当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社員と企業の「革新と成長」を通じ、人と社会と地球環境に貢献することを企業理念とし、電池で培った先進のエネルギー技術で世界のお客様へ快適さと安心をお届けして参ります。以下の経営の基本方針に従って、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指して参ります。
・サステナビリティ課題の解決に貢献し、社会と共に永続的に成長します。
・公正で健全な経営を遂行し、持続的な成長を支える強固な事業基盤を保持します。
・多様なステークホルダーと対話し理解を得ながら、信頼関係を構築します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2023年4月に長期ビジョン「Vision2035」並びに「第六次中期経営計画」を策定いたしました。第六次中期経営計画をVision2035で描くありたい姿の実現に向けた変革のための土台作りの期間と位置づけ、事業構造変革に向けた以下の諸施策を実行して参ります。
①BEV用電池開発
・本田技研工業㈱との合弁会社を活用した高容量・高出力なリチウムイオン電池開発
・モビリティ・社会インフラビジネス拡大のためのBEV用電池生産/供給体制整備
②既存事業の収益力強化
・徹底した付加価値創出と収益性改善
・国内産業電池電源事業における圧倒的な優位性による利益の最大化
・中国事業見直しを含む地域戦略の転換、主要拠点へのリソース集中と利益の最大化
③DX/新規事業
・事業構造転換を可能にするDX推進
・社会課題解決に貢献する新規事業創出
(3)目標とする経営指標
当社グループは、「第六次中期経営計画」において、2026年3月期の連結での売上高6,100億円以上、営業利益410億円以上、ROE8%以上、ROIC10%以上、総還元性向30%以上を目標数値としています。なお、各指標はのれん等償却前利益(営業利益・当期純利益)に対するものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
Ⅰ.経営環境および中長期的な課題
カーボンニュートラルの動きは世界規模で加速しており、特に欧州や中国、日本では電動化や再生可能エネルギーの導入に向けた動きが顕著になっています。当社の事業はサステナビリティとの親和性が高く、気候変動やエネルギー資源の問題解決が人類全体のテーマとなる中で、当社の社会的使命と責任はさらに大きくなっています。
当社がこれからの社会に貢献していくためには、培ってきた電気を蓄える・使う技術の更なる革新とともに、それらの技術を社会インフラとして広く実装・運用していくことが重要です。エネルギーデバイスの開発・製造・販売から、エネルギーを社会全体で使いこなすためのエネルギーマネジメント、さらにその先にあるエネルギー資源循環にまで視野を広げ、サステナブルな社会の実現に貢献して参ります。
カーボンニュートラルの潮流を時代の変節点と捉えており、急激に市場環境が変化する中、2035年に向けた長期ビジョン「Vision2035」を策定しました。Vision2035で「2035年のGSユアサのありたい姿」を示した上で、実現に向けた変革のための土台作りの期間として、2023年度から2025年度までの3年間の第六次中期経営計画を策定しています。第六次中期経営計画で挙げる事業構造変革に向けた諸施策を実行することが当社の課題であると認識しています。
Ⅱ.事業別の対処すべき課題
1.自動車電池事業
需要変動への迅速な対応と在庫削減を両立する供給体制を構築するとともに原材料価格などの適正な売価反映による収益率の向上を図ります。また、中国事業の抜本的見直しを推進する一方、アセアン拠点の強化による利益の最大化に取り組み、選択と集中による将来に向けた経営体制の変革と収益の強化を図って参ります。
2.産業電池電源事業
常用分野において次世代の成長を取り込む事業基盤を構築すべく長期的な社会インフラビジネス拡大に向けた準備を進めるとともに、非常用分野においてはこれまでのビジネスモデルを拡張したサービスの事業化や顧客への更なる付加価値提供を通して収益性向上を図ります。また、海外市場における製品ラインアップ拡充による競争力の強化に取り組みます。
3.車載用リチウムイオン電池事業
ハイブリッド車用電池の更なる増産体制の構築ならびに収益性の向上を図るとともに、BEV用電池については本田技研工業㈱との共同研究による高容量・高出力な電池の開発、生産/供給体制の整備に取り組んで参ります。
当社といたしましては、品質重視の基本姿勢に基づいた事業運営によりお客様に安心と信頼を提供するとともに、「革新と成長」の企業理念のもと、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けた事業基盤の構築に努めて参ります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 全般的なサステナビリティ課題への対応
①ガバナンス
当社グループは、グループ全体におけるサステナビリティへの取り組みを中長期的かつ多角的に推進するために、当社取締役会の監督のもと、サステナビリティ推進委員会を中心とした体制を構築しています。
本体制では、当社取締役社長が「サステナビリティ推進最高責任者」としてグループ全体のサステナビリティへの取り組みを統括し、当社グループにおける経営上の重要な意思決定を行う当社取締役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制がグループにおけるサステナビリティ経営の適切性を統括管理しています。また、グループの業務執行における意思決定機関の中心的存在である中核事業子会社(㈱GSユアサ)にサステナビリティ課題全般に関する協議、立案、推進を行う会議体(サステナビリティ推進委員会)を設置して、グループ全体におけるサステナビリティ経営への取り組みを推進しています。
サステナビリティ推進委員会は、重要なサステナビリティ課題の解決に向けた中長期的な取り組みを推進する役割を有する役員(コーポレートコミュニケーション担当役員)を委員長とし、主要な事業部門やグループ会社の責任者などによるメンバーで構成されています。本委員会では、各部門やグループ会社が取り組むべきサステナビリティ課題に関するリスク及び機会への対応状況などを管理しています。
本委員会で協議した重要事項(サステナビリティに関する方針の制改訂、重要なサステナビリティ課題に関するリスク・機会への対応など)については、取締役会(当社、中核事業子会社)の決議を経て、グループ全体に展開しています。また、当社グループに関するサステナビリティ情報を社外に公表する際には、当該情報のレビュー及び承認を取締役会で実施しています。
サステナビリティ推進体制
コーポレート・ガバナンス体制の詳細は、「
②戦略
当社グループは、当社グループの不変的な価値観を示した企業理念を基盤としたサステナビリティ推進プロセスを運用することによって、企業価値とステークホルダー満足度を向上させることを目指しています。
当社グループでは、企業理念を実践するために、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指す方向性を示したサステナビリティ経営方針を策定しています。本方針では、ステークホルダーとの対話を重視し、サステナビリティ課題の解決への貢献や強固な事業基盤を保持する旨をコミットメントしています。
サステナビリティ経営方針の達成に向けては、中長期的な事業戦略プロセス(サステナビリティ課題を考慮した長期ビジョンの達成に向けた中期経営計画など)を運用しています。また、本方針の達成に向けて制定した従業員の行動指針(以下、CSR方針)に関連するサステナビリティ課題への取り組みを推進しています。いずれも、ステークホルダーのニーズ・期待及び社会・環境・経済に関する課題を考慮に入れた上で、社会及び当社グループの経済的な成長と持続性を確保するための事業計画を策定しています。また、サステナビリティ課題に関連する重要なリスクや機会への対応状況を適切に分析・評価し、必要な計画の見直しを行うことで、サステナビリティへの取り組みに対する継続的改善を図っています。なお、CSR方針の実践に向けては、責任ある企業行動における具体的な行動基準を明確にしたCSR行動規範を策定して、従業員に周知しています。
