文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1.経営方針
(1) 会社の経営の基本方針
人とIoTの主要インターフェースである「ディスプレイ」及び周辺デバイス、そして電子の目「イメージセンサー」を始めとする半導体の自動検査における、トップリーダーを目指し、世界的企業へと成長し、社会に貢献します。
我々は、人と環境にやさしい技術をとおして、社会に貢献し、地球環境の保全を図り、次の世代に住みよい地球と豊かな社会を残すように努めます。
当社は、この経営理念を具体化するために、以下の経営方針のもとに安定かつ効率的な経営を継続していくことにより、収益性を向上し、会社の発展と社会への還元を図り、株主、顧客、従業員の期待に応えることを経営の基本としております。
企業目的: バイタリティ(生命力)、知恵、創造
行動指針: 量より質、プロセス重視、ゼロから考え直して
計画 : コンセプトデザイン重視
課題解決: 全員で寄って集って課題解決、ベストウエイソリューション、PDCAスパイラルアップ
風土 : 分かち合う。Wind(さわやかな風の吹く)Test → Wintest
利益処分: フェア(投資家、従業員、顧客、役員、社内留保)
人事 : 一流のもの、出る杭には油を、加点主義、将来を見据えたマネージメント
(2) 目標とする経営指標
「売上高経常利益率20%以上の確保、配当性向の30%の回復」を目標としております。このため当社は、ディスプレイドライバIC向け検査装置を主軸とし、従来のイメージセンサーとディスプレイ分野向け検査装置並びにその他検査装置の開発販売を継続し、メインマーケットを市場の消えた日本国内から中国、台湾に移し、事業の拡大を図ってまいります。新たな成長の起爆剤として、中国湖北省武漢市に当社100%の量産工場「偉恩測試技術(武漢)有限公司」を2020年1月から稼働を開始したことにより、今後急拡大を続ける中国事業の柱といたします。引続きIoTヘルスケア関連技術、自重補償型マニピュレータの製品化を進め、マーケティングを通して技術革新を推進売上の増大を図ってまいります。また徹底したコスト管理を行うことにより、目標とする利益率の確保に努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社の検査装置の対象のひとつであるイメージセンサーの分野は、スマートフォンをはじめとする情報端末の市場拡大と、今後大きな市場が見込まれている高速通信規格である5G(第5世代移動通信システム)技術の普及拡大及び5Gの通信速度に見合う新規格WiFi6(ワイファイシックス)への移行に伴い、大きな期待が寄せられる低遅延型遠隔監視、制御、そして高速通信が可能となることから高精細大容量画像データ要求のある、8K画像伝送、またLiDAR(自動運転技術)等によって継続的な拡大が見込まれております。また、DXと人の間を繋ぐユーザーインターフェースの代表格であるディスプレイ分野も高精細化し拡大、それらに使われる周辺部品も同様に量の大幅な増大が見込まれております。今後のトレンドとして各製品の高画素化、高速化、高精細化がますます進んできており、それに伴い検査装置に対する技術的ニーズは高度化しております。当社は、2019年11月より経営体制を変革し、これらのニーズに対応すべく大幅な方針転換を行い、子会社の積極的有効活用や製品開発のスピードアップ、代理店との関係強化による営業力、顧客サポートの強化と充実を一層推し進めてまいります。
さらに、ディスプレイの伸長(IHS調べ:年平均成長率CAGR4%)に合わせて需要増が見込まれるディスプレイドライバIC検査装置では、大幅なデータ転送機能の見直しを行い、転送速度を大幅に向上させたWTS-577SRをリリース加えて、TDDI(タッチパネル機能)の検査機能は勿論、MIPIやmini-LVDSなど多様な通信プロトコルに対応、液晶と有機EL両方のドライバーICの検査を可能とし、加えてその周辺分野の一つである汎用型高速多ピン‐ロジックIC検査装置の開発も進めており、コストパフォーマンスの非常に高い、当社独自の製品をマーケットに提供することにより、収益力の高い経営成績の安定した会社を目指す考えです。
2.経営環境
当連結会計年度における世界経済は、2020年1月末から顕在化してきた、新型コロナウイルスの脅威は依然終息が見えないものの、比較的早期に感染の沈静化を進めた中国、比較的影響を早期に抑え込んだ台湾などの半導体市場はスピード感に鈍りはあるものの生産を初めとして立ち上がりつつあります。しかしながらマーケットでは、比較的影響の少ない分野と大きな影響を受けている分野がまだら模様になっており、企業によっては大きく収益を落とし、いまだ癒えることなく引き続き企業業績には予断を許さない状況が続いております。今後引続き雇用・所得環境の悪化が続き、回復には相当の時間が必要との政府見解ですが、2020年第4四半期後半から叫ばれ始めている、半導体の品薄状態が顕在化し各製品メーカーや車メーカ等から悲鳴が上がりつつあります。これは2020年初頭からの新型コロナウイルス禍の影響が見通せず、2020年の前半から中盤まで半導体製造メーカー、製品メーカーが大きく製造を絞ったところ年末に向かうにつれテレワーク、リモート面談等が急速に増加し、コンピュータや通信機器等を中心としたIT関連機器や家電製品に200%を超えるニーズが発生し急激に半導体や製品の在庫を圧迫したことによります。こうした背景から2021年~2022年にかけ半導体関連市場の経済活動は活発化するものとしており、引続きコロナ禍の制約は残りますが景気は回復に向かうと見込んでおります。しかし米国新政権による中国への対応が不透明であり方向によっては、中国経済や海外経済の動向と政策に関する不確実性などを懸念する意見もあり引続き不透明な状況があることも事実です。
