〔経営の基本方針〕
当社グループでは経営理念の下、2021年4月より、2030年に当社グループのありたい姿として、長期ビジョン「VISION2030」を策定しました。
〔経営環境〕
当社グループでは、これまでニッチトップ戦略のもと、国内市場においてバス・鉄道用のワンマン機器や、車載用照明灯具、フォークリフト用充電器など多くの製品分野でトップシェアを獲得し、確かな事業基盤を構築してまいりました。一方、当社グループをとりまく経営環境は、少子高齢化や労働力不足問題に加え、新型コロナウイルスの感染拡大およびそれに伴う価値観や生活様式の変化など、目まぐるしく変化しています。
また、当社グループの主要事業である輸送機器事業、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)につきましても、MaaS、キャッシュレス、自動運転、脱炭素社会の実現など、日々新しい技術やサービスが生まれ、進化しています。
〔経営戦略〕
こうした変化の激しい社会に対し、これからも社会から求められる企業であり続けるために、長期ビジョン実現に向けた成長の柱として、以下の2つを戦略として掲げています。
①モノ+コトへの事業構造の変革
事業構造を「モノ+コト」即ち、ハードウェア中心の事業構造から、ハードを軸にソフトウェアやサービスを組み合わせたより付加価値の高い事業への変革を進めます。
②エネルギーマネジメントシステム事業の育成
産業機器事業をエネルギーマネジメントシステム事業と再定義して、これまで培ってきた電力変換や情報処理に係る技術を活用し、新たな成長ドライバーとして育成することで、今後、更なる市場拡大が期待される再生可能エネルギーやスマートシティなどのビジネス領域での開拓を進めます。
これらの戦略と、これまで当社が培ってきた強みである、バス用電装機器のトータルサプライヤーとしての総合力、インバータ技術をベースとした電力変換技術、ニッチトップシェア戦略により獲得した多くのトップシェア製品を持つという営業基盤を掛け合わせることで、長期ビジョンの実現を目指します。
〔中期経営計画 CN2023(Challenge to the Next stage 2023)〕
中期経営計画は、長期ビジョン「VISION2030」の実現に向けたアクションプランとして、2021年度から2030年度までの10年間を、3つのフェーズに分けて取り組みを行います。最初のフェーズである2021年度から2023年度までの中期経営計画「CN2023(Challenge to the Next stage 2023)」は、10年後、確実に「モノ+コトへの事業構造の変革」を成し遂げるための確かな投資期間として位置づけています。
新型コロナウイルス感染症の収束の目途は依然立っておらず、当社の主要な取引先であるバス・鉄道業界につきましても厳しい状況が続いています。一方、人の移動や経済活動回復の兆しは表れており、また、変容した価値観や生活様式は元には戻らないことを前提としつつも、安全・安心な暮らしを支える公共交通への設備投資需要は確実に存在し、より便利かつ持続可能な公共交通を実現するための新たなビジネスチャンスが生まれていると考えています。このような厳しい状況の中でも、環境変化をとらえ、次の成長分野への投資の手をゆるめず、引き続き、長期ビジョンで描いたありたい姿を実現するために、成長事業の育成や事業ポートフォリオの変革を進めます。
具体的には、バスや鉄道のAFC(Automated Fare Collection System:自動運賃収受システム)の分野では、キャッシュレス化の進展を見据え、多様な決済サービスの提供を進めてまいります。スウェーデンの連結子会社で開発した多様な決済手段に対応可能なキャッシュレス運賃収受器「LV-700」の拡販に加え、バス・鉄道の定期券、回数券、一日乗車券等をスマホで購入できる乗車券購入アプリ「QUICK RIDE」のサービス拡大など、今後も、利用者様・事業者様の双方にとって快適な運賃収受サービスを実現してまいります。また、海外のAFCの分野では、公共投資の増加が見込まれる、米国市場を中心に販売活動を強化し、受注獲得を目指してまいります。
TMS(Transit Management System:運行管理システム)の分野では、路線バス運行支援ユニット「LIVU」を軸に、乗客の乗降データ、バスの走行距離、燃費、所要時間など、バスの運行に関する様々なデータの活用による運行管理サービスの向上やダイヤ編成システムの開発等、データソリューションサービスを展開していくことで、利用しやすい公共交通を目指してまいります。
産業機器(エネルギーマネジメントシステム)の分野では、世界的に温室効果ガス削減の動きが進むなか、世の中の電動化ニーズに対応してまいります。具体的には、充電器のビジネスにおいて、従来のバッテリー式フォークリフト向けに加え、農機や建機、スモールモビリティなど、電動化のニーズが高まりつつある新たな分野への展開を進めてまいります。更に、これまでの電源ビジネスで培ってきたバッテリーに関する知見や電流・電圧のマネジメント技術をベースに、IoTを活用したバッテリー遠隔監視機能等のエネルギーマネジメントシステムの充実を図り、再生可能エネルギーやスマートシティなど、新たなビジネス領域の開拓にも挑戦してまいりたいと考えております。
これらの方向性を軸に取り組みを進めることにより、中期経営計画「CN2023」においては、長期ビジョンの実現に向け、安定的な収益基盤の確立を目指してまいります。
〔サステナビリティ〕
