第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 当社グループの概要

   当社グループの事業セグメントは「CAD/CAMシステム等事業」と「金型製造事業」の2事業分野であります。

CAD/CAMシステム等事業では、30余年に亘り金型に特化してCAD/CAMシステムを当社独自に開発し販売してきました。その結果、国内外の金型関連業界におけるユーザー数は7,000事業所を超え、またユーザーからのフィードバックを余すところなくプログラムに反映することにより高機能なCAD/CAMシステムに成長し続けています。地域密着型のきめ細かな営業・技術サポート体制および長年に亘る販売商社と工作機械メーカー等の業界関連企業との強力なネットワークにより、ユーザーが高精度・高品質・高付加価値のモノづくりを実現するための支援体制を維持・継続しています。

金型製造事業は、北米を拠点とし自動車関連業界からの金型製造請負を発展させるためには高品質の金型を供給するだけでなく充実した手厚いサービスを提供できる営業・技術サポート体制の確立が不可欠との認識で10余年に亘り活動してきました。その結果、高品質の金型の供給はもとより自動車関連業界の量産開始まで責任をもってサポートすることにより顧客からの様々なニーズに応えています。

 

  当連結会計年度の経営成績

当社グループの当連結会計年度の連結業績は、金型製造事業の減収の影響により、売上高は40億83百万円(前期比8.1%減)、営業利益は3億28百万円(前期比19.4%減)、経常利益は3億73百万円(前期比14.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の回収可能性を見直した影響等から5億3百万円(前期比107.4%増)となりました。

当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。

 

 

  1. CAD/CAMシステム等事業

CAD/CAMシステム等事業については、以下のような取り組みを行ってきた結果、当連結会計年度のセグメント売上は35億28百万円(前期比100.2%)、セグメント利益は2億88百万円(前期比99.3%)とほぼ横ばいとなりました。保守サポート売上が好調に推移した国内CAD/CAMシステム事業は前期比で増収と堅調に推移しており、安定した経営基盤を維持しております。なお設備投資の先行指標となる工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は前期比31.6%増と過去最高を記録しておりますが、当社の主力製品であるCAD/CAMシステムについては、工作機械の受注時期ではなく納入時期に併せて導入されることから、工作機械受注統計と同期した収益の拡大とはならず、セグメント売上は前期から若干増に留まりました。来期の工作機械納入時期の到来以降、収益が拡大するものと見込んでおります。

 

  (1) 既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張

当社では、国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。国内製造業では世界経済の緩やかな成長により輸出が増加、生産が拡大基調にあるほか、設備投資も活発化してきました。そのような中、製品販売については、年間を通してパブリックショーへの出展、販売パートナー企業・生産財メーカーとのイベント共催等において協力体制の強化を図り、新規開拓を進めるとともに他社製品からの置き換えを狙った営業展開を進めてきました。特に本年度は10月に隔年で名古屋にて開催される工作機械見本市「メカトロテックジャパン2017」に出展、2018年にバージョンアップを控える当社製品の最新情報をはじめ、ユーザーの導入成功事例、生産財メーカーとのコラボレーションサンプルによる最新の加工技術等を紹介しました。
 また保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2017年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業(連結)における保守サービスによる売上の割合は58.7%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。

 

 

  (2)成長する海外CAD/CAM市場の取り込み

海外CAD/CAM市場に対しては、①日系企業への直接販売②ローカル企業への間接販売という2つの側面から事業展開してきました。日系企業に対しては国内外の事情に合わせ、現地技術員によるサポートを実現できる日本でも有数のCAD/CAMメーカーとして国内CAD/CAM営業部門との協力を図りながら製品販売を展開しました。ローカル企業に対しては、当社が販売を展開している地域において現地販売代理店の発掘、協力関係の構築を進めてきました。

