第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業としての社会的存在意義を意識し、常に探求心を持って、確固たる技術力・品質により顧客の信頼を得ることを基本に企業活動を行っており、これにより安定的な取引関係を構築し、中長期的な利益につなげていく方針であります。そのためには、全社員一丸となって顧客の期待以上のサービスを提供することが重要であると考えております。

また、健全性を維持し企業の社会的責任を果たす上で、株主や投資者へのアカウンタビリティを経営上重要な事項と認識し、経営及び業務に関する幅広い情報をタイムリーに開示するとともに、株主への利益還元に取り組んでいき、持続的な成長、発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、そして株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループの事業環境は、主要顧客である電子基板メーカーの多様化するニーズに対応するために刻々と変化している中、FPC試作事業については、長期的視点からは徐々に高難度製品など高付加価値タイプに向かうものと考えております。当社グループが継続して成長を続けていくためには、当社グループの認知度・信用度を一層高め、FPC事業を中心とした新たな収益の柱となる事業の構築が必要であると考えており、収益を重視したM&Aの実施など、幅広い視野で検討し経営資源の効率的投入を行うことで、更なる拡大を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」のとおり予断を許さない経営環境の中、売上総利益率、総資産経常利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけており、総資産経常利益率及び自己資本当期純利益率については、具体的な数値目標等は設定していないものの、従業員一人一人が常に利益を意識した活動を実践することにより、経営の収益性及び効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。なお、2020年12月期の売上総利益率の目標数値は27.7%であります。

 

(4)経営環境

中国経済の先行き等への警戒感から世界景気の下振れリスクが懸念され、引き続き市場環境は厳しい状況が続くものと想定しております。一方、東京五輪開催に向けてインフラ整備が加速することで幅広い分野において5G対応の動きが活発化し、IoTやAIに関連する新たな需要の喚起や投資意欲の高まりが期待されております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、取り巻く市場環境が依然として厳しい状況にある中、継続的に企業価値の向上を図っていくために、営業利益を安定的に確保することを当面の課題としており、製販一体となって以下の施策を実施してまいります。

① コア事業の強化と生産性の向上

当社グループはコア事業である電子基板事業の販売戦略・地域戦略を機動的に見直すとともに、当社グループの優位性である「試作から量産までを一貫対応できる技術力」、「徹底した品質管理」を発展させ、コア事業の技術力と製品提案力を強化してまいります。また、生産設備のランニングコストや材料仕入れ等の様々なコストダウン活動を積み重ねるとともに、効率的な生産・在庫管理の実行並びに生産設備のリニューアル及び作業のロボット化の推進を図り、生産性の一層の向上を図ってまいります。

 

② 技術革新への対応

当社グループが展開する事業は、技術革新のスピードが速いエレクトロニクス業界に属しており、多様化、高度化し、広範にわたる顧客ニーズに対応していく必要があります。当社グループはこれらの変化に対応するため、優秀な技術者の確保、最新技術の探求や新製品開発を行い、最新技術の動向を捉えた事業展開を推進してまいります。

 

③ 安定的な収益確保

当社グループが取り扱う各種検査機や研磨機をはじめとした製品群は、設備投資需要の持続性の確保が課題であると考えております。このため、当社グループにおいては、引き続き事業構造改革を推進し、消耗品ビジネス及び保守・メンテナンスビジネスの強化を図り、安定的な収益確保に向けた体制づくりに努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると当社が認識している事項を記載しております。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項及びそれ以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行う必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業又は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんのでご注意ください。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業内容について

当社グループの最近2連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び構成比、セグメント損益並びにセグメント別の事業概況は以下のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2017年12月21日

至 2018年12月20日)

当連結会計年度

(自 2018年12月21日

至 2019年12月20日)

売上高

(千円)

構成比

(%)

セグメント利益

(千円)

売上高

(千円)

構成比

(%)

セグメント利益

又は損失(△)

(千円)

電子基板事業

2,697,842

58.9

437,270

2,436,334

62.5

343,251

テストシステム事業

1,351,780

29.5

83,702

904,665

23.2

△73,078

鏡面研磨機事業

279,776

6.1

18,511

451,186

11.6

71,856

産機システム事業

252,959

5.5

9,680

104,154

2.7

△23,878

報告セグメント合計

4,582,357

100.0

549,164

3,896,341

100.0

318,150

調整額

△427,078

△431,919

合計

4,582,357

100.0

122,086

3,896,341

100.0

△113,769

(注)当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

 