当社グループが属する半導体並びにフラットパネルディスプレイ業界におきましては、上述のように2021年の半導体不足による増産機運や、上述した5Gまたそれに伴う新サービスの台頭など高速通信技術が先導役となり情報端末は勿論、テレビなど画面の4K、8K化など高精細化、LCDに続き有機EL、そして車載パネル、家電にもディスプレイパネルが採用されるなど「表示デバイス市場」は、2020年に足踏みが合ったものの2021年はV字回復し年平均成長率(CAGR)4%(IHI及びOMDIA予測)で安定的に成長していくと考えられています。また2021年の一時的な半導体不足の理由だけに留まらない、物のIoT化技術の進展により「半導体市場全般」は引き続き成長していますが、その需給バランスは米中問題が火種にもなり得、依然不安定な要素を含みます。しかしながら、同OMDIA社によると「中国勢の躍進」が著しく、TFT LCD市場における中国勢のシェアは2020年代に7割を超える見込みで、今後、韓国勢は2%までシェアを落とし続けるとのことです。また有機EL (AMOLED)市場でも2020年序盤は韓国67%、中国31%というシェアであるが、これが2021年のうちにそれぞれのシェアが5割前後で拮抗、2021年折り返し時点では逆転するとの見通しを立てています。このような状況から当社がメインマーケットと位置づける中国市場の拡大が更に進むものと考えております。
3.対処すべき課題
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
(1)既存事業の拡充
① 半導体検査装置機能の高速化及び機能性向上
当社グループの主要事業である半導体検査装置事業では、高度化、多様化するお客様の検査ニーズにお応えするため、検査技術の革新を進めるとともに、検査対象の拡充による事業の成長継続と、市場の急速な変化にこたえるために製造能力の強化による更なる成長を目的として、以下の課題に取り組んでまいります。
当社の主たる事業分野である半導体検査装置事業分野は「日進月歩」ならぬ「秒進分歩」と揶揄される程、機能面での変化が速いことで知られる分野であり、「1秒後には新しい技術が、そして1分後には実用化されている」とのたとえ通りその技術レベルが上がるごとにタイムリーな開発が必須となります。特に当社が「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置はスマートフォンに代表される、進化の早い情報端末に多く使われ、かつ5G通信規格の普及とともにより早い技術革新が当該検査装置にも求められております。
また、LCDドライバIC、そしてCCD、CMOSイメージセンサー分野においては高品位、低コスト、高速化に加え、更にユーザーフレンドリーなユーザーインタ―フェース、プログラミング補助機能強化などをそれぞれ推し進め、同分野において、新たな機能開発に向けた検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を継続するとともに、随時開発体制の見直しと強化を行ってまいります。
当社は引き続き、中国と台湾方面をメインマーケットとし、現地ニーズを把握し当社100%出資の中国湖北省武漢市に設立した製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」の能力を最大限に高め、製造から納品までのタイムラグをなくすことで、現地顧客の信頼、ニーズを先取りした経営を行ってまいります。
当社第29期となります2021年からは、偉恩測試技術(武漢)有限公司に現地での製造に加え、営業を本格的にスタートさせ、当社有力代理店蔚華科技股份有限公司と共同で新規顧客へのアプローチ、既存顧客からのリピート受注の促進を図ってまいります。
また、かねてより開発中であった高速データ転送機能他、新機能の開発が終了し既存のWTS-577に改良を加えたWTS-577SRのリリースを2020年10月に完了し出荷を始めました。次に、現在開発中の次世代検査装置において、できるだけ共通の筐体、ソフトウエアやインターフェースを使えるようにすることで開発資源の共通化を実現し、開発スピードのアップだけでなく、テストハウスでは、検査対象デバイス(IC)が変わっても装置内部に用意する機能部品の一部を変更するだけで、多様な半導体検査に応用可能な装置となり、導入コスト、導入リスクを大きく下げる提案が可能となります。当社は、このような新たな発想による新たな検査ニーズに対応する検査技術や手法の開発を新体制の下、進めてまいります。
② 営業力強化・顧客サポートの充実
当社は、中国・台湾のマーケットに参入するため、当社の有力台湾販売店(蔚華科技股份有限公司)の協力の下、当社の100%製造子会社である偉恩測試技術(武漢)有限公司の営業部と当社の開発部が三位一体になったベンチマークや販売戦略プロジェクトを推進し、なお一層販売体制を強化し、拡大が続く中国マーケットに深耕してまいります。加えて、製造工場としてのエンジニアや管理組織の人員の雇用を促進し量産に向けた製造体制の強化を推し進めつつあり、中国国内の顧客から、大きな注目と期待を寄せて頂いております。また、蘇州に蔚華科技股份有限公司と共同でサポートやデモ、ベンチマークを行える拠点を整備、顧客向けベンチマークやリレーションの構築、受注体制の拡充とスピードアップを図り、拠点からの直接サポート、納入ができる体制を整備しております。今後、拠点数を更に増やし、お客様に近い存在をアピールすることが、今後の中国マーケット攻略の要となると考えております。
また、武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制構築に努めてまいります。
さらに武漢精測電子集団(グループ)の兄弟会社の技術や販売網を利用した取り扱い製品の拡充、拠点の整備、営業・サポートのローカライズ等を推し進め、中国、台湾マーケットからの大量受注、受注に見合った量産体制の確立を進めるとともに、当社グループの体制整備に努めてまいります。
③ 大阪事業所の拡充・整備
