(1)経営方針
当社グループは創業来培った表面処理加工のノウハウを活かし、「表面処理で社会のインフラを支え、人々の
暮らしの安全、便利な社会の実現に貢献する」との基本理念のもと、お客さまのご要望に応えることで、企業と
しての存在価値を高めることに努めてまいります。
また、関係法令を順守し、お客様、株主・投資家の皆様さま、取引先、地域社会をはじめとした関係者に対す
る社会的責任を果たすことを目指してまいります。更に中長期的な会社の基本戦略として持続的な成長を果たし
ていくために、以下の施策を推し進めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、受注力の向上、合理化、教育強化を重点課題に掲げ、当連結会計年度において決定いたしま
した東北事業部での新ライン建設や、生産拠点の再編を着実に実行していくことで、収益体質の改善に取り組
み、売上高6,600百万円、営業利益140百万円、経常利益70百万円を目指してまいります。
(3)経営環境
当社グループにおける新型コロナウイルス感染症対応としては、国内は4月の緊急事態宣言を受け、テレワー
クや時差出勤、車通勤の推奨などの対応を実施したほか、勤務中のマスク着用の義務化、本社工場間の出張制限
なども行いました。フィリピンにおいては、首都マニラ及び会社の所在地区がロックダウンとなり、2ヶ月半に
渡り従業員の半数の出勤制限が続き、操業に大きな影響がでました。
中国については、春節明けの稼働開始が2週間延期となるなど制約がありましたが、収束と共に稼働も回復し
ております。
当社グループが属する電子工業界におきましては、高速、大容量の通信を行う5G関連の需要拡大をはじめ、テ
レワークによるパソコン需要の拡大やゲーム機の需要拡大など、追い風的な状況もあるものの、収束の見通せな
い新型コロナウイルスの影響から、減収を見込む動きも多く見られることから、引続き厳しい事業環境が続くも
のと思われます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①受注拡大・生産能力増強・生産体制確立
次世代通信規格5Gをはじめとした様々な機器が技術革新する新たな潮流とともに、電子機器の小型化・高
機能化が進んでおります。
東北事業部(福島県郡山市)に新たな設備の増設と微細加工技術を導入し、成長分野へターゲットを絞った
設備投資を進めることで、積極的に受注拡大・生産能力増強・生産体制確立を図ってまいります。
②差別化
お客さまが求める高度な要求に迅速に対応するために、部分めっき精度の向上を進めるとともに新たなめっ
き工程の確立やめっき被膜の開発を行うことで他社が追随できない差別化を図ってまいります。
③材料費削減
新たな設備の増設と微細加工技術の導入に加え、めっき被膜の管理をより一層強化することで既存事業にお
ける材料費削減を推し進め収益力の向上を図ってまいります。
④コスト構造改革・工場統合・価格低減
次世代通信規格5Gをはじめとした通信向け分野の受注拡大を目的に、国内最大拠点の東北事業部に新ライ
ンを整備し生産拠点の統合を進めることで量産機能を集中させ収益体質強化を図ってまいります。
⑤不具合発生ゼロ・品質管理力強化・不良削減
品質強化を進める上で基盤となる人員の育成や作業の標準化が重要であり、生産現場での実践的な教育をは
じめ、安定した品質を確保すべく徹底的な品質改善を進め不具合発生ゼロを目指した品質管理強化を図って
まいります。
⑥新規事業推進
開発中の「水素透過膜」および「銀めっきアクリル粒子」は、2020年度も国立研究開発法人産業技術総合研
究所 福島再生エネルギー研究所の「被災地企業等再生可能エネルギー技術シーズ開発・事業化支援事業」
に採択され、事業化を目指し支援をいただいております。
「水素透過膜」については、東京工業大学とも共同開発を進めており、当社の特許技術である「電解めっき
法」による薄膜化、コスト軽減が可能です。現在、各企業と連携し、製品開発および水素透過膜の提供を行
っております。今後も来る水素社会に向けての水素精製装置の小型化など、インフラの普及並びに再生可能
エネルギーの普及に貢献できるよう、事業化を進めてまいります。
「銀めっきアクリル粒子」については、導電材料としての製品サンプル評価を進めており、太陽光パネル接
続材料、電子機器の接続に期待がもたれていることから、早期事業化に向けて対応を加速してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)IT産業等の業界動向が当社の業績に与える影響について
当社グループの主要製品はIT産業等の動向に影響を受けやすい電子部品等の材料となるプレス加工品及び表面処理品であり、主にコネクタメーカーからの受注加工となっております。
近年多くのコネクタメーカーにおいて、コスト低減、開発のスピードアップ、社内稼働率の維持向上や収益の外部流出防止等を目的に、プレス加工及び表面処理加工を国内及び海外グループ会社の内製部門へ取り込む動きが強まっております。
この内製化の進展が、IT産業の業績動向以上に進んだ場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動の影響について
当社グループは、今後もマーケットの拡大が期待されるアジア地域(フィリピン)に海外子会社を有しております。海外子会社は主としてドル建てで決済しておりますが、海外での取引規模が拡大し、当社グループ内に占める子会社の売上、利益の割合が増加した場合、今後も為替相場の変動が当社グループの財政状態及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
