第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、「パチンコファンが喜ぶこと」を発想の原点としており、アミューズメントの世界において誰もが楽しめる新しいシステムやサービスの開発にチャレンジしてきました。今後も独自の発想と技術力でコンピュータを中心に時代の変化を読みとり、ニーズを先取りする市場創造型の製品を提案し続けることによって、社会へ貢献していくことを基本方針としております。また、ブランド力の向上により、顧客からの支持を強めることが、企業として継続的な業績発展につながるとの考えから、『顧客からの支持は、継続的業績発展につながる』を当社グループの企業品質方針として掲げ、企業活動を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営の効率化、高付加価値化を推し進めることにより収益力を高めることが、企業価値・株主価値を向上させることであると考え、売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、業界の新しい成長を生み出す、どこよりも優れた情報インフラを提案していくことが当社グループの使命と考えております。

そして、ファン層の拡大(集客)こそが業界全体の発展につながるとの信念を持ち、パチンコホール、遊技機メーカーとパチンコファンを信頼で結び、三者が共に利益と満足を得るビジネスを構築してまいります。

そのために、全国のパチンコホールに対しては、遊技機の有効活用、パチンコファン集客のためのホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の提供やネットワークサービスにより、企業経営・店舗運営を支援する一方、遊技機メーカーに対しては、より魅力のある表示ユニットや制御ユニットを提案し続けてまいります。また、パチンコファンに対しては、スマートフォン及びパソコン向け情報サービスをさらに強化し、より一層有用なホール情報を提供してまいります。

 

(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題

パチンコ業界におきましては、遊技人口の減少や長期化する新型コロナウイルス感染症の影響によるパチンコホールの稼動低下により、営業店舗数や遊技機設置台数が減少する厳しい経営環境にあります。しかしながら、動向が注目されていたスマートパチスロの市場導入は昨年11月より順調に始まり、2023年1月~3月までの稼動状況も前年同期比で117.8%と大幅に上昇しました。

このような市場環境のもと、情報システム事業におきましては、パチンコホールの業績がコロナ禍前の水準に回復していただけることを最優先課題と捉え、ファンが安心して遊技していただける環境を整え、パチンコホール経営企業の業績向上を実現する当社ホールコンピュータシステムの普及と少人数ホールスタッフによるフロアオペレーションやパチンコホールへの集客を目的とする市場分析サービスによる経営支援サービスの実現を目指してまいります。

制御システム事業におきましては、開発管理の一層の強化と業務効率の向上による開発コストの低減をはかるとともに、既存のパチンコ遊技機向け事業に加え、事業の主軸を「スマートパチスロ」に移行し、事業領域の拡大を推進してまいります。

 

 

事業セグメント毎の優先的に対処すべき課題は以下の通りです。

なお、2023年4月より制御システム事業はアミューズメント事業に名称変更しております。

 

情報システム事業

① スマート遊技機に関連する製品について、遊技機の納品時期、ホール経営企業のニーズなどタイミングを逃さないよう製品の調達に全力を尽くします。

② スマート遊技機の新たな遊技性やスペックをファンにより魅力的に伝えるための情報公開表現の強化や、複雑化する遊技性に合わせたデータ管理手法と省人化実現のための支援機能強化に努めます。

③ 商圏分析サービス「Market-SIS」、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink(クラリスリンク)」、AIホールコンピュータ「Χ(カイ)」の普及促進と活用提案の強化を継続し、ホール経営企業の業績向上につながる経営支援サービスの価値向上を目指します。

 

アミューズメント事業(制御システム事業)

① 遊技機のソフト開発ラインを拡充するとともに、ハード開発、製造体制の構築を行うことにより、スマート遊技機への対応を進めてまいります。

② 遊技機市場の先を見据えた有力コンテンツ(IP)の獲得を目指し、ソフト開発によって付加価値を高めることで収益性の向上に取り組んでまいります。

③ グループ会社の役割をより明確にし、企画開発から製造・販売までグループ一体となって業務効率向上に取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティ全般に関する考え方

当社は、サステナビリティ活動を持続的かつ体系的に推進し、「中期経営計画2022~2024」(2021年11月24日公表)に掲げるESGやSDGsを重視した経営を推進するため、サステナビリティ委員会において「サステナビリティ基本方針」を策定し、「マテリアリティ(重要課題)」を特定しました。

全てのステークホルダーの期待に応えるべく、経営理念である「イノベーションによる新しい価値づくりを通じ、これからも一貫して持続的な成長を果たしてまいります」に基づき、中長期的な企業価値を創出してまいります。

 

<サステナビリティ基本方針>

ダイコク電機グループは、経営理念に基づく事業活動を通じて社会課題を解決しステークホルダーの皆さまとともに、持続可能な社会の実現とグループの成長を目指します。

 

<マテリアリティ(重要課題)>


 

サステナビリティに関するガバナンス・リスク管理体制


 

<ガバナンス>

当社は、環境・社会に係るサステナビリティ経営について取締役会傘下のサステナビリティ委員会において基本方針を策定し、マテリアリティを特定しました。サステナビリティ委員会ではリスクと機会の特定や目標設定を協議・審議しております。サステナビリティ委員会で協議・審議した事項は少なくとも年1回以上取締役会へ報告し、取締役会で審議・決議しております。

