文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは経営理念としてメルコバリューを定めており、それに基づく事業活動を、理念を共有するすべてのステークホルダーのために推進することを基本方針としております。今後もこの基本方針のもと「千年企業(=永続的に生存し成長し続ける企業)」を目指しグループ一丸となって経営努力を続けてまいります。
■メルコバリュー
・千年企業
私たちは、先人の教えを真摯に学び、活用し、常に未来を見据え、メルコバリューを共有する全ての人たちと
ともに、メルコグループの永続的な成長を目指します。
・顧客志向
私たちは、常にお客様の視点に立ち、より良い社会生活の実現に資する商品・サービスを提供し続け、私たちの智恵と努力が社会の発展に寄与することを喜びとします。
・変化即動
私たちは、世の中の変化に目をそむけず、誤りに気付いた時は引き返す勇気を持ち、常に自己研鑽に励み、
自己変革を目指して行動します。
・一致団結
私たちは、フェアーアンドオープンの精神で、高い志と情熱を共有する人たちと共に、いかなる困難をも乗り
越え、一丸となって目標を達成します。
(2)経営戦略等
当社グループは千年企業を目指すにあたり、激しく移り変わる外部環境の変化に即応し、グループ全体の経営資源を有効かつ効果的に配分することで、永続的に成長し続けることを最重要テーマと考えております。
そのため、単一の事業セグメントに依存しすぎることなく、常に新しい事業分野への進出を図るために、グループ内における新事業創出に加えてM&Aや異業種との事業提携を積極的に推進する“森の経営”を実践しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
客観的な経営指標としては、成長への投資と安定した株主還元を両立し、長期的な1株当たり当期純利益の成長を最重要として事業活動を推進しております。具体的には、2017年3月期から2021年3月期までの5期の間、安定配当と自己株式の取得によって総還元性向80%を目標としております。
(4)経営環境と事業上及び財務上の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による国内外の景気や企業活動など先行きが不透明な中、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況が続いております。
このような状況下で、IT関連事業においては、創業者の理念に基づき、2017年3月期に掲げたIoT時代の社会全体での安心ネットワークを提供する中期ビジョン「ゲートウェイ2.0」(ホーム・ネットワーク・イノベーション、パブリック・ゲートウェイ・ソリューション、データ・ストレージ・オプティマイゼーション)を引き続き実現してまいります。食品事業においては、原材料価格・物流コストの高騰や人手不足など解決すべき課題が顕在化しており、開発の基本キーワード「3K」(健康・簡便・個食(小食))による商品作りで、めん市場の新たな可能性を創造しております。また、金融事業においても難しい運用環境が続く中、先端技術を取り入れ、長期的かつ安定的な運用収益を生み、お客様の運用資産の着実な成長に貢献する運用商品を提供するよう取り組んでまいります。さらに、永続的な成長といかなる外部環境の変化にも耐えうる強固な事業ポートフォリオ構築を目指して、以下の事項を当面の経営課題として認識し対応にあたっております。
①創業者である牧誠が築いた事業基盤と経営理念を受け継ぎ、理念に立脚した経営を目指していくこと
②資本政策に基づいた1株当たり当期純利益の長期的な成長と、中期ビジョンに基づいた成長を両立し、実行すること
③中期ビジョンを推進していくための事業開発、製品開発、サプライチェーン構築、販路開拓、サービス提供を推進するための社内人材の育成及び販売改革を行うこと
④経営理念であるメルコバリューのより一層の浸透に努め、グループの一致団結を推進すること
⑤M&Aも視野に入れながらより強靭な経営基盤を築くこと
⑥様々な外的要因や非常時の要請に対応できる働き方の改善、システムの構築を行うこと
当社グループが認識している事業等のリスクのうち、主要なものは以下のとおりであります。これらはすべてのリスクを網羅しているわけではなく、この他にも当社グループの業績に影響を与える予見しがたいリスクが存在する可能性もあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済環境に関するリスク
①経済動向
当社グループの製品・商品・サービスは、その販売を行っている国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があります。販売においては、日本国内にその多くを依存しているため国内経済の動向の影響を受ける可能性があり、個人消費動向や法人市場における投資動向を見据えながら新たな市場開拓を継続的に推し進めております。また、部材等の調達においては、デジタル家電及びパソコン周辺機器は世界共通の部品を多く使うため、世界の経済状況の影響を受ける可能性があり、複数社・複数国からの調達に努めております。
②為替の変動
当社グループでは外貨建部材購買があり財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動の結果、換算差による影響が生じます。為替レートの変動に対応するため、為替予約契約の締結、製品及び部材の在庫調整をしておりますが、急激または大幅な為替相場の変動によって事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)当社グループの事業活動に関するリスク
①IT技術革新
