第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

当社グループは、「生産性の限界に挑戦する」という社是を掲げ、モノづくりの世界に大きな貢献ができるソフトウェア開発のメーカーとして誇りを持てる会社として、これからも成長し続けていきます。

社是に含まれた意義は、「社員の生産性を最大限に発揮する」ことで「ユーザーの生産性を限界まで高めていく」という意志を込めたものであります。

また、経営理念としましては、「技術立国日本を代表するCAD/CAMソリューションメーカーとして、世界のモノづくりに貢献する」としており、これに基づく基本精神は以下のとおりであります。

 ・ お客様の満足と安心を第一主義とする。

 ・ 経営資源を効果的に活用し、継続的発展を図る。

 ・ 笑顔を絶やさず信念と希望に満ちた行動を続ける。 

 ・ 豊かな創造力を育み働く喜びを持てる企業文化を創る。

同時に、「世界を築く創造のソリューション」をコーポレートスローガンとし、高度化・多様化する金型製作の現場においてお客様一社一社のニーズおよび課題を発見し、的確かつ柔軟なソリューション提案によって顧客の皆様のご期待にお応えしてまいります。

これらを実現することにより企業価値をさらに向上させてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの業績は、かつては金型業界特有の景気変動の影響を受けやすい業界の設備投資動向に大きく依存してまいりました。そのため、業績予想が難しくその変動が比較的大きい傾向がありました。

しかし、ここ数年は安定的なシェア向上と同時に保守契約数と契約率を飛躍的に成長させることにより、製品販売の伸長と相まってCAD/CAM事業の収益増加に貢献してまいりました。

また、ユーザーニーズに応じたカスタマイズ収益の向上も収益改善に大きく寄与しております。

今後は、海外販売戦略を実践に落とし込み海外販売の比率をさらに引き上げることにより、全社的により大きな成長を実現してまいります。

 

(3)中期的な会社の経営戦略

当社グループでは、以下を経営戦略に掲げ、事業を運営・展開し企業価値を向上してまいります。

・ユーザーニーズに応じたカスタマイズを実現するために、開発員・サポート要員の多能工化を図るとともに、地域完結型の開発環境を整備し、カスタマイズ開発のサテライト化を促進する。

・海外販売強化のため、地域別管理体制を確立するとともに現地代理店を活用し、海外販売販路を積極的に開拓する。

 ・OEM事業および新規事業の強化を図り、保守収益以外の安定的な収益源の確保を実現する。

 ・株主還元の一環として、安定配当をはじめとした資本効率の一層の向上を図ります。

 

(4)経営環境及び会社の対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、貿易摩擦、欧州経済不安、急激な為替調整不安、東アジア情勢不安、自然災害不安等の世界情勢および金融資本市場の動向等の影響により様々に変化することが予想されております。また当社グループ製品の対象市場は、グローバル競争および大手製品メーカーからのコスト低減圧力による収益への影響から、厳しい市場環境が続くことが否定できません。このような状況下で活用される当社グループ製品へのニーズは、益々高度化・多様化してきており、ソフトウェア機能および技術サービスの品質に係る競争はさらに激化すると予想されております。

当社グループといたしましては、以下のような課題に対処していくことで市場環境の変化に柔軟に対応し、業績の継続的向上を図ってまいります。

 

 

①  開発資源の集中

金型業界向けCAD/CAM市場のニッチトップの確立を事業拡大戦略の主軸としていることから、今後、ますます進むことが予測される国内製造業の海外シフトへの対応および、拡大を続ける東アジアにおける製造業向けの製品機能を強化し、多様化するニーズ対応型開発からワールドワイド対応型開発へ開発資源をシフトしてまいります。

 

②  海外販売の強化

国内製造業の海外シフト対策としましては、国内営業、海外営業との連携営業強化および国内販社および工作機メーカーとの共販活動を積極的に展開しており、継続して拡大を続ける海外市場において当社製品の優位性をアピールしてまいります。

今後、既存の主力販売網である機械商社とあわせ、生産財メーカーとのコラボレーションを積極的に進めるとともに、海外においても販売網の整備を行うことにより、当社製品の認知度を向上させ販売機会の拡大を図ってまいります。

東アジアのローカル市場開拓としましては、汎用3次元CAD商品へ当社製品を組み込み(アドイン・アプリケーション化)を行い、既存の汎用CAD/CAM販売ローカル販社の活用により海外ローカルユーザー向けの新たな販売モデルを構築してまいります。

 