サステナビリティ推進プロセスの概要
CSR方針に関連するサステナビリティ課題への取り組みの概要
●公正、透明かつ健全な事業活動の推進と腐敗の防止
●人権の尊重
●適正な労働環境の維持、向上
●安全、安心な製品、サービスを提供する責任の遂行
●地球環境の保全
●地域社会との共生
●サプライチェーンにおける社会的責任活動の推進
企業理念、サステナビリティ経営方針、行動指針の詳細は、「
長期ビジョンの詳細は、「
CSR方針に関連するサステナビリティ課題への取り組みの詳細は、「
③リスク管理
当社グループは、サステナビリティ経営方針を達成するための行動指針(CSR方針)に係るリスク・機会を特定し、事業及び社会への影響を評価してCSR方針に関連する重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ)を明確にしています。また、事業基盤の強化や企業価値の向上などの観点を考慮した上で、マテリアリティに対応する事業計画(マテリアリティ対応計画)を策定し、計画の進捗状況を図る経営指標及び目標を設定しています。なお、マテリアリティ及びマテリアリティ対応計画の内容については、当社グループのサステナビリティを推進する会議体(サステナビリティ推進委員会)が、ステークホルダーのニーズ・期待やサステナビリティ課題などを考慮して、定期的に見直して決定しています。また、CSR方針に係る重要なリスクについては、当社グループのリスク管理システムを活用して、適切なリスク対応を実施しています。
当社グループは、マテリアリティを長期ビジョンや中期経営計画に組み込んだビジネスプロセスを運用することにより、財務・非財務の両面で経営の質を向上させ、事業と社会の持続可能な成長を目指しています。
長期ビジョン、中期経営計画の詳細は、「
マテリアリティの特定プロセス
●ステップ1:CSR方針に係るリスク及び機会の抽出
サステナビリティ経営方針に基づいて策定した中期経営計画の重要課題を考慮に入れて、CSR方針に係るリスク及び機会を抽出しています。リスク及び機会を抽出する際には、責任ある企業行動に係る国際的なガイドラインを参考にしています。
●ステップ2:CSR方針に係る重要なリスク及び機会の特定
ステップ1で抽出したリスク及び機会に対するスコアリング評価を実施して、事業影響の大きなリスク及び機会を特定しています。次に、事業影響の大きなリスク及び機会に対して、当社グループの事業活動が社会に与える影響を評価して、CSR方針に係る重要なリスク及び機会を特定しています。
CSR方針に係る重要なリスク及び機会を特定する領域(CSRの重点領域)
●ステップ3:マテリアリティの決定
ステップ2で特定したリスク及び機会を分析して、CSR方針に関連する重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ)を決定しています。なお、マテリアリティの適切性を確保するために、外部有識者などのステークホルダーの意見を取り入れて、マテリアリティを決定しています。
④指標及び目標
当社グループは、2023年度を初年度とする中期経営計画を展開する際に、当該計画におけるサステナビリティ課題を組み込んだ新たなマテリアリティ対応計画を策定しました。2022年度のマテリアリティ対応計画の総括やマテリアリティの見直しを行った上で2023年度以降のマテリアリティ対応計画を策定しています。本計画では、指標や目標を設定してサステナビリティ課題における社会への影響を管理するだけでなく、事業への影響を把握する財務的な指標を用いて計画の達成状況を評価しています。
マテリアリティについては、測定可能な目標管理や管理基準に基づく運用管理などを実施して、継続的な改善や効果的な維持管理を図っています。なお、策定した計画内容については、サステナビリティ課題やステークホルダーのニーズ・期待の変化に応じて、必要な見直しを行っています。
当社グループのマテリアリティに対応する計画の概要と本計画が社会及び事業に及ぼす影響については、「
(2) 気候変動への対応
当社グループは、気候関連課題が重要な経営課題の1つであると認識しており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を2019年12月に表明し、TCFDフレームワークに基づく気候関連の情報開示に取り組んでいます。
詳細は、当社グループHP(https://www.gs-yuasa.com/jp/ir/tcfd.php)をご確認ください。
①ガバナンス
当社グループでは、中核事業会社である㈱GSユアサにおいて、気候変動への対応策を立案・実施しており、当社(㈱ジーエス・ユアサ コーポレーション)は取締役会において、㈱GSユアサから定期的にこれらの進捗の報告を受け、必要に応じて指導するなどし、グループ全体を統括しております。
㈱GSユアサでは、環境関連の方針/目標や重要項目は、サステナビリティ推進委員会で立案/協議され、取締役社長が責任者を務める経営ヒアリング・経営会議へ報告されます。このようなガバナンスの下、これまでに、「TCFD提言」への賛同や、「GY環境長期目標2030」を公表し、気候関連課題への取組みを進めてきました。また、2023年4月に発表した「Vision2035」にて2050年カーボンニュートラル宣言を行いました。
②戦略
当社グループでは、2021年度より㈱GSユアサの各事業部及び本社部門によるプロジェクトチームを発足し、全社横断的にシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、1.5℃及び3℃の気温上昇を想定し、IPCCやIEA等の国際機関のシナリオを参照しています。また、シナリオ分析の終了年は、短期(2025年)、中期(2030年)、長期(2050年)と設定しました。
シナリオ分析実施の結果、例えば、1.5℃シナリオにおける重要な移行リスクとして、「炭素税の上昇、再エネ導入対応に伴うコスト増」、「自動車市場の変化(ガソリン車市場の縮小、電動車市場の拡大)」を特定しています。また、3℃シナリオにおける重要な物理的リスクとして、「風水害による施設損害、事業停止による利益損害の増加」、「激甚災害対策のための非常用電源の需要拡大」を特定しています。また、特定した重要なリスク・機会に対して、対応策を検討し取組を進めています。
2023年度は気候関連リスク・機会の一部に対する定量的な財務影響評価を開示しました。
気候変動によるリスクを完全に予測することは困難ではありますが、1.5℃、3℃それぞれのケースにおけるリスク・機会を認識し、適切に対応することで、レジリエンスを高めてまいります。
③リスク管理
当社グループでは上記ガバナンス体制の下、以下のとおり、気候関連のリスク・機会の特定及び評価を実施しています。
また、シナリオ分析の実施により特定した重要なリスクと機会は、上記のガバナンス体制の下で管理しています。
④指標及び目標
当社グループでは、2021年5月に「GY環境長期目標2030」(2030年度CO2排出量を2018年度比30%以上削減)を公表し、CO2の削減を推進しています。そして、2050年までにカーボンニュートラル達成を目指します。
また、2022年3月にはインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入を公表しています。価格設定は8,600円/t-CO2として、CO2排出量に影響を及ぼす設備投資へ活用し、事業活動におけるCO2削減を推進します。
(3) 人的資本・多様性への対応
当社グループが大切にしていることは、すべての現場で働く人材が持つ、多様な価値観、経験、知識、能力を最大限に活かし、知恵を出し合い、新しい価値を創造し続けることです。
中長期的な組織力を維持向上し競争力を高め、想定外の変化に耐え得る柔軟性と強靭性を確保し続けるために、組織の改善と人的資本の向上を図っています。また、一人ひとりの個性や能力を活かし、やりがいを持って働き続けられる職場環境の整備に取り組んでいます。
