文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを企業理念とし、電池で培った先進のエネルギー技術で世界のお客様へ快適さと安心をお届けしてまいります。以下の経営の基本方針に従って、経営目標を達成し、企業価値の最大化を目指してまいります。
・GS YUASAは、お客様を第一に考え、お客様から選ばれる会社になります。
・GS YUASAは、品質を重視し、環境と安全に配慮した製品とサービスを提供します。
・GS YUASAは、法令を遵守し、透明性の高い公正な経営を実現します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2019年5月に「第五次中期経営計画」を策定いたしました。
新たな価値を創造し続けるエネルギー・デバイス・カンパニーを目指し、「モノ・コトづくり」をキーワードに新しい価値創造を通じて、鉛電池事業とリチウムイオン電池事業それぞれの持続的成長に繋がる戦略的な企業活動を行ってまいります。
GSユアサでは企業理念である「革新と成長を通じ、人と社会と地球環境に貢献する」を実践することが事業の持続的な成長に結びつくものとしています。CSR課題を事業戦略に取り込んだビジネスプロセスを確立し、財務・非財務の両面で経営の質を向上させ、事業と社会のサステナブルグロース(持続可能な成長)を目指してまいります。
第五次中期経営計画では、次の3つの重要戦略課題に取り組みます。
①ビジネスプロセスに特化したCSRの重要課題に対する取り組みの強化
②鉛電池事業の収益強化と海外事業拡大を通じた経営基盤の強化
③第六次中期経営計画以降にリチウムイオン電池事業の規模と収益を拡大させるための布石を打つこと
なお、世界経済に重大な影響を及ぼす新型コロナウイルスの収束する兆しはなく、先行きが見通せない状況を受け、2020年5月に「第五次中期経営計画」の期間を変更し、最終年度を2023年3月期とする4年計画としております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、「第五次中期経営計画」において、2023年3月期の連結での売上高4,600億円以上、営業利益280億円以上、ROE8%以上、総還元性向30%以上を目標数値としています。なお、各指標はのれん等償却前利益(営業利益・当期純利益)に対するものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社を取り巻く環境は、長引くコロナ禍の影響による、原材料価格高騰や半導体・部品の供給不安、コンテナ不足と国際物流の混乱などに加え、昨今のウクライナ問題により、先行き不透明な状況が継続しています。一方、2020年後半から急激に加速したカーボンニュートラルの動きは、2021年に全世界的な広がりを見せ、欧州・中国 そして日本の電動化の背中を押す形となっています。
このような環境下、①環境問題に対する意識の変化、②デジタルシフトの加速、③集中型から分散化への加速に代表される大きな社会変革を中長期的成長の好機と捉えております。特に環境問題については、リチウムイオン電池及び鉛電池の両事業における自動車電動化への対応及び再生可能エネルギー分野向けの売上拡大を積極的に行ない、また同時にESG戦略の一環として長期環境目標を設定し、CO2排出量の削減を更に進めていく等、カーボンニュートラルに伴う環境・CSR課題に取り組んでまいります。また、脱炭素の動きに呼応して、環境対応コストが増大しつつありますが、カーボンニュートラルを目指す社会においてサステナブルな成長を実現するために、デジタル技術などの活用により全事業の収益力強化を図ってまいります。
事業別では、自動車電池事業においては、継続的な利益貢献を自覚し、製造・販売両面から利益率の向上に取り組んでまいります。電動化の進捗を見極めつつ、各拠点のニーズや顧客要求に沿った商品戦略を迅速に立案し、グローバルでの最適生産体制の構築を進めることで、アイドリングストップ車など環境対応車向け電池をはじめとした高付加価値商品の安定供給・販売拡大を図ってまいります。
産業電池電源事業においては、カーボンニュートラルを背景にした環境・エネルギー分野での蓄電システムの売上拡大を図るとともに、デジタル技術を活用した「モノ・コトづくり」の実践や2021年度より連結化した㈱GSユアサ インフラシステムズとのシナジー創出などによる収益性向上に取り組みます。また、海外市場における販売基盤の構築を進めるとともにグローバルな視点での商品戦略を推進してまいります。
リチウムイオン電池事業においては、ハイブリッド車用電池の生産能力を最大限に生かし新規及び既存顧客の受注拡大を図るとともに、将来的に需要拡大が見込まれる12Vリチウムイオン電池については量産及び拡販体制の構築に向けた取組みを進めてまいります。さらに、電気自動車用リチウムイオン電池については2030年以降の需要拡大に対応するため、研究開発を加速させ、本格参入を狙います。
当社といたしましては、品質重視の基本姿勢に基づいた事業運営によりお客様に安心と信頼を提供するとともに、「革新と成長」の企業理念のもと、企業価値の向上と将来の持続的成長に向けた事業基盤の構築に努めてまいります。
(5)気候変動への対応
当社グループは、気候関連課題が重要な経営課題の1つであると認識しており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を2019年12月に表明し、TCFDフレームワークに基づき「ガバナンス・戦略・リスクマネジメント・指標と目標」の情報開示に取り組んでいます。
