第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、世界経済の拡大や財政・金融政策の効果を背景に企業業績が堅調に推移し、雇用情勢の安定やインバウンド需要の回復等により個人消費の一部にも明るさが見られるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。

当社グループが属するデジタル機器の市場では、格安スマホの需要が急速に拡大したほか、人工知能(AI)を搭載した様々な機器の開発や国内メーカーによる有機ELテレビの発売などの新しい動きが見られました。

こうした中、当社グループでは、4K対応のSTB製品の開発を急ぐとともに、家庭向けIoTサービス「Conteホームサービス」の導入促進、音楽やスポーツのVRライブ配信の実施、通信サービスへの参入など、新しい分野での事業拡大に努めました。

以上の結果、売上高は24億23百万円(前期比27.5%増)、営業利益は19百万円(前期は3億93百万円の営業損失)、経常利益は18百万円(前期は4億53百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は7百万円(前期は4億81百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメント別の業績の概況は次のとおりであります。

 

〔AV関連事業〕 

大手事業者向けワイヤレステレビチューナーは、次機種への移行により売上が減少いたしましたが、引き続きIoT事業と融合した4K映像対応のセットトップボックス(STB)の開発をおこない、量産体制への準備を進めております。次世代 STBとして家庭内の様々なIoT機器をインターネット環境に接続するためのゲートウエイ機能やVR映像を家庭用のテレビでも視聴できるようにする機能、さらにAIを使った視聴番組のお勧め機能等、既存ビジネスと新規ビジネスを融合させた製品の開発を進めております。

また、パソコン向けテレビキャプチャーにつきましては、市場が縮小する中、安定した品質での供給とシェアの確保に努め増収となりました。

リテール向け製品に関しましては、デジタルマーケティングを用いた販売促進の強化や新製品の投入により増収となり、その他製品では、ビデオカメラ向けの画像編集アプリケーションが、ロイヤルティ及び開発案件の減少により減収となりました。

一方、新規事業の柱のひとつであるIoT関連事業では、SIMフリー対応のLTE対応USBドングルの販売が伸張したほか、法人向けサービスへの導入も増加し、収益改善に貢献いたしました。また、「Conteホームサービス」は、離れた場所から家の監視や家族の見守りを手軽に導入できるサービスとして展開し、住宅関連メーカーや民泊事業者などからの受託開発案件が増加いたしました。

さらに、通信事業としてMVNO(仮想移動体通信)事業とFTTH(光回線)事業を開始し、「通信をもっと身近に」をコンセプトに「ピクセラモバイル」と「ピクセラ光」を立ち上げました。MVNO事業につきましては、データ通信のみを対象とし、LTEドングルとのセット販売を月額最安値にてサービスを展開した結果、多くのユーザーから支持を集め、収益改善に寄与いたしました。また、FTTH事業につきましては、光回線の単体販売のみならず、AndroidTVを搭載したセットトップボックスに各種インターネット関連サービスをバンドルした形での月額販売を開始しました。

 

以上の結果、当事業の売上高は24億3百万円(前期比36.4%増)、セグメント利益(営業利益)は5億18百万円(前期はセグメント利益(営業利益)57百万円)となりました。

 

〔光触媒関連事業〕

光触媒関連事業では、ブルネイ政府との省エネ実証実験及び共同研究が終了し、清算を行いました。この結果、売上高は20百万円(前期比85.1%減)、セグメント利益(営業利益)は0百万円(前期比89.4%増)となりました。

 

(注) 各セグメントのセグメント利益(営業利益)は、各セグメントに配分していない全社費用4億99百万円(前期比10.9%増)を配分する前の金額であります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億58百万円増加し、18億43百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、2億55百万円(前期は4億71百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を20百万円計上しましたが、売上債権の増加3億75百万円、前受金の減少17百万円があったことなどの要因によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、59百万円(前期は14百万円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が、58百万円ありましたが、投資有価証券の取得による支出が30百万円、有形固定資産の取得による支出が66百万円、無形固定資産の取得による支出が19百万円などがあったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、17億72百万円(前期は6億26百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出が61百万円、長期借入金の返済による支出が16百万円、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出が40百万円ありましたが、新株予約権の行使による株式の発行による収入18億90百万円があったことによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

