文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、2022年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画(以下、「現中期経営計画」という)等において発表の通り、既存ビジネスであるパソコンやモニタ、その他周辺機器等の事業拡大に引き続き注力しつつも、「取扱うハードウェアの多様化」に加え「ハードウェアに関連する各種サービス事業への進出」の2軸での成長を長期的な経営ビジョンとして掲げております。

(2)目標とする経営指標
当社は、現中期経営計画において、持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、5つの指標を経営上重要視する指標として採用しております。これらの指標管理を通じて、既存及び新規事業における収益性管理、投下資本に対するリターン、資本効率を意識した経営を行い、既存事業及び新規事業・投資に係る事業ポートフォリオ管理を行うとともに、持続的な株主還元の強化を図ってまいります。

(3)経営環境及び対処すべき課題
パソコンを含むハードウェア全般を取り巻く環境は、ユーザーニーズの多様化を始めユーザーにとっての選択肢の充実やハードウェアに参入する企業の多様化等により、以前よりも複雑化しております。
その様な中、当社グループとしましても、パソコン市場のみの動向にとらわれず、パソコンをハードウェアの一部として捉え、多様化・複雑化するハードウェア市場全般に如何に対応していくかを考える必要があると認識しております。
また、コンテンツやソフトウェア等の利用用途により必要とされるハードウェアの種類や形態が変化する動きもある中で、ハードとソフトの相互依存関係はこれまで以上に高まっております。
そのため、当社グループはハードウェア全般の動きを注視するとともに、関連するコンテンツやソフトウェアの動向にも今まで以上に注意を払うべきであると考えております。
その様な経営環境認識に基づき、当社グループは今後の長期的な事業の方向性として、当社グループにて取扱うハードウェアの種類の拡充による既存のパソコンを中心とするハードウェア事業の強化及びハードウェアと親和性の高い新規領域であるコンテンツ等のサービス分野の強化を掲げ、ハードウェア及びサービス分野双方からの相乗効果による企業価値の最大化を目指しております。
現中期経営計画においては、その事業を取り巻く環境が以前よりも悪化する事を想定し、「着実な事業拡大に向け、成長と投資のバランスを図るフェーズ」として位置づけ、「前中期経営計画において高まった既存事業の収益性の維持と収益基盤の強化」及び「高めた収益を将来の成長の為の基盤作りに投資する」という事を事業運営の指針として経営に邁進してまいりました。具体的には、事業を取り巻く環境が以前よりも悪化すると想定される中においても、既存事業の成長基盤を強固なものとし、着実な稼ぐ力の向上と持続的な収益基盤の確立を図ると共に、将来の成長の為の投資においては、事業セグメントとしては長期的な経営ビジョンを念頭に「製品・サービス軸」の強化及び「バリューチェーン軸」の強化という2つの切り口において、日本のみならず、既に事業基盤のある欧州や東南アジア地域を始め、グローバルな視点でM&Aやアライアンス戦略を駆使してグループとしての成長を模索してまいります。
その様な目指す事業の方向性及び実行手段を鑑みた際に、当社グループとして重点的に取り組む課題は、以下のとおりとなります。
① 経営管理全般に係る課題
当社は、個々の事業会社の集合体としての側面と事業会社を束ねる持株会社としての側面の両方を兼ね備えており、前者においては収益性の管理を、また後者においては既存及び新規の事業ポートフォリオ管理を如何に効率的に行うかという、両側面でのバランスを取る事が求められます。そのため、当社は持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、5つの指標(営業利益率、ROIC、ROE、配当性向、DOE)を経営上重要視する指標(以下、「重要指標」という)として採用しております。これらの指標管理を通じて、既存及び新規事業における収益性管理、投下資本に対するリターン、資本効率を意識した経営を行い、既存事業及び新規事業・投資に係る事業ポートフォリオ管理を行うとともに、持続的な株主還元の強化を図ってまいります。
そのために、グループ各社の収益性管理の更なる強化、適切なバランスシートマネジメント、将来を見据えた資本政策に加え、今後立案・実行するM&A等においても、現中期経営計画に掲げる戦略的方向性を前提としつつ、重要指標を念頭に置いた綿密な計画に基づく実行及び管理の下に推進してまいります。
② 事業環境等に係る課題
当社グループは日本、欧州及び東南アジアにおいて事業を展開しており、各国及び地域における景気や企業業績、個人消費動向等の経済環境の他、各国における自然災害等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度及び現時点においても新型コロナウイルス感染症の拡大による事業環境の変化や、2019年10月に発生した台風19号の影響等、事業規模及び事業展開エリアの拡大と共に世界各国における様々な経済環境・自然災害等の影響への対処がより一層求められております。