サステナビリティ委員会の指示のもと、サステナビリティ部会・ダイバーシティ部会では具体的な活動を企画、立案、管理をし、推進しております。

 

サステナビリティ委員会

サステナビリティ活動を持続的かつ体系的に推進し、「中期経営計画 2022~2024」(2021年11月24日公表)に掲げるESGやSDGsを重視した経営を推進するため、取締役会の下にサステナビリティ委員会を設置しております。

本委員会は、気候変動を含むサステナビリティ推進活動などに関する協議・審議を行い、取締役会に報告や提言を行います。本委員会は、取締役会長を委員長とし 、代表取締役社長、代表取締役専務によって構成されております。

 

サステナビリティ部会

当社は、全社的なサステナビリティ活動を推進するため、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ部会を設置しております。本部会は、サステナビリティ推進活動の企画、立案、管理をし、定期的にサステナビリティ委員会への報告を行い、推進しております。

 

ダイバーシティ部会

当社は、全社的なダイバーシティ活動を推進するため、サステナビリティ委員会の下にダイバーシティ部会を設置しております。本部会は、ダイバーシティ推進活動の企画、立案、管理をし、定期的にサステナビリティ委員会への報告を行い、推進しております。

 

<リスク管理>

サステナビリティ全般に関するリスクについて、サステナビリティ委員会主導のもと、サステナビリティ部会とダイバーシティ部会が事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止をはかっております。リスクは、サステナビリティ部会とダイバーシティ部会を中心に、各部門のサステナビリティ全般に関するリスクの洗い出しを行った上で特定 、重要度の優先順位付けをし、ルール、基準等の策定とその他リスクの予防、回避のために有効と思われる施策についての検討、実施をしております。リスクを特定後、サステナビリティ部会とダイバーシティ部会からサステナビリティ委員会へ報告を行い、サステナビリティ委員会で影響度合いを評価した上で、取締役会に報告を行います。気候変動などの重要な事項は、取締役会の監督・指示のもと、継続的にモニタリングを行っております。

 

(2) 気候変動に関する開示

当社は、気候変動課題を重要な経営課題と認識しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しております。TCFDの考えに基づき、気候変動課題がどう事業活動に影響を与えるかサステナビリティ委員会とサステナビリティ部会を中心に検証しております。

 

気候変動のガバナンス・リスク管理体制


<戦略>

気候変動に関連する当社事業へのリスクと機会を分析しております。分析にあたっては下表に記載したシナリオを想定して行っております。

シナリオ分析の対象となる事業は「情報システム事業」と「制御システム事業」の2事業です。「情報システム事業」は当社において主要な事業領域であり、売上に占める割合が大きく、「制御システム事業」は当社子会社で遊技機の製造・販売まで行っており、両事業とも世界的な脱炭素化への動きに対して影響を受けやすいことからシナリオ分析の対象事業として選択しました。

温度シナリオ

参照シナリオ

概要

2℃以下

シナリオ

NZE,SDS(IEA)

RCP2.6(IPCC)

持続可能な世界に向けて、積極的に気候変動に関わる政策が実施されることを前提としたシナリオ。低炭素社会に移行していくにあたり炭素排出コストや、電力価格の支出が増加することが想定される。

4℃シナリオ

STEPS(IEA)

RCP8.5(IPCC)

現在公表されている政策のみが達成される気候変動対策が積極的でないことを前提としたシナリオ。移行リスクは限定的と想定される一方で、物量リスクは顕在化し、対応に関わる支出、被害による損害が発生する可能性がある。

 

 

 

■リスク・機会一覧表

移行リスク・物理リスクに分けてリスク(支出の増加、収益の減少につながるもの)・機会(支出の減少、収益の増加につながるもの)を評価・分析しております。

移行リスクは低炭素社会に移行していくことにより生じるリスク・機会で2℃以下シナリオの影響が大きくあると想定されます。一方、物理リスクは気候変動が今以上に深刻化した際に起きるリスク・機会で4℃シナリオの影響が大きくなると想定されます。


※「時間軸」については短期:2025年時点、中期:2030年時点、長期:2050年時点を想定して検討しております。

※「評価」については財務的インパクトの結果を参考にしながら、影響金額が500万円以上の場合は評価「大」、500万円未満または影響金額が不明の場合は評価「中」として評価しております。

 

4℃シナリオにおいては、異常気象の激甚化が予想される世界観において洪水被害や営業停止など物理リスクの影響が大きく、移行リスクの影響は軽微という試算結果となりました。

 

2℃以下シナリオにおいては、物理的リスクの影響があるものの4℃シナリオと比較すると影響は小さいという試算結果となりました。その他、本シナリオでは移行リスクとしてIEA WEO2021による予測パラメータでは炭素税が増加、IEA WEO2019による予想パラメータでは再生可能エネルギーの普及により電力価格が上昇するとの予測があり、その影響により支出が増加するものと想定しております。