③  OEM事業の推進

当社は、金型向けCAD/CAMシステム等事業において蓄積されたノウハウを当社製品の対象市場と対象外市場に分離し、それぞれの市場において複数社のパートナーへの当社製品のOEM提供を行っております。今後ますます多様化するニーズに対応すべく、パートナーとの情報交換を密に行い、そこで得られた情報をベースにOEM事業として以下の分野に分割しターゲットを絞る事で開発資源を集中させ、よりクオリティの高いOEM製品の提供を継続してまいります。

 ・金属加工市場向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

 ・試作金型向け工作機メーカーへのCAMエンジン提供およびOEM製品開発支援事業

 ・同業、異業種向けCAD/CAMエンジン提供、生産管理ツール提供およびOEM製品開発支援事業

 

 ④ 新規事業の育成

当社では、主力事業としてCAM-TOOL、EXCESS-HYBRID Ⅱといった既存のCAD/CAMシステムのパッケージ販売を行っております。これらの製品は定期的にバージョンアップを行い常に市場の需要を意識して機能改良を行っておりますが、これらが陳腐化した場合や革新的な技術に取って代わられた場合に備え、新たな収益源の確保が必要であると認識しております。現在育成中の事業は次のとおりであります。

 ・AM(Additive Manufacturing:積層造形)による3Dプリンタ関連事業の育成

積層造形に5軸積層加工技術を組合せた「AM-CAM」を、樹脂系、金属系分野にそれぞれ提供することにより、量産分野に欠かせない金型分野のみならず、多様化する幅広いモノづくりのニーズに応えてまいります。

 ・金型工程管理システム事業の育成

当社が得意とする金型分野向けに、製造現場におけるIoTを活用した工程管理の需要の高まりに対応した「金型工程管理システム」の提供を目指します。顧客ごとのカスタマイズ開発が可能な開発体制、技術サポート体制の確立し、金型設計・製造だけでなく工程管理を通じた作業工程の効率化にも貢献してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。投資者に対する積極的な状況開示の観点から、必ずしもリスク要因に該当しないと考えられる事項であっても、投資者が判断をする上で、あるいは、当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項を含めて記載しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。下記事項には、将来に係るリスク要因が含まれておりますが、これらの事項は本有価証券報告書提出日(2019年3月28日)現在における判断を基にしており、事業などのリスクはこれらに限られるものではありません。

 

①  経済動向に関する影響について

当社グループの事業は、国内経済の動向により影響を受けております。

金型を中心とする製造業の企業業績悪化により設備関連投資が減少した場合、当社グループの業績および財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、ソフトウェア使用ライセンスおよび保守、サービスなど景気変動を受けにくい売上の割合を増やすため製品構成およびサービス内容、価格体系など収益構造の転換を進めてまいります。

 

②  海外事業について

当社グループは、タイ、カナダ、米国に子会社を置き、積極的に事業展開を進めております。海外販売においては、各国政府の予期しない法律や規制・税制の変更、社会・政治および経済状況の変化、異なる商慣習による取引先の信用リスク、為替変動等の事象が発生した場合には、当社グループの事業展開および業績、財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  特定人物への依存

金型製造事業を行っているTritech International,LLCの代表取締役である鳥山数之氏は、同社の2%の出資者であり、同社の運営に係るOperating agreementを当社グループと締結しています。また、同社の経営方針および事業方針の立案をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。

このため、当社では、同氏に過度な依存をしない経営体制を目指し、人事採用、育成による経営体制の強化を図り、親会社からの経営管理を強化するなど経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  研究開発活動

当社グループは研究開発型の事業を営んでおります。研究開発活動を担う要員の確保が不十分である場合、あるいは人材の育成に遅れが生じた場合、製品および技術サービスの競争力が低下し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  価格競争の激化

当社グループのソフトウェア製品は、対象市場において一定の競争力を有しております。しかし、開発競争が激化するなかで製品競争力の希薄化が進み競合製品との間で価格競争に巻き込まれた場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  業務提携、アライアンス等に関するリスク

当社では、当社の技術の一部をOEM供給するなど、他社との業務提携、アライアンス等を積極的に進めております。しかし経営その他の要因により提携効果が得られない場合、提携先の経営の動向または決定事項により何らかの変化が生じた場合、また大幅な取引縮小等が発生した場合等、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦  知的財産権