当社グループは、経営理念のもと、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に取り組むため、マテリアリティを特定し、事業戦略とサステナビリティ課題・目標を一体化しました。これらのマテリアリティのもと、長期ビジョン、中期経営計画に基づいた事業展開を行うことで、当社の強みを活かした新たな価値創造による社会課題の解決を目指します。
〔サステナビリティ推進体制〕
当社グループは、2022年4月に、取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しました。本委員会は必要に応じて開催し、グループ全体のサステナビリティ推進体制を議論・決定するために、グループ全社より部門長およびメンバーが参加しています。また、環境負荷物質に対する具体的な削減活動を議論・決定するために、品質環境委員会においても検討を行っています。重要な案件については、サステナビリティ委員会および品質環境委員会より、経営会議および取締役会に上申し、経営方針の策定・経営判断に取り入れています。
〔サステナビリティ課題・目標(マテリアリティ)〕
当社は、取り組むべきマテリアリティについて分析・特定を行い目標設定を行いました。特定したマテリアリティについては、今後も適宜見直しを行っていきます。
〔TCFD提言に沿った情報開示〕
当社グループは2021年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、 TCFD)」の提言に賛同することを表明しました。当社グループでは、2021年4月に策定した長期ビジョン「VISION2030」に基づき、当社がこれまで培ってきたモノをつくる技術を活用し、モノとソフトウェアやサービスを組み合わせた「モノ+コト」の新たな価値を提供することで、持続的で快適な日常を実現することを目指しています。その中でも、これからも社会から求められる企業であり続けるために、社会が直面する課題である気候変動リスクと向き合うことは、当社の経営にとっても重要な課題であると認識しています。以下の通り、TCFD の提言する開示フレームワークに基づき、気候変動に関する情報を開示しました。引き続き、気候変動に関する情報開示を充実させ、より具体的な気候変動に関する取組を検討し、中長期的な事業計画に織り込むことによって、持続可能な社会への貢献と企業価値のさらなる向上を目指します。
(1)ガバナンス
当社グループでは、気候関連問題に関する取締役会による監督体制として、所管する社内重要会議体で審議した気候関連の課題と対応について、少なくとも年1回以上、また、必要に応じて、経営会議を通じて報告を受け、取締役会において審議の上、決議します。社内重要会議体として、当社グループでは、取締役を委員長としたサステナビリティ委員会を設けています。同委員会は、気候変動等による事業リスク・機会の共有や対策の検討、企業情報開示についての方針の検討・決定を行い、進捗管理を行っています。また、品質担当の執行役員を委員長とした品質・環境委員会を設けており、同委員会では、品質や環境の維持管理とグループに関わる品質・環境問題の解決の推進を行っております。当社グループでは、気候関連問題に関する経営者の役割として、業務執行機関としての経営会議及び代表取締役社長を委員長としたコーポレートガバナンス委員会において、気候関連問題を含むグループ全体のリスク分析と対応を行っています。同委員会は、リスクマネジメントに関わる最高決定機関であり、抽出・分析・評価された重要リスクについて、取締役会に報告しています。また、当社グループは、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築しており、EMSによる活動結果は、取締役会に報告されます。
(2)戦略
近年の気象災害の激甚化は地球温暖化が一因とされており、脱炭素の機運が高まる中、気候変動は企業経営にとっても対処すべき課題であると認識しています。一方、気候変動はリスクであるとともに、当社の事業活動によって解決に貢献できる機会でもあると捉えています。気候変動が及ぼす機会とリスクについて、分析対象は、当社の国内における主要事業である輸送機器事業および産業機器(エネルギーマネジメントシステム)事業を対象と考え、また分析対象を2030 年と設定し、当社の事業活動に対して気候変動が及ぼす影響評価を行いました。また、これらの評価では、事業活動に与える影響を分類しました。2℃シナリオでは、気候変動による気温上昇に対して、次の機会とリスクがあることがわかりました。輸送機器事業においては、マイカー保有の規制強化により自動車生産台数は減少する一方、公共交通の利用が推奨され公共交通の利便性が求められること、産業機器(エネルギーマネジメントシステム)事業においては、電動化ニーズの高まりにより、製品の省電力化および電力変換の高効率に対する需要がより一層拡大することを機会と捉えました。また、事業全体のリスクとして、原料・資源の価格高騰、災害の激甚化による工場の稼働停止等へ対応を行う必要があることも併せて検討課題として挙がりました。これらの機会・リスクに対して、当社の培ってきた知識と技術および今後必要と想定される技術を融合し対応を進めてまいります。
(3)リスク管理