現中期経営計画において、「成長と投資のバランスを図る」中での「基礎収益の維持・拡大」を掲げておりますが、まさにこの様な事業環境の悪化を受けても、迅速な経営の意思決定を通じてその影響を最小限に抑え、尚且つその中においても将来の事業拡大の糧となりうる活動については出来る範囲で継続し、「守り」である短期的な対処策と、「攻め」である長期的な目線の双方のバランスをとりつつ、事業運営を行ってまいります。
③ 中長期ビジョンの実現に向けたM&A・ベンチャー投資等のアライアンス戦略に係る課題
当社グループの既存事業強化又は既存事業とシナジーを見込める企業群とのアライアンス推進にあたっては、既存事業の現在の状況及び今後の方向性に基づいた注力すべき事業領域の明確な設定に加え、対象となる企業のソーシング活動の強化、案件の見極め、既存事業との連携強化の推進、収益性・採算性管理の強化等が常に求められます。そのため当社では現中期経営計画において、向かうべき方向性やそれに基づく投資方針を明確化するとともに、各事業における課題抽出や成長機会の模索を定期的に行い、現中期経営計画の方針に沿ったテーマの設定を行うとともに、上記①において掲げる重要指標を念頭に今後のアライアンス戦略の立案等を行ってまいります。
④ 事業推進にあたっての人材の確保・育成に係る課題
当社グループが現在その事業の中核に据えるハードウェアはもとより、今後の強化領域であるコンテンツ等のサービス分野においても、その事業活動は国内にとどまらず、競争環境やイノベーションの芽はグローバルレベルで考慮する必要があります。
その様な中、グローバルな事業展開及び情報収集を支えるためのグローバル人材の確保・育成に注力するとともに、多様な人材がより一層活躍できる環境と体制の整備を進めてまいります。
また、当社の事業領域が今後も拡大していくことを鑑みて、併せて次世代を担う経営人材の強化・育成にも注力してまいります。
⑤ 各セグメントにおける課題・取組み
<パソコン関連事業>
パソコン関連事業においては、ユーザーニーズや技術・価格動向をいち早く察知する情報収集能力、そしてそれらの情報を瞬時に製品に反映する経営のスピード感と柔軟性が求められます。
また、パソコンのコモディティ化が進む現状においては、ユーザーニーズ等の見極めに加え、他社製品との明確な差別化が必須であり、製品面、ブランド面の双方において認知度の向上による顧客層の拡充やマーケットシェアの拡大にも、積極的に取り組む必要があると認識しております。
(パソコン本体の製造・販売)
パソコン本体の国内販売市場は成熟化が進行し、競合他社・競合製品が依然として多いことから、パソコン製造・販売を行う子会社においては、ユーザーニーズや技術動向を常に把握するとともに、価格・性能・品質・外観に加え、顧客サポート体制の拡充といった各要素のトータルバランスを常に考慮し、競合他社・製品に対して総合的な差別化を図っていく必要があります。
当社グループのBTOメーカーとしてのメリットやこれまで培ってきた経験を最大限に活かし、革新的な製品、ユーザーニーズにあった製品をタイムリーに投入する体制を今後も維持・強化してまいります。
(パソコンパーツの卸売・販売)
パソコンパーツは技術革新が早く、市場投入後、時間の経過とともに価値が減少していく傾向があるため、市場動向を見極め、必要な商材をタイムリーに、かつロスなく調達するとともに、各販売先とのリレーションを密にし、鮮度の高い時期により多くの数量を販売できる体制を確保する必要があります。
各種販売ツールの提供や販売イベント等、各販売先における取扱商材の訴求力向上を支援するとともに、法人顧客を始めとする安定的な販売先の獲得、粗利率の向上に向け、営業努力を重ねてまいります。また、価格競争を避けるべく、本事業においては独自製品の開拓・販売が重要な要素となっていることから、継続して新規商材や当社オリジナル商材の発掘及び開発に注力してまいります。
(モニタの開発・販売)
モニタ市場においても、パソコン本体と同様に成熟化が進行していることから、価格・性能・品質・外観等のトータルバランスを考慮しつつ、競合他社・製品に対して総合的な差別化を図る必要があります。
また、欧州地域においては、欧州経済の動向や地政学的なリスクを十分に考慮し、各地域における需要動向及びトレンドを見極めながら事業を展開していく必要があります。
ブランド認知度の更なる向上を目指しつつ、汎用モニタを始め、産業用タッチパネルモニタ及びデジタルサイネージ製品の販売網を拡大し、引き続き収益の安定化、多様化を図ると共に、欧州地域の景気動向等を見極めつつ適宜地理的な拡大にも注力してまいります。
<総合エンターテインメント事業>
総合エンターテインメント事業においては、主に「aprecio」ブランドで、カラオケ、ビリヤード、ダーツ等の設備を併設した複合カフェ店舗の運営及び「MIRA fitness」ブランドによる24時間フィットネス事業並びにホテル運営事業等を行っておりますが、主力となるいわゆる「ネットカフェ」業界は縮小傾向にあり、競合他社との差別化や、集客数の安定的確保が課題となっています。
各地域や店舗ごとに顧客の年齢層やニーズが異なるため、会員情報に基づくマーケティング活動を効果的に実施し、地域特性や店舗立地に応じたサービスの展開や顧客属性に即したコンテンツの拡充を行うこと等で顧客満足度の向上を促し、新規顧客の獲得及び会員顧客のリピート率向上に繋げてまいります。
また、その一方で収益の多様化や収益基盤の強化に向け、引き続き24時間フィットネス事業等、自社の持つ強みである、会員ビジネスに係るノウハウや店舗運営能力を活かした新規事業の模索による新たな収益源の確立にも注力してまいります。