(詳細は、当社HPをご確認ください。https://www.gs-yuasa.com/jp/ir/tcfd.php)
・ガバナンス
当社グループでは、中核事業会社である㈱GSユアサにおいて、気候変動への対応策を立案・実施しており、当社(㈱ジーエス・ユアサ コーポレーション)は取締役会において、㈱GSユアサから定期的にこれらの進捗の報告を受け、必要に応じて指導するなどし、グループ全体を統括しております。
㈱GSユアサでは、環境関連の方針/目標や重要項目は、CSR委員会で立案/協議され、取締役社長が責任者を務める経営ヒアリング・経営会議へ報告されます。このようなガバナンスの下、これまでに、「TCFD提言」への賛同や、「GY環境長期目標2030」を公表し、気候関連課題への取組みを進めてきました。
・戦略
当社グループでは、2021年度より㈱GSユアサの各事業部及び本社部門によるプロジェクトチームを発足し、全社横断的にシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、1.5℃及び3℃の気温上昇を想定し、IPCCやIEA等の国際機関のシナリオを参照しています。また、シナリオ分析の終了年は、短期(2025年)、中期(2030年)、長期(2050年)と設定しました。
シナリオ分析実施の結果、例えば、1.5℃シナリオにおける重要な移行リスク・機会として、「炭素税の上昇、再エネ導入対応に伴うコスト増」、「自動車市場の変化(ガソリン車市場の縮小、電動車市場の拡大)」を特定しています。また、3℃シナリオにおける重要な物理的リスク・機会として、「風水害による施設損害、事業停止による利益損害の増加」、「激甚災害対策のための非常用電源の需要拡大」を特定しています。また、特定した重要なリスク・機会に対して、対応策を検討し取組を進めています。
気候変動によるリスクを完全に予測することは困難ではありますが、1.5℃、3℃それぞれのケースにおけるリスク・機会を認識し、適切に対応することで、事業のレジリエンスを高めてまいります。
・リスクマネジメント
当社グループでは上記ガバナンス体制の下、以下の通り、気候関連のリスク・機会の特定及び評価を実施しています。
また、シナリオ分析の実施により特定した重要なリスクと機会は、上記のガバナンス体制の下で管理しています。
・指標と目標
当社グループでは、2021年5月にGY環境長期目標2030(2030年度CO2排出量を2018年度比30%以上削減)を公表し、CO2の削減を推進しています。
また、2022年3月にはインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入を公表しています。価格設定は8,600円/t-CO2として、CO2排出量に影響を及ぼす設備投資へ活用し、事業活動におけるCO2削減を推進します。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社が判断したものであります。
当社グループは、リスク管理の推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、当社グループ内のリスク管理推進施策を決定し、その推進状況を点検しております。
(1)原材料の市況変動に関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますが、鉛相場が変動した場合もただちに製品価格に反映することができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、生産体制の全体最適を推進し、さらなるコストダウンを目指すとともに、最適な供給体制を構築していきます。
(2)価格競争の激化
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、各事業を展開するそれぞれの市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況になっております。国内の同業他社に加え、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、競争が激化しているため、将来的に市場シェアの維持、拡大、収益性保持が容易でない可能性があります。これにより事業の収益性が低下した場合、固定資産の減損リスクなど当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクへの対応策としてあらゆるコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しております。
(3)為替レートの変動
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があり、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、通貨ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
(4)国際的活動及び海外進出に関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは生産及び販売活動を日本、アジア、北米、欧州等で行っております。これらの海外市場での活動には以下に掲げるようなリスクが内在しており、これらの事象は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律又は規制の変更
②人材の採用と確保の難しさ