当社グループを取り巻く事業環境は非常に変化が激しく、大きな技術革新はその市場構造を変化させる可能性があります。当社グループは世界中で研究されている様々な要素技術を取込み、エンドユーザーが実際に使用する最終製品を開発しております。幸い当社グループは業界のリーディングカンパニーとして、これまで世界に先駆けて新技術を採用した製品を開発してまいりました。しかし、今後の外部環境の急激な変化により、この主導的立場を失うと、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。このため、開発部門、マーケティング部門等は世界的な技術動向を国内のみならず海外の展示会や販売店での情報収集、部材調達先との情報交換を実施し、顧客ニーズの変化への対応力を高めております。
②IT市場における競争の激化
パソコンは、その互換性を保つため世界標準の規格で作られており、競合となる周辺機器メーカは世界中に存在します。当社グループは技術開発、製品の機能・性能、コスト競争力、デザインその他多くの点で世界的な競争力を保つ必要があります。しかし、世界的な大手企業や小規模でも高度に専門化した企業など様々な企業の参入により当社グループの販売シェアや収益力に影響を与える可能性があります。このため、付加価値ある製品による競合との差別化、部材調達先と協同でコスト低減活動に取り組むことなど安定的かつ効率的な販売活動を推し進めております。
③IT関連製品・サービスの欠陥
当社グループの製品・サービスに欠陥が生じる可能性は否定できません。製品・サービスに欠陥が生じた場合、社会的信用の失墜やブランド価値の低下、また、その対応や補償のための費用負担が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。国際品質マネジメント規格(ISO9001)や技術革新著しいIT関連業界の顧客が求める厳しい基準に従い、多様な製品の品質管理を行っております。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する不具合データを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部品質監査、購入先監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を確保出来るよう、開発上流段階から品質を作り込む品質保証体制の構築を図っております。
④IT関連の部材調達と製品在庫の鮮度管理
製品を製造・販売する上で、複数社、複数国の部材調達先から購入し、適時、適量の確保を前提とした生産体制をとっております。ある程度は部材を確保しリスクヘッジをしているものの、調達先の経営状況や生産状況の悪化などにより安定的な供給が得られない場合、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。また、デジタル家電及びパソコン周辺機器業界では、技術革新が激しく現行の製品に比べて著しくコストパフォーマンスの高い製品が新たに発売されることが頻繁にあります。その際、現行製品の売れ行きを良好にコントロールする目的で価格改定(値下げ)を実施し、取引先の在庫に対して、当該値下げ金額を補填(在庫補償)することがあります。社内の在庫に対しては、鮮度管理を強化するとともに、経験則と実勢価格を基に評価減および廃棄処分を行うことがあります。当社グループは、在庫量の把握コントロールに努め、在庫補償や評価減などロスコストが小さくなるよう努めておりますが、販売価格を大幅かつ広範囲にわたって値下げせざるを得ない場合は、当社グループ業績に影響を与える可能性があります。
⑤食の安全性
お客様の食品安全に対する要求が高まる中、製造工場において、国際的な食品安全マネジメントシステムであるFSSC22000の認証取得や品質会議等による情報共有を図り、安全・安心を追求しております。しかしながら、当社の想定を超える品質に関わる問題が発生した場合、多額のコスト負担及び評価低下に伴う売上高の減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥食品原材料・資材価格の変動
食品事業において、小麦などの農産物及び食品包装用フィルム・梱包ダンボールが主要原材料・資材であり、その価格は市場の状況により変動します。この市況変動が大きい場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦金融市場動向
当社グループは、金融事業を営むグループ会社を有していることから、予期せぬ金融市場の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。先端技術を取り入れ、長期的かつ安定的な運用収益を生み、お客様の運用資産の着実な成長に貢献する運用商品の提供に取り組んでおります。
⑧固定資産の減損会計について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。今後の経営環境の著しい悪化等により固定資産の収益性が悪化した場合には、当社グループの業績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
①法的手続き
当社グループは、特許権その他の知的財産権侵害訴訟その他の主張に基づく訴訟または法的手続きを申し立てられることがあります。訴訟または法的手続きの申し立ての主張が正当であるか否かにかかわらず、防御のために莫大な費用及び経営資源が必要となる可能性があります。
また、第三者による特許権その他の知的財産権侵害の申し立てが認められ、当該技術または代替技術のライセンスが取得できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
事業収益に貢献する戦略的知財活動として当社製品の機能、デザイン等に関する特許、ライセンス及び他の知的財産権の管理及び取得による強化と活用に努めております。さらに、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、内部統制委員会においてリスクマネジメント活動の強化として、各種法令への順守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。
②環境に関する規制