また、当社グループは日本国内においてはその取引のほとんどが日本国内のコネクタメーカーとの円建て取引となっており、直接的な為替の影響は受けないものの、国内取引先の生産拠点の海外移管等がさらに進んだ場合には国内での円建て取引が減少する事により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)技術開発、生産設備の開発・新設について
当社グループが属する電子工業界は、世界市場の中で日進月歩絶えず進化を遂げており、製品動向や環境対応基準等を含めた情報の変化にスピーディーに対応することは、経営上重要な要素であります。
現在、営業情報等をもとに市場のニーズに応えるべく技術開発をいち早く行い、現有設備への展開や設備の新設を行っておりますが、当社グループが保有する生産設備は自社での設計・製作を基本としているため、製品動向に急激な変化(形状や材質、使用原材料等)が生じた場合、研究開発、設備の設計・製作に時間を要することから生産に支障を来す可能性があり、その結果当社グループの業務運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループは、表面処理の工程内で「毒物及び劇物取締法」の対象となる薬品を使用しており、また工程より排出される廃液等には「水質汚濁防止法」「大気汚染防止法」「土壌汚染防止法」等の対象となる重金属イオン等が極微量含まれており、それぞれ同法の規制を受けております。
当社グループでは、各種届出及び有資格者の下での管理を徹底するとともに、法的規制値より更に厳しい社内基準値を設けて廃液等を管理し、可能な限りのリサイクルを行い法令遵守に努めております。しかしながら、法改正等により規制が強化され、当社グループの工程内で対象となる薬品の使用が禁止又は使用制限された場合、廃液等の廃棄物の排出基準が変わり処理設備の大幅な改造の必要が生じた場合や、自然災害等による設備の崩壊により敷地内汚染が発生した場合には、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)環境問題対応について
当社グループが属する電子工業界では、「鉛フリー」や「脱塩素溶剤」等の問題を抱えておりますが、環境問題に対し様々な対策が講じられております。当社グループにおきましては、表面処理加工法の改良をもって対処しておりますが、今後代替物や新技法等が開発された場合、設備移行に多大な費用と時間を要する可能性があります。
また、国内及び中国では「ノンシアン」による表面処理要請が強くなってきており、今後水質・大気等排出基準の強化が法的に進められた場合、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があります。
(6)土壌汚染について
土壌汚染対策法や、各自治体における生活環境の保全等に関する条例等(以下、総称して「土壌汚染関連法令」といいます。)によれば、土地の所有者、管理者または占有者は、六価クロム、鉛、塩素、トリクロロエチレンその他特定有害物質による土地の土壌汚染の状況について調査し、都道府県知事に報告を行なわなければならない場合があります。
また、特定有害物質による土壌の汚染により、人の健康にかかる被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な手段をとる必要がある場合があります。
上記の制度を前提にした場合、当社の保有する本社地区の敷地内の一部において、当社が業務上使用していない特定有害物質に関して、これまでに基準値を上回る測定結果が断続的に確認されております。現時点において、当社において何らかの対策を行う必要はないものの、将来当社が同工場用地を売却したり、同工場施設の使用を廃止する場合等に、土壌汚染関連法令に基づく調査を実施しなければならない可能性があります。
なお、当該調査において土壌汚染関連法令に定める基準値を超える汚染土壌が確認された場合は、かかる有害物質を除去するために土壌汚染関連法令に基づく汚染土壌の入れ替えや洗浄などの処理が必要となり、その対応に費用と時間を要する可能性があります。
(7)知的財産権等について
当社グループでは、加工プロセスに係わる技術開発が多くありますが、出願公告を行うことによりノウハウの社外流出に結びつく恐れが多分にあると考えているため、特許権・実用新案権の取得を積極的には行わない方針です。このため、他社が当社の開発した技術にかかる特許を取得した場合は、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループにおいては、他社の知的財産権等の侵害を防止するため、必要と考えられる社員への教育や関連文献の調査、弁理士等専門家への相談を行う処置を講じておりますが、かかる処置にもかかわらず、他社の知的財産権を侵害してしまった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
(8)政情不安が与える影響について
当社グループは貴金属表面処理事業において海外需要の高まりから、フィリピンに生産拠点を有しております。今後、日本メーカーの海外移管の促進等により当社グループ内での海外生産高シェアも増加していくものと考えております。しかし、アジア諸国の一部では政情不安等がもたらす影響も懸念され、また、法令や政策、規制、税制等の変更が行われた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(9)主要原材料の価格変動について