しかし、両シナリオそれぞれにおける影響額の合計は当社の営業利益に占める割合は5%未満であり、事業活動における影響は軽微であると判断しております。

リスク影響による支出増加を最小化するためにソーラーパネルシステムを導入し炭素税・排出権取引に関わる支出の削減を行うなど、対応を進め今後範囲を拡大していく計画を進めております。

 

<指標と目標>

当社は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けての目標を現在策定しております。その過程で以下の取り組みを行っております。

① Scope1、Scope2のCO2排出量算出

② Scope3のCO2排出量算出に向けての情報収集

③ 春日井事業所にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギー利用によるCO2排出削減量のモニタリング

 

2023年3月期(2022年4月~2023年3月)のScope1・2のCO2排出量は以下になります。

種別

条件

t-CO2

Scope1

385

Scope2

マーケット基準

1,209

ロケーション基準

1,315

 

 

(3) 人的資本・多様性に関する開示

当社は、人的資本・多様性を重要な経営課題と認識しており、サステナビリティ委員会とダイバーシティ部会を中心に様々な取り組みを推進しております。

人的資本・多様性のガバナンス・リスク管理体制


<戦略>

「イノベーション」を経営理念に新しい価値を創造し続ける。それを支えているのが人の力だと考えております。個人の能力とそれを活かす組織の力、そのシナジーで新しい価値を生み出し、社会を動かし続けます。そのために、当社は教育研修などに代表される人材育成には支援を惜しむことなく人を育てていく一方で、個人の力が最大限に発揮されるような自由闊達な組織風土づくりにも変わることなく取り組み、社内環境を整備しております。そうした変化を続けることで社会への貢献を果たしながら、持続的な成長を目指します。

 

<指標と目標>

○主な指標(目標及び実績)

 

2030年度目標

2022年度実績

人材育成に対する投資額

約24百万円

約16百万円

女性役員比率

30%

16.7%

女性役職者比率

15%

6.9%

育児休業の取得率(女性)

100%

100%

育児休業の取得率(男性)

100%

100%

従業員エンゲージメントスコア

60.0

56.2

障害者雇用率

法定雇用率を超える

2.61%

 

 

[女性活躍推進]

従来補助的業務を行う社員として一般職という区分がありましたが、2019年にその区分を廃止しました。女性活躍推進については、ダイバーシティ部会における重要課題と捉え、現状把握・分析を行い、課題別に取り組みテーマを掲げて、各種制度、労働環境、教育・研修の見直しとともに、働き方改革、ワーク・ライフ・バランスの更なる推進を進めています。

このような取り組みの結果、2019年は役職者3名でしたが、2023年4月より女性管理職1名と役職者10名となっており、今後もますます女性役職者が増加するものと考えております。

 

[働き方改革]

仕事と育児の両立支援については、出産の前後や育児における休暇・休業・職場復帰制度、時短勤務制度などの諸制度を設けるなど、働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでおります。

これらの取り組みの結果、育児休業の取得率は男女ともに100%です。

また、次のような認定・認証を取得しています。

・2020年12月15日      名古屋市        「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業認証」

・2021年10月1日       愛知県          「あいち女性輝きカンパニー」に認証

・2021年11月17日      総務省          「テレワーク先駆者百選」に認定

・2022年3月23日       ㈱労務研究所    「ハタラクエール2022 福利厚生推進法人」に認証

・2022年12月16日      愛知県          「ファミリー・フレンドリー企業」に認定

 

[従業員エンゲージメント]

当社は従業員のエンゲージメントが重要な指標と考えており、2019年より定期的に組織診断サーベイを実施しています。サーベイの結果から、課題の分析と施策を掲げ、従業員の満足度やモチベーションを向上するための取り組みを全社で行い、エンゲージメントスコアは、4年間で44.5→56.2まで推移しており、今後も継続的にエンゲージメントスコアを伸ばしていきます。


 

[障害者の雇用]

主要な事業所において障害をもつ従業員の雇用を推進し、活躍できる職場を目指しております。

当社の障害者雇用率は法定雇用率を上回る2.61%です。

 

(4) 「当連結会計年度における主な取り組み」

E:地球環境への貢献

 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにてTCFD提言に沿った情報を開示しました。

② 環境関連の戦略や取り組みなどを評価・認定する国際的な非営利団体CDPから、気候変動対応への取り組みで、マネジメントレベル「B-」に認定されました。

③ 温室効果ガス排出量の削減及び再生可能エネルギーの活用への取り組みとして、当社春日井事業所の屋上にソーラーパネルを設置しました。

 

S:人材活躍の推進

① 2022年度より執行役員制度を導入し、経営と業務執行の役割を明確化しました。

② 従業員向けの自己啓発プログラムについて、各個人に求められる期待役割に則した研修を選べるように「個別研修制度」を2022年度より導入し、制度導入後の実施件数は24件です。

また、個人の成長が職場の活性化・会社の成長へつながっていくとの考えから、2020年度より「資格取得制度」として資格取得祝金を設定・支給しております。制度導入後の資格取得件数は84件です。

③ 情報システム事業部においては、中期経営計画に掲げております「新MGサービスの拡充」に向けて、パチンコ業界唯一のプラットフォームを構築するための技術力強化に努めており、AWSクラウドプラクティショナーをはじめとする資格の取得を支援しクラウド人材の育成を進めております。現在のクラウド関連資格取得件数は31件です。

