第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国は堅調に景気拡大が続き、欧州でも英国や独国等を中心に緩やかながらも回復過程を辿りました。一方、中国では経済の構造転換を目指すなか景気は引き続き減速し、その他の新興国につきましても中国経済の減速や原油価格の一段の下落等の影響を受け景気は弱含みで推移いたしました。
 わが国経済におきましては、企業業績の回復や設備投資の持ち直し、訪日外国人の購買需要の拡大などは見受けられたものの、賃金の伸び悩みを受けて個人消費は低迷し、年明け以降は円高や株価の下落が進展するなど金融市場の不安定さが露見し、先行きの不透明感を強めつつ推移いたしました。

プリント配線板業界におきましては、エレクトロニクス産業の発展に伴い自動車関連を中心に世界市場全体は拡大傾向にありますが、企業の海外生産シフトの影響による国内需要の減少、国内外競合メーカーとの市場獲得競争はますます激化する傾向にあり、引き続き厳しい状況が展開されることが予想されます。

このような状況のなか当社グループは、プリント配線板事業におきましては、国内営業ではカーエレクトロニクス関連やホームアプライアンス関連の受注が堅調に推移いたしました。海外営業では特にカーエレクトロニクス関連の受注が好調に推移いたしましたが、ホームアプライアンス関連の受注が伸び悩みました。

生産活動におきましては、国内外において他社が追随できないダントツものづくりを目指して製造力強化活動を継続展開し、「品質で社会に貢献する」をスローガンに、良品しかつくらないものづくりを目指してグループを挙げて更なる品質の向上に取り組みました。透明基板等の当社独自製品につきましては、市場の認知度も高まり、新透明基板「SPET-α」がアミューズメント関連を中心に受注を拡大できたほか、新たに「SPET-Color」(イルミネーションサイネージ向け高耐熱フィルム)の販売を開始するなど、更なる市場の拡大に注力いたしました。

検査機・ソリューション事業におきましては、プリント配線板外観検査機(VISPERシリーズ)の高速化と検査サイズの拡大を図り、販売市場の拡大やブランド力向上に取り組みました。また、各種ソリューションビジネス商品におきましては、半自動拡大観察機(TREMYシリーズ)のラインナップ充実を図るなど、プリント配線板メーカーの生産性や品質向上につながるソリューション提案の拡充に一層注力いたしました。

しかしながら、一部分野のプリント配線板受注の伸び悩みや円高の進展等の影響により当連結会計年度における売上高は、29,359百万円となり、前連結会計年度に比べ380百万円(△1.3%)の減収となりました。
 営業損益につきましては、国内外グループを挙げての製造力強化活動に伴い製造原価が低減できたことなどにより879百万円の営業利益となり、前連結会計年度に比べ208百万円(31.0%)の増益となりました。
 経常損益につきましては、営業利益は増益となり支払利息も減少したものの、為替変動に伴い前年同期に発生した為替差益が当連結会計年度では為替差損に転じたことなどから、618百万円の経常利益となり、前連結会計年度に比べ399百万円(△39.2%)の減益となりました。
 親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、法人税、住民税及び事業税が増加したことや、海外子会社の税務調査により過年度法人税等を計上することになったことから、92百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となり、前連結会計年度に比べ611百万円(△86.9%)の減益となりました。

 

 

セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

(プリント配線板事業)

プリント配線板事業につきましては、国内外においてカーエレクトロニクス関連が好調に推移したものの、海外でホームアプライアンス関連の受注が伸び悩んだことや円高の進展の影響等により、売上高は28,199百万円となり、前連結会計年度に比べ261百万円(△0.9%)の減収となりました。損益面につきましては、国内外グループを挙げての製造力強化活動に伴い製造原価が低減できたことなどにより768百万円の営業利益となり、前連結会計年度に比べ245百万円(46.9%)の増益となりました。

(検査機・ソリューション事業)

