第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、企業としての社会的存在意義を意識し、常に探求心を持って、確固たる技術力・品質により顧客の信頼を得ることを基本に企業活動を行っており、これにより安定的な取引関係を構築し、中長期的な利益につなげていく方針であります。そのためには、全社員一丸となって顧客の期待以上のサービスを提供することが重要であると考えております。

また、健全性を維持し企業の社会的責任を果たす上で、株主や投資者へのアカウンタビリティを経営上重要な事項と認識し、経営及び業務に関する幅広い情報をタイムリーに開示するとともに、株主への利益還元に取り組んでいき、持続的な成長、発展を通し、企業価値を増大させ、社会、お客様、そして株主の皆様から継続的に信頼を得られる企業グループになることを目指しております。

 

(2)経営戦略等

当社グループの事業環境は、主要顧客である電子基板メーカーの多様化するニーズに対応するために刻々と変化している中、FPC試作事業については、長期的視点からは徐々に高難度製品など高付加価値タイプに向かうものと考えております。当社グループが継続して成長を続けていくためには、当社グループの認知度・信用度を一層高め、FPC事業を中心とした新たな収益の柱となる事業の構築が必要であると考えており、収益を重視したM&Aの実施等、幅広い視野で検討し経営資源の効率的投入を行うことで、さらなる拡大を目指してまいります。

 

(3)経営環境

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う社会経済活動への影響が長期化し、「VUCA時代」と呼ばれる将来予測が困難な時代において、供給制約や原材料価格の動向による下振れリスクの懸念等は残るものの、ワクチンや治療薬が普及するにつれて事態は、徐々に収束に向かうものと見込んでおります。また、5GやEV向けを中心とした半導体関連需要が世界的に拡大し、製造業の事業活動に広く影響を与えている中、電子基板業界においては、半導体パッケージ基板をはじめとした高機能製品の生産体制の増強が進んでおり、中長期的な市場拡大を予想しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、取り巻く市場環境が依然として厳しい状況にある中、継続的に企業価値の向上を図っていくために、営業利益を安定的に確保することを当面の課題としており、製販一体となって以下の施策を実施してまいります。

① 売上と利益の拡大

コア事業である電子基板事業においては、主力顧客であるカメラ及びディスプレイメーカーへの依存度が高く、業界の市場動向に大きく影響を受けてきました。また、当社グループが取り扱う各種検査機をはじめとした製品群は、米中対立や新型コロナウイルス感染症等の外的要因による設備投資需要の減少に長期的に影響を受けることが、売上と利益の拡大における課題であります。このため、電子基板事業においては、試作から量産までワンストップで対応する強みを活かし、医療機器及びIoT通信機器等の成長分野におけるシェア拡大により小中ロット量産案件の受注を伸ばすとともに、テストシステム事業においては、半導体パッケージ基板関連の旺盛な需要を追い風に、対応する検査機を市場投入することで、売上と利益の拡大に努めてまいります。

 

② 生産効率の向上

当社グループが属するエレクトロニクス業界は、自動車・医療・通信分野を筆頭に、さらなる市場の発展が見込まれる中、価格競争力、高品質及び安定した供給体制が求められております。また、台湾、中国を中心とした海外メーカーとの価格競争が激化しており、当社グループにおいては、製造工程の自動化と生産管理システムの刷新を進め、歩留まりの向上及びリードタイムの短縮による競争力強化に取り組んでおります。今後は、高難度製品製造工程への設備投資や人材育成を進めることで生産効率をさらに高め、高難度製品の品質向上及び製品の安定供給に努めてまいります。

 

③ 持続的成長に向けたESG経営の推進

当社グループの事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することが企業責務であると認識しており、売上総利益率、ROA(総資産経常利益率)及びROE(自己資本当期純利益率)等の経営指標を意識し企業価値を向上させるとともに、ESGの各分野における社会的課題に取り組んでいく必要があります。ESG経営の実現に向けては、従業員エンゲージメントを向上させ、協働の効果を最大限に発揮させることが重要であると考えており、健康経営・レジリエンス経営の導入、女性活躍の推進及び多様な働き方の支援を行ってまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載の経営環境の中、売上総利益率、ROA及びROEを重要な指標として位置づけており、ROA及びROEについては、具体的な数値目標等は設定していないものの、従業員一人一人が常に利益を意識した活動を実践することにより、経営の収益性及び効率性を重視した事業運営に注力する所存であります。なお、2022年12月期の売上総利益率の目標数値は28.8%であります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、以下の各事項において、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び当該リスクが顕在化した時に当社グループの経営成績等に与える影響を合理的に予見することが困難な場合には、その可能性の程度や時期・影響についての記載は行っておりません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業内容について

