文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、中国の景気減速や原油等の資源価格の下落による中南米の景気悪化、中東・トルコでの地政学的リスク等により新興国・資源国において不安定な状況が続きました。欧米先進国は概ね堅調に推移しましたが、利上げに舵を切った米国の金融政策や、デフレ懸念が払拭できない欧州等、今後も予断を許さない状況が続いております。国内経済におきましても足元の指標は堅調に推移しましたが、財政に対する懸念のほか、平成29年4月に予定されている消費税率引き上げ等、将来に向けた不安要因は山積しており、その対策や政策についての議論がなされております。
このような状況の中、当社グループは“M500総仕上げ”をスローガンに掲げ、連結売上高500億円を中期目標とする“M500プロジェクト”の3年目となる当連結会計年度において、持続的成長のための基盤強化に取り組むとともに、お客様のオンデマンド・ビジネスをサポートするための施策を積極的に展開いたしました。
具体的施策としまして、SG(サイングラフィックス)市場向けでは、前連結会計年度に発売したJV300シリーズ等の主力製品の全世界的なプロモーションを継続展開したほか、大きな看板の製作需要がより旺盛な海外市場を主な販売ターゲットに据えた、3.2M幅の大型UV硬化インクジェットプリンタSIJ-320UVを平成27年4月に発売いたしました。IP(インダストリアルプロダクツ)市場向けでは、これまで当市場向けの売上高をけん引してきたスマートフォンケースやギフト・ノベルティ等への加飾用途に加え、家電や自動車といった工業印刷へとインクジェットプリンタの用途を拡大するべく、画質の美しさに徹底的にこだわった新製品UJF-7151plusを平成27年11月に発売いたしました。また、TA(テキスタイル・アパレル)市場向けでは、新型ヘッドを搭載してプリント速度をさらに高めたエントリーモデルの昇華転写インクジェットプリンタTS300P-1800を平成27年7月に発売いたしました。SG、IP、TA各市場向けの新製品を加えた豊富なラインナップで、機能・価格・プリントサイズ等、お客様の多様なニーズに対して独自の付加価値を提案いたしました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は359億45百万円(前年同期比3.2%増)となりました。利益面では、一部部材の値上げやSG市場において価格競争が激化したこと等により売上原価率が前年同期に比べて1.7ポイント上昇し、人件費や研究開発費、販売促進費等が増加して販売費及び一般管理費の売上高比率が1.1ポイント上昇したこと等により、営業利益は25億6百万円(同26.3%減)、経常利益は21億53百万円(同29.0%減)、親会社株式に帰属する四半期純利益は11億19百万円(同45.0%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。また、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により四半期連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。
(日本・アジア・オセアニア)
日本国内におきましては、JV300シリーズ等のSG市場向けの主力製品が販売台数を伸ばし、IP、TA市場向けの各製品も堅調に推移したこと等により、前年同期の売上高を上回りました。アジア・オセアニア地域におきましては、中国でSG及びTA市場向けの売上高が前年同期を下回ったものの、IP市場向けが躍進いたしました。また、その他各国ではSG、IP、TA各市場とも概ね堅調に推移いたしました。この結果、外部顧客に対する売上高は161億10百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
(北・中南米)
北米地域におきましては、アメリカ国内での販売強化を課題として認識しており、ミニ展(※)によるお客様との距離感を縮めたプロモーション展開や販売チャネルの改革を推し進めております。SG市場向けが伸び悩んだものの、大型機種JFX200-2513を中心にIP市場向けが好調に推移したことに加え、円安による円換算額の増加もあり、前年同期の売上高を上回りました。中南米地域におきましては、主にブラジルでSG市場向け、TA市場向けが落ち込んだこと等により、前年同期の売上高を下回りました。この結果、外部顧客に対する売上高は79億65百万円(同2.0%減)となりました。
(※)お客様を招いて開催する小規模なプライベート展示会のこと
(欧州・中東・アフリカ)
欧州地域におきましては、SG市場向けではJV300シリーズ等の主力製品が販売台数を伸ばし、IP市場向けでも小型機種UJF-3042HG、UJF-6042及び大型機種のJFX200-2513が順調に推移したものの、TA市場向けの上位機種が落ち込んだことに加え、円高による円換算額の減少が逆風となり、前年同期の売上高を下回りました。中東・アフリカ地域におきましては、JV150シリーズ等のSG市場向けの主力製品、UJF-3042HG等のIP市場向けの小型機種が堅調に推移し、前年同期の売上高を上回りました。この結果、外部顧客に対する売上高は118億70百万円(同3.1%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間における機種群別の売上高は以下のとおりであります。
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売上高(千円) |
構成比率(%) |
対前年同期増減率(%) |
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S G 市 場 向 け |
17,652,457 |
49.1 |
△0.1 |
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I P 市 場 向 け |
10,868,893 |
30.2 |
17.6 |
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T A 市 場 向 け |
3,869,626 |
10.8 |
△13.9 |
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保 守 部 品 |
2,517,909 |
7.0 |
1.3 |
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そ の 他 |
1,036,987 |
2.9 |
10.0 |
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合 計 |
