第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当連結会計年度における当社グループの業績については、前連結会計年度と比べ、売上収益は減少したものの、「成長ステージへの加速に向けた事業ポートフォリオの拡充・強化」および「継続的な生産構造の最適化の推進」に取り組んだ結果、安定的な経営基盤の確立に一定の目処を立てました。
 しかしながら、当社グループが変化と競争の厳しい半導体業界を永続的に勝ち抜き、すべてのステークホルダーの要望に応え続けていくためには、継続的な製品ミックスの改善や利益の拡大を伴う成長を継続することが必要と考えております。
 この目的を達成するため、今後も当社グループは、次の課題に継続して取り組みます。

 

(1) 成長ステージへの加速に向けた事業ポートフォリオの拡充・強化
 当社グループでは、成長ステージへ飛躍し、安定的な利益成長を遂げるため、当社グループがグローバルに強みを持ち、競争力を発揮できる自動車向け、産業向けおよびブロードベースド向けという注力分野において、引き続き、オーガニック的なアプローチとインオーガニック的なアプローチの双方を用いて、事業ポートフォリオの拡充・強化を加速します。
 まず、オーガニック的なアプローチによる取り組みとしては、前連結会計年度に完了した旧インターシル社の買収に伴う事業ポートフォリオと技術開発領域の変化に対応しながら、引き続き、一層の事業構造とR&D(研究開発)の最適化に取り組みます。当社グループでは、注力分野において、安定的な利益成長を実現するため、定期的に市場、顧客、競合などの事業環境を注力分野単位で分析・評価するとともに、当社グループの競争優位性と収益性の観点から、事業ポートフォリオの見直しを実施して、事業領域と製品の選択と集中を推進し、選択した事業領域と製品に経営資源を集中的に投入していきます。
  また、インオーガニック的なアプローチによる取り組みとしては、前連結会計年度に買収した旧インターシル社に加え、当連結会計年度においては、米国Integrated Device Technology(以下「IDT社」)を買収し、当社の完全子会社とする契約を同社と締結しました。今後速やかに買収を完了するとともに、補完性の高い製品・技術の獲得によるソリューション提案力の強化、販売ルートの拡大、開発技術・製品の融合、互いの生産モデルを活用したグローバルな生産体制の構築などのシナジー効果を最大限に発現させ、当社グループの事業成長機会の拡大に努めます。

 

(2) 継続的な生産構造の最適化の推進 
 当社グループは、変化と競争の激しいグローバルな半導体市場で生き残りをかけて2013年から2015年までに取り組んできた「変革プラン」を通じて、大幅な生産構造の最適化を実現しましたが、今後も、継続して、より効率的な生産構造に改善することに加え、世界のお客様のニーズにフレキシブルに応える生産体制を構築します。

 具体的には、まず、当社グループでは、新規設備などと比較して生産効率が低い設備や生産プロセスで生産を継続している生産工場が一部存在しているため、今後も、さらなる生産効率の向上と生産コストの低減に向けた生産構造の最適化を不断に推進していく所存であります。
 また、当連結会計年度においても、当社グループの注力製品の適正な生産能力の確保と効率性の改善のため、設備刷新などを中心に設備投資を行いました。今後も、当社グループでは、高い競争力を有する生産プロセスとスマートファクトリー化に対応した設備投資をグループ工場で継続する一方、外部に生産を委託するアウトソースを活用するなど、お客様のニーズにフレキシブルに応えられる生産構造の構築に邁進します。

 

 

2 【事業等のリスク】

  当社グループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります。
 
(1) 市況の変動
 当社グループは、世界各国の景気循環、最終顧客の製品の需要の変化などに起因する、半導体市場の市況変動の影響を受けております。当社グループでは、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行しておりますが、その影響を完全に回避することは困難であるため、市況が下降した局面においては、製品需要の縮小、生産・在庫数量の増加および販売価格の低下を招く可能性があります。その結果、当社グループの売上の減少や、工場稼働率の低下に伴う売上総利益率の悪化につながり、収益が悪化する可能性があります。
 
(2) 為替相場および金利の変動
 当社グループは、世界各地域において様々な通貨を通じて事業活動を行っております。当社グループは為替変動のリスクをヘッジする取組みを行っておりますが、為替相場が大きく変動した場合、外貨建取引の売上高、外貨建の資材コスト、海外工場の生産コストなど当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社の外貨建の資産・負債を日本円に換算表示すること、さらに、海外子会社における外貨表示の財務諸表を日本円に換算表示することによっても、当社グループの資産・負債および収益・費用は変動します。
 また、金利の変動により、当社グループの事業運営に係る経費、資産および負債の価値が影響を受けるため、これにより、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
 
(3) 自然災害など
 地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症をはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの事業活動が悪影響を受ける可能性があります。特に、当社グループは、地震が発生する確率が世界の平均より高いと考えられる地域に重要な施設・設備を保有しており、地震の発生時に、その影響により当社グループの施設・設備が損傷を受け、操業を停止せざるを得ないなど、多くの損害が発生する可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策、緊急対策などを定めたBCP(事業継続計画)などを策定・運用するとともに、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損害を補填できるという保証はありません。
 
(4) 競争
 半導体市場は熾烈な競合状態にあり、当社グループは、製品の性能、構成、価格、品質などの様々な面で、国内外の多くの同業他社との激しい競争にさらされております。とりわけ、近年において、同業他社間による買収、統合、業務提携などが行われており、今後もその可能性がありますが、その結果、当社を取り巻く競争環境はさらに激化する可能性があります。当社グループでは、競争力の維持強化に向けて、先端技術の設計、開発のプラットフォーム化、原価低減の推進、第三者との戦略的提携やさらなる企業買収の可能性の検討などの様々な施策に取り組んでおりますが、これらの施策を適時適切に行えなかった場合、製品のマーケットシェアが低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、熾烈な市場競争により、当社グループ製品の販売価格が急激な下方圧力に晒され、それを価格交渉や原価低減などの様々な収益性改善のための施策では補いきれずに、売上総利益率の悪化に見舞われる可能性があります。さらに、売上総利益率が低い当社グループ製品について、顧客において他の製品への移行が困難または一定の期間を要する場合などには、当社グループは、適時に生産の中止・減少が行えない可能性があり、その結果、当社グループの収益性を低下させる可能性があります。
 