①ガバナンス
当社グループでは、中核事業会社である㈱GSユアサにおいて、人的資本・多様性への対応を立案・実施しており、当社(㈱ジーエス・ユアサ コーポレーション)は取締役会において、㈱GSユアサから定期的にこれらの進捗の報告を受け、必要に応じて指導するなどし、グループ全体を統括しております。
㈱GSユアサでは、人的資本関連の方針/目標や重要項目は、サステナビリティ推進委員会で立案/協議され、取締役社長が責任者を務める経営ヒアリング・経営会議へ報告されます
②戦略
人材育成方針
当社グループの人材戦略は、人的資本のさらなる向上を図り「自律型人材」を育成し、多様な活躍を推進することです。DE&I(Diversity,Equity&Inclusion)をその基本の考えとして位置づけ、全社一丸で推進しています。
(a)自律型人材の育成
当社グループでは、現場が企業価値を生み出すエンジンであり、その主役は現場で働く従業員であると考えています。そのために、最善の人材育成の場である日常の活動現場では、課題管理制度を中心としたOJT(On-the-Job Training)を通じて、自律型人材の育成に取り組んでいます。
また、階層別研修や自由参加型研修などのOff-JT(Off-the-job Training)によって、リーダーシップ及びマネジメント能力の向上やキャリア開発の促進を図っています。「階層別教育体系グランドデザイン」に基づき、階層別研修とビジネススキル系研修を体系化しています。
●階層別研修の特徴
・マインドメッセージを軸にした教育プログラム:役割認識、能力・スキル向上のベースであるマインドセットを重視
・役割に応じたコミュニケーションの量的、質的な変革を重視:コーチングスキルの強化、心理的安全性を高める環境づくり
・環境変化に応じた柔軟な企画:毎年、環境変化を踏まえプログラムを見直し
◆人材育成の基本
◆研修体系
|
区分 |
研修名 |
|
階層別 |
●新任部長研修、●マネジメント研修(管理職登用後4年目)、●新任課長研修、●新任係長・リーダー研修、●キャリア・アップ研修(入社6年目)、●パワー・アップ研修(入社4年目製造職・事務職)、●スキル・アップ研修(入社3年目)、●新入社員研修、●新入社員フォロー研修、●新入社員サポーター研修、●キャリア入社者研修、●キャリア開発研修 |
|
ビジネススキル |
●ロジカルコミュニケーション研修、●ファシリテーション研修、●タイムマネジメント研修、●コーチング研修 ●英文Eメールライティング研修、●品質管理 (QC) 講座 |
|
自己啓発 |
●語学オンラインレッスン、●通信教育・オンライン講座、●外部技能講習、●外部技術研修 |
|
資格取得 |
●ビジネス実務検定®(外部)、●ビジネス会計検定®(外部)、●品質管理検定、●機械保全技能検定 |
|
グローバル人材育成 |
●海外実習派遣制度(駐在候補者の養成)、●海外赴任前研修(語学、マネジメントスキルなど)、●次世代経営者育成研修 |
|
DE&I |
●女性リーダー・キャリアアップ研修、●DE&I研修(管理職)、●リーダーシップ強化プログラム |
◆人材育成に関する研修時間(2022年度)
|
項目 |
区分 |
平均研修時間 |
総研修時間 |
|
性別 |
男性 |
5.09 |
16,005 |
|
女性 |
7.75 |
4,085 |
|
|
合計 |
5.47 |
20,090 |
|
|
従業員区分 |
正規雇用労働者 |
5.85 |
20,054 |
|
有期労働者 |
0.15 |
36 |
|
|
合計 |
5.47 |
20,090 |
※㈱GSユアサにおける人事部が主催する研修の実績
※対象期間は2022年4月から2023年3月まで
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者は除きます。
※有期労働者には、契約社員、再雇用社員、嘱託社員を含みます。(派遣社員は除く)
(b)経営戦略と人事戦略の連動
激しい変化の中でますます先が見えにくい事業環境にあって、今後も持続的に成長し社会に新しい価値を提供し続けるためには、変化に対応できる「しなやかさを持つ人材と組織の確保」が必須だと考え、次のことに取り組みます。
●事業戦略に沿った人材要件の整備、適時適量・適材適所の人材確保・配置を実施
●従業員の保有スキル・能力・経験等を見える化するためタレントマネジメントを推進
●高度専門人材のキャリア採用増、M&Aによる転籍者増、従業員の就労意識変化に対応
●現行メンバーシップ型との併用による最適なしくみを構築するため、ジョブ型要素を導入
●DE&Iの推進、人材の多様性の確保
DE&Iの推進については、「
<経営戦略としての取組>
・マテリアリティ(重要なサステナビリティ課題)の事業戦略への組み込み
マテリアリティの一つとして、「多様性の尊重」に取り組んでおり、「女性管理職の割合」と「総合職に採用した新卒者の女性割合」をKPIに設定しています。当社グループは、マテリアリティを中期経営計画に組み込んだビジネスプロセスを運用することで、財務・非財務の両面で経営の質を向上させ、事業と社会の持続可能な成長の実現を目指しています。事業戦略に反映させるため、事業への影響度と事業活動が社会に与える影響度を分析・評価し、ステークホルダーのニーズ・期待や社会課題を考慮した上でマテリアリティを策定しています。
・経営におけるディスカッション
女性活躍推進のロードマップとKPIを定め、取り組みと実績を社内外に公表、経営幹部が出席する会議で定期的にディスカッションし、計画と活動状況を取締役会で報告しているほか、投資家からのESGに関する意見についても取締役会へフィードバックしています。
<KPⅠ設定の背景>
現在女性幹部社員は社外取締役の1名であり、意思決定における女性の参画促進と幹部社員となりうる人材の積極的な育成を実施するため、女性管理職割合をKPIに設定しました。
女性管理職割合を継続的に向上させるために解決すべき課題として、候補者が不足している現状があります。そのため従業員の女性割合を向上させること(現状は14.7%)、及び女性が活躍できる職場の拡大や個人が持つ多様な能力を発揮できる環境作りに注力し、中長期的な育成方針のもと管理職候補を育成し続けることを念頭に、女性の採用を強化すべく、新卒採用割合についてKPIを設定しました。
<KPⅠ達成にむけた取り組み>
・女性管理職の割合
(ア)女性活躍推進の全社活動を主導する「GSユアサみらいプロジェクト」を2018年に発足
(イ)女性取締役と女性管理職の交流会を開催
(ウ)女性リーダー社員を対象としたキャリアアップ研修の開催
(エ)幹部社員選抜研修プログラムへの女性従業員の参加促進
・総合職に採用した新卒者の女性割合
(ア)女性に特化した会社説明会や採用イベント実施による、当社グループ認知度の向上
(イ)採用ウェブサイトにおける、当社グループで活躍する女性従業員の積極的な紹介
社内環境整備方針
当社グループでは、誰もがその能力を十分に発揮し、心身ともに健康でいきいきと働き続けることが重要であると考え、働きやすさや働きがいを重視した取り組みを推進しています。従業員のメンタルヘルスとエンゲージメントを向上させる取り組みを通じて、優秀な人材の確保や労働生産性の向上による企業競争力の強化を図っています。
(a) メンタリティ・マネジメント診断の実施
2021年度からメンタリティ・マネジメント診断を導入し、従業員と組織の状態を定期的に測定しています。エンゲージメント(仕事や組織への熱意)とメンタルヘルスを掛け合わせたメンタリティ・マネジメント分析により従業員と組織の状態を年に1回測定し、結果を用いた組織改善活動のPDCAを推進しています。エンゲージメントとメンタルヘルスの双方の視点から診断し課題を明確にすることで、①従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぎ、エンゲージメントの向上をはかること、②組織の現状と課題を客観的指標で把握し、バランスのとれた改善活動による組織の活性化を狙いとしています。
今後も定期的に実施する本診断の結果を検証し “働きやすさ“と”働きがい”を重視した環境を整え、いきいきとやりがいをもって働ける職場づくりを推進します。