検査機・ソリューション事業につきましては、プリント配線板外観検査機(VISPERシリーズ)は中国をはじめアジア方面を中心に受注を確保し、各種ソリューションビジネス商品につきましても一定の販売数を確保いたしましたが、過去最高を記録した前年の売上高には及ばず、売上高は1,111百万円となり、前連結会計年度に比べ80百万円(△6.7%)の減収となりました。損益面につきましては、売上高が減収となったこと及び価格競争の激化や売上構成比率の変化等により利益率が悪化した結果、109百万円の営業利益となり、前連結会計年度に比べ40百万円(△26.8%)の減益となりました。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は3,500百万円となり、前連結会計年度末と比べて1,407百万円増加いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,466百万円の獲得となり、前連結会計年度末と比べて169百万円の獲得減少となりました。その主な増減要因は、当連結会計年度は、たな卸資産の増減額が430百万円減少したことや、利息の支払額が64百万円減少となり資金獲得増となりましたが、仕入債務の増減額が683百万円減少したことや、未払消費税等の増減額が451百万円減少したことにより、資金流出が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは707百万円の流出となり、前連結会計年度末と比べて454百万円の流出増加となりました。その主な増減要因は、当連結会計年度では有形固定資産の売却による収入が49百万円増加したことや、定期預金の払戻による収入が10百万円あったことにより収入が増加しましたが、有形固定資産の取得による支出が218百万円増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは645百万円の獲得となり、前連結会計年度末と比べて1,565百万円の獲得増加となりました。その主な増減要因は、当連結会計年度では長期借入れによる収入が1,166百万円減少しましたが、長期借入金の返済による支出が1,909百万円減少したことや、短期借入金の純増減額が691百万円増加したことによるものであります。

 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度におけるプリント配線板事業の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

片面プリント配線板

390

336.6

両面プリント配線板

11,899

80.9

多層プリント配線板

8,594

102.7

合計

20,885

90.1

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「検査機・ソリューション事業」については、社内生産を行っていないため記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度におけるプリント配線板事業の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

片面プリント配線板

497

173.0

25

19.8

両面プリント配線板

14,146

90.2

1,477

81.8

多層プリント配線板

11,347

106.7

1,549

108.7

その他

1,427

83.2

61

110.4

合計

27,419

96.8

3,114

91.1

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「その他」の欄には、「プリント配線板事業」における片面・両面・多層プリント配線板以外の品目が含まれております。

4 受注実績においては、「プリント配線板事業」が大部分を占めるため、「検査機・ソリューション事業」についての記載を省略しております。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プリント配線板事業

 

 

 片面プリント配線板

602

367.8

 両面プリント配線板

14,475

93.9

 多層プリント配線板

11,222

106.9

 その他

1,899

79.4

28,199

99.1

検査機・ソリューション事業

1,064

89.9

その他

95

100.6

合計

29,359

98.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「プリント配線板事業」については、品目別に示しております。

4 プリント配線板事業「その他」の欄には、「プリント配線板事業」における片面・両面・多層プリント配線板以外の品目が含まれております。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、電子機器製品における製品ライフサイクルの短縮化、海外生産移転の流れや価格下落が進むなか、国内・海外を問わずお客様の多様なニーズに対応できるグローバルな営業、生産体制を強化してまいります。また、経営活動の効率化を推進し、強固な企業体質の構築に向けた取り組みを継続してまいります。
 まず、プリント配線板事業における販売先につきましては、これまでのカーエレクトロニクス関連・ホームアプライアンス関連・電子応用関連・通信事務機器関連、アミューズメント関連・デジタル家電関連に環境・社会インフラ関連にも着目した幅広い分野で、特定の業種・顧客分野に偏ることなく、国内外で両面・多層プリント配線板を供給できる体制づくりを展開しており、今後もお客様の多様なニーズに対応できる、グローバルな営業・生産体制を更に強化することで、一層の市場及び受注拡大を目指してまいります。
 具体的には、付加価値の高い製品群の販売比率の拡大、自動車電装品が要求する高度な品質レベルに対応できる生産及び品質保証体制の強化、競争力のある製造原価の追求、少量多品種品や試作短納期品の生産体制の強化等、国内外でのプリント配線板の生産及び供給体制の増強を図り、事業拡大と収益性向上に努めてまいります。
 また、検査機・ソリューション事業におきましては、更なる検査性能の向上と用途別ラインナップの充実を図ることで利用範囲の拡大を促進するとともに、海外向けの販売戦略の強化、プリント配線板メーカーの生産性向上につながるソリューション提案の拡充や新商品の開発を進めてまいります。
 今後も国内外のグループ各社が連携をとった販売・生産・管理体制の強化と技術開発の取り組みを推進し、経営目標の達成を図るとともに収益力の向上と財務体質の改善に努め、当社グループの企業価値を高めてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要顧客の業界動向等による影響について