AV関連事業

1,547,933

16.5

光触媒関連事業

23,717

△82.6

合計

1,571,651

7.2

 

(注) 1. 上記の金額は製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

AV関連事業

2,371,587

34.0

45,758

△40.8

光触媒関連事業

20,609

△85.1

合計

2,392,196

25.3

45,758

△40.8

 

(注)1 上記の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

2 各セグメント事業の自社ブランド製品のうち、受注予測に基づく見込生産によっているものについては、上記受注実績には含めておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

AV関連事業

2,403,129

36.4

光触媒関連事業

20,609

△85.1

合計

2,423,739

27.5

 

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ソフトバンク㈱

363,942

19.1

604,013

24.9

富士通㈱

273,197

14.4

395,061

16.2

ソフトバンクコマース&サービス㈱

254,847

13.4

322,058

13.2

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 1.経営方針

  (1)会社の経営の基本方針

当社は、画像・音声の圧縮伸長技術、Windows、Macintosh両OSに対応したソフトウェア開発技術、半導体設計開発を含むハードウェア設計技術、Linux、リアルタイムOS、Windows Mobile等を主とした組込機器技術の4つをコアとした技術展開を図っております。

当社は創業以来、これらのキーテクノロジーを自社開発することに拘ってまいりました。それはソフトとハードの技術をシームレスに自在に連携させることから新しいソリューションが生まれると考えるからです。今後もこれまで培ってきた技術・ノウハウを活用し、デジタル社会の中で新しい生活を提案することにより企業価値の向上と社会への貢献を果たしてまいります。

 

  (2)目標とする経営指標

当社は、企業価値の向上と財務基盤の強化を目指すため、売上高及び営業利益の成長を第一の目標として取り組んでおります。

 

  (3)中長期的な会社の経営戦略

デジタル機器市場で特に成長分野として期待されているのはスマートフォン、タブレット端末、クラウドといった情報通信技術を組み合わせた製品であります。当社は各プロジェクトごとにソフトウエアとハードウエアの技術者をクロスオーバーさせ、パソコン周辺機器からデジタルテレビに至る製品を全て自社の技術で開発してまいりました。当社は今後とも、これまで培ってきた技術と人材を有効に活用し、新たな技術や製品を創出していきたいと考えております。

また、製造設備を持たないファブレス経営を維持し、品質、コスト、納期などを勘案しつつ、その時点で適切と判断した場所で生産を行ってまいりたいと考えております。

 

 2.経営環境及び対処すべき課題

足下のデジタル機器の市場は力強さを欠く状況が続いておりますが、一方で、IoTやAI(人工知能)、ビッグデータなどの技術が様々な分野で活用され始め、革新的な機器やサービスが登場しつつあります。このような環境において当社グループが対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 

①収益基盤の再構築

前連結会計年度より今後成長が見込めるIoT、自動翻訳、AR/VRの3つの分野へ集中して投資を行い、開発が完了した一部製品の販路開拓に取り組んでおります。さらに、当連結会計年度より、今後市場が拡大し、創業以来培ってきた当社の技術力が生かせる市場であるAI、4Kテレビ、防災市場をさらに新たなターゲットと定め、積極的に開発投資を行ってまいります。また、MVNO(仮想移動体通信)事業及びFTTH(光回線サービス)事業を開始し、月額収入によるさらなる安定した収益基盤を作ることを目指しております。これらの分野ではすでに多くの事業者が参加し激しい開発競争が始まっており、市場での地位を確保するためには、より一層のスピードと他社との差別化が必要になっております。