(b) 仕事と育児・介護の両立支援制度整備
従業員が育児や介護等に参加しやすい環境づくりを目指し、出産・育児、介護等に関する支援制度を整備しています。
マネジメント層に対する階層別研修の機会などを活用して周知徹底を図り、支援制度を男女問わずに利用できる職場づくりを目指しています。
●「仕事と育児の両立支援ハンドブック」を上司向けと部下向けに発行し、全従業員へ配布
●仕事と育児の両立に関する情報交換会の開催
(c) 健康経営への取組
企業理念である「社員と企業の革新と成長」を実現するために、すべての従業員が心身ともに健康な状態で業務を遂行し、最大のパフォーマンスを発揮できる土壌を整えることが重要と考えています。経営トップである当社社長が制定した健康経営方針に基づいて、すべての従業員及びその家族の健康管理を全社的に推進しています。
<健康経営方針>
GS YUASAは、すべての従業員と企業の「革新と成長」の実現のために、健康保険組合と連携しながら、従業員及びその家族の健康に向き合い、従業員一人ひとりがいきいきとやりがいをもって働けるよう「健康づくり」を推進します。
●生活習慣病やメンタル疾患の発症及び深刻化の予防に努めます。
●誰もがその人らしく働けるよう、仕事と治療の両立を支援します。
●健康を維持、増進するための健康づくりを推進します。
・生活習慣病の予防
・メンタル不調者の早期発見と対処及び重症化の予防
・「がん」の早期発見及び早期対処
・労働時間の適正化、ワークライフバランスの確保
・女性特有の疾病や症状に対する認識向上と予防
・感染症対策
③指標及び目標
当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
・DE&Iの推進、人材の多様性の確保
◆女性活躍推進の施策に関する重要な管理指標
|
|
目標 (2025年度) |
実績 |
||||
|
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
||
|
労働者に占める女性の割合(%) |
17以上 |
13.3 |
13.5 |
13.6 |
14.1 |
14.7 |
|
新卒総合職採用に占める女性割合(%) |
毎年30以上 |
21.3 |
24.1 |
19.6 |
27.4 |
21.2 |
|
管理職に占める女性の割合(%) |
6以上 |
2.4 |
2.5 |
2.8 |
3.5 |
3.9 |
|
リーダーに占める女性の割合(%) |
12以上 |
(*1)7.7 |
9.1 |
9.9 |
8.9 |
9.7 |
※㈱GSユアサにおける正規雇用労働者の実績
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者は除きます。
(*1)2018年度のみ係長も含む実績
社内環境整備方針
(a) メンタリティ・マネジメント診断の実施
◆メンタリティ・マネジメント診断の重要な管理指標
|
項目 |
目標 |
実績 |
|
エンプロイーエンゲージメント |
53.9 |
49.0 |
|
ストレス反応 |
53.0 |
49.7 |
|
ワークエンゲージメント |
53.9 |
50.0 |
|
メンタルタフネス度 |
54.0 |
50.4 |
※㈱GSユアサにおける正規雇用労働者の実績
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者は除きます。
※数値は偏差値を表しております。
※エンプロイーエンゲージメントは、組織に対する自発的な貢献意欲を表しております。
※ワークエンゲージメントは、主体的に仕事に取り組んでいる心理状態を示しております。
※メンタルタフネス度は、ストレス反応・エンゲージメントの双方に相関する指標です。メンタルタフネス度を高めるとストレス耐性とエンゲージメントが向上します。
(b) 仕事と育児・介護の両立支援制度整備
◆男性の育児休業取得率 管理指標
|
区分 |
目標 |
実績 |
|
男性の育児休業取得率(%) |
100 |
45.4 |
※㈱GSユアサにおける正規雇用労働者の実績
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者は除きます。
◆育児支援制度の活用状況(育児休業)
|
年度 |
女性 |
男性 |
||||
|
取得者数(人) |
取得率(%) |
復職率(%) |
取得者数(人) |
取得率(%) |
復職率(%) |
|
|
2018 |
15 |
100.0 |
100.0 |
4 |
3.6 |
100.0 |
|
2019 |
18 |
100.0 |
100.0 |
3 |
2.7 |
100.0 |
|
2020 |
14 |
100.0 |
100.0 |
9 |
9.1 |
100.0 |
|
2021 |
21 |
100.0 |
100.0 |
27 |
22.5 |
100.0 |
|
2022 |
15 |
93.8 |
100.0 |
49 |
45.4 |
100.0 |
※㈱GSユアサにおける正規雇用労働者の実績
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者は除きます。
(c) 健康経営への取組
◆「健康づくり」に対する目標値及び実績値
|
区分 |
項目 |
目標値 (2025年度) |
実績値 |
||||
|
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|||
|
定期健康診断 |
受診率(%) |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
|
有所見率(%) |
30以下 |
37 |
35 |
35 |
33 |
38 |
|
|
有所見者受診率(%) |
70以上 |
59 |
63 |
59 |
66 |
68 |
|
|
ストレスチェック |
受診率(%) |
100 |
93 |
94 |
94 |
93 |
90 |
|
高ストレス者割合(%) |
10以下 |
9 |
9 |
8 |
8 |
10 |
|
|
総合健康リスク(%) |
90以下 |
89 |
87 |
86 |
83 |
83 |
|
|
喫煙対策 |
喫煙率(%) |
20以下 |
23 |
22 |
22 |
21 |
20 |
|
婦人科検診 |
受診率(%) |
100 |
55 |
58 |
62 |
56 |
60 |
|
大腸がん検診 |
受診率(%) |
100 |
65 |
67 |
67 |
80 |
77 |
※㈱GSユアサにおける正規雇用労働者の実績
※正規雇用労働者には、他社への出向者を含み、他社からの出向者及び海外駐在員は除きます。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において当社が判断したものであります。
当社グループは、リスク管理の推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、当社グループ内のリスク管理推進施策を決定し、その推進状況を点検しております。
(1)原材料の市況変動に関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますが、鉛相場が変動した場合もただちに製品価格に反映することができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、生産体制の全体最適を推進し、さらなるコストダウンを目指すとともに、最適な供給体制を構築していきます。
(2)価格競争の激化
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、各事業を展開するそれぞれの市場において激しい競争にさらされており、当社グループにとって有利な価格決定をすることが困難な状況になっております。国内の同業他社に加え、低コストで製品を供給する海外の会社も加わり、競争が激化しているため、将来的に市場シェアの維持、拡大、収益性保持が容易でない可能性があります。これにより事業の収益性が低下した場合、固定資産の減損リスクなど当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクへの対応策としてあらゆるコスト削減、営業力強化のための諸施策を推進しております。
