第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 当社グループの概要

   当社グループの事業セグメントは「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2事業分野であります。

CAD/CAMシステム等事業では、30余年に亘り金型に特化してCAD/CAMシステムを当社独自に開発し販売してきました。その結果、国内外の金型関連業界におけるユーザー数は7,000事業所を超え、またユーザーからのフィードバックを余すところなくプログラムに反映することにより高機能なCAD/CAMシステムに成長し続けています。地域密着型のきめ細かな営業・技術サポート体制および長年に亘る販売商社と工作機械メーカー等の業界関連企業との強力なネットワークにより、ユーザーが高精度・高品質・高付加価値のモノづくりを実現するための支援体制を維持・継続しています。

金型製造事業は、北米を拠点とし自動車関連業界からの金型製造請負を発展させるためには高品質の金型を供給するだけでなく充実した手厚いサービスを提供できる営業・技術サポート体制の確立が不可欠との認識で10余年に亘り活動してきました。その結果、高品質の金型の供給はもとより自動車関連業界の量産開始まで責任をもってサポートすることにより顧客からの様々なニーズに応えています。

 

  当連結会計年度の経営成績

当連結会計年度における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計(日本工作機械工業会)によれば内需は前期比9.5%減、うち金型向け工作機械受注は前期比4.4%減となったものの、内需全体ではリーマンショック以降の最高額となった前年度に次ぐ受注額を維持しました。

また外需においてはアジアの電気機械向け特需の収束に伴い前期比19.6%減となりました。一方で国内金型生産額(経済産業省「機械統計」)は、前年同月の生産額を割り込む月もありましたが、11月までの累計では前期比3.3%増で推移しました。

このような状況下、当社では以下のような取り組みを行ってきました。

 

 1. 既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張

当社では、国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。円安の進行により国内製造業の収益は回復基調が続き設備投資も拡大してきましたが、当連結会計年度は前年対比で年初から半ばにかけて円高傾向が進み設備投資意欲にも陰りが見えました。そのような中、製品販売については、年間を通してパブリックショーへの出展、販売パートナー企業・生産財メーカーとのイベント共催等において協力体制の強化を図り、新規開拓を進めるとともに他社製品からの置き換えを狙った営業展開を進めてきました。金型用3次元CAMシステムの販売を中心に中・西日本地域で特に自動車関連の需要が堅調に推移しました。

また保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、保守更新率90%以上を維持しました。CAD/CAMシステム等事業(連結)における保守サービスによる売上の割合は58.3%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。

 

 2. 成長する海外CAD/CAM市場の取り込み

海外CAD/CAM市場に対しては、①日系企業への直接販売②ローカル企業への間接販売という2つの側面から事業展開してきました。日系企業に対しては国内外の事情に合わせ、現地技術員によるサポートを実現できる日本でも有数のCAD/CAMメーカーとして国内CAD/CAM営業部門との協力を図りながら製品販売を展開しました。ローカル企業に対しては、インドネシア等のアセアン地域で現地販売代理店の発掘、協力関係の構築を進めてきました。

そのような中、インドネシアでは精密機械関連において設備投資意欲が回復傾向にあり、前年比で増収増益となりましたが、韓国ではウォン高等による市況悪化、タイでは政情不安など当社グループの海外販売は厳しい状況が続き、業績にも大きく影響しました。加えて現地通貨ベースから円換算の際に円高の影響を受けたことが、さらに収益を押し下げる要因となりました。しかしながら保守売上については、現地技術員によるサポート体制の強化によりタイ・インドネシア等複数の地域で伸長しました。

 

 

 3. 次世代収益源としての新規事業の育成

当社では、既存のCAD/CAMパッケージの開発・販売以外の次世代収益源として当社が培ってきたCAD/CAM開発技術を活かした新規事業の開発に本年度も取り組みました。
 そのひとつはOEM事業であり当社が保有する技術リソースを国内外の工作機械メーカー、工具メーカー、CAD/CAMシステムメーカー等へOEM提供するものです。長期間OEM提供を行っているものの中には、需要が一巡し、新機能追加等によるさらなる需要掘り起こしが待たれるものもあった一方、販売が好調に推移し売上に寄与した新規OEM製品もありました。