そのような中、海外における製品販売は、アセアン地域では販売体制の強化および販売網の拡大等、海外事業基盤の強化によりインドネシア・ベトナム等の地域で堅調に推移しました。東アジア地域においては、韓国では当社製品との関連性が強い自動車関連業界は地政学リスクの影響により依然として低調に推移しているものの、代理店によるカスタマイズ製品の提案等、積極的な営業を展開したことなどから収益の回復が見られました。一方で本年度より代理店を通しての販売に切り替えた中国では、販売体制の立ち上げの遅れが年後半まで影響し、売上は減少しましたが拠点管理コストの減少により利益率は向上しました。また保守売上については、現地技術員によるサポート体制の強化によりタイ・インドネシア等複数の地域で伸長しました。

 

  (3)次世代収益源としての新規事業の育成

当社では、既存のCAD/CAMパッケージの開発・販売以外の次世代収益源として当社が培ってきたCAD/CAM開発技術を活かした新規事業の開発に本年度も取り組みました。

そのひとつはOEM事業であり当社が保有する技術リソースを国内外の工作機械メーカー、工具メーカー、CAD/CAMシステムメーカー等へOEM提供するものです。本年度はOEM先の増加による開発売上の伸長に加え一部既存OEM先へのライセンス売上の伸長が見られ、堅調に推移しました。

また当社では、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM」という新技術による積層造形の研究開発を行ってきました。これまで金型設計・製造に特化して培ってきたCAD/CAM 開発技術を生かし、FDM方式(熱溶解積層法)でCAM 開発のノウハウを蓄積してきましたが、前年度末より新たに粉末金属積層方式のCAM 開発に参入し、研究を継続してきました。

そのほかではCADの設計情報と工程計画を連携させることにより計画立案、実績収集、原価計算までをフォローし、進捗と実績の「見える化」を推進するCAD/CAM連携モデルの金型用工程管理システム「AIQ」を前述のイベント「メカトロテックジャパン2017」において「AIQカスタマイズ/オーダー管理ツール」として参考展示するなどIoT関連の新規事業育成にも取り組んできました。

 

  2. 金型製造事業

金型製造事業の当連結会計年度のセグメント売上は5億54百万円(前期比60.0%)、セグメント利益は40百万円(前期比34.4%)と、金型取引先からの想定を上回る大幅な受注増加により予算を大きく上回った前期との比較では、大幅な減収減益となりましたが、業績は想定通りの結果となりました。

金型製造事業では、米国経済が好調を継続している中、当社の金型製造子会社は年間を通して積極的な受注活動を行ってきましたが、北米の原油安が影響し、日系自動車メーカーが得意とするエコカーではなく大型ガソリン車の生産が伸長したことにより、主な納入先である日系自動車部品メーカーが苦戦したことなどの影響を受けました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して3億8百万円増加し、21億36百万円となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益および減価償却費により5億34百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ2百万円の収入の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得および無形固定資産の取得等により86百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ28百万円の支出の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により1億31百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ4百万円の支出の増加となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

1,267,392

△4.8

 

保守契約・技術サービス

2,071,411

+1.0

 

開発サービス

195,055

+41.8

 

3,533,858

+0.4

金型製造

559,901

△28.5

 

合計

4,093,760

△4.9

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前期比
(%)

受注残高
(千円)

前期比
(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

 

 

CAD/CAM製品

1,271,970

△4.0

48,515

+11.5

 

保守契約・技術サービス

2,071,961

△0.7

747,180

+0.1

 

開発サービス

169,327

+12.6

13,105

△61.3

 

3,513,259

△1.4

808,801

△1.9

金型製造

567,906

△21.3

172,178

+8.3

 

合計

4,081,165

△4.7

980,979

△0.2

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

1,266,976

△4.8

 

保守契約・技術サービス

2,071,411

+1.0

 

開発サービス

190,121

+36.4

 

3,528,508

+0.2

金型製造

554,776

△40.0

 

合計

4,083,285

△8.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

当社グループは、「生産性の限界に挑戦する」という社是を掲げ、モノづくりの世界に大きな貢献ができるソフトウェア開発のメーカーとして誇りを持てる会社として、これからも成長し続けています。

社是に含まれた意義は、「社員の生産性を最大限に発揮する」ことで「ユーザーの生産性を限界まで高めていく」という意志を込めたものであります。

また、経営理念としましては、「技術立国日本を代表するCAD/CAMソリューションメーカーとして、世界のモノづくりに貢献する」としており、これに基づく基本精神は以下のとおりであります。