(3)為替レートの変動
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があり、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、通貨ヘッジ取引を行い、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
(4)国際的活動及び海外進出に関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは生産及び販売活動を日本、アジア、北米、欧州等で行っております。これらの海外市場での活動には以下に掲げるようなリスクが内在しており、これらの事象は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律又は規制の変更
②人材の採用と確保の難しさ
③未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に影響を及ぼす、又は当社グループの製品に対する顧客の支持を低下させる可能性
④テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループとしては、本部と各拠点間におけるコミュニケーション強化により、世界各地のニーズに沿った製品やサービスを迅速に提供できる仕組みを構築してまいります。
(5)環境規制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
中国の中央政府より、中国国内の鉛蓄電池メーカー及び鉛精錬メーカーに対する環境規制強化の動きがあり、当社グループ企業においても一部生産活動に影響を与える可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、環境面で果たすべき社会的責任を明確にし、持続可能な社会の実現に貢献するために、グループ全体における環境に対する取り組みの基本的な考え方を示した「環境基本方針」を制定しております。また、グループ全体における環境負荷の低減や環境汚染事故の未然防止を推進するための環境マネジメント体制を構築しております。
(6)M&Aに関するリスク
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、将来の事業拡大においてM&Aは重要かつ有効な手段であると考えております。M&Aを実施する場合においては、対象企業の財務状況等の調査や当社グループの事業への相乗効果など、様々な観点から十分に検討しております。しかしながら、事業環境の著しい変化等により、買収事業が当初の計画どおりに推移せず、投資資金の回収ができない場合やのれんに減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性を、相応に認識しておく必要があります。当社グループでは、業績モニタリングを毎月実施しております。
(7)気候変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
気候変動は国や地域を超えて大きな影響を及ぼす問題であり、世界共通の解決すべき社会課題であります。当社グループは、気候関連課題が重要な経営課題の1つであると認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明するとともに、事業活動における温室効果ガス排出量の削減を進めています。しかしながら、将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する場合には、想定以上の環境対応に関するコストの増加や風水害等による施設損害、事業活動の制限など、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
気候変動によるリスクは完全に予測することは困難ではありますが、当社グループの蓄電池技術を用いた再生可能エネルギー普及等により、社会全体の温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、今後はTCFDの提言に沿った情報開示をさらに推進してまいります。
(8)災害・事故について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
地震・風水害・大雪等の自然災害や当社グループの事業所において火災・爆発・損壊等の事故が発生した場合、不測の事態が発生するリスクが考えられます。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクへの対応策として、地震・水災・大雪対応マニュアルの構築及び「防火管理」「防災管理」の充実化に取り組んでおります。
(9)金利変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により資金調達コストが増加する可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループでは、第六次中期経営計画においては、成長投資を積極化するために有利子負債は増加することを想定しておりますが、債務償還年数については3年以内にとどめ、成長と財務規律の両立に努めてまいります。
(10)訴訟その他の法的手続について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、事業を遂行する上で、取引先や第三者から訴訟等が提起され、又は規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループでは、他社権利及び特許等の調査を継続実施し、社内での情報共有強化によりリスクの極小化に努めております。
(11)経済状況
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの製品の需要は当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、アジア、北米、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループとしては、品質重視の基本姿勢に基づいた事業運営によりお客様に安心と信頼を提供するとともに、「革新と成長」の企業理念のもと、企業価値の向上と将来の持続的成長に向けた事業基盤の構築に努めてまいります。
(12)市場環境について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っており、これらの事業の売上及び損益は各国の市場環境や景気動向に大きく影響を受けます。当社グループはトルコ共和国に連結子会社を有しておりますが、トルコ共和国では、大幅なインフレやトルコ・リラ安が進行しております。今後、インフレの継続等により、トルコ・リラ安が進行した場合、現地における海外販売、調達による債権債務・取引高のバランスによっては多額の為替差損が発生し、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループは、本部と拠点間における情報共有強化に努め、市場環境の変動リスクに対して迅速かつ柔軟に対応してまいります。
(13)サプライチェーンについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、日本、アジア、北米、欧州等で事業を行っており、サプライチェーンもグローバルに展開しております。各国・各地域におけるサプライチェーンが混乱することにより、部材の調達や、販売が滞り、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループとしては、本部と各拠点間におけるコミュニケーションの強化、生産体制の全体最適を推進し、最適な供給体制を構築していきます。