(電子基板事業)

FPCの製造については、当社グループは特許権・実用新案権等の知的財産権を保有しておらず、従来工法により製造を行っていることから、新規参入企業の出現や画期的な新工法発明により競争が激化する可能性があり、その結果、当社グループの収益力が低下し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。次に、FPC試作のユーザーは、主としてセットメーカーの研究・商品開発部門であり、直接受注する場合とFPCメーカーを経由して受注する場合がありますが、セットメーカーの研究・商品開発部門が海外移転した場合には、当社グループは海外生産拠点を有していないため、短納期への対応について優位性を失い、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。次に、当社グループの顧客であるFPCメーカーが、多品種・少量生産で売上規模が小さいわりに人手がかかる等のために本来なら避けたい手間のかかるFPC試作を、自社生産ラインの手隙感から自社内で行い当社グループへの発注を手控えた場合や、FPC試作を量産受注獲得のために低価格で受注する営業攻勢を強め当社グループと競合した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。最後に、当社グループの売上高は、FPCに係る売上高の構成比率が高いことから、当該売上高の推移と経営成績等に相関関係があります。加えて、国内のFPC生産額と当該売上高にも相関関係があることから、電子部品業界の動向や技術革新等により、FPCの需給に著しい変調を来した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、国内の電子基板・FPC生産額の推移及び当社グループの最近5連結会計年度における経営成績等の推移は以下のとおりであります。

 

[電子基板・FPCの生産額の推移]

会計年度

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

電子基板(億円)

6,068.4

6,153.7

6,474.3

6,353.0

6,498.0

対前年比(%)

△6.5

+1.4

+5.2

△1.9

+2.3

FPC(億円)

798.6

736.2

656.1

459.5

432.7

対前年比(%)

△11.6

△7.8

△10.9

△30.0

△5.8

(注)電子基板・FPCの生産額:出所「国内の電子回路基板の生産」(一般社団法人日本電子回路工業会)

 

[当社グループの最近5連結会計年度における経営成績等の推移]

回次

第57期

第58期

第59期

第60期

第61期

決算年月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

売上高

(千円)

4,238,765

4,582,357

3,896,341

3,175,189

3,917,940

うちFPC売上高

(千円)

2,519,323

2,634,403

2,374,371

1,984,175

2,399,198

営業利益又は営業損失(△)

(千円)

△29,956

122,086

△113,769

△425,693

121,249

親会社株主に帰属する当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純

損失(△)

(千円)

5,366

69,341

△213,563

△630,016

241,185

(注)1.売上高には、消費税等は含まれておりません。

2.「うちFPC売上高(千円)」については、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。

 

(テストシステム事業)

基板検査には検査方法の標準がなく、採用する検査方法はメーカーの方針によって異なっており、競合他社も様々な検査方法を用いた検査機を市場に投入しております。今後、当社が志向する検査方法と異なる方法の検査機が主流となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、電子基板メーカーが不良品率の低下等により一部の検査を省略した場合には、検査機市場が縮小に向かい、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、メーカーによっては検査機を自社で内製しており、今後このようなメーカーが増加した場合にも、検査機市場が縮小に向かい、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

検査システムは、顧客仕様による受注販売が中心であり、顧客の要求に沿った製品をいち早く開発・製造することにより、競合他社の製品との差別化を図っております。また、競合を優位に進めるためには、顧客との緊密な関係を保つことが重要であり、その結果、顧客の要求に沿った製品をいち早く納入することが可能となります。このような顧客との緊密な関係が維持できない場合や、顧客企業の業績不振、競合他社との価格競争を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(鏡面研磨機事業)

円筒鏡面研磨機は、大手企業が進出していない10億円未満の市場規模であると推定しておりますが、新規参入企業の出現等により競争が激化した場合には、当社グループは当該事業での特許権・実用新案権等の知的財産権を保有していないため、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(産機システム事業)

各種産業機械の製造販売及び仕入販売において、メーカー各社の産業機械及び産業資材に係わる様々なハイエンド製品を顧客仕様にカスタマイズし、若しくは組み合わせた商品を提案する事業を展開することで差別化を図っております。競合他社との価格競争を余儀なくされる場合、メーカーとの協力関係が維持できない場合及び設備投資需要が減少した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

競争激化等により各事業における当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」のとおり、課題を明確にした上で、市場動向に柔軟に対応できる生産体制の構築、独自技術の開発、販売チャネルの拡大及び生産工程のFA化等に取り組んでおります。