当社、大阪事業所では、今後新製品、次世代検査装置の開発と試作製造を主体とした技術工場的な役割を担う戦略を取ってまいります。同事業部門は、検査装置事業における開発・設計・製造工程において次世代検査装置に不可欠な設計力の増強を行い、組立て製造能力を備えた機動的な工場としてまいります。そのため、まだ負荷の大きい既存装置のサポートを中期的に順次当社中国の子会社に移転し、一部既存装置の製造能力はリスクヘッジとして残すものの、新型次世代装置の開発設計と製造に注力してまいります。
さらに、大阪事業所の役割としてスピーディーで顧客満足度の高い組織的サービスの提供を模索し、加えて「工場モデル」の開発を通しコスト削減、品質管理及び大量受注の際の迅速な対応並びに納期の短縮と品質のアップと維持など、装置開発に留まらない多肢にわたる「開発」を行ってまいります。
④ ウインテストグループとして
今後もウインテストグループとして、横浜本社、大阪事業所における開発環境整備、人材育成及び増員に努め、組織の強化を行い、総務経理部を含む各部署における業務推進体制を革新するため、ERPやITを駆使した一括管理サーバーを導入する等、より機動的かつ最新の環境で、設計、開発及び経営能力を強化するとともに、トータルコストの削減、納期の短縮と品質の向上を目指し、顧客満足度を上げることで受注増、業績の向上、会社価値の増大を図り、株主様の利益につなげてまいります。
(2)産学連携等による新技術への取り組み
当社は、未来技術の獲得を目的に、産学連携を進め、新技術の獲得によって主事業の拡充に取り組んでおります。2020年1月に顕在化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、各大学機関は2020年12月31日現在も未だに一部を除き開校出来ておらず、学生はリモートでの受講を余儀なくされている状況から、その活動は現状一時中断を余儀なくされておりますが、2021年度第29期予算に引続き組入れており今後共同研究中の研究室の状況を見て、再開の見込みです。
① 検査装置向け工場FA化機器技術「自重補償機構技術」(注)
当該技術については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、2019年8月からの研究成果について、大学並びに研究室の再開を待って、継続の方向です。しかし2019年6月の段階で、重量キャンセル型アームの基本試作3号機まで完成しており、当期は、ずれ込んでおりました特許等の申請についても手続きは終了しております。また今後の進め方に付き大学側と調整中です。当該技術は当社の検査装置をウエーハ搬送装置とのドッキングに使用する「マニピュレータ」で製品化を目指しますが、当面の目標として、検査装置のポゴタワーと呼ばれる約25㎏の着脱補助装置としてその搬送可能重量を50㎏前後で開始します。
② 半導体IoTセンサー
半導体IoTセンサー分野では、茨城大学との部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開
発が完了し、2019年11月にはモニタリングソフトウエア(GUI)とともに、試作機を完成させ現場での設置を視野
に入れた試作機の完成を行いました。2020年より必要不可欠となる現地での実証試験など安全面、環境面での試行錯誤を行い、最終製品化のための開発に取り組むはずでしたが、新型コロナウイルス禍による中断を余儀なくされております。続けて新年度予算にも研究開発継続予算を組み進め、最終製品化に向けてプロジェクトを進める所存であります。
和歌山大学と進めておりました脈波を利用したヘルスケア管理システムは、株式会社TAOS研究所と新たなアライアンスを組むことで、製品化に大きく近づくこととなりました。当期予算に継続的に組み込み、最終製品化に向けて共同開発を進め製品化を目指します。尚、販売に関しましてはTAOS研究所に一任する方向です。開発された研究成果は、今後の検査装置及びIoTセンサービジネスマーケットにおいて新たなシーズ技術の開発に活かしてまいります。
③ 新エネルギー事業の展開
新エネルギー関連事業では、2025年から35年に向け大きな市場となる太陽光発電システムの保守点検・整備・保証管理領域に注力してまいりますが、出張を伴う屋外作業が主となることから前期また当期ともに新型コロナウイルス禍の影響で現場作業などに大きな影響が発生し、業績は今期伸び悩みました。
それらの経験から今後、ITを使った管理システム構築に注力する戦略としてキントーンを使った管理システムの開発継続、ビッグデータを取り扱うサーバを利用したビジネス展開や、他の事業者向けに管理システムの構築に関するアドバイスを有料で提供するなど、新しい取り組みに対して積極的に「21世紀型のO&M」を目指した戦略を採っています。
また2021年度は更に将来を見据えた他社との新たなアライアンスとして、「IT技術で管理する太陽光O&M業界」を積極的に推進する取り組みを念頭に置き、より広範囲且つ緻密な管理体制を築くシステムづくりに邁進し、太陽光発電所オーナーにとり利益の最大化と安心できる管理情報を届けることが出来る取り組みを開始し、実現してまいります。
(注)検査装置向け工場FA化機器技術に使われる「自重補償機構技術」とは
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、かつ、重いカウンターウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りることで、数十キロから数百キロの重量物の移動をアシストしますが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要となるといった課題を有しています。これらの課題克服のため、当社と慶應義塾先端科学技術研究センターは、いかなる動力や重いカウンターウエイト、そして油圧・空圧機器をも使用しない「自重補償機構」の開発を進め、バネの弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を内蔵したロボットアームの継続開発を行っております。今般開発した試作機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償ができる構造となっており、回転軸を除く各軸にて搬送する重量物の自重補償を達成し、自身の腕部分の自重をも含め、より安全な自重補償を成立させています。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場動向の変動
