第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、アジアにおける地政学的リスクの高まりや、米国及び欧州の政策動向による影響が懸念されたものの、株高や底堅い企業収益を背景として個人消費や設備投資が増加傾向にあり、緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループが属する電子基板業界は、スマートフォンの高性能化や、自動車の先進運転支援システムの普及が進展したことから、堅調を維持いたしました。加えて、IoT関連製品の進展に伴い、新たなデバイス向けの需要の創出が市場を牽引いたしました。

このような経済環境の下、鏡面研磨機事業の販売は増加したものの、電子基板事業におけるディスプレイメーカー向けの受注の減少、並びに商社事業及び基板検査機事業の販売が減少したことから、売上高が減少いたしました。

これらの結果、連結売上高は4,238百万円(前年同期比14.9%減)と、前連結会計年度に比べ741百万円の減収となりました。

損益については、主として電子基板事業における売上原価率低下の影響による利益増加要因はあったものの、基板検査機事業における売上高減少に伴う影響により営業損失29百万円(前年同期は57百万円の営業利益)、保険解約返戻金等を営業外収益に計上したことから、経常利益21百万円(前年同期比76.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5百万円(同90.5%減)となりました。

セグメント別の業績は以下のとおりであります。

(電子基板事業)

液晶パネル用検査治具の受注が減少したこと、並びに利益重視の事業施策により利益率の低いFPC試作及び量産案件の受注が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、人事異動等に伴う労務費の減少や、外注加工の内製化等の費用圧縮により売上原価率が低下したことから、増益となりました。

その結果、売上高2,619百万円(前年同期比11.4%減)、セグメント利益374百万円(同23.1%増)となりました。

(基板検査機事業)

アジアを中心とした市場での検査機の販売促進に注力したことから、通電検査機の販売は堅調に推移したものの、中国市場における外観検査機の販売が想定どおり進捗しなかったことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。

その結果、売上高726百万円(前年同期比24.0%減)、セグメント損失63百万円(前年同期は91百万円のセグメント利益)となりました。

(検査システム事業)

車載用部品向け検査装置など既存顧客からのリピート案件は堅調に推移したものの、新規顧客の獲得が想定どおり進捗しなかったことから、売上高は減少いたしました。損益については、利益率の低い製品の売上構成比が上昇したことから、減益となりました。

その結果、売上高134百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益2百万円(同23.8%減)となりました。

(鏡面研磨機事業)

産業機械向けの研磨機及び研磨に使用する消耗品の販売、並びに機械の修理・メンテナンスが増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、納期対応に伴う売上高外注加工費率の上昇や人件費増の影響はあったものの、売上高増加に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高376百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント利益51百万円(同10.3%増)となりました。

商社事業

中小型ディスプレイ向けの液晶モジュール検査システムのまとまった販売があった前年同期の反動減により、売上高は減少いたしました。損益については、付加価値の高い商品の販売に注力したことから、売上総利益率は上昇したものの、売上高減少に伴う影響により減益となりました。

その結果、売上高381百万円(前年同期比39.3%減)、セグメント利益20百万円(同50.0%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が216百万円、投資活動により獲得した資金が75百万円、財務活動により使用した資金が69百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、当連結会計年度末には728百万円(前年同期比45.3%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、216百万円(前年同期は371百万円の獲得)となりました。これは主として、たな卸資産142百万円の増加により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益10百万円に加え、売上債権147百万円の減少、減価償却費128百万円及び仕入債務92百万円の増加により資金が増加したことによるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、75百万円(前年同期は97百万円の使用)となりました。これは主として、保険積立金の解約による収入61百万円により資金が増加したことによるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、69百万円(前年同期は317百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入れによる収入300百万円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出251百万円及び長期未払金の返済による支出80百万円により資金が減少したことによるものであります

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年12月21日

至 平成29年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,070,991

△7.2

基板検査機事業

876,752

△19.0

検査システム事業

89,202

△34.6

鏡面研磨機事業

349,020

+21.3

商社事業

合計

3,385,967

△9.5

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値であります。

2.金額は販売価格によっております。

3.商社事業は販売を主たる事業としており、商品の仕入実績が仕入金額で114,441千円あります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年12月21日

至 平成29年12月20日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,627,379

△10.6

113,916

+7.7

基板検査機事業

959,913

+56.6

256,247

+1,009.7

検査システム事業

113,506

△27.2

22,471

△48.5

鏡面研磨機事業

315,314

△27.7

97,500

△38.5

商社事業

430,308

△30.8

69,791

+230.2

合計

4,446,423

△6.7

559,926

+58.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年12月21日

至 平成29年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,619,219

△11.4

基板検査機事業

726,757

△24.0

検査システム事業

134,702

△1.2

鏡面研磨機事業

376,434

+23.7

商社事業

381,650

△39.3

合計

4,238,765

△14.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Nanox Philippines Inc.

