第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来、「パチンコファンが喜ぶこと」を発想の原点としており、アミューズメントの世界において誰もが楽しめる新しいシステムやサービスの開発にチャレンジしてきました。今後も独自の発想と技術力でコンピュータを中心に時代の変化を読みとり、ニーズを先取りする市場創造型の製品を提案し続けることによって、社会へ貢献していくことを基本方針としております。また、ブランド力の向上により、顧客からの支持を強めることが、企業として継続的な業績発展につながるとの考えから、『顧客からの支持は、継続的業績発展につながる』を当社グループの企業品質方針として掲げ、企業活動を行っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営の効率化、高付加価値化を推し進めることにより収益力を高めるとともに、資本効率の向上を図ることが企業価値・株主価値の向上につながるものと考えております。そのため、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

パチンコ業界を支援する情報システム企業として、業界の新しい成長を生み出す、どこよりも優れた情報インフラを提案していくことが当社グループの使命と考えております。

そして、ファン層の拡大(集客)こそが業界全体の発展につながるとの信念を持ち、パチンコホール、遊技機メーカーとパチンコファンを信頼で結び、三者が共に利益と満足を得るビジネスを構築してまいります。

そのために、全国のパチンコホールに対しては、遊技機の有効活用、パチンコファン集客のためのホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の提供やネットワークサービス、さらにはスマートパチスロ機の提供を通じて、企業経営・店舗運営を支援する一方、遊技機メーカーに対しては、より魅力のあるソフト開発を提案してまいります。また、パチンコファンに対しては、スマートフォン及びパソコン向け情報サービスをさらに強化し、より一層有用なホール情報を提供してまいります。

さらに当社は、中期経営計画において掲げる事業領域拡大に向け、既存の枠にとらわれない自由な発想で社会に新たな価値を提供してまいります。

 

(4) 経営環境及び会社の対処すべき課題

パチンコ業界におきましては、パチンコホールの営業店舗数および遊技機設置台数は引き続き減少傾向にあるものの、店舗当たりの設置台数は増加しており、パチンコホールの大型化・集約化が進んでおります。また、市場ではスマート遊技機の登場から3年余りが経過し、導入が着実に進展しております。

2026年3月末時点におけるスマート遊技機の導入状況は、遊技機全体に占めるスマート機の設置割合が42.7%(前年同期比+12.7ポイント)となりました。種別では、スマートパチスロ機の設置割合が61.1%(同+9.0ポイント)となり、ホールにおける主力機種として定着しております。また、スマートパチンコ機の設置割合は28.5%(同+14.4ポイント)となり、前年から大きく伸長いたしました。

このような市場環境のもと、情報システム事業におきましては、パチンコホール経営企業の業績向上を最優先課題と捉え、DXの推進やデータ活用の高度化を通じて、経営課題の解決に貢献してまいります。

スマート遊技機の導入が進展する一方で、市場全体の遊技機設置台数は減少傾向にあり、パチンコホールを取り巻く経営環境は大きく変化しております。当社グループは、このような事業環境の変化を成長機会と捉え、2030年ビジョン「Make CX Amazing ~未知の顧客体験を世界に~」のもと、従来の設備提供にとどまらない新たな価値の創出に取り組んでまいります。

アミューズメント事業におきましては、中期経営計画の実現に向けて、パチスロ事業の拡大および収益基盤の強化を重要課題と位置付けております。引き続き開発管理の強化や業務効率の向上による開発コストの低減を図るとともに、スマートパチスロ分野における事業拡大を推進してまいります。また、技術革新への対応を進め、新たな価値創出に向けた開発力の強化に取り組んでまいります。

 

事業セグメント毎の優先的に対処すべき課題は以下の通りです。

 

情報システム事業

①中期経営計画に掲げた次世代プラットフォーム『AX(仮称)』(アックス)の構築に向け、従来から進めてきた端末やデバイスとの連携による多様なデータ収集機能の強化と、AIを活用したデータ統合・分析支援を着実に進め、パチンコホール経営企業の運営効率向上につながる提案を強化してまいります。

②パチンコホールへの集客支援サービス『サイトセブンFAN+』(ファンタス)および円谷フィールズホールディングス株式会社との協業による新サービス『FAN+AD』(ファンタス アド)の導入拡大を本格化し、パチンコホール経営企業の集客力向上に貢献する施策を推進してまいります。

③業界標準のデータ活用ツール『DK-SIS』を刷新したクラウド新サービス『DK-SIS INFINITY』(エスアイエス インフィニティ)の提供を開始し、利便性の向上と機能拡充を進めてまいります。あわせて、MIRAIGATEサービスの継続的な刷新やデータ統合・AI活用を推進し、営業戦略の精度向上と高度な意思決定を支援するサービス提供に取り組んでまいります。

④社内DXの推進により業務プロセスの刷新と社員のデジタルスキル向上を実現し、限られたリソースで最大限の成果を生み出すパートナーシップとカスタマーサポート体制を構築することで、当社の提供価値の向上を図ってまいります。

 

アミューズメント事業

①中期経営計画の実現に向け、パチスロ事業の拡大および安定化を図るため、企画開発体制の強化を進め、自社機の商品力向上に取り組んでまいります。

②自社パチスロ機の市場シェア拡大に向け、有力コンテンツの獲得および販売体制の強化を推進してまいります。

③パチンコ分野においては、引き続きアミューズメント事業の柱として、価値の高い遊技機ソフトの受託開発および商品販売を継続し、事業の安定化を図ってまいります。

④技術進化に対応するため、AIを活用した技術開発に取り組んでまいります。

 

その他

①案件別の収益管理の高度化を図るとともに、ディスプレイ領域の拡大およびグループ内シナジーの創出による収益貢献の最大化に取り組んでまいります。

②AIを活用した製品開発の高度化および人材育成を推進し、DXの実装による収益性の向上を図ってまいります。

③SNSを起点とした集客力の強化と顧客体験の向上により、滞在時間の拡大および収益機会の創出を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 ダイコク電機グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般に関する考え方

当社は、サステナビリティ活動を持続的かつ体系的に推進し、ESGやSDGsを重視した経営を推進するため、サステナビリティ委員会において「サステナビリティ基本方針」を策定し、「マテリアリティ(重要課題)」を特定しました。

全てのステークホルダーの期待に応えるべく、経営理念である「イノベーションによる新しい価値づくりを通じ、これからも一貫して持続的な成長を果たしてまいります」に基づき、中長期的な企業価値を創出してまいります。

 

<サステナビリティ基本方針>

ダイコク電機グループは、経営理念に基づく事業活動を通じて社会課題を解決しステークホルダーの皆さまとともに、持続可能な社会の実現とグループの成長を目指します。

 

<マテリアリティ(重要課題)>


 

サステナビリティに関するガバナンス・リスク管理体制


<ガバナンス>

当社は、環境・社会に係るサステナビリティ経営について取締役会傘下のサステナビリティ委員会において基本方針を策定し、「地球環境への貢献」に向けて、気候変動に関連したリスクや機会を適切に監督・執行するためのガバナンス体制を構築しています。

気候変動が当社の経営戦略および財務に与える影響については、取締役会が最終的な責任と監督権限を有しています。

取締役会は、サステナビリティ委員会で策定したリスク・機会をもとに、戦略の審議と指導、リスク管理方針の審議と指導、事業計画の審議と指導などを行っております。サステナビリティ委員会において協議・審議した事項は少なくとも年1回以上取締役会へ報告され、取締役会で審議・決議されます。その後、サステナビリティ委員会の指示のもと、サステナビリティ部会は定期的に環境課題に関する具体的な活動を企画、立案、管理をし、推進します。

 

サステナビリティ委員会

サステナビリティ活動を持続的かつ体系的に推進し、ESGやSDGsを重視した経営を推進するため、取締役会の下にサステナビリティ委員会を設置しております。

本委員会は、気候変動を含むサステナビリティ推進活動などに関する協議・審議を随時行い、取締役会に報告や提言を行います。本委員会は、取締役会長を委員長とし 、代表取締役社長、代表取締役専務によって構成されております。