気候変動のリスクと機会を識別・評価し、管理するプロセスとしては、気候変動に関する事項を所管する担当部門が、社内関係部門やグループ会社と連携して状況の把握を行い、サステナビリティ委員会その他の社内重要会議体に報告・提言します。サステナビリティ委員会その他の社内重要会議体において、報告・提言された気候変動の影響と対応について審議を行い、識別されたリスクと機会について評価します。その後、少なくとも年1回以上、また、必要に応じて、経営会議を通じて取締役会に報告されます。取締役会は、当該報告を受けて、課題への取り組みや設定した目標を監督します。また、サステナビリティ委員会その他の社内重要会議体は、必要に応じてコーポレートガバナンス委員会へ報告・提言を行うことで、気候変動の影響を全社リスクに統合する役割を担っています。コーポレートガバナンス委員会は必要に応じて開催され、リスク管理を所管する各部門や会議体からの報告・提言を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、経営会議を通じて取締役会に報告していますが、気候変動の影響に関する報告・提言があった場合も同様に、全社的な統合的リスク管理への反映の観点から適切な対応を決定します。取締役会は、サステナビリティ委員会その他の社内重要会議体・コーポレートガバナンス委員会から気候変動に関するリスク管理の状況と対応を含む統合的リスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。
(4)指標と目標
当社グループは、2050年度までにカーボンニュートラルを実現することを目指し、そのマイルストーンとして2030年度までの削減目標を設定しました。これらの長期目標達成のため環境マネジメントプログラムを策定し、Scope1・2においては、GHG排出量の削減のため燃料消費の削減、消費電力の削減、再生可能エネルギーへの転換について具体的な取組を策定しました。また、Scope3においては、中期経営計画CN2023における各事業分野の戦略に脱炭素社会の実現への対応を織り込む検討を進めてまいります。
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2030年度目標 |
2050年度目標 |
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・自己消費燃料50%削減 ・購入電力の再生可能エネルギーへの転換30% ・生産活動の効率化/低消費電力 消費電力20%削減 |
カーボンニュートラルの実現 |
本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、リスク発生の回避及びリスク発生時の軽減に最大限努めております。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループの事業内容に関するリスク
当社グループで最も売上が大きい輸送機器事業においては、公共交通事業者様(バス事業者様、鉄道事業者様)を主要販売先としております。そのため、事業者様の設備投資計画や国・地方公共団体からの補助金など公共事業投資の動向に影響を受ける可能性があります。
そのため、大規模自然災害や感染症等が発生して公共交通機関の輸送人員の減少が続いた場合、事業者様の設備投資の抑制や先送りにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、現在の主力製品であるAFC(自動運賃収受機器)の導入及び更新案件の物件規模の大小や、新紙幣・新硬貨の発行に伴う機器の改修、消費税率改定に伴う運賃データの書き換えなどの特需の有無により、当社グループの業績が大きく変動する可能性があります。
② 業績の季節変動に関するリスク
当社グループの輸送機器事業の主要販売先である、国内のバス・鉄道業界においては毎年1~3月の第4四半期に設備機器の代替やダイヤ改正等の変更が集中する傾向にございます。
そのため、第4四半期に納入を予定していた案件の納入が、様々な理由により翌期にずれ込んだ場合、業績が変動する可能性があります。
③ 技術革新及び新規製品開発に関するリスク
当社グループでは、既存事業において多くのトップシェア製品を有しており、安定した販売基盤を確保しておりますが、近年、MaaSやキャッシュレス、自動運転、5Gなど、当社グループが関連する業界においても、新たな技術やサービスが次々と生まれるなか、事業環境の変化を認識しております。
このような環境の変化は、長期的に当社グループの事業にも大きな影響を及ぼす可能性がある為、常に、市場ニーズの変化や技術革新の変化をいち早く掴み、新製品の開発や新サービスの導入に努めております。
しかしながら、新製品や新サービスの開発に時間を要し、市場導入の時期が遅れた場合、また、市場ニーズに即した開発ができなかった場合は、当社グループの業績及び事業の成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
④ 部材調達に関するリスク
当社グループにおいては、部材の調達を複数のサプライヤーから行うなど、安定調達を図っておりますが、サプライヤーの被災や事故、品質問題などの発生、市場の需給状況等による供給不足の発生など、適時に部材の確保ができない場合や部材価格が高騰した場合には、当社グループの生産活動の遅延、製品原価率の上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 製品の品質に関するリスク
当社グループが製造・販売を行っている製品は、バス・鉄道用運賃収受システム、表示器、照明灯具などの公共交通インフラをサポートする製品や、バッテリー式フォークリフト用充電器、無停電電源装置、屋外看板照明用LED電源などの電力変換技術をベースとした各種産業用電源機器を扱っており、高い信頼性と安全性が求められております。
そのため、製品の品質管理体制を整備し、品質の確保と不具合発生の防止に万全を期しておりますが、万一、大規模な製品の不具合が発生した場合は、多額の改修費用や賠償費用の発生、更には信用の失墜等により、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 訴訟に関するリスク