(14)情報セキュリティについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、事業活動において技術や経営、営業情報等の重要、機密情報を保有しております。情報機器の
不適切な取り扱いによる情報漏えいや、外部からのサイバー攻撃による情報流出、改ざんがあった場合、事業活動の
停止につながる恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループでは、エンドポイントのマルウェア感染などを防止すると共に、万が一に備えて、迅速に検知、対応できる体制を強化しております。また、通信の常時監視や不正接続検知システムで、不正アクセスを防止しております。従業員に対しては社内規則を遵守するよう啓発活動、教育を行う等、従業員の情報セキュリティレベルを向上するための取組みを実施しております。海外グループ会社に対しては国内の基準をもとにセキュリティ対策状況を調査し、脆弱な部分の指導に努めております。
(15)新型コロナウイルス感染症について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
新型コロナウイルス感染症は、本年5月に同感染症が感染症法上第5類へ引き下げられ、行動制限規制による社会経済活動の正常化が期待されますが、感染症が再び拡大した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。新型コロナウイルス感染症に対して当社グループでは、アルコール消毒の推奨、WEB会議システムの活用等を実施することで、感染リスクの低減に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞が緩和され、経済活動の正常化が進みました。しかし、ウクライナ情勢等に起因するエネルギーコスト増加などにより、インフレが継続しています。各国でインフレ抑制のため金融緩和政策が転換され、米国での銀行破綻が起こるなど、先行き不透明な状況が続いています。
このような経済状況の中、当社グループでは、主としてハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売数量が増加していることや、Inci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketi(以下、「IGYA社」という。)を連結化した影響に加え為替の円安影響もあり、当連結会計年度の売上高は、5,177億35百万円と前連結会計年度に比べて856億1百万円増加(19.8%)しました。これに伴い、営業利益は315億円(のれん等償却前営業利益は320億74百万円)と前連結会計年度に比べて88億35百万円増加(39.0%)しました。経常利益は持分法による投資損益の悪化や支払利息の増加等により、242億13百万円と前連結会計年度に比べて4億70百万円減少(△1.9%)しました。固定資産売却益や投資有価証券売却益等の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は、139億25百万円と、前連結会計年度に比べて54億57百万円増加(64.5%)しました。
(自動車電池)
国内における売上高は、新車用電池の販売数量が前年同期を上回り、また、新車・補修用電池ともに販売価格是正の取組を進め、878億2百万円と前連結会計年度に比べ63億7百万円増加(7.7%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、65億47百万円と前連結会計年度に比べて6億69百万円増加(11.4%)しました。
海外における売上高は、IGYA社を連結化した影響に加え為替の円安影響もあり、2,473億29百万円と前連結会計年度に比べて605億86百万円増加(32.4%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、物流費等のコスト増の影響を受けましたが、売上高増加の影響により、133億45百万円と前連結会計年度に比べて33億80百万円増加(33.9%)しました。
これにより、国内・海外合算における売上高は、3,351億31百万円と前連結会計年度に比べて668億93百万円増加(24.9%)しました。セグメント損益(のれん等償却前)は、198億92百万円と前連結会計年度に比べて40億49百万円増加(25.6%)しました。
(産業電池電源)
売上高は、大型風力発電用リチウムイオン電池の納入が前年度で終了した影響はありましたが、販売価格是正の取組を進めたことにより、992億4百万円と前連結会計年度比2億61百万円減少(△0.3%)に留まりました。セグメント損益は、販売構成の変化により、88億8百万円と前連結会計年度に比べて30億32百万円増加(52.5%)しました。
(車載用リチウムイオン電池)
売上高は、ハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売が増加したことにより、653億55百万円と前連結会計年度に比べて177億17百万円増加(37.2%)しました。セグメント損益は、19億86百万円と前連結会計年度に比べて3億31百万円増加(20.1%)しました。
(その他)
売上高は、航空機用リチウムイオン電池の販売が増加したことにより、180億43百万円と前連結会計年度に比べて12億51百万円増加(7.5%)しました。全社費用等調整後のセグメント損益は、13億87百万円と前連結会計年度に比べて8億7百万円増加(139.3%)しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は360億27百万円と前連結会計年度末に比べて101億82百万円増加(39.4%)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主たる要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払がありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加などにより、283億30百万円のプラス(前年同期は128億79百万円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得などにより、265億67百万円のマイナス(前年同期は302億4百万円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払がありましたが、借入金の増加などにより、88億26百万円のプラス(前年同期は52億3百万円のプラス)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月 1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
71,607 |
105.7 |
|
自動車電池海外(百万円) |
175,743 |
123.1 |
|
産業電池電源(百万円) |
65,456 |
90.3 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
67,908 |
130.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
380,715 |
113.7 |
|
その他(百万円) |
14,565 |
103.5 |
|
合計(百万円) |
395,280 |
113.3 |
(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、大型蓄電池及び大型電源装置等の一部を除き、主として見込生産を行っておりますので、受注高及び受注残高について特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2022年4月 1日 至 2023年3月31日 |
前年同期比(%) |
|
自動車電池国内(百万円) |