(電子基板事業)

FPCの製造については、当社グループは特許権・実用新案権等の知的財産権を保有しておらず、従来工法により製造を行っていることから、新規参入企業の出現や画期的な新工法発明により競争が激化する可能性があり、その結果、当社グループの収益力が低下し、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、FPC試作のユーザーは、主としてセットメーカーの研究・商品開発部門であり、直接受注する場合とFPCメーカーを経由して受注する場合がありますが、セットメーカーの研究・商品開発部門が海外移転した場合には、当社グループは海外生産拠点を有していないため、短納期への対応について他社と比較して優位性を失い、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの顧客であるFPCメーカーが、多品種・少量生産で売上規模が小さいわりに人手がかかる等のために本来なら避けたい手間のかかるFPC試作を、自社生産ラインの手隙感から自社内で行い当社グループへの発注を手控えた場合や、FPC試作を量産受注獲得のために低価格で受注する営業攻勢を強め当社グループと競合した場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、日本の電子基板・FPC生産額の推移は以下のとおりであります

 

[電子基板・FPCの生産額の推移]

会計年度

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

電子基板(億円)

6,342.2

6,489.3

6,068.4

6,153.7

6,474.3

対前年比(%)

△1.8

+2.3

△6.5

+1.4

+5.2

FPC(億円)

748.8

902.9

798.6

736.2

656.1

対前年比(%)

△7.7

+20.6

△11.6

△7.8

10.9

(注)電子基板・FPCの生産額:出所「国内の電子回路基板の生産」(一般社団法人日本電子回路工業会)

 

(テストシステム事業)

基板検査には検査方法の標準がなく、採用する検査方法はそれぞれのメーカーの考え方によって異なっており、検査機メーカーも様々な検査方法を用いた検査機を市場に投入しております。今後、当社が志向する検査方法と異なる方法の検査機が主流となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子基板メーカーが不良品率の低下等により一部の検査を省略した場合、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。更に、メーカーによっては検査機を自社で内製しており、このようなメーカーが今後増加した場合にも、検査機市場が縮小する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります

検査システムは、顧客仕様による受注販売が中心であり、顧客の要求に沿った製品をいち早く開発・製造することにより、競合他社の製品との差別化を図っております。また、競合を優位に進めるためには、顧客との緊密な関係を保つことが重要であり、その結果、顧客の要求に沿った製品をいち早く納入することが可能となります。このような顧客との緊密な関係が維持できない場合や、顧客企業の業績不振、競合他社との価格競争を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(鏡面研磨機事業)

円筒鏡面研磨機は、大手企業が進出していない10億円未満の市場規模であると当社グループは推定しておりますが、新規参入企業の出現等により競争が激化した場合、当社グループは当該事業での特許権・実用新案権等の知的財産権を保有していないため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(産機システム事業)

メーカーの産業機械及び産業資材に係わる様々なハイエンド製品を販売及びサービス・サポートする商社ビジネスを展開しております。また、各メーカーの製品を組み合わせた商品を提案する営業を展開することで差別化を図っております。このようなメーカーとの協力関係が維持できない場合や、技術革新に伴う商品の陳腐化、設備関連需要の減少局面では、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材の確保について

当社グループは、電子基板事業、テストシステム事業を中心とした製品の技術改良・研究開発を常に行っていく必要があり、そのための優秀な人材確保は事業展開上極めて重要であります。しかしながら、当社グループが必要としている技術に精通している人材の獲得、育成及び確保が可能であるとは限らず、当社グループが必要とする人材の獲得及び育成ができない可能性、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性があります。当社グループが必要とする人材の獲得、育成及び確保に失敗した場合には、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

 

(3)知的財産権等について

① 特許権等の出願状況について

当社グループは、当社グループの事業分野に関する特許等を出願し、積極的にそれらを取得していく方針であり、新規技術の開発、大学等との共同開発についても同様の方針であります。当連結会計年度末現在、テストシステム事業において1件の特許権を取得済みであります。

 

② 知的財産権に関する訴訟、クレームについて

当社グループに対して、第三者からの知的財産権に関する訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありません。ただし、当社グループの事業分野については、多数の特許・実用新案等の出願がなされているため、今後とも上記のような問題が発生しないという保証はありません。

