【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
ルネサスエレクトロニクス株式会社(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日まで)の要約中間連結財務諸表は、当社およびその子会社(以下「当社グループ」)で構成されております。当社グループは、半導体専業メーカーとして、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービスを行っております。当社グループの主な事業内容は、「7.事業セグメント」に記載しております。
当社グループの2025年6月30日に終了する要約中間連結財務諸表は、2025年8月1日に代表執行役社長兼CEO 柴田英利および執行役員兼CFO 新開崇平によって承認されております。
2.作成の基礎
当社グループは、連結財務諸表規則第1条の2第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第312条の規定を適用しており、当社グループの要約中間連結財務諸表はIAS第34号「期中財務報告」に準拠して作成しております。
要約中間連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されているすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
当社グループの要約中間連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満四捨五入)で表示しております。
3.重要性がある会計方針
当社グループが本要約中間連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税は、年間の見積実効税率に基づいて算定しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、要約中間連結財務諸表の作成において、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。これらの見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
本要約中間連結財務諸表における重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.会計上の見積りの変更
(有形固定資産の耐用年数の変更)
当社グループは、当中間連結会計期間において、一部の機械装置について、製品ライフサイクルの状況変化などを勘案し、より使用実態に即した耐用年数に見直し、将来にわたり変更しております。
これにより、従来の方法と比べ、当中間連結会計期間の営業利益は7,439百万円増加、税引前中間損失は7,439百万円減少しております。
6.連結の範囲および持分法の適用に関する事項
1 連結の範囲に関する事項
(1) 合併による消滅により、3社を連結の範囲から除外しております。
(2) 買収により、新たに1社を連結の範囲に含めております。
(3) 清算による消滅により、1社を連結の範囲から除外しております。
2 持分法の適用に関する事項
持分法の適用の範囲に変更はありません。
7.事業セグメント
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。加えて、当社の設計および生産子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などを「その他」に分類しております。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。報告セグメントに関する情報として、外部顧客への売上収益のほか、セグメント売上総利益、ならびにセグメント損益であるセグメント営業利益を開示しております。
セグメント売上総利益ならびにセグメント営業利益は、経営者が意思決定する際に使用する社内指標であり、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益から、企業結合に関連する無形資産および有形固定資産の償却費、株式報酬費用、その他非経常的な項目を除いたものであります(調整2)。その他非経常的な項目には、企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断した一過性の利益や損失が含まれます。その他非経常的な項目のうち、各報告セグメントが負担すべきと判断したものなどについては、各報告セグメントのセグメント売上総利益およびセグメント営業利益に含めております(調整1)。なお、当社の取締役会はグループ内取引を消去した後の業績を用いて評価していることから、セグメント間の振替高はありません。
当社グループの報告セグメントごとの情報は、次のとおりであります。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
外部顧客への売上収益の地域別内訳は、次のとおりであります。
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
8.企業結合
なお、個別にも全体としても重要性が乏しい企業結合については、記載を省略しております。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(Steradian Semiconductors Private Limited)
条件付対価は、Steradian Semiconductors Private Limited(以下「Steradian社」)の今後の製品開発、量産の進捗に応じて合意されたいくつかの条件(マイルストン)を特定の期限までに充足した場合にそれぞれに対して支払われるものであり、契約上、最大で11百万米ドルを支払う可能性があります。
条件付対価の公正価値は、Steradian社に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは、レベル3になります。レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
単位:百万円)
また、条件付対価に係る公正価値変動額のうち、貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しております。前中間連結会計期間は公正価値の変動などにより、「その他の収益」が606百万円発生しております。
なお、Steradian社は、2024年3月26日付でSteradian Semiconductors Private LimitedからRenesas Design India Private Limitedに商号変更しました。
(Transphorm, Inc.)
当社は、完全子会社を通じて2024年6月20日に米国カリフォルニア州ゴレタに本社を置く半導体会社であるTransphorm, Inc.(以下「Transphorm社」)の株式すべての取得を完了し、Transphorm社を完全子会社化しました。
被取得企業の名称 Transphorm, Inc.