 

S:依存症への対応

① 依存症を予防する製品・サービスの提供への取り組みとして、ギャンブル依存症チェックゲーム「チェッパチ」をリリースしました。

 

今後も、持続可能な社会の実現と当社グループの成長に向けて、「マテリアリティ(重要課題)」を中心に推進してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社はリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」で定めており、その基本方針及び管理体制に基づき、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」や内部統制活動としての「財務報告会」を定期的に開催し、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止をはかっております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

情報システム事業の顧客であるパチンコホールは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、「風営法」という。)に定める基準に従って営業することが義務づけられており、パチンコホールが当社グループの製品を含めて店内の設備投資を行う場合、「風営法」に基づいて、あらかじめ各都道府県公安委員会に届出書を提出して、承認を受けなければなりません。また、パチンコホールの営業上、「風営法」のほか、「各都道府県条例」による規制を受けるとともに、過度な射幸性を抑制する目的等から、パチンコホールの業界団体が自主規制を行うことがあります。このような法的規制や新たな自主規制の実施により、パチンコホールの営業に制限が課せられた場合、パチンコホールの設備投資動向に急激な変化を生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報収集の徹底と迅速な戦略立案により在庫リスクや販売低迷に対処し、リスク低減に努めてまいります。

 

(2) 遊技機の型式試験について

当社グループ及び当社グループの取引先が製造販売するパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、「風営法」第20条第5項に基づき、国家公安委員会の指定試験機関の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されます。その後、各都道府県公安委員会による検定に適合することが必要となり、適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。

型式試験は、各パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機メーカーから持ち込まれた遊技機が国家公安委員会の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」の規格に適合するかどうかを判断するものです。

パチンコファンのニーズの多様化や電子技術の進歩により遊技機の技術構造は飛躍的に進化しており、それに伴い試験の準備手続きや技術的仕様は複雑化に拍車がかかっています。そのため、型式試験の通過に予想を超える時間を要したり、試験に不適合となったりした場合には、制御システム事業の顧客である遊技機メーカーの販売計画に大きな狂いが生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、遊技機開発におけるグループ会社の役割を明確にすることで専門性を高め、業務効率追求により設計品質と開発生産性の向上をはかることでリスクの低減に努めております。

 

(3) 製品開発について

コンピュータシステムにおけるソフトウエアについては、プログラムの誤りであるバグを無くすことが重要な経営課題でありますが、今日のように高度なソフトウエア上でバグを皆無にすることは、一般的には困難と言われております。当社グループにおいても自社開発のプログラムを事前にテスト&デバックをすることで対処しておりますが、特定の入力データや操作、想定していなかった設定の組合せにおいて、顧客であるパチンコホールに製品を納入した後にバグが発見されるケースが過去に発生しております。このようなバグの中でもシステムを止めるような内容や、正確さに欠けるデータの表示等が発見された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの品質管理につきましては、市場クレームはもとより生産工程内不良の解析力を強化し、製造・購買・開発など関連部門と協力の上、再発防止・潜在的不良の予防に取り組んでリスクの低減に努めております。また、社内に導入しております分析装置や外部解析機関の検査手法を取り入れ、ハード面においても常に品質安定を視野に入れた活動を行っております。もしもソフトウエア上のバグが発生した場合には、プログラム上の発生個所や原因を早急に突き止め、迅速に適切な対処を行うことに努めてまいります。

 

(4) 需要の大幅な変動について

遊技機の市場動向は、特定の人気機種が大きく販売を伸ばす一方、数千台で終息してしまう機種も増加し、機種ごとの優勝劣敗の傾向が強くなっております。大幅に需要変動する傾向のある遊技機市場環境のなか、当初計画した各メーカーへの納入台数が達成できなくなる、あるいは受注がキャンセルされること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、遊技機市場動向を把握した中での需要予測や遊技機メーカー販売部門との連携による最新営業情報の収集により、予期せぬコスト負担を最小限に抑えるべく努めております。

 

(5) 知的財産権の保護について

当社グループは、知的財産権の重要性が高まるなか、特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、その創出と保護に努めるとともに、他社の特許権を侵害しない製品づくりに努めております。

しかしながら、当社グループの知的財産権に対する侵害行為は、その全てを把握することは困難であり、当社グループの権利を完全に防護することは不可能です。また昨今、知的財産権はその量、内容共に膨大であり、調査分析を徹底しておりますが、当社グループが他社の特許権を侵害しているとして、何らかの請求を受ける可能性があります。

また、映像や音声の制作において、版権や楽曲を使用しないオリジナル作品の場合、類似や模倣という観点が明確でないため、細心の注意を払っていても、意図せず著作権や不正競争防止法に抵触しているとして何らかの請求を受ける可能性があります。

さらに、著作権の許諾を受けていても著作者もしくは権利元の意向により影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、知的財産権管理の専門部署を設け、知的財産権の確実な取得及び保全に努めております。

 