当社グループは、様々な顧客から環境に配慮した製品やサービスの要求を受け、また、環境関連法令の適用を受けております。今後、環境に対するニーズや規制がより厳しくなり、これらに対応するための費用や補償が多額に発生すると、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。商品の開発、生産、サービスの各活動において、ISO14001に沿った環境マネジメントシステムの構築及び運用、省資源、リサイクルの推進、省エネルギーの推進、商品アセスメントの実施による商品の環境負荷低減を実施、また、定期的に見直しを行い、継続的な改善及び汚染の予防に努めております。
③情報の流出
当社グループは、業務上多数の個人情報や機密情報を有しており、これらの情報の管理に万全を期しております。しかし、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出する可能性も否定できず、このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜やブランド価値の低下、また、その対応のための多額の費用負担が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは情報セキュリティーポリシーを策定しISMS基準を定め、管理体制の構築、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。
④災害などによる影響
当社グループの主な事業所や工場並びに協力工場の多くは日本国内にあるほか、販売や製造、部品調達の拠点やその調達先などが北米、欧州、アジアなどに展開しています。地震をはじめとする自然災害、新型コロナウイルスなど感染症の発生、テロ行為あるいはコンピュータウイルスによる攻撃などによって当社グループ及び当社グループの業務に関連する企業の拠点が被害を被り、生産や出荷の遅延・停止の可能性があります。また、それらの拠点の修復や代替のために多額の費用が発生する可能性があります。不慮の自然災害や感染症発生等で必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を事業継続計画(BCP)を策定して進めております。
⑤天候による影響
食品事業の商品には主力商品である「流水麺」など天候の影響を受けるものがあります。天候に左右されない年間を通してお客様に付加価値を提供できる商品開発に取り組んでまいりますが、天候不順により季節商品の売上が大幅に減少した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。天候に左右されない商品を年間を通してお客様に提供できるよう付加価値商品、業務用商品の開発に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響など先行き不透明な状況が続く中、雇用情勢は改善が続き個人消費は緩やかな回復基調にありました。欧米経済も同様な状況の中、個人消費は堅調に推移しました。しかしながら、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の拡大が世界経済に与える影響により、更に不透明な状況が続いております。
当社グループに関係するデジタル家電業界は、パソコン市場において基本ソフトのサポート保守終了需要により法人向け市場・個人向け市場ともに好調に推移しました。薄型テレビ市場は低価格化を背景に4K及び有機ELテレビへの買い替えと消費税増税前の駆け込み需要の効果で好調に推移し、増税後も反動は少なく安定しました。スマートフォン・タブレット市場は今まで一巡感が見えていましたが、タブレット市場は好調に転じました。しかしながら周辺機器市場においては競争の激化により低価格化が進みました。一方、生めん業界では、家庭用チルドめん市場は天候不順や食の外部化の進行などによる影響があるものの、商品の価格改定の影響や新型コロナウイルス感染症拡大防止による家庭内食機会の拡大などもあり微増しました。業務用冷凍めん市場については人手不足を背景にしたオペレーション簡素化の需要がある中、消費増税に加えて働き方改革による外食の営業時間短縮などが影響を及ぼし前年並みに推移しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ98億5百万円減少し、788億70百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億98百万円減少し、306億9百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ65億7百万円減少し、482億60百万円となりました。
b.経営成績
当社グループは、外的環境の変化に耐えうる強固な事業ポートフォリオの構築を目指し経営を推し進めました。IT関連事業においては、競争の激化する周辺機器市場に対応するため高付加価値商品の販売強化、サービス分野の売上拡大に努めながら、積極的に主力商品の販売活動に注力しました。一方、食品事業においては、健康・簡便・個食志向に対応した商品の販売強化を図り、「流水麺」「健美麺」や業務用冷凍麺の売上拡大に努めました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,148億88百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益41億37百万円
(同30.6%減)、経常利益49億14百万円(同24.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益31億39百万円(同