事業の内容 GaN(窒化ガリウム)パワー半導体の開発および販売
2024年6月20日
本件買収により、当社はTransphorm社のGaN技術を獲得し、ワイドバンドギャップのポートフォリオを拡充します。GaNは、より高いスイッチング周波数、より低い電力損失、そしてより小さい形状を実現し、顧客のシステムコストを低減しながら、高効率化、小型化、軽量化できます。そのため、GaNの市場が年率50%以上成長するとの市場予測もあります。当社は、車載用規格に対応したTransphorm社のGaN技術を活かし、急速に拡大する市場機会に対して、EV向けX-in-1パワートレイン用途やコンピューティング、エネルギー、産業、民生向けのパワーソリューションの提供力を強化します。
当社の完全子会社を通じた現金を対価とする株式取得
当該企業結合に係る取得関連費用は309百万円であり、前中間連結会計期間において全額を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(注)1 前中間連結会計期間末において、取得日時点における識別可能資産および負債の特定ならびに公正価値の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していなかったため、前中間連結会計期間末時点における入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っておりました。前連結会計年度末において確定した取得原価の配分額に基づき、発生したのれんの金額を次のとおり修正しております。
取得日(2024年6月20日)における取得資産および引受負債の公正価値
(単位:百万円)
2 取得した債権については、回収不能と見積られる重要なものはありません。
3 Transphorm社の取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力を反映したものであります。なお、税務上損金算入可能と見込まれるのれんの額はありません。
仮にTransphorm社の取得日が前中間連結会計期間の期首に実施された場合にそれが前中間連結会計期間の売上収益と中間利益に与える影響額は重要性が乏しいため、プロフォーマ情報を記載しておりません。
前中間連結会計期間において、取得日から前中間連結会計期間末までのTransphorm社の売上収益および中間損益が連結財務諸表に与える影響額は重要ではありません。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(Panthronics AG)
条件付対価は、Panthronics AG(以下「Panthronics社」)の今後の製品開発、量産の進捗に応じて合意されたいくつかの条件(マイルストン)を特定の期限までに充足した場合にそれぞれに対して支払われるものであり、契約上、最大で61百万米ドルを支払う可能性があります。
条件付対価の公正価値は、Panthronics社に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは、レベル3になります。レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
なお、Panthronics社は、2023年10月12日付でPanthronics AGからRenesas Design Austria GmbHに商号変更しました。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
11.社債及び借入金
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
該当事項はありません。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
当社は、2024年3月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする30,000百万円の短期借入を実行し、2024年6月に全額返済しました。
また、2024年6月25日付でタームローン契約(総借入額:250,000百万円、借入実行日:2024年6月28日、最終返済日:2029年6月29日、借入先:㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱)を締結し、250,000百万円の借入を実行しました。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
当社は、2025年4月に、2024年6月25日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする38,000百万円の短期借入を実行し、2025年6月に28,000百万円を返済しました。
また、当中間連結会計期間において、借入契約に係る財務制限条項の一部に抵触しておりますが、当該抵触を理由とする期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて、取引先金融機関より承諾を得ております。
12.資本金及びその他の資本項目
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
当社は、2024年2月8日付の取締役会決議に基づき、2024年2月29日に自己株式87,839,138株の消却を行いました。また、ストック・オプションの行使、リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)の権利確定に基づく自己株式の処分などを行い、前中間連結会計期間において自己株式は13,521,690株減少しました。これらにより、自己株式は120,620百万円減少しております。
この結果、前中間連結会計期間末において、自己株式は97,071百万円となっております。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
当社は、ストック・オプションの行使、リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)の権利確定に基づく自己株式の処分などを行い、当中間連結会計期間において自己株式は14,418,893株減少しました。これにより、自己株式は17,158百万円減少しております。
この結果、当中間連結会計期間末において、自己株式は74,962百万円となっております。
13.配当金
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
該当事項はありません。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。
14.売上収益