(5) 事業戦略の推進
 当社グループは、急激に変化する経営環境下で、収益基盤を強化するため、中期成長戦略の策定、当社グループ内における組織体制の改編など様々な事業戦略および構造改革を遂行しております。これらの事業戦略および構造改革には一定の費用が伴う一方で、経済・事業環境の変化、将来の不確実な要因、予期できない要因などにより、その遂行が困難になる可能性や当初計画していた効果を得られない可能性がある他、当初の見込みを上回る費用が発生する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 

(6) グローバルな事業展開
   当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますが、潜在的な顧客と現地企業との間の長期に亘る関係などの障壁、投資、輸出入に関する制限、関税、公正な取引などの各種規制、政治的・社会的・経済的リスク、疾病またはウィルスの流行または感染、為替変動、賃金水準の上昇、物流障害などの様々な要因により悪影響を受ける可能性があります。その結果、当社グループは、グローバルな事業展開に関する当初の目的を達成できず、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 
(7) 戦略的提携および企業買収
  当社グループは、事業拡大や競争力の強化などを目的として、重要な技術や製品の研究開発、生産などの分野において、第三者との間で、共同出資関係を含む戦略的提携や企業買収を実施することがあり、例えば、2017年2月には米国の半導体企業である旧インターシル社を買収しており、また、2018年9月には米国の半導体企業であるIDT社との間で、同社を買収し、当社の完全子会社とする内容の合併契約を締結しております。当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討していますが、事業遂行、技術、製品、人事、システム、関連当局の独占禁止法(競争法)への対応などの面で統合に時間と費用を要することに加え、資金調達、技術管理、製品開発などの経営戦略について提携先・買収先と不一致が生じたり、提携先・買収先において財務上その他の事業上の問題が生じた場合などに、提携関係・資本関係を維持できない、または買収時に想定していた投資回収や収益性を実現できなくなる可能性があります。また、提携先・買収先の主要顧客や主要人員を維持・確保できないことなどにより、想定していたシナジーやメリットが実現できない可能性があるなど、提携や買収が当初の期待通りの目的を達成できる保証はありません。
 
(8) 資金調達
  当社グループは、事業資金を金融機関からの借入などにより調達しておりますが、新製品を発売し、事業・投資計画を実行し、製造能力を拡張し、技術もしくはサービスを取得し、または負債を返済するため、将来、追加的に資金を調達しなければならない可能性があります。半導体業界の事業環境の悪化、金融・証券市場の環境の悪化、貸手側の融資方針の変更などにより、当社グループが必要な資金を適時に調達できない、または資金調達コストが増加する可能性があることなどにより、当社グループの資金調達が制約される可能性があります。なお、当社グループが金融機関と締結している借入に係る契約の一部には財務制限条項が定められております。万一、当社グループの財務内容などの悪化により同条項に抵触し、上記借入について期限の利益を喪失する場合、当社グループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
 
(9) 追加ファイナンスについて
 2012年12月10日開催の取締役会決議に基づく第三者割当増資の実行後、当社において更なる成長資金が必要となった場合、旧㈱産業革新機構(2018年9月25日付で㈱産業革新投資機構に商号変更。以下同様)より合計500億円を上限として、追加の出資または融資を行う用意がある旨の申し出を受けておりましたが、旧㈱産業革新機構は、2018年9月21日付で会社分割を実施し、当該会社分割により、当社との契約における旧㈱産業革新機構の契約上の地位を新設分割設立会社である㈱INCJが承継しております。かかる追加の出資または融資の具体的条件および時期は現時点において何ら決定しておらず、かかる追加の出資または融資が確実に実行される保証はありません。当該申し出に基づき、出資が実行された場合には、更なる既存株式の希釈化が生じ、当社株価に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当該申し出に基づき融資が実行された場合には、当社有利子負債が増加し、事業活動などが制約を受ける可能性があります。さらに、今後、金利の変動が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
 
(10) 筆頭株主である㈱INCJとの関係について
 当社は、2013年9月30日に第三者割当増資の方法により、旧㈱産業革新機構等を割当先として普通株式を発行し、旧㈱産業革新機構は、当該株式の引受けにより、当社の議決権総数の過半数を所有する大株主となりました。旧㈱産業革新機構は、2017年6月以降、段階的にその所有株式を売却し、当社の議決権総数の3分の1以上を所有する大株主となりました。旧㈱産業革新機構は、2018年9月21日付で会社分割を実施し、当該会社分割により、旧㈱産業革新機構が所有しておりました当社の株式の全てを新設分割設立会社である㈱INCJが承継しました。そのため、㈱INCJによる当社株主総会における議決権行使などにより、当社グループの事業運営が重大な影響を受ける可能性があります。また、㈱INCJは、投資目的で当社株式を所有しており、将来において当該株式を市場売却した場合には、売却時の市場環境などにより、当社株式の市場価格などに重大な影響を与える可能性があります。
 
(11) 急速な技術革新など
 当社グループが事業を展開している半導体市場は、急速な技術変化と技術標準の進展などを特徴としております。そのため、当社グループがこうした変化について、研究開発などにより適切に対応できなかった場合、当社グループ製品の陳腐化、代替製品の出現などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 

(12) 製品の生産
① 生産工程
 半導体製品は、非常に複雑な生産工程を経て生産されております。当社グループは、歩留り(材料当たりの製品良品率)を改善するため、生産工程の適切な管理および改良に継続して取り組んでおりますが、この生産工程に何らかの問題が発生した場合は、歩留りの悪化による製品出荷の遅延や出荷数量の減少、最悪の場合は出荷停止の結果を招く可能性があります。
 