上記の他、当社及び当社グループの事業運営上想定されるリスク要因を常に考慮し、迅速な意思決定に基づく効率的経営を行い、当社グループの企業価値の最大化に向けて邁進してまいります。
当社及び当社グループの事業運営上、想定される事業等のリスクは以下のとおりです。なお、以下の各項目は、投資判断上、或いは当社グループの事業活動をご理解いただく上で重要と考えられる事項を、積極的な情報開示の観点から記載しております。また、以下の各項目における将来に関する事項については、2020年6月24日時点において当社で想定される範囲で記載したものであり、当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。
① 持株会社として連結子会社の事業等のリスクを包括的に抱えることのリスク
1) 原材料の調達について
当社グループの製造事業にとって十分な品質の原材料、部品等をタイムリー且つ必要数入手する事は不可欠です。パソコン製造・販売子会社のBTO方式による販売においては、月単位でパソコンパーツの価格を改定し、製品販売価格へ反映することが可能であるため、パソコンパーツの価格変動に対する抵抗力をある程度有しておりますが、急激な原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には原価上昇リスクや部材確保未達による製品出荷の遅延リスクが、又、販売見込の錯誤又はパーツメーカーによる突発的な価格改定によって未消化在庫を抱える場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2) 為替対策について
海外の仕入先から調達を行う子会社においては、外貨建金銭債権債務等の為替変動リスクのヘッジを目的とする為替予約取引、及び借入金等の金利変動リスクの回避を目的とするスワップ取引等を行っており、円高・円安を問わず、急激な為替変動によって契約金額と時価とに大幅な乖離が生じた場合には、一定の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3) 取引先の経営破綻について
当社グループ製品の販売は特定の取引先に依存しておらず、各子会社においては、主要な取引先について信用状況を適宜確認するとともに、リスク回避のため必要に応じて取引信用保険に加入しておりますが、主要な取引先が予期せずして経営破綻した場合には、売上債権の全額又は一部を回収できなくなるおそれがあるほか、当該取引先に対する将来の売上が見込めなくなるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4) 取引先の業界再編について
パソコン製造・販売子会社においては、複数の家電量販店向けに独自仕様のOEM製品を納入しており、又パソコンパーツ販売子会社においても複数の家電量販店と取引を行っておりますが、家電量販店業界の再編加速により、他社製品を優遇する家電量販店へ支配権が移行した場合には、当社グループ製品の取扱いを中止されるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
5) 店舗展開について
複合カフェ運営子会社及びパソコン製造・販売子会社の一部においては、日本全国の都市部を中心に店舗展開をしておりますが、店舗の確保は建物賃貸借契約を中心としております。従って、賃貸人の財務状況の悪化等により、貸主としての義務を果たせなくなった場合には、保証金、敷金の全額又は一部を回収できなくなる可能性があります。また、店舗の収益性が悪化し、閉店することとなった場合には、閉店に伴う損失が業績に影響を与える可能性があります。なお、店舗の新規出店を行う場合、大規模小売店舗立地法に基づいて出店調整を受ける場合がありますが、現時点で法的規制は受けておらず、規制対象となる店舗の出店予定も現時点ではありません。
6) 基幹システムについて
パソコン製造・販売子会社におけるBTO方式による受注システムは、自社開発の基幹情報システムによって構築されております。販売数量の増加や販売事務の多様化に対応するために、適宜システムの改修を行っておりますが、改修の遅延や改修前又は改修後システムトラブルが発生する場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7) インターネットを使用した犯罪について
複合カフェ運営子会社は、各店舗においてインターネット環境の提供サービスを行っておりますが、インターネットは情報収集やコミュニケーションツールとして非常に優れた側面がある一方で、その匿名性を悪用した詐欺行為、個人・社会に対する誹謗中傷又は迷惑メール等の犯罪や不法行為が行われ、社会問題に発展する場合があります。万が一、各店舗におけるインターネットの使用が重大事件に発展することとなった場合には、通常営業に支障をきたし、また、更なる規制強化によって利用客が減少するおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
8) 顧客情報の管理について
当社グループは、顧客の個人情報の管理について、個人情報の保護に関する法律に従って情報管理体制の整備及び役職員への教育指導等を随時行い、情報漏洩防止に努めておりますが、情報漏洩の発生を完全に防止できない可能性があります。万一、情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信用力低下並びに損害賠償請求を受けるおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
