当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(以下、当期)における世界経済は、緩やかな回復基調にありつつもコアインフレ率は依然として高く、経済回復の様相は地域や国によりまちまちであり、引き続き各国中央銀行や政府は慎重な金融政策を維持しております。また地政学的リスクは依然として大きな懸念材料となっており、予断を許さない状況です。わが国経済は緩やかな回復基調にあり、物価高の影響から個人消費は低迷しておりますが、企業の設備投資意欲も底堅く、全体として経済は安定しつつあるものの、成長ペースは依然として緩やかで、経済の持続的な回復が期待されております。
このような環境のなか、当社グループでは2020年12月に制定した中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた重点施策に基づき、新製品の市場投入と販売拡大、市場環境や顧客ニーズの急激な変化を見据えた事業展開、収益性向上に向けた基盤構築を継続してまいりました。当第2四半期においては、SG (サイングラフィックス)市場向けでは高画質と誰でも使える簡単さを追求したプリント&カット複合機CJV200シリーズを発表し、IP(インダストリアルプロダクツ)市場向けでは高生産、高付加価値、高画質の“ちょうどいいサイズ”の新フラットベッドUVプリンタJFX200-1213 EXを発表しました。また好調な販売が持続しているTA(テキスタイル・アパレル)市場向けのDTF(Direct to Film)モデルにおいて、従来機比で生産性が約4倍となるTxF300-1600を発表、さらに1台でダイレクト昇華と昇華転写プリントを可能とする3.2m幅スーパーワイドハイブリッドプリンタTS330-3200DSを発表するなど、顧客のニーズを捉え、今後の売上高成長に寄与する新製品を発表いたしました。また国内販売拠点である名古屋営業所について、製品ラインナップの拡充に伴うショールームスペースの確保を目的として移転するなど、販売機能の強化を実施してまいりました。
当期の売上高は、為替の円安によるプラス影響も加わり、大幅な増収となりました。製品市場別では、TA市場向けのDTFモデルや高速昇華転写モデルの販売が好調に推移し、SG市場向けでも当社の強みを活かしたUVインク搭載モデルを中心に販売が増加しました。またIP市場向けでは、小型FB(フラットベッド)モデルに加え、今期投入した大型FBモデルJFX600-2531が販売増に貢献しました。FA事業は製品別に濃淡はあったものの、前年同期並の販売を確保しました。地域別では、北・中南米及び日本・アジア・オセアニアが大幅に販売を伸ばし、欧州・中東・アフリカも好調に推移しました。利益面では、海上輸送コストは上昇したものの、高コスト部材を使用した製品の販売がほぼ終結し、売上原価率が大幅に改善しました。販管費は、人件費や支払手数料、研究開発費等が増加したものの、効率的な費用執行により売上高比率は改善しました。これらに為替のプラス効果が加わり、前年同期比大幅な増益となり、2025年度に営業利益率10%の達成を目指す「Mimaki V10」の目標を半期ベースでクリアして、中間利益としては過去最高益を更新しました。
以上の結果、当期における当社グループの売上高は409億42百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は46億98百万円(同101.5%増)、経常利益は43億21百万円(同114.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は32億50百万円(同130.1%増)となりました。
また、当期における主要な為替レート(2024年4月~2024年9月の平均レート)は、1米ドル=152.62円(前年同期141.00円)、1ユーロ=165.93円(前年同期153.38円)で推移いたしました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により中間連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。
(日本・アジア・オセアニア)
売上高は183億10百万円(前年同期比14.8%増)となりました。日本では、TA市場向けが前期からの好調を維持して大幅な販売増となり、またSG市場向け、IP市場向けそれぞれも堅調に販売を伸ばし、FA事業は前年同期並を確保しました。以上により、全体では増収となりました。アジア・オセアニアでは、前期から引き続き好調な販売が継続し、IP市場向け、TA市場向け、SG市場向けがともに大幅な販売増加となりました。国別では、中国で営業活動強化の成果が表れ好調な販売を維持し、フィリピン、インド、タイ等でも販売が大幅に伸長しました。以上の結果、全体で大幅な増収となりました。
(北・中南米)
売上高は122億4百万円(同20.9%増)となりました。北米ではTA市場向けでDTFモデルを中心に販売が大幅に伸長し、またUVインク搭載モデルが好調なSG市場向けや、大型・小型FBモデルが好調なIP市場向けも、ともに販売増となりました。これに加え為替のプラス影響もあり、大幅な増収となりました。中南米では、ブラジルやメキシコを中心に好調に販売が増加し、大幅な増収となりました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は104億27百万円(同11.0%増)となりました。欧州では、TA市場向けがDTFモデルや高速昇華転写モデルを中心に大幅に販売が増加し、またSG市場向けの販売も堅調に推移しました。IP市場向けでは大型FB製品を中心に販売が減少しました。国別では、ドイツ、イギリス、フランス、ポーランド等を中心に主要国での販売が好調に推移しました。これらに為替のプラス影響もあり、大幅な増収となりました。
当中間連結会計期間における市場別の売上高は以下のとおりであります。
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売上高(千円) |
構成比率(%) |
対前期増減率(%) |
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S G 市 場 向 け |