② 原材料、部品、生産設備などの調達
 半導体製品の生産にあたっては、その生産に必要となる原材料、部品、生産設備などを適時に調達する必要があります。当社グループは、これらの調達に関連する問題の発生を回避するため、複数の供給者との緊密な関係構築に努めておりますが、原材料などの中には特定の供給者からしか入手できないものも含まれているため、需給が逼迫した場合や、供給者において自然災害や事故、経営状況の悪化、事業撤退などの事象が発生した場合、これらを適時に調達できず、また調達できる場合でも調達価格が大幅に上昇する可能性があります。また、調達した原材料や部品に欠陥が存在した場合、当社グループの生産工程に悪影響が生じる可能性や当社グループにおける追加の費用負担が発生する可能性があります。
 
③ 外部への生産委託
 当社グループは、半導体製品の生産の一部を外部のファウンドリ(受託生産専門会社)などに委託しております。これらの外注先の選定にあたっては、技術力や供給能力などについて、あらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる会社を選定しておりますが、外注先の責による納入の遅延や製品の欠陥をはじめとした、生産面でのリスクが生じる可能性を否定できず、外注先の生産能力不足や自然災害による外注先の操業停止などにより、当社グループが十分な製品供給を行えない可能性があります。
 
④ 適切な水準での生産能力の維持
 半導体市場は市況変動の影響を受けやすく、また、将来の製品需要を正確に予測することは困難であるため、必ずしも当社グループの生産能力を製品需要と見合った適切な水準に維持できるとは限りません。また、生産能力増強のための設備投資を行う場合であっても、通常、実際に当社グループの生産能力の増強に寄与するまでには一定期間を要します。
 そのため、特定の製品に関する需要が、ある時点における当社グループの生産能力を大幅に超過し、かかる需要超過の状態が継続した場合であっても、顧客が希望する製品供給を適時適切に行うことができず、当該製品に関する販売機会の喪失、競合他社製品への切り替えによるマーケットシェアの低下、当該顧客との関係悪化などを招く可能性があります。
 他方、特定の製品に関する製品需要の高まりに応じて設備投資を行い、生産能力の増強を図った場合であっても、当該設備投資により実際に生産能力が増強される時点以降において当該製品に関する需要が維持される保証はなく、実際の製品需要が想定を下回った場合などにおいて当該設備投資について見込んだ収益による投資の回収が行えない可能性があります。
 

(13) 品質問題
 当社グループでは、様々な施策を通じて、当社グループ製品の品質向上に取り組んでおりますが、これらの製品に用いられる技術の高度化、顧客における製品の使用方法の多様化、外部調達した原材料や部品における欠陥などにより、出荷時に発見できない欠陥、異常または故障が製品に存在する可能性があり、顧客への出荷後にそれらが発見される場合があります。この場合、製品の返品や交換、損失の補償、製品の採用打ち切りなどの結果につながり、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。こうした事態に備えて、当社グループでは、生産物賠償責任保険(PL保険)、生産物回収費用保険(リコール保険)などの保険に加入しておりますが、それにより損失を全額補填できるという保証はありません。
 

(14) 製品の販売
① 主要顧客への依存
 当社グループは、当社グループ製品の顧客に対する売上高の多くを特定の主要顧客に依存しております。これらの主要顧客が当社グループ製品の採用を中止し、または著しくその発注数量を減らした場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
 
② 顧客固有の仕様に基づいた製品に係る顧客からの計画の変更など
 当社グループは、顧客からその顧客固有の仕様に基づいた製品の開発を受注することがあります。しかし、受注後に、発注元の顧客がその製品を搭載する予定であった最終製品の市場への投入を延期または中止したり、その製品の機能・性能が顧客の要求に満たない場合には、その製品の採用を中止する可能性があります。また、顧客は、その製品を組み込んだ最終製品の売れ行きが芳しくない場合、その製品の発注数量を減少させ、または納入期日を延期することがあります。
 こうした特定顧客向け製品に係る顧客からの製品計画の変更、発注の減少や延期などは、当社グループの売上や収益性を低下させる可能性があります。
 

③ 販売特約店などへの依存
 当社グループは、日本国内およびアジア地域では、多くの当社グループ製品を特定の主要な販売特約店などを通じて販売しております。当社グループがこれらの販売特約店などに対して、競争力ある販売報奨金やマージンを提供できない場合または販売特約店などにとって適切な売上数量を確保できない場合、販売特約店などは当社グループ製品の販売体制縮小などの見直しを行い、その結果、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
 

(15) 人材の確保
 当社グループは、事業を展開していくうえで、経営、技術開発、営業その他において優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、こうした優秀な人材は限られているため、かかる人材を求める競争は熾烈であります。そうした状況下で、当社グループが優秀な人材を確保することができない可能性があります。
 
(16) 退職給付債務
 当社グループが計上している退職給付に係る資産や負債は、割引率や長期期待運用収益率などの数理計算上の前提に基づいて算出されています。金利変動や株式市場の下落などにより、数理計算上の前提と実績に乖離が生じ、退職給付債務が増加もしくは年金資産が減少した場合、退職給付制度における積立不足が増加し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 
(17) 設備投資と固定費比率
 当社グループが営む半導体事業は、多額の設備投資を必要とする事業であり、当社グループは、継続的に設備投資を行っておりますが、かかる設備投資に伴い償却費用を負担する必要があります。また、市場環境の変化に伴い需要が減少し、想定した販売規模を達成できない場合、あるいは供給過剰により製品の単価が下落した場合、こうした設備投資の一部または全部について、回収することができない、あるいは回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があり、その結果、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの費用の大部分は、上記の設備投資に伴う償却費用に加えて、工場の維持等に伴う生産コスト、研究開発費用といった固定費で占められているため、主要顧客からの受注の減少、製品需要の減少等による売上の減少や、工場稼働率の低下等が生じた場合であっても、それらの事象に対応した固定費の削減を行うことが困難であり、その結果、比較的小規模の売上の減少等が当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
 