当社グループのソフトウェアが不当にコピーされ違法に流通するリスクがあります。また、当社グループの製品または技術が、他社が有する知的財産権を侵害しているとされるリスクや、当社グループが使用する第三者のソフトウェアまたは知的財産権に対して何らかの事情によって制約を受けるリスクがあります。これらの場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、著作権を有するソフトウェア保護のためセキュリティ強化に向けた技術開発を継続して実施してまいります。また、特許取得など知的財産保有の法的根拠の明確化を積極的に進めております。第三者知的財産権の使用にあたっては、リスクが発生しないように内容を十分留意して契約などを締結しております。

 

⑧  情報管理に関するリスク

当社グループの製品開発に係る重要な情報(設計情報およびソースプログラム等)が天変地異など予期せぬ事情によって喪失するリスクがあります。その場合、開発速度の低下およびサポート活動の停滞などにより当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、重要な開発情報の管理に関して分散保管など効果的な対策を実施しております。

 

⑨  製品およびサービスの欠陥について

当社グループは、製品およびサービスの品質の保証について充分に留意しておりますが、製品およびサービスに欠陥が生じるリスクがあります。当社グループ製品およびサービスは顧客の重要な製造プロセスのデータ処理を担っている関係上、障害の発生は顧客に深刻な損失をもたらす可能性があります。その場合当社グループは、顧客から責任を追及され損害賠償を求められる可能性があります。さらに、製品およびサービスに欠陥が生じたことにより社会的信用が低下する可能性もあり、これらにより業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新しく開発した製品に技術のフィールドでの評価を十分に行い、高品質を実現する制度の運営および万が一の不具合発生時における速やかな情報提供に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 (1)財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループの連結業績は、第2四半期までは低調に推移していたものの、第3四半期以降、CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業のいずれにおいても業績が回復し、売上高は前年の実績とほぼ同水準の40億66百万円(前期比0.4%減)まで回復いたしました。利益面では上期の減益およびCAD/CAMシステム等事業での先行投資としての開発外注費増加が影響し、営業利益2億30百万円(前期比30.0%減)、経常利益2億52百万円(前期比32.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円(前期比76.0%減)となりました。営業利益の減少に加え、前年度に繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額を2億77百万円計上したことなどから、それとの比較では減益となりました。

 

当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。

   (CAD/CAMシステム等事業)

CAD/CAMシステム等事業については、「既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張」「成長する海外CAD/CAM市場の取り込み」「次世代収益源としての新規事業の育成」の3つの基本戦略を柱とした中長期事業方針を推進するため、以下のような取り組みを行ってきた結果、当連結会計年度のセグメント売上は35億22百万円(前期比0.2%減)となりました。上期の業績は工作機械の納期長期化および製造業向け政府補助金の採択時期の影響等を受け、第2四半期までは厳しい状況で推移したものの、第3四半期以降の工作機械の納品時期到来に連動した製品販売、政府補助金案件への確実な販売により業績が回復いたしました。セグメント利益は上期での減益および先行投資としての開発外注費増加が影響し、1億96百万円(前期比31.9%減)となりました。

 

 ・既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張

当社では、国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。国内製造業では、企業収益が改善し良好な水準を維持する中、輸出が増加、設備投資も堅調に推移しておりましたが、米中貿易摩擦の強まりに伴い景気先行き警戒感が強まり、2018年後半にかけては設備投資意欲にも慎重な姿勢が見られるようになりました。そのような中、製品販売については、年間を通してパブリックショーへの出展、販売パートナー企業・生産財メーカーとのイベント共催等において協力体制の強化を図り、新規開拓を進めるとともに他社製品からの置き換えを狙った営業展開を進めてきました。11月には東京にて開催された工作機械見本市「JIMTOF2018」に出展、10月にリリースした金型5軸制御マシニングセンター対応CAD/CAMシステム「CAM-TOOL」の最新バージョンをはじめとする主力CAD/CAM製品の紹介を行ったほか、「現場主導のIT活用」を新コンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の展示およびワークショップを開講するなど、当社製品で実現する付加価値の高い加工技術や金型設計作業の効率化を提案しました。

また保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2018年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は60.4%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。

 

 

 ・成長する海外CAD/CAM市場の取り込み

海外CAD/CAM市場に対しては、①日系企業への直接販売②ローカル企業への間接販売という2つの側面から事業展開してきました。日系企業に対しては国内外の事情に合わせ、現地技術員によるサポートを実現できる日本でも有数のCAD/CAMメーカーとして国内CAD/CAM営業部門との協力を図りながら製品販売を展開しました。ローカル企業に対しては、当社が販売を展開している地域において現地販売代理店の発掘、協力関係の構築を進めてきました。