仮に当社グループが第三者との間の知的財産権に関する法的紛争に巻き込まれた場合、当社グループは弁護士や弁理士と相談の上、個別に対応していく方針でありますが、解決に多大な時間及び費用を要する可能性があります。

 

(4)自然災害等について

当社グループは、地震等の自然災害により、重大な被害を受ける可能性があります。特に、当社グループの本社工場は、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されていることから、順次地震対策を推進しているものの、実際に大規模な地震が発生した場合には、多額の復旧費用の発生や、営業、生産機能等が著しく低下することが想定され、当社グループの経営成績と財務の状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)経営成績等の変動について

当社グループの最近5連結会計年度における経営成績等の推移は、以下のとおりであります。

回次

第55期

第56期

第57期

第58期

第59期

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

売上高

(千円)

4,753,075

4,979,906

4,238,765

4,582,357

3,896,341

うちFPC売上高

(千円)

3,096,326

2,892,427

2,519,323

2,634,403

2,374,371

営業利益又は営業損失(△)

(千円)

22,386

57,197

△29,956

122,086

△113,769

親会社株主に帰属する当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純

損失(△)

(千円)

12,881

56,722

5,366

69,341

△213,563

利益剰余金

(千円)

1,379,406

1,418,579

1,406,396

1,458,189

1,215,273

純資産額

(千円)

3,215,923

3,259,352

3,260,147

3,298,036

3,068,899

総資産額

(千円)

5,618,612

5,321,533

5,385,695

5,255,672

5,073,685

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.「うちFPC売上高(千円)」については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

当社グループの各期の経営成績の主な変動要因は、以下のとおりであります。

(第55期)

主として、中小型ディスプレイ向けの液晶モジュール検査システム等の需要増に伴い産機システム事業の売上高増加、FPC試作に加えて中小型量産案件の受注獲得により電子基板事業の売上高増加、並びに鏡面研磨機事業の黒字転換及び販売手数料の減少や残業時間の抑制により増収・営業黒字転換となりました。

(第56期)

主として、価格競争の激化に伴いFPCの製造・販売減により電子基板事業の売上高減少、FPCを対象とした通電検査機の需要増によりテストシステム事業の売上高増加、並びに業績連動による賞与等の人件費の減少により増収増益となりました。

(第57期)

主として、産業機械向けの研磨機の販売が増加したことから鏡面研磨機事業の売上高増加、ディスプレイメーカー向けFPC試作及び量産案件の受注減少により電子基板事業の売上高減少、並びにテストシステム事業における売上高減少に伴う影響により減収・営業損失となりました。

(第58期)

主として、アジアを中心とした市場におけるFPCを対象とした各種検査機の需要増によりテストシステム事業の売上高増加、量産案件及び高難度製品の受注増加により電子基板事業売上高増加、並びに電子基板事業における売上総利益率の上昇に伴う影響により増収・営業黒字転換となりました。

(第59期)

主として、大型案件の研磨機の販売が想定どおり計上できたことから鏡面研磨機事業の売上高増加、FPC試作案件及び量産案件の受注減少により電子基板事業の売上高減少、並びに外観検査機及び通電検査機の販売減少によりテストシステム事業の売上高減少に伴う影響により減収・営業損失となりました。

 

以上のとおり、当社グループの経営成績は、電子部品業界の動向やFPC等の電子基板の技術革新等で、電子基板に対する需給が変調を来した場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

(資産)

流動資産は、2,718百万円(前年同期比5.2%増)となりました。これは主として、売上債権が減少した一方、現金及び預金が増加したことによるものであります。

固定資産は、2,355百万円(同11.9%減)となりました。これは主として、土地の売却及び繰延税金資産の取崩しにより減少したものであります。

(負債)

流動負債は、1,058百万円(前年同期比6.4%増)となりました。これは主として、未払法人税等が減少した一方、短期借入金及び流動負債のその他に含まれる未払消費税が増加したことによるものであります。

固定負債は、946百万円(同1.7%減)となりました。これは主として、長期借入金が減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、3,068百万円(前年同期比6.9%減)となりました。これは主として、利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、高水準の企業収益や成長分野への取組みを背景に設備投資が増加傾向にあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、米中貿易摩擦を巡る動向や英国のEU(欧州連合)離脱の行方から、輸出は弱含んでおり、製造業を中心に先行きに不透明感が残りました。