87,802 |
107.7 |
|
自動車電池海外(百万円) |
247,329 |
132.4 |
|
産業電池電源(百万円) |
99,204 |
99.7 |
|
車載用リチウムイオン電池(百万円) |
65,355 |
137.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
499,691 |
120.3 |
|
その他(百万円) |
18,043 |
107.5 |
|
合計(百万円) |
517,735 |
119.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載しております。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、棚卸資産や売上債権、現金及び預金の増加やIGYA社の新規連結により、5,409億6百万円と前連結会計年度末に比べて601億43百万円増加しました。
負債は、借入金の増加やIGYA社の新規連結により、2,700億16百万円と前連結会計年度末に比べて391億92百万円増加しました。
純資産は、配当金の支払がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加や為替レートの変動による為替換算調整勘定の増加などにより、2,708億90百万円と前連結会計年度末に比べて209億51百万円増加しました。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しく、とりわけ各事業分野での激しい価格競争が続いております。また、当社グループの主要製品である自動車用鉛蓄電池の販売数量は、季節の変化、特に(冷夏、暖冬など)気候の変化による影響を大きく受けます。一方、コストの面では、当社グループの主要製品である鉛蓄電池は、主要原材料に鉛を使用しておりますので、この鉛価格の変動は製造コストに影響を与えます。
また、インフレが継続することにより、上期を中心に不透明な状況が継続すると見込まれます。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況 」に記載のとおりです。
b.資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
c.財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。
営業キャッシュ・フロー及び手元資金を中長期的な成長のための投融資、成長を支えるための財務基盤の強化、適正な株主還元、これらにバランス良く配分し企業価値の向上を図ってまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
46.8 |
44.8 |
42.6 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
56.0 |
39.2 |
35.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.0 |
7.0 |
4.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
43.75 |
13.61 |
8.60 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成の状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、「第五次中期経営計画」において連結売上高4,600億円以上、営業利益280億円以上、ROE(のれん等償却前純利益)8%以上、総還元性向30%以上を2023年3月期最終目標に設定し収益性や資産効率の向上に取り組んでまいりました。
2023年3月期実績は、連結売上高5,177億円、営業利益315億円となり目標を達成しました。ROE(のれん等償却前純利益)6.5%、総還元性向27.9%で目標未達となりましたが、第五次中期経営計画を通じた平均の総還元性向は33.1%となり、30%以上を確保しております。引き続き第六次中期経営計画の目標達成に向け総力を挙げて努めてまいります。
(セグメント別の状況)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 」に記載のとおりであります。
当社の連結子会社である株式会社GSユアサ(以下、GSユアサ)は、本田技研工業株式会社との間で、高容量かつ高出力なリチウムイオンバッテリーに関する協業に向けた基本合意を締結し、具体的な協議を進めてまいりました。
GSユアサは2023年4月24日の取締役会にて両社の合弁会社設立について決議し、合弁契約を締結いたしまし
た。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当社グループは、自動車電池、産業電池電源、車載用リチウムイオン電池、その他の事業について、基盤技術から製品・製造技術に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。
自動車電池の研究開発は、国内においては、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、㈱GSユアサ エナジーの技術開発部門などがそれぞれ実施しております。また、海外においては、海外生産拠点の技術開発部門、㈱GSユアサの技術開発部門、自動車電池技術部、GS Yuasa Asia Technical Center Ltd.などがそれぞれ実施しております。産業電池電源の研究開発は、㈱GSユアサの技術開発部門、産業電池生産本部技術部、電源システム開発本部、電源システム生産本部技術部、㈱GSユアサ ライティングサービス、㈱ユアサメンブレンシステムの技術生産部などがそれぞれ実施しております。車載用リチウムイオン電池の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ブルーエナジーの技術開発部などがそれぞれ実施しております。その他事業の研究開発は、㈱GSユアサの研究・技術開発部門、㈱ジーエス・ユアサ テクノロジーの技術部などがそれぞれ実施しております。
当連結会計年度における研究開発費は
当連結会計年度における各事業別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)自動車電池
自動車電池においては、国内、海外における自動車用鉛蓄電池、二輪車用鉛蓄電池に関する研究開発を実施しております。
国内自動車用鉛蓄電池の分野では、補修市場向けのEN電池シリーズにおいて、水の電気分解で発生した水素と酸素を再結合させる触媒によって、更なる減液抑制を達成できる技術を開発し、補水メンテナンスの軽減と耐久性向上を実現した電池を2023年6月から販売しております。
国内二輪車用鉛蓄電池の分野では、レジャー用バイク、一般生活用のコミューターバイクなど、各車両用途に適応した新技術の開発を進めております。二輪車においてもアイドリングストップ車やハイブリッド車などの環境対応車両への関心が高まってきており、当社グループの高い耐久性能と充電受入性能を実現した二輪車用鉛蓄電池が採用されております。また、これら環境対応車両に求められる特性を更に強化した二輪車用鉛蓄電池の開発は、海外拠点と協調して開発を進めております。
海外自動車用鉛蓄電池の分野では、海外で生産及び使用される充電制御車、アイドリングストップ車や電動車化に対応する鉛蓄電池の製品・製造技術の開発を推進しております。トルコのInci GS Yuasa Aku Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiにおいて、欧州市場向けの高性能始動用鉛蓄電池「YBX5000」シリーズ、アイドリングストップ車用鉛蓄電池「YBX7000」シリーズに加えて、AGM「YBX9000」シリーズのLN系5品種についても販売を開始しました。