17.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は104億44百万円となりました。キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は65億49百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益45億63百万円、減価償却費25億69百万円、たな卸資産の増加による資金減少26億24百万円、仕入債務の増加による資金増加18億48百万円、法人税等の支払い17億11百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は122億57百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出206億25百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入332億43百万円、有形・無形固定資産の取得による支出16億58百万円、事業譲渡による収入10億70百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は154億69百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減額50億円、長期借入金の返済による支出10億74百万円、自己株式の取得による支出83億2百万円、配当金の支払10億92百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
IT関連 |
60,918 |
95.7 |
|
|
食 品 |
22,049 |
89.5 |
|
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
IT関連 |
78,557 |
111.0 |
|
|
食 品 |
34,690 |
96.6 |
|
|
金 融 |
1,640 |
71.1 |
|
|
その他 |
1 |
30.7 |
|
|
合計 |
114,888 |
105.4 |
|
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ダイワボウ情報システム |
13,259 |
12.2 |
14,884 |
13.0 |
|
Amazon.com Int'l Sales, Inc. |
11,670 |
10.7 |
14,579 |
12.7 |
(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
[流動資産]
当連結会計年度末の流動資産の残高は、606億97百万円となり、65億32百万円減少しました。これは主に、有価証券の減少124億円、現金及び預金の増加34億28百万円、商品及び製品の増加13億48百万円、原材料及び貯蔵品の増加12億76百万円によるものです。
[固定資産]
当連結会計年度末の固定資産の残高は、181億73百万円となり、32億72百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の減少18億11百万円、投資その他の資産の減少13億74百万円によるものです。
[流動負債]
当連結会計年度末の流動負債の残高は、254億8百万円となり、31億2百万円減少しました。これは主に、短期借入金の減少50億円、未払費用の減少3億57百万円、支払手形及び買掛金の増加19億13百万円、未払金の増加4億21百万円によるものです。
[固定負債]
当連結会計年度末における固定負債の残高は、52億1百万円となり、1億95百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少8億99百万円、退職給付に係る負債の増加1億73百万円、その他固定負債の増加4億92百万円によるものです。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産の残高は、482億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億7百万円減少しました。これは主に、自己株式の取得による減少82億19百万円、退職給付に係る調整累計額の減少1億46百万円、利益剰余金の増加20億54百万円によるものです。
2)経営成績
当連結会計年度のセグメント別の業績は次のとおりであります。
IT関連事業
法人向け市場においては、情報システム担当者の働き方改革と人手不足を解消するリモート管理サービス「キキNavi」を法人向けWi-Fi※1関連商品「AirStation Pro」や大容量NAS「TeraStation」を対象に提供し、サポートレベルの向上・効率化を推し進めました。一方、個人向け市場においては家庭用Wi-Fi 6ルーターとして世界初※2の認定を受けた「AirStation」を発売する等、高付加価値商品の拡販に努めました。また、3月はテレワークに必要なWEBカメラやヘッドセット、Wi-Fi関連商品など需要増がありました。しかしながら、全般的には周辺機器市場の競争激化により単価下落を余儀なくされ、販売台数は前年を超えたものの利益は減少しました。
サービス分野においては「バッファロー正規データ復旧サービス」で誤操作によるファイル削除などのデータを復元する「うっかり削除の復元プラン」メニュー追加や、新横浜に復旧センターを開設するなどサービス拡充を図り受付件数が累計2万5千件を超えました。賃貸集合住宅向けWi-Fiインターネットサービス「アパートWi-Fi」は
計導入戸数が9万戸を超えたものの、サービス体制のコストが先行しました。
その結果、売上高785億57百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益27億38百万円(同28.3%減)となりました。
食品事業
販売面では家庭用は夏の天候不順や暖冬の影響などによる季節商品の伸び悩みと不採算商品の見直しにより減少しました。その一方で「健美麺」ブランドとしてチルドめん市場初※3となる食後の血糖値上昇を抑える機能性表示食品を発売。従来の食塩ゼロ・糖質40%カット商品を同ブランドへ統合し販売強化に努めました。業務用は外食を中心に学校・事業所給食などへの取り組みを強化したこともあり堅調に推移しました。利益面では、原材料価格や物流費などの高騰が続いていたものの、2019年3月より行った商品価格改定や不採算商品の見直し、経費の削減等の効果があらわれました。