(18) 固定資産の減損
 当社グループは、工場設備などの有形固定資産に加えて、旧インターシル社の買収に伴う多額ののれんなどの無形固定資産を含む多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産については、減損の兆候がある場合には、固定資産から得られる将来のキャッシュ・フローによる資産の帳簿価額の回収可能性を検討しております。当該資産が十分なキャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損を認識しなければならない可能性があります。また、当社は、これまで日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「日本基準」)を適用しておりましたが、2018年12月期の有価証券報告書よりIFRSを任意適用しております。IFRSにおいては、のれんの償却が行われない一方で、減損の判定方法が異なります。かかる会計基準の変更の結果、日本基準と比較して、のれんの減損を認識しなければならない時期が早まる可能性があり、また、認識すべき減損額が多額になる可能性があります。

 

(19) 情報システム
 当社グループの事業活動において、情報システムの重要性が増大しております。当社グループでは、情報システムの安定的運用に努めておりますが、自然災害、事故、コンピューターウィルス、不正アクセスその他の要因により情報システムに重大な障害が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 
(20) 情報管理
 当社グループは、事業活動の遂行に関連して、多数の秘密情報や個人情報を有しております。これらの情報については、法令や社内規則に基づき管理しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出するおそれがあり、そのような事態が生じた場合、営業秘密の流出による競争力の低下や、顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 法的規制
 当社グループは、事業を展開する国および地域において、事業や投資の認可、独占禁止法(競争法)上の制限、輸出制限、関税、会計基準・税制、環境法令をはじめとする様々な規制の適用を受けております。今後、法的規制の強化などに伴う事業活動の制約、コストの増加などにより、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 当社グループは、法令遵守や財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用していますが、内部統制システムは本質的に内在する固有の限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありません。従って、将来にわたって法令違反等が発生する可能性が皆無ではありません。当社グループが法令等に違反した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分もしくは損害賠償請求の対象となり、または当社グループの社会的評価が悪影響を受け、その結果、当社グループの事業や業績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。
 
(22) 環境問題
 当社グループは、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。当社グループは、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があり、そのような事態が生じた場合、その対応のために多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。
 

(23) 知的財産権
 当社グループは、知的財産権の確保に努めておりますが、その国や地域などによっては知的財産権に対する十分な保護を得られない可能性があります。また、当社グループ製品には第三者からライセンスを受けて開発・製造・販売しているものがありますが、今後、第三者から必要なライセンスを受けられない可能性や、ライセンスを受けられるとしても従前よりも不利な条件でしかライセンスを受けられない可能性があります。さらに、当社グループの製品に係る知的財産権に関して、当社グループまたはその顧客が第三者から特許侵害訴訟等を提起され、その結果によっては、当社グループの当該製品が、一定の国・地域で製造・販売できなくなる可能性や、当社グループが第三者または当社グループの顧客に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
 
(24) 法的手続
 当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、様々な国で訴訟、規制当局の調査その他の法的手続の当事者になる可能性があります。当社グループが現在当事者となり、または今後当事者となる可能性のある法的手続について、その解決には相当の時間、費用などを要する可能性があり、結果を予測することは困難ですが、その結果が、当社グループの事業、業績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判および信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関する民事訴訟

 当社米国子会社は、特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関連して、他社から米国で民事訴訟を提起されております。2008年11月、当社の米国子会社に対して、米国テキサス州東部地区連邦裁判所(以下「第一審裁判所」)において特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に基づく民事訴訟が提起されました。2016年6月、第一審裁判所は、当社米国子会社に対する77.3百万米ドルの賠償命令を含む判決を出しましたが、当社米国子会社は米国連邦巡回控訴裁判所(以下「第二審裁判所」)に控訴しました。2018年7月、第二審裁判所は、第一審裁判所の判決による賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じました。上記第二審裁判所の判決理由を踏まえ、当連結会計年度において、これまで79百万米ドルを計上していた訴訟損失引当金を22百万米ドルに変更しております。訴訟の進展に伴い、当該金額は増減する可能性があります。

 

② 独占禁止法(競争法)違反の可能性に関する民事訴訟

 当社グループは、スマートカードチップに関する独占禁止法(競争法)違反の可能性に関連して、同製品の購入者からカナダおよび英国で民事訴訟を提起されております。カナダにおける民事訴訟は、2013年7月にブリティッシュコロンビア州上位裁判所において提起され、現在も継続中であります。英国における民事訴訟は、2014年12月にイングランド・ウェールズ高等法院において提起され、現在も継続中であります。当該訴訟の状況に基づいて、合理的に見積りが可能な限りにおいて、訴訟損失引当金を計上しております。訴訟の進展に伴い、当該金額は増減する可能性があります。

 

③ 環境汚染問題に関する請求

 当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関連して、他社から損害賠償請求を受けております。2004年6月以降、当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関する汚染浄化費用ならびに当該工場に勤務していた元従業員等が提起した環境汚染問題に関する集団訴訟における賠償責任および訴訟費用について、他社から損害賠償請求権を留保している旨の通知を受けておりました。当社台湾子会社は当該集団訴訟の被告ではありませんが、2017年12月、上記請求について、当該請求者から当社台湾子会社に対して仲裁の申し立てがなされました。その後当該請求者の要求により仲裁手続は停止されております。本件に関して、将来の引当金の計上の要否、その金額、発生時期を合理的に見積もることが困難なため、引当金は計上しておりません。

 

④ その他

 当社は、上記以外にも他社との訴訟や損害賠償請求案件などの支払に備えた偶発損失引当金を計上しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

※当社グループは当連結会計年度(2018年1月1日から2018年12月31日まで)よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

 

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針および、将来に関する仮定および報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記   3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

(2) 財政状態の状況

(単位:億円)

 

前連結会計年度末
(2017年12月31日)

当連結会計年度末
(2018年12月31日)

前連結会計年度末比
増(減)

資  産  合  計

11,360

10,552

△808

資  本  合  計

5,786

6,010

224

自  己  資  本

5,757

5,981

224

  自己資本比率(%)

50.7

56.7

6.0

有 利 子 負 債

2,311

1,950

△361

 D/Eレシオ(倍)

0.40

0.33

△0.07

 

 