売上収益はすべて外部顧客との契約から生じたものであります。また、外部顧客との契約から認識した売上収益の分解は、「7.事業セグメント (2)報告セグメントに関する情報 (4)地域に関する情報」に記載しております。
15.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりであります。
(注)販売費及び一般管理費に研究開発費が含まれております。なお、研究開発費の主な内訳は、研究開発に係る外注費、従業員給料手当、減価償却費及び償却費、材料費であります。
16.その他の収益
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
(注)1 前中間連結会計期間において計上された補助金収入は、有形固定資産の取得のために受領した政府補助金などであります。
2 詳細は、「8.企業結合」をご参照ください。
17.その他の費用
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
(注)1 主に利用見込みのない処分予定資産の減損損失を認識しております。
2 主な内容は、割増退職金等の人件費関係費用などであります。
18.1株当たり利益
親会社の普通株主に帰属する基本的1株当たり中間利益(△損失)および希薄化後1株当たり中間利益(△損失)は、次のとおりであります。
(注)1 当中間連結会計期間における希薄化後1株当たり中間損失は、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため基本的1株当たり中間損失と同額であります。
2 当中間連結会計期間において、当社が発行する新株予約権および事後交付型株式ユニットは希薄化効果を有していないため、希薄化効果調整後1株当たり中間損失の算定に含めておりません。
3 当中間連結会計期間において、希薄化性潜在的普通株式が21,786千株相当ありますが、希薄化効果を有していないため、希薄化後1株当たり中間損失の計算から除外しております。
19.株式報酬
当社は、2021年4月よりリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を導入しております。当中間連結会計期間において付与したRSUおよびPSUは、次のとおりであります。
(注) 1 権利確定時に、確定したユニット数に対応した当社普通株式(1ユニット当たり1株)を交付します。株式交付時に付与対象者からの払込みはありません。
2 RSUの公正価値は権利確定日ごとに、1,997.6円、1,975.7円、1,954.1円であり、当社株式の市場価値に、過去の配当実績に基づく予想配当などを考慮に入れ算定しております。
(注) 1 権利確定時に、確定したユニット数に対応した当社普通株式(1ユニット当たり1株)を交付します。株式交付時に付与対象者からの払込みはありません。
2 PSUは支給されたユニット数を基礎に、3年間における当社の株主総利回りの伸長率等に応じて定められた一定の係数に従ってユニット数を確定します。
3 RSUの公正価値は権利確定日ごとに、1,360.2円、1,341.9円、1,323.8円であり、当社株式の市場価値に、過去の配当実績に基づく予想配当などを考慮に入れ算定しております。
4 PSUの公正価値は1,323.8円であり、一定期間の当社株価と株価指数の伸長率を比較した結果により、付与数の実現率を公正価値に反映しております。
20.金融商品
金融商品の公正価値の算定方法は、次のとおりであります。
これらは主に短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(b) 営業債務及びその他の債務
短期で満期が到来する営業債務及びその他の債務については、公正価値は帳簿価額と近似しております。短期で満期が到来しない営業債務及びその他の債務の公正価値は、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく方式(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて時価修正を加えて算出する方法)などにより測定しており、レベル3に分類しております。
(d) 貸付金
貸付金の公正価値は、信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル3に分類しております。
(e) 長期借入金
長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
為替予約、通貨オプションおよび通貨スワップについては、取引先の金融機関から提示された価格等に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。また、観察不能なインプットを使用して評価した場合はレベル3に分類しております。
社債の公正価値は、公表されている市場価格を参照して算定しており、レベル2に分類しております。
(h) 条件付対価
企業結合による条件付対価は、適切な評価技法を用いて将来の支払額について、その発生確率を加味した現在価値により算定しており、レベル3に分類しております。
(i) その他の金融資産、その他の金融負債
償却原価で測定する3ヶ月超の定期預金、長期未収入金、敷金または預り保証金は、レベル2に分類しております。なお、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しております。
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の観察可能なインプットを直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の期末に発生したものとして認識しております。
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次のとおりであります。なお、公正価値で測定する金融商品および帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次の表には含めておりません。また、リース負債については、次の表には含めておりません。
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
当中間連結会計期間(2025年6月30日)
(単位:百万円)
② 公正価値で測定する金融商品
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当中間連結会計期間(2025年6月30日)
③ レベル3に分類された金融資産および金融負債の増減は、次のとおりであります。
(注) 1 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、「金融収益」および「金融費用」に含まれております。