当社グループの主要事業である表面処理加工並びにプレス加工において、主要原材料としてそれぞれ「シアン化金カリウム」と「銅平板材」が使用されております。シアン化金カリウムは金を68.3%含有しており、プレス原材料は銅など、それぞれ国際的な取引市場での市況により価格が左右されます。当社グループでは顧客からの受注の中で原材料価格の上昇を販売価格に転嫁するよう努力しているものの、金並びに銅の市場価格の変動が当社グループの予想を超えた場合など単価に十分に反映できないような場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材の確保について
当社グループは、経営環境の急激な変化に対応してコスト構造の抜本的な見直しを行い、経費削減に努めてまいりました。しかし、顧客の内製化の推進や海外グループ会社への生産移管などが進んでおり、経営環境の変化に対応した更なる収益体質への変革を進めております。
表面処理加工及びプレス加工の作業は自動化及びマニュアル化による標準作業ができる状況にありますが、微細加工技術を追求した加工方法の、ニッケルバリア、スポットめっき等については、その加工設定などにおいて人に依存する割合が高い部分もあり、標準化体制を整えるべく推進しております。しかしその体制構築に時間を要しており、品質を支える技能者の確保、技能の伝承は不可欠な状況です。今後技能者の退職というような事態が生じた場合には、生産に支障を来し当社グループの業務運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(11)事故災害等による影響について
当社グループは国内において関東及び南東北に生産拠点を有し、また海外においてはフィリピンに拠点を設け、市場動向に合致した最適地生産活動と、生産拠点分散による各種事故や災害発生から被る影響を最小限に抑える対策を講じております。
当社は、東北工場(現東北事業部:福島県郡山市・西部第二工業団地内)において、火災および汚染水河川流出事故を発生させた経緯がございます。この経験を生かし社内防火教育訓練や予防対策をはじめリスク管理体制には万全を期して対処しておりますが、今後同様の事故が発生した場合や地震等自然災害による製造設備や処理プラントの被害状況によっては、対処や復旧作業に多大な時間と費用を要する場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、新型コロナウイルスの世界的な拡散のような経済活動に大きな打撃を与える事象が発生した場合においても同様に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス等の感染拡大は、従業員の活動が制約され、生産・販売等の企業活動に幅広く影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、社内に危機管理マニュアルを制定し、従業員自らが感染防止行動をとるとともに、従業員の感染リスクを避けつつ得意先との商談や新製品・技術に関する情報収集が可能となる働き方の検討・導入等で対応いたします。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済におきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大について収束の見通しが立っておらず、各国において移動制限等の感染拡大対策が取られていることを受け、企業活動や経済活動への制限を余儀なくされている状況が長期化しており、厳しい経済環境が続いております。
また、米国との貿易摩擦本格化を受け、中国では一段と景気が悪化しており、製造業の生産活動にも停滞感が強
まっております。
わが国経済におきましても、世界経済の減速に加え、依然として企業活動の自粛等が続いており、経済活動に制限がかかっていることを受け、世界経済同様、厳しい経済環境が続いております。
当社グループが属する電子工業界におきましては、自動車・産業機器向け市場については低調な市場環境が続いているものの、次世代通信規格5G向けを中心に通信向け市場では部品需要が拡大しており、当連結会計年度においては部品需要は堅調に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界経済悪化により、今後の電子部品需要への影響が懸念される状況にあります。
当連結会計年度において当社グループは、前期に決定した施策を推進すべく通信向け分野を中心とした受注拡大のため東北工場に新ラインの建設を行い、積極的な受注活動に努めるとともに、生産拠点の統合の実現に向けた活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は7,947百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は179百万円(前年同期は営業損失344百万円)、経常利益は86百万円(前年同期は経常損失410百万円)、また、親会社株主に帰属する当期純利益は第2四半期で投資有価証券売却益を計上したこと等から、171百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失625百万円)となりました。
なお、セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。
① 日本
当連結会計年度は、次世代通信規格5G向けを中心に部品需要が回復基調にある通信向け分野での受注拡大に向け、東北工場に新ラインを建設し積極的な受注活動に努めるとともに、生産拠点の統合の実現に向けた活動を行ってまいりました。