当社グループは、国内外において事業活動を行ううえで、各国の関連する法律や規制の適用を受けており、法令遵守に努めております。
国内外の事業活動の過程で予見される主な訴訟リスクとして、知的財産及び製造物責任などの問題で訴訟を提起される可能性があります。
知的財産に関しては、新製品の開発や生産、販売活動を行う際に、第三者の知的財産権の調査を徹底し、権利侵害を行わないように努めております。しかしながら、当社グループが第三者から知的財産権等の帰属や侵害に関する主張や請求を受ける可能性は完全には否定できず、それに伴い当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。
また、製造物責任に関しては、製造物賠償責任保険を付保しておりますが、保険でカバーしきれない賠償責任を負うこととなった場合や、多額の対策費用が必要となった場合は、当社グループの業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、米国、シンガポール、タイ、スウェーデンに現地法人を設け、主に、北米、東南アジア、欧州等で事業を展開しております。海外における事業展開には、各国の予期しない法律や規制の改正、テロ・戦争・感染症等の発生による社会的混乱、為替レートの急激な変化等のリスクがあり、これらの事象が顕在化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 固定資産の減損に関するリスク
当社グループでは、各事業への投資に対する回収が不可能になることを示す兆候を認識した場合には、将来キャッシュ・フローの算定等により減損の有無を判定しております。その結果、減損損失の計上が必要になることも考えられ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 繰延税金資産の取崩しに関するリスク
当社グループは、繰延税金資産について、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もったうえで回収可能性を判断し、計上しております。しかしながら、事業環境の変化等による将来の課税所得見積額の変更や税制改正に伴う税率の変更等により、繰延税金資産の取崩しが発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 災害に関するリスク
当社グループは、地震・台風・洪水等の自然災害等が発生した場合に備えて、リスクを評価し、事業継続計画を策定しております。しかしながら、事業継続計画の想定を超えた大規模な災害等により、事業活動の中断、生産設備の被害、交通遮断による製品輸送停止など、不測の事態が発生するリスクが考えられます。また、当社グループの部材調達先・外注先において災害が発生した場合も、生産活動の遅延等のリスクがあります。
これらの予期せぬ事態の影響により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、バス・鉄道事業者様の乗客が大幅に減少して業界全体の設備投資の先送りが生じた場合、輸送機器事業のバス市場向け製品や鉄道市場向け製品の売上が減少する可能性があります。同様に、自動車・トラックメーカー様、フォークリフトメーカー様等の一時的な操業停止や生産調整が生じた場合、輸送機器事業のトラック用照明灯具、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)のバッテリー式フォークリフト用充電器、自動車向けプリント基板実装等の売上が減少する可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対し、政府による「緊急事態宣言」、及び各自治体からの要請を踏まえ、テレワークの推奨、不要不急の出張及びお客様への訪問自粛等、それぞれの部門が担う機能に応じて、必要な感染防止対策を行っております。
今後につきましては、ワクチン接種や治療法の確立等により、感染者数の減少が期待される一方、収束の時期は不透明である為、再度、全国的な感染拡大が発生し、影響が長期化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 情報管理に関するリスク
当社グループが保有する企業情報や個人情報については、個人情報取扱規定の整備や情報システムのセキュリティ強化等を実施して情報管理の徹底に努めておりますが、万一これらの情報が流出して問題が発生した場合は、社会的信頼の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループの事業活動において情報システムや情報通信ネットワークの役割は重要である為、コンピュータウイルスや不正アクセスなどのサイバー攻撃、ソフトウェア等の障害、災害等による情報システムや情報通信ネットワークの機能不全が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナワクチンの接種が進み、移動制限の解除や経済活動の正常化に向けた兆しがみられた一方、変異株の出現による感染再拡大が懸念され、依然として収束の見通しは立っておりません。また、半導体不足や世界的な物流の混乱などに起因する部材の調達難の影響もあり、先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループを取り巻く経営環境においても、主要な取引先であるバス・鉄道業界におきまして、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響がいまなお続いています。感染拡大防止を目的とした人々の移動の制限が続くだけでなく、新しい生活様式の広がりにより、バス・鉄道の乗車人員は減少しています。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2021年4月よりスタートいたしました長期ビジョン「VISION2030」と長期ビジョンのアクションプランとして策定した中期経営計画「CN2023(Challenge to the Next stage 2023)」の実現に向けた取り組みを進めております。