2025年度は、サステナビリティ委員会を1回開催しました。主な審議事項は以下のとおりです。

・気候変動シナリオ分析の見直しおよびScope1〜3のCO2排出量実績の確認・評価

・マテリアリティ(重要課題)の進捗モニタリングおよび次年度の目標設定

・カーボンニュートラル目標の策定に向けた検討状況の報告

・サステナビリティ部会・ダイバーシティ部会からの活動報告の受領と指示

上記の審議内容は、都度または少なくとも年1回以上取締役会に報告し、取締役会の監督・指示のもとで継続的な改善を図る体制としております。

 

サステナビリティ部会

当社は、全社的なサステナビリティ活動を推進するため、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ部会を設置しております。本部会は、サステナビリティ推進活動の企画、立案、管理をし、定期的にサステナビリティ委員会への報告を行い、推進しております。本部会のメンバーは各部門の管理者およびサステナビリティに知見を持つ担当者で構成されております。

 

 

ダイバーシティ部会

当社は、全社的なダイバーシティ活動を推進するため、サステナビリティ委員会の下にダイバーシティ部会を設置しております。本部会は、ダイバーシティ推進活動の企画、立案、管理をし、定期的にサステナビリティ委員会への報告を行い、推進しております。

2025年度の各部会の開催状況は以下のとおりです。

・サステナビリティ部会:年4回開催。主な議題は、CO2排出量データの収集・算定、省エネ設備(ソーラーパネル等)のモニタリング、CDPへの回答準備、Scope3情報収集手法の検討、サステナビリティを社内浸透させる取組の企画・運営など。

・ダイバーシティ部会:年4回開催。主な議題は、女性役職者比率の向上策、男性育児休業取得の推進、障害者雇用率の改善、従業員エンゲージメント(EX)スコアの分析と改善策の立案など。

・各部会の審議内容は定期的にサステナビリティ委員会に報告され、委員会における評価・承認を経て取締役会に提言されます。

 

<リスク管理>

サステナビリティ全般に関するリスク及び機会について、サステナビリティ委員会主導のもと、サステナビリティ部会とダイバーシティ部会が中心となり事業を取り巻く様々な要因を識別・評価・管理しております。これらの部会では、各部門と連携しながら、サステナビリティ全般に関するリスクおよび機会の洗い出しを行い、重要度に応じた優先順位付けを実施した上で、ルールや基準の策定、ならびに有効な施策の検討・実行を推進しています。特定されたリスクおよび機会は、サステナビリティ部会およびダイバーシティ部会からサステナビリティ委員会へ報告され、委員会において影響度を評価・分析のうえ、取締役会に報告されます。気候変動などの重要な事項については、取締役会の監督・指示のもと、継続的なモニタリングを実施しております。

 

(2) 気候変動に関する開示

当社は、気候変動課題を重要な経営課題と認識しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しております。TCFDの考えに基づき、気候変動課題がどう事業活動に影響を与えるかサステナビリティ委員会とサステナビリティ部会を中心に定期的に検証しております。

 

気候変動のガバナンス・リスク管理体制


 

 

<戦略>

気候変動に関連する当社事業へのリスクと機会を分析しております。分析にあたっては下表に記載したシナリオを想定して行っております。

TCFDにおいてのシナリオ分析は、当社グループの主要事業を対象範囲として実施しております。「情報システム事業」については当社、「アミューズメント事業」については当社及び連結子会社であるDAXEL株式会社を対象として検討しました。「情報システム事業」は当社グループの主要な事業領域であり売上高に占める割合が大きく、「アミューズメント事業」は遊技機の企画・開発から製造・販売までを行っていることから、両事業とも世界的な脱炭素化への動きによる影響を受けやすい事業として、シナリオ分析の対象事業に選定しております。

温度シナリオ

参照シナリオ

概要

2℃以下

シナリオ

IEA「WEO2024」NZE,APSシナリオ

IEA「WEO2019」SDSシナリオ

IPCC「第5次報告書RCP2.6シナリオ」

持続可能な世界に向けて、積極的に気候変動に関わる政策が実施されることを前提としたシナリオ。低炭素社会に移行していくにあたり炭素排出コストや、電力価格の支出が増加することが想定される。

4℃シナリオ

IEA「WEO2024」STEPSシナリオ

IPCC「第5次報告書RCP8.5シナリオ」

現在公表されている政策のみが達成される気候変動対策が積極的でないことを前提としたシナリオ。移行リスクは限定的と想定される一方で、物理リスクは顕在化し、対応に関わる支出、被害による損害が発生する可能性がある。

 

 

<前年度比・変動要因>

前年度(2025年3月期)との比較および主な変動要因は以下のとおりです。

・Scope1(371.52t-CO2):前年度411t-CO2に対し39.48t-CO2の減少。テレワークの定着および事業活動のDX化等により、社用車の走行距離が縮減されたことが主な要因です。

・Scope2 マーケット基準(1,325t-CO2):前年度1,369t-CO2に対し44t-CO2の減少。春日井事業所のソーラーパネル稼働による再生可能エネルギー利用拡大が寄与しました。

・Scope2 ロケーション基準(1,235t-CO2):前年度1,317t-CO2に対し82t-CO2の減少。春日井事業所のソーラーパネル稼働による再生可能エネルギー利用拡大が寄与しました。

・Scope3 カテゴリ1(48,602.7t-CO2):前年度49,668t-CO2に対し1065.3t-CO2の減少。主な要因は情報システム事業の仕入高変動によるものです。

・Scope3 カテゴリ11(157,822.31t-CO2):前年度131,446t-CO2に対し26,376.31t-CO2の増加。主な要因は販売台数および販売製品構成の変化によるものです。

 

<CO2排出量データの集計・確認・承認プロセス>

当社は、開示情報の信頼性を確保するため、以下のプロセスによりCO2排出量データを集計・確認・承認しています。

① データ収集:各事業所(本社・春日井事業所・坂下事業所、その他各支店・営業所)の電力使用量・燃料使用量・仕入実績データを担当部門(総務・経理・購買部署)が収集します。

② 集計・算定:サステナビリティ部会が各部門のデータを取りまとめ、環境省の算定ガイドラインおよび上記算定方法に基づいてScope1〜3の排出量を算定します。

③ 確認・精査:サステナビリティ部会において算定結果の妥当性確認・前年比検証・異常値の精査を実施します。

④ 承認:サステナビリティ委員会において内容を最終確認・承認のうえ取締役会に報告します。

なお、当期においては外部機関による第三者検証(保証)は実施していません。今後、開示情報の信頼性向上に向けて第三者検証の取得を検討してまいります。

 

■リスク・機会一覧表

気候変動関連のリスクおよび機会について、移行リスク・物理リスクに分けてリスク(支出の増加、収益の減少につながるもの)・機会(支出の減少、収益の増加につながるもの)を評価・分析しております。

移行リスクは脱炭素社会に移行していくことにより生じるリスク・機会で2℃以下シナリオの影響が大きくあると想定されます。一方、物理リスクは気候変動が今以上に深刻化した際に起きるリスク・機会で4℃シナリオの影響が大きくなると想定されます。

当社は、サステナビリティ関連のリスクだけでなく、成長機会となる要素も識別・評価しています。主な機会については、関係部門が連携し、経営会議等で対応を検討しています。

下表に、認識している主要な機会とその評価を示します。

リスク項目

事業インパクト

評価

対応策

大分類

中分類

小分類

時間軸

バリューチェーン段階

考察:リスク

考察:機会

リスク

 機会

移行

政策規制

炭素価格

(炭素税)