16,278,264 |
39.8 |
14.2 |
|
I P 市 場 向 け |
10,600,501 |
25.9 |
11.8 |
|
T A 市 場 向 け |
5,329,368 |
13.0 |
30.1 |
|
F A 事 業 |
2,143,959 |
5.2 |
0.4 |
|
そ の 他 |
6,590,759 |
16.1 |
20.5 |
|
合 計 |
40,942,853 |
100.0 |
15.5 |
(SG市場向け)
売上高は162億78百万円(前年同期比14.2%増)となりました。プリンタ本体は、前第3四半期に市場投入した、UVインク搭載のフラグシップモデルとエントリーモデルが好調で大幅に販売が増加しました。インクも順調に販売を伸ばしました。これらに為替のプラス影響も加わり、大幅な増収となりました。
(IP市場向け)
売上高は106億円(同11.8%増)となりました。プリンタ本体は、小型FBモデルが好調だったことに加え、今期投入した大型FBモデルが着実に立ち上がり、販売が増加しました。インクの販売も堅調に推移しました。加えて為替のプラス影響もあり、大幅な増収となりました。
(TA市場向け)
売上高は53億29百万円(同30.1%増)となりました。プリンタ本体は、全てのエリアにおいてDTFモデルの販売が大幅に増加し、高速昇華転写モデルも欧州や中南米を中心に販売が立ち上がり、増収に貢献しました。またインクの販売も、プリンタ本体の稼働台数増加に伴い大幅に増加しました。為替のプラス影響も含めて、大幅な増収となりました。
(FA事業)
売上高は21億43百万円(同0.4%増)となりました。半導体製造装置や基板検査装置の販売が減少したものの、基板実装装置とFA装置で自動車関連の販売が増加し、前年同期並となりました。
また、当中間連結会計期間における品目別の売上高は以下のとおりであります。
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売上高(千円) |
構成比率(%) |
対前期増減率(%) |
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製 品 本 体 |
16,009,773 |
39.1 |
14.2 |
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イ ン ク |
15,662,450 |
38.3 |
16.4 |
|
保 守 部 品 |
3,410,222 |
8.3 |
16.8 |
|
そ の 他 |
5,860,406 |
14.3 |
16.0 |
|
合 計 |
40,942,853 |
100.0 |
15.5 |
当中間連結会計期間末における財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ40億9百万円減少し、717億8百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ40億39百万円減少し、547億27百万円となりました。これは、主に現金及び預金の減少等によるものです。また、固定資産は前連結会計年度末と比べ29百万円増加し、169億81百万円となりました。これは、主に繰延税金資産の増加等によるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比べ61億49百万円減少し、421億78百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比べ54億26百万円減少し、360億86百万円となりました。これは、主に短期借入金の減少等によるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べ7億23百万円減少し、60億91百万円となりました。これは、主に長期借入金の減少等によるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べ21億39百万円増加し、295億30百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益の増加等があったものの、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ33億85百万円減少し、108億32百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は45億7百万円(前年同期比7億37百万円増)となりました。これは、税金等調整前中間純利益43億28百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9億16百万円(同5億62百万円減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出7億15百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は66億94百万円(前年同期は9億17百万円の獲得)となりました。これは、短期借入金の減少50億6百万円等があったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動に係る費用の総額は26億25百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は17億53百万円であります。
また、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当中間連結会計期間に著しい変更がありました。
・当社加沢工場で計画中の建物及び建物附属設備は、将来成長の実現に向けた大型プロダクションプリンタのラインナップ拡充に必要な製品開発スペースの増強を目的として、2階建て延べ床面積約4,000㎡の社屋を建設いたしますが、その竣工が2025年度となる見通しとなったこと等を踏まえ、当連結会計年度における設備投資予想金額を、42億80百万円から31億10百万円に修正いたしました。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。