667,643

13.4

289,773

6.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業としての社会的存在意義を意識し、常に探求心を持って、確固たる技術力・品質により顧客の信頼を得ることを基本に企業活動を行っており、これにより安定的な取引関係を構築し、中長期的な利益につなげていく方針であります。そのためには、全社員一丸となって顧客の期待以上のサービスを提供することが重要であると考えております。

また、健全性を維持し企業の社会的責任を果たす上で、株主や投資者へのアカウンタビリティを経営上重要な事項と認識し、経営及び業務に関する幅広い情報をタイムリーに開示するとともに、株主への利益還元に取り組んでいき、持続的な成長、発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、そして株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループの事業環境は、主要顧客である電子基板メーカーの多様化するニーズに対応するために刻々と変化している中、FPC試作事業については、長期的視点からは徐々に高難度製品など高付加価値タイプに向かうものと考えております。当社グループが継続して成長を続けていくためには、当社グループの認知度・信用度を一層高め、FPC事業を中心とした新たな収益の柱となる事業の構築が必要であると考えており、収益を重視したM&Aの実施など、幅広い視野で検討し経営資源の効率的投入を行うことで、更なる拡大を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

前記「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」のとおり厳しい経営環境の中、具体的な数値目標等は設定していないものの、従業員一人一人が常に利益を意識した活動を実践することにより、売上高経常利益率、総資産利益率(ROA)及び自己資本利益率(ROE)といった経営の収益性及び効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。

 

(4)経営環境

IoTや人工知能(AI)が汎用化の段階に入り、関連技術の開発が加速するとともに、IoT等の新しい技術に対する投資意欲が拡大しております。このような状況下において、マーケットインの視点を大切にしつつ、FPCの極薄化など次世代技術力を追求・アピールしていくことで、新規顧客開拓など効率的に営業活動を推進し、高い収益性が見込める高難度製品等の受注体制の充実・強化に注力してまいります。また、社会的な品質管理要求の高まりに伴う検査需要の増大が見込まれる中、アジア地域を中心とした市場に、多様化する顧客ニーズに応えた競争力のある製品ラインアップの拡充を図り、消耗品である治具の販売ビジネスとのシナジー効果を最大化することで、受注の獲得を目指してまいります。収益面については、更なる原価低減や生産性向上など徹底したコストの最小化を図ることで、利益の確保を目指してまいります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、取り巻く市場環境が依然として厳しい状況にある中、この状況を改善するために継続的に営業利益を確保することを当面の課題としており、製販一体となって以下の対応策を実施してまいります。

① 売上総利益率の改善

機能・品質・歩留りの向上を目的とした技術開発を追求するとともに、生産性を向上するために製造体制の再構築と設備投資の最適化を図ってまいります。当連結会計年度においては、電子基板事業における売上総利益率が上昇し、一定の成果を得るに至りました。引き続き原材料の抑制や外注加工の内製化による費用圧縮など徹底したコストの最小化を図ることで、売上総利益率を改善し、稼ぐ力を着実に向上させてまいります。更に、基幹システムの再構築を行い、業務改革を指向することで経営体質を強化、業務の効率化及び顧客対応力の向上を実現し、市場での優位性を確かなものにしてまいります。

 

② 品質管理体制の強化

当社グループの主要顧客は、主にアジア地域においてグローバルに展開していることから、特に中国を中心とした市場に対する事業展開の推進が重要であると考えております。当社グループがグローバル展開を加速し、最適地生産・最適地調達の実践に向け、現地生産化や現地法人・販売代理店との連携強化等あらゆる可能性を模索している中で、製販一体となった品質管理体制をより強化し、顧客の信頼度向上に努めてまいります。

 