中期

全行程

炭素税の導入により、CO2排出量に応じてコストが増加。

社内におけるペーパーレス化

排出権取引

長期

全行程

自社に割り当てられた排出枠を超過すると排出権を他社から購入するコストが発生。

また、超過分を削減するための対応コストが発生。

排出削減活動により創出した余剰排出枠を売却することで、収益を得る。

製造工程の見直し

プラスチック規制

中期

製造工程

プラスチック規制によりパチンコおよびパチスロ筐体に使われるプラスチックを代替する必要が生じた場合にコストが増加。また代替に伴う製品開発費も増加。

バイオプラスチックやリユース可能な部品を採用

リサイクル規制

短期

下流工程

リサイクル関連法令の厳格化により、既存製品リサイクルのコストが増加。また、リサイクル可能な製品開発費用および対応コストも増加。

使用済機器のリサイクルや、部品のリサイクル・リユースの促進による外部評価(ブランドイメージ)や付加価値による製品競争力が向上。

センドバック修理品の輸送にリサイクル素材を採用

省エネ政策

短期

製造工程

政策の推進を踏まえて顧客からの要望が強まり、既存商品より省電力が可能な製品の開発費が増加。

エネルギーマネジメント可能な製品の開発

情報開示義務

長期

全行程

サステナビリティ情報開示要請の拡大により開示に関わる費用が増加。

TCFD・CDPの取組

市場

エネルギーコストの変化
再エネ政策

中期

製造工程

再エネ賦課金、揮発油税などエネルギー諸税の増大に伴う構造的な電力コストの上昇により、本社や工場のエネルギーコストが上昇。

顧客からのエネルギーコスト軽減要望により、省電力液晶ユニットや物理的駆動部品の少ない省電力製品需要増加。

再エネ導入割合の増加
LED照明の活用拡大
太陽光システム導入の拡大

原材料コストの変化

中期

上流~

製造工程

環境規制強化に伴う需要増加に加え、サプライヤーにおける製造コスト上昇が価格に転嫁されることにより、再生可能原材料の調達価格が上昇し、原材料コストが増加。

環境負荷の低い素材の使用検討
サービスのソフトウェア化の促進

評判

顧客の評判変化
投資家の評判変化

中期

全行程

環境への取組が十分でないと、顧客企業より評判が低下し、製品の売上が減少。
環境への取組が不十分であると判断された場合、株価下落や資金調達コスト増加。

業界団体を通じた啓蒙活動
全国クリーンデーを企画・推進
 TCFD・CDP取組

 

 

 

 

リスク項目

事業インパクト

評価

対応策

大分類

中分類

小分類

時間軸

バリューチェーン段階

考察:リスク

考察:機会

リスク

 機会

物理

急性

異常気象の激甚化
(台風、豪雨、土砂、高潮等)

中期~長期

全行程

台風や局所的豪雨により洪水による浸水、高潮被害が各拠点で発生することによる工場の生産停止による売上が減少。
防災対策費用、復旧コストが発生。
サプライチェーンの寸断により、部品の供給が停止。

自然災害の激甚化は顧客店舗の設備損壊リスクを高める一方で、遊技機や周辺機器の修理・リペア需要が増加。また、早期復旧対応をすることで信頼獲得の機会となる。

防災・BCP対策

の強化

慢性

平均気温の上昇

中期~長期

全工程

平均気温の上昇により空調コストが増加。

建物の遮熱・断熱
 環境性能の高いビル(ZEB)に入居
 エネルギー管理
 クールビズの採用

感染症の増加

長期

下流工程

気温上昇に起因する感染症による外出控えにより、パチンコホールの客足が減少。

テレワークの推奨
 製品への感染症対策機能追加

 

 

※「時間軸」については下記を想定して検討しています。

短期:2025~2027年 3カ年の中期経営計画を短期としています。

中期:2027~2030年 2030年ビジョン「Make CX Amazing ~未知の顧客体験を世界に~」までを中期としています。

長期:2030年以降 2030年ビジョン以降を長期としています。

※「評価」については財務的インパクトの結果を参考に、下記の通り設定しています。

大:影響金額が300万円以上の場合

中:100~300万円の場合

小:100万円未満または影響金額が不明の場合

 

4℃シナリオにおいては、異常気象の激甚化が予想される世界観において洪水被害や営業停止など物理リスクの影響が大きく、移行リスクの影響は軽微という試算結果となりました。異常気象の激甚化については、防災・BCP対策の強化を図っております。BCP対策の一環として防災グッズの販売や寄付も行ってまいります。また、今後の平均気温の上昇に対しては、従業員に向けてクールビズを促し、テレワークを推奨するなど働く環境を整備しています。

2℃以下シナリオにおいては、移行リスクとしてIEA WEO2024等による予測パラメータでは炭素税が増加、再生可能エネルギーの普及により電力価格が上昇するとの予測があり、それらの影響により支出が増加するものと想定しています。物理リスクの影響については4℃シナリオと比較すると影響は小さいという試算結果となりました。

対応策としては、当社春日井事業所において太陽光発電システムを導入しGHG排出量に伴う炭素税・排出権取引に関わる支出の削減を行うなど、対応を進め今後範囲を拡大していきます。現在、当社webサイトトップページにおいて、春日井事業所に設置した太陽光発電の1か月当たりの積算発電量と前月の積算発電量を公表しています。https://www.daikoku.co.jp/

また、プラスチック規制やリサイクル規制など原材料・製品の環境負荷の低減にも取り組んでまいります。AI、クラウドを活用した製品・サービスなどホール運営のDX化の浸透や、製品のソフトウェア化も推進しています。

 

 

<指標と目標>

当社は、中期経営計画で策定した2030年ビジョン「Make CX Amazing~未知の顧客体験を世界に~」の実現に向けて目標を策定しました。

温室効果ガス排出量の削減として、Scope1,2排出量を2030年度に向けて2023年度比で30%削減を目指します。また、春日井事業所の太陽光発電設置など、再エネ導入を推進しており、2030年度までに再生可能エネルギー導入割合の20%引き上げを目指します。

目標達成に向けて、環境に配慮した製品・サービスの開発を推進するとともに以下の取組を行っております。

① Scope1、Scope2、Scope3(カテゴリ1.2.4.5.6.7.8.9.11.13)のCO2排出量算出

② Scope3のCO2排出量算出に向けての情報収集

③ 春日井事業所にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギー利用によるCO2排出削減量のモニタリング

※カテゴリ10(販売した製品の加工)およびカテゴリ12(販売した製品の廃棄)については、当社事業との関連性を検討したうえで、現在算定方法および必要データの収集体制を整備中です。算定体制が整い次第、開示いたします。

<Scope1〜3 算定方法・前提条件・不確実性について>

当社のCO2排出量算定にあたっては、以下の方法・前提条件を採用しています。

【Scope1(自社による直接排出)】

・対象範囲:提出会社(ダイコク電機株式会社)の運営する事業所における燃料使用(都市ガス・灯油・ガソリン等)を対象とします。

・算定方法:使用燃料の種別ごとに使用量を集計し、環境省「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」に定める排出係数を使用して算定しています。

【Scope2(エネルギーの間接排出)】

・対象範囲:提出会社(ダイコク電機株式会社)の運営する事業所における電力使用を対象とします。

・算定方法(マーケット基準):環境省「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)」から各事業所で契約する電力会社を参照し、各電力会社の排出係数を使用して算定しています。なお、事業所によっては電力会社より基礎排出係数が公表されていない場合があり、その場合には代替値を使用しています。

・算定方法(ロケーション基準):環境省「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)」に定める全国平均係数を使用して算定しています。

・不確実性要因:電力会社の排出係数は毎年度改訂されるため、前年度との比較においては係数改訂の影響が含まれる場合があります。また、一部の支店・営業所では正確な使用量が把握できず、実際の電気代及び国の平均的な電気価格(1kWh当たり31円)からおよその使用量を算出し、排出量を計算しています。

【Scope3 カテゴリ1(購入した製品・サービス)】

・対象範囲:提出会社(ダイコク電機株式会社)の情報システム事業における仕入高(外部仕入先への支出金額)の上位80%かつ残りの20%内の上位1%を対象とします。

・排出原単位:環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」(最新版)の産業連関表ベース排出原単位(t-CO2/百万円)を使用しています。

・算定方法:仕入高(百万円)に品目分類別の排出原単位を乗じた支出ベース推計値です。個別サプライヤーの実測値は使用していません。

・不確実性要因:排出原単位データベースの改訂・仕入先の業種構成の変化・個別サプライヤーの実際の排出強度と の乖離により不確実性が存在します。

【Scope3 カテゴリ2(資本財)】

・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)が当該事業年度に実施した設備投資を対象とします。

・算定方法: 環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」(最新版)に定める資本財価格当たり排出原単位を使用し算出しています。なお提出会社の業種は東証の業種区分(機械)に対応する産業連関表分類として一般機械を適用し、算出しています。

・不確実性要因: 支出ベースの推計であるため、個別サプライヤーの実際の製造時排出強度との乖離が存在します。また設備更新の有無により年度間変動が大きくなる場合があります。