(6) 検定型式の均一性に関して

パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、検定機関の検査に適合後、検定型式と同一の製造均一性を担保するため、その製品に使われている部品の互換が認められておりません。当社が遊技機メーカーに納入するユニット製品に使用している電子部品が生産中止となった場合、もしくは何らかの理由(企業の倒産、災害)により電子部品の供給が受けられなくなった場合は、当社製品の製造及び供給ができず業績に影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、部品を選定する際の規定で「継続供給担保」※の基準を設け、合格した部品のみ採用する仕組みを構築し、リスクの回避に努めております。

 

※「継続供給担保」の基準は以下の3点であります。

① 継続供給可能なことの確認

② 生産中止の際は事前報告履行の担保

③ パチンコ業界での採用事例の確認

 

(7) 感染症等の拡大や大規模災害等の異常事態リスク

当社グループは、パチンコホール向けにホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の開発・製造・販売と、各種情報サービスの提供を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックや大規模災害等の異常事態が当社の想定を超える範囲で発生し、パチンコホールの休業が長期化した場合は、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

また、休業が長期化した場合にはパチンコファンの減少も想定するリスクと考えられます。

 

(8) 減損会計適用の影響

当社グループは、事業用の不動産をはじめとする固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなると減損処理が必要となる場合があり、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染予防対策や、ウィズコロナ下での各種政策の効果により、景気の持ち直しが見られました。しかしながら、国際情勢に起因する資源価格の高騰や供給面での制約による物価上昇など、先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが携わるパチンコ業界におきましては、警察庁の集計(2023年4月発表、5月改訂)によると、2022年12月末時点でのパチンコホールの営業店舗数は7,665店(前年比90.6%)、遊技機設置台数はパチンコ機・パチスロ機ともに減少し、356万4,039台(前年比93.4%)となりました。1店舗当たりの設置台数は465.0台と14台増加し、店舗の大型化は続いております。

全遊技機の稼動状況は、2023年1月~3月の期間平均で前年同期比105.9%に達しました。種別稼動状況につきましては、パチンコ機は前年同期比100.6%、パチスロ機は昨年6月よりパチスロ6.5号機、11月よりスマートパチスロの導入が順調に始まり、ファンから高い支持を得た遊技機の登場もあって、前年同期比117.8%と大幅に上昇しました(当社「DK-SIS」データ比較)。

スマート遊技機に対する市場の期待感は高く、2023年3月末時点でスマートパチスロは4機種導入され、パチスロ機全体におけるスマートパチスロの設置割合は8.2%(当社「DK-SIS」データより)と堅調に推移しております。4月からはスマートパチンコの導入も控えており、今後はパチンコ、パチスロ共にスマート遊技機に対応するための設備投資がさらに活発化する見込みです。

このような市場環境のもと、2021年11月24日に発表した中期経営計画の初年度におきましては、将来の市場環境の変化に対応するため、事業領域の再設定を重点施策として、以下の取り組みを行いました。

情報システム事業におきましては、既存サービスのクラウド化の早期実現に向けて、クラウドサービス等のシステム開発を行うグローバルワイズ社を株式取得により子会社化しました。既存製品におきましては、スマート遊技機のデータ管理に最適なAIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップによる入替促進の提案、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」のサービスを開始しました。また、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの提案や、同サービスのさらなる拡大を目指し、クラウドチェーン店舗管理システム「ClarisLink」、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」の普及促進活動を行いました。

制御システム事業におきましては、今後のスマートパチスロ事業参入に向けて、当社子会社であるアロフト社がパチスロの開発を行うライリィ社と株式譲渡契約を締結し、2023年4月より子会社化しました。また、既存のパチンコ機に加え、パチスロ機の開発体制の強化及び製造環境の再整備に取り組み、パチスロ機1機種の製造を行いました。

サステナビリティへの取り組みにおきましては、昨年12月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにてTCFD提言に沿った情報を開示しました。また、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当社春日井事業所の屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーの導入を進めました。依存症への対応として、ギャンブル依存症チェックゲーム「チェッパチ」をリリースしました。今後も、持続可能な社会の実現と当社グループの成長に向けて、当社が特定した重要課題(マテリアリティ)の解決に取り組んでまいります。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高318億24百万円前年同期比30.5%増)、営業利益40億19百万円同237.4%増)、経常利益42億60百万円同211.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億27百万円同138.2%増)となりました。

 

セグメント業績は次のとおりであります。

 

情報システム事業

当連結会計年度におきましては、パチンコホール経営企業の設備投資は、昨年11月からのスマートパチスロ導入、4月からのスマートパチンコ導入による活発な設備投資需要に対し、最大限に応えられるよう準備を進めてまいりました。

 

このような市場環境のもと、『パチンコホール向け製品等』の売上は、電子部品等の調達難により販売台数を調整せざるを得ない製品はありましたが、AIホールコンピュータ「X(カイ)」へのシステムアップや、スマート遊技機専用ユニットを含む当社カードユニット「VEGASIA」、パチスロ機への需要が高いファン向け情報公開端末「BiGMOPREMIUM」の販売台数が好調に推移した結果、前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移したほか、「ClarisLink」、「Market-SIS」、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は262億9百万円前年同期比40.6%増)、セグメント利益54億90百万円同152.8%増)となりました。

 