そのような中、海外における製品販売は、ASEAN地域では販売体制の強化および販売網の拡大等、海外事業基盤の強化によりタイ、ベトナム等で堅調に推移しました。東アジア地域においては、NCデータ出力の自動化を推進するオプション製品「CAM-TOOL Easy&Smart(ES)」の提案等、積極的な営業を展開した韓国で売上を伸ばしたほか、台湾では自動車向けの需要が増加し売上が回復しました。一方、貿易摩擦の影響で経済が減速傾向にある中国では、自動車関連の需要減少に伴い製品販売は低調に推移しました。また保守売上については、現地技術員によるサポート体制の強化によりインドネシア・ベトナム等の地域で伸長しました。

 

 ・次世代収益源としての新規事業の育成

当社では、既存のCAD/CAMパッケージの開発・販売以外の次世代収益源として当社が培ってきたCAD/CAM開発技術を生かした新規事業の開発に本年度も取り組みました。

そのひとつはOEM事業であり当社が保有する技術リソースを国内外の工作機械メーカー、工具メーカー、CAD/CAMシステムメーカー等へOEM提供するものです。当連結会計年度においては、既存OEM製品では需要の一巡が見受けられ、想定よりも低調に推移しました。OEM事業については新機能追加等によるさらなる需要掘り起こしを進めるとともに、新たなOEM先の新規開拓の必要があるものと認識しています。

また当社では、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM」という新技術による積層造形の研究開発を行ってきました。これまで金型設計・製造に特化して培ってきたCAD/CAM 開発技術を生かし、FDM方式(熱溶解積層法)でCAM開発のノウハウを蓄積してきましたが、粉末金属積層方式のCAM開発にも参入し、研究を継続してきました。

そのほかではCADの設計情報と工程計画を連携させることにより計画立案、実績収集、原価計算までをフォローし、進捗と実績の「見える化」を推進するCAD/CAM連携モデルである金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の機能拡充などIoT関連の新規事業育成にも取り組んできました。

 

   (金型製造事業)

金型製造事業における当連結会計年度のセグメント売上は5億44百万円(前期比1.8%減)とほぼ横ばいとなりましたが、利益面では上期の減益および原価率の上昇の影響により、セグメント利益は33百万円(前期比17.0%減)に留まりました。

当社の金型製造子会社が拠点を置く米国の自動車業界は、良好な事業環境を維持する一方、輸入関税等の経済政策による影響が懸念されるなど、一部不透明な状況も継続いたしました。当社の金型製造子会社は年間を通して積極的な受注活動を行ってきましたが、一昨年の第4四半期以降、主要顧客の新車開発が一時的に大きく減少したことが影響し、CAD/CAMシステム等事業と同様、第2四半期までは厳しい状況が継続しました。その後の金型需要回復に伴い売上高が回復しましたが、米中貿易摩擦に伴うコスト増が利益面に影響しました。

 

 

  (2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ39百万円(1.9%)増加し、21億76百万円となりました。

当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により1億63百万円の収入となり、前年同期と比べ3億70百万円(69.4%)の収入の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により70百万円の支出となり、前年同期と比べ15百万円(18.3%)の支出の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により44百万円の支出となり、前年同期と比べ86百万円(65.9%)の支出の減少となりました。

 

  (3)生産、受注及び販売の実績

  ① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

 1,230,874

 △2.9

 

保守契約・技術サービス

 2,126,799

 +2.7

 

開発サービス

 158,531

 △18.7

 

 3,516,205

 △0.5

金型製造

 647,295

 +15.6

 

合計

 4,163,501

 +1.7

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

  ② 受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前期比
(%)

受注残高
(千円)

前期比
(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

 

 

CAD/CAM製品

 1,225,287

△3.7

 41,231

 △15.0

 

保守契約・技術サービス

 2,136,084

+3.1

 756,465

 +1.2

 

開発サービス

 170,693

 +0.8

 21,140

 +61.3

 

 3,532,064

 +0.5

 818,838

 +1.2

金型製造

 761,224

 +34.0

 388,652

 +125.7

 

合計

 4,293,289

 +5.2

 1,207,490

 +23.1

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

  ③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

 

品目

CAD/CAMシステム等

 

 

 

CAD/CAM製品

 1,232,570

 △2.7

 

保守契約・技術サービス

 2,126,799

 +2.7

 

開発サービス

 162,657

 △14.4

 

 3,522,027

 △0.2

金型製造

 544,750

 △1.8

 

合計

 4,066,778

 △0.4

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
 

 

 (4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  ① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。

当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

  ② 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前年同期と比較して1億25百万円(2.6%)増加し、49億39百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金45百万円およびたな卸資産69百万円であります。