当社グループの供給するプリント配線板は、電気製品の中核機能を構成するひとつの部品であり単体では機能いたしません。従いましてプリント配線板の販売動向は、顧客の最終製品の生産台数に強く影響されるものであります。当社の主な顧客は、デジタル家電・コンピュータ関連・アミューズメント・カーエレクトロニクス・ホームアプライアンス・電子応用機器等、広範囲にわたりますが、各顧客の戦略や景気後退等により顧客の最終製品の需要が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の最終製品の市場価格下落に伴い、顧客からの値下げ要請や競合他社との価格競争に追い込まれることによって、当社グループの売価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外での事業展開による影響について

当社グループにとって重要となる海外事業における生産及び販売活動の拠点を中国・香港に置いていること、また中国に生産拠点を置く委託外注先との良好な関係を維持することにより海外事業が成立していることから、以下に挙げるようなリスクが内在しております。
 (イ) 政情不安、反日感情及び治安の悪化
 (ロ) 予期しない法規制及び税制の変更若しくは導入、移転価格税制等の国際税務リスク
 (ハ )電力、水道、輸送及び衛生面におけるインフラ面の未整備
 (ニ) 委託外注先の経営層の交代または株主構成の変更等に伴うトップ方針の変更
    これらのリスクが顕在化した場合には、安定した生産活動・製品の供給を受けることができなくなる恐れ
       があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
  (ホ) 予想を超える人件費の急激な高騰
    これらのリスクが顕在化した場合には、安定した生産活動の継続、また委託外注先からの製品供給等に支
       障をきたす恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 商品市場性に関する影響について

当社グループの主力製品は国内市場・海外市場ともに「両面・多層プリント配線板」であり、顧客の商品需要動向によって国内又は海外市場のどちらかが極端に縮小した場合、当社グループにおける業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 技術革新に対する影響について

プリント配線板の既存製品の機能に対して、さらに先進的な製品が技術革新によって開発され、当社グループがそれに対応できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品の欠陥に関する影響について

当社グループのプリント配線板は、各セットメーカーにおいて最終製品に組み込まれております。万が一、大規模なリコールや、製造物責任賠償等が発生する事態に至った場合には、多額の負担を強いられる可能性があります。

 

(6) 生産能力による影響について
 国内外の顧客からの急激な受注増加があった場合、委託外注先の加工価格が上昇したり委託外注先を十分に確保できなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 原材料の値上がり等の影響について

プリント配線板の主たる原材料である銅張積層板は、銅箔、ガラスクロス、樹脂により生産されているため、銅箔については世界的な銅相場、また樹脂については原油価格の動向いかんでは、原材料価格の高騰を引き起こす場合があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 地震等自然災害の影響について

大震災等の自然災害に対する対策は講じてはおりますが、当社グループの生産設備が損害を被る危険性があります。こうした自然災害等により、お客様の被害状況による影響はもとより、当社グループの設備のいずれかに壊滅的な損害を被った場合、また外注先における被害の発生や原材料及び副資材品等の調達が困難となり、長期に生産活動が停止した場合には、売上の減少、損壊した設備の復旧または交換に多額の費用がかかる恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 為替変動の影響について

当社グループは国際的な事業活動により売上の重要な割合を稼得しており、またグループ間で海外子会社に対し貸付けを行っていることから、結果として当社グループの経営成績及び財政状況は外貨に対する円の価値変動により影響を受けております。今後も引き続き影響を受ける可能性があり、為替変動に対するリスクヘッジは講じておりますが、完全に回避できる保証はありません。当社グループが事業を行なう地域の通貨上昇は製造コストを増加させる可能性があり、また当社グループが連結財務諸表を作成するにあたっては、在外子会社の現地通貨建て財務諸表を本邦通貨に換算するため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 環境リスクについて