 当連結会計年度末の資産合計は10,552億円で、前連結会計年度末と比べ808億円の減少となりました。これは、主に償却などにより、有形固定資産および無形資産が減少したことなどによるものであります。資本合計は6,010億円で、前連結会計年度末と比べ224億円の増加となりました。これは、その他の資本の構成要素が減少した一方で、当連結会計年度において、親会社の所有者に帰属する当期利益を510億円計上したことなどによるものであります。
 
  自己資本は、前連結会計年度末と比べ224億円増加し、自己資本比率は56.7%となりました。また、有利子負債は、前連結会計年度末と比べ361億円の減少となりました。これらの結果、D/Eレシオは0.33倍となりました。

 

 

(3) 経営成績の状況

 

① 連結業績の状況

(単位:億円)

 

前連結会計年度
(2017年1月1日~
2017年12月31日)

当連結会計年度
(2018年1月1日~
2018年12月31日)

前期比増(減)

売上収益

7,793

7,565

△228

△2.9%

(半導体売上収益)

7,665

7,403

△262

△3.4%

(その他売上収益)

127

162

34

26.9%

営業利益

1,019

682

△337

△33.0%

当期利益

1,021

511

△510

△50.0%

米ドル為替レート(円)

112

110

ユーロ為替レート(円)

127

131

 

 

   当連結会計年度における連結業績は以下のとおりであります。

 

(売上収益)

当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度と比べ2.9%減少し7,565億円となりました。これは、主に、世界経済の不透明感の高まりを背景に当社グループが注力する自動車分野や産業分野などでの需要が軟化したことや、前連結会計年度における流通在庫の積み上がりの反動を受けたことなどによるものであります。

 

(半導体売上収益)

当連結会計年度の半導体売上収益は、前連結会計年度と比べ3.4%減少し7,403億円となりました。
 当社グループの主要な事業内容である「自動車向け事業」、「産業向け事業」、「ブロードベースド向け事業」およびこれらに属さない「その他半導体」の各売上収益は、以下のとおりであります。

 

<自動車向け事業>:3,984億円 
 自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」とカーナビゲーションなどの車載情報機器向け半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC(system-on-a-chip)、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。
 当連結会計年度における自動車向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ3.6%減少し3,984億円となりました。「車載制御」および「車載情報」の売上収益が共に減少したことによるものであります。

 

<産業向け事業>:1,872億円 
 産業向け事業には、スマート社会を支える「スマートファクトリー」、「スマートホーム」および「スマートインフラ」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラおよびSoCを中心に提供しています。
 当連結会計年度における産業向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ4.8%減少し1,872億円となりました。「スマートファクトリー」、「スマートホーム」および「スマートインフラ」のいずれについても売上収益が減少したことによるものであります。

 

<ブロードベースド向け事業>:1,513億円
 ブロードベースド向け事業は、分野を問わない幅広い用途を対象としており、当事業において、当社グループは「汎用マイクロコントローラ」および「汎用アナログ半導体」を中心に提供しております。
 当連結会計年度におけるブロードベースド向け事業の売上収益は、前連結会計年度と比べ0.3%減少し1,513億円となりました。「汎用アナログ半導体」の売上収益が増加したものの、「汎用マイクロコントローラ」の売上収益が減少したことによるものであります。

 

<その他半導体>:34億円 
 その他半導体には、主に受託生産やロイヤルティ収入が含まれております。

 

(その他売上収益)

その他売上収益には、当社の設計および生産子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などが含まれております。 

当連結会計年度のその他売上収益は、前連結会計年度と比べ26.9%増加し、162億円となりました。

 

(営業利益) 
 当連結会計年度の営業利益は682億円となり、前連結会計年度と比べ337億円の減少となりました。これは、自動車および産業分野向けの売上収益が減少したことに加え、当社製造委託先との製造委託契約を見直したことによる一時的な支払費用などのその他費用が増加したことなどによるものであります。

 

(当期利益)  
 当連結会計年度の当期利益は511億円となり、前連結会計年度と比べ510億円の減少となりました。これは、営業利益の減少に加え、前連結会計年度で発生した米国子会社同士の合併に伴う繰延税金資産の計上による税金費用の一時的な減少により、前連結会計年度と比べ税金費用が増加したことなどによるものであります。

 

 当社グループは、2016年11月2日に中期成長戦略を公表しております。当社グループでは、注力市場に経営資源を集中投下することで、当社グループが対象とする半導体市場の中期成長戦略策定当時の成長見込みに対して、半導体売上は2倍の成長率を実現し、売上成長、生産効率の最適化、製品ミックスの改善およびインターシルの統合に伴い、売上収益総利益率は50%、売上収益営業利益率は20%以上とすることを目標に掲げております。

 なお、上記中期成長戦略については、IDT社買収完了後に更新・公表予定であります。

 

 

(注)中期成長戦略における業績目標は、Non-GAAPベースの数値であります。Non-GAAP業績値は、財務会計上の数値(GAAP)から非経常項目やその他特定の調整項目を控除もしくは調整したものであります。具体的には、企業買収に伴い、認識した無形固定資産の償却額およびその他のPPA(取得原価の配分)影響額、企業買収関連費用、株式報酬費用や当社グループが控除すべきと判断する一過性の利益や損失などを控除もしくは調整しております。Non-GAAPベースの数値は、当社グループの恒常的な経営成績の理解を促進する有用な情報を提供する指標と判断しております。

 

 

② 生産、受注及び販売の状況

 

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品群であっても、その性能、構造、形式などは必ずしも一様ではないこと、受注生産形態をとらない製品も多いことなどから、品目ごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注および販売の状況については「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における半導体売上収益の主要な事業内容に関連付けて示しております。

なお、主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

㈱リョーサン

106,526

13.7

94,804

12.5

 

(注) 上表金額には消費税等を含んでおりません。

 

 (4) キャッシュ・フローの状況

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度
(2017年1月1日~2017年12月31日)

当連結会計年度
(2018年1月1日~2018年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,736

