第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、本四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項の発生はありません。また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更もありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、ウクライナ及び中東情勢の長期化による原材料やエネルギー価格の高止まり、円安に伴う物価上昇により、実質賃金が連続してマイナスを記録するなど景気を下押しする懸念はあったものの、高水準な企業収益と約30年ぶりの水準となった春季労使交渉の結果が所得環境を改善したことから、引き続き緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループが属する電子基板(※1)業界は、生成AI関連市場の拡大を受けてデータセンター向けサーバーや民生向けパソコンの需要は増加したものの、スマートフォン等の民生品や世界的なEV市場の失速、不正問題の影響等による自動車の減産により車載向け高機能製品の需要が低迷したことから、低調に推移いたしました。

このような経済環境の下、テストシステム事業及び鏡面研磨機(※2)事業において販売は増加したものの、電子基板事業及び産機システム事業において販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。

これらの結果、連結売上高は1,760百万円(前年同四半期比0.1%減)と、前年同四半期連結累計期間に比べ1百万円の減収となりました。

損益については、テストシステム事業の売上高が増加したこと並びに人件費や広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が減少したことに伴う影響はあったものの、電子基板事業及び産機システム事業において売上高が減少したことに伴う影響により営業損失34百万円(前年同四半期は61百万円の営業損失)、経常損失35百万円(同41百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失26百万円(同33百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(電子基板事業)

医療機器メーカー向けのFPC(※3)の販売は増加したものの、民生品及び産業機器向け製品の在庫調整が長期化している影響等により、その他セットメーカー(※4)及びカメラメーカー向け等のFPCの販売が減少したことから売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響及び賃上げ等に伴う売上高労務費比率の上昇等により減益となりました。

その結果、売上高1,152百万円(前年同四半期比12.4%減)、セグメント利益163百万円(同33.1%減)となりました。

(テストシステム事業)

セラミックス基板及びパッケージ基板向け外観検査機(※5)並びにFPC向け通電検査機(※6)の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高が増加したこと、利益率の高い製品の販売により売上総利益率が上昇したこと並びに人件費や広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が減少したことに伴う影響により黒字転換いたしました。

その結果、売上高349百万円(前年同四半期比93.9%増)、セグメント利益31百万円(前年同四半期は80百万円のセグメント損失)となりました。

(鏡面研磨機事業)

リチウムイオン電池用フィルム加工向け研磨機の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、労務費等が増加したことに伴い売上総利益率は低下したものの、売上高増加に伴う影響により増益となりました。

その結果、売上高192百万円(前年同四半期比26.0%増)、セグメント利益16百万円(同0.4%増)となりました。

(産機システム事業)

医療向け外観検査システムの販売はできたものの、大型パッケージ基板の自動検査ライン等の販売があった前年同四半期の反動減により、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失が拡大いたしました。

その結果、売上高65百万円(前年同四半期比41.7%減)、セグメント損失19百万円(前年同四半期は14百万円のセグメント損失)となりました。

※1 電子基板

電子部品を表面に固定し当該部品間を配線で接続するために必要な導体パターンを、絶縁基板の表面のみ又は表面及びその内部に形成した板状又はフィルム状の部品であるプリント配線板と、プリント配線板に電子部品を実装したモジュール基板の総称。前者は材質によりリジッド板、FPC等に区分される。

※2 鏡面研磨機

素材表面の凹凸を砥石等で磨きこむことにより、素材表面を鏡のように加工する機器。

※3 FPC

Flexible Printed Circuit(フレキシブルプリント配線板)の略。プリント配線板の一種であり、ポリイミド等の屈曲率が高く薄い絶縁材料を支持体とした、柔軟に曲がる基板。

※4 セットメーカー

最終製品を供給する民生エレクトロニクスメーカー等の総称。

※5 外観検査機

プリント配線板やプリント配線板に部品を実装したプリント回路板等の外観状況を光学的に把握し、コンピュータを用いた画像処理によって良否を判断する検査を行う機器。

※6 通電検査機

プリント配線板及び半導体パッケージ向け基板の配線が設計のとおり接続されており、断線や短絡がないことを電気を通して確認する検査を行う機器。

 

② 財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ438百万円増加し、2,973百万円となりました。これは主として、売上債権及び棚卸資産が減少した一方、現金及び預金並びに有価証券が増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、2,052百万円となりました。これは主として、1年内償還予定の社債の振り替えにより固定資産のその他に含まれる投資有価証券が減少した一方、有形固定資産の取得により増加したものであります。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ311百万円増加し、1,163百万円となりました。これは主として、短期借入金及び夏季の賞与を計上したことにより流動負債のその他に含まれる未払費用が増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ118百万円増加し、1,305百万円となりました。これは主として、長期未払金及び長期借入金が増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ18百万円増加し、2,557百万円となりました。これは主として、利益剰余金が減少した一方、投資有価証券の時価が上昇したことによりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が257百万円、投資活動により使用した資金が34百万円、財務活動により獲得した資金が221百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ449百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には934百万円(前年同四半期比13.3%増)となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、257百万円(前年同四半期は38百万円の使用)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純損失35百万円により資金が減少した一方、減価償却費67百万円、売上債権65百万円の減少及び棚卸資産47百万円の減少により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、34百万円(前年同四半期は80百万円の使用)となりました。これは主として、無形固定資産の取得による支出19百万円及び定期預金の増加12百万円により資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、221百万円(前年同四半期は228百万円の獲得)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出150百万円により資金が減少した一方、長期借入れによる収入250百万円及び短期借入金の純増加額180百万円により資金が増加したことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は35百万円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。

なお、財務状況については、自己資本比率50.2%であり、健全な状態を確保しているものと認識しております。また、流動比率255.6%であり、十分な流動性を確保しているものと認識しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。