当社グループは、環境リスクに対しまして予防の大切さを認識し、環境マネジメントシステムISO14001の運用を通じてリスクの低減を図っておりますが、自然災害等の不測の事態等により環境汚染が発生する可能性があります。また、近年においては環境等に関する規制が強化される傾向にあり、場合によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11) 財務制限条項について

当社は取引銀行4行とシンジケート方式によるコミットメント付タームローン契約を締結しております。また連結子会社は取引銀行3行とタームローン契約を締結しておりますが、市場環境の悪化による商品需要の縮小や原材料の値上がりなどにより業績が悪化した場合、以下の財務制限条項に抵触する恐れがあります。

・各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における修正純資産金額を前年同期の純資産の部の金額比75%以上に維持する。なお、修正純資産金額とは、ある特定の事業年度末日における連結の貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額から、当該事業年度の末日における連結の損益計算書の営業外利益に記載される為替差益を減算し、営業外損失に記載される為替差損を加算して算出される金額をいう。

・各年度の決算期における連結の損益計算書に示される修正経常損益が2期連続して損失とならないようにする。なお、修正経常損益とは、ある特定の事業年度末日における連結の損益計算書に記載される経常損益の金額から、当該事業年度の末日における連結の損益計算書の営業外利益に記載される為替差益を減算し、営業外損失に記載される為替差損を加算して算出される金額をいう。

 

(12) 減損損失の計上について

当社グループでは、現在、減損の兆候がある資産グループが存在しますが、将来キャッシュ・フローにより回収可能であるため、減損損失の認識は必要ないと判断しております。但し、将来キャッシュ・フローが計画通り達成できない場合は減損損失を認識するため、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループは所有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、外部環境の変化等により収益性が著しく低下した場合、当社グループが保有する資産等について減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 知的財産について

当社グループは、技術研究開発等により得られた成果について、特許、商標及びその他の知的財産権等により当該技術の保護を図っております。しかしながら、特定の地域においては知的財産権による保護が十分でなく、第三者が当社グループの知的財産を使用し類似製品を製造するのを効果的に防止出来ない可能性があります。その場合、当社グループの製品のブランド価値が低下したり、市場シェアを維持できなくなる可能性があり、また当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、プリント配線板事業におきましては、多様化するお客様からの要望に応えるため、特殊材料を用いたプリント配線板の生産等応用技術の確立を目指し研究活動を展開しております。
 検査機・ソリューション事業におきましては、高度情報化社会の進展に伴う電子機器の多様化・高度化に対応するため、プリント配線板外観検査機の研究開発活動を行っております。また、プリント配線板メーカーの生産性向上につながる各種ソリューションビジネス商品の研究開発活動を行っております。

セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 (プリント配線板事業)

プリント配線板につきましては、これまでとは違った用途に使用することができる透明フレキシブル基板(SPET・SPET-α・SPET-Color)や、銅の熱伝導特性を利用して発熱部品の熱を直接逃がすことができる銅ピン挿入基板(S-MIT)の開発・製品化を中心に進めております。この他、顧客ニーズの高いプリント配線板のファイン化、特殊材料を用いたプリント配線板の生産技術の構築、昨今の環境対策の1つとして脚光を浴びているLED用の「高熱伝導度基板」、「高光沢レジスト基板」の開発等を推進しております。

 (検査機・ソリューション事業)

当社が提供するプリント配線板外観検査機(VISPERシリーズ)は、プリント配線板メーカーが開発した検査機として、国内だけでなく海外からもその操作性及び信頼性の高さから信任を得て、VISPERブランドとして定着しております。当連結会計年度の実績としましては、プリント配線板外観検査機の高速化と検査サイズの拡大を図りました。また、各種ソリューションビジネス商品におきましては、半自動拡大観察機(TREMYシリーズ)のラインナップ充実を図るなど、プリント配線板メーカーの生産効率向上につながるソリューション提案の拡大に努めました。
 今後につきましては、世界各地に点在するお客様の要望に応えるため、それぞれの地域に合ったプリント配線板外観検査機を提供できるよう研究開発活動を継続してまいります。

 