③未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に影響を及ぼす、又は当社グループの製品に対する顧客の支持を低下させる可能性
④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループとしては、本部と各拠点間におけるコミュニケーション強化により、世界各地のニーズに沿った製品やサービスを迅速に提供できる仕組みを構築してまいります。
(5)環境規制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
中国の中央政府より、中国国内の鉛蓄電池メーカー及び鉛精錬メーカーに対する環境規制強化の動きがあり、当社グループ企業においても一部生産活動に影響を与える可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、環境面で果たすべき社会的責任を明確にし、持続可能な社会の実現に貢献するために、グループ全体における環境に対する取り組みの基本的な考え方を示した「環境基本方針」を制定しております。また、グループ全体における環境負荷の低減や環境汚染事故の未然防止を推進するための環境マネジメント体制を構築しております。
(6)M&Aに関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、将来の事業拡大においてM&Aは重要かつ有効な手段であると考えております。M&Aを実施する場合においては、対象企業の財務状況等の調査や当社グループの事業への相乗効果など、様々な観点から十分に検討しております。しかしながら、事業環境の著しい変化等により、買収事業が当初の計画通りに推移せず、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性を、相応に認識しておく必要があります。当社グループでは、業績モニタリングを毎月実施しております。
(7)気候変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
気候変動は国や地域を超えて大きな影響を及ぼす問題であり、世界共通の解決すべき社会課題であります。当社グループは、気候関連課題が重要な経営課題の1つであると認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明するとともに、事業活動における温室効果ガス排出量の削減を進めています。しかしながら、将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する場合には、想定以上の環境対応に関するコストの増加や風水害等による施設損害、事業活動の制限など、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
気候変動によるリスクは完全に予測することは困難ではありますが、当社グループの蓄電池技術を用いた再生可能エネルギー普及等により、社会全体の温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、今後はTCFDの提言に沿った情報開示をさらに推進してまいります。
(8)災害・事故について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
地震・風水害・大雪等の自然災害や当社グループの事業所において火災・爆発・損壊等の事故が発生した場合、不測の事態が発生するリスクが考えられます。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクへの対応策として、地震・水災・大雪対応マニュアルの構築及び「防火管理」「防災管理」の充実化に取り組んでおります。
(9)金利変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループでは、第五次中期経営計画においては、成長投資を積極化するために有利子負債は多少増加することを想定しておりますが、債務償還年数については3年以内にとどめ、成長と財務規律の両立に努めてまいります。
(10)訴訟その他の法的手続について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起され、又は規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループでは、他社権利及び特許等の調査を継続実施し、社内での情報共有強化によりリスクの極小化に努めております。
(11)経済状況
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの製品の需要は当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、アジア、北米、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループとしては、品質重視の基本姿勢に基づいた事業運営によりお客様に安心と信頼を提供するとともに、「革新と成長」の企業理念のもと、企業価値の向上と将来の持続的成長に向けた事業基盤の構築に努めてまいります。