当社グループでは、製品開発の加速と新たな顧客に対する営業活動の強化及びマーケティング、プロモーション活動の強化により、収益基盤の再構築を図ってまいります。

 

②コスト削減の継続

従来より役員報酬の減額や人件費の削減を中心とした経費の圧縮を実施しておりますが、加えて、部材調達の効率化や開発工程の見直しによる原価低減も推進し、引き続き損益の改善に努めてまいります。また業務の効率化にも取り組んでまいります。

 

③成長資金の活用と企業価値の向上

当連結会計年度において、新株予約権の行使により19億円を調達し、新規事業への積極投資に充当しております。引き続きこれら資金を積極的に活用し、収益基盤の再構築と財務状況の改善を目指してまいります。

当社グループでは、製品開発の加速と新たな顧客に対する営業活動の強化により、これら事業の早期の収益貢献を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、本有価証券報告書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業活動におけるリスク

①当社グループ製品の需要変動について

当社グループが属するパソコン周辺機器、デジタルAV家電、モバイル機器等のデジタル機器市場は需給変動の高い市場であるため、その増減により当社グループの業績に影響を大きく与える可能性があります。当社グループでは、市場動向を注視しながら開発資源の振り分けを行い、需給の変動に合わせて外部への生産委託を調整することにより、急激な変動への対応と余剰在庫の発生を抑制するよう対策を講じておりますが、事業環境の急激な変化により当社グループ製品の需要が予測を大幅に下回る事態となった場合には、手配した人員、資材、製品等が余剰となり、業績に影響を与える可能性があります。

②OEM(相手先ブランドによる生産)による販売について

当社グループ製品の一部はOEMによる販売を行っております。OEM供給先である顧客企業が、当社グループ製品と同様の機能を持つハードウエア、ソフトウエアを自社開発し、内製化に踏み切った場合、当社グループ製品に対する需要減少により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③OS(オペレーティングシステム;基本ソフトウエア)の開発動向について

当社グループは、様々なOSへの対応を図っておりますが、そのOS市場の大部分を掌握する米国マイクロソフト社、米国アップル社及び米国グーグル社が、OSに当社グループの製品群と同様の機能を標準搭載した場合は市場を失う可能性があり、これらOSの開発動向によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④競合について
 1) 価格競争について

デジタル機器市場は、世界中の大小様々な企業が参入する競争の激しい市場であるため、常に販売価格の低下リスクにさらされております。当社グループは原価低減や高付加価値化を図っておりますが、これらを上回る市場からの価格低下圧力、OEM供給先である顧客企業からのコストダウン要求等により、十分に利益を確保できる価格設定が困難となった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 2) 技術革新について

デジタル機器は、急速な技術革新及び競合先による新製品の投入等により、製品のライフサイクルは非常に短くなっております。また、国際的な大企業から優れた技術を有する中小企業まで様々なタイプの企業と競合しております。当社グループにおいては、積極的な先行投資により新技術の習得に努めておりますが、投資を競合他社と同程度、適時に実施できなかったことにより新技術及び新製品開発への対応が遅れた場合は、当社グループの技術及び製品が陳腐化し、競争力の低下を招く可能性があります。

特にデジタル放送関連の技術につきましては、当社グループは日本の規格に準拠したデジタルテレビ放送受信のための技術、ノウハウ、人材等を蓄積しており、今後も競争の上で優位になると考えております。しかしながら、この分野は高い成長が見込まれると同時に競争の激化も予想され、競合製品に対する当社グループの対応によっては優位性を失い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑤開発投資について

デジタル機器市場において、将来にわたって売上高を維持・拡大していくためには、急速な技術革新への対応及び消費者のニーズに適応した新製品の開発が不可欠であるため、積極的かつ多大な開発投資を必要とします。このため、市場動向の変化や当社グループの技術を代替し得る技術革新が予測を超えて起こった場合は、期待していた製品需要が見込めず製品化できない、売上が予測を大きく乖離する、開発期間が長期化する等の理由により開発費用を十分回収できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、受託開発においては、発注元の仕様変更・開発期間の長期化等により、実際の費用が予算計画を大きく上回ったり、やむを得ない理由等により開発を中止した場合には、開発費用負担が増加し、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥製造について
 1) 原材料等の調達について