・ お客様の満足と安心を第一主義とする。

・ 経営資源を効果的に活用し、継続的発展を図る。

・ 笑顔を絶やさず信念と希望に満ちた行動を続ける。

・ 豊かな創造力を育み働く喜びを持てる企業文化を創る。

同時に、「世界を築く創造のソリューション」をコーポレートスローガンとし、高度化・多様化する金型製作の現場においてお客様一社一社のニーズおよび課題を発見し、的確かつ柔軟なソリューション提案によって顧客の皆様のご期待にお応えしてまいります。

これらを実現することにより企業価値をさらに向上させてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの業績は、かつては金型業界特有の景気変動の影響を受けやすい業界の設備投資動向に大きく依存してまいりました。そのため、業績予想が難しくその変動が比較的大きい傾向がありました。

しかし、ここ数年は安定的なシェア向上と同時に保守契約数と契約率を飛躍的に成長させることにより、製品販売の伸長と相まってCAD/CAM事業の収益増加に貢献してまいりました。

また、ユーザーニーズに応じたカスタマイズ収益の向上も収益改善に大きく寄与しております。

今後は、海外販売戦略を実践に落とし込み海外販売の比率をさらに引き上げることにより、全社的により大きな成長を実現してまいります。

 

(3)中期的な会社の経営戦略

当社グループでは、以下を経営戦略に掲げ、事業を運営・展開し企業価値を向上してまいります。

・ユーザーニーズに応じたカスタマイズを実現するために、開発員・サポート要員の多能工化を図るとともに、地域完結型の開発環境を整備し、カスタマイズ開発のサテライト化を促進する。

・海外販売強化のため、地域別管理体制を確立するとともに現地代理店を活用し、海外販売販路を積極的に開拓する。

 ・OEM事業および新規事業の強化を図り、保守収益以外の安定的な収益源の確保を実現する。

 ・株主還元の一環として、安定配当をはじめとした資本効率の一層の向上を図ります。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、欧州経済不安、急激な為替調整不安、東アジア情勢不安、自然災害不安等の世界情勢および金融資本市場の動向等の影響により様々に変化することが予想されております。また当社グループ製品の対象市場は、グローバル競争および大手製品メーカーからのコスト低減圧力による収益への影響から、厳しい市場環境が続くことが否定できません。このような状況下で活用される当社グループ製品へのニーズは、益々高度化・多様化してきており、ソフトウェア機能および技術サービスの品質に係る競争はさらに激化すると予想されております。

当社グループといたしましては、以下のような課題に対処していくことで市場環境の変化に柔軟に対応し、業績の継続的向上を図ってまいります。

 

 

①  開発資源の集中

金型業界向けCAD/CAM市場のニッチトップの確立を事業拡大戦略の主軸としていることから、今後、ますます進むことが予測される国内製造業の海外シフトへの対応および、拡大を続ける東アジアにおける製造業向けの製品機能を強化し、多様化するニーズ対応型開発からワールドワイド対応型開発へ開発資源をシフトしてまいります。

 

②  海外販売の強化

国内製造業の海外シフト対策としましては、国内営業、海外営業との連携営業強化および国内販社や工作機メーカーとの共販活動を積極的に展開しており、継続して拡大を続ける海外市場において当社製品の優位性をアピールしてまいります。

今後、既存の主力販売網である機械商社とあわせ、生産財メーカーとのコラボレーションを積極的に進めるとともに、海外においても販売網の整備を行うことにより、当社製品の認知度を向上させ販売機会の拡大を図ってまいります。

東アジアのローカル市場開拓としましては、汎用3次元CAD商品へ当社製品を組み込み(アドイン・アプリケーション化)を行い、既存の汎用CAD/CAM販売ローカル販社の活用により海外ローカルユーザー向けの新たな販売モデルを構築してまいります。

 