(12)新型コロナウイルス感染症について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループの生産活動等に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。新型コロナウイルス感染症に対して当社グループでは、取締役社長を本部長とする危機管理対策本部を設置し、危機に関する情報の収集及び分析を行うとともに、在宅勤務推進等の安全対策を施しております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、各国の経済対策により経済活動の再開が進みましたが、相次ぐ変異種の発生による新型コロナウイルス感染症の拡大が続きました。原材料価格上昇、部材不足やコンテナ不足によるサプライチェーンの混乱が続く中、地政学上のリスクの高まりなどもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経済状況の中、当社グループでは、主として車載用リチウムイオン電池の販売が増加していることや、海外の自動車電池事業における鉛電池の販売が増加したことに加え為替の円安影響もあり、当連結会計年度の売上高は、4,321億33百万円と前連結会計年度に比べて456億22百万円増加(11.8%)しました。営業利益は、主に原材料価格上昇の影響を受け、226億64百万円と前連結会計年度に比べて21億46百万円減少(△8.6%)しました。(なお、のれん等償却前営業利益は、238億53百万円と前連結会計年度に比べて32億16百万円減少しました。)経常利益は、246億84百万円と前連結会計年度に比べて25億95百万円減少(△9.5%)しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社における減損損失を計上したこと等により、84億68百万円と、前連結会計年度に比べて29億87百万円減少(△26.1%)しました。
(自動車電池)
国内における売上高は、補修用電池の販売は堅調に推移したものの、新車販売台数の減少に伴い、新車用電池の販売数量が前年同期を下回ったことに加えて、収益認識に関する会計基準の適用の影響により、814億94百万円と前連結会計年度に比べて21億44百万円減少(△2.6%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、原材料価格上昇の影響により、58億78百万円と前連結会計年度に比べて27億91百万円減少(△32.2%)しました。
海外における売上高は、アセアン・欧州を中心に販売数量が増加したことに加え為替の円安影響もあり、1,867億43百万円と前連結会計年度に比べて214億46百万円増加(13.0%)しました。セグメント損益は、原材料価格に加え、コンテナ不足による物流費の上昇の影響等により、99億65百万円と前連結会計年度に比べて22億59百万円減少(△18.5%)しました。
これにより、国内・海外合算における売上高は、2,682億37百万円と前連結会計年度に比べて193億1百万円増加(7.8%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、158億43百万円と前連結会計年度に比べて50億51百万円減少(△24.2%)しました。
(産業電池電源)
売上高は、大型風力発電用リチウムイオン電池の販売増加や、㈱GSユアサインフラシステムズを連結化した影響により994億65百万円と前連結会計年度に比べて154億28百万円増加(18.4%)しました。セグメント損益は、原材料価格の上昇や販売構成の変化により、57億75百万円と前連結会計年度に比べて11億14百万円減少(△16.2%)しました。
(車載用リチウムイオン電池)
売上高は、ハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売が増加したことに加え、前年度に販売が減少していたプラグインハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売が回復し、476億37百万円と前連結会計年度に比べて116億87百万円増加(32.5%)しました。セグメント損益は、売上高増加の影響により、16億54百万円と前連結会計年度に比べて25億6百万円改善しました。
(その他)
売上高は、167億91百万円と前連結会計年度に比べて7億95百万円減少(△4.5%)しました。全社費用等調整後のセグメント損益は5億79百万円と前連結会計年度に比べて4億43百万円増加(324.7%)しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は258億45百万円と前連結会計年度末に比べて99億62百万円減少(△27.8%)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払がありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費、仕入債務の増加などにより、128億79百万円のプラス(前年同期は358億17百万円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出などにより、302億4百万円のマイナス(前年同期は193億27百万円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払がありましたが、借入金の増加により、52億3百万円のプラス(前年同期は70億18百万円のマイナス)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
67,751 |
106.8 |
|
自動車電池海外(百万円) |
142,772 |
125.7 |
|