1,705

投資活動によるキャッシュ・フロー

△4,539

△809

フリー・キャッシュ・フロー

△2,803

896

財務活動によるキャッシュ・フロー

751

△374

現金及び現金同等物の期首残高

3,543

1,395

現金及び現金同等物の期末残高

1,395

1,888

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,705億円の収入となりました。これは主として、営業債務及びその他の債務の支払いや法人所得税等の支払いがあったものの、税引前利益を677億円計上したこと、およびその中に含まれる減価償却費及び償却費などの非資金損益項目を調整したことなどによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは809億円の支出となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出を計上したことなどによるものであります。

 

この結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは896億円の収入となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、374億円の支出となりました。これは主として、主要取引銀行などへ借入契約の返済を行ったことなどによるものであります。

 

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比べ493億円増加し、1,888億円となりました。 

 

(5) 流動性および資金の源泉

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、および健全なバランスシートを維持することを基本方針としております。資金の源泉の安定的な確保のため、当社は、主要取引銀行である㈱三菱東京UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱および三菱UFJ信託銀行㈱へ既存の金銭消費貸借契約に基づく借入金を返済するとともに、新たに長期的な運転資金の確保を目的として2016年9月28日付で主要取引銀行との間で1,500億円のタームローンおよび500億円のコミットメントラインの設定に係る契約を締結し、同年9月30日付で当該タームローンを実行しました。なお、当該コミットメントラインに伴う借入を2017年12月期第1四半期中に実行しております。また、成長戦略の推進に係る資金の確保を目的として、同年10月5日付で主要取引銀行との間で500億円のタームローンに係る契約を締結しました。当該タームローンは2017年12月期第1四半期中に実行しております。
 当連結会計年度末における借入金、およびリース債務を含む有利子負債の残高は1,950億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,888億円となっております。

 

 

(6) オフバランス取引

当社グループは、資産効率を高めるために、特定の売上債権等の流動化を適宜行っております。当連結会計年度末における流動化残高は168億円であります。

また、製造設備の陳腐化による価値下落リスクの回避および収支の平準化を目的としたオペレーティング・リースを行っております。当連結会計年度末における解約不能オペレーティング・リース契約に基づく将来の最低リース料総額は128億円であります。

 

(7) 並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表および要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。

なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して記載しております。

 

① 要約連結貸借対照表

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2017年12月31日)

当連結会計年度
(2018年12月31日)

資産の部

 

 

 流動資産

389,967

396,186

 固定資産

 

 

  有形固定資産

267,341

242,609

  無形固定資産

334,644

288,284

  投資その他の資産

59,522

40,711

  固定資産合計

661,507

571,604

 資産合計

1,051,474

967,790

負債の部

 

 

 流動負債

281,381

231,442

 固定負債

258,195

204,790

 負債合計

539,576

436,232

純資産の部

 

 

 株主資本

485,493

541,985

 その他の包括利益累計額

21,659

△17,983

 新株予約権

2,311

5,165

 非支配株主持分

2,435

2,391

 純資産合計

511,898

531,558

負債純資産合計

1,051,474

967,790

 

 

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

売上高

780,261

757,360

売上原価

427,463

420,743

売上総利益

352,798

336,617

販売費及び一般管理費

274,398

269,833

営業利益

78,400

66,784

営業外収益

2,061

2,634

営業外費用

5,173

4,288

経常利益

75,288

65,130

特別利益

15,369

8,224

特別損失

5,865

17,708

税金等調整前当期純利益

84,792

55,646

法人税等

7,517

986

当期純利益

77,275

54,660

非支配株主に帰属する当期純利益

79

65

親会社株主に帰属する当期純利益

77,196

54,595

 

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当期純利益

77,275

54,660

 その他の包括利益合計

9,899

△39,750

包括利益

87,174

14,910

(内訳)

 

 

 親会社株主に係る包括利益

86,946

14,953

 非支配株主に係る包括利益

228

△43

 

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書

前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の
包括利益累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

408,253

11,909

23

2,208

422,393

当期変動額

77,240

9,750

2,288

227

89,505

当期末残高

485,493

21,659

2,311

2,435

511,898

 

 

当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の
包括利益累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

486,797

21,659

2,311

2,435

513,202

当期変動額

55,188

△39,642

2,854

△44

18,356

当期末残高

541,985

△17,983

5,165

2,391

531,558

 

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

164,222

164,157

投資活動によるキャッシュ・フロー

△432,635

△61,339

財務活動によるキャッシュ・フロー

63,243

△50,633

現金及び現金同等物に係る換算差額

△9,572

△2,910

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△214,742

49,275

現金及び現金同等物の期首残高

354,287

139,545

現金及び現金同等物の期末残高

139,545

188,820

 

 

⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更

前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)

(連結の範囲に関する事項)

合併、譲渡、清算により減少した会社 5社

ルネサスデザイン㈱他4社

買収および設立により増加した会社 25社

主な新規連結子会社は、次のとおりであります。

Intersil Corporation, Intersil International Operations Sdn. Bhd., Intersil Luxembourg S.a.r.l

 

当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

(連結の範囲に関する事項)

合併、譲渡、清算により減少した会社 3社

ルネサスエレクトロニクス・アメリカ社(※)他2社

買収および設立により増加した会社 1社

※2018年1月1日付で、ルネサスエレクトロニクス・アメリカ社は旧Intersil Corporation(以下「旧イ
 ンターシル社」という。)に吸収合併され、消滅しております。また旧インターシル社はルネサスエレク
 トロニクス・アメリカ社に商号変更しております。なお、ルネサスエレクトロニクス・アメリカ社は、特
 定子会社に該当するものであります。

 

(持分法の適用に関する事項)

 2018年8月1日付で、当社が保有する株式会社ルネサスイーストンの株式の一部売却に伴い、同社は当社
   の持分法適用関連会社から除外されております。

 

(表示方法の変更)

(「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」の早期適用に伴う変更)

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日。以下「税効果会計基準一部改正」という。)が当連結会計年度末に係る連結財務諸表から適用できるようになったことに伴い、当連結会計年度から税効果会計基準一部改正を適用し、繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し、繰延税金負債は固定負債の区分に表示する方法に変更しております。