当社グループの主力事業である半導体検査装置事業は、イメージセンサー、ディスプレイ(アレイ)、ディスプレイドライバIC等の半導体検査に特化した事業戦略をとっておりますが、当該事業はデジタル家電や携帯電話、パソコンといった情報端末関連機器で使用される、イメージセンサーやフラットパネルディスプレイを使用する機器等の市場動向に左右されやすい面もあります。
これらの機器市場、及び検査対象となるデバイス市場は、世界的な感染症の発生や、半導体業界における一時的な在庫調整並びに、デジタル家電製品のトレンドに左右されるシリコンサイクルの影響を受けやすい特性を有します。
当社グループは各分野の装置において、独自技術を活かした先端・ハイエンドデバイス検査に重きを置きつつ、ニッチ市場を開拓することにより、これらの影響を受けにくい体制作りを推し進めております。
なお、これらの機器市場、デバイス市場は、IT技術の進化と共に普及が進むモバイル・リビング端末を中心とした基幹産業として、5G(ファイブ・ジー)などの通信の高速化技術の進展に伴い当面は拡大基調を継続すると思われますが、世界的な感染症の発生や、複数の消費国における天変地異、或いは金融関連の予想外の市場収縮時には当社装置の売り上げが減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)競合の状況(当社グループの主要製品である検査装置に関して)
イメージセンサー関連では、強力な国内外競合メーカーが3社程度存在すると考えております。当社グループでは、競合他社と比較して、よりコストパフォーマンスが高い装置の供給に独自のノウハウを保有していると考えておりますが、今後は更なる高コストパフォーマンスと検査の高速化、そして検査データの高速転送技術など、機能強化を行うなど、より一層の差別化を図る必要があり、現在2021年末の完成を目指した次世代検査装置の開発を加速させております。
ディスプレイのアレイ検査分野では、検査ニーズが抜き取り検査に限定されるなど、決して多くないのが実情ではありますが、当社の技術の維持を含め継続的に新技術の開発と継続販売は続けるべきであると認識しております。またそのような環境下、本分野における検査技術の特許維持やノウハウは他社への参入障壁をある程度構築していると当社グループでは判断しております。また、製品の低価格化、小型化、高機能化では他社に先んじた優位性を築いていると考えております。しかしながら、当該市場には同業他社が存在し、また、今後は他の競合企業がより優れた技術を持って当該分野へ参入する可能性もあるものと考えております。この状況を受け、当社グループは市場からの検査ニーズの把握に手を抜くことなく、また新技術の開発は勿論、サービス体制の見直しを通じた、顧客満足度向上への活動を充実させ、今後特に普及が予測される有機EL検査装置、また引き続きプロジェクターなどで多用されるLCOSデバイスや高温ポリシリコン型デバイスの検査技術については顧客とともに新たな検査技術開発を継続します。
ディスプレイドライバIC関連では国内外競合メーカーが3社程度存在すると考えております。当社グループは製品のコストパフォーマンスで優位性を保ちつつ、今後の高度化が見込まれるするデバイス性能に適応してゆくためのデータの高速転送技術や、駆動周波数の高速化、そして高速データ処理技術等、検査機能拡張と検査の高速化オプションを継続開発し市場投入することで、顧客ニーズに応え続けるとともに他社との差別化を図ります。加えて、開発中の次世代検査装置は、筐体及びインターフェース、制御ソフトウエアを当社で今後開発する他の用途の検査装置と共通化することで、開発期間の短縮につながり、開発資源の有効活用の最大化を実現できることとなります。これは当社顧客、特にテストハウスにとって、一度購入した装置に新たに必要となる機能ボードを入れ替えることで、別の検査ニーズに対応する事ができることが可能となることを意味します。従って顧客視点で見れば、導入リスクや検査コストの低減につなげることが出来るため、利益の最大化が可能となり、ひいては当社の売上に繋がり、ベンチマークなどの販売に係るコストを低減できることで、利益の確保そして企業価値の増大に大きく結びつくものと考えております。
今後、検査装置事業は全般に競争が激しくなることが予想されますが、当社グループとしては、台湾並びに中国を当面のメインマーケットと捉え、蔚華科技股份有限公司との関係強化に加え当社の100%子会社偉恩測試技術にベンチマーク向けデモ機を配備し積極的な中国での営業活動を推進し、積極的に新規顧客の開拓を進めるとともに、既存ユーザーに対する製品のカスタマイズ・サポートを行うことで一層緊密な取引関係を構築、マーケットシェアの拡大を目指す方針であります。
しかしながら、競合他社がさらに経営資源を投入した場合、あるいは国内外で新たな企業の参入があった場合には、当社グループの市場競争力及びマーケットシェアに影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新
当社グループは、イメージセンサー、液晶ディスプレイ(アレイ)、LCD/有機ELドライバIC検査装置の販売並びに技術サポートを行っておりますが、これらデバイスの製造過程、あるいは検査手法に将来、予想もされないような劇的な技術革新が生じ、当社グループがこれに対応できない場合、現製品の需要減少などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(4)特定の販売先への依存について