産業電池電源(百万円) |
72,447 |
127.4 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
51,990 |
127.9 |
|
報告セグメント計(百万円) |
334,962 |
122.0 |
|
その他(百万円) |
14,068 |
96.3 |
|
合計(百万円) |
349,031 |
120.7 |
(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、大型蓄電池及び大型電源装置等の一部を除き、主として見込生産を行っておりますので、受注高及び受注残高について特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2021年4月 1日 至 2022年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
81,494 |
97.4 |
|
自動車電池海外(百万円) |
186,743 |
113.0 |
|
産業電池電源(百万円) |
99,465 |
118.4 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
47,637 |
132.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
415,341 |
112.6 |
|
その他(百万円) |
16,791 |
95.5 |
|
合計(百万円) |
432,133 |
111.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載しております。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、固定資産の減損による減少があったものの、棚卸資産の増加や㈱GSユアサ インフラシステムズの新規連結に伴い、4,807億63百万円と前連結会計年度末に比べて488億49百万円増加しました。
負債は、サステナビリティ・リンク・ローンによる長期借入の実施や㈱GSユアサ インフラシステムズの新規連
結により、2,308億24百万円と前連結会計年度末に比べて334億81百万円増加しました。
純資産は、配当の支払や自己株式の取得等がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加や為替レ
ートの変動による為替換算調整勘定の増加により、2,499億38百万円と前連結会計年度末に比べて153億67百万円増加
しました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しく、とりわけ各事業分野での激しい価格競争が続いております。また、当社グループの主要製品である自動車用鉛蓄電池の販売数量は、季節の変化、特に(冷夏、暖冬など)気候の変化による影響を大きく受けます。一方、コストの面では、当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますので、この鉛価格の変動は製造コストに影響を与えます。
また、地政学上のリスクの高まり、サプライチェーン混乱、感染症が継続等のリスクがあり、依然として先行き
の不透明感が続きます。加えて、感染症や災害等をきっかけにサプライチェーンの乱れが発生し、当社業績に影響を与える可能性があります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況 」に記載の通りです。
b.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。
営業キャッシュ・フロー及び手元資金を中長期的な成長のための投融資、成長を支えるための財務基盤の強化、適正な株主還元、これらにバランス良く配分し企業価値の向上を図ってまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
45.8 |
46.8 |
44.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
30.6 |
56.0 |
39.2 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.2 |
2.0 |
7.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
40.57 |
43.75 |
13.61 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成の状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、「第五次中期経営計画」において連結売上高4,600億円以上、営業利益280億円以上、ROE(のれん等償却前純利益) 8% 以上、総還元性向 30% 以上を2023年3月期最終目標に設定し収益性や資産効率の向上に取り組んでおります。
当年度における進捗状況は、連結売上高4,321億円、営業利益226億円、ROE(のれん等償却前純利益) 4.6% 、総還元性向 42.4% であり、引き続き目標達成に向け総力を挙げて努めてまいります。
(セグメント別の状況)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載の通りであります。
該当事項はありません。