【Scope3 カテゴリ4 (輸送・配送(上流))】

・対象範囲: 仕入先から提出会社(ダイコク電機株式会社)の事業所への製品・部品・資材の輸送、および当社工場内での原材料・部品の輸送を対象とします。

・算定方法:仕入れ先または物流会社への支払運賃実績(百万円)に、環境省の排出原単位データベース(道路貨物輸送業・倉庫業等)の排出原単位を乗じた支出ベースにより算定しています。仕入れ先または物流会社から輸送量(トンキロ)のデータ提供が受けられる場合はトンキロ法を優先適用します。

・不確実性要因: 支出ベース推計を使用している区分については、実際の輸送モード・積載効率との乖離が排出量に影響します。

 

【Scope3 カテゴリ5(事業から出る廃棄物)】

・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)の事業活動から発生する廃棄物(一般廃棄物・産業廃棄物)の処理に伴うCO2排出を対象とします。DAXEL株式会社の製造工程から発生する廃棄物(廃プラスチック・廃金属等)を含みます。

・算定方法: 本社及び春日井事業所において廃棄物種別(可燃ごみ・不燃ごみ・プラスチック・金属スクラップ等)ごとに廃棄物量(t)を集計し、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める廃棄物種別・処理方法別排出原単位(t-CO2/t)を使用して算出しています。その他の事業所で発生する廃棄物に関しては廃棄物処理に係る費用を集計し、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める金額ベースの排出原単位を使用して算出しています。

・前提条件: 廃棄物処理委託業者から受領する廃棄物管理票(マニフェスト)の実績データ及び産業廃棄物処理費用として稟議に上げられた金額データを基礎データとして使用しています。リサイクル処理に回された廃棄物については、処理方法別の排出係数を適用しています。

【Scope3 カテゴリ6(出張)】

・対象範囲:提出会社(ダイコク電機株式会社)の従業員による出張に伴う交通手段(航空機・新幹線・在来線・レンタカー等)の利用から発生するCO2排出を対象とします。

・算定方法: 環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める従業員1人当たりの出張に関する排出係数を使用して算出しています。

【Scope3 カテゴリ7(雇用者の通勤)】

・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)の従業員の自宅から各事業所への通勤に伴うCO2排出(電車・バス・自家用車・バイク・自転車等)を対象とします。

・算定方法: 電車・バスでの通勤の場合には、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める交通費支給額当たり排出原単位を使用して算出しています。

自家用車通勤については、環境省「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)」に定める揮発油の排出係数を参照し、通勤距離データをもとに燃料法(燃料使用量×排出係数)を使用して算出しています。

・不確実性要因:燃料使用量はその年のガソリン平均価格を参照しており、年内に価格の大幅な乱高下が発生した場合には実際の排出量と異なる場合があります。

【Scope3 カテゴリ8(上流のリース資産)】 

 ・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)が賃借しているオフィス・事業所・倉庫等のリース資産(賃貸借契約に基づく借用不動産)のうち、Scope1・2で計上していないものを対象とします。

・算定方法:環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める建物用途別・単位面積当たりの排出原単位の代表値(事務所ビルでの電力使用)を使用し算出しています。

・不確実性要因: 実測データを取得できない物件のため、床面積ベースの推計値を使用しており、建物の断熱性能・設備仕様・実際の使用状況との差異が存在します。

【Scope3 カテゴリ9(輸送・配送(下流))】

・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)の事業所から顧客(パチンコホール事業者等)への製品(ホールコンピュータ・端末機器等)の配送・輸送に伴うCO2排出を対象とします。

・算定方法: 物流委託先への支払運賃実績(百万円)に、環境省の排出原単位データベース(道路貨物輸送業・倉庫業等)の排出原単位を乗じた支出ベースにより算定しています。主要物流委託先から輸送量(トンキロ)のデータ提供が受けられる場合はトンキロ法を優先適用します。

・不確実性要因: 支出ベース推計を使用している区分については、実際の輸送距離・積載効率・輸送モードとの乖離が排出量に影響します。

【Scope3 カテゴリ11(販売した製品の使用)】 

・対象範囲:情報システム事業において販売したホールコンピュータおよび関連端末機器を対象とします。

・算定方法:製品仕様書に基づく消費電力(W)×想定稼働時間×製品寿命(年)により推定使用電力量を算出し、販売台数及び電力の排出係数(全国平均値)を乗じて算定しています。

・不確実性要因:顧客ホールの実際の稼働時間・稼働日数は仮定値を用いており、実態との乖離が生じる場合があります。

【Scope3 カテゴリ13(下流のリース資産)】

・対象範囲: 提出会社(ダイコク電機株式会社)が子会社に賃貸するオフィス・事業所に伴うCO2排出を対象とします。なお、提出会社は駐車場も運営しておりますが電力使用量が低く重要性が低いと判断して算定から除外しています。

・算定方法: 環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース」に定める建物用途別・単位面積当たりの排出原単位の代表値(事務所ビルでの電力使用)を使用し算出しています。

・不確実性要因:実測データを取得できない物件のため、床面積ベースの推計値を使用しており、建物の断熱性能・設備仕様・実際の使用状況との差異が存在します。

 

 

2026年3月期(2025年4月~2026年3月)のScope1、2及び3のCO2排出量は以下になります。

種別

条件

t-CO2

Scope1

 

371.52

Scope2

マーケット基準

1,325.62

ロケーション基準

1,235.54

Scope3

カテゴリ1

48,602.7

Scope3

カテゴリ2

9,051.7

Scope3

カテゴリ4

1,554.98

Scope3

カテゴリ5

223.98

Scope3

カテゴリ6

56.29

Scope3

カテゴリ7

969.6954

Scope3

カテゴリ8

10.68

Scope3

カテゴリ9

1.73

Scope3

カテゴリ11

157,822.31

Scope3

カテゴリ13

184.7617

 

 

(3) 人的資本・多様性に関する開示

当社は、人的資本・多様性を重要な経営課題と認識しており、サステナビリティ委員会とダイバーシティ部会を中心に様々な取組を推進しております。
 
 

人的資本・多様性のガバナンス・リスク管理体制


<戦略>

「イノベーション」を経営理念に新しい価値を創造し続ける。それを支えているのが人の力だと考えております。個人の能力とそれを活かす組織の力、そのシナジーで新しい価値を生み出し、社会を動かし続けます。そのために、当社は教育研修などに代表される人材育成には支援を惜しむことなく人を育てていく一方で、個人の力が最大限に発揮されるような自由闊達な組織風土づくりにも変わることなく取り組み、社内環境を整備しております。そうした変化を続けることで社会への貢献を果たしながら、持続的な成長を目指します。

 

<指標と目標>

○主な指標(目標及び実績)

 

2030年度目標

2025年度実績

人材育成に対する投資額

24百万円

30百万円

女性役員比率

30

10.0

女性役職者比率

20

9.3

育児休業の取得率(女性)

100

100

育児休業の取得率(男性)

100

100

障害者雇用率

法定雇用率を超える

1.89

 

 人的資本に関する戦略および指標・目標の開示においては、提出会社を主たる対象としています。これは、提出会社が当社グループの売上高の大部分を占め、人的資本に関する施策の策定・実行も提出会社主導で行われているためです。連結子会社については、人員規模・業績寄与度が相対的に小さく、グループ全体の人的資本戦略における影響が限定的であることから、開示対象から除外しております。

 

[女性活躍推進]

従来補助的業務を行う社員として一般職という区分がありましたが、2019年にその区分を廃止しました。女性活躍推進については、ダイバーシティ部会における重要課題と捉え、現状把握・分析を行い、課題別に取組テーマを掲げて、各種制度、労働環境、教育・研修の見直しとともに、働き方改革、ワーク・ライフ・バランスの更なる推進を進めています。

このような取組の結果、2019年は役職者3名でしたが、2026年4月時点では女性管理職1名と役職者13名(対前年比+2名)となっております。今後も各種制度の整備や人材育成を通じて女性活躍推進に取り組み、女性役職者比率の向上を図ってまいります。

 

[働き方改革]

仕事と育児の両立支援については、出産の前後や育児における休暇・休業・職場復帰制度、時短勤務制度などの諸制度を設けるなど、働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでおります。

これらの取組の結果、育児休業の取得率は男女ともに100%です。

また、次のような認定・認証を取得しています。

・2020年12月15日      名古屋市        「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業認証」