当連結会計年度における研究開発費は、プリント配線板事業が6百万円、検査機・ソリューション事業が123百万円、総額は130百万円となっております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末の資産合計は、21,523百万円(前連結会計年度末比533百万円増)となりました。その内訳は、流動資産が12,103百万円(前連結会計年度末比1,007百万円増)、固定資産が9,419百万円(前連結会計年度末比473百万円減)であり、主な増減要因は次のとおりであります。流動資産につきましては、現金及び預金は1,397百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が228百万円、仕掛品が125百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては、有形固定資産が363百万円、無形固定資産が32百万円、投資その他の資産が77百万円減少したことによるものであります。 

② 負債

当連結会計年度末の負債合計は、17,922百万円(前連結会計年度末比714百万円増)となりました。その内訳は、流動負債が13,091百万円(前連結会計年度末比499百万円増)、固定負債が4,831百万円(前連結会計年度末比214百万円増)であり、主な増減要因は次のとおりであります。流動負債につきましては、支払手形及び買掛金は467百万円減少しましたが、短期借入金が455百万円、未払法人税等が381百万円増加したことによるものであります。固定負債につきましては、リース債務が126百万円、退職給付に係る負債が58百万円、その他が48百万円増加したことによるものであります。

③ 純資産

当連結会計年度末の純資産合計は、3,600百万円(前連結会計年度末比180百万円減)となりました。主な増減要因は、為替換算調整勘定が102百万円、非支配株主持分が51百万円減少したことなどによるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の経営成績は、当社主力のプリント配線板事業は国内外でカーエレクトロニクス関連が好調に推移いたしました。また、検査機・ソリューション事業もプリント配線板外観検査機(VISPERシリーズ)や各種ソリューションビジネスの商品につきましても一定の販売数を確保いたしましたが、一部分野のプリント配線板受注の伸び悩みや円高の進展等の影響により、売上高は29,359百万円(前連結会計年度比1.3%減)と前連結会計年度と比較して380百万円の減収となりました。 

② 売上原価

国内外グループを挙げての製造力強化活動に伴い製造原価が低減できたことなどに伴い売上原価は、24,706百万円(前連結会計年度比2.3%減)と前連結会計年度と比較して575百万円減少いたしました。また、売上総利益は4,652百万円(前連結会計年度比4.4%増)と前連結会計年度と比較して194百万円増加いたしました。

③ 営業損益

売上高は減収となりましたが、売上総利益の増加や販売費及び一般管理費の圧縮等により、当連結会計年度の営業利益は879百万円(前連結会計年度比31.0%増)と前連結会計年度と比較して208百万円の増益となりました。

④ 営業外損益

為替変動に伴い前年同期に発生した為替差益が当連結会計年度では為替差損に転じたことなどにより、営業外収益は58百万円(前連結会計年度比91.0%減)となりました。一方、借入金の返済により支払利息は減少しましたが、為替変動に伴い為替差損を計上した結果、営業外費用は319百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。この結果、営業外損益の純額は前連結会計年度と比較して607百万円減少いたしました。以上の結果、当連結会計年度の経常利益は618百万円(前連結会計年度比39.2%減)となり、前連結会計年度と比較して399百万円の減益となりました。

 

⑤ 特別損益

当連結会計年度につきましては、減損損失の計上が減少したことから特別損失は前連結会計年度と比較して42百万円減少いたしました。しかしながら経常利益が減益となった結果、税金等調整前当期純利益は600百万円(前連結会計年度比37.4%減)となり前連結会計年度と比較して358百万円の減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税の増加や、海外子会社の税務調査により過年度法人税等を計上することになったことなどにより92百万円(前連結会計年度比86.9%減)と前連結会計年度と比較して611百万円の減益となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度の2,093百万円から1,407百万円増加し、3,500百万円となりました。
 各活動におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」項目に記載のとおりであります。

② 資金需要

当社グループの運転資金の主たるものは、当社グループの製品製造に必要な原材料及び外注加工費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給料手当等の人件費及び製品送達にかかわる運賃荷造費であります。
 また、設備資金としてプリント配線板の生産設備に対する設備投資がありますが、その重要性、緊急性を充分に勘案し、必要なものに絞り設備投資を実施しております。
 なお、事業展開で必要とされる資金需要に対する安定的、効率的な資金調達手段の確保及び資金調達の柔軟性・機動性の向上を図るために、シンジケート方式によるコミットメント期間付タームローン契約を締結しております。