③  OEM事業の推進

当社は、金型向けCAD/CAMシステム等事業において蓄積されたノウハウを当社製品の対象市場と対象外市場に分離し、それぞれの市場において複数社のパートナーへの当社製品のOEM提供を行っております。今後ますます多様化するニーズに対応すべく、パートナーとの情報交換を密に行い、そこで得られた情報をベースにOEM事業として以下の分野に分割しターゲットを絞る事で開発資源を集中させ、よりクオリティの高いOEM製品の提供を継続してまいります。

・金属加工市場向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

・試作金型向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

・同業、異業種向けCAD/CAMエンジン提供、生産管理ツール提供およびOEM製品開発支援事業

 

 ④新規事業の育成

当社では、主力事業としてCAM-TOOL、EXCESS-HYBRID Ⅱといった既存のCAD/CAMシステムのパッケージ販売を行っております。これらの製品は定期的にバージョンアップを行い常に市場の需要を意識して機能改良を行っておりますが、これらが陳腐化した場合や革新的な技術に取って代わられた場合に備え、新たな収益源の確保が必要であると認識しております。現在育成中の事業は次のとおりであります。

 ・AM(Additive Manufacturing:積層造形)による3Dプリンタ関連事業の育成

積層造形に5軸積層加工技術を組合せた「AM-CAM」を、樹脂系、金属系分野にそれぞれ提供することにより、量産分野に欠かせない金型分野のみならず、多様化する幅広いモノづくりのニーズに応えてまいります。

 ・金型工程管理システム事業の育成

当社が得意とする金型分野向けに、製造現場におけるIoTを活用した工程管理の需要の高まりに対応した「金型工程管理システム」の提供を目指します。顧客ごとのカスタマイズ開発が可能な開発体制、技術サポート体制の確立し、金型設計・製造だけでなく工程管理を通じた作業工程の効率化にも貢献してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。投資者に対する積極的な状況開示の観点から、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項であっても、投資者が判断をする上で、あるいは、当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項を含めて記載しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。下記事項には、将来に係るリスク要因が含まれておりますが、これらの事項は本有価証券報告書提出日(平成30年3月28日)現在における判断を基にしており、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。

 

①  経済動向に関する影響について

当社グループの事業は、国内経済の動向により影響を受けております。

金型を中心とする製造業の企業業績悪化により設備関連投資が減少した場合、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、ソフトウェア使用ライセンスおよび保守、サービスなど景気変動を受けにくい売上の割合を増やすため製品構成およびサービス内容、価格体系など収益構造の転換を進めてまいります。

 

②  海外事業について

当社グループは、タイ、カナダ、米国に子会社を置き、積極的に事業展開を進めております。海外販売においては、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、社会・政治および経済状況の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開および業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  特定人物への依存

金型製造事業を行っているTritech International,LLCの代表取締役である鳥山数之氏は、同社の2%の出資者であり、同社の運営に係るOperating agreementを当社グループと締結しています。また、同社の経営方針や事業方針の立案をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。

このため、当社では、同氏に過度な依存をしない経営体制を目指し、人事採用、育成による経営体制の強化を図り、親会社からの経営管理を強化するなど経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  研究開発活動

当社グループは研究開発型の事業を営んでおります。研究開発活動を担う要員の確保が不十分である場合、あるいは人材の育成に遅れが生じた場合、製品および技術サービスの競争力が低下し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  価格競争の激化

当社グループのソフトウェア製品は、対象市場において一定の競争力を有しております。しかし、開発競争が激化するなかで製品競争力の希薄化が進み競合製品との間で価格競争に巻き込まれた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  業務提携、アライアンス等に関するリスク

当社では、当社の技術の一部をOEM供給するなど、他社との業務提携、アライアンス等を積極的に進めております。しかし経営その他の要因により提携効果が得られない場合、提携先の経営の動向または決定事項により何らかの変化が生じた場合、また大幅な取引縮小等が発生した場合等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦  知的財産権

当社グループのソフトウェアが不当にコピーされ違法に流通するリスクがあります。また、当社グループの製品または技術が、他社が有する知的財産権を侵害しているとされるリスクや、当社グループが使用する第三者のソフトウェアまたは知的財産権に対して何らかの事情によって制約を受けるリスクがあります。これらの場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、著作権を有するソフトウェア保護のためセキュリティ強化に向けた技術開発を継続して実施してまいります。また、特許取得など知的財産保有の法的根拠の明確化を積極的に進めております。第三者知的財産権の使用にあたっては、リスクが発生しないように内容を十分留意して契約などを締結しております。

