第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態および経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば、中国の景気減速等海外景気の下振れリスクの懸念から設備投資に様子見の動きが見られ、内需・外需ともに前年同期実績を下回る状況で推移しました。国内では、非製造業はインバウンド需要の回復等により緩やかな成長が継続しておりますが、製造業においては中東地域をめぐる情勢やウクライナ情勢等の地政学リスクから経済的影響が注視されるとともに、原材料・エネルギー価格の高騰および高インフレ抑制を目的とした世界的な金融引き締めの影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような状況下、当社グループは、CAD/CAMシステム等事業では、前期に引き続き主力製品であるCAD/CAMシステムの販売を推進し、既存顧客に対するサポート体制の強化による保守収益の向上を目指し事業活動を継続しました。また既存製品において定期的なバージョンアップ開発などの機能強化に取り組んだほか、CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓を進めました。一方金型製造事業では、新たな顧客開拓を目指し下期以降の売上につなげるための活動を行ってきました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の当社グループの連結業績は、売上高は、9億35百万円と前年同四半期と比べ2百万円(0.3%)の減収、営業利益は、37百万円と前年同四半期と比べ20百万円(35.6%)の減益、経常利益は、56百万円と前年同四半期と比べ31百万円(35.5%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、24百万円と前年同四半期と比べ33百万円(58.2%)の減益となりました。

 

事業セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 ① CAD/CAMシステム等事業

CAD/CAMシステム等事業では、OEM開発売上および一部既存OEM先へのライセンス売上は前年同期比で増加したものの、主力CAD/CAMシステムは、EVシフトの方向性の不透明感から、主な利用先である自動車向け金型・部品製造業での設備投資の慎重姿勢が改善せず販売が低調に推移しました。海外における製品販売は、インドネシア、ベトナムでは回復基調が見られましたが、前期堅調を維持していた韓国での落ち込みが影響しました。

保守売上は、既存顧客に対する充実したサポートを提供することにより、引き続き高い保守更新率を維持し、国内海外ともに堅調に推移しました。

これらの結果、CAD/CAMシステム等事業の売上高は、8億44百万円と前年同四半期と比べ66百万円(7.3%)の減収、セグメント利益は、47百万円と前年同四半期と比べ40百万円(46.4%)の減益となりました。

なお第2四半期以降も、EVシフトの方向性について依然として不透明感が拭えないものの、長期間にわたり設備投資を先送りしていた大手・中堅製造業の一部に設備投資意欲持ち直しの傾向が見られることから、下期にかけて緩やかに回復するものと見込んでおります。

 

 

 ② 金型製造事業

当社の金型製造子会社が拠点を置く北米の自動車業界では、金利上昇等による景気減速への懸念から設備投資に慎重な姿勢が見られるなど先行き不透明な状況が継続しました。また2024年度は新機種開発に伴い需要回復を見込んでおりましたが、EV車(主にバッテリー式電気自動車(BEV))の販売数が落ち込む中、当初の予定からBEVの新機種開発および生産を延期する動きも見られ受注環境は引き続き厳しい状況で推移しました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の金型製造事業の売上高は、91百万円と前年同四半期と比べ63百万円(232.7%)の増収、セグメント損失は、9百万円(前年同四半期は30百万円の損失)となりました。

なお第2四半期以降もEVシフトの動向、原材料高騰等の間接的な影響も懸念されますが、下期以降において受注状況の回復を見込んでおります。

 

(資産)

 当第1四半期連結会計期間における総資産は、前連結会計年度と比較して16百万円(0.3%)減少し、55億68百万円となりました。主な増加要因は電子記録債権51百万円および投資有価証券55百万円、主な減少要因は現金及び預金1億12百万円であります。

 (負債)

 当第1四半期連結会計期間における負債は、前連結会計年度と比較して13百万円(0.6%)増加し、24億71百万円となりました。主な増加要因は賞与引当金52百万円および未払法人税等37百万円、主な減少要因は契約負債64百万円および買掛金20百万円であります。

 (純資産)

 当第1四半期連結会計期間における純資産は、前連結会計年度と比較して29百万円(1.0%)減少し、30億96百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加24百万円および有価証券評価差額金39百万円、主な減少要因は配当金の支払いによる利益剰余金の減少96百万円であります。

 

(2) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億64百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。