当社グループの売上高のうち、当社の中国台湾への窓口となる販売店である蔚華科技股份有限公司を通した市場への売上の合計が70.9%を占めております。
当社グループは同販売代理店と良好な関係を維持しておりますが、今後も同社との関係強化に努めると同時に、2021年より、当社の中国製造子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」ベンチマーク用デモ機配備など営業機能強化とリスクの分散を考えております。
蔚華科技股扮有限公司と偉恩測試技術(武漢)有限公司を通じた販売店戦略及び代理店戦略を取ってまいりますが、未来において、両社の販売先(チャンネル)に変化があった場合や、また政治的に大きな変化が発生したような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)運転資金負担
当社グループの事業に関しては、検査装置の受注、部材購入から納品、検収までに約半年から約1年の期間がかかる場合があります。また、その売上高は大規模なシステムになると、数千万円から1億円程になり、それらの支払方法の多くは、ファクタリングや手形取引、また国際手形LCなどであります。一方、仕入先及び外注先に対する買掛金の支払いは、検収後約1ヶ月後となっております。
このような事業特性上、当社グループには絶えず運転資金負担が発生し、大量の受注が集中した場合には、相当額の運転資金負担が予測されます。
(6)仕入先、外注先との関係について
当社グループと、仕入先、外注先との関係は良好でありますが、取引先の信用リスクを含む何らかの理由で現仕入先、外注先との関係を維持できなくなった場合は、代替委託先の選定及び技術指導にある程度の時間を要し、出荷スケジュールに遅れが発生する可能性があります。また、業容を拡大していく上で安定的な外注先の確保ができない場合には、当社グループの経営成績に影響が生じる可能性があります。
(7)M&Aに関するリスク
当社グループは、成長戦略のひとつとして、今後、市場拡大が見込まれる汎用ロジック検査分野、メモリーデバイス検査分野、それらに加えて、中長期目標としてパワーデバイス検査装置分野への参入を目的に、当該分野におけるM&Aによる企業価値の向上を計画してしてまいります。
M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の変化や想定外の事態の発生等により、買収事業が当初の目標どおりに推移せず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の概要
当社グループは、前連結会計年度においては、営業損失536百万円を計上、更に昨年12月に設立した中国製造子会社にかかる固定資産を中心とした減損損失80百万円が加わり、親会社株主に帰属する当期純損失619百万円を計上し、営業キャッシュ・フローは、受注に対応するたな卸資産の増加等により1,159百万円のマイナスとなりました。
また、当連結会計年度において、当社グループの半導体検査装置事業については、昨年3月に台湾の販売代理店から大口受注を獲得し、新型コロナウイルス禍の影響も受けましたが順次納品した結果、売上高は増加し719百万円となりました。また新エネルギー関連事業についても、主業務のメンテナンスサービスに加え新規設置工事が加わり、売上高は83百万円となりました。
よって、当社グループの連結ベース売上高は、前年度通期の売上高を超え805百万円となり、労務費、販管費等も増加しましたが15期ぶりに黒字化でき、営業利益37百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益を31百万円計上しております。なお、営業キャッシュ・フローは、売上債権の増加等により384百万円のマイナスとなっております。
以上の通り営業損益が黒字となりましたが、営業キャッシュ・フローのマイナスの解消がなされておらず、継続的な収益性の回復が定着したとは言えないため、継続的な収益性の回復の定着を確認できるまでには至っておりませんので、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
そこで当社グループは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析(7)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策等」に記載のとおり、具体的な対応策を実施し当該状況の解消と改善に向けて努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社の半導体検査装置事業におきましては、数年前より、スマートフォンやタブレットなどの高機能情報端末向け半導体分野への精力的な設備投資が続くアジア圏(台湾及び中国本土)に新たな商機を求め、現地の顧客ニーズに適合したLCDドライバーIC検査装置を開発し、2020年10月にはWTS-577の後継となるWTS-577SRの開発を完了しリリースいたしました。当社の販売店である、蔚華科技股份有限公司との協業強化により、新顧客の開拓に注力しております。
その結果、既存のWTS-577並びに新開発のWTS-577SRそれら検査装置については、検査コスト低減に繋がる検査装置の効率的な機能が評価され、現在新規顧客への導入に向けたベンチマークを伴う交渉を行っている最中であります。
これまでの当社の中国市場攻略の成果として、当社第27期となる2020年3月には、主に中国の新規顧客から大口受注10.5億円の大口受注を受けました。当初、当該受注は第27期中に出荷を終える見込みでしたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大を受け、当該受注分の出荷は第28期にずれ込むことになり、それらの納入は顧客受入れ準備の整った2020年10月から順調に進み、一部を除き大半の出荷を行いました。しかし、当社は2020年10月29日に開催した定時株主総会において会計年度の変更を決議頂きましたことから変則決算となり、8月からの5カ月間で年度末を迎えることとなりました。したがって、第28期に出荷予定でありました台数の一部の売上は決算期の変更を受けて当社第29期に売上となります。当社グループとしては、今後も検査実績を高めて、販売店 蔚華科技股份有限公司、偉恩測試技術(武漢)有限公司とともに更なる追加受注に向け営業活動をしてまいります。