当社グループが属する電子基板業界は、スマートフォン需要の一服感や国内外の自動車販売が低迷した影響から需要の弱さはみられたものの、5G(次世代通信規格)市場の本格的な立ち上がりを控え、スマートフォン向けに加えて、新たな社会インフラとしてIoTやAI活用の需要が期待されております。

このような経済環境の下、鏡面研磨機事業において販売は増加したものの、テストシステム事業、電子基板事業及び産機システム事業において販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。

これらの結果、連結売上高は3,896百万円(前年同期比15.0%減)と、前連結会計年度に比べ686百万円の減収となりました。

損益については、鏡面研磨機事業における売上高増加に伴う影響はあったものの、テストシステム事業、電子基板事業及び産機システム事業における売上高減少や、売上総利益率が低下したことに伴う影響により営業損失113百万円(前年同期は122百万円の営業利益)、受取保険金等を営業外収益に計上したことにより経常損失87百万円(同130百万円の経常利益)、繰延税金資産の取崩しに伴う法人税等調整額を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失213百万円(同69百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

(電子基板事業)

FPC試作案件及び量産案件の受注減によりセットメーカー向けの売上が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により減益となりました。

その結果、売上高2,436百万円(前年同期比9.7%減)、セグメント利益343百万円(同21.5%減)となりました。

(テストシステム事業)

米中貿易摩擦の長期化や海外経済の減速による設備投資に対する慎重姿勢が継続した影響により、外観検査機及び通電検査機の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。

その結果、売上高904百万円(前年同期比33.1%減)、セグメント損失73百万円(前年同期は83百万円のセグメント利益)となりました。

(鏡面研磨機事業)

研磨機の大型案件が想定どおり計上できたこと及び機械の修理・メンテナンスの受注が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加や売上高材料費率の低下に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高451百万円(前年同期比61.3%増)、セグメント利益71百万円(同288.2%増)となりました。

(産機システム事業)

新規商材の案件獲得が低調に推移したこと、産業用ロボット関連の案件において検収がずれ込んだこと及び中小型ディスプレイ向けの検査治具の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少や産業用ロボットのシステムインテグレーションサービスの立ち上げに伴う人件費増の影響により損失となりました。

その結果、売上高104百万円(前年同期比58.8%減)、セグメント損失23百万円(前年同期は9百万円のセグメント利益)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が261百万円、投資活動により使用した資金が88百万円、財務活動により使用した資金が72百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ105百万円増加し、当連結会計年度末には541百万円(前年同期比24.1%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、261百万円(前年同期は32百万円の使用)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失60百万円に加え法人税等の支払い67百万円により資金が減少した一方、売上債権180百万円の減少、減価償却費107百万円により資金が増加したことによるものであります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、88百万円(前年同期は19百万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の売却による収入203百万円により資金が増加した一方、定期預金の純増加額273百万円により資金が減少したことによるものであります

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、72百万円(前年同期は238百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入れによる収入320百万円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出275百万円及び長期未払金の返済による支出65百万円により資金が減少したことによるものであります

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年12月21日

至 2019年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,027,662

△7.1

テストシステム事業

685,515

△47.3

鏡面研磨機事業

411,364

+53.1

産機システム事業

62,072

合計

3,186,615

△15.1

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値であります。

2.金額は販売価格によっております。

3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比は変更後の区分方法によっております。

4.産機システム事業は、上記生産実績の他、商品の仕入実績が仕入金額で454,425千円あります。

5.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年12月21日

至 2019年12月20日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,433,137

△9.0

86,309

△3.6

テストシステム事業

873,941

△35.3

247,966

△11.0

鏡面研磨機事業

312,766

△43.0

227,600

△37.8

産機システム事業

247,024

+22.6

161,119

+782.9

合計

3,866,869

△19.0

722,994

△3.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比は変更後の区分方法によっております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年12月21日

至 2019年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,436,334

△9.7

テストシステム事業

904,665

△33.1

鏡面研磨機事業

451,186

61.3

産機システム事業

104,154

△58.8

合計

3,896,341

△15.0

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比は変更後の区分方法によっております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Fujikura Electronics (Thailand) Ltd.