(負債)

当連結会計年度末の負債については、前年同期と比較して1億60百万円(7.7%)増加し、22億39百万円となりました。主な増加要因は前受金66百万円および社債1億円であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産については、前年同期と比較して34百万円(1.3%)減少し、27億0百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益1億21百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少1億27百万円であります。

 

 

  ③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、40億66百万円となり、前連結会計年度に比べ16百万円の減少(前期比0.4%減)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は35億22百万円(前期比0.2%減)、金型製造事業は5億44百万円(前期比1.8%減)となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は、2億30百万円となり、前連結会計年度に比べ98百万円の減少(前期比30.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.4ポイント低下し5.7%となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は、2億52百万円となり、前連結会計年度に比べ1億20百万円の減少(前期比32.3%減)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より2.9ポイント低下し6.2%となりました。

主な営業外収益としましては不動産賃借料88百万円(前連結会計年度87百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用66百万円(前連結会計年度67百万円)が挙げられます。

 

(親会社株主に帰属する利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、2億37百万円となり、前連結会計年度に比べ1億98百万円の減少(前期比45.6%減)となりました。

また、当連結会計年度の法人税等は1億0百万円となり、前連結会計年度に比べ1億87百万円の増加となりました。主に前連結会計年度において税効果会計に係る会計基準における会社区分の変更を行ったことが要因です。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円となり、前連結会計年度に比べ3億82百万円の減少(前期比76.0%減)となりました。

 

  ④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  ⑤ 資本の財源および資金の流動性

当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。

資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。

資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社並び当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。

 

  ⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2020年までを目途に、「2015年から2020年売上高年平均成長率5%」、「2020年経常利益率20%以上」、「2020年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。

当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度におきましては、当社は以下のような研究開発活動に取り組み、当社製品の主要ユーザである金型関連メーカーにおける金型製造の効率化、高度化への貢献を目指しました。

当連結会計年度の研究開発費の総額は6億18百万円であり、全額CAD/CAMシステム等事業によるものであります。

 

当連結会計年度の主な研究開発活動は以下の通りであります。

 ①  EXCESS-HYBRIDⅡ V3.1

2018年2月、金型向け2次元・3次元(2D・3D)融合型のCAD/CAM システムEXCESS-HYBRIDⅡの新版「V3.1」(本バージョン)をリリースいたしました。本バージョンよりユニコードに対応し英語圏を含むアジア各国・地域での図面注記の互換性が保証され、金型図面の国際化の促進を可能にしたほか、プラスチック射出成形金型の外周部を構成する部品群である「モールドベース」作成機能において、双葉電子工業社製に加え、新たに日本金型材社製モールドベースを追加しました。

 

 ②  CAM-TOOL V14.1/V14.2

金型5軸制御マシニングセンター対応CAD/CAMシステム、CAM-TOOL 「V14.1」を2018年4月に、「V14.2」を10月に、それぞれリリースいたしました。「V14.1」ではユーザーインターフェイスを刷新、リボンメニューを採用し、Windows アプリケーションにおける操作の親和性を高めました。また、サーフェスプラスに「フィル曲面」を新設し、円弧・曲線、曲面輪郭などで囲まれた領域に対して、より連続性に優れた曲面を容易にしました。また「V14.2」では使用するツーリングが干渉しない5軸データを容易に作成できる「同時5軸自動変換機能」を刷新、3軸加工パスの設定に基準となる傾斜角度の設定を行うだけで、干渉しない5軸データを自動生成することを可能にいたしました。この他壁面の加工に適した「バレル工具」およびなだらかな曲面の加工に適した「レンズ工具」など、既存工具では困難な曲面加工に適した新型工具による同時5軸対応も実装しました。

 

 ③  AIQ V11.1

2004年にCAD/CAMシステム連動型の金型工程管理システム「AIQ」を全面リニューアル、最新バージョン「V11.1」として7月にリリースいたしました。

「AIQ」は金型・部品製造業に特化した当社独自のIoTソリューションで、自社の受発注情報と工程情報をデータベースで一元管理し、日程・進捗・実績・負荷・原価をリアルタイムに連携させ、「見える化」の実現をもたらします。

「AIQ」の導入により、CAD/CAMと連携して精度の高い工数予測を算出することでより現実的な計画を立案することが可能となります。この他オーダーごとの実績管理および実績集計、ユーザの加工環境に併せた計画管理を可能としており、蓄積したデータを分析しやすい情報として提供することで、適切なマネジメントおよび適確な経営判断にも寄与します。