制御システム事業

当連結会計年度におきましては、前期に実施された新規則機への入替が完了したことによる反動と、スマート遊技機の動向を探る動きが期初より続いたことにより、市場全体における遊技機販売台数は減少しました。しかし、昨年11月にスマートパチスロの導入が順調に始まり、また4月からはスマートパチンコの導入も控えており、今後の市場の活性化が期待されます。このような市場環境のもと、パチンコ機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売は前年同期を下回りましたが、部品販売は好調に推移し、前年同期を上回りました。また、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収の債権に対する貸倒引当金を計上しました。

この結果、当事業の売上高は56億39百万円前年同期比2.1%減)、セグメント利益1億40百万円同73.8%減)となりました。

 

(注) セグメント業績の金額には、セグメント間取引が含まれております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

2,628,118

79.0

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 情報システム事業において、提出会社は製品の製造はOEM先で行っており、当社内で製造作業は行っておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

制御システム事業

4,942,553

81.2

1,030,942

60.5

 

(注) 情報システム事業について、提出会社は見込み生産をしており、工事は製品販売に伴う付帯工事のため受注扱いしておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報システム事業

26,209,586

140.6

制御システム事業

5,614,737

97.8

合計

31,824,323

130.5

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が10%未満のため、主要な販売先については記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、今後利用計画のない遊休資産の減損計上や減価償却費計上などにより固定資産は減少しましたが、業績が好調に推移したことで営業債権が大幅に増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ68億8百万円増加482億98百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、製品仕入の増加に伴う営業債務が増加しております。また、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う未払法人税等が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ45億50百万円増加148億98百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、配当の支払などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ22億58百万円増加333億99百万円となりました。自己資本比率は69.2%(前連結会計年度末比5.9ポイント下落)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億41百万円増加169億22百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、29億83百万円前年同期は32億20百万円の収入)となりました。その主な要因は、支出として売上債権の増加19億64百万円や、棚卸資産の増加40億94百万円などがありましたが、収入として税金等調整前当期純利益41億37百万円、減価償却費15億89百万円、仕入債務の増加27億59百万円などがあったことによります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、19億76百万円前年同期は5億64百万円の支出)となりました。その主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出や、既存製品に関連したバージョンアップ用ソフトウエアなどの固定資産の取得による支出があったことによります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、6億66百万円前年同期は18億14百万円の支出)となりました。その主な内訳は、配当金の支払によります。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

当連結会計年度末の流動資産につきましては、下期に導入されたスマートパチスロに対応するための設備投資需要が高まったことにより「売掛金」などの営業債権が大幅に増加いたしました。たな卸資産につきましても、翌連結会計年度から導入されるスマートパチスロに対応するための設備投資需要に応えるため「製品」は大幅に増加いたしました。また、保有している無担保普通社債の満期日が1年内になったことにより、固定資産からの振替により「有価証券」が増加いたしました。この結果、流動資産は前連結会計年度末に比べ68億62百万円増加336億26百万円となりました。

固定資産につきましては、製品用ソフトウェアの取得、グローバルワイズ社の株式取得による子会社化によるのれんの計上を行いました。また、保有している無担保普通社債の満期日が1年内になったことにより、流動資産への振替により「投資有価証券」が減少いたしました。これらにより、固定資産は前連結会計年度末に比べ53百万円減少146億72百万円となりました。

これらの結果により、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ68億8百万円増加482億98百万円となりました。

流動負債につきましては、前述したとおりスマート遊技機導入による設備投資需要に応えたことにより、仕入債務が大幅に増加いたしました。また、業績が好調に推移したことによる所得の増加に伴う「未払法人税等」が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ45億46百万円増加139億66百万円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4百万円増加9億32百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ45億50百万円増加148億98百万円となりました

純資産につきましては、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ22億58百万円増加333億99百万円となりました。以上により自己資本比率は69.2%(前連結会計年度末比5.9ポイント低下)となりました。

 

(b) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

パチンコホール経営企業におきましては、パチンコホール営業店舗数が年々減少する厳しい市場環境にありますが、動向が注目されていたスマートパチスロの市場導入は順調に始まり、大手企業を中心に、スマート遊技機用カードユニットや関連設備の需要は旺盛となりました。

このような市場環境のもと、中期経営計画の初年度におきましては、将来の市場環境の変化に対応するため、事業領域の再設定を重点施策として、事業部毎に以下の取り組みを行いました。

(1) 情報システム事業

既存サービスのクラウド化の早期実現に向けて、クラウドサービス等のシステム開発を行うグローバルワイズ社を株式取得により子会社化しました。

(2) 制御システム事業

今後のスマートパチスロ事業参入に向けて、当社子会社であるアロフト社がパチスロの開発を行うライリィ社と株式譲渡契約を締結し、2023年4月より子会社化しました。

サステナビリティへの取り組みにおきましては、2022年12月にTCFD提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにてTCFD提言に沿った情報を開示しました。また、温室効果ガス排出量の削減に向けて、当社春日井事業所の屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーの導入を進めました。依存症への対応として、ギャンブル依存症チェックゲーム「チェッパチ」をリリースしました。