中期経営計画「CN2023」では、重点課題である①「モノ+コトへの新たな事業展開」、②「MaaS、スマートシティに向けた新しい価値の提供」、③「海外・国内ビジネスの新たな融合と広がり」、④「事業構造の転換に向けた業務プロセスの抜本的変革」、⑤「育成分野への経営資源のスムーズな移行」の5つの課題に向けた取組に注力しております。
新型コロナウイルスの影響により、業界全体の設備投資マインドは落ち込んではいるものの、公共交通や物流などの生活を支える社会インフラの役割を果たすために必要な設備投資は継続されています。このような安全・安心な暮らしを支えるための需要を確実に取り込むことに加え、原価低減活動等により、収益改善に向けた取組を行っています。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
前期比 増減額 |
前期比 増減率 |
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売上高 |
155億53百万円 |
140億75百万円 |
△14億77百万円 |
△9.5% |
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売上総利益 |
33億3百万円 |
39億54百万円 |
6億50百万円 |
19.7% |
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営業損益 |
△40百万円 |
1億49百万円 |
1億89百万円 |
- |
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経常利益 |
35百万円 |
3億25百万円 |
2億89百万円 |
9.0倍 |
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親会社株主に帰属する 当期純損益 |
△1億24百万円 |
53百万円 |
1億77百万円 |
- |
①全般概況
〇売上高は、前期比14億77百万円(9.5%)減の140億75百万円となりました。
これは主に、収益認識会計基準の適用による減収の影響額18億41百万円によるものであります。なお、従来基準での比較では前年実績を上回る売上を計上しております。
〇売上総利益は、前期比6億50百万円(19.7%)増の39億54百万円となりました。
これは主に、原価低減や商品構成の変化等により売上原価率が前期比6.9ポイント良化したこと等によるものであります。
〇営業損益は、前期比1億89百万円 増の1億49百万円となりました。
なお、販売費及び一般管理費につきましては、減価償却費、事務委託費、人件費の増加により、前期比4億60百万円増の38億4百万円となりました。
〇経常利益は、前期比2億89百万円(9.0倍)増の3億25百万円となりました。
なお、営業外収益につきましては、為替差益等の計上により前期比99百万円(90.5%)増の2億10百万円となりました。また、営業外費用につきましては、前年から大きな変動はなく、34百万円となりました。
〇親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比1億77百万円 増の53百万円となりました。
なお、特別利益につきましては、今期の計上はありませんでした。また、特別損失につきましては、減損損失の増加、投資有価証券評価損の発生等により、前期比10百万円(2.7倍)増の16百万円となりました。
②セグメント別の状況
a.輸送機器事業
当事業の売上高は105億1百万円(前期比1億8百万円増、1.0%増)、営業利益は3億79百万円(前期比3億61百万円増、20.6倍)となりました。
市場別の売上高は、バス市場が74億58百万円(前期比13百万円減、0.2%減)、鉄道市場が20億64百万円(前期比1億58百万円増、8.3%増)、自動車市場が9億79百万円(前期比36百万円減、3.6%減)となりました。
なお、収益認識会計基準の適用による影響額といたしまして、輸送機器事業の売上高が9百万円(バス市場16百万円増加、鉄道市場0.2百万円減少、自動車市場7百万円減少)増加し、営業利益が11百万円増加しています。
バス市場につきましては、新500円硬貨発行に係る運賃収受機器の改造需要が増加したことに加え、北関東から東北、中国地区におけるバス用ICカードシステムの新規導入需要を背景に、運賃箱やICカードリーダライタの売上が増加した一方、前年にあった首都圏向け車載用液晶表示器の大型案件の反動減による影響等により、若干の減収となりました。
鉄道市場につきましては、東南アジア・南アジア向け列車用LED灯具の売上が増加したほか、新500円硬貨発行に係る運賃収受機器の改造需要が増加し、増収となりました。