当社グループの製造にとって、十分な品質の原材料等を適時に必要量を入手することは不可欠であり、信頼のおける仕入先を選定し、部品の共通化及び取引単位の引き上げ等の対策を講じております。

しかしながら、これらの対策にも関わらず、供給が中断・悪化した場合や需給環境の変化などにより原材料等が高騰した場合は、原材料等により特定の業者しか供給できないものもあり、当社グループの生産や原価に影響を与える可能性があります。

 2) 製造委託について

当社グループは、経営資源を技術開発をはじめとする事業投資に集中させるため、製造業務は生産能力・生産品質を考慮して選定した国内外の製造会社に委託しております。製造委託先との間では、長期納入契約は締結しておりませんが、当社グループ製品は製造委託先の特殊な製造技術に基づくものではなく一般的な製造技術で製造が可能であり、また、製造に必要な技術及びノウハウは全て当社で管理しているため、万が一、製造委託先の倒産等の重大な問題が発生など特定の製造委託先への生産委託が不可能となった場合においても、他の製造会社への移管は可能であると考えております。

しかしながら、代替委託先を受け入れ可能な条件で迅速に手当できない、あるいは移管完了までに長期間を要した場合等には、当社グループの生産に大きな影響を与える可能性があります。

また、海外の製造委託先については、当該国における政治・経済・社会的要因により、当社グループの生産に影響を与える可能性があります。

 3) 為替変動リスクについて

当社グループの製品の一部は、海外の製造委託先より製品を米ドル建てで仕入れ、全量を国内にて販売しております。当社グループでは売上代金の一部をドル建てにするなど、為替レート変動の影響の軽減に努めておりますが、急激な為替変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦特定の取引先への依存について

当社グループの主要な販売先はエレクトロニクスメーカー及び大手量販店であり、これらの特定企業に取引が集中する傾向があります。当社グループでは継続的に新たな販路の開拓を行っておりますが、これら特定の販売先からの受注が減少した場合は、当社の業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの主要な製造委託先についても国内及び海外の特定の企業に集中しており、これら委託先の生産動向、生産体制、あるいはこれらに関する方針の転換等の影響により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

最近3連結会計年度の主な相手先別の実績は、下表のとおりです。

 

主な販売先

相手先

第34期

(自 平成26年10月1日

至 平成27年9月30日)

第35期

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

第36期

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソフトバンク㈱ (注)

791,379

28.0

363,942

19.1

604,013

24.9

富士通㈱

217,554

7.7

273,197

14.4

395,061

16.2

ソフトバンクコマース&サービス㈱

165,943

5.9

254,847

13.4

322,058

13.2

 

(注) ソフトバンクBB株式会社は、平成27年4月1日にソフトバンクモバイル株式会社に吸収合併されております。またソフトバンクモバイル株式会社は、平成27年7月1日にソフトバンク株式会社に商号変更されております。第34期の金額にはソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクモバイル株式会社の金額を含めて記載しております。

 

 

主な仕入先

相手先

第34期

(自 平成26年10月1日

至 平成27年9月30日)

第35期

(自 平成27年10月1日

至 平成28年9月30日)

第36期

(自 平成28年10月1日

至 平成29年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱TKR

662,485

49.3

475,579

50.2

458,681

56.5

富士通エレクトロニクス㈱

189,435

14.1

163,096

17.2

123,454

15.2

 

 