この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「流動資産」の「繰延税金資産」13,365百万円の内、2,167百万円は「投資その他の資産」の「繰延税金資産」に表示しており、また、11,198百万円は「固定負債」の「繰延税金負債」と相殺しております。

 

(8) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)

「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 43.初度適用」をご参照ください。

 

当連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)

(のれんの償却)

 日本基準では20年以内の合理的な償却期間を設定し、定額法により償却を行っておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期減損テストを実施しております。この結果、IFRSでは日本基準に比べ販売費及び一般管理費が20,679百万円減少しております。

(表示組替)

  日本基準において営業外収益、営業外費用、特別利益および特別損失に区分していた項目を、IFRSにおいては金融関連項目(受取利息、受取配当金、支払利息および為替差損益等)を「金融収益」または「金融費用」として、それ以外の項目は、各項目の性質に応じて、「その他の収益」、「その他の費用」、「持分法による投資損益」などに表示しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループの事業遂行上、重要な契約とその内容は、次のとおりであります。

 

  (1) 技術援助契約およびこれに類する契約

契約および相手方の名称

契約締結日

契約の概要

①  Texas Instruments Incorporated

との特許クロスライセンス契約

2011年3月2日

半導体に係る特許権のクロスライセンス(子会社を含む。)

②  ARM Limitedからの技術導入契約

2015年12月22日

半導体の設計に係る技術の導入

 

 

 (2) 借入契約

借入先

契約締結日

契約の概要

① ㈱東京三菱UFJ銀行

  ㈱みずほ銀行

  三井住友信託銀行㈱

  三菱UFJ信託銀行㈱

2016年9月28日

長期的な運転資金の確保を目的とした1,500億円のタームローンおよび極度枠500億円のコミットメントラインの設定

2016年10月5日

成長戦略の推進に係る資金の確保を目的とした500億円のタームローン

② ㈱三菱UFJ銀行

  ㈱みずほ銀行

2018年10月11日

買収に必要な資金の一部の調達を目的とした7,280億円のタームローン

③ ㈱三菱UFJ銀行

  ㈱みずほ銀行

  三井住友信託銀行㈱等

2019年1月15日

買収に必要な資金の一部の調達および中長期的な資金として既存借入金の借り換えを目的とした総額8,970億円のシンジケートローン

 

 (注)借入契約②は、借入契約③の締結に伴い、2019年1月に解約しております。

 

  (3) IDT社との合併契約

 当社は、2018年9月11日付で、米国の半導体企業であるIDT社との間で、当社が別途買収準備のために設立する米国子会社と同社を合併(逆三角合併)する方法により、1株当たり49米ドル(総額約67億米ドル)を対価として同社の全株式を取得し、当社の完全子会社化することを内容とする合併契約を締結しました。

 なお、詳細は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 41. 追加情報」に記載のとおりであります。

 

  (4) 吸収合併契約

 当社は、2018年10月31日付で、当社の100%子会社であったルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱との間で、当社を存続会社とする吸収合併契約を締結しました。その概要は、以下のとおりであります。

① 合併の方式

 当社を存続会社とし、ルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱を消滅会社とする吸収合併方式であります。

 

② 合併実施日(効力発生日)

 2019年1月1日

 

③ 合併に係る割当の内容

 当社は合併の相手となるルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱の発行済株式の全てを保有していることから、合併に際して株式その他の金銭等の交付を行いません。

 

④ 本件合併に伴う新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い

 該当事項はありません。

 

⑤ 引継資産・負債の状況

 当社は、合併実施日において、ルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ㈱の資産、負債およびその他の権利義務の一切を引き継いでおります。

 

⑥ 吸収合併存続会社となる会社の概要

 資本金 10,699百万円(2019年1月1日現在)

 事業内容 各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービス

 

 

5 【研究開発活動】

(1) 研究開発活動の体制および方針

当社グループの研究開発活動は、現在必要な、または近い将来に必要となるであろうデバイス、ソフトウェアおよびシステムなどの開発につき、車載制御、車載情報に関する製品はオートモーティブソリューション事業本部が、スマートファクトリー、スマートホームおよびスマートインフラに関する産業関連製品はインダストリアルソリューション事業本部が、分野を問わない幅広い用途を対象とした製品はブロードベースドソリューション事業本部が担当して取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、新規実装技術、設計手法などの部門横断的な共通技術については、各事業本部と生産本部とが協力しながら担当する体制としております。

また、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。

電子機器や社会インフラの急速なネットワーク化により訪れるスマート社会では、これまでマイコンが主に使われてきた制御機器と、システムLSIが主に使われてきたIT機器が急速に融合しており、マイコンを軸にした新たな制御機器市場の拡大が期待されます。当社グループは、こうした市場変化に対応するため、マイコンとアナログ&パワー半導体などを組み合わせたセットを提供するキットソリューションを強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を通じて、新市場での成長を実現してまいります。

 