新規事業である新エネルギー関連事業においては、2012年から始まったFIT法(固定買取制度)は、2017年4月からの改正FIT法施行に伴い太陽光発電パネル等の保守管理が義務化となりました。その後2019年からやがて10年を超える物件を中心にFITが終了を迎え2020年末までに、多くの太陽光パネル発電所に転機が訪れています(いわゆる2020年問題)。メンテナンスの義務はそのままに固定買取制度が終了します。これを受けてO&M業界では、より低コスト且つ高次元のメンテナンスニーズが要求されるようになり、また昨今、事故防止面でも高精度、高効率なメンテナンスニーズが更に増しております。今般ITを使った管理システム構築に注力する戦略としてキントーンを使った管理システムの構築、ビッグデータを取り扱うサーバを利用したビジネス展開や、他の事業者向けに管理システムの構築に関するアドバイスを有料で提供するなど、新しい取り組みに対して積極的に「21世紀型のO&M」を目指した戦略を採っています。
また当期から、特に将来を見据えた新たなアライアンスとして、「IT技術で管理する太陽光O&M業界」を積極的
に推進する取り組みを念頭に置き、より広範囲且つ緻密な管理体制を築くシステムづくりに邁進し、太陽光発電所
オーナーにとり利益の最大化と安心できる管理情報を届けることが出来る取り組みを開始し、実現してまいりま
す。今後、同業他社との協業を推し進め、顧客の要望に高いレベルで応え企業価値の増大につなげる経営戦略をとる計画です。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は805百万円、営業利益は37百万円、経常利益は50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は31百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(半導体検査装置事業)
半導体検査装置事業では、2020年3月5日に10.5億円の受注を受けた受注残の納品を進め、売上高は堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は719百万円、セグメント利益は44百万円となりました。
(新エネルギー関連事業)
新エネルギー関連事業においては、主業務のメンテナンス事業、小型新規発電所工事の受注などがありました。
この結果、売上高は83百万円、セグメント損失は3百万円となりました。
なお、当連結会計年度は決算期変更(7月31日から12月31日へ変更)に伴い、5ヶ月の変則決算となっておりま
す。そのため前連結会計年度との比較は記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は925百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は384百万円となりました。これは主に、売上債権の増加額399百万円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は29百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出20百万円等による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は3百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2百万円による資金の減少があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度は決算期変更(7月31日から12月31日へ変更)に伴い、5ヶ月の変則決算となっておりま
す。そのため前連結会計年度との比較は記載しておりません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体検査装置事業(千円) |
403,460 |
- |
|
合計(千円) |
403,460 |
- |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「新エネルギー関連事業」につきましては、提供するサービスの性格上、生産実績になじまないため記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2020年12月31日) |
|||
|
受注高 |
受注残高 |
|||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
半導体検査装置事業 |
248,390 |
- |
550,850 |
- |
|
合計 |
248,390 |
- |
550,850 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.生産実績と同様の理由により「新エネルギー関連事業」の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体検査装置事業(千円) |
719,323 |
- |
|
新エネルギー関連事業(千円) |
83,011 |
- |
|
報告セグメント計(千円) |
802,335 |
- |
|
その他(千円) |
2,711 |
- |
|
合計(千円) |
805,047 |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日本 |
465,393 |
58.6 |
127,862 |