当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。
自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム生産本部開発部、ライティング製造部、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。
当連結会計年度における研究開発費は
当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)自動車電池
自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。
国内自動車用鉛蓄電池の分野では、ダイハツ初のハイブリッド車用に補機用鉛蓄電池LN0の納入を2021年10月に開始し、環境対応車の拡大に対応しました。また、マツダ第7世代大型車両用の冗長電源として、二輪用電池の劣化推定技術を応用したYTZ7S-Auxiliaryの納入を2022年1月に開始し、車両安全性確保の実現に寄与しました。
国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。また、これら環境対応車両に求められる特性を更に強化した二輪車用鉛蓄電池の開発も進めております。
海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車やアイドリングストップ車用鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を進めており、トルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けの高性能始動用鉛蓄電池「YBX5000」シリーズのLN系及びLBN系の計7品種、アイドリングストップ車用鉛蓄電池「YBX7000」シリーズのLN系及びLBN系の計5品種を開発し、欧州市場にて販売を開始しました。更にメンテナンス性を向上した「YBX9000」シリーズのLN系5品種を2022年度内の上市に向けて開発を進めております。また、欧州高級車のシステム起動及びバックアップ用の電池として、二輪車用鉛蓄電池の技術を利用しつつ、特別な排気構造を備えた制御弁式鉛蓄電池を開発し、欧州補修市場へ参入しており、本用途での品種拡大を推進しております。
海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、欧州、インド、中南米で液式鉛蓄電池と互換するサイズの制御弁式鉛電池の需要が高まっており、東南アジア地域で、これに対応する制御弁式鉛蓄電池YTBシリーズ計5品種の開発を完了し、順次展開しております。また、今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けに、コミューターバイク用に加えてアイドリングストップ車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大を図るとともに、新車採用されております。更に、原材料コスト面、生産効率面で優れた極板を採用した制御弁式鉛蓄電池の開発を推進し、コスト競争力向上を図っております。
この分野に係る研究開発費は、
(2)産業電池電源
産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。
産業用鉛蓄電池の分野では、北米などの海外市場で需要拡大が見込めるデータセンタ用途や5G基地局用途向けに、ハイレート短時間のバックアップ性能と高温耐久性を大幅に向上させた制御弁式鉛蓄電池の開発に取り組んでおります。現在、量産ラインでの先行試作および評価を順調に進めており、今後、UPS空調温度の節電などを可能とする製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、ベトナム工場で進めている産業電池の生産拡大について、一部品種でサイクル性能の向上を達成しました。停電が多いアジア・アフリカ地域の通信や発電機・太陽光併設の新エネ向け需要に対しての顧客獲得を目指しております。
電気車用鉛蓄電池の分野では、バッテリー式フォークリフトの需要が増加しているASEAN地域への拡販を目指して、タイ工場において、新規に開発した極板用添加剤を活用して、性能向上などによるフォークリフト用鉛蓄電池の製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、需要の多いベトナムにおける電動カート市場向けとして、安定したサイクル性能を有するEB電池の現地生産化を順調に進めており、ベトナム工場での今年度の販売開始を計画しております。
日本国内では、フォークリフト用鉛蓄電池において、補水時の止水性能や充電中の防沫性能を大幅に向上させた一括補水装置の開発を進めており、海外工場への展開とあわせて、今年度の販売開始を計画しております。
電源装置分野では、三相系統連系システム「ラインバックαⅤ」を開発しました。太陽光PCSとして業界最高効率となる97.0%を達成し,完全冷却ファンレス設計を実現しました。これにより定期的なフィルタ清掃やファン交換が不要となり、メンテナンスフリーな製品となりました。また、防水・防塵性能として、IP66を達成し、業界最高峰の耐環境性能を実現したことにより、塩害地区への設置が可能となり、海岸から200メートル離れた場所への製品導入が可能となりました。さらに、通信プロトコルにエネルギーマネジメントプロトコルを実装し、JET認証およびAIF認証を取得しました。これにより、柔軟な電力制御が可能となり、系統安定化やVPPといったエネマネ市場にも適用可能となります。