・2021年10月1日      愛知県          「あいち女性輝きカンパニー」に認証

・2021年11月17日      総務省          「テレワーク先駆者百選」に認定

・2022年3月23日      ㈱労務研究所    「ハタラクエール2022 福利厚生推進法人」に認証

・2022年12月16日      愛知県          「ファミリー・フレンドリー企業」に認定

・2024年7月1日   愛知県     「あいち女性の活躍プロモーションリーダー」に委嘱

・2024年8月8日   健康企業宣言東京推進協議会 健康優良企業「銀の認定」取得

・2024年12月3日   ㈱ワーク・ライフバランス 「男性育休100%宣言」に掲載

 

[従業員エンゲージメント]

当社は従業員のエンゲージメントが重要な指標と考えており、2024年度新たなサーベイシステムへと切替を行いました。サーベイでは社員が思い描く組織に対する「ありたい姿」と「実感」とのギャップを把握し、継続的に改善し続けるためのEXスコアの測定と組織改善のプロセスを年2回のサーベイを通じて実施していきます。

2025年度のEXスコアは68.5pt(前年比+4.1pt)となり改善傾向が確認されています。

 

[障害者の雇用]

主要な事業所において障害をもつ従業員の雇用を推進し、活躍できる職場を目指しております。

2025年度における当社の障害者雇用率は法定雇用率を下回り1.89%となりました。理由としましては、体調不良による欠勤が複数人で重なり、労働時間不足によりカウントできない事象が発生したためです。令和8年の障害者雇用率2.7%達成に向けて、今年度は愛知労働局と連携し新たな受入体制を構築すべくダイバーシティ部会が活動する予定です。

 

(4) 「当連結会計年度における主な取組」

E:地球環境への貢献

 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に対応するため、Scope1、2及び3について算定しました。

② 環境関連の戦略や取組などを評価・認定する国際的な非営利団体CDPから、気候変動対応への取組で、前年度に引き続きマネジメントレベル「B」スコアを獲得しました。また、新たに開示の対象となった水セキュリティの分野では、「C」スコアを獲得しました。

③ 当社のサステナビリティに関する取組が評価されFTSE Russell社が提供するESG投資の代表的指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されました。

S:イノベーションによるソリューション提供

① 次世代人材育成支援の一環として、名古屋市と岩手県陸前高田市との「絆交流」に参加した陸前高田市立中学校の生徒を対象に、当社が常設教室を運営している小学生向けプログラミング教室『ロボキューブ』において、職場体験を実施しました。

② カードユニット「VEGASIA」に呼び出しランプ操作機能を追加し、車椅子をご利用のお客様や起立が困難なお客様にも、着席したまま遊技データ確認や呼び出し操作が可能な環境整備を進めました。

S:人材活躍の推進

① 愛知県ファミリー・フレンドリー企業としてワークライフバランスの推進に取り組み、平成4年1月11日より長期的に継続運用しているマイライフ勤務制度(短時間正社員勤務制度)が「多様な正社員」制度の活用事例として評価され、厚生労働省によるヒアリング調査及び動画作成に協力しております。

② 男性育児休業取得の定着を目的に、役職者を含む勉強会を実施しました。育休取得経験者による実践的な情報共有を通じ、参加者の88.2%が制度理解の深化を実感し、73.5%が取得に前向きな意向を示しました。

③ 障害者雇用の拡充に向け、教育機関や行政と連携した職場実習・マッチング施策を推進した結果、今期2名の新規採用を実現しました。多様な特性を持つ人材が活躍できる職域拡大を通じ、組織基盤の強化を図っています。

④ 女性社員向け座談会や外部キャリア相談制度の試験導入、中堅層向けマネジメント研修を実施するなど、キャリア段階やライフステージに応じた成長支援に取り組みました。

⑤これらの施策の結果、「ダイバーシティ」の認知度は2023年度の47.8%から2025年度には84.0%、具体的な活動内容を理解している割合も、2023年度10.2%から2025年度50.4%へと大きく向上しています。

 

今後も、持続可能な社会の実現と当社グループの成長に向けて、「マテリアリティ(重要課題)」を中心に推進してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社はリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」で定めており、その基本方針及び管理体制に基づき、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」や内部統制活動としての「財務報告会」を定期的に開催し、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止をはかっております。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

情報システム事業の顧客であるパチンコホールは「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下、「風営法」という。)に定める基準に従って営業することが義務づけられており、パチンコホールが当社グループの製品を含めて店内の設備投資を行う場合、「風営法」に基づいて、あらかじめ各都道府県公安委員会に届出書を提出して、承認を受けなければなりません。また、パチンコホールの営業上、「風営法」のほか、「各都道府県条例」による規制を受けるとともに、過度な射幸性を抑制する目的等から、パチンコホールの業界団体が自主規制を行うことがあります。このような法的規制や新たな自主規制の実施により、パチンコホールの営業に制限が課せられた場合、パチンコホールの設備投資動向に急激な変化を生じる等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報収集の徹底と迅速な戦略立案により在庫リスクや販売低迷に対処し、リスク低減に努めてまいります。

 

(2) 遊技機の型式試験について

当社グループ及び当社グループの取引先が製造販売するパチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、「風営法」第20条第5項に基づき、国家公安委員会の指定試験機関の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されます。その後、各都道府県公安委員会による検定に適合することが必要となり、適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。

型式試験は、各パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機メーカーから持ち込まれた遊技機が国家公安委員会の「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」の規格に適合するかどうかを判断するものです。

パチンコファンのニーズの多様化や電子技術の進歩により遊技機の技術構造は飛躍的に進化しており、それに伴い試験の準備手続きや技術的仕様は複雑化に拍車がかかっています。そのため、型式試験の通過に予想を超える時間を要したり、試験に不適合となったりした場合には、アミューズメント事業の顧客である遊技機メーカーの販売計画に大きな狂いが生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、遊技機開発におけるグループ会社の役割を明確にすることで専門性を高め、業務効率追求により設計品質と開発生産性の向上をはかることでリスクの低減に努めております。

 

(3) 製品開発について

コンピュータシステムにおけるソフトウエアについては、プログラムの誤りであるバグを無くすことが重要な経営課題でありますが、今日のように高度なソフトウエア上でバグを皆無にすることは、一般的には困難と言われております。当社グループにおいても自社開発のプログラムを事前にテスト&デバッグをすることで対処しておりますが、特定の入力データや操作、想定していなかった設定の組合せにおいて、顧客であるパチンコホールに製品を納入した後にバグが発見されるケースが過去に発生しております。このようなバグの中でもシステムを止めるような内容や、正確さに欠けるデータの表示等が発見された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの品質管理につきましては、市場クレームはもとより生産工程内不良の解析力を強化し、製造・購買・開発など関連部門と協力の上、再発防止・潜在的不良の予防に取り組んでリスクの低減に努めております。また、社内に導入しております分析装置や外部解析機関の検査手法を取り入れ、ハード面においても常に品質安定を視野に入れた活動を行っております。もしもソフトウエア上のバグが発生した場合には、プログラム上の発生個所や原因を早急に突き止め、迅速に適切な対処を行うことに努めてまいります。

 

(4) 需要の大幅な変動について

遊技機の市場動向は、特定の人気機種が大きく販売を伸ばす一方、数千台で終息してしまう機種も増加し、機種ごとの優勝劣敗の傾向が強くなっております。大幅に需要変動する傾向のある遊技機市場環境のなか、当初計画した各メーカーへの納入台数が達成できなくなる、あるいは受注がキャンセルされること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、遊技機市場動向を把握した中での需要予測や遊技機メーカー販売部門との連携による最新営業情報の収集により、予期せぬコスト負担を最小限に抑えるべく努めております。

 

(5) 知的財産権の保護について

当社グループは、知的財産権の重要性が高まるなか、特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、その創出と保護に努めるとともに、他社の特許権を侵害しない製品づくりに努めております。

しかしながら、当社グループの知的財産権に対する侵害行為は、その全てを把握することは困難であり、当社グループの権利を完全に防護することは不可能です。また昨今、知的財産権はその量、内容共に膨大であり、調査分析を徹底しておりますが、当社グループが他社の特許権を侵害しているとして、何らかの請求を受ける可能性があります。

また、映像や音声の制作において、版権や楽曲を使用しないオリジナル作品の場合、類似や模倣という観点が明確でないため、細心の注意を払っていても、意図せず著作権や不正競争防止法に抵触しているとして何らかの請求を受ける可能性があります。