9) 法的規制等について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、その製造・販売にあたり、製造物責任法、電気用品安全法、消費者契約法、特定商取引に関する法律その他法令の適用或いは規制を受けており、また、複合カフェを運営する子会社及びホテル事業を行う子会社においては、旅館業法、食品衛生法、風俗営業法、消防法、並びに各都道府県の条例等による規制を受けております。当社グループでは、各種法令の遵守体制には万全を期しておりますが、万一、発火・発煙・爆発・有毒ガス発生等の事故若しくは食中毒等を引き起こし、又は法令違反が重大な争訟問題に発展した場合には、営業許可の取消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられることがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが現に規制を受けている各種法令又は条例等が改正又は変更され、或いは新法や新条例の制定等により当社グループの事業活動がなんらかの制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
10) 製品の欠陥等、製造物責任について
パソコン、モニタ、その他の精密機器を製造する各子会社においては、製品の品質安定に細心の注意を払っておりますが、製品及び使用している部材等の予測不能な欠陥又は不具合により、納入先顧客から損害賠償を請求される可能性があります。また、製造物責任法に基づく損害賠償請求に対しては、一定額の損害保険に加入し、リスク回避策を講じておりますが、市場における顧客からの信頼を大きく損なった場合や、補償額を超える損害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
11) 知的財産権について
当社グループ各社が取扱うパソコン、モニタ、その他の精密機器には、最先端の技術を用いた部品が数多く採用されておりますが、知的財産権の適用範囲が多岐に渡っているため、当社グループの製品又は技術が結果的に他社の知的財産権を侵害している可能性があります。当社グループは、侵害行為による紛争が生じないよう細心の注意を払っておりますが、想定外の訴訟が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
12) 自然災害、感染症等に関するリスクについて
当社グループでは、地震等の自然災害等に関する各種対策を実施しておりますが、大規模災害や新型コロナウイルス感染症等の感染症、伝染病の流行等による不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 持株会社としてのリスク
1) 有能な人材の確保について
当社は、純粋持株会社としてグループ子会社の統括・運営を行っております。効率的かつ合理的な子会社の統括・運営にはマネジメントスキルに優れた管理要員が必須となりますが、グループ内における人材育成や外部からの人材登用等が計画通りに進まず、適正な人材配置が困難となった場合、あるいは業務依存度の高い人材を複数名流出させてしまった場合には、円滑なグループ経営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2) M&A等にかかるリスクについて
当社グループは事業環境に即応するためにM&A等による新規事業への進出、既存事業の強化、及び関連技術の獲得等を行っており、これらを経営の重要課題として位置付けております。M&A等の実施にあたっては、対象企業の成長性、財務内容、契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを検討した上で決定するよう細心の注意を払っておりますが、統合後の偶発債務発生や新たな潜在リスクの判明等、事前調査では把握し切れなかった問題が生じた場合、又は市場・競争環境の劇的な変化等、統合後の事業計画が想定どおりに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、統合により当社グループが従来関与していない新規事業が加わる場合には、その事業固有のリスク要因が、包括的に持株会社のリスクとなります。
3) カントリーリスクについて
当社グループが事業展開する国や地域において、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的要因及び経済的要因の悪化並びに法律又は規制の変更等、外的要因によるカントリーリスクが当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、戦争、紛争、テロ、デモ、ストライキの勃発や、政情不安、通貨危機、輸出入規制の変更、人件費、物価等の大幅な上昇、経済制裁の発動、伝染病の流行等により、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、又は投資の回収が遅延する、若しくは不可能となる等、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の堅調さや企業の設備投資の底堅さを背景に景気は引き続き回復基調で推移しておりましたが、一方で米中貿易摩擦による緊張の長期化や海外の政治情勢の不安定さが継続している中、新型コロナウイルス感染症の蔓延が世界的な脅威となっており、日本においても東京五輪・パラリンピックの延期、緊急事態宣言の発出等、状況は時々刻々変化しており、今後の国内外における経済の先行きは極めて不透明な状況となっております。