 また経済産業省のサポートインダストリー事業の採択後も継続して取り組んでいる当社の持つ切削加工技術と3Dプリンタに代表される積層加工技術とを組み合わせた「AM-CAM(Additive Manufacturing CAM:加法的製造向けCAM)」については、11月に東京で開催された「JIMTOF2016(第28回日本国際工作機械見本市)」において参考出品しました。今後も本格的な製品化に向けて研究開発を継続し拡販準備を行っていく予定です。

新たな取り組みとしては、2016年12月1日より技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)に参加しました。TRAFAMは、我が国の新たなものづくり産業の創出を目指す団体として、次世代3Dプリンタの開発を推進する技術研究組合です。当社は、金型設計・製造に特化したCAD/CAM 開発技術を生かし、FDM方式(熱溶解積層法)でのCAM 開発のノウハウを蓄積してきましたが、本プロジェクトへの参加を通じ、粉末金属積層方式のCAM 開発に取り組んでいきます。

 

 4. 金型製造事業の状況

金型製造事業では、米国経済が緩やかな回復基調を継続している中、自動車産業は活況を呈しており、主要顧客である自動車関連業では第3四半期以降に一服感が見られたものの、当社の金型製造子会社は年間を通して積極的な受注活動を行ってきました。特に前年度の第4四半期から本年度の第2四半期にかけて自動車関連業からの金型発注が大幅に増加し、想定を上回る受注を確保できたことから当連結会計年度の通期売上に大きく貢献し、大幅な増収増益となりました。

 

上記のような取り組みを行ってきた結果、当連結会計年度の連結業績は、CAD/CAMシステム等事業については、製品販売の減少を保守販売がカバーし、前年度との比較では売上高が若干減少しました。一方、金型製造事業では過去最高売上を達成したことから、売上高は44億45百万円(前期比3.1%増)となりました。

利益面では、販売手数料等販管費の増加、前年度との比較で製造原価からソフトウェア勘定への振替額が大幅に減少したことが影響し、営業利益は4億8百万円(前期比10.6%減)、経常利益は4億38百万円(前期比10.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は繰越欠損金の減少により当初見込額に比べ法人税等が増加した影響から2億42百万円(前期比21.8%減)となりました。

セグメント別の業績は、CAD/CAMシステム等事業の売上高は35億20百万円(前期比1.2%減)、セグメント利益は2億90百万円(前期比24.9%減)となりました。
 また金型製造事業の売上高は9億25百万円(前期比23.1%増)、セグメント利益は1億17百万円(前期比68.7%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3億31百万円増加し、18億28百万円となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費およびたな卸資産の減少等の収入があったものの、前受金の減少等により5億31百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ64百万円の収入の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得および無形固定資産の取得等により57百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1億50百万円の支出の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により1億26百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ6億79百万円の支出の減少となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

1,331,522

△6.1

 

保守契約・技術サービス

2,050,745

+2.2

 

開発サービス

137,550

+0.5

 

3,519,818

△1.2

金型製造

782,824

△3.5

 

合計

4,302,642

△1.6

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前期比
(%)

受注残高
(千円)

前期比
(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

 

 

CAD/CAM製品

1,324,839

△2.5

43,521

△11.0

 

保守契約・技術サービス

2,087,229

+2.8

746,630

+5.1

 

開発サービス

150,336

+2.8

33,898

+47.8

 

3,562,405

+0.8

824,051

+5.4

金型製造

721,930

△11.0

159,048

△56.1

 

合計

4,284,335

△1.4

983,099

△14.1

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

1,330,241

△6.3

 

保守契約・技術サービス

2,050,745

+2.2

 

開発サービス

139,374

+2.4

 

3,520,362

△1.2

金型製造

925,031

+23.1

 

合計

4,445,393

+3.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、欧州経済不安、急激な為替調整不安、東アジア情勢不安、自然災害不安等の世界情勢および金融資本市場の動向等の影響により様々に変化することが予想されております。また当社グループ製品の対象市場は、グローバル競争および大手製品メーカーからのコスト低減圧力による収益への影響から、厳しい市場環境が続くことが否定できません。このような状況下で活用される当社グループ製品へのニーズは、益々高度化・多様化してきており、ソフトウェア機能および技術サービスの品質に係る競争はさらに激化すると予想されております。