15.9 |
|
台湾 |
171,242 |
21.6 |
573,651 |
71.3 |
|
中国 |
98,888 |
12.4 |
100,144 |
12.4 |
|
インドネシア |
58,443 |
7.4 |
3,389 |
0.4 |
|
合計 |
793,968 |
100.0 |
805,047 |
100.0 |
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年8月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Spirox Corporation |
171,242 |
21.6 |
570,711 |
70.9 |
|
セイコーエプソン株式会社 |
110,431 |
13.9 |
- |
- |
|
Jilin Province New Century OpticElectric Co., Ltd. |
- |
- |
100,144 |
12.4 |
|
武漢精測電子集団股份有限公司 |
98,888 |
12.4 |
- |
- |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主にたな卸資産評価損、貸倒引当金、賞与引当金及び製品保証引当金であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,385百万円となり、前連結会計年度末に比べ3百万円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金が399百万円増加したこと及び現金及び預金が394百万円減少したことによるものです。
固定資産は25百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円の増加となりました。これは主に差入保証金が3百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は231百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円の減少となりました。これは主に前受金が40百万円減少したこと及び買掛金が26百万円減少したことによるものです。
固定負債は47百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円の減少となりました。これは主に長期借入金が2百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,132百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が31百万円増加したことによるものです。
(3)経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策等
当社グループには、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の概要」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこうした状況を解消するため、以下の取組みを実施しております。
まず、半導体検査装置事業では、通信の5G化につれ、ICの機能面に大きな変化が期待されその技術に応じたタイムリーな検査技術の開発が必須となります。特に当社グループが「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置は、テレワークで需要が高まるPCや、タブレットそして、スマートフォン等に多く使用され、また、それら情報端末ではLCDドライバICだけではなく、当社が得意とするCMOSイメージセンサーIC、ロジックICなど周辺半導体デバイスの需要も同時に大きく伸びてまいります。当社では、それらに対応したタイムリーな開発と新たな検査ニーズへの積極的な姿勢が評価され、2020年3月には台湾の販売代理店から大口受注を獲得しました。今後さらに販売代理店との営業とアフターサポート体制の拡充と強化を進め、中国における販売チャンネルを活かすことで、積極的に複数企業からの追加受注に向けて営業活動をしてまいります。
また、2019年12月には巨大なOSATが存在し、大きな検査装置マーケットである中国に当該検査装置の組立工場として子会社「偉恩測試技術(武漢)有限公司」を設立し、コストの削減と顧客対応力の両方を強化、さらに最終組立工程のローカライズについては、中国の国策である「内製化」政策に合致させる戦略を取り、中国国内市場への深耕を図ってまいります。今後、既存装置に係る工場機能は主に中国子会社に移し、大阪事業所は、一部既存装置の製造能力は残すものの新型次世代装置の開発設計と製造に注力してまいります。
また、台湾、中国顧客向けに開発中の汎用ロジックテスターについては、より広範囲のロジックIC検査に対応するためアナログオプションなどの追加機能の開発が完了し、それを強みとして2021年度に受注を見込んでおります。
次に、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として、当社グループがこれまで培ってきた検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術、データ解析技術を応用、且つ大阪事業部の技術陣と協働し、今後の市場拡大が見込まれるメモリーデバイス検査分野、5G通信規格の台頭とともに注目を集めるパワーデバイス検査分野への進出を目指し、M&Aなども視野にシナジーの高い事業会社との資本・業務提携、並びに産学連携を積極的に進め、当該分野への新規参入、対応可能検査範囲の拡充と展開を計画、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。