当社グループの属するパソコン市場は、引き続き、個人向け法人向けとも大幅に伸長したこと等から、前年同期比で出荷台数は28.1%増加、出荷金額についても26.9%の増加となりました。
当連結会計年度第3四半期までは「Windows 7」のサポート終了に伴う買い替え需要等で市場全体が好調に推移する中、当社グループは、市場における需給を鑑みて台数ではなく利益の取れるセグメントに注力する営業を行ってまいりました。
その過程で、2019年10月15日付「台風19号による影響に関するお知らせ」及び2019年11月26日付「台風19号による影響に関するお知らせ(第二報)」でお知らせいたしましたとおり、外部委託先の施設浸水の影響により生産能力の一部に影響が出た事や、新型コロナウイルス感染症の発生に伴う調達等への影響が一部で発生したものの、代替生産施設の迅速な立ち上げ等を通じてその影響を最低限に抑えるべく全社を挙げて対応に取組んでまいりました。
また、当連結会計年度第4四半期においては、「Windows 7」更新需要のひと段落に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の悪化に直面いたしましたが、その中でも底堅いニーズとして顕在化するであろう法人のリモートワーク需要や個人の巣ごもり消費需要等を積極的に開拓するべく、対応製品の投入に加え広告宣伝の強化を迅速に実施し、パソコン市場全体が対前年比マイナスで推移する中、当社グループは大きく出荷台数を伸ばす事で引き続き高い成長を維持する事が出来ました。
<国内パソコン出荷台数増減率の推移>

これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は153,734百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は13,706百万円(同41.5%増)、経常利益は13,785百万円(同42.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,527百万円(同13.1%増)となり、売上高、各利益の全てにおいて上方修正した業績予想を上回り、4期連続で過去最高を更新する結果となりました。
<2020年3月期 連結業績推移グラフ>

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(パソコン関連事業)
普及モデルの「mouse」ブランドパソコン、高付加価値・特化型製品であるクリエイター向けパソコン「DAIV」、ゲーミングパソコン「G-Tune」等のBTO(受注生産)パソコン及び完成品パソコンの製造・販売、並びに「iiyama」ブランドによる汎用、デジタルサイネージ、タッチパネルの欧州におけるモニタ販売を中心に、マーケットニーズを的確に汲み取り、新製品・新サービスの投入を行うことで、積極的に事業を展開してまいりました。
国内パソコン関連事業におきましては、引き続きパソコン用CPUの供給に関する懸念が継続しているものの、2020年1月の「Windows 7」のサポート終了等によりマーケット全体の需要が堅調に推移する中、マーケットニーズに合致した高付加価値・特化型のハイスペックパソコンの積極的な販売や、知名度向上によるマーケットシェアの拡大を狙い2017年3月期より継続的に実施しているテレビCM、Web広告等の広告宣伝効果に加え、とりわけ利益率の高い製品販売に注力することにより、個人向け法人向け共に大きく伸長いたしました。
また、新型コロナウイルス感染症に伴うリモートワーク需要等に向け、第4四半期においても大規模な広告宣伝キャンペーンを実施する等、積極的なセールスプロモーションを展開し需要開拓に努めました。欧州におけるモニタ販売事業においても、欧州経済の不透明感はあるものの高い利益率を維持し堅調に推移いたしました。
以上の結果、当事業における当連結会計年度の売上高は149,836百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は14,262百万円(同42.5%増)となりました。
(総合エンターテインメント事業)
「aprecio」ブランドによる複合カフェ店舗の運営や「MIRA fitness」ブランドによる24時間フィットネスジムの運営等を行っております。新規事業として出店を強化している24時間フィットネス事業が堅調に推移し、当連結会計年度の売上高は3,922百万円(前年同期比11.4%増)となったものの、24時間フィットネス事業の新規出店に係る初期投資負担及び第4四半期に入り顕在化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響による各種提供サービスの利用者数の減少等により、98百万円の営業損失(前年同期は119百万円の営業利益)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は77,248百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,213百万円の増加となりました。