③ 顧客層の拡大

当社グループの売上高は、近年、特定顧客への依存度が高い傾向があり、当該顧客の業況や業界動向の影響を受けやすい状況にあります。そのため更なる顧客基盤の強化に向けて、次世代を担う高付加価値製品の開発により競合他社製品との差別化を図り、市場における競争優位性を維持していくことが必要であると考えております。FPCの極薄化など次世代技術力を追求し、新規顧客開拓や休眠顧客の掘り起こしなど効率的に営業活動を推進していくことで、顧客層の拡大を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると当社が認識している事項を記載しております。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項及びそれ以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行う必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業又は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご注意ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業内容について

当社グループの最近2連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び構成比、セグメント損益並びにセグメント別の事業概況は以下のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成27年12月21日

至 平成28年12月20日)

当連結会計年度

(自 平成28年12月21日

至 平成29年12月20日)

売上高

(千円)

構成比

(%)

セグメント利益

(千円)

売上高

(千円)

構成比

(%)

セグメント利益

又は損失(△)

(千円)

電子基板事業

2,954,848

59.4

303,743

2,619,219

61.8

374,005

基板検査機事業

955,704

19.2

91,884

726,757

17.1

△63,470

検査システム事業

136,299

2.7

2,640

134,702

3.2

2,010

鏡面研磨機事業

304,200

6.1

46,805

376,434

8.9

51,644

商社事業

628,853

12.6

41,818

381,650

9.0

20,894

報告セグメント合計

4,979,906

100.0

486,892

4,238,765

100.0

385,084

調整額

△429,694

△415,041

合計

4,979,906

100.0

57,197

4,238,765

100.0

△29,956

 

(電子基板事業)

FPCの製造については、当社グループは特許権・実用新案権等の知的財産権を保有しておらず、従来工法により製造を行っていることから、新規参入企業の出現や画期的な新工法発明により競争が激化する可能性があり、その結果、当社グループの収益力が低下し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、FPCの試作のユーザーは、主としてセットメーカーの研究・商品開発部門であり、直接受注する場合とFPCメーカーを経由して受注する場合がありますが、セットメーカーの研究・商品開発部門が海外移転した場合には、当社グループは海外生産拠点を有していないため、短納期への対応について他社と比較して優位性を失い、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの顧客であるFPCメーカーが、多品種・少量生産で売上規模が小さいわりに人手がかかる等のために本来なら避けたい手間のかかるFPC試作を、自社生産ラインの手隙感から自社内で行い当社グループへの発注を手控えた場合や、FPC試作を量産受注獲得のために低価格で受注する営業攻勢を強め当社グループと競合した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本の電子基板・FPC生産額の推移は以下のとおりであります

 

[電子基板・FPCの生産額の推移]

会計年度

平成24年

平成25年

平成26年

平成27年

平成28年

電子基板(億円)

7,651.8

6,458.3

6,342.2

6,489.3

6,068.4

対前年比(%)

△5.3

△15.6

△1.8

+2.3

△6.5

FPC(億円)

1,055.4

811.4

748.8

902.9

798.6

対前年比(%)

+5.4

△23.1

△7.7

+20.6

△11.6

(注)電子基板・FPCの生産額:出所「国内の電子回路基板の生産額の歩み」(一般社団法人日本電子回路工業会)

 

(基板検査機事業)

基板検査には検査方法の標準がなく、採用する検査方法はそれぞれのメーカーの考え方によって異なっており、検査機メーカーも様々な検査方法を用いた検査機を市場に投入しております。今後、当社が志向する検査方法と異なる方法の検査機が主流となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子基板メーカーが不良品率の低下等により一部の検査を省略した場合、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、メーカーによっては検査機を自社で内製しており、このようなメーカーが今後増加した場合にも、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

(検査システム事業)

検査システムは、顧客仕様による受注販売が中心であり、顧客の要求に沿った製品をいち早く開発・製造することにより、競合他社の製品との差別化を図っております。また、競合を優位に進めるためには、顧客との緊密な関係を保つことが重要であり、その結果、顧客の要求に沿った製品をいち早く納入することが可能となります。このような顧客との緊密な関係が維持できない場合や、顧客企業の業績不振、競合他社との価格競争を余儀なくされる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

(鏡面研磨機事業)

円筒鏡面研磨機は、大手企業が進出していない10億円未満の市場規模であると当社グループは推定しておりますが、新規参入企業の出現等により競争が激化した場合、当社グループは当該事業での特許権・実用新案権等の知的財産権を保有していないため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(商社事業)