 

⑧  情報管理に関するリスク

当社グループの製品開発に係る重要な情報(設計情報およびソースプログラム等)が天変地異など予期せぬ事情によって喪失するリスクがあります。その場合、開発速度の低下およびサポート活動の停滞などにより当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、重要な開発情報の管理に関して分散保管など効果的な対策を実施しております。

 

⑨  製品およびサービスの欠陥について

当社グループは、製品およびサービスの品質の保証について充分に留意しておりますが、製品およびサービスに欠陥が生じるリスクがあります。当社グループ製品およびサービスは顧客の重要な製造プロセスのデータ処理を担っている関係上、障害の発生は顧客に深刻な損失をもたらす可能性があります。その場合当社グループは、顧客から責任を追及され損害賠償を求められる可能性があります。さらに、製品およびサービスに欠陥が生じたことにより社会的信用が低下する可能性があります。これらにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新しく開発した製品に技術のフィールドでの評価を十分に行い、高品質を実現する制度の運営および万が一の不具合発生時における速やかな情報提供に努めております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度におきましては、当社は以下のような研究開発活動に取り組み、当社製品の主要ユーザである金型関連メーカーにおける金型製造の効率化、高度化への貢献を目指しました。

当連結会計年度の研究開発費の総額は5億4百万円であり、全額CAD/CAMシステム等事業によるものであります。

 

当連結会計年度の主な研究開発活動は以下の通りであります。

①  EXCESS-HYBRIDⅡ V2.1

2017年2月、金型向け2次元・3次元(2D・3D)融合型のCAD/CAMシステムEXCESS-HYBRIDⅡの新版「V2.1」(本バージョン)をリリースいたしました。

EXCESS-HYBRIDⅡは、2015年末、旧モデルを8年ぶりに刷新したEXCESSシリーズの最新モデルとして初版を発売し、さらなる新機能搭載や大幅な改良を加え、このたび、次版をリリースする運びとなりました。初版では絞りプレス金型で重要なレイアウト設計の作業工数30%減(従来比)を実現し、本バージョンでは、さらに金型全体の設計・製図工数15%減(従来比)を可能としました。本バージョンでは、プレス金型やモールド金型の設計作業において、2Dによる作図や3Dによるモデリングなど、汎用コマンドの要所に金型設計を意図した直感的な操作を組み込むことで作業を効率化し、ユーザの習熟度を効果的に向上させることを目指しました。

 

 ②  CAM-TOOL V13.1

2017年4月、金型5軸制御マシニングセンター対応CAD/CAMシステム、CAM-TOOLの新版「V13.1」(本バージョン)をリリースいたしました。

CAM-TOOLは独自のサーフェスモデラを搭載するCAD/CAM システムとして、穴あけから同時5軸までをトータルサポートする加工モジュールを有しております。またサーフェス演算とポリゴン演算は、精度優先、効率優先等、環境に応じて使い分けることが可能なシステム構成となっております。本バージョンでは、未加工領域(ストック形状)の認識において新しい演算方法を採用し、3次元での形状再現性を向上させました。またユーザから高い評価をいただいているオプション製品「サーフェスプラス」においてソリッド系CADの代表的な機能であるブーリアン機能(集合演算の和・積・差(除))を新たにサーフェス形状で実現しました。

 

上記①②のほか当連結会計年度は、新規事業として、当社が培ってきた切削技術を活かした3Dプリンタ関連ソリューションである「AM CAM」の研究開発、工作機械メーカー・工具メーカー等の生産財メーカーへのCAMエンジン開発、金型・部品製造業向けに特化したオーダー管理ツールの開発等を推進してまいりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5  経理の状況  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上高および営業利益