 

(2)人材の確保について

当社グループは、電子基板事業、テストシステム事業を中心とした製品の技術改良・研究開発を常に行っていく必要があり、そのための優秀な人材確保は事業展開上極めて重要であります。しかしながら、当社グループが必要としている技術に精通している人材の獲得、育成及び確保が常に可能であるとは限らず、当社グループが必要とする人材の獲得及び育成ができない可能性、あるいは当社グループの人材が社外に流出する可能性があります。当社グループが必要とする人材の獲得、育成及び確保が計画どおり進捗しない場合には、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループでは、積極的な採用活動を行い、年齢・性別・国籍を問わず専門知識や専門技術に精通した人材を広域から採用し、社内外の研修や福利厚生の充実による社員のモチベーション向上に努めることで人材の確保を行っていることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

(3)知的財産権に関する訴訟、クレームについて

本書提出日現在において、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害している事実はありません。しかしながら、当社グループの事業分野においては、多数の特許・実用新案等が出願されており、当社グループが第三者との間に知的財産権に関する法的紛争に巻き込まれた場合には、事業運営が制約を受けることや、信用失墜及び損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、第三者が当社グループの知的財産権の侵害や保有技術を応用することで、当社グループの事業運営に支障をきたし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループは上記のとおり、多数の特許・実用新案等が出願されていること等により、当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、新規事業の開始や新製品の開発においては、第三者の知的財産権の調査を行う等のプロセスを設け、知的財産権等を侵害することがないよう努めております。また、当社グループの事業分野に関する特許等を出願し、積極的にそれらを取得していく方針であり、新技術の開発、大学等との共同開発についても同様の方針であり、第三者による知的財産権の侵害を防いでおります。

 

(4)情報漏洩について

当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保有しており、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜はもとより、多額の損害賠償費用等の発生に加えて、技術情報の他社への流出による競争力の低下等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当社グループでは、情報セキュリティシステムの改善を継続的に実施するとともに、社内規程の整備や従業員教育の徹底により、機密情報及び個人情報に関するセキュリティ対策を物理的・人的に実施していることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。

 

(5)自然災害等について

当社グループは、地震等の自然災害により、重大な被害を受ける可能性があります。特に、当社グループの本社工場は、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されていることから、順次地震対策を推進しているものの、実際に大規模な地震が発生した場合には、多額の復旧費用の発生や、営業、生産機能等が著しく低下することが想定され、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、事業継続計画(BCP)を策定し、自然災害が発生した場合には、代替手段にて業務を継続し、早期に完全復旧を図る緊急対応体制を構築しております。また、人的被害及び経済的損害を最小限に抑えることを目的に、防災計画に基づく防災訓練の定期的な実施と継続的な改善を行っております。

 

(6)感染症の蔓延について

新型ウイルス感染症の発生・蔓延の影響により、当社グループや顧客の事業所・工場において事業活動に制限や遅れが生じた場合には、当社グループの生産及び販売活動に影響を及ぼす可能性があります。加えて、当初予定した決算発表及び定時株主総会の開催等にも遅延が生じる可能性があります。また、都市のロックダウン等により世界的に景気が後退した場合には、顧客の開発案件・設備投資が減退し当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を想定することは、不確実性が高く困難であります。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」及びこれに基づく政府の基本的対処方針等に従い、人と人との距離の確保、手指消毒、マスク着用等を徹底し、また、在宅勤務やオンライン会議等を活用する等の「新しい生活様式」を取り入れることにより、生産及び販売活動の継続と感染拡大の防止に努めております。さらに、市場動向を見据えた経営体制の見直しを随時行い、世界的な景気停滞に柔軟に対処できる体制を整備してまいります。

 

(7)繰延税金資産について

当社グループは、将来の課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断しております。当社グループの事業計画を基礎として将来の課税所得を見積っておりますが、景気の変動等により、計画どおりに推移せず、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を回収できないと判断した場合や、税制改正、会計基準の改正等が行われた場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策)

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を想定することは、困難であります。当社グループはこれらのリスク軽減を図るため、繰延税金資産の回収可能性の評価に当たり基準とした事業計画の実現可能性について慎重に検討を行っております。なお、繰延税金資産の計上に当たっての重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、2,832百万円(前年同期比20.5%増)となりました。これは主として、たな卸資産が減少した一方、売上債権並びに現金及び預金が増加したことによるものであります。

固定資産は、2,000百万円(同3.7%減)となりました。これは主として、有形固定資産が減価償却により減少したことによるものであります。

(負債)