(2) コンプライアンスによるリスク

①知的所有権について

当社グループでは、社内のチェック体制の強化により他社の知的所有権を侵害しないように努めております。自社開発、受託開発を問わず当社グループが開発・販売する製品及びプログラムに関し、万一、他社の所有する知的所有権(発明、考案、意匠、著作物、標章、ノウハウ、技術情報等)の侵害の事実が認定された場合には、当社グループにとって重要な技術を利用できない、当該侵害に対する損害賠償責任、特許使用料の支払等により、当社の開発や業績に大きな影響を与える可能性があります。

また、当社グループが注力するデジタルテレビ放送技術においては、放送規格、画像・音声の符号化/復号化技術規格、著作権保護規格等の業界の標準規格があり、その規格に準拠した場合は特許の使用料を支払っております。

一方、当社グループにおいては、自社技術に係る知的所有権の取得を積極的に推進しておりますが、今後、他社から当該権利を侵害される事態が発生した場合、係争事件への発展も含め当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの知的所有権が第三者により無効とされる、特定の地域では十分な保護が得られない、あるいは知的財産権の対象が模倣される可能性もあり、知的財産権が完全に保護されないことによって当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

②製品の不具合・欠陥の発生について

当社グループは、品質管理基準に基づき、開発段階から出荷に至る全ての段階で製品の品質向上に最善の努力をしております。しかしながら、近年の製品に用いられる技術の高度化、他社製品との組み合わせ、顧客における製品の使用方法の多様化等により、製品の品質・信頼性の問題に起因する事故、市場回収、生産停止等が生じる可能性があります。この場合、生産物賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任や製品の返品や修理など多大な対策費用が発生し、当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。また、当該問題に関する報道により、当社グループの市場評価の低下、社会的信用の失墜、顧客の流出等を惹起し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③情報セキュリティについて

当社グループは、事業の過程で、個人情報や他企業等の機密情報を入手することがあります。これらの情報が誤ってまたは避けられない理由で外部に流出した場合には、被害者に対する賠償責任の発生や、当社グループの市場評価の低下、社会的信用の失墜、顧客の流出等を惹起し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの機密情報が第三者等の行為により不正、過失により流出する危険もあり、その結果、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。

④会計制度・税制等の変更について

当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

⑤その他の法規制等による不利益について

当社グループは、日本及び諸外国の規制に従って事業をおこなっております。法規制に加え、事業をおこなうために必要とされる政府の許認可等の規制があります。当該国のより厳格な法規制の導入、当局の法令解釈が厳しくなった場合、当社グループの事業活動は制限を受け、さらに、これらの法規制等を遵守するための費用が増加する可能性があります。

 

(3) 災害等によるリスク

当社グループの本社及び販売、研究開発等の拠点は日本国内に立地しております。地震、火災、洪水等の災害や戦争、テロ行為、コンピューターウイルスによる攻撃等が起こった、また、それにより情報システム及び通信ネットワークの停止または誤動作などが発生した場合、大きな損害を被り、当社グループの事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

また、損害を被った情報システム及び通信ネットワークの修復のために費用が発生する可能性があります。

 

(4) その他のリスク

①優秀な技術者の確保について

当社グループは、独創性に富み競争力のある新技術の開発を追求しており、そのためには優れた技術者を確保することが重要な要素と考えております。しかしながら、これらの技術者が流出等により十分に確保できなくなった場合には、当社グループの将来的な業績に影響を与える可能性があります。

②特定の人物への依存について

当社の代表取締役社長の藤岡 浩は当社の創業者であります。同氏は創業から現在に至るまで、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその推進において重要な役割を果たしております。よって、同氏に不測の事態が生じた場合は、当社グループの事業の継続に支障を来たす可能性があります。

③将来の見通し等の未達リスク

当社グループが参入するデジタル機器市場は、技術革新・高度化の加速が早く、かつ近年その競争は激化しております。そのため、事業環境の変化や、その他本項に記載される様々な要因等により、公表しておりますすべての目標の達成、あるいは期待される成果の実現に至らない可能性があります。

④長期性資産の減損

当社グループが参入するデジタル機器市場は、需給変動が大きく、技術革新・高度化の加速も早い市場であります。そのため、資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。