メーカーの産業機械及び産業資材に係わる様々なハイエンド製品を販売及びサービス・サポートする商社ビジネスを展開しております。また、各メーカーの製品を組み合わせた商品を提案する営業を展開することで差別化を図っております。このようなメーカーとの協力関係が維持できない場合や、技術革新に伴う商品の陳腐化、設備関連需要の減少局面では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材の確保について

当社グループは、電子基板事業、基板検査機事業を中心とした製品の技術改良・研究開発を常に行っていく必要があり、そのための優秀な人材確保は事業展開上極めて重要であります。しかしながら、当社グループが必要としている技術に精通している人材の獲得、育成及び確保が可能であるとは限らず、当社グループが必要とする人材の獲得及び育成ができない可能性、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性があります。当社グループが必要とする人材の獲得、育成及び確保に失敗した場合には、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

 

(3)知的財産権等について

① 特許権等の出願状況について

当社グループは、当社グループの事業分野に関する特許等を出願し、積極的にそれらを取得していく方針であり、新規技術の開発、大学等との共同開発についても同様の方針であります。当連結会計年度末現在、電子基板事業において1件の特許を出願中、基板検査機事業において1件の特許権を取得済みであります。

 

② 知的財産権に関する訴訟、クレームについて

当社グループに対して、第三者からの知的財産権に関する訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループの事業分野については、多数の特許・実用新案等の出願がなされているため、今後とも上記のような問題が発生しないという保証はありません。

仮に当社グループが第三者との間の知的財産権に関する法的紛争に巻き込まれた場合、当社グループは弁護士や弁理士と相談の上、個別に対応していく方針でありますが、解決に多大な時間及び費用を要する可能性があります。

 

(4)自然災害等について

当社グループは、地震等の自然災害により、重大な被害を受ける可能性があります。特に、当社グループの本社工場は、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されていることから、順次地震対策を推進しているものの、実際に大規模な地震が発生した場合には、多額の復旧費用の発生や、営業、生産機能等が著しく低下することが想定され、当社グループの業績と財務の状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)営成績等の変動について

当社グループの最近5連結会計年度における業績等の推移は、以下のとおりであります。

回次

第53期

第54期

第55期

第56期

第57期

決算年月

平成25年12月

平成26年12月

平成27年12月

平成28年12月

平成29年12月

売上高

(千円)

3,850,352

4,031,097

4,753,075

4,979,906

4,238,765

うちFPC売上高

(千円)

2,867,485

2,938,269

3,096,326

2,892,427

2,519,323

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

△91,031

57,239

42,990

93,984

21,935

親会社株主に帰属する当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純

損失(△)

(千円)

△108,899

21,859

12,881

56,722

5,366

利益剰余金

(千円)

1,379,763

1,384,073

1,379,406

1,418,579

1,406,396

純資産額

(千円)

3,154,678

3,191,970

3,215,923

3,259,352

3,260,147

総資産額

(千円)

4,991,027

5,167,637

5,618,612

5,321,533

5,385,695

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.「うちFPC売上高(千円)」については、新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

当社グループの各期の業績の主な変動要因は、以下のとおりであります。

(第53期)

海外向けの外観検査機及び新機種の通電検査機の受注が低調に推移したこと等により基板検査機事業の売上高減少、スマートフォン市場が活況を呈していること及びデジタル一眼レフカメラの市場においてユーザー層の拡大や買い替え需要が堅調であること等に伴い電子基板事業の売上高増加、並びに支払手数料の減少等により、増収・損失縮小となりました。

(第54期)

車載用基板対応の製品や海外向けの販売促進に取り組んだことにより基板検査機事業の売上高増加、中小型ディスプレイの需要増等に伴い電子基板事業の売上高増加、並びに残業時間の抑制及び養老保険の解約による保険解約返戻金の影響等により、増収・黒字転換となりました。

(第55期)

需要が旺盛な中小型ディスプレイ向けの液晶モジュール検査システム等の販売が増加したことから商社事業の売上高増加、従来のFPC試作に加えて中小型量産案件の受注獲得により電子基板事業の売上高増加、並びに電子基板事業における売上原価率の上昇に伴う影響及び保険解約返戻金の計上がなくなったこと等から、増収減益となりました。

(第56期)

価格競争の激化に伴いFPCの製造・販売減により電子基板事業の売上高減少、FPCを対象とした通電検査機の需要が増加したことから基板検査機事業の売上高増加、並びに業績連動による賞与等の人件費の減少及び助成金収入の影響等により、増収増益となりました。

