びに開発スタッフのスキル教育による、開発効率とソフト品質の向上に取り組みました。

・独自性が強い製品の創出に向け、新規技術の調査・分析などを行うとともに、新規技術保有企業と協力体制の構築により、次世代ユニット考案及び企画提案力の強化に向けた研究活動を推進しました。

・映像演出の品質並びに制作期間の短縮に向け、グループ会社にて専門性の高い人材の確保と制作協力会社の開拓を行い、制作ライン数の増強を図りました。

・パチンコ遊技機の新規開発獲得のため、有力コンテンツの発掘及び企画提案活動に取組みました。

・その他として、遊技機以外の映像制作の受託に伴い、事業領域の拡大を図りました。

・アミューズメントコンテンツでは、スマートフォン向けライブラリ開発強化に加え、コンソールゲーム機向けの機能拡張を行いました。また、コンソールゲーム機への対応では、主にスマートフォンとの同時開発を可能にすべく検証を行いました。

 

2019年3月期の実績

主な新製品:

① CR STEINS;GATE  

(株式会社ニューギン)

2018年6月

 

② CR 弾球黙示録カイジ HIGH&LOW 

(株式会社高尾)

2018年6月

 

③ ぱちんこ美夏美華パラダイス

(株式会社ニューギン)

2019年2月

 

 

(2) 知的財産権に関する活動

年々、知的財産権の重要性が高まる中、当社は特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、企業利益に貢献する活動を行っております。

その基本方針としましては以下のとおりであります。

 

① 散発的な出願ではなく、戦略的系統的な出願をする。

② 特許報奨制度のインセンティブ付与により出願の質を高める。

③ 社内への知的財産権に関する危機管理の浸透をはかる。

④ 適切な特許権行使をする。