⑤関係会社の業績・財政状態

当社は、子会社1社の株式を保有しており、同社は債務超過状態であるため、関係会社の業績・財政状態が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローが3期連続でマイナスとなっており、当連結会計年度においても2億55百万円のマイナスとなっております。このことから、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると判断しております。

しかし、新規事業の早期収益化、コスト削減などの施策を実施してきたことから、当連結会計年度においては19百万円の営業利益を計上いたしました。また当連結会計年度において新株予約権の行使により19億円を調達した結果、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は18億43百万円となっており、財務基盤は一定の安定化が図られました。

これらの結果、当連結会計年度末においては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないため、継続企業の前提に関する注記記載を解消することといたしました。

なお、継続企業の前提に関する重要事象等の改善策につきましては、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(5)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、ハードウェアとソフトウェアの自社開発をベースに、コーデック技術、画像処理技術、ISDB コア技術を活かした、家電向けデジタルホーム AV、パソコン向けテレビキャプチャー、デジタル(ビデオ)カメラ向け映像編集アプリケーション、モバイル(iOS/Android)向けデジタルテレビアプリケーションと光触媒関連製品で事業展開を行っております。

当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動の概要は、以下のとおりであります。

 

(AV関連事業)

IoT事業においては、一般財団法人移動無線センターの次世代自営無線システム「PS-LTE」の実証実験において提供されるLTEネットワークサービスを使い、当社家庭用IoTサービス「Conteホームサービス」の接続検証を行い、様々なネットワーク上でのIoTの可能性を検討しました。

また、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」をベースに開発を行った『テレビ視聴データサービス』をWeb上で公開いたしました。弊社の主力製品であるテレビチューナーから視聴データを取得し、テレビ番組利用率がリアルタイムにわかるサービスで様々な方面で応用が期待されている技術であります。

AR/VR事業においては、野球、サッカーなど主要なスポーツジャンルにおいてライブ配信の実証実験を行ってまいりました。この実証実験を通じVRのライブ配信に関する知見を蓄積したと同時に、一般ユーザーにVR技術のすばらしさを伝えるという取り組みを行ってまいりました。

自動翻訳事業においては、放送電波から映像と同時に送信されている難聴者のための日本語字幕データを、チューナーからインターネット上の翻訳サーバーに取り出し、サーバー上で自然な外国語(英語、中国語、朝鮮語)に翻訳した結果をチューナーに戻し、映像とともにリアルタイムで表示するというシステムを構築することを目的とし、大阪大学と共同研究を行っております。

テレビチューナー関連においては、BS放送と110度CS放送から送出されている「4K試験放送」に対応した受信技術の研究開発を継続的に行い、その結果として4K放送関連業者の技術評価用に製品を販売いたしました。この技術は2018年12月から始まる4K・8K本放送(BS放送と110度CS放送)を見据えた研究開発であります。

なお、平成29年9月期末現在の従業員107名のうち、研究開発スタッフは64名であり、当連結会計年度における研究開発費の総額は1億33百万円となっております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その内容につきましては、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照下さい。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ19億8百万円増加し、31億48百万円となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は29億30百万円で、前連結会計年度末に比べ18億38百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が14億58百万円、受取手形及び売掛金が3億69百万円、電子記録債権が5百万円増加、商品及び製品が31百万円、原材料及び貯蔵品が17百万円減少したことなどによるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は2億1百万円で、前連結会計年度末に比べ74百万円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が1百万円、工具、器具及び備品が36百万円、建設仮勘定が29百万円、ソフトウエアが30百万円増加、投資有価証券が5百万円減少したことなどによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は5億29百万円で、前連結会計年度末に比べ3百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が36百万円、未払費用が22百万円増加、短期借入金が50百万円、役員からの短期借入金が10百万円、1年内返済予定の長期借入金が16百万円、1年内償還予定の新株予約権付社債が40百万円減少したことなどによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は26百万円で、前連結会計年度末に比べ1百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が1百万円減少したことなどによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は25億92百万円で、前連結会計年度末に比べ19億6百万円増加いたしました。これは新株予約権の行使により資本金が9億57百万円、資本剰余金が9億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7百万円増加したことなどによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は18億43百万円で、前連結会計年度末に比べ14億58百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの詳しい状況は、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(4) 経営成績の分析