当社製蓄電池併設型太陽光PCS「ラインバックマイスター」とEV充放電器「VOXSTAR」を組み合わせたV2X(Vehicle to Everything)エネルギーソリューション「EVOXシステム」を開発しました。太陽光発電で作った電力をEVに充電することで、走行時CO2排出ゼロを実現するゼロエミッション・モビリティを実現するとともに、EV充電時に生じるデマンドを蓄電池から供給することによりピークデマンドを削減し、電力基本料金の抑制が可能となります。また、非常時にEVに搭載された蓄電池、太陽電池、定置用蓄電池から特定負荷に電力を供給することでレジリエンス機能を向上し、照明、コンセントなどの電灯負荷や、業務用空調設備や搬送設備、給排水ポンプなどの動力負荷へ電力を供給することで、施設のBCP強化や地域の防災・減災を実現し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
産業用リチウムイオン電池分野では、電力系統安定用途、鉄道用電力貯蔵システムや鉄道車両搭載用途、港湾にてコンテナを積み下ろしするハイブリッドクレーンやコンテナを自動で搬送するAGV(無人搬送車)を中心とする産業機器用途、防災用途、BCP等を中心に需要が拡大しています。
受注済みの「北海道の風力発電出力変動緩和向け大容量リチウムイオン蓄電池設備案件」向けリチウムイオン蓄電池設備においては現地納入を完了し、2023年4月の運用開始に向け、準備を進めています。
2050年のカーボンニュートラル達成に向けた太陽光発電所や風力発電所の拡大促進のため、国のエネルギー政策として系統電力安定用の蓄電池システムの導入支援が本格化しており、その引合いが増加しています。2022年度にはシステムコストをさらに低減した、新型蓄電システムをリリースし、需要拡大を図っていきます。
照明分野では、「省エネ」+「省資源」をキーワードに独自性のある研究開発を進めております。2021年度はLEDユニット交換方式を採用した次世代型LED道路照明器具『JRB2200シリーズ』が国土交通省の「新たな道路照明に関する技術公募」において「有望な技術」として選定されました。
環境関連機器の分野では、膜利用分野の拡大に取り組んでおり、2021年度より、スパイラル膜を利用した微細藻類濃縮用システムの販売を開始しました。また、近年、環境負荷低減のため膜を利用した排水の再資源化への関心が高まっており、畜産排水の再利用や工場排水中の有価物回収など膜利用分野の拡大へ向けた開発を計画しております。
この分野に係る研究開発費は、
(3)車載用リチウムイオン電池
車載用リチウムイオン電池事業では、㈱ブルーエナジーで生産を行うHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池、㈱リチウムエナジージャパンで生産を行うEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)用リチウムイオン電池の開発を実施しております。さらに車載用12Vリチウムイオン電池に関しても事業化のための積極的な開発を進めております。
車載用リチウムイオン電池の分野は世界的に、厳しい性能競争、価格競争が展開されておりますが、この分野のパイオニアとしていち早く取り組んできた当社としましては、安全性、信頼性を第一に考えながら、競争力のある製品開発に努めております。
HEV用リチウムイオン電池においては、ブルーエナジーの第2工場が今年の4月より稼働が開始しました。これにより、2022年度下期には、年間5,000万セルに生産能力を拡大します。また、2020年代後半には、年間7,000万セルまで拡大する予定で、2030年頃までは伸びると予測されているHEV用リチウムイオン電池の需要に対応する体制を整えていきます。
また、2050年カーボンニュートラルに向け、グローバルでEVシフトが加速しており、市場環境が大きく変化してきました。EV用リチウムイオン電池への本格参入に向けた対応として、本年度からリチウムイオン電池事業部にEV用リチウムイオン電池に特化した組織を設置いたしました。
今後ともこの分野での競争力を維持、発展させるために、ポストリチウムイオン電池の検討として、次世代正極、次世代負極材料の開発並びに、電池構造、電池製造方法の開発を実施しております。さらに、本年4月に採択されたNEDOのグリーンイノベーション基金を活用し、当社独自の硫化物固体電解質を用いた全固体電池の開発を加速します。
この分野に係る研究開発費は、
(4)その他
その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。さらにポストリチウムイオン電池の検討として、NEDO航空機用先進システム実用化プロジェクトにおいて、軽量なリチウム硫黄電池の研究開発を実施しております。
航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」、「H-ⅡB」や「イプシロン」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。2021年10月に打ち上げが成功した準天頂衛星システム「みちびき」にジーエス・ユアサ テクノロジー製の衛星用リチウムイオン電池が搭載され、米国のGPS衛星と一体利用することで、山間地や都市部のビル街でも高精度で安定した衛星測位サービスを実現し、自動走行分野をはじめ船舶海洋分野や物流分野など多くの分野で活用されています。
この分野に係る研究開発費は、