さらに、著作権の許諾を受けていても著作者もしくは権利元の意向により影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、知的財産権管理の専門部署を設け、知的財産権の確実な取得及び保全に努めております。

 

(6) 検定型式の均一性に関して

パチンコ遊技機及びパチスロ遊技機は、検定機関の検査に適合後、検定型式と同一の製造均一性を担保するため、その製品に使われている部品の互換が認められておりません。当社が遊技機メーカーに納入するユニット製品に使用している電子部品が生産中止となった場合、もしくは何らかの理由(企業の倒産、災害)により電子部品の供給を受けられなくなった場合は、当社製品の製造及び供給ができず業績に影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、部品を選定する際の規定で「継続供給担保」※の基準を設け、合格した部品のみ採用する仕組みを構築し、リスクの回避に努めております。

 

※「継続供給担保」の基準は以下の3点であります。

① 継続供給可能なことの確認

② 生産中止の際は事前報告履行の担保

③ パチンコ業界での採用事例の確認

 

(7) 感染症等の拡大や大規模災害等の異常事態リスク

当社グループは、パチンコホール向けにホールコンピュータをはじめとする情報システム機器の開発・製造・販売と、各種情報サービスの提供を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックや大規模災害等の異常事態が当社の想定を超える範囲で発生し、パチンコホールの休業が長期化した場合は、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

また、休業が長期化した場合にはパチンコファンの減少も想定するリスクと考えられます。

 

(8) 減損会計適用の影響

当社グループは、事業用の不動産をはじめとする固定資産及びのれんを保有しております。こうした資産は、時価の下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなると減損処理が必要となる場合があり、当社グループの財政状態や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復基調が続きました。一方で、中東情勢の影響などにより、景気の先行きには不透明感が残る状況です。先行きについては、各種政策の効果が景気回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や金融資本市場の変動、米国の通商政策の動向などに注意する必要があります。

当社グループが携わるパチンコ業界におきましては、警察庁の集計(2026年4月発表)によると、2025年12月末時点のパチンコホールの営業店舗数は6,464店(前年比96.4%)、遊技機設置台数は323万4,357台(前年比97.2%)となりました。遊技機設置台数の内訳は、パチンコ機187万2,041台(前年比95.0%)と減少が続いた一方、パチスロ機136万2,177台(前年比100.5%)と2年連続で増加となりました。また、1店舗当たりの設置台数は500.3台と前年比4.4台増加し、パチンコホールの大型化が進んでおります。市場ではスマート遊技機の登場から3年余りが経過しました。当連結会計年度末時点におけるスマート遊技機の導入状況は、遊技機全体に占めるスマート機の設置割合が42.7%(第3四半期末比+1.7ポイント、前年同期比+12.7ポイント)となりました。種別設置状況につきましては、パチスロ機全体に占めるスマートパチスロ機の設置割合が61.1%(第3四半期末比+1.9ポイント、前年同期比+9.0ポイント)、パチンコ機全体に占めるスマートパチンコ機の設置割合が28.5%(第3四半期末比+1.5ポイント、前年同期比+14.4ポイント)となりました(当社「DK-SIS」データ参照)。

次に遊技機の稼動状況ですが、2026年1月~3月の期間平均で前年同期比99.5%、前年度比較では99.8%となりました。種別稼動状況につきましては、パチスロ機は前年同期比100.9%、前年度比101.6%と好調に推移しました。パチンコ機は前年同期比98.4%、前年度比98.3%となりました(同データ参照)。

また、スマート遊技機の稼動状況を見ると、2026年1月~3月のスマート機の稼動は非スマート機(従来機)と比較して113.1%となりました。種別稼動状況につきましては、スマートパチスロ機が非スマートAT系機種と比較して131.8%、スマートパチンコ機が非スマートパチンコ機(従来機)と比較して108.4%となっており、パチスロ、パチンコともにスマート機の方が高い稼動実績を示しております(同データ参照)。

スマート遊技機は引き続きファンからの支持を得ながら設置割合の拡大が進むものと考えられます。これに伴い、パチンコホールにおける導入・運用に関連する設備投資需要についても、引き続き堅調に推移するものと認識しております。

このような市場環境のもと、情報システム事業におきましては、スマート遊技機への移行に伴う設備投資需要の取り込みを図るため、カードユニット「VEGASIA」の販売拡大に取り組んでまいりました。

また、第1四半期中に開催した展示会において発表した新製品である台毎液晶端末『BiGMO XCEL』及びセルフ端末『TJ-01』の拡販活動や、AIを活用したマーケティング支援サービス『サイトセブンFAN+』の導入拡大に努めてまいりました。

さらに、スマート遊技機による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの利用拡大及び付加価値向上に向け、クラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」、商圏分析サービス「Market-SIS」、業務効率化に貢献する「楽らく入替運用オプション」の普及を促進いたしました。

アミューズメント事業におきましては、2025年5月に当社グループ会社のDAXEL株式会社が市場導入したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」を起点として、次期販売機種の開発及び市場投入に向けた準備を進めております。また、元気株式会社においては、自社ゲームタイトル「首都高バトル」のPlayStation 5版を2026年2月26日より販売開始いたしました。

その他におきましては、株式会社うかいが運営する「箱根ガラスの森美術館」事業を承継し、2025年10月1日より運営を開始いたしました。同美術館においては、「つむぐ、つなぐ、つたえるヴェネチアン・グラスのDNA」と題した企画展を開催するなど、文化資産の継承と魅力発信に取り組みました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高543億37百万円前年同期比5.5%減)、営業利益96億73百万円同21.0%減)、経常利益98億31百万円同19.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益57億54百万円同25.5%減)となりました。

 

 

セグメント業績は次のとおりであります。

 

情報システム事業

当連結会計年度におきましては、パチンコホール経営企業においてスマート遊技機導入に伴う設備投資需要が継続しております。

このような市場環境のもと、『パチンコホール向け製品等』の売上は、カードユニットの改刷対応に伴う特需が一巡したことから前年同期を下回りました。一方で、カードユニット「VEGASIA」の販売台数は前年同期を上回り、さらに新製品『BiGMO XCEL』、『TJ-01』及び情報公開製品の販売が好調に推移いたしました。

『サービス』の売上は、主要なサービスが堅調に推移し、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連したMIRAIGATEサービスの加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は457億68百万円前年同期比12.2%減)、セグメント利益112億3百万円同22.2%減)となりました。

 

アミューズメント事業

当連結会計年度におきましては、パチンコ遊技機向けの表示ユニット及び制御ユニットの販売は前年同期を下回りましたが、DAXEL株式会社が開発したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」及び元気株式会社が開発した自社ゲームタイトル「首都高バトル」PlayStation 5版の販売が堅調に推移したことから、当事業の売上は前年同期を上回りました。

この結果、当事業の売上高は64億19百万円前年同期比44.2%増)、セグメント利益11億18百万円同213.9%増)となりました。

 

その他

その他につきましては、売上高は22億8百万円前年同期比128.5%増)、セグメント利益13百万円前年同期はセグメント損失1億48百万円)となりました。

 

(注) セグメント業績の金額には、セグメント間取引が含まれております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
  至 2026年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

アミューズメント事業

2,994,526

121.8

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 情報システム事業において、提出会社は製品の製造はOEM先で行っており、当社内で製造作業は行っておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
  至 2026年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

アミューズメント事業

5,483,555

121.9

972,506

89.0

 

(注) 情報システム事業について、提出会社は見込み生産をしており、工事は製品販売に伴う付帯工事のため受注扱いしておりません。また、提出会社の子会社は金額的重要性がないため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
  至 2026年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