この結果、売上高は5,476百万円(前年同期比29.2%増)、営業利益は62百万円(前年同期は営業損失589百万円)となりました。
② 中国
当連結会計年度は、米中貿易摩擦による電子部品需要低迷に加え、中国政府が実施した環境規制強化に伴う操業制限や新型コロナウイルス感染症対策の操業制限もあったことから、売上高は前年同期に比較して減少する中で、経費削減等の収益改善施策を徹底してまいりました。
この結果、売上高は1,387百万円(前年同期比8.4%減)、営業利益は13百万円(前年同期比82.1%減)となりました。
③ フィリピン
当連結会計年度は、車載向け製品需要の低調が続いており、また第4四半期においては新型コロナウイルス感染症対策の操業制限が実施されたことから、売上高は前年同期に比べ大幅に減少いたしましたが、主材料を中心とした改善活動に取り組んできたことから、通期での営業黒字を確保いたしました。
この結果、売上高は1,086百万円(前年同期比19.6%減)、営業利益は8百万円(前年同期比88.3%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が706百万円、また機械装置及び運搬具が573百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ1,093百万円増加し、10,400百万円となりました(前連結会計年度末は9,307百万円)。
負債は、短期借入金が292百万円、1年内返済予定の長期借入金が386百万円、長期借入金が277百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ1,047百万円増加し、6,075百万円となりました(前連結会計年度末は5,027百万円)。
また純資産は利益剰余金が171百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比べ45百万円増加し、4,324百万円となりました(前連結会計年度末は4,279百万円)。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末と比較して148百万円減少し、2,480百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、339百万円の減少(前年同期は209百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が216百万円あったものの、売上拡大局面であったことから売上債権の増加額が717百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、682百万円の減少(前年同期は667百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が844百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、910百万円の増加(前年同期は475百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が607百万円あったものの、短期借入金の純増額が294百万円、長期借入れによる収入が1,271百万円あったこと等によるものであります。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
5,517,197 |
129.7 |
|
中国 |
1,382,876 |
92.2 |
|
フィリピン |
1,086,821 |
80.3 |
|
合計 |
7,986,895 |
112.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
5,569,527 |
131.2 |
322,455 |
143.0 |
|
中国 |
1,384,687 |
92.5 |
52,275 |
94.5 |
|
フィリピン |
1,086,147 |
79.7 |
23,648 |
97.3 |
|
合計 |
8,040,362 |
113.1 |
398,378 |
130.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
5,472,572 |
129.2 |
|
中国 |
1,387,712 |
91.6 |
|
フィリピン |
1,086,814 |
80.4 |
|
合計 |
7,947,099 |
111.9 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
「(2) 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
「(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
このような状況のもと、当社グループは、需要が拡大している次世代通信規格5G向け製品の受注拡大に向け東北工場での新ライン増強を進めるとともに、国内での生産拠点の再編を着実に実行していくことに加え、当社連結子会社である山王電子(無錫)有限公司の持分譲渡を行い、経営資源の選択と集中を実施し一層の経営効率の向上に努めてまいります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の詳細につきましては、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、貴金属表面処理加工工程を中心とした海外展開の推進並びに国内同工程の生産性向上を目的とする設備増強であります。