当社グループが携わるパチンコ業界は、業界固有の法規制等が業績動向や経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。2018年2月1日に施行された新規則により、2022年1月末に旧規則機の撤去は完了し、パチンコ・パチスロ機は共に新規則機に置き換わりました。動向が注目されていたスマート遊技機ですが、「スマートパチスロ」は2022年11月、「スマートパチンコ」は2023年4月より市場導入が始まりました。今後、スマート遊技機に対応するための設備需要は活発化する見込みです。現時点では需要に比べ、電子部品等の調達難による製品供給不足は継続していますが、調達改善の兆しもあり、スマート遊技機の普及とともに設備市場は堅調に推移することが見込まれます。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、74億34百万円増加318億24百万円前年同期比30.5%増)となりました。

情報システム事業におきましては『パチンコホール向け製品等』の売上は、電子部品等の調達難により販売台数を調整せざるを得ない製品はありましたが、AIホールコンピュータ「X(カイ)」システムアップ件数や、スマート遊技機専用ユニットを含む当社カードユニット「VEGASIA」、パチスロ機への需要が高いファン向け情報公開端末「BiGMO PREMIUM」の販売台数が好調に推移した結果、前年同期を大幅に上回りました。『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移したほか、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」、スマート遊技機登場による市場変化へ対応するため、MIRAIGATEサービス加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

制御システム事業におきましては、前連結会計年度に実施された新規則機への入替が完了したことによる反動と、スマート遊技機の動向を探る動きが期初より続いたことにより、市場全体における遊技機販売台数は減少しました。しかし、昨年11月よりスマートパチスロの導入が順調に始まり、今年4月からはスマートパチンコの導入も始まったことで、今後の市場の活性化が期待されております。このような市場環境のもと、パチンコ機向けの表示ユニット及び制御ユニット販売は前年同期を下回りましたが、部品販売は好調に推移し、前年同期を上回りました。また、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収債権に対する貸倒引当金を計上しました。

 

(営業利益)

売上総利益は、売上高の増加により前連結会計年度に比べ43億64百万円増加145億7百万円前年同期比43.0%増)となりました。

販売費及び一般管理費では、取引先遊技機メーカーの民事再生手続きによる債権に対する貸倒損失及び子会社の未回収債権に対する貸倒引当金を計上したことや、販売促進費及び業務委託費の増加により、前連結会計年度に比べ15億35百万円増加104億87百万円同17.2%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ28億28百万円増加し、40億19百万円同237.4%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

営業外収益は、受取利息の減少はありましたが、雇用調整助成金が63百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べ65百万円増加3億円前年同期比27.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ28億92百万円増加し、42億60百万円前年同期比211.5%増)となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16億98百万円増加し、29億27百万円同138.2%増)となりました。

 

(情報システム事業)

当事業におきましては、新店や大規模改装工事が減少する厳しい状況が続くなか、『サービス』売上につきましては、前連結会計年度に比べ76百万円増加の64億74百万円(前年同期比1.2%増)となりました。「サービス」の中でも、パチンコホールの運営支援や分析支援により経営のサポートを行う「MIRAIGATEサービス」は継続的に収益が得られるストック型収益モデルであり、商圏分析サービス「Market-SIS」やクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink(クラリスリンク)」等のサービスを次々に市場投入し、成長させ続けることが重要と認識しております。AIホールコンピュータ「X(カイ)」の普及促進と活用提案の強化を継続し、パチンコホール経営企業の業績向上につながる経営支援サービスの価値向上を目指してまいります。

 

(制御システム事業)

当事業におきましては、1機種当たりの販売台数減少など事業環境の厳しさが増すなか、開発管理の一層の強化と業務効率向上によるコスト低減をはかるとともに、事業部の主軸を「パチンコ機」から「スマートパチスロ」に移行し、事業領域の拡大を推進してまいります。パチンコ機向け事業におきましては、企遊技機メーカーのニーズにこたえた有力コンテンツ(IP)の提供を行うことで、ハード・ソフト案件の獲得につなげてまいります。

 

(c) 経営成績に重要な影響を与える要因について

[第2 事業の状況 3 事業等のリスク]に記載されておりますように、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や一般財団法人保安通信協会による遊技機の型式試験の改正や許認可方針の変更等が行われた場合に、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(d) 経営戦略の現状と見通し

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、どこよりも優れた情報インフラを提供していくことが当社の使命と考え、全国のパチンコホールに対しては、「DK-SIS」による遊技機の有効活用や、煩雑な機種入替時の作業が短時間で完了し業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」の提案、周辺エリアの集客状況を提供する商圏分析サービス「Market-SIS」の普及など、MIRAIGATEサービスの拡充を推進し、堅調に推移しております。

遊技機メーカーに対しては、市場環境の変化に対応した迅速な戦略の立案により、魅力のあるユニット及び遊技機の新たな企画提案に取り組み、徐々に実績を上げております。

また、ファンに対しては、スマートフォン向けのパチンコ情報アプリ「パチロボ」で大当り回数、各ランキング、動画、収支帳をはじめ、自分が打った台のその後がわかる便利な機能等を提供しており、今後もファンが楽しめる機能強化に取り組んでまいります。

 