国内での業績は、パブリックショーへの出展、イベント共催等による販売パートナー企業並びに生産材メーカーとの協力体制の強化を図り、堅調に推移致しました。また、90%以上という高い保守更新率を維持したことによる保守販売の増加もありました。海外での業績は、インドネシア、ベトナム等のアセアン地域において堅調に推移致しました。また、韓国においては地政学リスクによる市況の悪化がある中、代理店によるカスタマイズ製品の提案等、積極的な営業展開により収益の回復が見られております。本年度より代理店を通じての販売に切り替えた中国では、販売体制の立ち上げの遅れが年後半まで影響し、売上は減少しましたが拠点管理コストの減少により利益率は向上しました。

北米で展開している金型製造事業においては、原油安により日系自動車メーカーが得意とするエコカーではなく、大型ガソリン車の生産が伸長したことにより、主な納入先である日系自動車部品メーカーが苦戦したことなどの影響を受けました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は40億83百万円となり、前連結会計年度と比較し3億62百万円(8.1%)減少いたしました。営業利益は中国の駐在員事務所閉鎖による販売費及び一般管理費の減少等により3億28百万円となり、前連結会計年度と比較し79百万円(19.4%)減少いたしました。

 

②  営業外損益および経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の30百万円の利益(純額)から44百万円の利益(純額)となりました。

当連結会計年度における営業外収益の主な要因は、賃貸用不動産からの収入87百万円および滞留債権の回収による貸倒引当金の戻入額10百万円、営業外費用の主な要因は、賃貸用不動産にかかる費用67百万円です。

この結果、経常利益は3億73百万円となり、前連結会計年度と比較し65百万円(14.8%)減少いたしました。

 

③  特別損益および税金等調整前当期純利益

特別損益は、62百万円の利益(純額)となりました。

当連結会計年度における特別利益の主な要因は、当社元取締役に付保しておりました生命保険金の給付による保険差益62百万円です。

この結果、税金等調整前当期純利益は4億35百万円となり、前連結会計年度と比較し2百万円(0.7%)減少いたしました。

 

④  当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益および1株当たり当期純利益

当期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる影響により5億22百万円となり、前連結会計年度と比較し2億31百万円(79.4%)増加いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する利益が19百万円と前連結会計年度と比較し29百万円減少したことにより5億3百万円となり、前連結会計年度と比較し2億60百万円(107.4%)増加いたしました。1株当たり当期純利益は、51円38銭(前連結会計年度は24円78銭)となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して5億14百万円増加し、48億14百万円となりました。
 主な増加要因は現金及び預金3億9百万円および繰延税金資産2億68百万円、主な減少要因は受取手形及び売掛金76百万円であります。

(負債)

負債については前連結会計年度末と比較して1億5百万円増加し、20億78百万円となりました。主な増加要因は前受金51百万円および退職給付に係る負債87百万円であります。

(純資産)

純資産については、前連結会計年度末と比較して4億8百万円増加し、27億35百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益5億3百万円、主な減少要因は配当金の支払いによる利益剰余金の減少98百万円であります。

 

(4) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5億34百万円の収入となりました。収入の主なものは税金等調整前当期純利益4億35百万円および減価償却費1億23百万円であります。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、86百万円の支出となりました。支出の主なものは有形固定資産の取得36百万円および無形固定資産の取得47百万円であります。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1億31百万円の支出となりました。支出の主なものは配当金の支払額1億30百万円であります。

 

  キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成25年12月期

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

平成29年12月期

自己資本比率(%)

59.6

58.4

51.3

52.8

55.9

時価ベースの自己資本比率(%)

217.3

134.1

107.5

89.4

103.8

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

220.4

899.4

1,487.3

1,533.9

2,582.4

 

  自己資本比率:自己資本/総資産

  時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

  キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

  インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

  (注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

     2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

     3 キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを利用しております。

     4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての債務を対象としております。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2  事業の状況  3  経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載しておりますが、今後さらなる成長を実現するために、海外CAD/CAM市場の取り込みやOEM事業の拡大、AM-CAMをはじめとする次世代収益源としての新規事業の育成を重要課題として取り組んでまいります。また、人材の採用および高度なサービスを提供できる人材の育成にも取り組み、企業の持続的な成長および競争力強化につなげていきたいと考えております。