また、当社グループが使用する主材料のうちシアン化金カリウムは高価であることから、調達コストを抑えるため現金購入を行っておりますが、主材料購入が主要な資金需要の一部分になっております。
上記の資金需要に対応するため、当社グループは取引金融機関から資金調達を行っております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間に収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度における重要な会計上の見積り項目として、当社の固定資産の減損 を識別しております。当該会計上の見積りに関しては、「第5 経理の状況 1「連結財務諸表等〕(1)連結財務諸表及び、2[財務諸表等〕(1)財務諸表の(追加情報)にそれぞれ記載しているとおり、当社における新型コロナウイルス感染症の影響に関して、2021年7月期の一定期間にわたり、当該影響が継続するとの仮定を置いて、会計上の見積りを行っております。
(連結子会社の持分譲渡)
当社は、2020年7月14日開催の取締役会において、当社連結子会社山王電子(無錫)有限公司(以
下、山王電子)の全持分を、中華人民共和国 無錫特恒科技有限公司へ譲渡することを決議し、同日
をもって契約を締結いたしました。
持分譲渡実行日は2020年11月を予定しておりますが、本持分譲渡は中国政府による許認可を前提と
しており、現時点では確定はしておりません。
また、本持分譲渡が実行された際は、山王電子は当社連結子会社から除外されます。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)
(事業分離)及び 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)(事業分離)」に記載の
とおりであります。
当社グループの研究開発活動は、主に日本セグメントの事業開発部にて行われ、積極的に外部との交流を図りながら開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費として
当連結会計年度における研究の主要課題は次のとおりであります。
(1)めっき技術を用いた水素透過膜の開発
燃料電池を搭載した自動車の普及と共に、水素ステーションなどのインフラの整備や、輸送方法、貯蔵方法などの技術開発が、政府のエネルギー政策に沿って進められております。
水素の製造には天然ガスや褐炭などの化石燃料を分解して精製する方法が、関連大手企業で主流となっておりますが、一方では太陽光や風力などの再生可能エネルギーから得た電力で水の電気分解を行い、Co2フリーの水素を製造する開発も進められております。
当社の開発する水素透過膜は、パラジウム合金と多孔質ニッケル支持体などで構成されており、めっき技術を応用した電解法により作製し、2017年1月及び2020年5月特許として権利化をしております。
当課題は2014年4月以降、7期連続で国立研究開発法人 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所の「被災地企業のシーズ支援プログラム」に採択され、水素透過性の評価などの評価のご支援を頂いており、東京工業大学科学技術創成研究院先導原子力研究所との共同研究(注1)で、試作、構造分析、性能評価を進めております。また、2020年度も再生可能エネルギーの普及を目指す福島県の「産総研連携再生可能エネルギー等研究開発補助事業」に採択され、事業化に向けての開発のご支援を頂いております。
当期までの進捗としては、パラジウム合金膜の実用化に向けて面積を大きくし、ユニットの作製及び性能評価のステップに入っております。
当社が開発を進めている水素透過膜は、創業来のめっき技術を応用して作製することで、小型で安価な装置化が可能であり、バイオマス由来のメタン発酵ガスや、下水処理場から発生するガスを原料として高純度の水素を製造するなど、身近な分野での水素供給を実現可能にします。
(注1)共同研究を国立大学法人東京工業大学技術創成研究院先導原子力研究所 加藤之貴教授と行っておりま
す。
(2)めっき技術を用いた高い導電性を有したアクリル樹脂粒子の性能評価
当社が保有するめっき技術を用いてアクリル樹脂に銀めっき加工を行い、導電性を付与し、バインダー樹脂に混ぜることにより、現在市場で使われている導電性を有する樹脂粒子より安価で、金属粉より軽い、導電性の接続フィルムへの転用が可能になります。この導電性フィルムを用いて、太陽光発電のパネルの配線を行うことで、薄膜化が研究されている太陽光パネルの配線接続の問題が、解決されることが期待されております。
当課題は2014年4月より7期連続で、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所の「被災地企業のシーズ支援プログラム」に採択され、試作、構造分析、性能評価を行っております。また、2017年8月に特許として権利化をしております。
当社は、産業技術総合研究所が福島県内に整備する再生可能エネルギー研究所等を活用し、産業技術総合研究所より無償で技術支援を受けることが可能となり、上記研究開発の事業化に向けて研究を加速しております。
当社は、めっきというコア技術の転用・開発により知的財産を創出・強化し、再生可能エネルギーシステムの普及と被災地域における新産業・雇用創出に対し、事業拡大を目指しつつ、社会に貢献してまいります。