その結果、売上高346億90百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益19億90百万円(同73.6%増)となりました。
金融事業
難しい運用環境が続き、売上高16億40百万円(前年同期比28.9%減)、セグメント利益5億70百万円(同57.3%減)となりました。
※1:Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
※2:2019年10月5日(認定取得日)時点、弊社調べ
※3:2019年5月、弊社調べ
3)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品及び原材料仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、設備投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、連結決算日における資産・負債および当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
主な経営指標
|
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
流動比率 |
(%) |
273.6 |
305.9 |
235.8 |
238.9 |
|
固定比率 |
(%) |
20.2 |
20.3 |
39.2 |
37.7 |
|
自己資本比率 |
(%) |
66.3 |
70.4 |
61.7 |
61.2 |
|
売上高営業利益率 |
(%) |
7.5 |
7.4 |
5.5 |
3.6 |
|
売上高経常利益率 |
(%) |
8.7 |
8.8 |
6.0 |
4.3 |
|
売上高当期純利益率 |
(%) |
5.9 |
7.1 |
3.5 |
2.7 |
|
自己資本当期純利益率 (ROE) |
(%) |
9.8 |
11.1 |
6.9 |
6.1 |
|
総資本経常利益率 (ROA) |
(%) |
9.7 |
9.6 |
7.4 |
5.9 |
|
従業員1人当たり売上高 |
(百万円) |
96 |
84 |
59 |
63 |
|
従業員1人当たり当期純利益 |
(百万円) |
5 |
6 |
2 |
1 |
(注)「当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しております。
該当事項はありません。
当社グループは、お客様が求めている製品をタイムリーに提供すること、また今後求められると思われる製品をお客様の視点から提案することを開発の主眼に置いております。現在の研究開発は、IT関連セグメントにつきましては主に当社グループの子会社である株式会社バッファローの開発部門、食品関連セグメントにつきましては当社グループの子会社であるシマダヤ株式会社の開発部門で行っております。当連結会計年度における主な研究開発の状況は次のとおりであり、研究開発費の総額は
(1)IT関連サービス
情報システム担当者の働き方改革と人手不足を解消することをコンセプトに、インターネットを経由して遠隔地に設置した機器と管理者をつなぐリモート管理サービス「キキNavi」を株式会社バッファローから提供開始いたしました。「キキNavi」は法人向けWi-Fi※1関連商品「AirStation Pro」や大容量NAS「TeraStation」を対象に無料提供しており、対象商品を管理する保守・管理会社(SIer)及び自社で管理を行う法人ユーザーは対応機器の状態を遠隔監視でき、今までは現場でしかできなかったいくつかの作業がインターネット経由で可能となり、作業工数の削減や迅速な障害対応を実現することができます。
(2)ネットワーク
国内における10G光インターネットサービスの開始や高画質8K動画視聴などの大容量通信化、また、eスポーツ市場の伸長によりインターネットの「低遅延」に対するニーズも高まっております。これらに応えるべく、従来のWi-Fi規格に対して通信速度や安定性を高めた新しい新規格 「Wi-Fi 6(11ax)」に対応した家庭用Wi-Fiルーターを株式会社バッファローから上市いたしました。本製品は家庭用Wi-Fiルーターとして世界初※2の「Wi-Fi CERTIFIED 6™」※3認定を取得しております。
(3)メモリ
パソコンのみならずゲーム機用の外部記憶装置として、急成長しているSSD市場において、株式会社バッファロー製の従来品と比較し最小※4となる59.5mm×33mmサイズのUSB 3.2(Gen 1)ポータブルSSDを上市いたしました。本製品はWindows・Mac環境向けの故障予測サービス「みまもり合図」にも対応し、パソコン画面上で故障予測の通知を受けることができ、故障によるデータ消失を未然に回避することが可能になります。
(4)食品
近年、生活習慣病患者数の増加や、平均寿命と健康寿命の格差、国民医療費の増大等が社会問題となっており、シマダヤ株式会社では、「美味しく食べて健やかな食生活をサポートします」をコンセプトに健康志向に応える商品づくりに取り組んでおります。2020年3月期は生活習慣病の予防や健康を気にする生活者の方にむけて家庭用・業務用共通の新ブランド「健美麺」を立ち上げ、チルド麺市場初※5となる食後の血糖値の上昇を抑える機能性表示食品「健美麺」と、糖質や塩分をカットしたウェルネス「健美麺」を上市いたしました。
※1:Wi-FiはWi-Fi Allianceの登録商標です。
※2:2019年10月5日(認定取得日)時点、弊社調べ
※3:Wi-Fi CERTIFIEDはWi-Fi Allianceの登録商標です。
※4:当社外付けSSD従来品との外寸での比較(2020年1月現在)
※5:2019年5月時点、弊社調べ