情報システム事業

45,765,398

87.8

アミューズメント事業

6,374,266

144.8

その他

2,197,376

227.7

合計

54,337,041

94.5

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が10%未満のため、主要な販売先については記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、業績が好調に推移したことを主な要因として、棚卸資産が減少しておりますが、営業債権を含む当座資産が増加しております。前期は当期を上回る高い売上高でしたが、現金決済取引の比率が高かったこともあり、期末時点での営業債権残高は抑制されておりました。この結果、前連結会計年度に比べ20億13百万円増加592億79百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、前期と比較すると課税所得が減少したことにより未払法人税等が減少しております。また、製品販売後に発生する品質保証費用の支出に充てるための品質保証引当金の取崩しなどがありました。この結果、前連結会計年度末に比べ23億67百万円減少96億10百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、配当金の支払いなどはありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ43億81百万円増加496億68百万円となりました。自己資本比率は83.8%(前連結会計年度末比4.7ポイント上昇)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億31百万円増加185億91百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、59億46百万円前年同期は76億95百万円の収入)となりました。その主な要因は、支出として売上債権の増加11億10百万円がありましたが、収入として税金等調整前当期純利益90億3百万円、減価償却費16億76百万円、棚卸資産の減少12億61百万円、関係会社株式評価損7億66百万円などがあったことによります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、27億9百万円前年同期は78億74百万円の支出)となりました。その主な要因は、「箱根ガラスの森美術館」における事業承継、顧客向けサービスのクラウド移行等による無形固定資産取得による支出、有価証券の購入などがありましたが、収入として拠出金の返還に伴うその他投資の減少8億57百万円があったことによります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、16億5百万円前年同期は32億95百万円の支出)となりました。その主な内訳は、配当金の支払いとなります。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

当連結会計年度末の流動資産につきましては、合同運用指定金銭信託などの購入により「有価証券」が大きく増加いたしました。また、下期の業績が好調だったことにより「電子記録債権」や「売掛金」が増加し、「商品及び製品」は大きく減少いたしました。この結果、流動資産は前連結会計年度末に比べ29億19百万円増加390億42百万円となりました。

固定資産につきましては、「箱根ガラスの森美術館」周辺の土地、顧客向けサービスのクラウド移行の為に「ソフトウェア」などの取得を行いました。また、関係会社株式の評価損を計上したことにより「関係会社株式」が大きく減少いたしました。これらにより、固定資産は前連結会計年度末に比べ9億6百万円減少202億36百万円となりました。

これらの結果により、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億13百万円増加592億79百万円となりました。

流動負債につきましては、中小受託取引適正化法に基づき、手形による支払が減少したことにより「電子記録債務」が大きく減少いたしました。また、前連結会計年度の業績が好調であったことにより予定納税額が高額になり「未払法人税等」が大きく減少いたしました。この結果、前連結会計年度末に比べ25億50百万円減少84億24百万円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1億82百万円増加11億86百万円となりました。

これらの結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億67百万円減少96億10百万円となりました。

純資産につきましては、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ43億81百万円増加496億68百万円となりました。以上により自己資本比率は83.8%(前連結会計年度末比4.7ポイント上昇)となりました。

 

(b) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

パチンコホール経営企業におきましては、パチンコホール営業店舗数及び遊技機設置台数は引き続き減少傾向にあるものの、その減少率は前年と比較して縮小しております。また、スマート遊技機の設置割合は着実に上昇しており、特にスマートパチンコは前連結会計年度末の14.1%から28.5%へと大きく伸長いたしました。スマートパチスロにつきましても引き続き高い稼動実績を維持しており、スマート遊技機の普及に伴う設備投資需要は堅調に推移しております。

このような市場環境のもと、将来の市場環境の変化に対応するため、グループの事業領域拡大と収益基盤の強化を目的に、事業部毎に以下の取組を行いました。

(1) 情報システム事業

パチンコ業界のDXリーダーを目指し、AIやビッグデータを活用したサービスの拡充を推進いたしました。また、スマート遊技機の普及拡大に対応するため、カードユニット「VEGASIA」の販売拡大に取り組むとともに、新製品「BiGMO XCEL」及び「TJ-01」の市場浸透を図りました。さらに、パチンコホール経営企業の業務効率化やデータ活用を支援するMIRAIGATEサービスの普及拡大を推進いたしました。

(2) アミューズメント事業

DAXEL株式会社が開発したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」を市場投入するとともに、今後の販売機種開発を推進いたしました。また、元気株式会社においては、自社ゲームタイトル「首都高バトル」の販売を通じて収益基盤の強化に取り組みました。

(3)その他

2025年10月より「箱根ガラスの森美術館」事業の運営を承継し、企画展の開催等を通じて施設価値の向上及び集客強化に取り組みました。

サステナビリティへの取組におきましては、地球環境への貢献について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への対応を継続するとともに、スコープ1、2及び3の温室効果ガス排出量の把握・管理を推進いたしました。また、環境関連の戦略や取組などを評価・認定する国際的な非営利団体CDPによる評価において、気候変動分野では引き続きマネジメントレベル「B」スコアを獲得するとともに、水セキュリティ分野では「C」スコアを獲得いたしました。

当社グループが携わるパチンコ業界は、業界固有の法規制等が業績動向や経営戦略に影響を及ぼす可能性があります。一方で、スマート遊技機はユーザーからの支持を背景に設置割合を着実に拡大しており、特にスマートパチンコは当連結会計年度において設置割合が大きく上昇いたしました。また、スマートパチスロは引き続き高い稼動実績を維持しており、今後もスマート遊技機への対応需要及び関連する設備投資需要は堅調に推移するものと認識しております。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ、31億55百万円減少543億37百万円前年同期比5.5%減)となりました。

情報システム事業におきましては、パチンコホール経営企業におけるスマート遊技機導入に伴う設備投資需要は引き続き堅調に推移したものの、前連結会計年度に発生した新紙幣流通に伴うカードユニット改刷対応需要が終了したことから、『パチンコホール向け製品等』の売上は前年同期を下回りました。一方で、カードユニット「VEGASIA」の販売は堅調に推移し、新製品「BiGMO XCEL」、「TJ-01」及び情報公開製品の販売も順調に推移いたしました。また、『サービス』の売上は、主要サービスが堅調に推移するとともに、パチンコホール経営企業のDX化に貢献するMIRAIGATEサービスの加盟店舗数増加により前年同期を上回りました。

アミューズメント事業におきましては、パチンコ遊技機向け表示ユニット及び制御ユニットの販売は前年同期を下回りましたが、DAXEL株式会社が開発したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」及び元気株式会社のゲーム事業における「首都高バトル」PlayStation 5版の販売が堅調に推移したことから、売上は前年同期を上回りました。

 

(営業利益)

売上総利益は、売上高の減少により前連結会計年度に比べ19億93百万円減少247億30百万円前年同期比7.5%減)となりました。

販売費及び一般管理費では、人件費の増加により、前連結会計年度に比べ5億75百万円増加150億56百万円同4.0%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ25億69百万円減少し、96億73百万円同21.0%減)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

営業外収益は前連結会計年度に比べ1億3百万円増加1億88百万円前年同期比122.0%増)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ23億99百万円減少し、98億31百万円前年同期比19.6%減)となりました。

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ19億72百万円減少し、57億54百万円同25.5%減)となりました。

 

(情報システム事業)

当事業におきましては、『サービス』売上につきまして、前連結会計年度に比べ2億32百万円増加の71億36百万円(前年同期比3.5%増)となりました。「サービス」の中でも、パチンコホールの運営支援や分析支援を通じて経営をサポートする「MIRAIGATEサービス」は、継続的に収益が得られるストック型収益モデルであり、商圏分析サービス「Market-SIS」やクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」等のサービス拡充を進めております。また、AIホールコンピュータ「X(カイ)」の普及促進と活用提案を継続し、パチンコホール経営企業の業績向上に貢献する経営支援サービスの価値向上に取り組んでまいります。

 

(アミューズメント事業)

当事業におきましては、スマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」を市場投入するとともに、次期販売機種の開発を推進いたしました。また、元気株式会社においては、自社ゲームタイトル「首都高バトル」の販売を通じて収益基盤の強化に取り組みました。今後もグループ会社間の連携を強化し、スマートパチスロ事業及びゲーム事業の拡大を図ることで、収益力の向上に取り組んでまいります。

 

(c) 経営成績に重要な影響を与える要因について

[第2 事業の状況 3 事業等のリスク]に記載されておりますように、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や一般財団法人保安通信協会による遊技機の型式試験の改正や許認可方針の変更等が行われた場合に、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(d) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、パチンコ業界を支援する情報システム企業として、AIやビッグデータを活用し、業界のDXリーダーとなることを目指しております。