当社グループといたしましては、以下のような課題に対処していくことで市場環境の変化に柔軟に対応し、業績の継続的向上を図ってまいります。

 

①  開発資源の集中

金型業界向けCAD/CAM市場のニッチトップの確立を事業拡大戦略の主軸としていることから、国内製造業の海外シフト対応および東アジアのローカル市場開拓向けの製品機能を強化し、国内向け主体開発からワールドワイド対応型開発へ開発資源をシフトしてまいります。

 

②  海外販売の強化

国内製造業の海外シフト対策といたしましては、国内営業、海外営業との連携営業強化を図り、国内営業と海外営業との人事交流をはじめ国内販社、工作機メーカーとの共販活動を積極的に展開してまいります。

また、新たな販社開拓として現在の主力販売網(工作機販社)とあわせ、システム販社とのコラボレーションも視野に入れた販売網の整備を行ってまいります。

東アジアのローカル市場開拓といたしましては、汎用3次元CAD商品へ当社製品の組込み(アドイン・アプリケーション化)を行い、既存の汎用CAD/CAM販売ローカル販社の活用により海外ローカルユーザー向けの新たな販売モデルを構築してまいります。

 

③  OEM事業の本格化

OEM事業につきましては、当社製品の対象市場と対象外市場に分離し、数社のパートナーとトライアル期間を経て事業の確立を図ってまいりました。

このトライアル期間で得た情報をベースにOEM事業は以下の分野に分割しターゲットを絞る事で開発資源を集中させ、よりクオリティの高いOEM製品の提供とともにOEM事業を本格化してまいります。

・金属加工市場向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

・試作金型向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

・同業、異業種向けCAD/CAMエンジン提供、生産管理ツール提供およびOEM製品開発支援事業

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。投資者に対する積極的な状況開示の観点から、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項であっても、投資者が判断をする上で、あるいは、当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項を含めて記載しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。下記事項には、将来に係るリスク要因が含まれておりますが、これらの事項は本有価証券報告書提出日(平成29年3月29日)現在における判断を基にしており、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。

 

①  経済動向に関する影響について

当社グループの事業は、国内経済の動向により影響を受けております。

金型を中心とする製造業の企業業績悪化により設備関連投資が減少した場合、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、ソフトウェア使用ライセンスおよび保守、サービスなど景気変動を受けにくい売上の割合を増やすため製品構成およびサービス内容、価格体系など収益構造の転換を進めてまいります。

 

②  海外事業について

当社グループは、タイ、カナダ、米国に子会社を置き、積極的に事業展開を進めております。海外販売においては、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、社会・政治および経済状況の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開および業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  特定人物への依存

金型製造事業を行っているTritech International,LLCの代表取締役である鳥山数之氏は、同社の2%の出資者であり、同社の運営に係るOperating agreementを当社グループと締結しています。また、同社の経営方針や事業方針の立案をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。

このため、当社では、同氏に過度な依存をしない経営体制を目指し、人事採用、育成による経営体制の強化を図り、親会社からの経営管理を強化するなど経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  研究開発活動

当社グループは研究開発型の事業を営んでおります。研究開発活動を担う要員の確保が不十分である場合、あるいは人材の育成に遅れが生じた場合、製品および技術サービスの競争力が低下し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  価格競争の激化

当社グループのソフトウェア製品は、対象市場において一定の競争力を有しております。しかし、開発競争が激化するなかで製品競争力の希薄化が進み競合製品との間で価格競争に巻き込まれた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  業務提携、アライアンス等に関するリスク

当社では、当社の技術の一部をOEM供給するなど、他社との業務提携、アライアンス等を積極的に進めております。しかし経営その他の要因により提携効果が得られない場合、提携先の経営の動向または決定事項により何らかの変化が生じた場合、また大幅な取引縮小等が発生した場合等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦  知的財産権

当社グループのソフトウェアが不当にコピーされ違法に流通するリスクがあります。また、当社グループの製品または技術が、他社が有する知的財産権を侵害しているとされるリスクや、当社グループが使用する第三者のソフトウェアまたは知的財産権に対して何らかの事情によって制約を受けるリスクがあります。これらの場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、著作権を有するソフトウェア保護のためセキュリティ強化に向けた技術開発を継続して実施してまいります。また、特許取得など知的財産保有の法的根拠の明確化を積極的に進めております。第三者知的財産権の使用にあたっては、リスクが発生しないように内容を十分留意して契約などを締結しております。