(2) 主な研究開発の成果

① 新市場を創出するSOTB™技術とDRP技術で進化するe-AIソリューションによりエンドポイントインテリジェンスを推進し、IoTの普及拡大に貢献 

 昨今、普及が加速するIoT(Internet of Things)機器において、電池の交換や充電といった電力の供給問題を解決することが課題の一つとなっております。これに対し、当社グループは、製品の低消費電力化を進める一方、電池が完全に不要になるエナジーハーベスト(環境発電)専用の組み込みコントローラを開発しました。
 本コントローラは、当社グループ独自のSOTB™(Silicon On Thin Buried Oxide)(注1)プロセス技術を採用し、従来トレードオフの関係にあった、動作している時の電力と動作していない時の電力の両方を極限まで減らすことに成功しました。極めて低電流で動作しつつ動作中の電力も低いため、電源を供給するための電池を全く使用せず、光や振動、水流など、微量の環境発電を使用してIoT機器を動かすことが可能になります。これにより、例えば、フィットネスウエアや靴などから生体情報を取得したり、農場に土壌を監視するセンサを設置したり、構造物の振動センシング(感知)で公共インフラを管理するなど、幅広い応用分野で電池のメンテナンスが不要になるという新たな市場を創出することができます。
 また、近年、IoT機器にもAIを活用する動きが活発となっていますが、その課題として、情報量が多くクラウドへデータを送信することが困難である点や、クラウド上でのAI判定に時間を要するという点が挙げられます。当社グループは、こうした課題を解決するため、IoTのネットワークの末端の装置にAI技術を実装する「e-AI(イーエーアイ)(embedded-Artificial Intelligence)」を注力技術の一つと位置づけ、組み込み機器の進化を実現するe-AIソリューションを提供しております。今般、これまでのデータ量の比較的少ない電流や振動波形を用いたe-AIソリューションに加えて、情報量が多い画像データのAI処理もクラウドに上げずに組み込み機器側でリアルタイムに処理できるマイクロプロセッサ「RZ/A2M」を開発しました。
 本製品は、当社グループ独自のDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)(注2)を搭載しております。本DRPは、半導体のハードウェアでありながら、ソフトウェアで演算回路の構成を瞬時に変更できるため、ハードウェアの高性能性とソフトウェアの柔軟性を兼ね備えております。これにより、指紋や虹彩といった生体認証、ハンディバーコードスキャナでの高速スキャニングなどが可能となり、クラウド上のAIでは実現が困難なリアルタイム性やプライバシー、セキュリティといった課題を解決します。

 当社グループは、こうした革新的技術であるSOTBに加え、DRPによりe-AIソリューションを進化させ、IoTのネットワークの末端の装置(エンドポイント)を賢くする「エンドポイントインテリジェンス」を推進し、IoTの普及拡大に貢献します。

(注)1 SOTB™:ウエハ基板上の薄いシリコン層の下に極めて薄い絶縁層(BOX: Buried Oxide)を形成した当社グループ独自のプロセス技術であります。シリコン層に不純物を混入しないことにより低電圧で安定した動作が可能となるため、電力効率の高い演算性能を発揮でき、また、スタンバイ時はBOX層下のシリコン基板電位を制御することにより、リーク電流を削減し、待機電力を抑えることができます。

  2 DRP:1クロックごとに演算回路の構成を動的に変更することができる当社グループ独自のハードウェアIPであります。

 

 

 

② 28ナノメートルプロセス技術採用の最先端の車載制御向けマイコンや画像認識向けSoCなど、エンドツーエンドソリューションを提供することにより、自動運転の実用化を加速

 近年、自動運転に向けた技術開発が急速に進展する中、自動運転を実現するためには、自動車の「走る・曲がる・止まる」という根幹を担う制御機能に加え、人やモノのセンシング機能や通信機能などが必要となります。当社グループは、ADAS(エーダス)(Advanced Driver Assistance System)や自動運転に向けて、センシング機能から制御機能に至るまで、エンドツーエンドのソリューションを提供していますが、車載制御用マイコンとして世界に先駆けて、28ナノメートル(注1)プロセス技術を採用した「RH850/E2xシリーズ」を発表し、サンプル出荷を開始しました。

 本製品の最大の特長は、40ナノメートルプロセス技術の採用製品と比較し、同一電力で約3倍もの高い演算処理性を備えていることであります。これにより、次世代の低燃費エンジンの開発が可能になるほか、電気自動車(EV : Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV : Plug-in Hybrid Electric Vehicle)に搭載するモータやインバータの高効率化と小型化を実現します。また、当社グループ独自のSG-MONOS(注2)技術を28ナノメートルプロセスにも採用することで、より大容量のメモリを搭載することができるようになりました。これにより、運転中でもOTA(Over The Air)(注3)によるプログラム更新が可能になるとともに、自動運転時代においても、状況に応じて、より安全性の高い制御プログラムを適用することが可能になります。
 一方、自動運転システムの開発にあたっては、車両周辺の環境をリアルタイムに認識する高度なセンシング処理が求められており、その手法としてAIを取り入れたコンピュータビジョン処理が期待されています。
 当社グループは、こうしたAI処理を高速にかつ低消費電力で実現する専用回路を搭載した画像認識(スマートカメラ)向けSoC「R-Car V3H」を開発しました。
 当社グループは、自動車向け事業において、普及価格帯の量産車に搭載できる実用的かつ現実的な半導体ソリューションを提供することを目指しております。そのため、画像信号を高速で処理する性能を満たすだけでなく、直射日光を浴びて高温になりやすい車両筐体に設置できるよう、製品の性能と低消費電力の最適なバランスを追求しております。当社グループは、こうした市場のニーズに対応した専用回路の搭載により、これまでトレードオフの関係にあった高度なコンピュータビジョン処理と低消費電力の両立に成功しました。また、緊急自動ブレーキのような運転支援機能に適した一つ下のクラスの「R-Car V3M」とあわせて、スケーラビリティに長けた製品展開を実現できることから、お客様の車種展開や要望にも柔軟に対応できます。
 当社グループは、こうした先端技術開発と量産車に搭載可能な高品質のソリューション提供を通じて、自動運転の実用化を加速し、より安全なクルマ社会の実現に貢献します。
 

(注)1 ナノメートル:1ナノメートルとは、10億分の1メートルであります。

  2 SG-MONOS:MONOSは、「Metal(メタル)-Oxide(酸化膜)-Nitride(窒化膜)-Oxide(酸化膜)-Silicon(シリコン)」の略称であり、シリコンの上に構築する酸化膜/窒化膜/酸化膜の3層構造に、制御ゲート(メタル)を搭載した記憶用トランジスタ(メモリセル)の構造であります。この構造に、ゲート電極を二つに分けた「スプリットゲート(SG)」構造を採用した技術がSG-MONOS技術で、高信頼性・高速動作・低消費電力を実現する当社グループの独自技術であります。

  3 OTA:ドライバが無線ネットワークを介して、自動車用のOSその他のソフトウェアのアップデートやアップグレードが可能となる仕組みであります。

 

 

(3) 研究開発費

当社グループでは開発費の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は、1,279億円となり、前連結会計年度の1,295億円と比べ17億円減少しました。これは主に、製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。

なお、当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。