海外二輪車用鉛蓄電池の分野では、欧州市場において自動車用補機電池(12V電源用途)が拡大しており、GYAUXシリーズとして品種拡大/市場投入を推進しております。今後も大きな成長が見込まれるインド市場向けには、アイドリングストップ車用に加えて、ハイブリッド車用の制御弁式鉛蓄電池を開発し、品種の拡大と新車提案を進めています。更に、性能面で選ばれるGY電池という市場イメージに加えて、原材料費変動に強く生産効率にも優れた、コスト競争力のある製品開発についても推進しております。
この分野に係る研究開発費は、
(2)産業電池電源
産業電池及び電源装置事業では、産業用鉛蓄電池、電源装置、太陽光発電用パワーコンディショナ、産業用リチウムイオン電池、照明、環境関連機器に関する研究開発を実施しております。
産業用鉛蓄電池の分野では、データセンタ用途や5G基地局用途向けに、短時間バックアップ性能を大幅に向上させた製品の開発、および高温耐久性向上による蓄電池設備の空調節電を可能とする環境配慮型製品の開発に取り組んでおります。現在、量産化に向けた試作および評価を進めており、今後、製品ラインナップの拡充を計画していきます。また、サイクル性能を向上させた製品を展開し、停電が多いアジア・アフリカ地域の通信や発電機・太陽光併設の新エネ向け需要に対して、更なる顧客獲得を目指しております。
電気車用鉛蓄電池の分野では、バッテリー式フォークリフトの需要が増加しているASEAN地域への拡販を目指して、タイ工場において、新規の技術・部材活用による市場ニーズに適した製品開発に取り組んでおります。現在、量産化に向けた試作および評価を進めており、今後、フォークリフト用鉛蓄電池の製品ラインナップの拡充を計画していきます。
日本国内では、フォークリフト用鉛蓄電池において、保守作業時の補水性能などを従来品より大幅に向上させた新型の一括補水装置を開発し、海外工場への展開とあわせて、今年度より販売を開始しております。
電源装置分野では、単相系統連系システム「単相ラインバックαⅤ」を開発しました。太陽光発電用単相PCSとして業界最高効率となる96.0%を達成し,完全冷却ファンレス設計を実現しました。また、防水・防塵性能として、IP66を達成し、業界最高峰の耐環境性能を実現しました。さらに、通信プロトコルにエネルギーマネジメントプロトコルを実装し、JET認証およびAIF認証を取得しました。これにより、柔軟な電力制御が可能となり、系統安定化やVPPといったエネマネ市場にも適用可能となります。昨年度の「三相ラインバックαⅤ」に続いてラインアップを拡充することにより三相・単相どちらの電力系統にも連系できるようになり、カーボンニュートラルを実現するための重要アイテムである「再エネ」を最大限に利用することが可能となります。
昨年度に開発した当社製蓄電池併設型太陽光PCS「ラインバックマイスター」とEV充放電器「VOXSTAR」を組み合わせたV2X(Vehicle to Everything)エネルギーソリューション「EVOXシステム」に新たに連系時EV放電機能を追加しました。従来のピークデマンドの削減用途やBCP用途に加え、パワーコンディショナー(PCS)のエネルギーマネジメントプロトコルを活用することにより、EVのバッテリーを系統安定化に利用することが可能になりました。
加えて電源装置分野では、中長期を見据え「小型化・高効率」をテーマに研究開発を行っております。回路技術では変換効率99%の電力変換器の開発、制御技術では電力会社との共同研究を実施しています。また、カーボンニュートラルの観点から環境負荷を減らすため開発効率の向上と共通部材の使用率の向上をするために、最新のシミュレーション技術を導入しフロントローディング設計やモジュラー設計に取り組んでいます。以上のような技術を取り入れた製品として2022年度はユニット並列冗長方式UPS、MLUシリーズ(10kVA~50kVA)、高効率48V-25Aモジュールとそれを使用した25A、50A整流器ユニットを発売しました。
産業用リチウムイオン電池分野では、従来セルよりエネルギー容量を15%、寿命性能を8%改善した新セル「LEPS-2」を採用した「コンテナ式LEPS-2蓄電システム」を開発しました。少量危険物範囲内で2.1MWh容量を達成し、高い安全性を確保しています。また、弊社独自の遠隔監視による解析・診断、保守・保全、容量保証の各種サービスを取り揃えた「STARELINK®サービス」にも対応し、モノ・コト両面でユーザー便益を最大化します。太陽光や風力発電の変電吸収など系統安定化需要に加え、各種電力取引市場に対する需要にも備え、拡販体制を整えていきます。
照明分野では、「省エネ」+「省資源」をキーワードに独自性のある研究開発を進めております。2022年度は隧道向けにユニット交換方式を採用したLED照明器具の販売を開始しました。市場にて高い評価を頂いており、今後もバリエーションの拡大を計画しています。
この分野に係る研究開発費は、
(3)車載用リチウムイオン電池
車載用リチウムイオン電池事業では、㈱ブルーエナジーで生産を行うHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池、㈱リチウムエナジージャパンで生産を行うEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)用リチウムイオン電池の開発を実施しております。さらに車載用12Vリチウムイオン電池に関しても積極的な開発を進めております。
HEV用リチウムイオン電池においては、ブルーエナジーの第2工場が昨年稼働開始し、年間5,000万セルの生産能力まで拡大しました。2020年代後半に向けては、年間7,000万セルまで拡大させる予定で、2030年頃までは伸びると予測されているHEV用リチウムイオン電池の需要に対応する体制を整えていきます。
BEV用リチウムイオン電池においては、2023年5月に公表のとおり、本田技研工業株式会社(以下「Honda」)と高容量・高出力なリチウムイオンバッテリーに関する協業に向けた新会社設立に関する、合弁契約を締結しました。また、Honda、当社およびブルーエナジー3社は、高容量・高出力なリチウムイオン電池の開発・量産にむけた「蓄電池に係る供給計画」において、経済産業省の認定を受けました。今後拡大が見込まれる国内でのバッテリー需要に対応するとともに、産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換するグリーントランスフォーメーションに貢献してまいります。
将来の事業に向けたポストリチウムイオン電池の研究開発については、昨年4月よりNEDOグリーンイノベーション基金事業「次世代蓄電池の開発プロジェクト」に採択され、独自開発の高性能固体電解質を活用した全固体電池の実用化に向けて開発に取り組んでおります。昨年9月には、大阪公立大学との共同研究開発を開始し、より一層の開発加速を図っております。研究開発成果の対外発表として、「SiO負極を備える300 Wh kg-1級高エネルギー密度リチウムイオン電池の開発」を6月発行のGSユアサテクニカルレポートに掲載しました。
この分野に係る研究開発費は、
(4)その他
その他事業では、航空宇宙用リチウムイオン電池に関する研究開発を実施しております。
航空用途では、米国ボーイング社787型機に搭載されるリチウムイオン電池を納入中です。宇宙用途では、液体燃料ロケット「H-ⅡA」および「H3」に当社のロケット用リチウムイオン電池を納入しております。また、衛星用途では、宇宙ステーションのバックアップ電源をはじめとし、準天頂衛星システム「みちびき」など、数多くの衛星に搭載されております。当社の電池は現在までに200機以上の人工衛星や宇宙ステーション補給機などの宇宙機に搭載されており、軌道投入容量で世界トップクラスを維持しています。
2019年から継続実施しているNEDO航空機用先進システム実用化プロジェクトにおける軽量なリチウム硫黄電池の研究開発については、計画どおりに開発を進めております。
環境関連機器の分野では、膜分離システムの小型化に取り組んでおり、これまで環境への関心が低かった小規模工場や農業用途に向けた小型膜分離ユニットの実証試験を進めています。拡大する環境負荷低減市場に対応した新規膜製品の拡充を進めております。
この分野に係る研究開発費は、