(e) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独自の発想と技術力で市場創造型の製品を提案し、経営の効率化と高付加価値化を推し進め、収益力を高めることが、競争力を維持強化し、企業価値の増大に繋がるものと考え、「売上高営業利益率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度の「売上高営業利益率」は、前連結会計年度に比べ7.7ポイント増加の12.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3億41百万円増加169億22百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は29億83百万円となり、前連結会計年度と比べ2億36百万円の減少となりました。主な要因は棚卸資産の増減であります。翌連結会計年度のスマートパチンコ導入による設備投資需要に応えるため製品在庫が増加したことなどにより、38億65百万円減少いたしました。売上債権の増減におきましては、当連結会計年度は下期において好調であったことにより、受取手形及び電子記録債権が増加したことなどにより、10億86百万円減少いたしました。仕入債務の増減におきましては、スマートパチンコ対応製品の在庫確保を先行して行ったことから残高が前連結会計年度よりも増加したことにより、18億22百万円増加いたしました。

 

投資活動により使用した資金は19億76百万円となり、前連結会計年度に比べ14億11百万円増加いたしました。主な要因は、グローバルワイズ社の株式取得によります。また、投資有価証券が前連結会計年度に償還されたことも要因の一つとなっております。

財務活動により使用した資金は6億66百万円となり、前連結会計年度に比べ11億47百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金10億円を前連結会計年度に返済したことによります。また、一株当たりの配当金が前連結会計年度に比べ10円減少したことも要因の一つとなっております。

 

(b) 財政政策

当社グループは運転資金及び設備資金において、営業収益による内部資金及び金融機関からの調達を基本方針としております。子会社の資金需要は当社において調達をいたします。当社は、取引先金融機関と当座借越の枠を設けていただいており、使用用途及び金利情勢等を鑑みて短期借入金及び長期借入金を決定いたします。

中期的な方向性としましては、当社グループは営業活動による収益力の向上により営業キャッシュ・フローを増加させ、健全な財政状態を維持した上で、適宜適切な設備投資を既存事業及び新規事業に積極的に投下することにより、事業の持続的成長に繋がると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

オムロンアミューズメント株式会社OAM特約店基本契約

 

契約会社

相手方の名称

契約内容

契約期間

ダイコク電機株式会社
(当 社)

オムロンアミューズメント株式会社

パチンコ遊技機の構成部品(ソレノイド、センサ等)に関する販売特約店契約

2006年4月1日から

2024年3月31日まで

(期間満了の1カ月前までに両社いずれからも何等の申し入れもない場合は、さらに1年間自動的に延長されるものとし、以後も同様となっております。)

 

(注) 提出日現在において契約期間を延長しております。

 

 

6 【研究開発活動】

(1) 研究開発体制と開発内容

開発スタッフ209名により「情報システム事業」及び「制御システム事業」各々の研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は659百万円であり、セグメントの研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりとなっております。

 

(情報システム事業)

当連結会計年度における情報システム事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ55名、研究開発費は561百万円であります。

① ホールコンピューティングシステムの主な開発活動

・スマートパチンコ、スマートパチスロに対応したデータ管理機能を実現しました。

・「変更承認申請書」を取り込むことで、煩雑な機種入替業務を短時間で完了させる「楽らく入替運用オプション」において、数多くの企業様との自動連係を実現しました。

・全国から収集した「客入数データ」をパチンコホール向けに公開する商圏分析サービス「Market-SIS」において、パチンコホール向け会員制情報サービス「DK-SIS」とのデータ連携を強化しました。

・チェーン店のホールデータの閲覧・分析を可能とするクラウドサービス「ClarisLink」において、各チェーン店の遊技機構成の健全性(PPMシェア)を一望できる機能を実現しました。

 

② 情報公開製品の主な開発活動

・スマートパチンコの「Cタイム」に対応したデータ表示機能を拡充しました。

 

③ プリペイドシステムの主な開発活動

・スマートパチンコ、スマートパチスロの両方に対応した40mm共通台間ユニットを開発しました。

 

(制御システム事業)

当連結会計年度における制御システム事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ154名、研究開発費は98百万円であります。

・今後の遊技機市場を見据え、スマート遊技機をターゲットとした新しいゲーム性の考案に取り組みました。

ソフト開発における効率化ツールのバージョンアップを行い、品質の向上と開発期間の短縮に努めました。

新規ハードに対応したベースプログラムの開発を行い、ソフト開発の受託範囲拡大に取り組みました。

・遊技機の魅力を高める有力コンテンツの調査・発掘を行うとともに、コンテンツの特長を活かした企画考案に取り組みました。

・パチスロ遊技機の企画開発において、グループ会社と連携した内製化体制の構築を推進しました。

・アミューズメントコンテンツでは、スマートフォン向け自社ライブラリの開発中複数案件向け個別機能の保守対応と開発のコストと時間の削減の実現のためゲームエンジンの研究を行いました。

 

 

(2) 知的財産権に関する活動

年々、知的財産権の重要性が高まる中、当社は特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、企業利益に貢献する活動を行っております。

その基本方針としましては以下のとおりであります。

 

① 散発的な出願ではなく、戦略的系統的な出願をする。

② 特許報奨制度のインセンティブ付与により出願の質を高める。

③ 社内への知的財産権に関する危機管理の浸透をはかる。

④ 適切な特許権行使をする。