(売上高及び売上総利益)

売上高は、24億23百万円(前年同期比27.5%増)となりました。

これは主に、大手事業者からの4K放送対応セットトップボックスの開発費やTVキャプチャー製品及びモバイル向けTVチューナーの新製品などの自社ブランド品である既存商品の売上増加によるものです。また、売上総利益率は33.1%で売上総利益は8億4百万円(同81.4%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、7億85百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

主な内訳は、人件費(役員報酬・給料手当)2億69百万円(同4.6%増)、賃借料55百万円(同5.0%増)、業務委託費34百万円(同20.8%増)、研究開発費1億33百万円(同48.1%減)であります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は19百万円(前連結会計年度は3億93百万円の営業損失)となりました。

これは主に、売上高の増加によるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は18百万円(前連結会計年度は4億53百万円の経常損失)となりました。主な営業外収益は、投資有価証券売却益21百万円、違約金収入6百万円、広告料収入5百万円であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は20百万円(前連結会計年度は4億75百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。主な特別利益は、投資有価証券売却益2百万円であります。

法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は7百万円(前連結会計年度は4億81百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等

当社グループは、前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローが3期連続でマイナスとなっており、当連結会計年度においても2億55百万円のマイナスとなっております。このことから、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると判断しております。

しかし、新規事業の早期収益化、コスト削減などの施策を実施してきたことから、当連結会計年度においては19百万円の営業利益を計上いたしました。また当連結会計年度において新株予約権の行使により19億円を調達した結果、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は18億43百万円となっており、財務基盤は一定の安定化が図られました。

これらの結果、当連結会計年度末においては継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないため、継続企業の前提に関する注記記載を解消することといたしました。

当社グループは引き続き、当該事象等を解消するために、以下の事項に取り組んでまいります。

 

①収益基盤の再構築

当社グループでは、前連結会計年度より今後成長が見込めるIoT、自動翻訳、AR/VRの3つの分野へ集中して投資を行い、開発が完了した一部製品の販路開拓に取り組んでおります。さらに、当連結会計年度より、今後市場が拡大し、創業以来培ってきた当社の技術力が生かせる市場であるAI、4Kテレビ、防災市場をさらに新たなターゲットと定め、積極的に開発投資を行っていきます。また、MVNO(仮想移動体通信)事業及びFTTH(光回線サービス)事業を開始し、月額収入によるさらなる安定した収益基盤を作ることを目指しております。これらの分野ではすでに多くの事業者が参加し激しい開発競争が始まっており、市場での地位を確保するためには、より一層のスピードと他社との差別化が必要になっております。

当社グループでは、製品開発の加速と新たな顧客に対する営業活動の強化及びマーケティング、プロモーション活動の強化により、収益基盤の再構築を図ってまいります。

 

②コスト削減の継続 

従来より役員報酬の減額や人件費の削減を中心とした経費の圧縮を実施しておりますが、加えて、部材調達の効率化や開発工程の見直しによる原価低減も推進し、引き続き損益の改善に努めてまいります。また業務の効率化にも取り組んでまいります。

 

③成長資金の活用と企業価値の向上

当連結会計年度において、新株予約権の行使により19億円を調達し、新規事業への積極投資に充当しております。引き続きこれら資金を積極的に活用し、収益基盤の再構築と財務状況の改善を目指してまいります。

当社グループでは、製品開発の加速と新たな顧客に対する営業活動の強化により、これら事業の早期の収益貢献を図ってまいります。