流動負債は、973百万円(前年同期比11.4%増)となりました。これは主として、未払法人税等及び流動負債のその他に含まれる未払消費税等が増加したことによるものであります。

固定負債は、1,242百万円(同7.7%増)となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、2,617百万円(前年同期比9.0%増)となりました。これは主として、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が断続的に発出された中、新たな変異株の感染拡大及び金融資本市場の変動等に懸念は残るものの、ワクチン接種の進展、財政・金融政策等の効果及び海外経済の改善により、総じて持ち直しの動きがみられました。

当社グループが属する電子基板業界は、5G、EV及び産業機器等の成長分野における半導体の旺盛な需要を受け、パッケージ基板関連メーカーを中心に設備投資が進み、台湾、中国及び韓国の電子基板メーカーとの競合により、製品の高機能化や新技術の開発が進展し活況を呈しました。

このような経済環境の下、鏡面研磨機事業において販売は減少したものの、電子基板事業、テストシステム事業及び産機システム事業において販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。

これらの結果、連結売上高は3,917百万円(前年同期比23.4%増)と、前連結会計年度に比べ742百万円の増収となりました。

損益については、鏡面研磨機事業において売上高が減少したことに伴う影響はあったものの、電子基板事業及びテストシステム事業の売上総利益率が上昇したことや、産機システム事業において売上高が増加したことに伴う影響により営業利益121百万円(前年同期は425百万円の営業損失)、雇用調整助成金等の助成金収入を営業外収益に計上したことにより経常利益253百万円(同314百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益241百万円(同630百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(電子基板事業)

ディスプレイメーカー向けの販売は減少したものの、FPCメーカー並びに電子モジュールメーカー及びカメラメーカーをはじめとしたセットメーカー向けの試作・量産案件の受注増により販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、利益率の高い試作案件の受注増及びエレクトロフォーミング製品の採算性の向上に加えて、人員配置の見直しにより売上総利益率が上昇したことから、増益となりました。

その結果、売上高2,471百万円(前年同期比20.9%増)、セグメント利益562百万円(同185.5%増)となりました。

(テストシステム事業)

外観検査機及び消耗品である検査治具の販売は減少したものの、国内外の大手基板メーカーの設備投資需要の回復に伴い、通電検査機、既販売分の改造案件及びメンテナンスの受注増により販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響及び在庫機の販売等に伴う売上総利益率の上昇により黒字転換いたしました。

その結果、売上高886百万円(前年同期比63.7%増)、セグメント利益51百万円(前年同期は148百万円のセグメント損失)となりました。

(鏡面研磨機事業)

グラビア印刷用ロール向け砥石等の研磨に使用する消耗品の販売は増加したものの、顧客の設備投資に対する慎重姿勢の影響により研磨機の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。

その結果、売上高235百万円(前年同期比44.1%減)、セグメント損失5百万円(前年同期は30百万円のセグメント利益)となりました。

(産機システム事業)

製造ラインにおける大型設備案件及びカバーガラス等の新規仕入商材案件の販売が増加したことに加えて、産業用ロボット関連の不採算案件が一部納品できたことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により損失が縮小いたしました。

その結果、売上高325百万円(前年同期比91.5%増)、セグメント損失63百万円(前年同期は123百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が165百万円、投資活動により使用した資金が7百万円、財務活動により獲得した資金が60百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ222百万円増加し、当連結会計年度末には691百万円(前年同期比47.4%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、165百万円(前年同期は50百万円の獲得)となりました。これは主として、売上債権401百万円の増加により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益258百万円に加え、たな卸資産132百万円の減少及び減価償却費126百万円により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、7百万円(前年同期は43百万円の使用)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入18百万円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出7百万円及び保険積立金の積立による支出6百万円により資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、60百万円(前年同期は74百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出399百万円及び長期未払金の返済による支出52百万円により資金が減少した一方、長期借入れによる収入550百万円により資金が増加したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,111,857

+22.6

テストシステム事業

656,707

+65.1

鏡面研磨機事業

216,656

△44.4

産機システム事業

203,949

+99.1

合計

3,189,171

+22.1

(注)1.セグメント間の内部振替前の数値であります。

2.金額は販売価格によっております。

3.産機システム事業は、上記生産実績の他、商品の仕入実績が仕入金額で414,776千円あります。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,500,335

+22.6

112,004

+35.5

テストシステム事業

750,710

+26.8

162,122

△45.6

鏡面研磨機事業

311,038

+44.1

99,050

+330.1

産機システム事業

173,989

△32.5

98,176

△60.6

合計

3,736,073

+20.3

471,352

△27.8

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年12月21日

至 2021年12月20日)