また学校法人慶応義塾大学 慶應義塾先端科学技術研究センターと進める自重補償機構技術については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う一時中断を経て、再開後に引き続き共同開発で進めてまいります。当該技術は当社の検査装置をウエーハ搬送装置とのドッキングに使用する「マニピュレータ」で製品化を目指しますが、前段階として検査装置のポゴタワーと呼ばれる約25㎏の着脱補助装置としてその搬送可能重量を50㎏前後にして開始します。
IOT分野では茨城大学との部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開発が完了し、2019年11月にはモニタリングソフトウエア(GUI)とともに、試作機を完成させました。2020年は現地での実証試験を計画、最終製品化のための開発に取り組むはずでしたが、新型コロナウイルス禍により中断となりました。2021年度も研究開発予算を組み進めて行く計画です。
また、経費水準は大阪事業所並びに中国製造子会社の開設に伴う運転資金及び研究開発費等により増加しておりますが、製品の製造委託コストや部材調達につきましては、従前と比較しスピーディで顧客満足度の高いサービスの提供ができるとともに、大幅な製造コスト削減及び当社100%子会社製造工場となるウインテスト武漢の稼働が開始できたことにより、現地での製品やサポートの品質向上に加え大量受注への対応体制が整いつつあります。
財務面については、2019年7月31日に武漢精測電子集団股份有限公司と資本提携契約を締結し、同日開催の取締役会において同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行を決議し、2019年9月25日に2,600百万円の資金調達を実施しました。これにより、検査装置事業に必要な中国における工場や拠点設立資金及び開発、運転資金並びに新規事業の展開資金を確保するとともに、併せて財務基盤の強化を図っております。
以上のとおり、当連結会計年度において営業損益が黒字となっていること及び台湾、中国を中心とするビジネス機会や受注の増加が見込まれること並びに今後の運転資金に必要十分な現預金を確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
該当事項はありません。
(1)WTS-311NXの機能拡張
当該検査装置につきまして、既存インストール顧客のニーズを汲みデジタルデバイス対応を実現、機能ボードの開発及び、各種アプリケーションのハード・ソフトウエアの開発を終了しました。その後新規中国方面の顧客ニーズにも対応すべく、高速データ転送規格に対応した拡張機能を開発し、今後更なる高速化と画像処理機能の拡充を行う計画であります。また、WTS-377ローコストイメージセンサー用検査装置につきましては、筐体(母体)を下記する開発中の新筐体に統一し、国内外の有力顧客の要望に基づいた仕様を盛り込み、且つ低消費電力、加えて装置コストを抑えた設計とし、今後更に伸びる同マーケットへ投入するべく開発を継続しております。
(2)WTS-577SR、WTS-577L及びWTS-577typeL、WTS-577type7、WTS-577typeX
WTS-577シリーズLCDドライバー検査装置につきましては、被測定デバイスの高速化、高画素化対応に合わせた最適な検査を行うための各種機能ボードの性能向上と高速シリアル通信機能の充実、また装置運用や新規被測定デバイスへの展開を簡便化するための各種ハードウェア・ソフトウエア開発を完了しWTS-577SRとしてリリースを完了出荷の開始を行い開示いたしました。更に現在開発中の次世代検査装置では、筐体デザインを一新し、中に実装する機能ボードによって、幅広い被検査デバイスに対応できる設計とし、顧客の要望に基づいた仕様を実現、且つ低消費電力、加えて装置コストを抑えた設計とすることで、今後更に伸びる同マーケットは勿論、同検査装置の優れたデジタル検査機能を生かした、メモリーIC検査分野、そして汎用ロジック検査装置分野等に参入して開発しております。
(3)検査装置向け工場FA化機器技術「自重補償機構技術」の開発
当該技術については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、2019年8月からの研究成果について、大学並びに研究室の再開を待って、継続の方向です。2019年6月の段階で、重量キャンセル型アームの基本試作3号機まで完成しており、当期は、ずれ込んでおりました特許等の申請についても手続きは終了しております。しかし製品化を待つ段階ではありますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、共同設計開発さきである大学機関が活動の停止を余儀なくされており、今後の進め方に付き大学側と調整中です。当該技術は当社の検査装置をウエーハ搬送装置とのドッキングに使用する「マニピュレータ」で製品化を目指しますが、当面の目標として、検査装置のポゴタワーと呼ばれる約25㎏の着脱補助装置としてその搬送可能重量を50㎏前後で開始します。なお、2021年度予算に組入れ、引続き新型コロナウイルスの感染拡大状況、政府の緊急事態宣言などの発布状況を注視しながらプロジェクトを進めてまいります。
(4)太陽光パネルの効率向上のための部分影補償機能一体型コンバータの開発
新エネルギー関連事業方面では、茨城大学との部分影補償機能(太陽光パネルの効率向上)一体型コンバータの開発が完了し、2019年11月にはモニタリングソフトウエア(GUI)とともに、試作機を完成させ現場での設置を視野に入れた試作機の完成を行いました。2020年より必要不可欠となる現地での実証試験など安全面、環境面での試行錯誤を行い、最終製品化のための開発に取り組むはずでしたが、新型コロナウイルス禍による中断を引続き余儀なくされております。続けて2021年度予算に研究開発継続予算を組み進めて行く計画です。
(5)研究開発費の総額(セグメント別)
当連結会計年度における研究開発費の総額は