482,888

10.5

152,195

3.9

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境」に記載の状況下において、潜在顧客の掘り起こし・獲得に向けてFPCの極薄化など多様なニーズに対応できるよう次世代技術力を追求・アピールしていくとともに、2021年5月竣工予定の本社工場の建替えが本格的に始動し、高い収益性が見込める高難度製品等の試作から量産までを見据えた生産体制の充実・強化に注力してまいります。また、品質管理要求の高まりや製造現場における深刻な人手不足を補う自動化・省力化ニーズの増加を背景にして、AI搭載の高付加価値製品を市場に投入するなど競争力のある検査装置の製品ラインアップ拡充を図り、受注の獲得を目指してまいります。加えて、需要が旺盛な産業用ロボット関連のシステムインテグレーションサービスについては、スムーズな立ち上げと早期に収益貢献が図れるよう受注の獲得を目指してまいります。具体的な当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約(当座貸越極度額1,611百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。

なお、当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

当社グループは売上総利益率、総資産経常利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけており、これらの指標の向上に努めることを経営上の目標としております。

当連結会計年度においては、主として、歩留まり改善及び外注加工の内製化の費用圧縮に取り組んだものの、売上高の減少の影響により、売上総利益率は目標数値28.2%に対し、前年同期より1.5ポイント低下し27.3%となりました。また、、総資産経常利益率は前年同期より4.2ポイント悪化し△1.7%、自己資本当期純利益率は前年同期より8.9ポイント悪化し△6.8%となりました。

 

⑤ 経営成績の分析

当連結会計年度は、売上高が3,896百万円(前年同期比15.0%減)となり、前連結会計年度に比べ686百万円の減収となりました。概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。

売上原価は売上高の減少の影響により、2,834百万円(同13.2%減)となりました。売上原価率は72.7%となり、前年同期より1.5ポイント上昇いたしました。

販売費及び一般管理費は、主として支払手数料の減少により、1,175百万円(同1.7%減)となりました。売上高販管費率は30.2%となり、前年同期より4.1ポイント上昇いたしました。

営業損失は113百万円(前年同期は122百万円の営業利益)となりました。売上高営業利益率は△2.9%となり、前年同期より5.6ポイント悪化いたしました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、25百万円の収益計上となりました。

経常損失は87百万円(同130百万円の経常利益)となりました。売上高経常利益率は△2.3%となり、前年同期より5.2ポイント悪化いたしました。

親会社株主に帰属する当期純損失は213百万円(同69百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は△5.5%となり、前年同期より7.0ポイント悪化いたしました。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、下表のとおり事業展開上、重要と思われる契約を締結しております。

資本・業務提携契約

相手先

契約締結日

契約期間

契約の内容

旭東電気㈱

2011年8月23日

2019年8月23日から

2020年8月22日まで

(1年ごとの自動更新で解除条項あり)

1.資本提携の内容

(1)当社が旭東電気㈱(現 旭東ホールディングス㈱)の実施する第三者割当増資による新株を引き受ける

(2)旭東電気㈱(現 旭東ホールディングス㈱)が当社の株式を大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)(現 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))市場において取得する

2.業務提携の内容

(1)電子基板業界における中国市場への展開について

(2)相互の顧客ネットワークの活用による販路の拡大について

(3)グローバル展開の促進及び新規事業への展開について

(4)両社の海外拠点の活用について

(5)両社の人材交流について

(6)その他両社の企業価値向上に資する施策について

 

5【研究開発活動】

当社グループは、技術革新のスピードが速いエレクトロニクス業界で、多様化、高度化し、広範にわたる顧客ニーズに対応するための研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、74,187千円となっております。

 

(1)電子基板事業

プリント配線板は、医療・介護機器やウエアラブル端末等のハイエンドのアプリケーションに採用が進み、これまで以上の高耐熱性・伸縮性・高周波特性などの要求が予想されることから、特殊有機材料への電子回路形成に関する研究開発を行っております。

電子基板事業の研究開発費は、10,430千円であります。

 

(2)テストシステム事業

電子基板の高精細高密度化が進み、製造現場において高い検査品質と徹底した品質管理が要求されており、その要求に対応するために、外観検査機においては、AI技術を活用した検査システムや検査スピード・検査精度の向上並びに通電検査機においては、5G対応FPC向けの新たな検査システムや車載・モバイルFPC向けの機能及び潜在欠陥検出性能向上の研究開発を行っております。また、連結子会社であるマイクロエンジニアリング㈱が、検査システムの画像処理を高速化するためにハードウェアの研究開発を行っております。

テストシステム事業の研究開発費は、63,756千円であります。

 

(3)鏡面研磨機事業

該当事項はありません。

 

(4)産機システム事業

該当事項はありません。