2 当中間連結会計期間における金融資産の減少は、主にWolfspeed, Inc.(以下「Wolfspeed」)の米国連邦倒産法適用申請および再建計画を受けた同社向け預託金評価損失234,978百万円の計上に伴う長期貸付金の減少によるものであります。
3 在外営業活動体の換算差額およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関するものなどであり、要約中間連結包括利益計算書上の「在外営業活動体の換算差額」または「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」などに表示しております。
4 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関するものであり、「金融費用」、「その他の費用」および「その他の収益」に含まれております。
5 レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式、貸付金および企業結合による条件付対価により構成されております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認をしております。
非上場株式は、主にファンドへの出資であり、評価技法としては純資産価値により公正価値を算定しております。
貸付金は、契約に基づいて将来的に転換することが見込まれている、転換社債、普通株式および新株予約権の公正価値に基づき算定しております。転換社債および新株予約権はブラック・ショールズ・モデルに基づいて公正価値を算定しており、普通株式は株主価値に基づいて公正価値を算定しております。なお、見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でないインプットの変動により公正価値が増減するなどの影響があります。
条件付対価の公正価値は、開発マイルストンの達成される可能性や貨幣の時間的価値を考慮して公正価値を測定しております。なお、見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でない開発マイルストンの達成される可能性が高くなった場合、公正価値は増加するなどの影響があります。
④ 期首および期末において純損益にまだ認識していない当初認識時の公正価値と取引価格の差額の総額およびこの差額の変動は、次のとおりであります。
(注) 金融商品の取引価格が取引開始時の公正価値と異なり、その公正価値が観察不能なインプットを用いて算定される場合には取引価格と公正価値の差額は繰り延べられ、契約期間にわたって定額法で償却したとき、または、当該金融商品の認識を中止したときに純損益に認識しております。
21.偶発債務
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、様々な国や地域で訴訟、仲裁の申し立て、規制当局の調査その他の法的手続の当事者となることがあります。
当社グループが現在当事者となり、または今後当事者となる可能性のある法的手続について、その解決には相当の時間、費用などを要する可能性があり、結果を予測することは困難ですが、その結果が当社グループの事業、業績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判および信用に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、国際会計基準第37号「引当金、偶発債務及び偶発資産」の第92項に従い、当社グループの立場が不利になる可能性があるため、これらの法的手続に関する詳細な内容は開示しておりません。
当社グループは、合理的に見積りが可能な限りにおいて、他社との訴訟や損害賠償請求案件などの支払に備えた訴訟損失引当金を計上しております。
(特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関する民事訴訟)
当社米国子会社は、2008年11月、米国テキサス州東部地区連邦地方裁判所(以下「第一審裁判所」)において、特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関連して、他社から民事訴訟を提起されました。2016年6月の第一審裁判所判決に対し、米国連邦巡回控訴裁判所(以下「第二審裁判所」)に控訴し、2018年7月、第二審裁判所は、第一審裁判所の判決による賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じました。再審理を経て、2022年3月、第一審裁判所は48.3百万米ドルの賠償を命ずる判決を出しております。その後、2022年8月に、当社米国子会社は第二審裁判所に控訴しておりましたが、2025年4月の第二審裁判所の判決を踏まえ、当事者間での協議により和解し、本件は終結しました。
(環境汚染問題に関する請求)
当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関連して、損害賠償請求を受けております。
2004年6月以降、当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関する汚染浄化費用ならびに当該工場に勤務していた元従業員等が提起した環境汚染問題に関する集団訴訟における賠償責任および訴訟費用について、他社から損害賠償請求権を留保している旨の通知を受けておりました。当社台湾子会社は当該集団訴訟の被告ではありませんが、2017年12月、上記請求について、当該請求者から当社台湾子会社に対して、仲裁の申し立てがなされました。その後当該請求者の要求により仲裁手続は停止されております。
22.追加情報
(Wolfspeedとの再建支援契約締結に伴う損失計上)
当社は、2025年6月23日にWolfspeedおよびWolfspeedの主要債権者との間で、Wolfspeedの財務再建について定めるRestructuring Support Agreement(以下「本再建支援契約」)を締結しました。
本再建支援契約に基づき、当社は、Wolfspeedに対する預託金(以下「本預託金」)について、Wolfspeedの転換社債、普通株式および新株予約権に転換することに合意しました。なお、本再建支援契約の効力発生は、米国連邦倒産法第11章(チャプター11)に基づく手続きにおいて、Wolfspeedが2025年6月30日に米国の裁判所に申請した再建計画に関する裁判所の認可を経て、2025年9月末までを見込んでおります。
また、当社は本再建支援契約に伴い、当中間連結会計期間に本預託金に対し234,978百万円の損失を計上し、この損失は要約中間連結財務諸表の金融費用に含めております。
23.後発事象
該当事項はありません。
(1) 決算日後の状況
特記事項はありません。
(2) 訴訟等
「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記 21.偶発債務」に記載のとおりであります。