(第57期)

産業機械向けの研磨機等の販売が増加したことから鏡面研磨機事業の売上高増加、ディスプレイメーカー向けなどFPC試作及び量産案件の受注減少により電子基板事業の売上高減少、並びに基板検査機事業における売上高減少に伴う影響等により、減収減益となりました。

 

以上のとおり、当社グループの業績は、電子部品業界の動向やFPC等の電子基板の技術革新等で、電子基板に対する需給が変調を来した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、下表のとおり事業展開上、重要と思われる契約を締結しております。

・ 資本・業務提携契約

相手先

契約締結日

契約期間

契約の内容

旭東電気㈱

平成23年8月23日

平成29年8月23日から

平成30年8月22日まで

(1年毎の自動更新で

解除条項あり)

1.資本提携の内容

(1)当社が旭東電気㈱の実施する第三者割当増資による新株を引き受ける

(2)旭東電気㈱が当社の株式を大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))市場において取得する

2.業務提携の内容

(1)電子基板業界における中国市場への展開について

(2)相互の顧客ネットワークの活用による販路の拡大について

(3)グローバル展開の促進及び新規事業への展開について

(4)両社の海外拠点の活用について

(5)両社の人材交流について

(6)その他両社の企業価値向上に資する施策について

 

6【研究開発活動】

当社グループは、技術革新のスピードが速いエレクトロニクス業界で、多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに対応するための研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、68,357千円となっております。

 

(1)電子基板事業

プリント配線板は、医療機器やウエアラブル端末等のハイエンドのアプリケーションに採用が進み、これまで以上の高耐熱性・高耐湿度性などの要求が予想されることから、特殊有機材料への電子回路形成に関する研究開発を行っております。

電子基板事業の研究開発費は、9,227千円であります。

 

(2)基板検査機事業

電子基板の高精細高密度化に対応するために、外観検査機においてはFPCに特化した欠陥検出力の向上及び撮像条件の構築、並びに通電検査機においてはFPC向けの潜在的な欠陥検出性能の向上及び位置合わせ機能の改善に関する研究開発を行っております。

基板検査機事業の研究開発費は、56,311千円であります。

 

(3)検査システム事業

連結子会社であるマイクロエンジニアリング㈱が、視覚検査装置の検査精度の向上と機器の省スペース化の研究開発を行っております。

検査システム事業の研究開発費は、2,818千円であります。

 

(4)鏡面研磨機事業

該当事項はありません。

 

(5)商社事業

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態の分析

(資産)

流動資産は、2,641百万円(前年同期比6.6%増)となりました。これは主として、売上債権が減少した一方、現金及び預金並びにたな卸資産が増加したことによるものであります。

固定資産は、2,744百万円(同3.5%減)となりました。これは主として、有形固定資産の減価償却により減少したものであります。

(負債)

流動負債は、1,083百万円(前年同期比3.6%増)となりました。これは主として、短期借入金が減少した一方、仕入債務が増加したことによるものであります。

固定負債は、1,041百万円(同2.5%増)となりました。これは主として、割賦購入による長期未払金が減少した一方、長期借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、3,260百万円(前年同期比0.0%増)となりました。これは主として、利益剰余金が減少した一方、その他の包括利益累計額が増加したことによるものであります。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約(当座貸越極度額1,588百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。

なお、当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性の詳細については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

(3)経営成績の分析

当連結会計年度は、売上高が4,238百万円(前年同期比14.9%減)となり、前連結会計年度に比べ741百万円の減収となりました。概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

売上原価は売上高の減少の影響により、3,095百万円(同17.4%減)となりました。売上原価率は73.0%となり、前年同期より2.3ポイント低下いたしました。

販売費及び一般管理費は、主として支払手数料の減少により、1,173百万円(同0.2%減)となりました。売上高販管費率は27.7%となり、前年同期より4.1ポイント上昇いたしました。

営業損失は29百万円(前年同期は57百万円の営業利益)となりました。売上高営業利益率は△0.7%となり、前年同期より1.8ポイント悪化いたしました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、51百万円の収益計上となりました。

経常利益は21百万円(前年同期比76.7%減)となりました。売上高経常利益率は0.5%となり、前年同期より1.4ポイント低下いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は5百万円(同90.5%減)となりました。売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は0.1%となり、前年同期より1.0ポイント低下いたしました。