金額(千円)

前年同期比(%)

電子基板事業

2,471,008

+20.9

テストシステム事業

886,857

+63.7

鏡面研磨機事業

235,018

△44.1

産機システム事業

325,056

+91.5

合計

3,917,940

+23.4

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「同 ② 経営成績の状況」に記載しております。

経営成績の分析については、当連結会計年度は、売上高が3,917百万円(前年同期比23.4%増)となり、前連結会計年度に比べ742百万円の増収となりました。

売上原価は売上高の増加の影響はあったものの、主として利益率の高い製品の受注増の影響により、2,726百万円(同7.3%増)となりました。売上原価率は69.6%となり、前年同期より10.4ポイント低下いたしました。

販売費及び一般管理費は、主として支払手数料の増加により、1,070百万円(同1.0%増)となりました。売上高販管費率は27.3%となり、前年同期より6.1ポイント低下いたしました。

営業利益は121百万円(前年同期は425百万円の営業損失)となりました。売上高営業利益率は3.1%となり、前年同期より16.5ポイント改善いたしました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、132百万円の収益計上となりました。

経常利益は253百万円(同314百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は6.5%となり、前年同期より16.4ポイント改善いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は241百万円(同630百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は6.2%となり、前年同期より26.0ポイント改善いたしました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載の状況下において、電子基板事業では、新たな顧客層の案件獲得に向けてFPCの多層化や薄型化といった高度な技術要求に対応できるよう材料メーカーや大学との共同開発を推進していくとともに、今後ますます市場が成長すると見込まれる医療機器分野を重点攻略分野と捉え、高難度製品等の試作から量産までを見据えた生産体制の強化に注力してまいります。また、テストシステム事業では、品質管理要求の高まりや労働環境の変化に伴う自動化・省力化ニーズの増加による検査機の需要を取り込むことに加えて、世界的な半導体関連市場の活況を受け、半導体パッケージ基板向けの検査機の開発・上市を目指すなど競争力のある検査機の製品ラインアップ拡充を図り、受注の獲得につなげてまいります。鏡面研磨機事業では、受注の平準化及び部材調達の効率化を図り生産性を向上させることで、利益の確保に努めてまいります。産機システム事業では、需要が旺盛な産業用ロボット関連のシステムインテグレーションサービスの早期収益化を目指し、引き続き事業基盤の構築に注力してまいります。具体的な当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該要因への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況については、当社グループは売上総利益率、ROA及びROEを重要な指標として位置づけており、これらの指標の向上に努めることを経営上の目標としております。

当連結会計年度においては、売上高は当初予想を下回ったものの、主として利益率の高い製品の受注増の影響により、売上総利益率は目標数値28.6%より1.8ポイント上昇、前年同期より10.4ポイント上昇し30.4%となりました。また、ROAは前年同期より12.1ポイント改善し5.5%、ROEは前年同期より33.1ポイント改善し9.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約(当座貸越極度額1,565百万円)を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は691百万円、流動比率は291.1%であります。

なお、当連結会計年度末現在において重要な資本的支出の予定はありません。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社グループ内の組織再編に伴う吸収合併契約

当社は、2021年9月10日開催の取締役会において、2021年12月21日を効力発生日として当社を吸収合併存続会社、当社の連結子会社であるマイクロエンジニアリング株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併の実施を決議し、同日付で吸収合併契約を締結いたしました。

本契約の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、技術革新のスピードが速いエレクトロニクス業界で、多様化、高度化し、広範にわたる顧客ニーズに対応するための研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、108,766千円であります。

 

(1)電子基板事業

プリント配線板は、医療・介護機器やウエアラブル端末等のハイエンドのアプリケーションに採用が進み、これまで以上の高耐熱性・伸縮性・高周波特性等の要求が予想されることから、特殊有機材料への電子回路形成に関する研究開発を行っております。

電子基板事業の研究開発費は、29,507千円であります。

 

(2)テストシステム事業

電子基板の高精細高密度化が進み、製造現場において高い検査精度と徹底した品質管理が要求されており、その要求に対応するために、外観検査機については、カラー高分解能撮像の開発とこれを搭載する自動検査機の設計開発を行っております。また、通電検査機については、車載・モバイルFPC向けの機能及び潜在欠陥検出性能向上の研究開発と半導体パッケージ基板への機能適用実験を行っております。

テストシステム事業の研究開発費は、79,258千円であります。

 

(3)鏡面研磨機事業

該当事項はありません。

 

(4)産機システム事業

該当事項はありません。