 

⑧  情報管理に関するリスク

当社グループの製品開発に係る重要な情報(設計情報およびソースプログラム等)が天変地異など予期せぬ事情によって喪失するリスクがあります。その場合、開発速度の低下およびサポート活動の停滞などにより当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、重要な開発情報の管理に関して分散保管など効果的な対策を実施しております。

 

⑨  製品およびサービスの欠陥について

当社グループは、製品およびサービスの品質の保証について充分に留意しておりますが、製品およびサービスに欠陥が生じるリスクがあります。当社グループ製品およびサービスは顧客の重要な製造プロセスのデータ処理を担っている関係上、障害の発生は顧客に深刻な損失をもたらす可能性があります。その場合当社グループは、顧客から責任を追及され損害賠償を求められる可能性があります。さらに、製品およびサービスに欠陥が生じたことにより社会的信用が低下する可能性があります。これらにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新しく開発した製品に技術のフィールドでの評価を十分に行い、高品質を実現する制度の運営および万が一の不具合発生時における速やかな情報提供に努めております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度におきましては、当社は以下のような研究開発活動に取り組み、当社製品の主要ユーザである金型関連メーカーにおける金型製造の効率化、高度化への貢献を目指しました。

当連結会計年度の研究開発費の総額は5億49百万円であり、全額CAD/CAMシステム等事業によるものであります。

 

当連結会計年度の主な研究開発活動は以下の通りであります。

①  既存製品の機能向上

金型5軸加工マシニングセンター対応の金型用3次元CAMシステム「CAM-TOOL」の最新バージョン「12.1」(本バージョン)を4月にリリースいたしました。中大物加工の荒取り工程で高送りカッターが多用され、この高送りカッターの刃先形状は複数の円弧で定義されている異形チップ形状で、この工具形状でのCAM演算を可能としました。従来発生していたCAMでは認識できない仕上げ代以上の加工残りを無くした高精度な荒取りパスの生成が実現したほか、荒取り工程における直前工程のストック形状(加工前の素材形状)を認識して、取り残った箇所に加工パスを出力する「ストック演算機能」においても異形チップ形状に対応し、正確なストック形状を認識した効率的な加工を実現しました。

さらにオプション製品としてCAM-TOOLサーフェスモデラー上でソリッドのような形状編集を可能とする「サーフェスプラス」をリリースしました。初版では、「面削除/面移動」機能を搭載しました。まるでソリッドモデラーのように、曲面を「削除」または「移動」した後の空間を自動的に「延長/トリム」でふさぐ事ができます。一般的なソリッドモデリングの場合、データを受け取った後、「ソリッド化」作業が必要となりますが、サーフェイスデータの軽快さを維持したまま金型用モデリングを継続することが可能となりました。

上記「CAM-TOOL」の他、金型用2次元・3次元融合型CAD/CAM「EXCESS-HYBRIDⅡ」についてはV1.0からV1.3へ、汎用3次元CADソフトウェア「SOLIDWORKS」上で動作する金型用3次元CAD/CAMシステム「CGシリーズ」についてはVer2015からVer2016へとそれぞれマイナーバージョンアップを行い、機能強化を図りました。

 

②  新規事業の育成<AM CAM(仮称)>

当社では、新規事業として当社が培ってきた切削技術を活かした3Dプリンタ関連ソリューションの開発を推進しておりますが、この度、11月に開催された世界屈指の工作機械見本市である「JIMTOF2016」当社ブースおいて、金型用3次元CAMシステム「CAM-TOOL」上に積層付加造形機能を追加した試作システム「AM CAM」を参考出品いたしました。

当社の「AM CAM」では、(1)3Dプリンタで一般的に使用されるSTLデータを使用せず製造現場で良く利用される形式からNCデータを出力し、(2)5軸を利用することでサポート材を不要とし、(3)積層で発生する段差を切削仕上げ加工を行うことで精度を確保する、というコンセプトを明確にしました。これらの特長により造形スピードの高速化、造形精度の向上、後処理が不要となるなど、製造分野でのさまざまな利便性向上が見込まれます。なお現在、数種類の樹脂材料に対応しておりますが、今後さらに対応できる樹脂を拡張していく他、金属材料にも対応できるよう、開発を進めております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5  経理の状況  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上高および営業利益