自動車市場につきましては、新型コロナウイルス感染症等に起因する世界的な部材不足が発生し、自動車メーカーにおいて減産が行われたことにより、トラックの生産台数が低調に推移したため、トラック用LED灯具の売上が減少し、減収となりました。
利益面につきましては、増収効果に加え、原価改善が寄与したことにより増益となりました。
b.産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)
当事業の売上高は35億36百万円(前期比15億82百万円減、30.9%減)、営業損失は1億73百万円(前期比1億60百万円減、前期は12百万円の営業損失)となりました。
市場別の売上高は、電源ソリューション市場が20億1百万円(前期比18百万円減、0.9%減)、エコ照明・高電圧ソリューション市場が6億59百万円(前期比1億22百万円増、22.9%増)、EMS市場が8億75百万円(前期比16億86百万円減、65.8%減)となりました。
なお、収益認識会計基準の適用による影響額といたしまして、産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)の売上高がEMS市場で18億50百万円減少しておりますが、売上原価も同額減少しており、損益面への影響はございません。
電源ソリューション市場につきましては、バッテリー式フォークリフト用充電器の売上が増加したものの、無停電電源装置の売上が減少し、減収となりました。
エコ照明・高電圧ソリューション市場につきましては、ガソリンスタンド等の店舗看板の更新需要に伴いLED電源の売上が増加し、増収となりました。
EMS市場につきましては、収益認識会計基準の適用による影響(自動車向けプリント基板実装の有償受給取引に係る減収影響)により、減収となりました。なお、会計基準の適用による影響を除くと、対前期比を上回る売上を計上しています。
利益面につきましては、材料市況上昇に伴うコスト高の影響に加え、新型充電器等エネルギーマネジメントシステムに関わる開発コストが増加したことに伴い、損失幅が拡大しました。
c.その他
当事業の売上高は37百万円、営業利益は6百万円となりました。事業の内容は、主としてレシップホールディングス株式会社による不動産賃貸業であります。
(2)財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は144億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億79百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金が7億6百万円、原材料及び貯蔵品が6億2百万円、繰延税金資産が51百万円増加した一方、売掛金が14億75百万円、未収還付法人税等が3億17百万円、受取手形が1億9百万円、無形固定資産が1億円、建物及び構築物(純額)が54百万円減少したこと等によるものです。
負債は96億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億42百万円減少いたしました。主な要因は、未払法人税等が2億70百万円、電子記録債務が1億73百万円、長期借入金が1億26百万円、前受金が1億8百万円、有償支給に係る負債が43百万円、未払金が29百万円、1年内返済予定の長期借入金が20百万円増加した一方で、短期借入金が13億56百万円減少したこと等によるものです。
純資産は47億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億37百万円減少いたしました。主な要因は、為替換算調整勘定が1億20百万円減少したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の32.5%から33.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億61百万円増加し、40億94百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は11億30百万円の支出に対し、23億円の収入となりました。
これは主に、棚卸資産の増加があったものの、法人税等の還付、部材調達難への対応に関連した仕入債務の増加、売掛金の早期回収活動を進めたことによる売上債権の減少、未払金の増加、税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は4億81百万円の支出に対し、前年同期比3億42百万円支出が減少し、1億38百万円の支出となりました。
これは主に、建物設備の更新対応をはじめとした有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出がともに減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期は27億47百万円の収入に対し、14億15百万円の支出となりました。
これは主に、短期借入金の返済によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
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自己資本比率(%) |
24.0 |
20.8 |
34.3 |
32.5 |
33.0 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
75.7 |
54.1 |
37.3 |
49.9 |