パチンコ業界におきましては、導入から3年余りが経過したスマート遊技機がファンからの支持を得ながら順調に設置台数を伸ばしており、今後も普及が進むとともに、大手企業を中心に設備投資需要が堅調に推移するものと見込んでおります。一方で、店舗数の減少や業界再編の進展に伴い、パチンコホール経営企業においては、DX化による運営効率化や高度なデータ活用の重要性が一層高まっております。

このような環境のもと、当社グループは、全国のパチンコホールに対し、業務の集約・最適化を実現する次世代プラットフォームの構築を進めるとともに、「ClarisLink」、「Market-SIS」等のクラウド型サービスや、「DK-SIS」による遊技機稼動データ分析、「楽らく入替運用オプション」による業務効率化支援など、MIRAIGATEサービスのさらなる拡充に取り組んでおります。

また、情報システム事業においては、主力サービス『DK-SIS』を刷新した『DK-SIS INFINITY』の提供を開始し、クラウド化による利便性向上とデータ活用領域の拡大を通じて、パチンコホール経営企業の意思決定支援を強化してまいります。さらに、円谷フィールズホールディングス株式会社との協業による新サービス『FAN+AD』の展開を通じて、効率的な集客支援と新たな付加価値の創出に取り組んでまいります。

アミューズメント事業におきましては、スマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」を契機として、自社開発によるスマートパチスロ機の市場投入を継続するとともに、知名度及び市場シェアの向上を図ってまいります。また、パチンコソフト受託事業による安定収益の確保に加え、元気株式会社におけるゲーム事業の成長を通じて、収益基盤の強化に取り組んでまいります。

さらに、観光分野においては箱根ガラスの森美術館の運営を通じた集客力向上に取り組むとともに、飲食分野においては株式会社SHUNRIとの連携を通じてグループシナジーの創出及び事業拡大を図り、新たな収益機会の創出に取り組んでまいります。

当社グループを取り巻く事業環境は、半導体需給や原材料価格、地政学的リスク等の影響を受ける可能性がありますが、サプライヤーとの連携強化や生産工程の合理化を推進し、製品の安定供給体制の維持に努めてまいります。

今後も市場環境の変化に対応した製品・サービスの開発及び提供を推進し、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 

(e) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、独自の発想と技術力によって市場創造型の製品を提案し、経営の効率化と高付加価値化を推進することで、収益性と資本効率の向上を図り、競争力の強化と企業価値の増大に努めております。その達成度を測る重要な経営指標として「ROE(自己資本利益率)」を重視しております。当連結会計年度のROEは、12.1%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16億31百万円増加185億91百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

営業活動により得られた資金は59億46百万円となり、前連結会計年度と比べ17億48百万円の減少となりました。主な要因は売上債権の増減であります。当連結会計年度は下期の売上が好調であったことから受取手形及び電子記録債権が増加したことなどにより、30億65百万円減少いたしました。製品販売後に発生する品質保証費用に充てるための品質保証引当金の取崩しなどもあります。また、税金等調整前当期純利益が24億43百万円減少したことも要因の一つとなっております。

投資活動により使用した資金は27億9百万円となり、前連結会計年度に比べ51億64百万円減少いたしました。主な要因は、「箱根ガラスの森美術館」の土地、建物及び美術品などの有形固定資産を取得した前連結会計年度と比べ、当連結会計年度は有形固定資産取得が31億37百万円減少したことによります。また、拠出金の返還に伴う、その他投資の8億57百万円の減少があったことも要因の一つとなっております。

財務活動により使用した資金は16億5百万円となり、前連結会計年度に比べ16億90百万円減少いたしました。主な要因は、前連結会計年度に行った自己株式の取得が当連結会計年度は行われなかったことによります。また、一株当たりの配当金が前連結会計年度に比べ30円減少したことも要因の一つになっております。

 

 

(b) 財政政策

当社グループは運転資金及び設備資金において、営業収益による内部資金及び金融機関からの調達を基本方針としております。子会社の資金需要は当社において調達をいたします。当社は、取引先金融機関と当座借越の枠を設けていただいており、使用用途及び金利情勢等を鑑みて短期借入金及び長期借入金を決定いたします。

中期的な方向性としましては、当社グループは営業活動による収益力の向上により営業キャッシュ・フローを増加させ、健全な財政状態を維持した上で、適宜適切な設備投資を既存事業及び新規事業に積極的に投下することにより、事業の持続的成長に繋がると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

オムロンアミューズメント株式会社OAM特約店基本契約

 

契約会社

相手方の名称

契約内容

契約期間

ダイコク電機株式会社
(当 社)

オムロンアミューズメント株式会社

パチンコ遊技機の構成部品(ソレノイド、センサ等)に関する販売特約店契約

2006年4月1日から

2027年3月31日まで

(期間満了の1カ月前までに両社いずれからも何等の申し入れもない場合は、さらに1年間自動的に延長されるものとし、以後も同様となっております。)

 

(注) 提出日現在において契約期間を延長しております。

 

 

6 【研究開発活動】

(1) 研究開発体制と開発内容

開発スタッフ164名により「情報システム事業」及び「アミューズメント事業」各々の研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1,012百万円であり、セグメントの研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりとなっております。

 

(情報システム事業)

当連結会計年度における情報システム事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ51名、研究開発費は562百万円であります。

① ホールコンピューティングシステムの主な開発活動

・業界最大規模のホール営業データを集約する「DK-SIS」を全面的にリニューアルし、「DK-SIS INFINITY」としてリリースしました。クラウド化により高速なレスポンスと直感的なユーザーインターフェースを実現するとともに、新機種の支持状況を早期かつ的確に把握できる「SISタイムライン」や「SIS新台バリュー」などの新コンテンツを提供し、ホール営業における意思決定の迅速化および精緻化を支援します。

 

② 情報公開製品の主な開発活動

・新たな遊技仕様や多様化するゲーム性への対応強化を目的として、情報公開製品の機能拡充を行いました。具体的には、ボーナストリガー機に対応した突入・継続演出や専用データ表示、通常時に特化した確率補正表示などを実装し、遊技ファンにとって分かりやすく、価値ある情報提供を実現しました。

 

③ プリペイドシステムの主な開発活動

・プリペイド端末「VEGASIA」において、2024年度に制定された「パチンコ・パチスロ店営業における貯玉・再プレーシステムに関するガイドライン」への対応を行いました。具体的には、乗入時の再プレー手数料を登録可能とするとともに、乗入状態における再プレー手数料および貯玉引落数を遊技ファンに正確に表示する機能を実装しました。

 

④コンシューマサービスの主な開発活動

・ホールの集客支援を目的として、「サイトセブンFAN+」をリリースしました。本サービスでは、業界最大級のファン向けデータ閲覧サイト「サイトセブン」が保有するデータを活用し、ファンの嗜好に応じたデータコンテンツをAIにより自動生成します。生成したコンテンツを「サイトセブン」公式LINEを通じて配信することで、来店促進および離反ユーザーの再来店喚起に寄与します。

 

(アミューズメント事業)

当連結会計年度におけるアミューズメント事業の研究開発活動の実績は以下のとおりであり、開発スタッフ113名、研究開発費は450百万円であります。

・パチスロ遊技機の企画開発において、グループ会社と連携しスマートパチスロの開発に取り組みました。

・今後の遊技機市場を見据え、新しいゲーム性の考案に取り組みました。

・ソフト開発における効率化ツールの開発及びバージョンアップを行い、ソフト開発の受託範囲拡大に取り組みました。

・生成AIを活用した開発に関する研究開発を行いました。

・遊技機の魅力を高める有力コンテンツの調査・発掘・獲得を行うとともに、コンテンツの特長を活かした企画考案に取り組みました。

・アミューズメントコンテンツ分野においては、自社タイトルの展開に向けた新規プラットフォーム対応技術の検証を行うとともに、自社AI基盤の高度化およびゲーム内車両の挙動制御プログラムの拡張に関する研究開発を行いました。

 

(2) 知的財産権に関する活動

年々、知的財産権の重要性が高まる中、当社は特に特許権に関しては最重要の経営資源と位置付け、企業利益に貢献する活動を行っております。

その基本方針としましては以下のとおりであります。

 

① 散発的な出願ではなく、戦略的系統的な出願をする。

② 特許報奨制度のインセンティブ付与により出願の質を高める。

③ 社内への知的財産権に関する危機管理の浸透をはかる。

④ 適切な特許権行使をする。