35,945,875 |
100.0 |
3.2 |
また、当第3四半期連結累計期間における品目別の売上高は以下のとおりであります。
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売上高(千円) |
構成比率(%) |
対前年同期増減率(%) |
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製 品 本 体 |
18,814,515 |
52.4 |
0.2 |
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イ ン ク |
11,727,963 |
32.6 |
8.0 |
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保 守 部 品 |
2,517,909 |
7.0 |
1.3 |
|
そ の 他 |
2,885,486 |
8.0 |
6.3 |
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合 計 |
35,945,875 |
100.0 |
3.2 |
(SG市場向け)
景気後退の影響により中国で前年同期を下回ったものの、その他各国ではJV300シリーズ等の主力製品を中心に堅調な売れ行きで推移いたしました。この結果、売上高は176億52百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
(IP市場向け)
主力の小型機種が好調な売れ行きで推移し、大型機種についてもJFX200-2513が小型機種に並ぶ主力製品に成長して販売台数を伸ばしました。また、平成27年11月に発売した新製品UJF-7151plusは市場で大きな評価をいただいており、短い販売期間ながらも売上増加に貢献いたしました。この結果、売上高は108億68百万円(同17.6%増)となりました。
(TA市場向け)
平成27年7月に発売した新製品TS300P-1800等によりエントリー機種は堅調に推移したものの、上位機種が欧州地域を中心に落ち込んだこと等により、売上高は38億69百万円(同13.9%減)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当社グループは、常に市場に「新しさと違い」を提供するイノベーターであり続けるため、当社の総人員の約3割にあたる約240名が開発部門に属し、研究開発活動を積極的に進めております。当社グループにおける研究開発活動は、全て日本国内で行っております。当社では、市場ニーズに合わせて素早く製品化するため、製品を成り立たせる根幹となる要素技術の開発を製品開発に先行して進めております。製品開発に直結する開発体制としては、機構設計技術(メカ)、制御設計技術(ハード)、機器組み込みソフトウェア技術(ファームウェア)、アプリケーションソフトウェア技術及びインク技術の5分野からなる技術を結集して、技術本部内のプロジェクトチームが製品化を進めております。要素技術を各プロジェクトが共有し、積極的に共通化・標準化設計を展開することにより、開発期間の短縮を図るとともに高品質かつコストパフォーマンスの高い製品開発を行っております。また、マーケティング部門と技術本部とのコミュニケーションを密にすることで、ユーザーのニーズや技術動向を常に注視し、マーケットインの製品開発を中長期的視点から行える体制を構築しており、製品本体、アプリケーションソフトウェア、インク、メディア等のトータルソリューションを最適化し、「美しく・速い」プリント及びカットをユーザーに提供することを目指しております。
当社グループは、刻々と変化する市場ニーズやデジタル・オンデマンド時代の流れに対し、先進性と独自性による強みで優位に事業展開するため、製品開発を最も重要な戦略の一つと位置づけ、開発投資を積極的に行っております。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動に係る費用の総額は25億35百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は16億58百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
当社鞍掛工場で計画中の工場設備等の新築及び付帯工事につきまして、着手年月を平成27年11月から平成28年3月に、完了予定年月を平成29年1月から平成29年5月に変更しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループでは中期的な連結売上高目標を500億円とする“M500プロジェクト”を掲げており、この中期プロジェクトの3年目となる平成28年3月期は、経営スローガンを“M500総仕上げ”としております。M500プロジェクト達成後のさらなる成長を見据え、次の重点施策に取り組んでまいります。
①SG、IP、TA市場の事業拡大
•産業用途のデジタル・オンデマンド生産の提案を強化し、IP、TA市場をSG市場に並ぶ第2、第3の柱とする。
•当社製品の魅力をお客様に直接伝える“ミニ展”をグローバル展開する。
•本体だけでなく、インク・メディア・前後装置を含めたトータル提案を強化する。
•機能、価格等の品揃えを拡充し、市場の上下拡大を図る。
②第4、第5の柱となる市場開拓とコア技術の確立
•当社独自の3Dプリンタ開発を進め、その強みが活かせる市場を開拓する。
•当社技術が活かせる潜在用途を開拓し、その市場ニーズを満たす本体・インク・ソフトウェア等の開発テーマに取り組む。
•新たな機能性インクの開発を進め、これを安定吐出させるヘッドコントロール技術を追求する。
•将来の強みとなる研究開発、要素技術開発を進める。
③PSI管理(生産・販売・在庫管理)の強化
•販売と在庫の管理を「日本」「アジア・オセアニア」「欧州・中東・アフリカ」「北・中南米」の4極体制とし、極ごとのマネジメント体制を強化する。
•4極の需要動向に応じたタイムリーな製品供給が可能な物流体制を構築する。
•部材調達から製品出荷までの計画と進捗を一気通貫で管理する仕組みと情報システムを整備し、在庫の徹底管理と生産効率の向上を図り、需要動向に追従可能な生産体制を構築する。
④経営基盤の強化
•平成27年3月に取得した工場用地への新工場建設について具体的なフロアプランを策定し、当社グループの今後の事業拡大に対応した生産・開発体制の増強を図る。(平成28年3月着工予定)
•平成27年5月に開設した八王子開発センターにより首都圏周辺の開発人材を確保し、平成27年7月1日付をもって当社に吸収合併した連結子会社ウィズテック(東京都八王子市)と合わせて、研究・開発体制の増強を図る。
•年度目標値を定め、製造コストダウンを継続推進する。