50.5 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(%) |
913.3 |
4,566.1 |
99.5 |
- |
196.5 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
16.6 |
3.1 |
79.7 |
- |
81.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2021年3月期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
輸送機器事業 |
5,674,821 |
88.0 |
|
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) |
3,309,422 |
69.3 |
|
合計 |
8,984,243 |
80.0 |
(注)1 金額は、製造原価によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
輸送機器事業 |
11,026,242 |
109.6 |
4,406,874 |
113.5 |
|
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) |
4,220,472 |
83.7 |
1,299,965 |
211.1 |
|
合計 |
15,246,714 |
100.9 |
5,706,839 |
128.3 |
(注)1 「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、受注残高の前年同期比については、当該会計基準等を適用した後の期首の受注残高と比較しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
輸送機器事業 |
10,501,893 |
101.1 |
|
内 バス市場向け |
7,458,164 |
99.8 |
|
内 鉄道市場向け |
2,064,013 |
108.3 |
|
内 自動車市場向け |
979,716 |
96.4 |
|
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) |
3,536,174 |
69.1 |
|
その他 |
37,688 |
90.2 |
|
合計 |
14,075,755 |
90.5 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績の状況」に記載しております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおきましては、原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金のほか、製品の競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資等に主たる資金需要が生じます。当社グループは、これらの資金需要に対して営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金並びに金融機関からの借入により充当しております。なお、営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金及び設備等に充当するほか、継続的かつ安定的な株主還元に努めてまいりたいと考えております。
金融機関からの借入につきましては取引先金融機関と当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。また、国内連結会社につきましては、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、国内連結子会社の余剰資金を連結親会社に集中させることにより、当社グループの資金効率化を図ると共に、国内連結子会社の資金業務を連結親会社に集中させることにより業務効率化を図っております。なお、新型コロナウイルス感染症に関するリスクに対して、借入契約の拡充を行い、資金流動性を継続的に維持する方針であります。
経営上の重要な契約について
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
レシップ㈱ |
ソニー㈱ |
ICカード システム |
ソニー㈱の開発した“FeliCa”技術に準拠したICカードシステムを用いた交通系精算システムを開発するため、ICカードシステムのセキュリティー機能と構造を解説した文書の非独占的使用権の無償許諾を受けるものであります。 |
2001年10月4日より1年間(自動更新条項により契約継続中) |
※FeliCaはソニー株式会社の登録商標です。
当連結会計年度の研究開発活動は、モバイルペイメント対応等の開発費が引き続き高い水準で推移いたしました。当連結会計年度の研究開発費は
セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1) 輸送機器事業
輸送機器関連では、モバイルペイメント対応、LIVU、コンテンツマネージメントプラットフォーム等の開発を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2) 産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)
産業機器関連では、非接触充電器、充電器のシステム化等の開発を行いました。当連結会計年度における研究開発費の金額は