これは主に、現金及び預金が23,957百万円(前連結会計年度末21,328百万円)と2,628百万円増加したこと、たな卸資産が24,698百万円(同22,355百万円)と2,343百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は33,054百万円となり、前連結会計年度末と比較して654百万円の減少となりました。
これは主に、買掛金が10,276百万円(前連結会計年度末9,974百万円)と302百万円増加したものの、借入金が10,926百万円(同14,776百万円)と3,849百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は44,194百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,867百万円の増加となりました。
これは主に、為替換算調整勘定の減少によりその他の包括利益累計額が△667百万円(前連結会計年度末33百万円)と700百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が31,608百万円(同26,092百万円)と5,516百万円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出や借入金の純減等の減少要因があったものの、営業活動による資金獲得等や投資有価証券の売却等の増加要因があったことにより、前連結会計年度末に比べ2,619百万円増加し23,820百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は10,579百万円(前連結会計年度比158.4%増)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加額2,579百万円(前連結会計年度比4.2%増)や法人税等の支払額3,895百万円(同8.9%増)等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益11,836百万円(同23.8%増)、未払金の増加額1,164百万円(同275.4%増)等の増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は2,017百万円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入987百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出1,637百万円(前連結会計年度比55.2%増)、投資有価証券の取得による支出1,160百万円(同474.7%増)があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は5,706百万円(前連結会計年度は1,506百万円の獲得)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入2,500百万円(前連結会計年度比64.8%減)があったものの、短期借入金の純減額4,000百万円(前連結会計年度は1,400百万円の純増)や長期借入金の返済による支出2,349百万円(前連結会計年度比54.4%減)、配当金の支払額2,008百万円(同14.8%増)があった等によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、主にM&Aに係る費用や一部の子会社の設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、内部資金又は金融機関からの借入等により資金調達することとしております。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は持続的な企業価値の向上につながる収益性の管理に加え、積極的な事業投資と財務の健全性の両立及び利益成長に応じた株主還元の強化を図るべく、5つの指標(営業利益率、ROIC、ROE、配当性向、DOE)を経営上重要視する指標を採用しております。
なお、当連結会計年度の重要指標の実績は下記の通りです。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (損益計算書関係) ※7減損損失」にて記載のとおり、当連結会計年度においてのれんの減損を行い、減損損失1,349百万円を計上しております。当該減損において、減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)を基に、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し、見積っております。回収可能額は使用価値により算定しておりますが、その際に用いられる税引前の割引率は、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コストによっております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発活動は、パソコン関連事業に関わるものであり、主に新製品開発に伴う費用等であります。この結果、当連結会計年度は研究開発費として総額