国内での業績は、年初から半ばにかけて円高傾向が進み、設備投資意欲に陰りが見えた影響もありましたが、パブリックショーへの出展やイベント共催等、営業上の施策により堅調に推移致しました。また、高い保守更新率を維持したことによる保守販売の増加もありました。海外での業績は、インドネシアにおける増収増益もありましたが、韓国の市況悪化、タイの政情不安等により、厳しい状況が続きました。これらにより、前年度との比較では減収減益という結果となりました。

北米で展開している金型製造事業においては、イギリスのEU離脱の影響もなく米国経済が年間を通じて好調に推移、自動車業界においては原油価格下落により、北米の大型車や米国国内における日系中型車の生産が好調に推移しました。その中で積極的な受注活動により想定を上回る受注を確保できたことから、大幅な増収増益という結果となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は44億45百万円となり、前連結会計年度と比較し1億32百万円(3.1%)増加いたしました。営業利益は販売手数料の増加等により4億8百万円となり、前連結会計年度と比較し48百万円(10.6%)減少いたしました。

 

②  営業外損益および経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の33百万円の利益(純額)から30百万円の利益(純額)となりました。

当連結会計年度における営業外収益の主な要因は、賃貸用不動産からの収入87百万円および滞留債権の回収による貸倒引当金の戻入額6百万円、営業外費用の主な要因は、賃貸用不動産にかかる費用67百万円です。

この結果、経常利益は4億38百万円となり、前連結会計年度と比較し51百万円(10.5%)減少いたしました。

 

③  特別損益および税金等調整前当期純利益

特別損益は、前連結会計年度および当連結会計年度ともに発生しませんでした。

この結果、税金等調整前当期純利益は4億38百万円となり、前連結会計年度と比較し51百万円(10.5%)減少いたしました。

 

④  当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益および1株当たり当期純利益

当期純利益は、法人税、住民税及び事業税1億45百万円の影響により2億91百万円となり、前連結会計年度と比較し50百万円(14.8%)減少いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する利益が48百万円と前連結会計年度と比較し17百万円増加したことにより2億42百万円となり、前連結会計年度と比較し67百万円(21.8%)減少いたしました。1株当たり当期純利益は、24円78銭(前連結会計年度は30円39銭)となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1億58百万円増加し、42億99百万円となりました。
 主な増加要因は現金及び預金3億14百万円、主な減少要因はたな卸資産1億4百万円であります。

(負債)

負債については前連結会計年度末と比較して2百万円増加し、19億72百万円となりました。主な増加要因は未払法人税等60百万円および退職給付に係る負債79百万円、主な減少要因は買掛金30百万円および前受金98百万円であります。

(純資産)

純資産については、前連結会計年度末と比較して1億55百万円増加し、23億26百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益2億42百万円、主な減少要因は配当金の支払いによる利益剰余金の減少98百万円であります。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5億31百万円の収入となりました。収入の主なものは税金等調整前当期純利益4億38百万円、減価償却費99百万円およびたな卸資産の減少1億0百万円、支出の主なものは前受金の減少88百万円であります。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、57百万円の支出となりました。支出の主なものは有形固定資産の取得21百万円および無形固定資産の取得38百万円であります。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1億26百万円の支出となりました。支出の主なものは配当金の支払額1億25百万円であります。

 

  キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成24年12月期

平成25年12月期

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

自己資本比率(%)

59.0

59.6

58.4

51.3

52.8

時価ベースの自己資本比率(%)

44.0

217.3

134.1

107.5

89.4

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.5

0.0

0.0

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

36.5

220.4

899.4

1,487.3

1,533.9

 

  自己資本比率:自己資本/総資産

  時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

  キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

  インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  (注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

     2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

     3 キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。

     4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての債務を対象としております。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2  事業の状況  3  対処すべき課題」に記載しておりますが、今後さらなる成長を実現するために、海外CAD/CAM市場の取り込みやOEM事業の拡大、AM-CAMをはじめとする次世代収益源としての新規事業の育成を重要課題として取り組んでまいります。また、人材の採用および高度なサービスを提供できる人材の育成にも取り組み、企業の持続的な成長および競争力強化につなげていきたいと考えております。